カーアクションで秘密なアニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のカーアクションで秘密な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年04月05日の時点で一番のカーアクションで秘密なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

89.7 1 カーアクションで秘密なアニメランキング1位
ルパン三世 カリオストロの城(アニメ映画)

1979年12月15日
★★★★★ 4.2 (1256)
8160人が棚に入れました
人口三千五百、世界一ちっぽけなカリオストロ公国の田舎道をボロ車でドライブしていたルパンと次元はクラリスという美女を助けた。彼女はカリオストロ公国・大公家に残された最後の娘で、カリオストロ伯爵は彼女を強制的に妻に迎え、公国の権力をひとり占めにしようと狙っていた。クラリスはルパンに助けられたが、再度捕えられてしまう。

声優・キャラクター
山田康雄、増山江威子、小林清志、井上真樹夫、納谷悟朗、石田太郎、島本須美
ネタバレ

アニメアンチ2号 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

ハート💛泥棒とロリコン伯爵の秘密

泥棒さんはカリオストロの姫君の大切なもの「💛」を盗んでいきましたが
実在したカリオストロ伯爵という存在を踏まえた上で『「💛」泥棒』という
行為の意味について改めて深堀りしてみたく思います。

ロリコン伯爵と姫君の婚姻の儀式をわざわざローマカトリック教会の大司教を招いてまでして
大々的に描いたことには当然の如く深い意味が込められていたと考えることができます。

{netabare}婚姻の儀式に際しロリコン伯爵は正装を身に纏うわけですが、この正装こそが
ある意味大正解の大当たりで、この作品の本質を見事に表していると言えましょう。

ロリコンとはロリータコンプレックスの略でありまして、少女趣味や少年趣味
みたいな意味合いがあります。

有名なところでは織田信長、空海、ジャニーズ先生などが少年マニアでありました。
海外ではこの手の類を「ペドフェリア」即ち「小児性愛」と呼びます。

海外の貴族だとか大富豪だとかハリウッドのセレブだとか、所謂上級国民的な
方々は漏れなく「ペドフェリア」であるなんていう噂もあります。

本作の「ゴート」のロリ伯爵も恐らくはこの「ペドフェリア」に該当する
のではないかという推測が成り立つわけであります。

ゴート札の「ゴート」とは「山羊」のことでありまして、
山羊と言えば【スケープゴート】に繋がるものであります。

山羊は「贖いの儀式」の【犠牲】として捧げられるものであり、
この際に2匹で一対の山羊が用意されまして、1匹を犠牲として屠り、
もう1匹にはその「角」に犠牲の山羊の血を塗りまして遠方へと追放します。

「追放の山羊」のことを【アザゼル】と呼びまして血に穢れた忌むべき存在
【サタン】に属すものとされ、もう1匹の方を天に召された「白い山羊」と
いうようにして「一対の山羊」は対照的な扱いを受けます。

「白い山羊」は「カリオストロの姫君」であり、
「黒い山羊」(または「血染めの山羊」)に相当する
【アザゼル】はロリコン伯爵であります。

ロリコン伯爵が公式な婚姻の儀式で「山羊の仮面」を身に着けるという変態
コスプレの醜態を惜しげもなく恥じらいもなく堂々と披露するわけですが、
この変態貴族様の趣味趣向の意味するところは「ヴェネツィア」発祥と言われる
【マスカレード】であると考えられます。

【マスカレード】の「ロリコン貴族様」でありますから、
変態性がかなり強調されているということになります。

【イニシエーション】においては当然「花嫁」も【マスカレード】を装着するのが
お約束でありますが、幸いにも囚われの姫君にあっては「それ」の描写がなかったのが
唯一の救いであった言えるのかもしれません。

儀式が行われた「礼拝堂」の地下には「ゴート札(偽札)」の工場がありまして、
そのような形で儀式の裏側に込められたとある思想性が暗示されるわけであります。

お金とは元々はコインでありましたが、紙幣もそれに準じており同じような
意味合いがありまして、例えば福沢諭吉の肖像画がプリントされているように
そもそもは神の権威を価値として表すものでありました。

福沢諭吉という人物のカリスマ性を利用して、なんとなく信用できるような
イメージを付け加え、1万円紙幣に価値を担保させようという魂胆がそこに
仕込まれるわけであります。

