Witch さんの感想・評価
3.8
2期制作の重要条件 →2期で完結まで描けるか
【レビューNo.96】(初回登録:2023/11/26)
コミック原作で2019年作品。全12話。
元々2期のレビューを書きたいから、前回1期のレビューを書いた感じなので・・・
(ストーリー)
1期の続きで
・それぞれのキャラの成長や恋愛模様
・「半年間限定」2人の恋の行方
・高校卒業とそれぞれの進路、そしてそれぞれの結末
が綺麗にラストまで描かれています。
(原作未読なので原作準拠かは知らんけどw)
(評 価)
・2期制作の重要条件 →2期で完結まで描けるか
ぶっちゃけ本作を観た最初の感想が個人的にはコレなんですよw
1期で触れましたが、本作は「円盤売り上げ92枚w」とか爆死アニメで、そう
いう意味では2期は絶望的だって話なんですが、はじめから2クール分の尺を
使ってアニメを完結まで描くという方針だったようで(分割2クールアニメ)
1期から半年後に2期放送で無事完結させてくれました。
(本来であれば1期連続2クールでやるべきところでしょうが)
2期で完結しなければ当然「3期(以降)はどうするの?」って話になるわけ
で、この辺りはよほどの人気作じゃないとハードルが高いだろうなっと。
結局「この作品の2期を作る意義は何なのか?」というところで、一番わかり
やすいのは
「超人気作だから制作すると金になるし、多くの視聴者も喜び、Win-Win」
ってやつですが、それ以外でも
「2期でこの作品の本当の面白さを最後まで伝えることができる」
というのも「2期を作る意義」のひとつとして認識されているのかなというの
を感じました。
逆に面白いのに2期が来ない作品の理由のひとつに
「2期で終わらず、3期(以降)も面倒をみる覚悟があるのか」
ってところで2の足を踏んでいるケースもあるのかなっと。(知らんけどw)
・1期で膿を全て吐き出したような不快感のない立ち上がり
2期は序盤から結構飛ばしてきますが、
{netabare}・オタクとかで馬鹿にされる描写がなくなる。むしろ文化祭の実行委員を
やり周りから認められる等ハートフルな展開に。
・悩みは相変わらず多い。でも「伊東×綾戸」など今までの自己否定といっ
た後ろ向きから、自分を変える前向きな話が主となるので好感が持てる。
・謎の筒井家離婚騒動が勃発wグダグダ感もあるが個人的には結構好き。
・大事なところでの石野さんの「イケメンぶり」は相変わらず健在。
相変わらずイベント頼りな点は否めませんが、それがキャラの成長に繋がっ
ているので、物語として嚙み合ってきて断然面白くなります。
そしてついに石野さんの恋バナも動き出し、他の恋も咲き乱れ、ある意味
「1期とは別作品じゃね?!」という位華やかな流れになってきます。
人物描写もしっかりしてくるので、1期に比べやはり面白くなってます。
原作者が本当にやりたかったのは、こういうことだったのかなあっと。{/netabare}
・「半年間限定」の2人の恋の行方
最初に交わした約束で、1期ではあまり焦点が当たりませんでしたが、2期
後半では重くのしかかってきます。
{netabare}当然「転校」というのは嘘だった訳で、まあベタな少女漫画展開ではあり
ます。でも2クールの尺を活かして、この辺りも丁寧に描かれていたので
個人的にはよかったかなっと。{/netabare}
・社会人となって立派に仕事している姿に感動、そして結末は・・・
時は流れ、筒井も25歳になりました。ここまで視聴し続けると、コミュ障
で卑屈だった筒井や伊東が、周りと上手くやりながら仕事で成果を出して
いる姿は純粋に感動を覚えます。そしてラストは・・・
{netabare}色葉との再会を含め、皆が考えられうる最高のハッピーエンドで終わります。
ハッキリ言ってご都合主義もあり、いろいろとベタです!
でもそれのどこが悪いのか?!視聴者を含め、皆が幸せな気持ちで終われ
るのならそれ以上のことはないでしょう。
そう思わせてくれるラストだったかなっと。{/netabare}
「『オタク』男子と『男癖と女受けの悪さで有名な』女子のラブコメ」
その看板を下ろすと、実はかなりベタな少女漫画展開だったという・・・
でも2期の評価すべき点は、奇をてらわすそれをしっかり丁寧にやり切ったと
ころだと思います。だからこそ安定の面白さがある。
そしてやはり石野さんの存在が大きかったかなっと。彼女の「イケメンぶり」
がベタな少女漫画感を中和して独自の味を与えてくれたので、最後まで作品を
楽しめた感じですね。
制作陣の「2期まで制作してこの作品の良さを最後まで伝えたい」という思い
も理解できる作品だったかなと感じました。
それだけに1期の弱さがホント惜しまれますね。
(1期途中で切った方も結構おられるだろうなと)
あと作画はまあ・・・