キャンプで心温まるなTVアニメ動画ランキング 5

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早速見ていきましょう!

94.3 1 キャンプで心温まるなアニメランキング1位
ゆるキャン△(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (1841)
7307人が棚に入れました
1人でキャンプをするのが好きな女子・リンと、キャンプ初心者・なでしこの出会いからはじまるアウトドアコメディ。本格的なキャンプのノウハウをゆるく楽しげに描く。

声優・キャラクター
花守ゆみり、東山奈央、原紗友里、豊崎愛生、高橋李依、井上麻里奈、大塚明夫
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

日本の原風景を異国で観ると心に沁みて意味もなく涙腺が…りん曰く「それは斬新な昼ドラry」

☆制作スタッフ
▼原作:まんがタイムきららフォワード
▼原作者:あfろ
▼アニメーション制作:C-Station{netabare}
▼監督:京極義昭(初監督作品)
・実績
(演出参加)
『うさぎドロップ』『黒子のバスケシリーズ』 『ヤマノススメ2期』など
▼シリーズ構成:田中仁
・実績
(シリーズ構成)
『キラキラ☆プリキュアアラモード』『あんハピ♪』など
▼キャラクターデザイン/総作画監督:佐々木睦美
・実績
(キャラクターデザイン)
『Phantom 〜Requiem for the Phantom〜』(共同)『星刻の竜騎士』
▼プロップデザイン/プロップ作画監督:山岡奈保子
▼メカデザイン:遠藤大輔
・実績
(作画監督参加)
『とある科学の超電磁砲』『オオカミさんと七人の仲間たち』『ガールフレンド(仮)』『あんハピ♪』など
▼音楽関係
・制作:MAGES.
・OP曲:「SHINY DAYS」(亜咲花)
・ED曲:「ふゆびより」(佐々木恵梨)
▼CAST
レビュー本文に記載。{/netabare}

※長文注意

原作一部既読
リアルタイム視聴済

【視聴環境に関する特記】
"Yuru Camp"
Crunchyroll(配信元)
With English sub

タイトルのとおり、本作は米国赴任中にプレゼンルームに設置されている220インチWXGAプロジェクターで視聴。
サウンドシステムはBOSE5スピーカーサラウンド。
したがって、他の作品とは視聴環境もろもろが違うので、レビューにも影響している。

【物語・キャラ・声優】
1<きららワールドの構造分析>{netabare}
本作の世界観は、原作が連載されているきららのコンセプト、
①日常+空気感

そしてもはや王道テンプレとなっている
②JK(女子高校生)+Activity(活動性)のオーバーラップである。

①+②で、もうあの名作を思い出すだろう。
そう『けいおん!』だ。
しかし、ここで『けいおん!』の二番煎じだのというレビューを書く気は毛頭ない。
(寧ろ『BanG Dream!』は明確に意識、いや、嫌み的な意味でオマージュだな。)
当時、きららでは窓際作品であった『けいおん!』がなぜアニメで大ヒットし、延いては社会現象まで引き起こした理由を思い起こして欲しいのだ。
その答えは「空気感」という形而上な空間をアニメ媒体でしっかりと表現し、視聴者に今までにはない新鮮なカタルシスを伝えきったことに尽きるし、アニメ化に際し脚本構成を担当した吉田玲子さんの卓越した構成と京アニの演出と作画力の協奏に因るミラクルと言っても過言ではない。
『けいおん!』の大成功後、きららのコンセプトが明示的に「①」となったのは周知の事実である。
『けいおん!』終了後も多数のきらら作品がアニメ化されているが、感覚では掴める「空気感」を左脳に書き換える際にどうしても巧い表現が見つからないままであった。
いや、もっと正確に言えば「空気感」を言語的で認識したきっかけが『けいおん!』で『ひだまりスケッチ』のときから感覚としての把握はしていたのだ。
それを解決に導いてしてくれたのが本作なのであり、きららの記号「空気感(ゆるふあ)」の解とは

《異性関係が外形的なストイックであり、かつ非現実な平和過ぎる人間関係の空間》

である。

この状態を更に的を射る言葉が《ゆるい》である。
例えば、きらら作品では少し異色な『がっこうぐらし! 』で考えてみるが、ゾンビに囲まれた世界観はとてもシリアスであり、個々のキャラには試練が降りかかるが、主人公を取り巻く人間関係はシリアスではない。
これが《ゆるい》の核心であり、かつ《ゆるい》を具現化するストーリーの出口は《非ゼロサムのTrue end》であることが、きらら作品の原理原則なのだ。
他の作品は世界観設定自体が緩いので、これ以上の論証は不要だろう
「非ゼロサム」が解り難ければ「Win-Win」で置き換えても良いし、結果が生じる作品では「予定調和」である。

我々のリアルの日常は仕事、学校での人間関係の葛藤に明け暮れている。
ストレス(精神的疲労)の9割が人間関係という日常であるが、そのようなメンタルで人間関係に波風がない《ゆるい》作品を視聴すると精神的緊張緩和が生じるものだが、この心理状態が「癒し」であり「リラクゼーション」である。
ストレス社会に生きる我々は無意識に《非ゼロサムのTrue end》の「きららワールド」を求めているのであり『のんのんびより』の需要が多いのは分かり易い証左。
逆説的に見れば『はねバド!』のように人間関係が辛辣な作品は必ず賛否両論が生じるし、きららワールド的安全安心のヌースで進行していた『ヤマノススメ3期』でのギスギスに違和感を覚えるのである。

日常で散在味わっている人間関係のストレスを、楽しみや息抜きで観るアニメで態々味わいたくないのは当然の心理であろうし、精神衛生に悪いバッドエンドもまた然りである。
しかし、それゆえの固有のデメリットも生じる。
非ゼロサムのTrue endが約束されているため、安定感があり、賛否偏差振幅が少なく極端なアンチも生じない代償として、物語も平坦であることゆえ佳作にはなるが、絶賛される作品もまた生まれ難いことにある。

きららワールドの安定感に加えて「②」の王道テンプレが本作では加わる。
この点についてはまず、きらら作品を除いて説明しよう。
「②」で成功した最も有名な作品が『ガルパン』だ。
「戦車道」なるフィクションを用いて、部活で戦車戦というぶっ飛んだ設定とそれをJKがやるという異様さが話題となり、戦車戦の派手なアクションとギミックが効いたギャグが相乗し大ヒットしたのは誰しもが認める事実だろう。
『ガルパン』に限らず『よりもい』もまたJKと南極というぶっ飛んだ設定だ。
JKをファンタジー設定とした『亜人ちゃんは語りたい』も変わり種だが、男性教師のハーレムが無ければ、内容的にはきららで連載されていてもおかしくない空気感がある作品だ。
それぞれの作品については、当該作品のレビューで行うが、元来JKとActivity(どんな?)は潜在需要が高く、更に上記三作品のように設定の工夫次第では相当の需要が掘り起こせるのである。

では、きららワールドではどうか。
JS(女子小学生)JC(女子中学生)設定、JK日常、社会人の『NEW GAME!』、異世界の『うらら迷路帖』などの一部の例外を除き「②」である。
つまり、きららワールド+「②」はマーケティング的合理においても一定の読者層や視聴層を満たすことからベーシックであることが分かる。
しかし、前述したように平均点は可能であっても、高みは望めない。
つまり、きらら作品の枠を超えての評価は「②」のJK設定かActivity内容に大きな工夫が必要となる。
しかし、前述した『ガルパン』や『よりもい』ではきららワールドが成立しないジレンマが生じる。

「空気感」の分析は終えたので、世代別設定を考えてみる。
JS以下ではロリ色が強くなりその方面で熱狂的ファンもいるかもしれないが、マクロ的にはロリアンチとの差し引きを考えると赤字ではなかろうか。
きらら作品にはエロ要素は少ないが、所謂「百合」を連想させる作品は多い。
百合はネタとして成立しても、一般的には正常とは言い難い状態であり、かつ、幼女同士でそれを連想させるバックグラウンドに対し、ロリのイメージにネガティブな社会的合意の下ではではどうしても、マーケティング的リスクとなる。

ひとこと、言わせてもらえば『苺ましまろ』はJSの日常コメディであってロリを強調した作品ではないし、アニメ化にあたっては原作では飲酒喫煙JK設定の「伸恵」をJD(女子大学、短大生)設定に改変する批判かわしまでやっているが、妹達JSの設定にいちゃもんとしか思えない批判があったのだ。
その背景には、妹達を性対象とした二次創作の氾濫、児ポの規制を巡り議論が活性化しつつあった当時の社会情勢、一部のファンの常軌を逸脱した行動など種々に絡みあった複合要因がそういうレッテルを作り上げたものである。
社会的合意とは、情報リテラシーの貧困に付け入った感情的煽りも大きくて作用しており、さして厳密な根拠で成り立っているものではないのだが、あくまで否定する者が多数派か否かの相違だが、マーケティングでは決して無視は出来ないのだ。

次にJC設定。
これは、きららでは『ゆるゆり』がそうだし、『この美術部には問題がある!』のように他のレーベルでも中心素材として存在することから社会的には受け容れられてはいると思う。
しかし、創作のキャパシティや世間の認知度から考えると『月がきれい』のように思春期が芽生えるJC世代を描く特殊条件でもない限り、JK設定の方がより設定の範囲を広く出来るメリットがあり汎用性が高い。

最後に、社会人お仕事設定の『NEW GAME!』の成功は、主人公がハイティーンの未成年であることと、原作のポテンシャルを上手に引き出した動画工房の制作スキルに因るところが大きく、きらら作品としては異例と考えるべきだ。

ゆえに、JK設定は最大公約数的に受け容れられるポテンシャルが高いと結論出来る。

よって

《異性関係が外形的なストイック(禁欲)かつ、非現実な平和過ぎる人間関係の空間とJK-Activityのアコード》

が、きららワールドの基幹的王道となる。{/netabare}

2<きららワールドからステップアップ>{netabare}
本作が基幹的王道を保ちながら、従来のきらら作品の中では卓越した評価を得た理由を2方向に絞り分析をしてみる。
その際に重要な尺度となる作品が『ヤヤマノススメ』である。
折しも、本作の監督は『ヤヤマノススメ2期』で演出を担当している。
ここでは本作と『ヤヤマノススメ』を対比する形式で考察してみる。
①主人公の設定
(1)性格
ブリックス=マイヤーズ分類をファンダメンタルとして考察する。
パラメーターとはキャラ性格と近似する分類の参考併記である。
a.『ヤヤマノススメ』
「あおい」(主人公)パラメーターISTP
性格は内向的ネガティブ指向。対人関心は希薄。コミュニケーションを拒否しているのではなく、コミュニケーション表現に自信が持てず他人との距離感をつめられない。人間関係のスキル不足で他人との距離感の在り方を間違えることがあり不器用である。
女子力は高いし、ここで紹介する4名のキャラの中では最も女の子らしい。
「かえで」や「ここな」とは普通に付き合えることから、コミュ障というよりはコミュ力(りょく)スキル不足と言える。
(ひなたとはお互いの人的距離感の認識違いが摩擦の原因となった。)
傍目では冷静に見えるが、スイッチが入ると危険を顧みず頑張る傾向にある。
(富士山登頂の失敗はあおいの性格に起因する。)

「ひなた」(準主人公)パラメーターESTP
あおいの幼馴染みで親友であるが、時折あおいを弄りの対象としている。
性格は外向的ポジティブ指向。対人関心は高い。行動的で社交的であり、他者とも円滑な人間関係をを築き、観察力も鋭い。反面、負けず嫌いで独占欲が強い。
この作品の1期第1話で、ひなたのことを忘れていたあおいに声をかけている。
おそらく、ひなたはあおいに対しては精神的優越を抱いていると思う。
あおいは自分の性格に起因するコンプレックスから、ひなたに依存しつつも常に自立を目指しているが、ひなたは内心あおいの自立を歓迎していない。あおいへの独占欲が強いのであり、実際はひなたがあおいに依存しているのだ。
これは『よりもい』の「キマリ」をあおいに「めぐみ」をひなたと置き換えるとイメージし易い。
これが、ひなたとあおいに生じていた距離感齟齬の根本原因で、実際はあおい→ひなたの距離感より、ひなた→あおいの距離感の方が近いのである。

b.「a」の総括
「あおい」と「ひなた」は自他共に認める親友であり特別な関係だ。
互いの距離感は他の登場キャラよりも遙かに濃密である。
『ヤヤマノススメ』では「あおい」を主人公、「ひなた」を準主人公とし、お互いの行動や言動がお互いの行動を規定し合う《因果的人間関係》を柱に物語が動く。
確かに2期までは「空気感」が溢れた構成で、きららワールド的雰囲気を醸していたが、きららワールドと、きららワールド【的】は違う。
ゆえに「空気感」に束縛されず、自由自在なシナリオで因果的人間関係をシリアルに描写した展開も可能なのだ。
これ以上書くと『ヤヤマノススメ』にレビューする内容がなくなるので一応シメ。

c.『本作』
「りん」(主人公)パラメーターINTJ
性格は内向的ポジティブ指向。対人関心は希薄。洞察力は鋭い。
彼女の性格を一言でいうならホワイトナルシストだ。
要は、他人との関わりよりも自分のスケジュールを優先するタイプであり、コミュニケーション能力は普通にあるが、それを人間関係の向上に用いるのではなく、自分の行動原理を貫くことに用いる為に、他人に誤解をされ易い。
ソロキャンを好むのは、仲間に振り回されたり、気遣うことなくマイペースでキャンプを満喫する自分スタイルが確立されている為であり、仲間の存在そのものを否定したり排除をしたりする意図ではない。
ただ、人間関係においては遠からず近からずの距離感をキープするのは彼女の「哲学」であり、それを浸食する行為には激しく拒否感を示す。
彼女の数少ない友人「恵那」は彼女の哲学の良き理解者であり、距離感の取り方を心得ているから親密な関係となれたのであろう。
また、彼女と「あおい」の「内向性」における決定的な相違は、自我が自立しているか否かである。
彼女の内向性は「哲学」を通すための必要条件である故にポジティブなのだ。
「あおい」には「理想」はあっても「哲学」はないから、性格の素のままに内向的である。
そして彼女の絶妙なキャラ設定こそが、きららワールドを維持しながら本作をステップアップさせた原動力でもある。