1万円札様、福沢諭吉様の価値を「信じる」ものには1万円分の価値が与えられ
福沢諭吉様の価値を「信じない」ものにはただのプリント付きの紙切れとなります。

今では不換紙幣となった只の紙切れに価値を与えている仕組みが
「信用創造」という【偶像崇拝】のシステムでございます。

缶ジュース1本が100円で買えなくなったのは、缶ジュースの付加価値が
上がったからではなく、「¥」の信用が落ちて「¥」の価値が下がったからであります。

「¥」に価値があると信じる人が多ければ多いほど缶ジュースの値段は下がりますが
「¥」に価値があると信じる人が少なく、$やゴールドやビットコインに
価値があると信じる人が多ければ多いほど、それらの価格は上がるわけであります。

「貨幣の神」とは【偶像崇拝】を示し【アイドル信仰】を意味するものであります。

そうしてまして本作のカリオストロ公女殿下とはまさにこの【アイドル】を表す存在であり
従いまして【偶像崇拝】のルーツとなる宗教思想の関係性から【神殿娼婦】即ち
【大淫婦バビロン】の化身であるという結論が導き出されます。

「天空の城ラピュタ」の「シータ+ムスコ大佐+パズー」の「三位一体の神」の関係性と
同じように本作でも「生贄の姫君+ロリコン伯爵+宙を舞う泥棒さん」で「三位一体の神」
を示しているということになります。

【大淫婦バビロン】をルーツとする「神殿娼婦」には儀式の「祭司」と「生贄」
という2つの意味合いがありますが、片割れの山羊を暗示する指輪の所有者であることから
彼女は天に召される「生贄」であることが確定するわけであります。

もう一方の片割れの山羊は血塗られた山羊=【アザゼル】でありますが、これを
ルーツとする神が【テンプル騎士団】の祭壇に祀られていたと言われておりまして
その名は【バホメット】と呼ばれる「サバトの黒山羊」であります。

この「黒い山羊」はそもそも【フェニキア人の神=鬼神バアル】に由来するもので
【ニムロデやオシリス】が失った男根「🍄」を補完した両性具有の神という特徴を持っています。

「🍄」が強調された【両性具有の神】故に【テンプル騎士団】は【ソドミー】=同性愛の罪
の疑惑がもたれており、【マスカレード】が変態祭りであるということの謂れでもあります。

【ボアズとヤキン】=「♂と♀」の原理が融合されるだけでなく両性具有の性質も組み込まれ
「♂」+「♀」+「♂♀」=「三位一体」のすべての要素が一つになった至高の存在を
想定するものでありますので、LGBTや近親相姦の関係性が【イニシエーション】
において示されるということになります。

「天空の城ラピュタ」のシータが【アシュタルト】の役を負っていたのと
同じようにカリオストロの姫君も神殿娼婦の役目を果たすのであります。

「進撃の巨人」の調査兵団における兵士には
「心臓を捧げよ!」ということが求められます。

これを【イニシエーション】として考えると「心臓」=「命」を
【ティターン】=【巨神】に捧げるという儀式を暗示していることになるかと思います。

「心臓=💛=命」と表すことができ、また「心=💛」という関係性から
「心=💛=命」というように考えられますので、
「💛」泥棒とは、命を盗んだり、命を横取りしたと解釈できるわけであります。

そもそも姫君は「カリオストロ家の花嫁」でありました。
花嫁は「犠牲の山羊」の役割を担う、神殿娼婦であったわけです。

従いまして花嫁の「💛」は神への捧げものであるということになり婚姻の儀式において
【アザゼル】の黒山羊ないし【バホメット】に引き渡すべきものとなります。

それを横取りしたのが泥棒さんということであります。

泥棒はとんでもないものを盗んでしまいましたので、その奪還こそが
最重要課題となるわけであります。

そういうわけで後の「天空の城ラピュタ」や「となりのトトロ」などで
花嫁の【イニシエーション】が繰り返し執り行われるようになるわけであります。

調査兵団と同じように魂は「神の御許」に還さなけらばならないということが
「魂のルフラン」の歌詞「私に還りなさい…」においても示されております。

カリオストロの花嫁の「💛」は大変価値のあるものでありますから、
その価値に見合うように大切に保管されるわけであります。

ある意味監禁されるのでありますがその部屋は「星室庁」でお馴染みの「星の間」でございます。

「星室庁」とは「絶対王政」や「王権神授説」を暗示するものでありますから
「星の間」に仕舞われた花嫁とは神の所有物であるという意味合いがある
というように考えることができます。

また天井に描かれた星空から「プラネタリアン」という作品が示す「星の種族」が
想起されるわけですが、天体観測が生き甲斐の【バビロン、シュメール文明】と
その後継者である【フェニキア人】に繋がるということが見えてくるわけであります。

