とまときんぎょ さんの感想・評価
4.0
いかした相棒
よく考えると
幼児が恐怖から泣き叫ぶ絶望のエネルギーを世界の糧とする とか
異世界に紛れ込んだ幼女をボストンバッグに詰めて持ち歩く とか
監禁して泣き叫び続けさせるための装置を地下で開発 とか
拉致、拉致に継ぐ拉致 とか
これジャパンアニメテイストで作ったらどんだけエグいんじゃ…
などと低俗な見方をしてはいけません。(しないよ)
すいません。
私は独身の頃 劇場で2、3回観ました。久々に、子供に観させるつもりが…自分が見入っていました。
コワモテのサリーが、紛れ込んだ見知らぬ子供を気にかけて、ただ面倒に気を揉んでいただけのはずが、いなきゃ心配いれば安心、それが愛着に変わって…という気持ちが、短時間の中で無理なくよく表現されているなぁと思います。
いつもその隣りにいた、口の達者な道化役、ひとつ目玉の奴。あいつとの友情がいいんですね。共に追放された先でブチ切れて感情を爆発させるところも、とても必要な事なんだなーと感じました。
決まりごとより優先すべきことを漠然と感じ取って、黙って身を投じられるサリーに対し、説明や瑣末な都合を気にしてガタガタとした考えのならし作業が追いつかない目玉の奴。
お互い生き方が違う事は承知だったのが、子供を挟んだ時に(そして、窮地だからだね)露呈する溝。付き合いの長い自分のことも、少しは振り返ってくれよっ!という主張も虚しく、相方は特攻にいっちまう…
サリーはもう少し優しいひと言をかけられたらよかったのか?
しかし、ここで友達でいることを諦めない目玉の奴が、偉かったと思う。こんな相棒関係、いいですね。
どこでもドア…じゃない、会社とつながる子供部屋ドアの使い方が便利すぎですが、無数のドアを駆け抜ける様子は圧巻で、使わなきゃ損ですね。
ラスト、エネルギー問題は{netabare}子供を泣かすより笑わせる って、笑いの{/netabare}センスが試される専門職になっていました。
エンディングが、さも俳優たちによる映画撮影だったように「NG集」なのもウィット効いてましたね。
それにしてもこの作品はケモノのモフモフ表現が秀逸でした!^ ^
(スミマセン、しばしサンキューのお礼にいけてません)