「なでしこ」(主人公)パラメーターESFP
性格は外向的ポジティブ指向。対人関心は高い。他人への配慮が出来る反面、他人の評価を気にするデリケートな面がある。
キャンプ飯では女子力の高さも披露した。
彼女は、今を存分にエンジョイすることに人生意義を感じ、誰とでも分け隔てのないコミュニケーションが取れる長所を生かし、その楽しさ自分のみならず周囲にもワクワクを分けることが出来るパワフルな性格である。
しかし、時としてハイテンションが裏目に出て周囲がついていけず疲労感を与える傾向がある。
洞察力が鋭い「りん」が彼女を避けるのは、この部分を自分にとって一番受け容れ難いことと判断しているのかもしれない。
また、彼女は、「りん」の用意周到で計画的な性格とは真逆の、直感を信じて取り敢えず行動を起こすタイプだ。
しかし、のほほんとしているようだが、実は意外とナイーブなのである。
一見、そのゆるい性格が『けいおん!」の「唯」と似ているようにも見えるが「唯」ほどアリガタク脳天気な性格ではない。
「りん」をグルキャンに何とか引き入れようと試みるが「りん哲学」の厚い壁に阻まれ避けられる挫折感は、元来陽性の性格が実は傷ついている彼女の内面を覆い隠しているに過ぎないのだ。
しかし、彼女と「りん」の心理的駆け引きが本作に奥行きを与えているのもまた反面の事実である。

d.「c」の総括
さて、上記「b」で《因果的人間関係》を説明したが物語初期の「りん」と「なでしこ」は【知人(友人とまでも言えない顔見知り)】ではあるが、お互いの心の内面まで共有する【親友関係】ではない。
つまり二人は《相関的人間関係》であり「りん」に関して何かと付き合いの多い「恵那」を除き「なでしこ」「千明」「あおい」の野クル部員との距離感は全て等しく保っている。
なお、きららワールドでは各キャラクターの距離感は『ヤマノススメ』のような親友設定はほとんどない。
その理由として、一部のキャラに濃密な人間関係を設定し「ゆるふあ」だけで物語を進めて行くと、どうしても視聴者が現実的矛盾を感じてしまい、物語そのものに醒めてしまう二律背反が生じる。
この解決方法の一つが、各キャラ間の人間関係の設定を希釈化させることでシリアス回がなくても物語が進行するトリックを用いている。
『ヤマノススメ』は親友キャラ設定があるので、シリアスシーンを挿入しないといずれは現実的矛盾に突き当たり、物語の進行が八方塞がりになったかもしれない。
よって、あえて3期は現実的矛盾回収期としたのだろうが、今後4期、5期と続けるのならば合理的な判断だった思う。

本作の人間関係はシリアスシーンを回避するきららワールド設定であるから、平坦な物語であり「きらら需要層」向け満足作品であったはずなのだが、従前のきららファンのみならず多くのアニメファンを魅了した。
命題「①主人公の設定」の解は、実は既に「りん」と「なでしこ」の横に記述してある「主人公」。

そう《W主人公》設定にある。
しかし、それだけではなくW主人公を使い熟している。

本作は、二人の主人公が一話で複数の平行ドラマを奏でる重層構造であることにお気付きだろうか。
「なでしこ」と「他のキャラの会話劇」と、「りん」は「モノローグ(独白)劇」の二本立てとし、きららワールドのお約束「相関的人間関係」の設定制約を逆手にとり「因果的人間関係」では実質不可能な主人公の使い分け、物語の進行に平行と交差のミックスアレンジを行うことでシリアス回を回避し、かつ、物語全体に深みとイナミック感を醸し出した。
なお、これを達成し得たのはW主人公の物語構成のみではなく「りん」CV東山さんの演技力、そしてトリックスターとしての「恵那」の絶妙なキャラ設定、このすべて調和したからこそ成し得た偉業である。
「恵那」のキャラが本作のトリックスターであることが明確となったのは10話である。
この話は「恵那」がグルキャンに参加するとのLINEのやり取りで始まる「りん哲学」変節の伏線回だが、物語後半ギリギリまで「恵那」の真の役割を明かさなかったのは本当に見事な構成だ。
更に、10話の伏線を成立させるために、登場キャラによる群像劇と平行して「りん」との距離感を詰める「なでしこ」のボディタッチ効果(心理学用語:他人との心理的距離を徐々に詰める概念や技法。実際にやると牢屋に行くことになるので絶対にやらないこと。)に話数を使い丁寧に描写し10話に至るまでの伏線の伏線とした重層構造が「りん」のグルキャン参加が自然な状況で収束する、Win-Winで終わるドラマチックな"True end"を完成させることが出来たのだ。
まさに、きららワールドの呪縛であった『けいおん!』的展開から、一段高みに導いたお見事の表現に尽きる匠の演出であり、勝利である。{/netabare}

3<きららワールドと成功方程式>{netabare}
既に「1」で
《異性関係が外形的なストイックかつ、非現実な平和過ぎる人間関係の空間とJKActivityのアコード》
が、成功の前提条件であることは論証したが、あくまで成功の確率が上がるという意味であり、成功するには"Activity"の設定にも工夫が必要である。
しかし、意表を突くにしても、きららワールドには《非ゼロサムTrue end》の原則があり『ガルパン』のようなハードバトルや、『シュタゲ』のような伏線回収が複雑な凝ったSF設定をきららワールドを適用するのはあまりにハードルが高すぎるし、苦労の割に結果が伴うとも思えない。
メカはどうだろう?
きらら作品から離れて、JKとサイドカーレースを組み合わせた『つうかあ』で考えると、設定の意外性は確かにあるが、勝負事と非ゼロサムTrue endの整合は難しいし、失敗リスクの方が高い。
メカと勝負のコンビはやはり、きららワールドから離れたシリアス性を出さないと、浮き世離れした中途半端なモノにしかならない。
また、JKとバイクの『ばくおん!!』も意外性があり、ツーリング群像劇のコンセプトは「ゼロサムTrue end」を満たしているが、機械であるメカは冷たいイメージもあり、温もりや優しさが成分の「ゆるさ」とは相性が良くなく、この作品も成功したとは言い難い。
そこから消去法で考えると、魔法や異能力ようなファンタジー、部活やクラスメート同士の日常コメディがどうしてもベーシックスタイルとなるし、また、実際、アニメ化されたきらら作品のほとんどはそうである。

しかし、JKと意外性の組み合わせで成功している作品もある。
本レビューで何度も引き合いに出している『ヤマノススメ』だ。
私が何度も『ヤマノススメ』を引き合いに出しているのは、この作品と本作には共通点が多く存在しているからでもある。
メカは冷たいイメージに対して、自然は優しいイメージである。
そして「意外性」とは、突拍子もない組み合わせのみではなく、所謂「ニッチ(少数派)」も含まれる。
『ヤマノススメ』1期のとき、JKと登山は十分に意表を突いた。
「ニッチ」と「自然」、これこそが、きららワールドにも十分適応する要素であり、事実、きららワールド的な作風であった『ヤマノススメ』特に2期の人気は高い。
本作においても、冬キャンプというニッチ市場とJKの組み合わせは意表を突いており、その意外性だけで、従前のきらら固定ファン層以外も視聴意欲をそそられたと思うし、マーケティング上はまず、話題性こそも成功の諸端なのである。
更に、本作では自然の優しさに加え「2」で分析したように、きらら作品の中でも『けいおん!』以来の秀逸な構成と演出である。

本作の優秀さのロジックは、もう十分に御理解頂けたと思う。{/netabare}

4<部門別評価>{netabare}
①物語
既に説明のとおり、本作はきららワールドという足枷があったにも関わらず、シナリオ、構成、演出、内容のどれをとっても優秀である。
しかし、冬キャンプのロマンを前面に押し出した結果、リスクの説明が殆どなされていないなど、課題点も残している。
製作企画段階で人気が出た場合の「聖地巡礼」対策にはキャンプモラルのみならず、凍傷や最悪の場合は凍死リスクがあることも視聴者に注意喚起すべきである。

ゆえに、
★★★★★★★★★☆4.5
(★は一個0.5点)


物語の評価基準は特に設けていないが、TV版では『エルフェンリート』『魔法少女まどか☆マギカ』が満点レベルの代表作である。
更に、評価では何度でも視聴する気にさせる再現性感覚も付加される。

②キャラ
「りん」「なでしこ」「恵那」は前述の説明のとおり。
「恵那」で特筆するのは、人格を固定したトリックスターの設定は高等技法であることだ。
例を上げれば『シュタゲ』の「桐生萌郁」もトリックスターだが、固定人格を設定していないし、通常、トリックスターはそういう設定をするのだ。
野クル仲間の「千明」と「犬山あおい」(『ヤマノススメ』の「あおい」と混同するので苗字も掲載)は「なでしこ」と「りん」の非対称を示す上で結構重要なキャラであり、二人の主人公の一人「なでしこ」側の物語展開ではしっかりとキャラ設定の役割を果たしているし、物語の緩急をつけるギャグキャラとしても、酒乱がばれて部員達に弄られボケ役を務めた顧問教師「美波」とともに物語の底上げに貢献している。
減点要因としては、きららワールドである故に、各キャラが良い人過ぎる、あまりにも非現実的な設定で苦笑いが生じた点と、「千明」と「犬山あおい」のキャラ立てでキャラの差別化を図るために少し無理をしていること。

ゆえに、
★★★★★★★★☆☆4.0
(★は一個0.5点)

③声優
本項は極めて主観が生じる項目であり、余程のミスキャストがない限り3評価とし、特筆すべき点や、減点するに値する演技があればそれぞれ加減修正している。
「りん」CVの東山奈央さんは「モノローグ」という困難な演技と、性格的に難しいキャラの魅力を最大限に引き出したのは5点評価に値する。
「なでしこ」は性格分類でも述べているが、人懐っこさとその内面に潜むナイーブな感性だがCV花守ゆみりさんは概ね、そつなくこなしたと思う。
しかし「なでしこ」の性格を完全に理解していたかというと疑問がある。
「なでしこ」役になりきるにはハイテンションの中に一瞬垣間見る不安な心理を織り交ぜる程度の技量が必要だ。
「犬山あおい」CVの豊崎愛生は『けいおん!』の主役「唯」役を務めたベテランだが、流石に関西弁はM・A・Oさんや『咲全国編』の愛宕洋榎、『若おかみは小学生!』ウリ坊CV松田颯水さんのようなネイティブと比べると作為的な印象で胡散臭かった。

ゆえに、
★★★★★★★★☆☆4.0{/netabare}

5<あとがき>{netabare}
きららワールドの構造分析は『けいおん!』以来からの個人的懸案であり、今回、本作の成功と合わせて行った。
その目的達成のため『ヤマノススメ』から数多くの引用をしたが、本レビューにおいての『ヤマノススメ』は比較検討素材の範囲での活用であり、作品の質そのものを比較したものではないことを特記しておく。

今後のきらら原作作品は、本作をベンチマーク、今回の分析を柱にレビューと評価をすることとなる。
きらら原作作品の次回レビュー予定は『はるかなレシーブ』。{/netabare}

【作画】{netabare}
上記【視聴環境に関する特記】記載のとおり、220インチプロジェクターで視聴した作品であるが、これだけの大画面となると作画が余程しっかりしていないと視聴に耐えられない。
正直、本作を制作したC-Stationは元請け作品の実績が殆どなく、私も作画力に対する見識もなかったため、第1話が始まるまで不安であった。
フルHD配信作品でも、ここまで大画面となると通常はカバーされる作画の粗やバースや色彩異常があると誤魔化しが効かず、30インチ程度のテレビで視聴するような訳にはいかないのである。
しかし、本作は220インチプロジェクターでも破綻することは一切なく富士山麓周辺や長野の美しいロケーションを映し出した。
この事実だけで、作画のクオリティーは高いと結論できる。
背景、美術が220インチでも十分に映えたのは、京アニやPAワークスに見られる緻密で写実的な背景画風というより、印象派に近い画風であったことが粗を抑える効果とともに本作特有の世界観をより美しく表現されたものと思う。
我が国の自然、特に本州の自然は雄大さや、ダイナミックさを追うよりも繊細な美麗さがしっかりと表現された方が視覚的印象に近いだろう。
背景を担当した制作会社を調べてみると、プロダクション・アイという背景専門の制作スタジオで、なんと1970年から一貫して多数の作品の背景美術を制作しているのだ。
『科学忍者隊ガッチャマン』以来のベテランの老舗であると同時に『劇場版Fate / stay night』の背景美術も担当している。
我が国アニメの背景美術にありがちな、制作費の都合に因る支那スタジオへの外注ではなく「メイドインジャパン」のクオリティを遺憾なく発揮しており流石であると同時に、制作費も十分確保して高クオリティーを図った作品でもあったのだ。

更に特筆すべきはプロップとメカニカルの精密描写である。
本作は、銃や兵器が登場する作品同様、キャンプ道具などにプロップ、メカデザイン専任のアニメーターを置き、キャラ以外の描写にも拘りを見せている。
背景美術とキャラのブランケット衣装やキャンプ用品プロップなどは、キャラ以上に本作の世界観を演出するとても重要なポジションだ。
『ヤマノススメ』の演技経験がある京極監督は本作が初監督だが、監督を始め制作スタッフが本作制作にあたり実際にキャンプ体験をするなど、プロ意識もさることながら気合いも入っており、そして制作スタッフの実体験は確実に作品に反映した。

また、本作は米国での視聴だったが、米国は我が国よりもアウトドアが盛んである。
220インチ視聴はアニメ好きなアメリカ人や他の外国人スタッフとの共同鑑賞だが、プロップ描写には多くの外国人が絶賛していたことと、富士山周辺の背景美術に魅了され、実際、来日未経験のイスラエルやアルゼンチンの企業から米国に赴任していた当時の同僚が来日して、富士山周辺でキャンプをしている。
それほど、本作の背景美術とキャンプ用品描写は日本人のみならず、外国人のエモーションにも響いたのである。

キャンプはニッチ市場であるゆえに『けいおん!』のような大規模な社会現象に至るまでではないが、それでも本作視聴を契機にアウトドアを始めたインドア層がいるようである。
アニメの影響力は侮れないねw
作画は良し悪しも大切だが、それ以上に視聴者の心に訴えてこそ作品に魂が宿っている「本物」だろうと、本作で実感した次第であるし、アニメの本領「動き」以外の背景美術やプロップ描写でこれだけの評価をした稀有な作品でもある。
無論、キャラ作画においても不安定感はないし「りん」の無表情と「なでしこ」のオーバーな表情演出は二人の性格の相違を視覚的に表現したものであり、先の分析においても十分に納得がいく。
ただし、キャンプ飯の作画の出来は悪くはないが、もう一歩であった。
しかし、本作のコンセプトで料理アニメの『食戟のソーマ』や『異世界居酒屋「のぶ」』並のクオリティを求めるのは流石に酷であろうし、料理描写は及ばなくても、それをフォローする背景美術が秀逸であり、大自然のなかで美味しくいただく雰囲気は良く表現されていたことから、今回は減点の対象とはしない。

