カオスで狂気なおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのカオスで狂気な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月07日の時点で一番のカオスで狂気なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

72.1 1 カオスで狂気なアニメランキング1位
パプリカ(アニメ映画)

2006年11月25日
★★★★☆ 4.0 (836)
3966人が棚に入れました
医療研究所が開発した他人と夢を共有できる画期的なテクノロジー“DCミニ”。だがそれが盗まれ、悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せ精神を崩壊させる事件が発生するように。一体、犯人の正体は? そして目的は何なのか?事件の解明に挑む美人セラピストの千葉敦子は、クライアントの夢の中へ容姿も性格もまったく違う夢探偵“パプリカ”となって入っていくが、そこには恐ろしい罠が待ち受けていたのだった…。

声優・キャラクター
林原めぐみ、江守徹、堀勝之祐、古谷徹、大塚明夫、山寺宏一
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

なるほど分からん(考察)

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。90分ほどの作品です。多くの方と同様だと思うのですが、夢の描写については「よく分からない」という印象を受けました。ただ、夢の世界は理解できないように作っているはずですので、この感想はおそらく正しいのだと思います。
 夢の世界とは対照的に、テーマを見つけること自体は難解ではないように思えます。面白いかどうか、どこまで解釈出来るかは、テーマを発見できたタイミングによると思われます。
 作品自体は、スピード感もありますし、退屈するようなことはないでしょう。完成度はかなり高い作品です。
 (追記)初回から2日ほど置いてから2度目の視聴をしました。1週目に聞き取れなかったセリフを拾うためのものだったのですが、かなり面白かったです。満足しました。2週目が本番かもしれません。


対象年齢等:
 子供に見せる必要がないという程度です。
 対象者に関しては特にないですね。この手の作品が好きな人は、読書好きでも映画好きでも、このアニメに辿り着くのだと思います。反対に、アニメ好きだからといって視聴できるものではないです。辿り着くべくして辿り着き、見るべくして見るという作品だと思います。アニメという枠から外れているのに、アニメでしか出来ないことをやっている。そういう作品です。

テーマ:
 夢です。考察に譲ります。

ジャンル:
 夢と現実がごっちゃになるやつです。精神的にどうだとか、夢の話が現実とリンクするだとか、そういうレベルの話ではなくて、物理的にごっちゃになるやつです。


考察:
①夢について{netabare}
 作中の夢は明らかにダブルミーニングですので、ここで分解して、定義を与えます。
  ユメ:寝ている間に見るもの、空想の世界
  ゆめ:将来に実現させたいこと
 以下の記載はこれに準拠しますので、気をつけてください。なお、「夢」と使った場合は、両方を含む場合またはどちらかに限定しない場合です。上記のテーマのところで「夢」と書きましたが、ここで「ゆめ」であると訂正しておきます。テーマは、ユメではなくゆめです。
 この作品の構造として、「夢と現実」という対比が重要なわけですが、注意してほしいのは「ユメと現実」も「ゆめと現実」も対比としては成立するということです。これがこの作品の主題を煙に巻いている原因だと思われます。また、作中のセリフで「夢」が出てきたときに「ユメ」だけでなく「ゆめ」に置き換えられるのかに注視する必要がありました。同じセリフを使っているのに、ユメとゆめという二つのストーリーを追わなければいけないという稀有な作品です。この構造に気付くことが、この作品を楽しめるかどうかにかかっていますので、子供には難易度が高いでしょう。ユメは場面を問わず使われるため、私たちの意識がそこに引っ張られてしまいます。すると、ゆめへの意識が希薄になってしまうんですね。これはゆめという主題を隠すために、意図的に計算されたものだと思います。
 少し乱暴ですが、ユメがただの演出であると断定して、作品から消し去ってしまうと、随分シンプルで分かりやすくなります。映像主体のこの作品にこんなことをいうのは変かもしれませんが、主題を理解するためには、ユメの映像を極力無視すべきなのかもしれません。
 (追記)映像は無視しても、セリフだけはきちんと拾っておきましょう。1週目では気づきませんでしたが、ヒムロのセリフ(人形がしゃべっているやつ)はかなりテーマに沿っていたようです。無視していいセリフは、混乱した人のものくらいです。{/netabare}

②エンディング(メインテーマ)-1{netabare}
 エンディングは「夢見る子供たち」という映画のチケットをコナカワが買うシーンです。あまりに普通すぎるタイトルでスルーしてしまうのですが、よくよく考えてみると、このタイトルは違和感の塊なんです。「夢見る子供たち」を私の定義に置き換えると「ゆめ見る子供たち」です。
 ですが、①で述べたように「ゆめ」についての説明は不親切なのです。登場人物のゆめがどこで述べられていたのかが、漠としているのです。ゆめの解明には、ユメの機械であるDCミニについて、それぞれの登場人物がどのように捉えているかを見る必要があります。
 更なる問題は「子供」の方で、作中ではほとんど出てきません。一見すると大人との対比が不成立に思えるのです。つまり、子どもの代弁者の大人を探す必要があります。

 子供の代弁者とは、子供のまま大人になったと形容されるトキタです。トキタのDCミニへの評価は「友達やチームと夢を共有することは素敵」です。これは「みんなで同じゆめを見る」ということです。突き詰めると「みんなのゆめが叶う」というのと同じようなもので、理想的ですがあまりに現実離れしていますから、大人が持つゆめとしては適当ではありません。そのため、チバに叱責されています。