山羊の仮面を装着した伯爵が纏っていたのが「紫色」のマントであり
そのマントの下に隠された上着の色が「スカーレット」であったことも
【フェニキア】(=「紫色」)を暗示していたものと解釈することができます。

カリオストロ伯爵とは実在した人物でありますが、小説よりも奇なりの彼は
実に【フリーメイソン】でありました。

この伯爵の肩書は「錬金術師」でありますが、「錬金術師」とは【黒魔術師】のこと
でもありますから、彼は本物の【フリーメイソン】ということになります。

本物の【メイソン】とは【フェニキア人】の知恵を引き継ぎ【占星術や数秘術】
に精通しており、従いまして「星の種族」特有の【イニシエーション】についても
熟知していたと考えることができます。

「エジプト・メイソンリーの会合では、少年少女を霊媒に降霊術をとり行った」
という逸話がこの伯爵にはありまして、メイソンの会合で降霊術とは即ち
【イニシエーション】を意味しているのだということになるわけであります。

そんなわけで本作のロリコン伯爵に妙な性癖があることのルーツについても
【メイソン】との関係性により明らかになるわけであります。

本作において描かれるロリコン変態の伯爵とは、かつてはハプスブルク家の家臣
であった貴族たちの正体について暗示する要素があるものと推測することが
できますが、そういう種族が集う拠点とはどこの国なのかと言うならば、
それは「スイス」ということになります。

偽札工場=金融業のルーツでもありますが、水没したローマ遺跡が暗示する
【アトランティス文明】の後継者である種族が集う国=スイスのことを
「カリオストロ公国」として表現しているのであります。

中世から近代にかけて金融業の礎を築いた貴族、あるいは金融マフィアの起源となる眷属が
かつての神聖ローマ帝国の領土内に生息していたわけですが、それがスイスに拠点を移し
一方で金融業はイタリア、スイスからオランダやシティオブロンドンへと
世界に拡大させていきます。

基軸通貨「$」も「¥」もその他も、その創始者は同じ貴族様であります。

「ゴート札」とは「偽札」のことですが、
そもそも本物のお札=紙幣なんてものは存在するのでありましょうか?

「日銀券」とはただの紙切れでありますから、例え本物でも紙切れは紙切れでしかありません。

ある時は¥1,000で買えた米が、いつの間にか¥3,000となり、次に行った時は
¥5,000出しても¥10,000出しても買えないという手品みたいな話のトリックが
ご理解いただけますでしょうか?

すべては「信用創造」という詐欺師の口上、
【偶像崇拝】のマーケットメイカーの仕業であります。

NISA口座に金を預けるとお金が増えると政府が言ったとして、
それはどういう仕組みなのでしょうか?

中央銀行とはせっせっとお金を擦り散らかすのがお仕事ですが、
それをやり続けると信用がなくなることは歴史が証明しています。

頭のいい金融業の創始者様たちは紙幣の意味を知っています。

最終的にどうなるのかと言えば、ルパンが冒頭のシーンでばら撒いたのと同じ
運命が「偽札」には訪れます。

【偶像崇拝】の信者たちがせっせっと集めた紙切れが「偽札」だと認識できる時
いったい何が起きるでしょうか?

【バビロン、シュメール】から続いた人類史も紙幣の終わりとともにいよいよ
幕引きを遂げる最終局面に至りました。{/netabare}

裏設定を駆使することしか能がないアニメ業界も悉く淘汰される
【グレートリセット】の瞬間が間もなく訪れるでしょう。

糞アニメに興じている場合ではなく悔いなき人生のために
価値のあるものに時間を費やしましょう。



【グレートリセット】の最終局面に際して
すべての人々の幸運をお祈り申し上げたく思います。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 2
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

その瞳とカラクリに心を奪われる

近年、リマスターだ4Dだと上映企画が催される本作。
今回は作中のクラリスの結婚式が9月13日だからと企画された期間限定上映。
ネタには全力で乗って応えるのが礼儀だと私は13日夜に行って来ました。
因みに本作は金ローでしか観たことなかったので劇場鑑賞は初めて。


【物語 4.5点】
宮崎 駿氏、初の長編アニメーション映画監督作品。

プロットは闇の世界で生きる怪盗ルパンが、
欧州の小国・カリオストロ公国に蠢く巨悪から、
野望に汚されつつあるヒロイン・クラリスを光の当たる世界へ連れ出そうとする構成。