ゆえに
★★★★★★★★★☆4.5


作画に関してはプロフ記載のとおり明確な基準を設けている。
『劇場版 響け! ユーフォニアム(シリーズ)』、TV版『進撃の巨人』(2013)劇場版も含むが「5」。左記作品並みか超える高水準でない限り「5」の評価はない。
以下、減点方式。更に、作品の世界観とのマッチングも加点減点の対象とする。{/netabare}

【音楽】{netabare}
まず、特筆するのはED曲の『ふゆびより』である。
本作のゆるさと冬キャンプを巧みに表現した秀逸な歌詞とアコースティック中心のメロディは、音の解像度がシビアなBOSEサラウンドでは、普通に聴くよりもよりクリアに再現されるのだ。十分に合格ラインだろうし、名曲でもある。
OP曲『SHINY DAYS』は逆にBOSEサラウンドと相性が悪いのかインピーダンスが雑に再生されてしまった。
曲自体は冬キャンプへ向かうワクワク感が十分に表現され、OP演出としては良いと思う。
また、この二曲だけでも十分にBGMとして機能しているが、何とも言えない虚無感と郷愁を誘う劇伴も秀逸であることも特筆に値する。

ゆえに
★★★★★★★★☆☆4.0{/netabare}

【結び】
本作は、国外、国内を問わずに多くの方々に勧めることが出来る。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 101
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ここをキャンプ地とする! byふじやん

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
レビュータイトル、「けいきゃん」と悩みました。「けいおん」に似た作風であることと、「軽いキャンプ」をかけたなかなかお気に入りだったのですが、一度、この名言を宣言してみたかったので(笑)

きらら原作らしく、ゆるい日常系の中に微百合があって、かなりの良作でした。キャンプを題材にしただけでなく、「冬キャンプ」「ソロキャンプ」に注目した点は、個人的にかなり楽しかったです♪

OP、これから何か新しいこと、楽しいことが始まる予感がするようで。作風に合った素晴らしいものでした♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、ゆるい雰囲気の日常系として楽しめました。LINEのやりとりとか、良いよね♪ てかみんな、文章のセンスありすぎですw

成長モノとしては、なでしこの「キャンパーとしての成長」と、リンの「人としての(コミュ力の)成長」が描かれ、非常に爽やかでした。

趣味導入系としては、「冬キャンプ」「ソロキャンプ」に注目したのが良かったです。これは偏見かもですが、(少なくとも私はそうなんですが)この作品の視聴者層、講読者層には「夏にみんなでワイワイBBQ的なイケてるキャンプ」に苦手意識を持っている方も多いと思います。でも、「一人でしっとり楽しむキャンプ」や「気の合う仲間と貸し切り感覚で楽しむキャンプ」という魅力もあるのだと教えてもらいました。これは、ニーズ(視聴者層)にピタリと合う趣味だったんではないでしょうか? また、経済的な部分にもちゃんと触れている世知辛さ、リアルで好きでした。実際、ああやって苦労して道具を揃えている段階って、一番楽しい時期ですしね♪

ホントに、良いアニメでした! 覇権、、、まではいかずとも、皆さん、上位には入れるのでは? 強いて言えば、「こっちを京アニにやってほしかった」と、思わなくはないけどw 背景とか、作画勝負な作風でもあったと思うので。

あと、個人的に嬉しかったのは、「水曜どうでしょう」のネタが、散りばめられていた、というか、その雰囲気を感じられる作風だったことです。

饅頭大食いとか、パスタとか、温泉とか。最終話の動画再生で、原付きの旅が流れた時は、かなり笑いましたよw
{/netabare}

【余談~ 皆さんは、インドア? アウトドア? ~】
{netabare}
私はインドアです。外、寒いし、夏は虫いるし(笑)

しっかし、いつのまにキャンプは、「手段」から「目的」に変わったんでしょうね。

私も一人旅は好きで、まとまった休みには(車デカいんで)車に布団積んで、色々行ったりしますが、それは「ホテル代がもったいない」からであり、金さえ無限にあるなら、普通に、新幹線+タクシー+ホテルで旅をしたいです。だから、私にとっての車中泊は、目的ではなく手段ですが、彼女らは完全に目的ですよね。巷で流行っているのもそうです。私は古い人間なので、キャンプと野宿の違いが、まだ感覚的にはピンときていないようでした(笑) そこだけ、ちょっと引っ掛かりがありましたが、まあ、個人的な問題ですw

でも、アウトドアに憧れる気持ちはありますね。多分、多くの人がそうなんでしょうが、「キャンプ、楽しいけど、面倒くさい」と思ってしまいます。だから私は、椎名誠さんのエッセイが好きなのです。(基本、脳内で満足できるから)インドアにいながら、ガチアウトドア気分。無敵(笑)

いや、キャンプとかアウトドアも、誘われればたまには行くんですよ。

まず、キャンプの何が嫌いかと言われれば、テント。いや、テントのように閉鎖された空間自体は好き。一人で寝るぶんには快適。でも、いくら仲良いとしても、あの狭いなかに他人と寝るのは嫌。まあ、彼女ならギリで良いが、野郎同士は面白くもなんともない(笑) ちなみに、私のベッドってクイーンサイズなんですよね(部屋が広い岩手の特権w それが家族だろうが彼女だろうが、寝ている時に自分の半径50㎝以内に人がいるのが苦手なんですよね汗 夫婦仲に関係なく、寝室にはベッドを2個置きたい派w)

あとは、片付け。バーベキューは嫌いじゃないけど、(私の場合、飯には酒がつきものなので)散々呑んで食った後に片付けなんかしたくないし、かといって、清々しい朝に洗い物とかしてると、萎える。

好きなのは、焚き火。むしろ、焚き火の為にキャンプやると言っても過言じゃない。飯食って腹も落ち着いた後に、焚き火囲みながらウィスキー呑むのは好き(椎名さん式)。

あと、朝。澄んだ空気は気持ち良いし、珈琲飲むのも定番だけど、好き。

結局、外で焚き火して、(別に惣菜でも良いから)洗い物でない飯食って、酒呑んで、ロッジに泊まるかそれぞれが自分のテントに泊まって、朝、ゆっくり珈琲でも飲んで、帰る。そんな、「軟弱なキャンプ」なら、嫌いじゃないw

でも、このアニメを観てみて、「冬キャンプ」「ソロキャンプ」なら、少しやってみたいって思いました! まあ、岩手で冬キャンプすると、凍死するかもですが(笑)
{/netabare}

【余談2 ~実写ドラマを観てみた~】
{netabare}
まずは、キャストから。

志摩リン→福原 遥
有名な方ですね。容姿はあまり似てないかな? 福原さんはどちらかといえば可愛い感じですが、リンのクールな感じはイマイチ出てなかったかなと。声は頑張って低く出してましたね。あと、監督の指示でしょうけど、変なコメディタッチの演技は、原作のリンのイメージとは違いましたね。

各務原なでしこ→大原 優乃
知らない方でしたが、妖怪体操第一を踊ってた女の子らしいです。大人になりましたね~。声は結構似ていたと思うし、なでしこのアホっぽさも頑張って演技されていたかなと。ただ、鹿児島出身らしく、顔は濃い目の女優さんなので、容姿的にはだいぶ離れていたかな~と思います。

ちなみに、福原さんと大原さんは中学時代から同じ雑誌に所属し、3年A組でも共演されて、プライベートでも仲良しなのだとか。確かに、そういう仲良し感は出ていて良かったかなと思います。

斉藤 恵那→志田 彩良
チア☆ダン とかに出てた方らしいです。容姿、演技とも凄く原作のイメージに近いな~と思いました。斉藤 恵那は、一見、普通に良い子に見えますが、実は結構イタズラ好きで、「いい性格してやがるぜ」ってキャラですが、なんとなくそんな空気が出せていたように感じます。

大垣 千明→ 田辺 桃子
「こんな未来は聞いてない!!」というドラマで主演された方らしいです。容姿は、結構似てるな~と思いましたが、メイクと眼鏡、髪型どかなり寄せているんですね。元々はしっかり美人な方なのに、あえて「あんまり可愛くなく」して、変顔やオーバーな演技を多用し、原作キャラクターをちゃんと表現しようと頑張ってる感じがしました。

犬山 あおい→箭内 夢菜
チア☆ダン や3年A組とかに出ていた方らしいです。容姿は、少し南国系の顔をしているので、犬子のイメージとは大分違うかな?と思いましたし、福島出身の方ということで、関西弁にもやや違和感を感じました。正直、メインキャストのなかでは、一番原作から遠いかなと思いました。かなりアダルティでしたし。

次にドラマとして。

単純に、ドラマとしては結構面白かったんじゃないかと思う。低予算は丸出しだったけど、それが逆に、原作のユルい雰囲気を出していた感じするし。

あと、原作の台詞をあまりいじらず、LINEの演出もほぼそのままで、原作をきちんとリスペクトしていることは分かる。それから、原作漫画がきちんと取材して作っているから、ドラマの舞台もほぼそのまんまなので、アニメ好きにとってみれば、なんちゃって聖地巡礼が出来て良いとも思った。食事シーンは安定して美味しそうでしたし。

難点としては、アニメほどたっぷりした余白を作れなかったこと。少しテンポが早いように感じた。しょうがないけど。

それから、主演されている方が全員20歳以上ということで、ちょっと女子高生設定にはムリを感じた。てか、ほとんどのアニメ→ドラマはそうだよね。ガチ中学生や高校生使うと、人気や演技力の点で問題があり、20代前半の力ある人使うと違和感あるし。アニメの実写がなかなか上手くいかない一因でしょうね。

とはいえ、なんだかんだ最後まで観ちゃったから、やっぱりゆるキャン好きなんだな~と思いました(笑)
{/netabare}

【余談3 ~聖地巡礼してみた①~】
{netabare}
ほったらかし温泉、行ってみました。個人的には、人生で一番好きな温泉になりました!

景色は特に、最高です。眼下に見える甲府盆地。これだけ山に囲まれた土地で、信玄はよく戦ったな~。てか、ちょうど見下ろせる範囲に盆地が収まるので、「この土地に暮らす人々を皆、幸せにしよう」と、自分が殿様だったら思ってしまうな~なんて考えながら、風呂に浸かってました。

ほったらかし温泉には、「あっちの湯」「こっちの湯」の2つがあり、私は日の出を観たかったので、「あっちの湯」に入りました(あっちの湯は、甲府市を見下ろせる大パノラマが魅力で、こっちの湯は、富士山が正面に見えるのが魅力だそうです。あっちの湯からは、右斜め前くらいに、富士山が見えました)。

アニメでは正面に富士山が見えているため、本当は「こっちの湯」なのでしょうが、なぜか「あちらの湯」と表示されてましたね。多分、あっちの湯とこっちの湯の景色の良いとこ取りをしたかったのでしょう。

あくまで男湯ですが、お湯はぬるく、水位が低いの(40cmくらい?)で、普通に座れば半身浴になります。あの水位なら、「胸が丸見えになる」ので、水位に関してもアニメで改変したのかもしれませんね、ちっ(笑)

また、それが魅力でもあるのですが、屋根もないため、雨天時や冬は、寒くてやや満足度は減るかもしれません(内風呂は温度も高いので、そこと交互に入れば、冬もいけそうですが)。もし行く際は、天気予報をみて、できだけ晴れた日に行くことをオススメします。全然違うと思います。

私が行ったのはGW、晴れていたので半身浴でも最高でした。むしろ、2時間くらいずっと湯船に入り続けてました。

風呂上がりは、卵かけご飯朝食が食べられます。私はそれに、ノンアルビールをつけました(笑) 朝食としては満点です!

アニメで食べてた「温たま揚げ」、食べたかったのですが、9時半からということで、まだ2時間近くあったので、断念。まあ、次の楽しみにしておきましょう。

「ここにはきっとまた来るな~」と思いました。岩手からは遠いけど(笑) 次は夕方から夜にかけていき、夕日と夜景が観てみたいですね♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
いきなり知らない、焚き火道具がw OPイイね、「楽しい」が詰まっている感じ。かなり丁寧な作りだね。火起こし面倒くさいとか、悪さもちゃんと見せていく作りなら、好みだな。暗闇の全力ダッシュからのチェーン足払い、は、メッチャ危険(笑) 1500円w このアニメは、普通に面白いな。

2話目
狭い(笑) 窓ガラスのやつ、下手すりゃ死ぬぞ。分かりやすく「けいおん」だけど、面白いからよし! キャンプって、何気に金かかるよね。2匹目の犬、声だして笑ったわw

3話目
朝日は、パワーもらえるよね。私も毎年、初日の出だけは、実家の裏山から見ます(笑) こうやって、自分のテリトリーにズガズガ踏み込んでくる人って、面倒くさくもあり、嬉しくもあり。

4話目
てか、ホームレスだな(苦笑) 大丈夫! ウチの実家も熊出るし(笑) キャンプに憧れる初心者ワイワイキャンパーと、キャンプが好きな中級者ソロキャンパーの対比だね。

5話目
免許とりたてでも大丈夫! 洋ちゃんは初めてで東日本縦断したから(笑) でも、1日150㎞は、ミスターと洋ちゃん以上だ(笑) 余生じゃなく、進路(笑) まあ、ルーで作るカレーは、水分量間違えなければ失敗しないしね。星空と夜景の交換。なんかこう、古風で現代的なやりとり。

6話目
何でもそうだけど、道具を買いそろえてる時期って楽しいよね♪ リンとお姉ちゃんにフラグが(笑) でも、なんか仲良くなれそうな二人だよね♪

7話目
祖父だったをかい(笑) キャンプ飯、旨そうだな♪ コミュ力の違い(笑) リンちゃん、何気にノリがよかったり、女子力高かったり、怖がりだったりで、萌え度アップ(笑)

8話目
アウトドアはリッチな趣味。リアルだけど、なんか本末転倒だよねw バイトの店員が変なアダ名つけるのはアルアルだろうけど、この作品、結構毒があるよねw

9話目
どんどんハードルが上がっていく(笑) 動画見ながらクッキングとか、リアルw 早太郎、メッチャ見てる(笑)

10話目
最後、ソロキャン少女からの成長を画くのかな。

11話目
良い肉を味わうなら、すき焼き、しゃぶしゃぶ、焼肉の3択だよな。背景、もっと綺麗だったら言うことないんだけどな~。

12話目
CEOのとこで、撫子の妄想だって分かったわw 動画のクダリで最初に映ったの、完全に「水曜どうでしょう」の原付き旅じゃねえか(笑) 声だして笑ったわw やっぱり、意識してたか(笑) まあ、パスタとかまんじゅうとか温泉とか、所々にどうでしょう要素あったしね。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 87
ネタバレ

ひろくん☆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

単なるファンが思った事をダーっと書いてるだけですよー。

最初はね、コイツはアホの子・・・?