 トキタを子供扱いしている人物が3名出てきます。チバとオサナイと理事長です。この3人は、子供ではなく、大人の立場でゆめを語ります。
 チバは、トキタを「子供」だと言っています。彼女は、DCミニの利点を「クライアントとの共感」にあるのだと説きます。対人関係の円滑化を述べたものですが、友達ではなく、クライアントに限定していることに注意しなくてはいけません。ゆめを自分の仕事に限定し、仕事が円滑に進んで欲しいという自分の願望や保身を軸として見ているということです。トキタのような全体的志向ではなく、あくまでも個人的志向です。
 オサナイは、トキタを「幼稚」だと言っています。彼は、DCミニを自己の性欲や独占欲のために用いています。こちらも個人的志向です。性的な視点を持っているからこそ、トキタを幼稚と表現したのだと思われます。
 理事長は、「無軌道な才能を善導するのが大人の責務」と言っています。また、DCミニを「夢を支配する」ものだと評しています。この支配欲はオサナイの持つ独占欲の上位概念であり、チバには「誇大妄想」だと言われていました。理事長は、児童向けアニメの悪役のようなシンプルな世界征服的欲求を実行しようとします。個人的なゆめを拡大解釈していくと全体的志向に戻り、大人を突き詰めていくとむしろ子供っぽくなるなど、非常におもしろいキャラクターでした。トキタを悪役として描いたものだと思われます。
 この3人は、DCミニの開発者ではなく利用者です。ユメについてもゆめについても同じです。子供が開発したゆめをスタートにしているのに、大人になるとこうまでかわってしまうという対比だったようです。{/netabare}

③エンディング(メインテーマ)-2{netabare}
 コナカワは非常に特異な存在です。コナカワは、思春期のエピソードである友達とのゆめを語っています。彼は、友達とのゆめを忘れていました。しかし、イマジナリーラインとパンフォーカスを正しく扱うことで、刑事になった経緯を思い出します。残念ながらコナカワは、友人とのゆめを叶えることが出来ませんでした。しかし、その過程において、自分だけのゆめを発見し、叶えることに成功していたのです。
 これは、コナカワが、子供を捨て、思春期を経て、大人になるという正しい道を選んだ存在だということです。トキタのゆめに乗るだけだった上記3名の大人とは明らかに異なった存在で、自らの選択が描かれていました。また、②の4人が、夢を叶えようとしている存在であるに対して、コナカワは既にゆめを叶えた存在でもありました。

 ゆめについて、②の4人が大人と子供という概念に縛られた点であるのに対し、コナカワは大人から思春期へのベクトルとして描かれています。実際の子供が登場しないこの作品において、過去へのベクトルを持ったコナカワだけが、子供のゆめを語る資格を持てたのかもしれません。
 「ゆめ見る子供たち」が何なのかはよく分かりません。「大人よ、ゆめを思い出せ」程度の意味しかないのかもしれません。ただ、コナカワが思春期の頃のゆめを思い出したことで、夢の映画がハッピーエンドになったのも事実です。彼は子供のころのゆめを思い出すことで現実におけるハッピーエンドに至るのかもしれません。{/netabare}

④終盤の解釈{netabare}
 ユメと現実が融合してからは怒涛の展開で、やや置いてけぼりを食らってしまいました。あのバトルで何が起こっていたかを知るために、各々の役割を探っていきます。

 まず、パプリカは何だったのかということです。彼女はチバの分身ですが、セックスシンボルとしての印象が強かったです。パプリカ曰く「女(チバ)に足りないスパイス」です。特徴的なのがオープニングです。赤い服を着ていたパプリカが、コナカワとベッドに座っているシーンだけはガウンになっています。夢の共有には肉体エネルギーが必要とも表現されていますから、性交渉かそれに近いイメージを持たざるを得ません(実際に行っていたかではなく)。

 一方でチバは、「最近夢を見ない」と言っています。これは2つの意味を持ちます。
 一つ目は、「ゆめを見ない」であり、トキタのゆめに乗り、自身のゆめを叶えていない彼女を表現したものです。②③と関連したものですので考察は省略します。
 二つ目は、「ユメを見ない」であり、パプリカと乖離していることを表現したものです。女性的な魅力の欠如またはセックスレスを想像させます。肉体的にどうかは分かりませんが、恋人のトキタとはうまくいっていないために、充実した女性像からは乖離しています。その後、「ユメを見る」ことでトキタを受け入れる土壌が整いました。

 そして、終盤です。倒れたトキタにチバだけが融合しても何も起こりませんでした。ここにパプリカが加わることで赤ん坊が生まれます。男性と女性が正しく融合することで誕生したのが赤ん坊です。この赤ん坊は、チバがベースとなって、トキタの暴食という特性を持ったものとして描かれていたようです。
 一方、理事長は、オサナイを取り込んで巨大化します。こちらは、男性と男性の融合という歪なものでした。理事長を象徴するものは木で、オサナイを象徴するものは蝶です。歩けない理事長(木)とその周りを飛ぶオサナイ(蝶)の対比です。そして、理事長はオサナイの足を掴んで融合し、足を得ます。
 対決シーンは、無垢な存在である赤ん坊が、大人の欲を取り込みながら成長していくという描写だったのではないでしょうか。子供は清濁混合しながら大人に成長するということを表現したのだと思います。

 成長した女性はチバでした。冒頭のエレベーターシーンで、トキタはチバに家に行こうとしていたと言っています。ただの同僚が、仕事の話とはいえ家に行くのはおかしいので、当初から恋人関係だったことは明らかです。ただ、チバの保守的な結婚観もあってか、あまり順調ではなかったようです。しかし、チバが素直になることで個人的志向から脱却し、他人を受け入れられるようになりました。このタイミングで、チバが成長する姿を描き、エンディングにて結婚という流れだったようです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

Don't think . Feel .  …でいってみよう

そういえば原作既読。内容はうろ覚え。


地上波でたまたま流れた『東京ゴッドファーザーズ』を皮切りに~の今敏監督アニメ映画視聴マラソンもこの『パプリカ』でひとまず完走。物理的にもこれ以上これ以外走り続けることはできません。

゛難解な作品” ゛人を選ぶ作品“ ゛芸術性の高い云々”

氏の作品には枕詞のようにこれらの修辞表現が付き纏います。うむ。確かにそんな面はあるかも。でも敢えて私はこうも思うのであります。

{netabare}いいんだよ。そのまんま感じればいーじゃん。テヘッ{/netabare}

絵画におけるレゾネやクラシック音楽の解釈やらもそう。一枚の心奪われる絵を目の前にした時、情感揺さぶる音に触れた時、言葉は蛇足となることがあります。
私のような素人目にもわかる映像表現。強烈なインパクトを残すキャラクター達。{netabare} そして現実世界でのハッピーエンド。{/netabare}
とかく難解だと敷居を上げなくても、娯楽作品として観たまんまで楽しめるアニメ映画だったと思います。凝ろうが凝らまいがあとは受け取る側の判断でしょう。面白いか?面白くないか?それが全てです。

なぜ?そんな当たり前のことを?