次元のマグナムが通じない公国の暗殺部隊など、
序盤からカリオストロ城が難攻不落であることを印象付ける。
それ以上に偽札を通じて歴史の中で暗躍してきた公国の巨悪の影響力は世界的なもので、
一介のこそ泥如きがどうこうできる物ではない。

そこを城に潜入中の藤子、平生の敵である銭形警部も含めた、
“役者を揃える”ことによりルパンのターンに引き込んで、ひっくり返していく展開が痛快。


ルパンが完全無欠の大怪盗ではなく、結構ヘマをやらかしつつ城を攻略していく綱渡り感もスリリング。


【作画 4.5点】
昭和時代の宮崎 駿監督作品あるある。
冒頭の小柄なフィアットの車内に大量の札束を押し込むカットからして、物理法則無視したエンタメ重視。
にも関わらず、機械の造形は、盗みの小道具から車、飛行機に至るまで、
パーツひとつひとつから精巧に再現、構築し、シーンに説得力を与えます。

で、丹念に組み立てた乗り物は大体バラバラに壊すw
何でも分解したい少年にとっては堪らない描写。
作画するアニメーターも堪ったもんじゃないでしょうがw

このカラクリ感が湖上のカリオストロ城に至るまで徹底しているのが素晴らしいです。
水を汲み上げるために敷き詰められた歯車、張り巡らされた罠、可動式の渡り廊下……。
ラストの{netabare}「ドロボーは湖の水を飲み干すことだってできるのに」{/netabare}を有言実行する大仕掛は圧巻です。

壁走りも交えて車体が分解されるカーチェイスなど、
主人公がもう一回やれと言われても絶対にできないギリギリアクションw
このリアルを越えた心躍るエンタメ性の追求。
昨今メディアにジブリの後継?と押されている方々の作品に不足している要素です。


【キャラ 4.5点】
主人公ルパンは宮崎駿監督も関わったTVアニメ版1stシリーズ準拠の緑ジャケット。
(私は第2シリーズ再放送の赤ジャケット・ルパンで育ったので緑ルパンは今でも馴染めませんw)
歴代ルパンの中でも、私はこのルパンの瞳が一番カッコいいと思っています。
普段はひょうきんで掴みどころのない目をしているのに、
ここぞという時にはグッと精悍な眼差しになる所が痺れます。
あんな目で見つめられたらクラリスの心も奪われますよ。
ラストの{netabare}自分は闇の世界で生きているから、クラリスを連れていけないと悟った哀しい{/netabare}眼もそそられます。

目つきが良いのはライバル・銭形警部も同様。
本作では宿敵ルパンとの共闘も通じて、
巨悪を隠蔽しようとする上層部に対して、
人として譲れない矜持などルパン一味とも共有している価値観を示す。
最後の有名な「とんでもないものを盗んでいきました」の件も、
{netabare}クラリスとキッパリと袂を分かちたい{/netabare}ルパンの真意を汲んだアシストプレイとも解釈できて、
粋なことするよな……と感慨を覚えます。


敵役のカリオストロ伯爵。
クラリスへの仕打ちなど悪逆非道な良好な憎まれ役。
申し訳ないですがクライマックスの{netabare}時計台の針に挟まれて圧死する最期{/netabare}には、
不謹慎ながらいつも笑ってしまいますw


【声優 4.0点】
ルパン担当の故・山田 康雄さん。
高めのボイスで、ギャグや女たらしの中に、たまにハードボイルドを織り交ぜる独特のバランス。
クラリスを笑わせた{netabare}手品{/netabare}の件もこの初代ルパンだからこそできる芸当かと。

ヒロイン・クラリス役の島本 須美さん。
ルパンをおじさま、ドロボーさんと清純な声で呼ぶ演技で、
このお姫様は裏世界の闇に染めちゃいけないとの使命感を視聴者とも共有させます。


伯爵腹心の部下で、公国の汚れ仕事担当「カゲ」のリーダー・ジョドー役の永井 一郎さん。
低めにコントロールされたボイスでルパンを狙撃し重傷を負わせるなど手強い仕事人を表現。
最後に{netabare}観念して五ェ門に介錯を求める{/netabare}辺りには潔い“武士道”も垣間見せます。


【音楽 4.0点】
担当はお馴染みの大野 雄二氏。
基本はフルート、木琴も多用したシリーズ音源のピックアップ。
が、OP主題歌及びEDには「ルパン三世のテーマ」ではなくボビー歌唱の「炎のたからもの」を作曲し提供。
長閑な異国情緒と、どこか寂しさを感じるこのバラードソングは、
作中でもバリエーションとしてBGMに織り込まれる。
この楽曲構成が、ルパンとクラリスの住む世界の違いと、それ故の哀愁を際立たせます。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 32