と、思っていたのですが・・・ただの【 超人。】でした。(笑)


第 2 話まで視聴。
{netabare}
各務原なでしこちゃん・・・スゲーな。

南部町から本栖湖までチャリで やって来る根性。( リンちゃんもだけど。)
その冬季 本栖湖畔に於いて、青天井下で夜まで昼寝?して
凍死しないという 驚異的に頑健な身体。( 14時?の時点で気温が 5℃!)

そこで初めて出逢った 志摩リンちゃんに御馳走してもらう事となる
1500えんのカレーめんを

『 15回払いで お願いしまふ。。。』

・・・この やり取りのセンス、ワロてまいましたwww
そして ホントにホントに 美味しそ〜に食べるカレーめん

自分も食べたくなって 買って来ちゃいましたデス。


迎えに来てくれた おねーちゃんに オモくそブチのめされた上
車に叩き込まれる際にも、

『 カレーめん、出るぅ〜!!!』

・・・コリてねーなコイツ(笑)


更に第 2 話でも 窓ガラスに顔面を強打する勢いの良さ。
なんて平和な世界なのでしょう。

中々の私好み、良作鴨知れませんね。
(・・・あ、トランプって普通 54枚セットじゃね?w)
{/netabare}

第 3 話 視聴。

ここまで来ての感想。

ふと気がつくと、志摩リンちゃんの CVって東山奈央ちゃんなんだよね。
東山ちゃん演ずる ローテンションキャラって、思いつかんゾ。
ん〜、、、『さばげぶっ!』の豪徳寺ちゃん位か?

{netabare}
そしてまた 各務原姉妹、めちゃめちゃ仲良しなのですね。

妹に対する ねーちゃんの面倒見の良さがハンパねぇっス。
アホな妹程 可愛いってコトなのかしら?

若くは なでしこちゃんが不治の病を患っており、残された時間が殆ど無いのだとか・・・?
( あの食べっぷりから見て、そんなコトは・・・ねーな。ww)


しっかし、なでしこ特製 餃子鍋・・・2人前で 50個全部入れますか?
( しかも “ シメ ” の 御飯を忘れた…とか。w )
その大半を作った本人が食べちゃった上、ポテチまで行こうとするなんて。(唖然)
{/netabare}

第 4 話 視聴。
{netabare}
リンちゃんが 免許&原チャリを手に入れた。

否・・・待て、何故に皆 このクッソ寒い時季のキャンプに拘泥る!

そう・・・以前、リンちゃんが語っていた その理由は このアタクシの考えと
寸分違わぬモノであって おもクソ苦笑してしまった処では有るのですが。ww
( 私は、行かないからね 冬キャンなぞw )

『 ぶちょー!』

って、まった…げんっきだなぁ・・・なでしこちゃん。
そんで 花守ちゃんの声、めちゃめちゃ合ってるなぁ。

展開としては、思った通りのキャンプネタ How to コントです。
オチは読めるケド楽しそうで何より。
人型シュラフネタ・・・“ ぞい子?” 月面着陸ごっこ、なるほどです。w


国道20号線から霧ヶ峰方面へ原チャで行く リンちゃん。
出発前、リン母から 『 危ない道は通っちゃダメよ。』
と、言われていながら 冬場には充分危険な このルート。ww

マジ路面凍結、転倒注意!!!

その重装備状態でコケると死にたくなる程 凹みますぞ!
( 単独行動なので、慰めてくれる人も居ないんだからね。)

思い切り良く ソフトクリームやボルシチ等々を注文する この娘達。
いやいやー、バイトで貯めた お金を全力で キャンプに?注ぎ込むと言う、
正統派経済活動推進アニメですね、これは。
{/netabare}
うむ、今回も楽しかった・・・めでたしめでたし。
そして この番組のアタクシ的評価は上って行くのであった。

さ、今日も夜食に カレーめん食べよ。ww


第 5 話 視聴。
{netabare}
う〜ん、前回終盤の展開より 今回は入浴シーンからのスタートになるという事は分かっておりましたが、
この作品に “ サービスカット ” って必要? とか思うのは私の考え方が高潔過ぎなのでしょうか?w

リンちゃんの方は冬だと言うのに スキー場が近所に有る様な所へ原チャですよ!
そして当然の如く 温泉は、やってない。

…閉ってるんだろーな。って、思ってたんだよねぇ、先週から・・・。w
( もうちょっと先に行くと 別の温泉があるよ…霧ヶ峰とか言いつつ 塩尻峠んトコだし・・・霧ヶ峰はカフェに寄っただけかぃ。)


この作品って…多分、予定調和的展開( 予想とか期待とかを一切裏切らない所。)を
ツっ込みながら視るのが正しい楽しみ方なのでしょうか?

松ぼっくりに続いて 原チャリくんも

\ つかれた /

とか言ってくれちゃうとこも ナイスです。

・・・この原チャリ、2stエンジンだ。
( 本来、この型の Vinoは4st だけどね。先週、気付かんかった…音が Vespaの様デス。)


焚き火を見ていると落ち着くっていうのは、古来より 火を焚いていれば
野生生物達が寄り付く事は無くなり、安心出来たから・・・ってヤツ?

ジャンケンに破れ 独りテントのなでしこちゃん。ww
スっかす可愛いなぁ。。。
否、“ 萌え ” 的なイミでは無く、“ ペット ” 的な感じ?w
(『ワンコみたいやなぁ。』って イヌ子ちゃんも ゆーてたね。)
{/netabare}

へやキャン△コーナーも おもろいなぁ。

第 6 話 視聴。

もう終りかよ!・・・って、言っちゃいたくなるゾ…楽しくて。
ここでの総合得点もジリジリ上がって来てるし…早く続きを視たくなってしまっています、私。

そして、なんかホント・・・リンちゃんの性格って…アタクシと良く似てやがるゼ。( 苦笑。)
{netabare}
リンちゃんが通販にて焚火グリルなるアイテムを購入。
便利なモノがあるんだねぇ・・・これは キャンプ焼肉やりたくなるよ!
( コラボ企画 -【リンちゃんの焼肉セット】販売開始で即、完売!!!ww)

それを見て 『 メタル賽銭箱?』と訊く斉藤さんww
これは ストライク。・・・夜中に爆笑、出来ないからツラかったで。。。

『 御会計、35000円となります!』『 高けぇ〜よ!(怒)』

この件もオモロ過ぎじゃけwww

基本的に人嫌いなリンちゃん…斉藤さんの帰宅後、なでしこちゃん宛ての
お土産を渡す為に ようやく重い腰を上げますが、否、まだか…って、そこに当人の脚が。

図書室の床に直寝!すっごいなぁ〜この子。自由過ぎる。
とっても フリーダムなヤツと言うか、アホなペット。。。そして このセリフ。

『 ミニ賽銭箱?』…クソ〜ここで “ 天丼 ” ですか〜!www

その週末には すかさずの 2週連続キャンプ・・・ハードだ。。。
否、タフだなぁ…それにしても、ねーちゃんは付き合い良いなぁ。

運転している ねーちゃん。この表情で御機嫌なんだ、
スゴいな・・・“ WORKING!! ” の山田毋とか “ ケロロ軍曹 ” のコゴロー方式なの?w


キャンプ場までの道すがら、スーパーにて お買物。お目当ての食材に 有り付く事が出来ずに沈むリンちゃん。。。
・・・が、別メニューの提案に依り あっさりと復活。ww…かわいい娘達だ。
( ハンバーグって、、、焼き難くね?ww)

レジの店員さんから豊崎ちゃんの声・・・。モブキャラの担当かと思いきや、バイト中のイヌ子ちゃんでした。
うむ、ふんだんに鏤められた 小ネタ的 “ トラップ ” が この作品の肝になっていますね。


そーいえば、リンちゃんのじぃちゃんと思しき お方が あきちゃんと絡んでおりましたが、
乗って来てたバイクは なな、なんと ノートン!・・・幾らすんだよ そのバイク!?
フロント倒立フォークなのにワイヤースポークホイールという凄いマシンだぁ〜!

んで、最っ高ぅーにキャンプ向きで無いモデルだで。どうやってキャンプ道具積んで来たん?ww
{/netabare}

第 7 話 視聴。
{netabare}
じいちゃんのノートン 100パー荷崩れ仕様で積んでますね…このバイク、加速いいのに。
燃料タンクに傷が付くのは絶対にイヤなのでしょう。ww

綺麗なトコだね、四尾連湖。

リンちゃんの一人キャンプは中一の冬からですか。
スゲー根性あるね。女の子だよ。。。
で、今回は、リン&なでしこのイチャイチャ話ですよ。

隣のテントの女・・・キッチンドランカー?

おおっと、リンちゃん 備長炭の点火に梃子摺ってます!

鱈鍋・・・美味いに決まってるよな、いいなぁ。

さっきのキッチンドランカー・・・姉かよ!こぇ〜!!!
うわぁー、、、ガッコの先生でコレ?まじ!?

ここへ来て 超展開!・・・否、伏線だわ。

凄い量の焼肉パーティーは ようやく終了、流石…備長炭は優秀。
思った通り、キッチンドランカーさんが おばけ役でした。めでたしめでたし。

味わってしまった 恐怖から リンちゃんの方が なでしこテントへ移動!www
仲良しネタ・・・よろしいなぁ。

あれ?じいちゃんは イントロのみ??
へやキャン△・・・ネタが雑でした。ww あ、先週の写真が消えてるゼ!
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

76.3 2 キャンプで心温まるなアニメランキング2位
ヤマノススメ サードシーズン(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (389)
1486人が棚に入れました
この夏、あおいが、ひなたが、かえでが、ここなが、そしてほのかがTVアニメに帰ってくる!
そして新しい友達との出会いも……。
今度はどの山に登ろうかな?

声優・キャラクター
井口裕香、阿澄佳奈、日笠陽子、小倉唯、東山奈央、牧野由依、儀武ゆう子、七瀬彩夏、高尾奏音、山本亜衣
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

山は人を素直にさせる

自分の中での「自然+萌えキャラ」3大コラボアニメ
「のんのんびより」「ゆるキャン」「ヤマノススメ」

「田舎」「キャンプ」「登山」とそれぞれのツールを通して自然を楽しむ可愛い女の子達を眺めていると、新鮮な空気に包まれてる気分になって癒される。
ここは共通するコラボの醍醐味♪

その中で本作「ヤマノススメ」の特徴はシリアス成分の多さにあります。
あとの2作品が、のんびり、ゆるいコメディ寄りのストーリーなのに対して、登山に伴う自然の厳しさと登場人物の心の成長に伴うもどかしさが加味された物語になっています。
そこが好みの別れるところかも知れませんが、私は、キャラ達が楽しむ姿とシリアスな心情描写のどちらもが好みで、その緩急のついたストーリーにショートアニメとは思えない見応えを感じました。

3期作中で、{netabare}主人公が山上でビターテイストのコーヒーに挑戦するくだり{/netabare}は作品の楽しみ方を示唆しているよう~
自然の中で味わう青春のほろ苦さもまた格別ではないでしょうか~♪

以下は1期から3期まで通してのネタバレ感想です~
{netabare}
題材からして、高校時代、登山部員だった私が本作にハマるのは必然なんでしょうけど、登山のシリアス描写だけじゃなく、ここまで人物の関係性に踏み込んで主人公の成長を描いてくれるとは!
つい親目線で見てしまって娘の頼もしくなった姿に感無量でした。

《二人のストーリー》

人付き合いが苦手でインドア派の主人公「あおい」。
小学生の頃の友達ひなたと高校で再会し、登山をしていく事で友達が増え、外でバイトも始める。
あおいの成長ストーリーとしては王道展開なんですが、2期終了時まではひなたという良い友人に引っ張られた側面も強く、あおい自身は受け身で自信のなさもまだまだ感じてました。
それが3期では、ひなたに頼らずクラスメートと出掛け、バイト先ではしっかり接客もこなせるようになる。
一人で過ごすより社交的な方がいいと言うつもりはありませんが、苦手だと思っていた事に自らチャレンジして克服するのは感心しました。
(お父さんは誉めてあげたい!よく頑張ったね♪)

一方、もう一人の主人公と言ってもいい「ひなた」。
あおいと違い誰にでも気さくな彼女は社交性には問題なく安心して見ていられる。
一人でいる事の多いあおいに対して、何かと気にかけ、登山もリードしてやる優しい子です。
でも、2期まではイイ子ちゃん過ぎるようにも感じてました。
そんな彼女が3期後半では繊細で我が儘な一面を見せます。
すれ違いが続き、モヤモヤが爆発。
その時に見せてくれた、縦走初日の自分勝手に登る不貞腐れたような子供っぽさ。
見ててイライラされた方が多いかも知れませんが、私はリアルな人間味を感じてとっても可愛いく見えました♪

この3期のクライマックスである縦走エピソードは、それまで友達というより姉妹っぽくもあった二人の関係においても大きなステップになりました。

いつまでたっても不機嫌なひなたに、めげずに優しく声をかけ続け、ひなたのケガを知って真っ先に同行下山を名乗り出る。
それだけであおいがひなたを大切に思っている事は伝わるんですが、その後の二人の会話が最高に温かい!

ひなたは、ただすれ違いと焼きもちだけで拗ねていた訳じゃなく、引っ越しで離れた時の寂しさを思い出しナイーブになっていた心境を明かします。
(繊細な乙女心が可愛いくて萌える~*^^*)
「バッカじゃないの!・・・」即座にあおいは、今までのひなたへの感謝を伝え一番の親友だと告げます。
(「恥ずかしい事言わせないでよ!」照れるとこが可愛くて更に萌える~*^^*)

普段なかなか口に出してまでは言えない友達への感謝と親愛の情。
「山は人を素直にさせる」
飾らない自然が心の虚飾を取り払ってくれる、本作のシチュエーションならではの素晴らしいシーンでした!