氏の作品の多くはどれも90分程度と視聴にあたってのどっこいしょ感がなく、とりあえず4作品鑑賞してどれも粒揃いだったので、できれば多くの方に触れてほしいですし、下手な先入観は持っていただきたくないなというのがその理由です。


さて本作『パプリカ』です。
゛虚構” と ”現実” が入り乱れる秀作を次々と輩出してきた監督の遺作です。今回は 《夢》 。
他人と夢を共有できる゛DCミニ”というデバイスがある。心理療法の次の一手であると臨床試験を重ねていた矢先、DCミニが研究所から盗まれて、という導入。研究所員であるサイコセラピスト千葉敦子/パプリカがヒロインです。
キャッチコピーは「私の夢が、犯されている―」「夢が犯されていく―」。新たな試みはメリットと同様に副作用が付き纏います。DCミニもご多分に漏れず欠陥がありまして、その隙をついてあれやこれやが巻き起こる物語です。

夢の言葉上の定義は

1 睡眠中に、あたかも現実の経験であるかのように感じる一連の観念や心像。
2 将来実現させたいと思っている事柄。
3 現実からはなれた空想や楽しい考え。
4 心の迷い。

と辞書にあります。 夢って何だろう?と突き詰めた形跡が見て取れます。

根幹となる部分はもちろん1。そこに2~4を想起させるキャラがもう一つもう二つとストーリーラインを重ねていくような物語でした。誰がどうかはネタバレ直結なので隠します。

2は{netabare}ヒロインの敦子さんが代表格。もっとも奥にしまってた感情に気づいたということですが。。{/netabare}

3は{netabare}乾精次郎理事長が代表格。現実から逃げ妄想に囚われました。{/netabare}

4は{netabare}粉川刑事。そしてストーリーのもう一つの柱。トラウマに向き合って克服します。{netabare}映画からは前向きなメッセージを受け取りました。{/netabare}{/netabare}
他の登場人物たちも多かれ少なかれこの類型に分類されるのかな~という見立てです。


処女作『PERFECT BLUE』では《劇中劇(虚構)》と《現実》
二本目『千年女優』では《劇中劇(虚構)》と《回想》と《現実》と場面が増えて入り乱れました。
三本目『東京ゴッドファーザーズ』は置いといて(笑)
本作『パプリカ』では《夢(虚構)》と《現実》に夢をモチーフにした登場人物たちが入り乱れました。

作品を重ねる毎に表現の幅を広げていき、本作で集大成、または集大成にならざるを得なかった良作でした。

概念的な話なのでどちらかというと視聴済みの方向けの私の見解となります。
新たに鑑賞される方は先述の通り、そのまんま観ていただければよろしいのかと思います。


そして、゛ならざるを得なかった” の理由。
それは本作のラストを見届けるとその思いが強くなります。


※ラストのネタバレ有
{netabare}映画ラストで監督の過去3作品が背景で流れて粉川刑事が映画館に入っていく。タイトルは『夢見る子供たち』です。

{netabare}なんかの予言だったのでしょうか?
《虚構》と《現実》行ったり来たり。そして溶け合う今敏監督がこれまで手掛けた作品をイメージさせて未来へと繋がるであろう to be continued。{/netabare}
{netabare}次の作品で夢うつつシリーズの完結を構想してたのかもしれませんね。これは私の妄想です。いわばホップステップジャンプのステップ段階で早世されたのかと。{/netabare}{/netabare}

最後の演出は、客観的に作品を楽しむ現実世界の観客を、虚構の世界にいざなう監督の最後の大仕掛け。といったら感傷的過ぎるでしょうか。

例えが妥当かは知りませんが、過去作を上手いこと継承しながらエンタメ作品として爆発的なヒットとなった2016年の映画のようなのが次回作品で来てたかもしれませんね。
それで「俺たちの○○はどこへ行ったんだ?」とオールドファンをやきもきさせたり、一方で新規のファンが出来てたり。
そして、作風をガラッと変えてまた新たな実験を試みたり、と。


夢にはもう一つ。5番目の意味があります。

5 はかないこと。たよりにならないこと。

冒頭でひとまず完走と述べましたが、気分としてはハーフマラソンを走り終えた感じでしょうか。まだ半分、もっとイケる。なんならウルトラマラソンでも構わないのに!

少し、クールダウンしてからいつの日か『妄想代理人』を堪能することにしようと思います。


■雑感
一周しかしてないので、もう一回観たら感想変わるかも



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2019.08.04追記

二周めいってみた!
たまに触れたくなるクセになる感じがありますわ。



2019.02.19 初稿
2019.08.04 追記修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 47

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

心の歪みは夢だけでなく現実を侵食する。パプリカとはエロスの事?

24年9月再レビュー

 この作品は、映像として夢の表現と、夢と現実の境のあいまいさに幻惑されるのが素晴らしい映画でした。そのイメージの発想があるからこそ、その中身を楽しめたんだと思います。

 内容は科学者のコンプレックスの話、刑事の映画の才能のコンプレックスの話、理事長の脚が不自由なこと、あつこの時田への気持ちと容姿の不満?などの精神の歪みが夢で混在することで、現実とつながったような話です。

 今回再視聴して以前(21年7月)、夢の話=フィクションなので、刑事と映画の話を主題にすべきというレビューを書きましたが、ちょっと違う気がしてきました。

 というのは、夢が現実を侵食するという部分の意味は、心の歪みが現実を狂わせているという部分なんだと取れます。また、パプリカという存在がエロスすなわちフロイト的な精神療法として見た場合の限界も表しているような気がしたからです。

刑事がパプリカの導きもあってその過去にあった出来事を思い出すことで、トラウマを克服するのも心理療法のイメージでしょう。ですが結局刑事は自分で答えにたどりつきました。

 そのパプリカ=エロスの根拠なんですけど、冒頭のホテルで同衾しているガウンのシーンでモロに描いてますけどね。そのほか小山内の精神的な凌辱のシーンが顕著ですが、むしろ、パプリカとあつこが分裂するシーンですね。あそこで、千葉あつこの女性的な部分と研究者としての部分の両面を描いていたからです。