やまだ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

やっぱりベタが好き

時代を超えて愛される名作。

大泥棒、サムライ、ガンマンとコテコテベタベタなまんがキャラであえてハードボイルドなダークヒーローものをやるってのが原作のオリジナリティ。ルパンの殺しも辞さないクールさと仲良し仲間でなくお互いのメリットで組む傭兵のようなフラットな関係の手下たちと魅せるダーティーなヒロイズムはまさにオトナ向け作品。しかしTV放映当時はアニメは子供が観るものという時代。TVシリーズ序盤は「大人向けアニメをつくる」という異例のチャレンジで原作者も認めた作風ではあったが当然視聴率的には大コケ。子供達からすれば当時主流の派手なメカも出ないし武器がハンドガンのみなんて地味も地味。リアル風等身が目新しかったくらいでドカーンボカーンと派手なファンタジーアニメを観慣れた子供達にフックする要素がまるでない。これではいかんとスポンサーが慌ててキッズ向けに路線変更を画策し宮崎駿に白羽の矢が立つことになる。これまでのキャリアで培った演出技法を持ち込みガラッと作風を変えるも間に合わず初シーズンは打ち切り。本放送では一部の評価しか得られなかったが再放送で人気爆発したのはガンダムも同じだが事情は全く違っていた。

宮崎駿自身の企画ならまずチョイスされないであろうダークヒーローもの。完成された世界観の下地があったからこその奇跡のケミストリーが生まれ日本アニメを代表するビッグタイトルに成長した。キャラの設定や配置はかなり変えられているが、自身の企画ではまずできない現在の新人がこれをやろうものなら失笑どころか業界追放レベルのベタにも程があるわかりやすいキャラデザインを更に活かす作風へ。おちゃらけた昼行燈キャラが本気を出せば俺ツエーという時代劇でも飽きるほどに溢れている日本人の遺伝子に脈々と刻まれた伝統的な紋切り型のキャラクター造形。だれがどう見ても悪役にしか見えない容姿のラスボスがしっかりイキってヘイトを集める勧善懲悪。キッズ作品ではバトル作品以外の主役の殺しはご法度なため実は意外と人情家設定という原作を根本から否定したともとれない大胆な変更も施し、園児でも初見で楽しめる完全なる全方向全年齢万能アニメに仕立て上げた。これ以降ルパンはキッズアニメ映画の代名詞へと上り詰め、むしろ原作がアニメに寄せていくまでになる。

当時の原作ファンは激怒しただろう。自分たちの愛する数少ない希少なオトナ向けアニメがこともあろうによくあるガキ向けアニメにされてしまったのだから。「ベタなまんがキャラでダーティーヒーローをやるのがいいのにベタなキャラでベタな話をやるとかマジでセンスなさすぎ。所詮ポッと出の知らん監督。こいつはなんにもわかってない。」ただ要請に従って仕事しただけでそもそも自分たちの企画ではない。その当時からしてベタベタコテコテの古臭い古典的なキッズアニメに迷いなく振り切って制作された本作は「今時こんなベタな話されても…」「「重厚なテーマも無く浅い」「まあ…面白いっちゃ面白いけどそれだけ」「既視感ガー」「捻りガ―」「成長ガ―」「感情移入ガー」といった現在でもよく見るオトナが上から目線で観たキッズアニメにありがちな評価で当然ながら脚光を浴びることなく凡作の烙印を押されることになる。

ただやはり大人も子供もやっぱりベタが好きなもの。その後の展開は周知のとおり。爆死寸前のマイナー作品を国民的作品に仕立て上げた手腕は時代が証明してしまった。当時叩いてた原作ファンもほとんどが鳴りを潜めるか、掌を返すほかなかっただろう。

子供の頃に散々観ている者でさえ観返す度に新しい発見に出会える熟練の演出技法の数々に「これいつの作品だよ…」と驚愕させられる不動の名作。

「魅せるアニメーション」とはこのこと。
画面で語る駿イズムが堪能できるキッズアニメの傑作。

新人がベタな作品を目指すと猛烈な勢いでブッ叩かれる現代。
大御所は総監督とか総指揮とかの名誉職での名前貸に収まって
今後を見据え後継を育てる地盤を作っていって欲しい。