最終話、二人でナイショ話をする場面。
もう気のおけない親友となった二人の関係が微笑ましかったです。
(視聴者に聞こえないようにしてるのが憎い♪)

《キャラ》

登場メンバーの年齢は高2から中2までバラバラですが、山登りを通して親しくなったので部活動のような上下関係がないのがリラックスできますね。

自分の属性的に気になったのが「ひなたの父親」
スマートな物腰で娘と良好な関係を築き、娘の友人だけでなくその美人ママまで一緒に登山を楽しむデキル親父。
あやかりたいものです~

《作画》

スタッフが実際に登山をしてロケハンしたんでしょうか?
私、行ったことない山ばかりですが手書きの風景画は新緑から紅葉まで風薫る美しさを感じました。

あと、天覧山などの自宅付近の山並みや名所、二人の通学路の用水路?を挟んだ公園や河原の景色もキレイで、聖地巡礼に行ってみたいと思わせてくれました。
協力の飯能市の良い町起こしになったのでは~

《音楽》

主題歌は、ほとんどがキャラクター達の歌声で雰囲気にマッチしており楽しげです。
私は特に、カワイイ歌詞と出掛けたくなる曲調の2期OP「夏色プレゼント」と、あおいとひなたの微笑ましい関係が伝わる3期ED「色違いの翼」が好き。
「色違いの翼」のジャケット絵が最初の頃の二人の立ち位置と逆転してるのも洒落てます♪

《声優さん》

出演の方々は皆さん実績のある人気声優さんなので安定してました。
本作の中で特に好きなのはひなた役の阿澄佳奈さん。
他に演じられたキャラでは、のんのんびよりのコマちゃんの弄られっぷりが堪りません♪

《登山に関して》

日常の中の非日常体験。
雲海が広がるパノラマなど高地になるほど絶景が広がるんですが、たどり着くまでに厳しい自然とも向き合う事になります。
そのシビアさを描いた2期の富士登山。
アニメだから体力作りをろくにしなくても3000m級の山に行けるんだなと思って見てたらガチでダウンさせるとは!
シリアスな描写が私には痛烈で一気に見応えを感じました。

私、富士山は未踏なんですが、あおいと同い年の時に所属していた登山部の夏山縦走で、北岳(日本で2番目に高い山)に登った時に高山病になったんです。
だから、あおいが富士登山であくびをしだした時点で当時の状態を思い出し悪寒が走りました。
自分は頂上には登ったものの酷い頭痛でその後の行程は断念。
憔悴して下山するあおいを見てると、当時私に付き添って先に下山した顧問の先生に申し訳ない気持ちで一杯になったのを思い出しました。
3期であおいが行ってた歩荷訓練は、私も入部当初から当然やってて、それなりに体力はついてたんですが、当時の行きのリクライニングのない夜行列車で全然眠れず睡眠不足のまま登ったのが原因でした。
だから3期で、よく眠ってない事をひなたが怒るのを聞いて耳が痛かった~(汗)
高2の時も同じ原因で軽い高山病になりましたが、幸い早めのテント泊で全回復して先輩のメンツは保つ事が出来ました。
是非あおいにも次の富士登山は笑顔で御来光を見てほしいです~(^^{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

山登りよりもひなたとあおいの関係性に主眼

山登りはあるけれど、ひなたが不貞腐れたところに持っていかれた感じ。関係がすぐに元通りになると思いきや、意外と面倒くさい性格だったようだ。集団で登山するときに身勝手な行動は本当に迷惑。山舐めてるんじゃないのと言っておきながら、自分が山舐めてるという。ちょっと、いらっときた。{netabare}あおいが自分以外の子と仲良しなことに妬いたのかしら。遊ぶときに予定が合わなかったのは映画の予定を勘違いしてたひなた自身のせいだってのに。{/netabare}他はそれなりに面白かった。

あおいが群馬に行って、ほのかに会うとき、{netabare}登場したほのか兄が完全に頭文字Dを意識した感じ。やっぱり群馬エリアだからかな。音楽もそれっぽいし、車も。{/netabare}

今作での登山お役立ち知識は登山靴と解けにくい紐の結び方くらい。次回作に期待したい。あおいの富士山再チャレンジ見たい。

OPは地平線ストライド。山登りの振り返りあり。
EDは色違いの翼。あおいとひなたが歌う。映像の葉がぶわーっとなるところ好き。
ヤマノススメの楽曲はメロディは結構良いので、すごく頭に残る。

以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. 『筑波山で初デート!?』
夏休みが終わり、新学期が始まった。高校1年生のあおいは、夏休みに登った富士山で、幼なじみのひなたがプレゼントしてくれた人形のお礼をしたいと考えていた。アルバイト先の先輩・ひかりからアドバイスをもらったあおいは、ひなたに筑波山への登山を提案する。

2. 『登山靴ってすごいの?』
富士山登山に再チャレンジすることを決意したあおい。だが、山登りの先輩・かえでから、そろそろちゃんとした登山靴を買ってはどうかと勧められる。高額な金額を聞いて尻込みするあおい。放課後、なけなしの貯金を手にしたあおいは、ひなた、かえでと登山用品店へ向かう。

3. 『飯能にアルプス!?』
富士山登山再挑戦に向けて体力をつけるため、新品の登山靴を履いて「飯能アルプス」踏破をすることにしたあおい。今回はひとりでの登山だ。飯能アルプス最初の山・天覚山を登り始めたころは鼻歌交じりで快調だったあおいの足取り。だが次第にバテてしまい……。

4. 『クラスメイトと遊ぼう!』
10月になり、衣替えの季節。しかしあおいはいまだにクラスに馴染めず、クラスの中に友だちはひなただけだと思っていた。休み時間、ひとりで編み物をしているとき、ふとクラスメイトのみおに話しかけられる。それをきっかけにふたりで話をするうちに、放課後、同じクラスメイトのゆりやかすみ、そしてひなたも一緒にカラオケへ出かけることに。

5. 『思い出を写そう!』
ひなたの父の取材に便乗して、群馬県にあるロックハート城を訪れたあおいとひなた。高尾山で出会った友人のここな。谷川岳の登山で出会い、群馬に住むほのかも一緒だ。城内を散策し、おいしいカレーを食べたり、写真を撮ったりして楽しむ4人。そのうちに『プリンセス体験』の看板を見つけた4人は……。

6. 『コーヒーってなんの味?』
ひなたの家のウッドデッキでお茶をごちそうになっていたあおい。ふとひなたを見ると、コーヒーを飲んでいる。山頂でコーヒーを飲む「山コーヒー」のおいしさを勧められたおあいは、自分もやってみたいと思うものの、コーヒーの苦さがまだ苦手。ひなたと山コーヒーをするために、あおいは豆選び&ドリップの練習を始める。

7. 『働かざるもの、登るべからず!?』
ひなたがあおいに、今度の休みに池袋まで遊びに行こうと誘うものの、あおいはアルバイトがあるからと断る。アルバイトの当日、その日はクラスメイトやお母さんの退院祝いを買いに来た女の子など、様々な人たちがやってくるが、あおいは熱心に接客をするのだった。その様子を見たひかりは、あおいの成長に目を細める。

8. 『ふたつの約束』
「あおいでも登れそう」ということで、ひなたは群馬の赤城山登山にあおいを誘おうとするが、連絡がつかない。そのころ、あおいはほのかと群馬の伊香保温泉に遊びに行く約束をしていたのだ。翌日、あおいからほのかとの約束を告げられ、一緒に行こうと誘われたひなただったが、断ってしまう。あおいはひなたのそんな様子をいぶかしがる。

9. 『それぞれの景色』
伊香保温泉の階段を登りきり、伊香保神社や展望台を歩き回るあおいとほのか。さらにほのかはせっかく来たのだから、露天風呂に入っていこうとあおいを誘う。友達とお風呂に入ることがちょっぴり苦手なあおいだったが、覚悟を決めて露天風呂に向かう。一方、ひなたは、あおいのことを案じながら、ここなと一緒に赤城山を登りきる。

10. 『すれちがう季節』
同級生のみおたちに池袋へ遊びに行かないかと誘われたあおい。ひなたにはすでに予定があって一緒に行けないと知り、あおいは遊びに行くかためらうが、みおたちと出かけることに。当日、あおいからの楽しそうなメールを受け取ったひなたは、あおいの楽しそうな様子を見て一抹の寂しさを感じていた。

11. 『ぎこちない縦走』
あおいが池袋で買ってきたおみやげをひなたに渡したものの、ひなたはどこか浮かない様子。そんななか、かえでが「週末にテント泊しながら瑞牆山と金峰山に登ろう」と誘う。出発の前日、あおいは自宅に泊まりに来たここなと一緒に翌日の夕食の準備をしていた。ところがその準備に思いのほか手間がかかってしまい……。

12. 『ともだち』
前日に準備してきた晩御飯を振る舞うあおいとここな。そのおいしさにひなたも少し喜んでくれた様子で、あおいは胸をなでおろす。翌日、早朝から金峰山へアタックを開始するが、ひなたの様子がおかしい。すると、ひなたにあるトラブルが発生し、心配になったあおいはひなたに寄り添うのだった。

13. 『秘密だよ?』
季節はめぐり、もう11月。富士山登山に向けて体力をつけるため、あおいはペットボトルを入れた荷物を担いで、天覧山に登っていた。そこで偶然ここなと会ったあおいは、そこでひなたの誕生日が近いことを知らされる。ひなたへのプレゼントは何がいいのか、あおいはいろいろと考えを巡らせるが、なかなか思いつかずにいて……。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

会いに行こう…かけがえのないともだちとステキな景色に

アニメ視聴の中でも続編の視聴は楽しみがひとしおです。
だって、これまで決して溶けなかった封印が開き、物語の一歩奥に踏み込めるのですから…
今回2018年の夏アニメで3期が放送された訳ですが、2期が放送されたのは2014年なんです。
4年も経った気がしないんですけど…

完走してレビューを書くためにwikiをチラ見して知りました。
ロケハンも大変であり、第2期の終盤が綺麗な終わり方をしていたことから続編の計画がなかなか立たなかったが、第3期を待望するファンの声により話が進んだそうです(wikiより)
この記事を見た時、思わず胸が熱くなってしまいました。

昨今、大人の事情やら何やらで、様々な改変が行われながらアニメ化が進められています。
中には、一旦TVアニメ化発表され歓喜したのも束の間…劇場版になった上、尺が思い切り短くなりその作品の持つ本来の良さが見出せない作品がありました。
こういう現状を目の当たりにするたび、そもそも基盤となっているべき視聴者、読者の声が反映されない事に対して寂しさを通り越して憤りを覚えていました。

でも…やっぱりそれが全てじゃないんですよね。
この作品の様に、作り手に私たち視聴者の声が届いて企画が前に進むこともあることを知れたのは精神的に大きいです。
大好きな作品を応援するのは、決して無駄じゃないという事の裏付けなのですから…

2期では挑戦して…決して甘くない現実を突きつけられ英断を迫られられた4人でしたが、今回はもう一度夢に挑戦するため、改めて自分たちを俯瞰した上での言動が揺れ動く心と共にとても丁寧に描かれています。
季節は夏から秋に変わり、夏の登山をきっかけに交友関係も広がって、もう独りぼっちで部屋に閉じ籠っていたころとは別世界の景色を見ています。

夏の挑戦は本当に大変でした。
だからこそ、お互いの絆の結びつきはより一層強くなったと言っても過言ではないでしょう。
強くなるだけじゃない…お互いの距離だって縮まったと思います。
たくさん笑って、たくさん泣いたから…

そしてこの世界はあおいとひなた、そして4人で築き上げたモノ…
でも夏休みが終わり新学期が始まると、否が応でも第3者が介入してきます。
だって当たり前です、クラスメイトは二人だけではないのだから…

次にぶつかる壁は距離感に対するギャップ…
縮まった距離感でしか知り得ないギャップ…
きっかけは些細なことでしたが、相当デリケートな事だと思います。

立場も見える景色も…何もかもが一緒だったはずなのに感じるギャップ…
これって、状況によっては結構辛いんですよね。
でも親友なら一緒に超えていかなきゃいけない壁だと思います。
もう、その壁の乗り越え方なんて、とっくに知っているんですけどね。
彼女たちが導き出す答えは…
気になる方は、是非本編でご確認頂ければと思います。
溢れんばかりの眩しい笑顔が温かく視聴者を迎えてくれることでしょう。

オープニングテーマは、あおい、ひなた、かえで、ここなの「地平線ストライド」
エンディングテーマは、あおい、ひなたの「色違いの翼」
期を重ねる事にテーマソングがレベルアップしているように感じているのは私だけでしょうか?
今回のテーマソングも素晴らしいです。
個人的にツボに入ったのはエンディング…このフレーズとアニメーションを見ていると、何故だか泣けてきます。
今期のアニソンBEST10の上位に入る作品だと思っています。

1クール全13話の物語でした。
今期の内容自体もしっかり堪能させて貰いましtが、何より嬉しいのが4人にでっかい目標ができたこと…
この目標に対する行動と顛末はきっとアニメ化されると信じています。
(今のままでは綺麗な終わり方とも言えませんし…)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36

73.4 3 キャンプで心温まるなアニメランキング3位
へやキャン△ (TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (383)
1583人が棚に入れました
2020年冬は野外活動サークルのメンバーと共に、新たな旅へと出掛けましょう。
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

白い息遣いが、見えない。

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
「ゆるキャン」のキャラを使った、ショート&日常系アニメ。山梨の紹介がメイン。

ゆるキャン、かなり好きなんですが、本作はその良さを出しきれていなかった印象です。それがなぜか=「そもそも、ゆるキャンの良さって何?」ということを、レビューでは考えてみました。

まあ、2期までの箸休めとしては、楽しかったです。中の上、という感じかな?と。

※追記で、スペシャルエピソード「サウナとごはんと三輪バイク」の感想を記入。単話で☆5つけました(笑) このエピソードは、ファンなら観なきゃ損!