 サラリーマンが集団で落ちてゆく印象的なシーンや女子高生のスカートをチラリとするシーンはバブル社会の象徴である感じですが、一方でタナトスとエロスとも取れます。つまり、深層心理にある病理が社会とか現実をゆがませているという風に読み取れました。

 ですから、理事長の完璧主義は、やっぱり女性に対する不能のコンプレックスなのかなと思いました。最後、少女であるパプリカに食われるシーンですが、女を知ると心の闇が晴れるという感じで描いていたと思います。

 そんな感じで、心の歪みの集合=現実であり、心の歪みが現実をゆがませるという話でしょう。その世界で生きるためには健全に恋愛しようよという極めて単純ですけど、納得感のある話だったのかな、と再視聴して思いました。

 昔読んだ原作は全然違った気もしますので、さっきポチリましたので、読んで映画の解釈に変化があればまた追記します。



21年7月のレビューです。

価値は夢の映像化ですから、刑事と映画の話を本筋にすべきでした。

 確か原作は中学生くらいの時に読んだと思いますが、あまり覚えていません。アニメでは、パプリカという存在が少しファンタスティックに描かれていますが、実際は敦子が変装して化粧をしてパプリカに化けるという設定だったと記憶しています。
 冒頭の刑事とのシーンでバスローブを着ていたことで分かりますが、かなりエロティックな行為を使って治療していたと思います。

 本作です。まず特筆すべきは映像です。夢を視覚化するというのは、非常に難しいと思います。本作は、アニメというメディアを使って、目眩というか幻惑というか、トリックアートというか、実に不思議な夢空間を作り出すことに成功したと思います。
 結果、本作のヒロインである、自由に夢を行き来する「パプリカ」という存在を見事に描き出しました。

 特に中盤の空から落ちてくる場面と、OPのパプリカがクルクルと色んな場面を動き回るシーン。平沢進さんの「白野虎の娘」と良くマッチして、何年経っても忘れることのできない素晴らしいシーンを見せてくれました。

 テーマについては、新しい技術をめぐる天才同士の考え方の違い、秀才どまりの人間のひがみ、そして刑事のトラウマ、ほんのちょっと恋愛でした。夢すなわち精神の世界の題材として着眼点は良かったのですが、果たして、深掘りができているかは疑問です。

 刑事のパートは映画という題材を使って、なかなか面白いストーリーでしたが、研究者たちの主題から浮いてしまっていて別々の話を無理に一本にしたような印象でした。夢=映画というのは上手いつながりなだけに、本来こっちのテーマの方が、パプリカの主題としてふさわしかったような気がします。

 もう1つ、パプリカと敦子の2つのぺルソナが女と科学者の象徴で、科学者である敦子がパプリカと相対することで、愛情に気が付くみたいな取り方ができるかもしれません。あるいは敦子自身がパプリカに治療されたのでしょうか。

 科学者たちの対立は、夢という舞台を映像化するためのギミックに過ぎないような気がしました。最後の現実世界と夢が融合したシーンも、どうでしょう。映像としてはすごいんですけど、あれが何だったかというのは分かりませんし、正直考察するような深みを感じませんでした。

 ということで、本作の価値は、夢を映像化したこと、につきると思います。で、作品の中身からいって、映画館で見ることに価値がある映画なのかもしれません。映像に幻惑される目眩が楽しめそうです。是非機会があれば映画館で見てみたいです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

58.3 2 カオスで狂気なアニメランキング2位
あいまいみー ~妄想カタストロフ~(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (215)
1016人が棚に入れました
ちょぼらうにょぽみ原作の4コマ漫画をアニメ化したハイテンションギャグコメディ第2期。
漫画研究部に所属する女の子、愛、麻衣、ミイが、地球に迫る邪悪な侵略者と戦ったり、ライバルとトーナメントで闘ったり、漫画を描いたりはしないかもしれません。

声優・キャラクター
大坪由佳、内田彩、内田真礼、茅野愛衣、向清太朗

麦茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

あ~これ作者ガンギマリしてるわ

【あ~これ作者ガンギマリしてるわ】(4話現在)(2014.10/4)

もう開始十数秒からヤバイ。
狂気が足りないとか言って本当にごめんなさい。

「カハッ・・・」 この麻衣のどうしようもない顔本当にすき。

今回はオチもしっかり(?)あって、あいまいみーの良さがこれでもかと発揮されていました。
3話でもある程度の狂気は感じられたのですが、オチが消化不良気味だったこともあって100%とまではいきませんでしたね。あれはあれであいまいみーっぽさは出ていたのですが、やっぱり今回みたいなパンチが効いてた方が私は好きです。

じょばー。

【狂気が足りない】(1~3話現在)

1話を見た段階での素直な感想としては、実はあまり邪悪さというか、狂気を感じなかったんですよね~。というより、むしろ意味が分からなかっただけというか(今までの話も別に意味がわかっていたわけではないが)。それを世に出したという時点で既に狂気なのかもしれませんが、それにしてもパンチが少々足りませんでした。

2話もナレが言っているとおり小ネタ集みたいな感じで、テンポはかなり良かったのですが、いまいちSAN値を削られませんでした。それでも個人的には笑える部分もあって「あ、だんだんエンジンかかってきたかな?」と思えるくらいにはあいまいみーらしさが出てきていたと思います。
あ、ちなみにひとつ誤解のないように言っておきますが「前作とくらべて」狂気を感じないだけであって、決して「他作品とくらべて」ではありません。この内容でも、一般的に言えば十分狂気に値します・・・。


そして、アニメを評価する際の一区切りとされる運命の第3話。

いやあ~やっぱりやってくれましたね。皆のあいまいみーが帰ってきました!あびゃー!まだ前期と比べると多少狂気が足りないものの、見事視聴者に魅せつけてくれました。

ほんとそれぞれのキャラがそれぞれの個性をしっかり活かしてて、あいまいみーというカオスを上手く構成してるんですよね~。こういうきったない話こそ、あいまいみーの真骨頂だと思いました。もう麻衣とぽのか先輩が最高にヒドくて、終始笑いが止まりませんでしたよw やっぱりこの2人はあいまいみー空間を作る上で欠かせないファクターですね。大好きです。