余談
作品のファンは何時までも愛を注ぐがアンチは飽きて次のターゲットに移行するもの。エヴァもまどマギも現在名作との評価を疑う者はいないが当時は各地で紛争が勃発。だがアンチにまで波及してこそ名作の資格を得るもの。鬼滅はどうなるか…時代の証明を待つのみ。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 29

67.1 2 カーアクションで秘密なアニメランキング2位
機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル(アニメ映画)

2015年2月28日
★★★★☆ 3.9 (184)
1006人が棚に入れました
宇宙世紀0068年、サイド3、ムンゾ自治共和国。宇宙に進出した人の革新を説き、地球連邦政府からの完全独立を宣言しようとしたジオン・ズム・ダイクンは、議会檀上で演説中に突如倒れ、帰らぬ人となった。ダイクンの死後、ザビ家陰謀説を唱えるダイクンの側近ジンバ・ラル。しかし、サイド3、ムンゾの実権を掌握せんとするデギン・ソド・ザビ率いるザビ家の暗躍は加速していく。これまで語られる事の無かった動乱の歴史が明らかになる中、ダイクンの遺児であるキャスバルとアルテイシアには、激動の時代を象徴した数奇な運命が待ち受けていた…。

声優・キャラクター
田中真弓、潘めぐみ、浦山迅、銀河万丈、藤真秀、三宅健太、渡辺明乃、津田英三、恒松あゆみ、喜山茂雄、沢城みゆき、茶風林、池田秀一、大塚明夫

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

【主に戦車道】断っておきますがこれはガンダムのレビュですよ?【主にロリテイシア】

初代『ガンダム』(ファーストガンダム)のキャラデザを務めた安彦良和が、独自解釈でファーストガンダムをコミカライズした漫画、『THE ORIGIN』をアニメ化した作品です
つまりガンダムの歴史上、初めて漫画→アニメという経緯を持った作品になります
監督は『0083』や『MS IGLOO』の今西隆志
脚本に隅沢克之
キャラデザにことぶきつかさ
メカデザにカトキハジメ(MS系)、山根公利(車輌系)、明貴美加(戦艦系)、アストレイズ
総作画監督に西村博之(天才)
メカ作監に鈴木卓也
音楽に服部隆之
1話約70分、全4部作(予定)


今作で描かれるのは1年戦争の前日譚にして漫画版オリジナルストーリーとなった所謂「シャア・セイラ編」です
キャスバル・レム・ダイクンという少年が如何にして赤い彗星ことシャア・アズナブルを名乗ることとなったのか、とまあシャアという男とその妹のジュブナイルが基軸となります
ちなみにあくまで『THE ORIGIN』のアニメ化であり、【ファーストガンダムそのものとは設定や時系列が異なっている】ことを断っておきたい


まずアバンタイトルで描かれるのはシャアが赤い彗星の異名を取ることとなり、アニメでは詳細が描かれなかったルウム戦役
今作ではモビルスーツは基本的に3DCGで描写されます
このルウム戦役の迫力の戦闘シークエンスを描くのは北野三郎・・・じゃなかったw板野サーカスこと板野一郎
ハイスピード、かつ膨大な情報量で混沌とした艦隊戦を潜り抜けるシャアの姿が描かれます


そして時を遡り開戦の11年前、宇宙世紀0068
地球連邦からの独立を図るスペースコロニーサイド3のムンゾ共和国が舞台となります
指導者ジオン・ズム・ダイクンは彼の家族を巻き込みながらも宇宙移民の自治権確立に奮闘する日々を過ごしていた
しかしある日、彼は狂気の中で突然に息絶えてしまう
ダイクンの死は謀略だと民衆は暴動を起こし、それを鎮圧する地球連邦は軍を投入、この混乱に乗じてムンゾの実権を握ったザビ家の暗躍
そしてダイクンの遺児こそがキャスバル=シャア、そして妹のアルテイシア=セイラだった
これまで設定のみで深く語られることの無かったダイクン家とザビ家の確執、政治ドラマ
ダイクン家に助力するラル家の親子、特にファーストでは名前だけが語られていたジンバ・ラルの登場
『THE ORIGIN』のオリジナルキャラであるザビ家の次男、サスロ・ザビの存在も忘れてはいけない
そしてクラウレ・ハモンやクランプといったキャラの活躍もファーストファンには心躍るところでしょう