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
なぜ本作に「ゆるキャンらしい良さ」を感じないのかな、と考えた時、一言に集約するならば、「白い息遣いが見えない」ことかなと思った。

私はゆるキャンを思い出す時、真っ先に、なでしこ やリンの「白い息遣い」を思い出す。

ゆるキャンの良さは、なんといってあの空気感、テンポ感の良さ(ゆるさ、穏やかさ、優しさ)だ。

ゆるキャンは、「ソロキャンプ」「冬キャンプ」を打ち出したところが抜群に目新しいかったわけだけど、「ソロキャンプ」の良さって、「自由」ってことだと思う。

都会の喧騒から離れ、一人、自然の中でテントを張る。火を起こす。ベンチに座る。本を読む。景色を眺める。ボーっとする。コーヒーが沸いたら一口飲む。ホッと白い息が漏れる。また、ボーっとする。

この間、言葉はいらない。誰とも会話しない。ただ、無言の、無音の時間を過ごすだけ。

そう考えると、キャンプ中のやり取りがLINEだったことも、絶妙な「自由さ」があった。孤独というより、独立独歩。皆が相手のテリトリーに踏み込みすぎない、でも繋がっている、ほど良い距離感(正にLINEの距離感)。

それを演出するには、冬であることも大事。夏のパリピBBQとは一線を画し、冷たく澄んだ空気は、景色をより美しくし、彼女らの孤高さを演出する。

これらを全部引っくるめて、「白い息遣い」なんですよね、自分的に。少女達がただ白い息を吐いてる時間なんて、無駄以外の何者でもないじゃないっすか。でも、それを不思議に観れちゃうのが、本シリーズの魅力なのかなって。

冷たい空気を深く吸い込んで、フーっと吐き出す瞬間が、デトックスというか、癒しなんです(雪国育ち的に、前の晩に雪が降り、翌朝晴れたときの深呼吸って、最高に気持ちが良いんです)よ。

こう考えると、ゆるキャンって、絶妙なバランスの上に成り立っていたと思う。

でも本作は、ショートアニメだからか、非常にテンポが早い。情報量が多すぎて、余白がない。その余白を楽しむアニメだったのに。

細かく具体例を言うと、「へやキャン」4話の「ある日のしまりん」は良かった。

松ぼっくりが飛んできて、リンに当たった後、その松ぼっくりが玄関先に飾ってあるワンカット。あのカットは、その後の展開に不必要なんだけど、ああいう「無駄」が大事だと思う、このアニメには。

その「松ぼっくり」が、私的、「白い息遣い」なんだけど、伝わるだろうか(苦笑)?

というか単純に、「志摩リンの不在」が大きかったのかもしれないけどね。一番「余白」を生み出していたのが、リンだし。

いっそ思いきって、「3分でネタ1つ」くらいにすれば、ショートでも「ゆるキャンらしさ」を出せたと思う。

勿論本作にも良さはあって、ショートのわりに作画はきちんと美しかったし、曲も最高で作風に合っていた。EDなんて、そのまま本編に使って欲しいレベル。キャラの掘り下げもできたし、山梨の色々も紹介できた。スタンプラリーが手作りで、しかもそれを気づいて乗っかってるとか、素敵なオチもあった。

後は、本作での(あえて言うが)「失敗」を、2期の制作に生かしてくれればと思う。

また、自分にとっては、本作との比較を行うことで、「なぜゆるキャンは面白かったか」を考えるきっかけになったので、それだけでも出会えて良かったと思える作品になったかな。
{/netabare}

【~サウナとごはんと三輪バイク☆5(笑)~】
{netabare}
A-TXの一気放送で流れてました。これは、良い♪

まず、三輪バイクに乗るシマリンが格好いい♪ 温泉&サウナでのサービスシーンも満載♪ サウナや水風呂、外気浴と、それぞれに表情が変わるリンに萌える! ……分かってやがる(笑)

三輪バイクの性能に喜び、少しテンション高めのシマリンも可愛らしいし、キャンプ(上記の「白い息遣い」)もあって、ホットサンド旨そうだし、1話で観るOVAとしては、ほぼ完璧なクオリティ。これは、観なきゃ損!
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
小ネタ満載やな。DVDの特典くらいなら良いけど、ショート単独だと微妙。あのユルさ、独特の空気感が出ていない。1ネタくらいに絞れば良いのかな。ED、良い曲っぽい。

2話目 ☆3
富士山ネタ。岩手に触れてくれたのは嬉しかった。やはり、テンポが早くて、「普通の日常系」。

3話目 ☆3
映像はショートアニメとは思えないほど綺麗なんだけど、それだけだな~。

4話目 ☆3
しまりん の日常。この話は、やや「ゆるキャン」感がした。松ぼっくりが飛んできたあと、玄関先に飾るワンカット。ああいうのが大事だと思う、このアニメには。

5話目 ☆3
カチカチ山。混ざってる混ざってる(笑) これ、大人は分かるけど、子供が見たら、「正しい昔話」だと勘違いしそう(汗)

6話目 ☆3
火祭り。なんか知ってる。最後の自販機のクダリは、なんか好き。

7話目 ☆3
ほうとう。汁無し、旨そうだ(笑)

8話目 ☆3
足湯。ほっこりだな。

9話目 ☆3
まさか、「富士山どこの県のもの」論争に、結論が(笑)

10話目 ☆3
リンちゃんの不在は、本作でデカいよな~と、改めて。

11話目 ☆4
まさかの手作り&知ってた(笑) メチャメチャ良い話やないか~。靴をトントンするワンカット、ああいうのが大事。

12話目 ☆3
どうせなら本当にキャンプしてほしかったけど、「なでしっこスタンプラリー」「野クルの部室がオススメ」をやりたかったんだろうね。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 38
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ゆるキャン△塚

アニメーション制作:C-Station、
監督・コンテ・演出:神保昌登 、
シリーズ構成・脚本:伊藤睦美、
キャラクターデザイン・総作画監督:佐々木睦美、
音楽:立山秋航、原作:あfろ

なでしこの所属する野クル(野外活動サークル)が
梨っ子スタンプラリーの旅に出る。
まるで山梨県の観光案内のような内容だが、
そこで展開される脱力系の会話がなかなか心地良い。

富士山や河口湖周辺は、
仕事やプライベートで頻繁に訪れていたので、
懐かしい気持ちになる。
ただ、富士山センターは行ったことがなかった。
(ちなみに、この場所のモデルは
山梨県立富士山世界遺産センターのことで、
静岡県側にも富士山世界遺産センターがあるそう。
富士山が山梨県と静岡県の両方に
またがっていることが原因)
輝く富士山の模型の絵を見ていると、
ダイヤモンド富士が脳裏に浮かぶ。
日の出や日の入りに太陽と富士山が重なる現象で、
それを撮影できるポイントでは、
連日、プロ、アマ問わず、多くのカメラマンが訪れるという。
実際にダイヤモンド富士を見たわけではないが、
1度、目にすると虜になるものだろうか。
周辺は何度も訪れているのに、
富士山には登ったこともないので、
死ぬまでに挑戦したいものだ。

神体山である富士山は、特に関東近辺では
民衆信仰の対象となっていた。
遠い場所に住んでいて
富士山に直接行くことができない人に対して、
寺や神社は富士山を模した「富士塚」なるものを用意。
要するに土を盛って富士山に見立てたものだ。
そこまでして山に対して畏れ多い気持ちになるというのは、
初めて知ったときは滑稽にも思えた。
世界遺産に登録された理由のひとつが、
山に対する信仰の部分なので、
世界的に珍しい事例ではある。
新宿の成子天神社の鳴子富士を前にしたときは、
奇妙に感じたものだが、
信心とは、そういうものなのだろう。
参った事実によって新たなるパワーを得るわけだ。
今回のへやキャン△にも似たようなものを感じた

3分ほどのショートアニメだが、
何となくゆるキャン△らしさは感じられた。
やっていることがゆるいのはもちろんだが、
友だち同士の関係性もゆるさがあるのが、作品の特徴。
今回、りんはあまり登場しないが、
この距離感が、とても良い。

自然なノリに思える会話が好感。
{netabare}カチカチ山の人形に対して
「火つけられてるのに、めっちゃ笑顔やな!」という
あおいのツッコミなどは、よくありがちだが笑える。{/netabare}

南部の火祭り、シミュラクラ現象、
マグロの消費量、モキュメンタリ―ホラー、
ほうとうの食べ方、梨っ子スタンプラリーの秘密、
キャンプとはあまり関係ないことが多いが、
さまざまなネタで引っ張っていく。

2期の前振りとしては、
まずまず楽しませてくれた旅だった。
(2020年3月28日初投稿)
(2021年2月19日追記&修正)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 64

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

野クル、旅に出る!

この作品の原作は未読ですが、本編である「ゆるキャン△」は視聴済です。
番外編という位置付けで、本編を視聴しているのが前提として構成されているので、本編未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。


野外活動サークル、略して野クル。
部員はたったの3人。

山梨県の片隅に校舎を構える本栖高校、さらにその隅にある部活棟の
「うなぎのねどこ」みたいな一角を部室として使用する
ゆるーいアウトドアサークル。

今日も今日とて各務原なでしこが狭い部活で暇を潰していたところ、
大垣千明と犬山あおいが突然「今から旅に出るぞ!」と告げる。

おろおろするなでしこを連れ回し、野クルメンバーたちが山梨中を東奔西走。
各地の名物を味わい尽くして繰り広げる女子高生の珍道中、
旅のゴールはどこだ!?


公式サイトのSTORYを引用させて頂きました。

物語は「梨っ子スタンプラリー」と称した山梨県内の名所巡りといった感じで、美味しい食べ物や観光名所を3人で満喫し尽くす内容になっています。

物語の冒頭に「この作品はフィクションであり、実在する人物・地名・施設・団体等とは一切関係ありません。」とテロップが入るのに違和感を感じましたが、物語に登場した「富士山センター」は「山梨県立富士山世界遺産センター」の様に表現を一部変えているみたいで、全く実在しないところは無いんだと思います。

そういえば、物語の中で静岡と山梨のどちらから見た富士山が良いと思うか…
という話がありましたが、この富士山世界遺産センターは山梨だけじゃなく静岡にも存在するんですね。
お互い競い合っているとのことでしたが、こういう施設にもそんな雰囲気が感じられたり…
個人的にはどっちもどっちなんですけどね。

完走して振り返ってみると、優しくて癒される作品だったと思います。
「梨っ子スタンプラリー」の正体を知った時には、なでしこと同じような顔になりましたし、何よりキャストが奈央ぼう、ゆみりん、愛生ちゃんにりえりーと盤石の体制で耳が幸せでしたし…

主題歌は亜咲花さんの「The Sunshower」
ゆるキャン△オープニングテーマからの引き続きですね^^

1クール全12話の物語でした。
1話5分のショート枠なので気軽に視聴できる作品です。

因みに4月29日限定でYouTubeで「サウナとごはんと三輪バイク」というスペシャルエピソードが公開されました。
こちらは本作で出番の少なかった奈央ぼう演じる志摩リンが主役です。
本編ではスクーター「ヤマハ・ビーノ」に乗っていましたが、とある事情で3輪バイクでキャンプに出掛ける約10分強の物語です。
ゆるキャン△のSEASON2が2021年の1月から放送される予定ですが、ゆるキャン△の記憶を蘇らせてくれる作品だったと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 24

69.0 4 キャンプで心温まるなアニメランキング4位
あまんちゅ!~あどばんす~(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (213)
826人が棚に入れました
 伊豆の町で生まれ育った小日向光と、東京から引っ越してきた大木双葉。ともに夢ヶ丘高校に入学した二人は、スキューバダイビングと日常の何気ない出来事の中に、たくさんの幸せを見つけてきた。かつては何事にも消極的だった双葉だが、明るく前向きな光のおかげで一歩前に踏み出す喜びをいくつも経験。さらに、双葉は念願だったオープンウォーター・ダイバーの実習にも合格し、次はアドバンスド・オープンウォーター・ダイバーを目指すことに。一度きりのかけがえのない高校生活は、まだまだこれからが本番。素敵な日々は終わらない、二人でともに歩む日々が続くかぎり、ずっと。

声優・キャラクター
鈴木絵理、茅野愛衣、大西沙織、梅原裕一郎、伊藤静、久保ユリカ、井上喜久子、山本亜衣、加隈亜衣、洲崎綾
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

相棒(バディ)になるために、自立する

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
1期に比べ、やや百合成分とファンタジー成分が濃くなったが、安定の癒し系作品。キャラや空気感は流石で、3ヶ月、癒され続けました~♪

唯一残念だったのは、肝心のダイビングの作画かな。もしそこを、P.Aや京アニレベルでやってくれれば、、、というのは、流石に贅沢言い過ぎですね(笑)


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
「何でもない時に集まれるのは、特別な人だから」
「ダメな時は現実で、良い時は夢だと思うのはもったいない。良い時も現実」
「他人と過去は変えられないけど、自分と未来は変えられる」
「欠点とかコンプレックスを上手に受け止めると、立派なチャームポイントになる」

1期同様に、名言がたくさん出ましたね。空気感も前作の良さをキチッと引き継いでいましたし、相変わらず癒し成分がこんもり。

ただ、「ダイビング」と「友情」にポイントをしぼった1期に比べ、ファンタジー的な要素や、百合百合しい描写も増え、ちょいと雰囲気は変わった印象でした。

これは好みの問題だと思うのですが、個人的には1期のリアル路線の方が良いなと思いました。本作なら5話や12話みたいな話。

まあ、天野さんは、4話や7~9話みたいな「日常生活に入り込むファンタジー」を描くのが得意な方ではありますが、「ARIA」のような元々ファンタジー要素が強い世界観ではドンピシャでしたが、「あまんちゅ」は現代の日本を舞台にしているので、ちょっと戸惑ってしまいました。

本作に限って言えば、ファンタジーは(せめて4話程度に)抑えて、百合ももっと抑えて、王道の友情・成長物語&ダイビングの魅力を伝えていくような作品が良かったのではないかな~と。

だから、リアル路線での見処だった、てこのアドバンス取得、成長を魅せる部分は凄く好きでした。最終話のナイトダイビングなんかは分かりやすいけど、1話目のシャワーシーンでなんの躊躇もせずにみんなの前に裸で出る、みたいな部分など(初めの頃のてこなら、絶対にやらないだろうから)、日常の細かなところに仲間との絆の深まりや、逞しく成長した様を観られて感動しました。1期のてこは、ただただピカリに憧れて、手を引かれながら自分の殻を破ろうとしていた雛鳥、って感じでしたが、大きく青い空を知り、そこを親鳥(ピカリ)と並んで自由に飛ぶために、どんどん成長をしていく。そんな感じを受けました(それがレビュタイです)。実際に、ピカリもてこからたくさんの「素敵」をもらい、学んでいましたしね。