そういえば、今期は主題歌がOPになったことも関係しているのか、アバンに天津向ナレとミイの狂気溢れる映像で送られる前置き(?)みたいのがないですよね。あれのインパクトが1期ではかなり大きかったので、もしかしたらそのせいで今作はちょっと狂気が薄く感じるのかも・・・。

とりあえず、3話で一応ひとだんらく。私的には大満足の内容だったので、これからも全力であいまいみーの狂気に触れていきたいと思います。

えふえっくす!えふえっくす!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

arias さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

頭頂葉が縦回転する感覚

niconicoにて(12/12話)
ギャグ/約三分アニメ/原作漫画/2期


1期9話での『FXで有り金全部溶かした人の顔』で一躍有名になった作品の2期。1期同様脳の中で頭頂葉が縦回転するような独特の感覚を味わえる。

これも一期同様なんだけれども、普通の物語が起承転結という流れであるならばあいまいみーは走転転転で終わると言えるかな。
オチがある話もあるけど、大抵の話にはない。
3話なんて喩えるならば『バイキンマンが悪いこと考えました。おわり』
みたいなものである。
約3分の短編アニメなのもあってえっそこで終わるのかよ!とスッキリとしないかもしれない。
ただこれもあいまいみーの特徴であり魅力なんでしょうね


ところで3期は15分枠になったりしませんかね?
ちょこちょこ見るよりも一気にドバっと観れたほうが嬉しいなーなんて


おわり


以下ネタバレありの全話感想メモ
{netabare}★★★★★第一話★★★★★ 第1話「六筆協会」
うんあいまいみーだな
★★★★★第二話★★★★★ 第2話「つづきまして」
ちょっと!一話の振りはどうなったんですか!なんで小ネタ集なんですか!
珍しくストーリーチックだなと思ってたのに結局やらんのですか!

★★★★★第三話★★★★★ 第3話「三千万」
ところで今期からマーティー・フリードマンがギターやる曲はOPにしたのね
うわーサバイバルホラー回だーうわーこわーい
げーここからが面白そうなのにこれもオチないのかー

★★★★★第四話★★★★★ 第4話「なんらか」
相変わらず滅茶苦茶なぽのか先輩
と言ってもまともなキャラ一人もいないな

最新連載してた話だった
何話かは知らん
★★★★★第五話★★★★★ 第5話「あめのひはきらい」
オチはない
★★★★★第六話★★★★★ 第6話「石運び」
こいつらいっつも声優が処女かどうか気にしてんな
★★★★★第七話★★★★★ 第7話「ふたつのなみだ」
OP終盤カット!
異種族なのに腐向け書くのか
盆栽
じゃあお前が書けよ
珍しくいい話だったな?
★★★★★第八話★★★★★ 第8話「イトウ」
イトウを救う話
やべぇよやべぇよ
病みすぎ
あっいつものあいまいみーだった
★★★★★第九話★★★★★ 第9話「ミイ太郎」
昔話のあいまいみー
劇中使用曲 孤独のグルメオリジナルサウンドトラック
      「The Screentones」

★★★★★第十話★★★★★ 第10話「アヴェンタドール」
ランボルギーニを買ったけどオチはなかった
トンネルが好き が良かったな
★★★★★第十一話★★★★ 第11話「魔法少女ミイ」
マジかよ今川焼き食うのやめるわ
★★★★★第十二話★★★★ 第12話「團圓カタストロフィ」
あまりのことに何がおこったのかわからなかったぜ {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

plm さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

迷走で表現されるカオスの中に生まれる秩序

まさかの2期。
まぁ2期ともなれば制作陣も作品に対する理解と慣れが備わって、作風を引き出すことができるのではないかと期待しつつやっぱり迷走しているようにしか思えない2期だった。
原作からカオスだって?いやそれはまぁそうなんだけど、カオスの中にも一定のリズムがあるというか……。
やっぱりこう4コマだとここが起承転結の起のコマだよ転のコマだよ結のコマだよ~っていうのが前提としてあるから、その前提ありきの4コマ媒体だからこそギリギリ感性を受け取れるギリギリ作品として不条理感が引き立つというように思えなくもないんだよね。
なんというかおどろおどろしく悪いこと考えてる風なやつが現れる演出は正しいのだけど、そうとしか表現しようもないけど、4コマだとその辺りもすごく淡々としてるから、その淡々とした描写と内容のギャップに笑いが生まれるというか。
原作もここはほんわかシーンですよ、ここは暗黒シーンですよっていうのがわかるようにエフェクトかけてあるんだけど、コマの切り替わりであっさりそれが切れるからそれほど深刻な演出的じゃないように感じる。
アニメは良くも悪くもシーンのつながりができちゃってて、話の区切りもわからず連続的だから、どこが肝なのかどこが峠の頂点なのかみたいなことが掴みにくい。
あいまいみーは終始カオスやってる内容ではなくて、山あり谷あり的な部分があって転と結あたりが想像の斜め上という内容だと個人的には思っている。
起と承あたりも狂気がにじみ出てるけど、あれは話初めとして思考をリセットさせるためにあるものなのではないか?
なので話を詰め込まずに、アイキャッチ的なもの挿んで4コマ色強めた方が原作の味は出せたかもなぁ、なんて思う所もあったりする。

カオスを理解し表現しようとすることが迷走となり作為的な秩序と化してしまう……
理解を放棄し作品のあるがままをなげうてば、そこに純然たるカオスが生まれたのではないか?
原作の独特な風味をアニメだと味わえてない感があるような、むしろ本編終了後にしばいぬ子さんがにょぽみ先生の逸話を語るやつが地味に面白くないか。まるでそれまでの本編がこの前座だったかのように……
というか、ああやって淡々と語らせることが実は面白さを引き出す方法だったのでは、
わいわいやりすぎるのはこの作品だと逆効果だったのではないかという説。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