さてところで、この作品はガンヲタとかガノタとか呼ばれる一部のマニア専用の作品では決してないということを強く主張しておきたいです


まず先にも言ったとおり旧作の設定はほとんど意味を成していないのでむしろガンダム初心者の方がすんなりと今作を受け止められると思います
独立運動に心身を疲弊しながらも奮闘する父の背中を見て育った少年が、今度はその父の死をキッカケに故郷を追われる身となり、やがて一族を貶めた者達への復讐を誓う・・・
そう今作は何も複雑なSFとかじゃないんです、【ピカレスク・ロマン】なんですね
強いて言うならタイトルにもある【“ガンダム”が一切出てこない】ことだけはご了承願いたい


最大の見どころは“安彦絵の完全再現”
近頃のアニメでは珍しくなった三白眼、長い下まつげ、ハイライト少なめな頭髪といったデザイン面
そして劇中でのコミカルなタッチ、正真正銘のテレビまんが感
特にガンダムのようなシリアスな作品ではもうあまり観られないであろうオーバーな表情芝居は古き良き時代を生きた漫画家ならでは感性ではないでしょうか
それを(天才)西村博之が細かいカット一つ一つにまで拘って作り込んでいるのが見えてきます
また現場では安彦が直接アニメタを指導するという姿もあるようで、とても貴重な環境が整えられた制作現場であることが伺えます


特に安彦ismが如実に現れているのが“ロリテイシア”ことアルテイシアですかね
喜・怒・哀・楽、今作で全部魅せてくれます
すごく楽し、いやw可愛い(^ω^)


それとクライマックスで登場するオリジナル設定の初期型ガンタンクによる“戦車道ならぬガンタンク道”
陸上自衛隊も取材協力に応じたとかで『ガルパン』ファンにも是非観ていただき一戦に仕上がってますね


ところでキャストがほぼ一新されたのが気になりましたね
故人等も多少絡むためキャスティングには苦労されたのでしょうが、折角新しいガンダムをやるんだから、と思い切って冒険をした新キャストがちょろちょろと
特にハモンに沢城みゆきを起用したのは驚きました
そしてこれは成功と言えるんじゃ?とこの挑戦的キャスティングに拍手


一方で銀河万丈のギレンと池田秀一のシャアは全く変わり映えのない安定感で、定着した二人を変えることは不可能だったという結果も見えてきました
35年も経ったのに銀河万丈や池田秀一の代役って未だ誰も出来んのですね・・・まさにオンリーワンか

投稿 : 2025/04/05
♥ : 30
ネタバレ

かしろん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

ガンダム THE PROLOGUE

名古屋ミッドランドスクエアシネマにて3月7日16:55回を見てきた。
入場者特典として、第1週はシャアのミニ色紙、第2週はセイラのミニ色紙が配られる、とのことで、
セイラの色紙貰えるんだなー
と思いながら行ってみたら、貰えませんでした・・・
せめて、1日くらいは全員に配れれるくらいの特典用意しておこうよ。

では、感想。(3/11、否定的になり過ぎな気がするので追加修正)
{netabare}はっきり言っちゃえば、盛り上がりはあんまりない。
理由は簡単。TV版機動戦士ガンダムが始まる前の物語。モビルスーツ開発される前の話だから。
最初にルウム戦役を見せてド派手な戦闘シーンとしているが、それ以降に出てくるのはガンタンク初期型のみ。

今回の物語の内容をザックリ書くと、原作漫画THE ORIGINの過去編と呼ばれる部分の、
地球から一番遠いコロニー群、サイド3ムンゾにて、議長ジオン・ズム・ダイクンを筆頭に地球連邦より独立しようとしてましたが暗殺されました。
民衆の暴動、ザビ家、ラル家の政治闘争が激化したムンゾから、ダイクンの遺児であるキャスバルとアルテイシアが地球に逃げました。
という部分まで。
ひたすら政治闘争と民衆暴動をダイジェストで見せられるという。
画面が派手になりようもない。


じゃあ、面白く無いのか、と聞かれれば、そんなことは無い。
ただ、同じ形態でやってたUCのEP1を見た時ほどグッとくるものは無かったし、締めの曲もUCの至宝曲「流星のナミダ」を聞いた時ほど感じるものが無かった、というだけのことだ。

ガンダムファンがTHE ORIGINに求めるものであろうものは十分につめ込まれてると思う。
例えば、描かれるキャラはクセのある安彦良和画まんま。TVシリーズ何十話とやる訳じゃないから、アニメーター誰もが書きやすいアニメキャラにされてない。
アルテイシアが父の亡骸を見て叫ぶシーンなんかは「お前誰だよ」みたいなブッサイクな崩れ方をする。いくら美少女でも、いきなり父が死んで、その死体を見たら、美少女が美少女のまんま叫ぶってことはないだろう、と。
そういう生っぽさと、コミカルなシーンと、ハモンさんのムチっとした妖艶さと、キシリアの強さと、みたいなのが綺麗に融合している。