にしても、やはりピカリは稀有なキャラクターだなと思います。ボーイッシュとも違うし、突拍子もないことはするけど、がさつなわけではないし。元気で積極的だけど、本当は恥ずかしがり屋でたまにちょっとネガティブで。男前で女の子らしい素敵なキャラクター。例えば、お風呂で水着外しちゃって恥ずかしくて出られなくなったシーンとか、普通の(ピカリ的立ち位置の)アニメキャラなら、気にせず出ようとして周りが焦る、みたいになりそうなもんです。でも、絶妙なラインでちゃんと女の子なのが素敵だし、物事の良い面だけを自然体で捉える、大好きなキャラクターです(風呂のシーンで初めてピカリに萌えましたw 細すぎないのも、健康的でピカリらしくて良いですね)♪

あと、てこ役の茅野愛衣さん、流石の演技力です。てこは「心の中の声」も多いんだけど、普通の会話とちゃんと演じ分けされてました。「心の声」の時は、ややトーンを落とし、話し始めを少し溜めるような感じで、普通の会話は、語頭からパーンと声を出すような感じというか。目を閉じて聞いてもちゃんと違いが分かるので、凄いなと。


最後に一言。1期からずっと思っていることを。

あの(制服の)スカート、走りにくそうw

3期あったら観たいですね♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目○
相変わらず、仲良しだな~。シャワーの後、全裸を恥ずかしがらずに出ていく てこ に、成長(強くなった)と、仲間との関係性の深まりを感じたり。1期最初のころの てこ なら、間違いなく、(女同士でも)恥ずかしがって出ていかなかった気がする。ガラケーから、スマホに(笑) この作品、ダイビングの作画がショボいのが、致命傷なんだよね(汗) ピカリが刀で、てこ が鞘って感じかな。「何でもない時に集まれるのは、特別な人だから」

2話目
君の名は(笑) 秘密が嬉しい、か。信頼関係やな。花火の作画はわりと頑張ったかな、時間的に。

3話目
ダイビングの怖さをちょこっと。てこの成長をちゃんと。何気に、てこの服装がエロイ(笑) どんなイビキやねん(笑) 他人と過去は~って言葉は、松井秀喜さんも言ってたよね、昔。素敵宣言。(作画以外は)どこまでも美しい作品だな。

4話目
久々に制服だが、相変わらず走りにくそうだ(笑) ふらいんぐうぃっちかな? 夢の中だから(笑) 夢の中で夢に気付くの、楽しいよね。ちょいと小説的な話。

5話目○
ふ~ん、ダイビング知識だね。何気にテクニック必要なんだね。まあ、厳しくしないとね、命に関わるし。でも、なぜ初心者を最後尾にするの?

6話目
ハロウィン。一番嫌い(馴染めない)行事だな(笑) ピカリ、妙なテンションだな(笑) 百合百合してますなw 変態じゃかねぇか(笑)

7話目
夜の校舎の階段の静けさ。多分、海の中に似ているんだろうね。だから、嫌いじゃない。ピーター、スゲェ反射神経と身体能力(笑) 姉ちゃん先輩、照れてるw 「楽しい時間はいつか終わるから、ピカピカに輝く」。あまんちゅにしては珍しく、恋愛成分多目。

8話目
なにやらファンタジーだよな~。ちょい微妙。

9話目
まあ、姉ちゃん先輩含め、この作品で恋愛話やるとしたら、ファンタジーでしかできないということなのかな。ほ~、ブルーストライプ(笑) 先生だったのは、意外。まあ、誰が一番素敵かと言うと、間違いなく弟君先輩だなw

10話目
年越しか~。弟君先輩、いつもハーレムだな、蹴られるけどw あまり百合百合するのもな~。一人の時より、大勢の時の方が孤独を感じてた、か。欠点とかコンプレックスを上手に受け止めると、立派なチャームポイントになる。

11話目
ことりちゃん、このぐらいのファンタジーなら好きだな。え~、こころちゃん、男だったの(苦笑) ビックリだわ。

12話目
良い最終回でした。やはり、こういう作風が良い。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

新たな出会いの予感に満ちた再出発…さぁ、"素敵んぐ!ワールド"の続きを始めましょう。

この物語の原作は未読ですが、天野こずえ先生といえば「ARIA」
「ARIA」といえば、私のお気に入りの棚序列第1位の「ARIA The ORIGINATION」(第3期)
2012年に本格的にアニメの視聴を始めてから不動の1位に輝いている作品…

その先生の書かれた漫画のアニメですもん…「視聴しない」という選択肢がある筈がありません。
もっとも、今期は「あまんちゅ!」の続編に位置するので、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

公式HPのイントロダクションを拝見しました。
「美しい伊豆の海と豊かな自然、そしてあたたかな仲間たちに見守られて、二人の少女の絆が紡ぐ"蒼の物語"が、新たに始まります…」

…もう興味しか湧いてこないんですけど!

かやのん演じる大木双葉…中学までは東京に住んでいましたが、高校に入ると同時に伊豆に引っ越してきました。
もともと恥ずかしがり屋で引っ込み思案な彼女でしたが、ぴかりと…そしてスキューバ・ダイビングとの出会いが彼女を大きく変え始めていました。

中学までの彼女の面影を今はもう見る事はできません。
何せ大木双葉…いいえ、でこはもう「楽しいの達人さま♪」なのですから…
伊豆に引っ越してきてまだ1年も経っていないというのに…

この作品を見ると出会いの大切さを痛感します。
良い出会いほど心を豊かにしてくれますし、良い意味で自分を変えることができます。
この作品のでこが良い例です。

でも、出会うだけじゃダメなんですよね。
一番大切なのは、どんな風に同じ時間を共有できるか…
どれだけ素直のありったけでいられるか…
そして相手のありったけにどれだけ浸れるか…

きっと当たり前のやり取りで良いんだと思います。
そこに自分らしさと相手を思う気持ちがあれば十分及第点なんだと思います。

でこは前期でスキューバ・ダイビングとの出会い、ぴかりと一緒に海に潜りたい理由から、バディと一緒にダイビングできる「PADIオープン・ウォーター・ダイバー・コース」の資格を取得しました。
そして今期はもう1ランク上の「PADIアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コース」の資格取得を目指すことになります。

この作品の素晴らしいのは、言わずもがなですが温かいという単語が陳腐に思えるほどのアツアツの人間関係です。
でもこの作品はそれだけじゃないんです。
題材にしているスキューバダイビングの表現が堪らなく素敵なんです。

海から上がったあとのやり取りでこんなのがありました。
こ「あの、でこさん。」
で「なに?」
こ「やっぱり、怖かったですか?」
で「全然…全然だよ。ライトのおかげで地上と同じ色だから、魚も人も空を飛んでいるように見えるんだよ。」
こ「…。」
で「海の劇場にキラキラのスポットライト…その中で空を舞う水の妖精ウンディーネたち。まるで異世界ファンタジーだよ。」

この台詞だけでも情景が浮かんできそう…
でも、みんなの目の前には、本当に異世界ファンタジーが広がっているかのような神秘的な空間が広がっているんです。
だからこの作品は、きっとスキューバダイビングの魅力を専門誌とは切り口を変えながら余すことなく伝えてくれているのだと思います。

そして絶対に忘れてはいけない人が二人…
水無 茜と姫野 ちずるです。
CVがそれぞれ葉月絵理乃さんと、斎藤千和さん…
もうピンと来た方もいらっしゃると思います。

そう…水無 茜はARIAの主人公・水無灯里にそっくりで声優さんも一緒なんですよ。
苗字は一緒ですしね…
そして姫野 ちずるはARIAの藍華・S・グランチェスタと声優さんが一緒…
苗字の「姫」はARIAの「姫屋」にも通じているのでは…?

この二人のやり取りを聞いていると、いつか定番の台詞が飛んできそうな気がしてなりません。
姫「恥ずかしい台詞禁止!」
水「えー。」

個人的な勝手なお願いですが…葉月絵理乃さんの活躍がもっと見たいです。
きっと仕事にもペース配分があると思うので無茶は言えませんが、改めて葉月さんの台詞が耳に入ると、その次が聞きたくて堪らなくなるんですよね。

オープニングテーマは、鈴木みのりさんの「Crosswalk」
エンディングテーマは、坂本真綾さんの「ハロー、ハロー」
こ、これは甲乙付けられないです^^;

1クール全12話の物語でした。
今期も素晴らしかったです。もう何も言う事はありません。
ですが、個人的にはARIAの構成を踏まえてもう少し先までアニメ化されると嬉しいです。
原作未読なので、予想でしかありませんけれど…
この2期はもう1クール後編があって、ことりたち下級生の成長に目を向けつつ、卒業する姉ちゃん先輩らを送り出す感動のストーリーが2期の後半。
これでARIA2期の「The NATURAL」と構成が合いますよね。
そして集大成となる3期はでことぴかりの高校生活最後の年…
きっと楽しいの達人さま♪らの残り1年を全力全開で過ごしながらお互いの進む道を見つけるんだろうなぁ…
でもこれじゃ「The ORIGINATION」の焼き直しになってしまう…?
そんな事ありませんよね。
それでも涙腺は決壊、破壊、壊滅するんでしょうけど…^^;

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

テコかピカリか、それが問題だ

転校してきたテコはビビリ。
中学ではおっかなびっくりながら、少ない友人を見つけてそれなりに幸せだった。
引越しと同時に新しく入った静岡伊豆・伊東の高校で委縮していた。

ピカリは地元で海が好きなダイバー。
頭を固定するネジ穴自体が元々少ないのだが
変であっても思いやりに溢れている。

その二人が出会ったのが一期だった。

時間を重ね、わずか数か月でお互い無二の友人となる。
テコにはピカリとダイビング部という憩いと成長の場を手に入れ
控え目ながら大きな存在感を発揮していた。

もはや彼女を控え目と評価するのは誤りだろう。
声の大きさや口調で人格を断定することの愚かさに気付かされる。
声が小さくても意志の強いもの
いつも元気でも不安に思っているもの
いくつもある人の表側の一つを見てそれがその人なのだと言うのは
それができるのは他人だから、他人で居続けたいからだろう。

ダイビングには資格があって段階分けされている。
テコを除く他の部員、先生は多分色々資格を持っている。
その有無で潜れる所や水深が決まっているのだろう。
それでテコだけが行けない先がある。

ピカリと、ピカリたちと一緒にダイビングを楽しみたいと考え、
アドバンスの資格を取得する決意をする。

何となく、ここでテコとピカリの存在が決別して肩を並べたような気がする。
セットじゃなくて、アラカルトでも認知されているみたいな。


さて、ここからが本題だ。
テコかピカリか、どちらが魅力的かが問題だ。

今、前向きに成長したテコにピカリが大きく貢献をしているのは否定できないが
テコがテコだからピカリは惹かれたわけなので、
テコの魅力のいくつかはピカリに依るものがあると考えられなくもないが
ややこしいのでそんなことどーでもいい!!!

…と引っ張りましたが、この2期で決めるのは脳内大戦争を起こすのと、
すでに↑にある文章の数倍、数十倍を要するのでこれぐらいで。
投げっぱなしの結論で言えばどっちもアリだ。

{netabare}ここまで引っ張ったので一応結論を
顔と髪と雰囲気の好みで言えば断然テコ
笑顔が太陽のように眩いピカリ
ついでに
体も感情もわがまま姉ちゃん先輩
大人なまとちゃん
将来性の塊ことりとこだま、ぜひ作中で身長伸びて欲しいです
こころちゃん…だが男だ、だが男だ

・・・・・・・・・・ピカリかなぁ、けど若い嫁ができたしなぁ。
ハッ、ま、まさか、今後の展開によってはテコにも嫁が!?
どうやら、俺の寿命もここまでのようだ。
高校時代に、学生時代に女の子と付き合いたかった
…さよなら俺の青春、さよなら俺の人生
還暦独身、定年退職できずに数年働き、退職後数週間で孤独死だな。

姉ちゃんの内面が出るようなイベント増えないかな
あんな変則技じゃなくて、もうちょっと味わい深いやつ。
弟くんも何かあったらいいのになぁ

どーでもいいことですが、テコは「てこ」、ピカリは「ぴかり」って文字での認識ですが
読み易いようにしました。{/netabare}



さて、2期の内容。

ARIAでも苦手だった不思議な話があります。
不思議を不思議だけで終わらせるのはそこまでイヤじゃないが、
作中の現実と合わせるのは苦手。
{netabare}まーあの2,3話使った話、
ギャルゲの主人公の扱いもあったししゃーないわな。
姉ちゃん先輩・・・{/netabare}

そう言えば、アニメ作品より先に作中の舞台を観光していたようで幸せです。

新キャラが3人出てきます。そのうちの1人は出番が多い。
色んな意味で心を揺さぶられましたwww

今回はテコさんが大成長した感じですが
成長というより時を重ねて純粋なテコへと磨かれているんだろうな。


二人が卒業してちゃんと大人な目標へと進む後姿を観たいなぁ。
なんか人間関係とか自分とか、前に進むこととか、
地味に考えさせられるステキな作品でしたー

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

69.5 5 キャンプで心温まるなアニメランキング5位
3D彼女 リアルガール(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (298)
1201人が棚に入れました
リア充な美少女・五十嵐色葉とオタク男子のつっつんこと筒井光の関係を描く不器用なラブストーリー。

声優・キャラクター
芹澤優、上西哲平、蒼井翔太、津田美波、寺島拓篤、上田麗奈、神田沙也加
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

石野さん(♀)の「イケメンぶり」に惚れる1期

【レビューNo.95】(初回登録:2023/11/19)
コミック原作で2018年作品。全12話。
「もののがたり2期」のレビューを書いていて、「2期制作の条件」として面白
い素材かなっと感じたのが本作でした。当初は2期だけのレビューにするつもり
でしたが、下書きしてると意外に1期も書くことが出てきたので、1期のレビュ
ーから始めることに。

(ストーリー)
アニメやゲームが好きな高校3年生の筒井光(つっつん)は、様々なハプニング
を経て、男癖と女受けの悪さで有名な五十嵐色葉から交際を申し込まれる。
今まで人間関係については面倒ごととして、同じオタク仲間の(何故かいつも
猫耳をつけているw)親友伊東以外とは交流を避けていた筒井だが、葛藤の末
に付き合うことにする。
(ただし色葉が転校する半年間の条件付きで)
色葉と付き合うことで、自分が改めて人間関係を構築する努力を怠っていたこ
とを痛感する筒井。しかしそんな彼の周りにもいろいろな縁から、石野をはじ
め少しずつ交流が広がっていき・・・