66.4 3 カオスで狂気なアニメランキング3位
人造昆虫カブトボーグ VxV(TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (145)
531人が棚に入れました
世界大会まで開催されるほどの人気となったボーグバトル。主人公リュウセイは、親友である勝治やケンと共にボーグバトルに熱中。次々と現れる強敵を相手に、日々戦い続けるのだった。この世界では、カブトボーグはボーグバトラー(ボーガー)の精神力で動いているように描かれており、手から離れていても自在に操作することができる。また、「負けた」と思うことでカブトボーグ自体も力を失ってしまう。

声優・キャラクター
知桐京子、三橋加奈子、渡辺慶、松山鷹志、前田剛

ace さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

なんなんだこれは。。。。

・意味不明
意味不明

・中二病ならぬ、小二病
さすがに中学生でもこれを見ないだろ・・・
小学生低学年~幼稚園児向け
マジです
頭のおかしいカタカナの必殺技の連続

・カブトボーグって?その1
土俵の上にカブトボーグというおもちゃを投げつけ、あとは声掛けするだけ
土俵から敵のカブトボーグをふっ飛ばせば勝ち
持ち主はカブトボーグに土俵外から命令し、カブトボーグはその命令に従って動くようだ
なので、命令を出す者の経験や知識、スキルが必要

ミニ四駆やチョロQみたいな変なおもちゃをぶつけあって、相撲みたいに土俵の外に押し出せば勝ち
カブトボーグって名前なので、視聴前は昆虫を意識してんのかと思ったらそれほど関係ない
自動車が近い
主人公一行の使うカブトボーグはカブトムシやクワガタっぽいけどね
自分はいまだに正確なルールは知らないwwww

・カブトボーグって?その2
上で「ボーグバトルに勝つには持ち主の経験と知識、スキルが重要」と書いたが・・・
もっともっと、もーーっと勝つために重要なもの・・・
それは・・・

「サイズ」です
シンプルに「でかければ勝つ」
連戦連勝の国内チャンピオンの主人公、流星が、そのへんの子供に「サイズがでかいだけのボーグ」に
なすすべなくふっ飛ばされるくらいですから
つまり、シンプルに「よりでかいボーグを持つ者が勝者」となる

・カブトボーグに支配された世界
会社や市の重要な決定をカブトボーグ勝負で決めたりする
子供から大人までカブトボーグをやっている模様
カブトボーグ養成学校やプロも存在し、
さらにはカブトボーグを使った悪人組織まである・・・
世界中このカブトボーグに熱中し、古代ローマ時代からなんか起源があるらしい
この世界でカブトボーグが強いというのは非常に重要となる

・主人公はカブトボーグのエリートファミリー
オヤジ→巨大カブトボーグ組織の長で、カブトボーグ養成学校もやっている
兄→欧州チャンピオン
主人公→国内チャンピオン
というように、主人公の流星はカブトボーグ最強ファミリー出身のサラブレッド
・・・つまんねwww

・真面目なカブトボーグアニメではないです
一応大会期間の前後は真面目にカブトボーグをやっていたのですが
せいぜい6,7話くらいで
他、40話以上カブトボーグバトルで頭のおかしい騒動を解決するだけで
真面目にカブトボーグバトルをやってるわけではない・・・

・しょーもなさすぎて、適当に流し見できる
あまりにもしょーもなくて、他の作業しながら流し見できる
当然、アニメに集中しているわけではないので「あ、見てなかった」という場面が多々発生するが、
このアニメはあまりにもしょーもないため別に巻き戻す必要はなく、そのまま進行できる
適当~に気軽に見ていられるのはいいとこかな
なんとなくわかればそれで問題ない

・シリアス風バカアニメです
ギャグアニメですらない気がするが、まぁギャグアニメなんだろうな
どういうジャンルなのか未だに不明
セーラームーンに近い
おぼっちゃまくん、バカボン、いなかっぺ大将、ど根性ガエル、ウメ星デンカ
などと同じ、「バカアニメ」というジャンルかと思います

・珍しくヒロインが存在せず
特定のヒロインはいない

・珍しく暴力的な部分がある
昭和アニメや平成初期ならともかく
がっつり規制を受けた令和に近い時代のアニメで子供に対する暴力はけっこうある
これは結構珍しい
まぁ令和に入った現行では無理だろうけど

◯よい

・早々に低年齢バカアニメと理解して見れば悪くはない
俺は最初、このアニメの年齢層は小学生3年以上かと思っていた
名探偵コナン、ワンピース、ナルト、サザエさん・・・このあたりか少し下らへんかと思っていたが・・・
実はもっともっと下
クレヨンしんちゃんやドラえもんより下
アンパンマンの少し上辺り
そうだなぁ・・
プリキュアあたりの年齢層がしっくりくる

ただ俺がそれを理解したのは8話越えたあたりだったため
それ以前は「なんだこの支離滅裂なクソアニメは・・・」と心底呆れていた
切ろうか迷っていたレベル

で、相当に年齢層が低いアニメだと理解しながら見ると
そんなに悪くないように思えるようになった
「まぁキッズ向けアニメはこんなもんやろ」と言った感じ
段々と
「そうそう、キッズ向けはこれでいい」とか
「キッズ向け、まぁいいやん!」と
徐々に楽しめるようになった
キッズ向けであると考えたらそこまで悪くないと思える不思議・・・
だがキッズ向けアニメが嫌いならば・・・素通りすることをお勧めする

・ロイドさんの存在
カブトボーグのパーツ店店主のアメリカ人
ロイド安藤
いいキャラです!
一番好き
初めて見た時、カタコトすぎる日本語でびびった・・・けど
このアニメに欠かせない非常にいいキャラだった!

・流星、カツジ、ケンの名トリオ!!
全員10歳の小5
思い出深いいい奴らだったな!
いつまでも3人の活躍を見てみたかった!
メインキャラは満点です!

・おもしろおかしい準レギューラたち
ケンの妹、リンリンちゃん
ケンの家に居候している中華三兄弟
流星のバカ親父
一応ヒロイン(?)の位置にいるベネティアン
ジョニーこと山田一郎
などなど、準レギュラーもおもしろおかしいいいキャラばかり!
このアニメはキャラが非常に優れている!!
とても楽しめた!

・ボーーーーーーーーーーーーーーグバトル!!
「ボーグバトル!それは、熱きボーグバトラーたちの戦い」
「ボーグバトル!それは、人生の縮図!男のロマンである!」
これOP前のイントロ
おもしろすぎるwwww
OPも良いです!