ガンダムファンとして、前日譚を知っている人にはその再確認、知らない人には「へぇ、こういうことがあってのガンダムだったんだ」と知るには十分。まぁ、ガンダム知らない人が見ても全く意味が分からん話だろうな、とは思うが、そもそもガンダム知らない人は見もしないだろう、と思えば、あんまりグダグダと見せてもしょうがないかとザックリ話を進めた今回くらいで良いのかな、と。

4部構成らしいし、ガンダムファン向け前日譚として、第4部ではガンダム第1話につなげつつ、最後の最後に現在のアニメーション技術をフル注入したガンダムvsジオングを見せてくれれば満足かな。


冒頭のルウム戦役
わざわざエンドクレジッドで
アバン絵コンテ 板野一郎
と入れてきた。
ご存知、板野サーカスという、画面いっぱい、いや、それどころか、画面をはみ出た領域まで使った縦横無尽ハイスピードアクションの生みの親。
ほぼフルCGで描かれる大量の艦対艦砲撃戦に、その間隙を縫って攻撃を仕掛けるMS。
正直、地味話な第1部に良い華添え。

現在放送中のSHIROBAKOにて、イデポンが出てくるあたりの紙作画とCGでもめるエピソード。居酒屋で遠藤の話を聞いてた人の元ネタ、というと分かりやすいのか分かりにくいのか。
元々手書きアニメで独特の技法まで生み出した人が、CGに可能性を見出し、THE ORIGINでガリガリのCGを使ってガンダムに戻ってくるという。
時の流れを感じる1エピソード。


キャスバル
田中真弓なぁ・・・
先入観もあるが、利発さが感じられんのだよなぁ・・・{/netabare}

投稿 : 2025/04/05
♥ : 6
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ルルーシュとの比較で、シャアのクソっぷりが良く分かる作品でした。

※Ⅰ~Ⅵまで全部併せた評価・感想です。

愛する妹ナナリーが{netabare}幸せに生きられる世界を作るため{/netabare}に全力で戦い抜いた『コードギアス』のルルーシュ君にくらべると、同じダーク・ヒーローでも、こちらの作品のキャスバル・ダイクン(偽名シャア・アズナブル)君は一体何なんですかねぇ。
私にはとんだ自己チューのクソヤロウにしか見えなかったんですが????
(※実妹セーラに {netabare}冷たすぎる {/netabare}←TVシリーズ(無印ガンダム)ではここまで酷くなかったはずですが)

それでも、シャア君(※偽名)がはっきりと主人公を務めたⅠ~Ⅲまでは、まだ興味深く視聴できたし、特にⅢはなかなか面白いと思いましたが、{netabare}彼の好敵手となるアムロ・レイ君や彼らの想い人となるララァ・スーン嬢{/netabare}が出てくるⅣから先は、どうもシナリオ散漫になってしまった印象で、作画の方もしばらく前に制作された『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』に比較してむしろ劣化しているような気がする始末で、本シリーズ全体の評価はそれほど高くはなりませんでした。

あくまで個人的な感想ということで。


◆制作情報
{netabare}
原案・原作      矢立肇、富野由悠季、安彦良和(角川『ガンダムエース』2001年6月-2011年6月連載)
総監督        安彦良和
監督         今西隆志
キャラクターデザイン 安彦良和、ことぶきつかさ、西村博之
メカニカルデザイン  大河原 邦男、カトキハジメ、山根公利、明貴美加、アストレイズ
脚本         隅沢克之
音楽         服部隆之
アニメーション制作  サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============ 機動戦士ガンダム THE ORIGIN (2015年2月-未完) ===========

Ⅰ 青い瞳のキャスバル  ★ 4.0 (2015年2月) ※約63分
Ⅱ 哀しみのアルテイシア ☆ 3.7 (2015年10月) ※約58分
Ⅲ 暁の蜂起       ★ 4.3 (2016年5月) ※約68分
Ⅳ 運命の前夜      ☆ 3.8 (2016年12月) ※約69分
Ⅴ 激突 ルウム会戦   × 3.4 (2017年11月) ※約84分 
Ⅵ 誕生 赤い彗星    ☆ 3.5 (2018年5月) ※約84分
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)2、☆(並回)2、×(疑問回)1 個人評価 ☆ 3.7

主題歌 ※毎回変わる

投稿 : 2025/04/05
♥ : 7
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