(評 価)
・2期ありきの構成で損してる部分も。2期まで観て初めて評価されるべき作品
 ・本作はリアタイで観ていましたが、あまり世間的な評価も高くなく、むし
  ろ「円盤売り上げ92枚w」とか、爆死アニメとして悪目立ちしてたという
  印象ですね。
 ・その1つの要因が実質「分割2クールアニメ」という形態なのかなっと。
  コロナ以降はむしろこちらが主流になりましたが、当時は私の知識不足も
  あり、率直に「この作品の2期に需要なんかあるんか?」って感じでしたね。
  1期で「掴みはOK」ならよかったんですが、今から思うと2期ありきの構
  成でいろいろと弱く、早々に見切った層も結構いたのでは?
  2期はいい作品なのでホント勿体ないなっと。

・イベントが結構発生し展開が早く面白いのだが・・・
 ・ラブコメ作品だと、付き合うまでの紆余曲折やハーレム展開で誰を選ぶの
  かを描く作品が多いと思いますが、本作はその点は早々にクリア。付き合
  い出してから本当の関係性を深めていくところに焦点を当てた作品になり
  ます。
 ・イベントが結構発生し展開が早く面白さがあるのですが、逆にいうとそれ
  に頼り過ぎで、キャラの描写が甘くイマイチ魅力的に見えない感じがあり
  ましたね。キャラの描かれ方も
  {netabare}・主人公・筒井
   ・周りからキモオタと蔑まれている描写が多い。
   ・そういう環境を受け入れている感じで、自己否定が強い。
   ・鈍感で人の心が分からない描写が多く、不適切な行動をとってしまう
    ところがある。
  ・伊東・綾戸(園芸部員で年下女子)
   ・オタク・陰キャで周りから馬鹿にされている。
   ・そのため筒井同様、自己否定が強い。
    (特に綾戸の度の過ぎた自己卑下はかなり不快だと感じた。)
   ・あと伊東の猫耳はキャラ付けとはいえ、ちょっと受け入れられんかな。
  ただでさえ「3D彼女 リアルガール」とオタク感溢れるタイトルなのに、蓋
  を開けると「オタクが都合よく美少女と付き合える」はまだいいとして、
  ・オタク・陰キャがやたら周囲から馬鹿にされる
  ・自己否定が強いキャラが多く、イライラするところが多い
  という感じで、ラブコメ作品として楽しさに欠けるんですよ。あと追加で
  ・高梨
   {netabare}・イケメンで自信家で「お前は色葉にふさわしくないから手を引け」と
    筒井に迫り、最後は暴力。
    (筒井は石野さんの「愛ある鉄拳」以外は理不尽に殴られることが多
     くその辺も不快要素。)
   ・そして筒井の冤罪をでっち上げ、そのせいで筒井が学校中から白い目
    で見られる。(ぶっちゃけ犯罪レベルやろーw)
    → プライドの高い高梨は結局謝罪や真相を周りに白状せず。
      筒井の温情で、彼の周りの人間だけに事情説明で手打ち。
     (以降、筒井ファミリーになし崩し的に加わるようになり、意外と
      いい奴として描かれていく。){/netabare}
  こういう描写が「作品のスパイス」として受け入れられるか、嫌悪感を抱
  いてしまうかも評価が分かれるところですね。{/netabare}

・色葉の心理描写が弱い
 ・主人公は筒井なので、
  {netabare}・物語は筒井目線で語られ、どうしても色葉の心理描写が弱くなる。
  ・また筒井が鈍感設定なのでなおさら。
  {netabare}・色葉の筒井のことが好きになった理由がしっかり語られるのが、10話
   後半の色葉のモノローグ。{/netabare}
  というところでエピソードを通じて、何となく
  「色葉は筒井の内面をみて、好きになったんだろうな」
  というのはわかるのですが、人によっては
  「オタクが都合よく美少女に惚れられた」
  って感じが拭えず、軽くみえてしまうんだろうなっと。
  {netabare}(まあ実際モノローグで最初は興味本位程度って言ってるしねw
   しかし筒井が超奥手なのに、何故かキスシーンが多いのは少し笑えて
   しまうw){/netabare}{/netabare}

・1期最大の見どころは石野さん(♀)の「イケメンぶり」
 ・という感じで2期があることを知らなかったこともあり、個人的にはあま
  り1期の評価は高くなかったのですが、それでも完走できたのは石野さん
  の存在ですね。
  {netabare}・筒井のクラスメートで、はじめは筒井のことをキモイと思っていた。
  ・ひょんなことから筒井が恋愛相談して、筒井の内面や色葉とのことな
   どを知り友達になっていく。(筒井の初めての女友達)
  ・自身の恋愛もダメ男に尽くしたり、すぐに立ち直りイケメン高梨に乗
   り換えようとするなど、(男を見る目は怪しいが)自分に(他人にも)
   正直で裏表のない性格。
  ・またウジウジしたキャラの多い中で、はっきりとした物言いと時には
   ガツンと「愛ある鉄拳」で筒井にカツを入れるなど爽快感が際立つ。
   (根底には友達への愛情が溢れている)
  ・またあまりコメディ向きでないキャラが多い中で、しっかりピエロも
   演じ切るw
  1期のMVPは誰が何といおうと石野さんだろうと!!
  石野さんの「イケメンぶり」にこの1期は救われたのかなっとw
 ・あとカツを入れてくれる存在といえば、筒井の脳内に現れるアニメキャ
  ラ「えぞみち」という魔法少女ですね。
  石野さんとえぞみちが悪い流れを断ち切ってくれたから、作品が観れた
  というところがありますね。
  このCVが神田沙也加さんというのも、今から観るとまあ・・・{/netabare}

筒井が本当の意味で、自分の駄目さを理解するのが10話辺りなので、作品と
しては2期まで観てようやく評価できるという感じですね。きちんと完結して
くれますし。個人的には2期はいい作品だと思うので、興味を持たれた方は、
まずは1期を観て「石野さんに惚れろ!」って感じですね(笑)。
(むしろ2期のために1期を完走してほしいまである!)
あと作画の悪さはそこそこ目立つかな。
キャラ描写が甘い、不快感がある等マイナス面の指摘が多かったですが、ス
トーリー自体は決して悪くないので、ストーリー重視の方なら、展開も早く
視聴しやすいかなっと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ゲームやアニメの二次元の女の子さえいれば一人で生きていけると思っていたオタク少年が、超絶3D(リアル)美少女に告白されたらどうなる…の?

この作品の原作は未読ですが、芹澤さん、津田さん、上田さんが出演されると知り視聴を楽しみにしていた作品です。
それにキャラデザは嫌いじゃありませんし、シリーズ構成が赤尾でこさんと聞くと食指が動きますよね。

ですが視聴に際して気になった点もありました。
アニメーション制作が「フッズエンタテインメント」という点です。
普段、制作会社を気にしない…と言えば嘘になります。
京アニ、P.A.WORKS、ufotable、サンジゲン、シャフト、WHITE FOXなどの社名を目にすれば、良い意味で俄然視聴にも力が入ります。

でも「フッズエンタテインメント」の直近の作品といえば、2018年冬アニメで放送された「メルヘン・メドヘン」が思い出されます。
作画クオリティの改善が追い付かず、全12話が放送されずに放送が一旦終了…
まぁ、こんな風になった作品はこの作品たった1作なんですけどね。

「ファンタジスタドール」の様なオリジナル作品があったり、「彼女がフラグをおられたら」「大図書館の羊飼い」の様なゲームを原作とした作品など、普通に堪能させて貰った作品ばかりでしたから…

そして本作品ですが…制作会社を気にすることなく堪能できた作品だと思います。
何より作品のテーマが面白い…

この物語の主人公である筒井 光は自他共に認めるオタク少年。
彼は2次元のアニメやゲームだけが自分の生き甲斐であり癒しであると本気で考える少年でした。

私はゲームはしませんが、2次元のアニメは大好きだから日々視聴を欠かしませんし、フィギュアもそれなりに揃えているので、傍から見たら間違いなくオタクに見えると思います。
あ、でも高校生くらいの時はゲームの方が主体的だったかも…
だから筒井の言動が、まるで自分の事の様な気がしてならないんです。

そういう内向的な人間には、相応の相手しか選ぶ権利が無い…というか自分なんか選んで貰える訳が無い、という気持ちが先行してしまうのも仕方ありませんし、それが世の常だと思います。

でもこの物語の「if」は、そういうオタクな少年がリアルの超絶美少女に好かれるという点です。
綺麗で可愛いモノが好き…けれど、リアルで2次元ほどクオリティの高い人はそういないから、その気持ちを2次元にぶつける、という選択も有りだと思います。

でももし、リアルで超絶美少女に好かれたら…
これはきっと誰もが一度は描いた事のある夢だと思います。
だから、筒井には真剣に自分と相手に対して向き合って欲しいと思いながら視聴していました。

そう思うのも無理ないと思います。
だって、ヒロインの五十嵐 色葉(CV:芹澤さん)の可愛らしさ…半端ありませんから。
きっと男性なら誰もが振り返るような色葉…
筒井に会うまでの彼女は、少しやさぐれていた…雰囲気が感じられました。
でも筒井に気持ちを打ち明けてからの彼女…どんどん素の彼女を知るほど、自身が彼女の魅力にハマっていくのが自分で分かりましたから…

恥ずかしがり屋で、つまらない事で意地を張ったり怒ったり…
ホントに言いたいことは全然違うのに、口に出るのはやせ我慢の台詞ばかり…
本当は自分の事をもっと分かって欲しいのに…

ホント人間ってめんどくさい生き物だと思います。
でも、それが生きてるって実感できる瞬間でもあると思うんです。
だから、めんどくさくって良いじゃない…
それだって二人の共同作業の一つだし、これから続く二人の時間の過程における一歩なのだから…
まぁ、簡単に登り切れるような平坦な道のりは用意されていませんけどね…

気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
気持ちがキュンキュンすると思いますよ。

オープニングテーマは、くるりさんの「だいじなこと」
エンディングテーマは、BiSHさんの「HiDE the BLUE」
個人的にはエンディングに軍配です。

1クール12話の物語でした。
そして番組終了時に「第2シーズン」放送の発表があったのは嬉しかったですね。
2019年の冬アニメで放送される予定との事ですが、どうやら原作は完結しているようです。
筒井と色葉の織りなす恋の物語…最後まで描き切って欲しいです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

わりと埋もれてますが2期でV字回復します

2018.06.21記


原作ちょっと読んだ気がする。
第一話、つっつんの昔の知り合いに色葉が啖呵をきったとこで視聴決定。男前ヒロインは嫌いじゃないのです。

ヲタクが超絶美少女に告られてからの顛末を堪能する作品です。
同クールでの『ヲタクに恋は難しい』と並列で視聴するとおもしろいかもしれません。

主人公つっつん、ヒロイン色葉ともに不器用というかコミュニケーションの取り方に難があります。付き合い始めてからのすれ違いをもやもやしながら楽しんじゃえばいいんじゃないでしょうか。

月並みですが、恋愛の数だけってところですし、好きになる理由に整合性を求めることほどリアルでも無粋極まりないとは思っていますので、アニメもそこらへん求めてません。{netabare}10話で色葉がつっつんを好きになった理由語ってるんでまぁそういうことで。。。{/netabare}


私は好きです。
タイトル含めヲタクを前面に出してますが、ただの対人コミュニケーションが苦手な主人公の話です。アニヲタ、ドルヲタ、ミリヲタ、鉄ちゃんなどなどコミュニケーション普通に出来る人が多いでしょうに。ミスリードでしょうな。
それとラブコメって周囲に「すごい勘の鋭い人」「忖度が完璧な人」「適切なタイミングで主人公たちを適切にアシストできちゃう人」といったスーパーコミュニケーターを配置するもんですが、本作では該当者が見当たらないのです。揃いも揃って見事なまでに不器用な人たちしか出てこないのはある意味斬新でした。


まとめ

二次元に耽溺してた主人公が、頑張って人の世界に溶け込もうと努力する成長物語とみればいいと思います。人と絡めば軋轢も生じますが、それでも向き合おうとするつっつんはイケメンですよ。
それも色葉がいなければ叶わなかったでしょう。恋って素敵!!
{netabare}「お前はいつも俺に新しい世界を見せてくれる」byつっつん{/netabare}

主題歌に“くるり”を持ってくるあたりも気が利いてました。
ただちょっと最終話が残念でした。


■最終話観て振り返り
{netabare}私の浅いアニメ歴上、作画に関してスゴイのは素直にすごいと思うものの、ひどい作画いわゆる作画崩壊とか言われてもピンとこなかったのですが、11話はすさまじかったです。顔が原型とどめてない。
もうこれはなんというか、貴重な経験をさせてくれてありがとう。。。
そうなると最終話も気になり始め、、、
やたら止め絵が多いなとか表情かくかくしてるなとか粗探ししちゃうんですよね。最後のラーメン屋エンドとかも適当に尺埋めしたろ、と不信感です。{/netabare}

{netabare}それで、色葉のなんか重病持ってそうフラグも、11話で出てきた色葉の弟も、伊藤の恋の行方も未回収ですが、こちらは2期待ちですか。
せめて含みだけ持たせても良かったのに、と思います。{/netabare}


■オマケ

五十嵐色葉役の芹澤優さん。初ヒロインだったのね。EDクレジットの一番上に自分の名前があって感涙したとのこと。うんいい話だな、頑張ってください。

2019年1月に2期やるそうです。



-----
2018.11.01追記
《配点を修正》


その芹澤さん。同クール放送してた「魔法少女サイト」穴沢虹海役とこちらはきゃいんきゃいんしたキャラの声も充ててました。つくづく声優さんはすごいというか、声変えられるって何者よ!とあらためて認識した次第。
それが第一線級ではなくキャリアの浅い方達でも出来てるのが当たり前。層の厚さを感じます。


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2019.09.06追記


視聴時期:2018年4月~6月 リアタイ視聴

その後の芹澤さん。2019年冬期「上野さんは不器用」の主役とこちらもまたきゃいんきゃいんしてたので、むしろそちらが正しいんじゃないかしら?と。
そして2期視聴済です。素敵なラブストーリーとして見事に完結しました。すごい良かった!

思えばこの期では、『ヲタクに恋は難しい』(ノイタミナ)に客を持ってかれて、似たようなコンセプトに見えたこちらは視聴回避された向きがあったのだと思います。
実に勿体ないことです。



2018.06.21 初稿
2018.11.01 追記/配点修正
2019.09.06 追記

投稿 : 2024/11/02
♥ : 39
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