・声優は素晴らしい
レギュラー&準レギュラーの声優は素晴らしい!

◯わるい

・クソみたいなストーリー
いいおっさんが公園で遊んでいる小学生集団に
「感じろ、俺のバースト(笑」とけんかを売ってボコボコにしたり

暗算で算数を解いただけで「僕らの動きを予測している(笑」となぜかボーグバトルで有利になったり

「普段と様子が違う」という理由で
ただの小学生が実は少年警察官と見抜いたり

流星が負けそうになった瞬間に、対戦相手が逮捕されて勝負が無効になったりwww

ホームレスが小学生のカブトボーグをパクって大金で売ったり

カブトボーグが胸に激突し余命3日の心臓病がおさまったり

こんなのはほんの一例、ここには書ききれないほどストーリーは支離滅裂
キッズ向けアニメなんざめったに見ないけど、今のキッズ向けって全部こう?
最近視聴したキッズアニメは・・・「妖怪人間ベム2006」
あれはかなり良かった
ちゃんとストーリーも筋が通ってたし、お気に入りだ
だがこのアニメは・・・ちょっとひどい

・心臓病の小学生
上にちょっと書いてるけど、主人公流星の親友の1人、松岡カツジくん
かなり危険な状態の心臓病
余命3日と宣言されるもカブトボーグが胸にぶつかってなぜか余命が伸びたりするが
重い心臓病であることには変わりはなく、度々死にかける
・・・のわりに
普通に学校に通い普通にカブトボーグ試合に出たり、飛んだり走ったりなんでもあり

ちょっと待て、お前は相当に危ない状態ではないのか?
病院のベットか、少なくとも自宅で安静にしていないとダメだろ・・・
なぜ普通に飛んだりはねたり走ったり学校に通ってんの?
試合でふっ飛ばされたりしてるし
なんなんだ一体・・・・わけわからん
しかもいつの間にか「余命◯日の危険な状態」から、
「ボーグバトルをやらなきゃ問題ない」にすり替わってしまい
カツジは「ボーグバトルをやったら死ぬ」と宣告されている

だが・・・
流星はその事情を知っていながら、カツジをぶん殴ってでも無理やりバトルをやらせてしまう・・・
殺す気だろこいつwwww

しかもこの後この設定は消滅
普通にカブトボーグをしたり、筋トレしたり、走り回っている・・・
ギャグアニメを超えた、バカアニメとはいえ、筋が通らないのはやめてほしい

まぁ・・・こいつは2回死ぬんだけどねwwww
で、次回何事もなかったかのように復活してるので
筋が通らないとかなんとかもういまさらですね・・・

・世界の壁(笑)
国内チャンピオンの流星と、親友のカツジとケン(流星ほどではないがトップランカーの二人)
が、アメリカに行ったらそのへんの子供に全滅する・・・
理由はアメリカのほうが「ビックサイズ」だからwwww
ちょ、ちょっと待て・・・、流星、お前はこの15話ほど前に
欧州チャンピオンの兄、天の河銀河と互角の勝負をしていたと思うんだが・・・
そもそも国内チャンピオンがサイズが少しだけ小さいってだけで負けるって、どうなんだこれは
サイズ>>>>>>>>>スペック>スキルや経験
ってことやな・・・

・店の品物を大量にパクる流星くん・・・
我らが主人公、天の河流星くん
ロイドさんというアメリカ人の経営するカブトボーグのパーツ店があるのだが
どういうわけか、流星、ケン、カツジの3人はこの店をたまり場にしているようで
毎日長時間ここにいる
ある日、パーツが大量に入った葛(つづら、衣服などを入れる箱形のかごのこと)
をパクって自分のファンの子どもたちに全部あげてしまう・・・
キッズ向けアニメでいいんかこれ・・・

・意味不明な稽古
カブトボーグを強くなるための稽古・・・それは・・・
「素振り」です
カブトボーグを握って前に突き出す動きを繰り返すだけ
マジでこんだけ
基本的に稽古はただ腕を前へ突き出すだけで意味がまったくわからない
しかもこの「素振り」、カブトボーグを土俵の上に送り出すだけにしか使わないし
意味が全くないように思える
勝負がはじまったら走り回るカブトボーグに土俵外から声掛けをするだけで、一切体は使わない

・大会の結果がわからない
流星が参加した世界大会
流星は早々と敗退したので誰が優勝したのか、経過も結果もなにもわからず!!
おいおいそりゃないやろ・・・この大会のために10話くらい費やしといて・・・
それともどっかでちらっと触れられたのか?
俺が見落としただけなのか?
う~~~ん・・・

・え?これなにかの続編?
と思った
第1話でいきなり主人公が悪の組織のラスボスを倒し、
これまでの冒険が回想でダイジェストに流れるため
「あれ?前作あんの?」と調べたが・・・ないようだ
なにこれ

・背景
町や家、森や学校などの背景ね
なんか汚い
スタッフロールを見ると、中国系の名前がめちゃくちゃ多い
関係あるのかどうかわからないが
日本人スタッフがほとんどのアニメで背景があんな汚いことはなかったよなぁ・・・と
人物も汚いけど、背景は特にひどい

・作画
すぐ上にも描いたけど作画全般ひどい
人物、背景、カブトボーグのマシン本体はしょぼいフル3Dだし見てられない
日本のアニメーションスタジオはトップ級をのぞけばドングリの背比べといったレベルで
スキルのレベルもプロ意識も低いのですが、このアニメはその中でもさらにレベル低い
「今まで見てきた中で最も汚い」と思ったアニメは「ふぉーちゅんどっぐす」ですが
更新です、このアニメが一番下手で汚いです
ふぉーちゅんどっぐすも妖怪人間ベム2006も相当汚かったけど、背景は普通だった気がする
このアニメは全部汚くてレベルが低い
同じ会社なのか?知らんけど

・小学生が主人公なのに、小学校生活がほぼ描かれない
たまに出るくらい
こいつらの拠点は学校ではなく、ロイドさんが経営するボーグのパーツ店
おもに騒動が起きるのもここが起点
学校生活や学校での騒動が描かれることはほぼない(わずかにある)
めちゃ寂しい・・・
ケンなんか学校期間中に半年も中国に修行に行くしまつ
誰も止めねーのかよ・・・

「ライジンオー」は打って変わってほぼ小学校が舞台だったなぁ・・・
あれはノスタルジーを刺激する本当に良いアニメだった・・・
あ、違うアニメの話になっちゃったwww

・顔がまったく変わるキャラがいる
ジョニーというキャラがいるんですが・・・まぁ本名は山田一郎なんですが
小学生集団にわけわからんこと言ってケンカをふっかけボコボコにする通り魔みたいなやつ
ガチのやばいやつで、動物虐待容疑で普通に逮捕されたりしている(マジです)
こいつ、準レギュラーみたいでちょくちょく登場する
初めて出てきたときは普通のおっさんって顔だったんですが
別の回ではど根性ガエルのウメさん並みにアゴがでかかったり
かと思えば、その数分後には普通の顔に戻っていたり
また別の回では別人か?ってくらい顔が変わっていたと思ったら
アップになったらまたアゴがでかくなるなど
顔が数分後に、または別の回でコロコロ変わる
作画がクソなのはすでに書いたとおりだが、準レギュラーでもこの扱い・・・いい加減にしろ
ちなみにこいつは名前もコロコロ変わる

・兄貴・・・こいついるか?
流星の兄貴、天の河銀河
カブトボーグの欧州チャンピオン
いきなり出てきてすぐ消える
そしてその後1、2回(しかも数十秒)くらいしか出てこなくなる・・・
なぜこんなのをわざわざ主人公の兄貴みたいな重要位置に据えたんだ・・・
他のキャラでも良かったのでは

◯VERDICT

「チャージミリオン、ファイナルエントリー、ノンオプション、ソウルフルバトル!!」
「俺たちのバトルはまだまだ続くぜ!!」

9/10

意味不明だがけっこうおもしろかった!ってのがこのアニメの自分の感想

評価が難しいアニメで、
このアニメを楽しむための絶対条件は、「キッズ向けバカアニメとして見る」ことです
「真面目な友情アニメ」だと思ってみると
支離滅裂でわけわかめなストーリーについていけないはず

俺は52話ある中で、8話目で「あ!これそういうアニメね!」と気付き
バカボンを見るときと同じような感覚で見ていたので
わけわかんねー展開やアホなストーリーでも違和感もなくついていけた
・・・という理由で9点です

そもそもギャグアニメやその上のバカアニメが嫌いだっていうのなら相当点数は低くなる
幼児向けに近い年齢層がターゲットだと最初に知っておかなければならない
バカアニメ特有のわけのわからない展開や支離滅裂なストーリーは毎回のことなので
「自分は今バカアニメを見てるんだ」と認識していなければとてもついていけない

ちなみに
自分がまだ「真面目な友情アニメ」、「ギャグ傾向が少ないバトルもの」だと
勘違いしていた時はマジで4話か5話あたりで切ろうかと迷っていた
徐々にこのアニメの傾向に気づきはじめてから、なんとか切らずについていけた
8話目で「あ!これバカアニメだわ!」と確信してから楽しめるようになっていった

ギャグ、バカアニメが嫌いならばスルーすべき
マジでわけわからんから
「ギャグ・バカアニメ経験者(高レベル)」だけがそこそこ楽しめると思う

正直、自分はちょっとだけ見進めるのが苦痛だった
だが終盤はとても楽しめた!!

もともと・・・このアニメの俺の評価は・・・

切ろうか迷うほどのゴミ!→2点→5点→8点→9点、と見違えるほどの出世を遂げた
52話もあるため、キャラに愛着が湧いたってのも大きい

・キャラは非常に優れている!
流星、カツジ、ケンのメインメンバー3人とその他、準レギュラーメンバーたち
おもしろおかしい、熱いいいやつら!

・1話完結型
そうでないときもあるけど、基本的に1話で完結します

今から悪の組織の島に乗り込む!!→次の回ではふつうの日常回になる、
いきなり変なひげのおっさん(マンソンくんww)が親友になって共に戦っている、→次の回で消滅
カツジ死亡か?→次の回で何事もなかったかのように復活し、そのことには一切触れない、
いきなり流星の親父による世界征服作戦がはじまる、
1話丸ごと夢オチ、

などなど、完全に1話完結で進む
1話完結にならない場合は大会進行中とか
カツジの心臓病の件も1話完結だからいきなり治ったのかな~・・・

カツジは2回死ぬけど
次の回では何事もなかったかのようにふつ~~~に復帰しているし
変なおもちゃを投げつける遊びで世界征服したり
そんなアニメに突っ込むだけ無意味か・・・

完全に1話完結型ギャグアニメです
よく考えたら1話完結じゃなかったのは世界大会編の数回だけだわ

・ショタ層を意識している
そういうシーンが多い気がする
ケンが水着いっちょうにエプロン姿でボディビルの大会に出たり、
国内チャンプに輝いた流星に服を脱ぐように指示したり(マジで脱いでた)、
カツジが花嫁姿になったり、
着替え、シャワーなど、やたら脱ぐシーンが多い
女装も多い
男女で妙な動きをする「シークレットバトル」というシモネタまであるのは
キッズ向けアニメではやばいのではないかwww

・これ大丈夫か・・・?
流星の戦う相手に、親子揃ってものすごく卑怯な手を使って勝ち進んでる選手がいるんだが・・・
そいつの名前が・・・「カメダ」
おいおい・・・少しは変えなよwwwwモロやないか!
これ訴えられたら負けると思うんだがwwwww
いや、わかるけどさwww

・第二期希望!
ないと思うけど
第二期が出るならば必ず見るでしょう

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

テレビ東京が放送拒否したことにより、地上波で放送されなかった伝説のアニメ

このアニメは、当初カブトボーグの販売促進の企画
として制作されていた作品である。
表紙やOP,EDを見る限りでは、子供向けの作品だという認識
が強かったがそれは間違いだ。なぜなら、「毎週が最終回」の
ようなストーリーなのではないかと驚く程、視聴者に衝撃を
与えた強烈な内容だったからだ。

はじめに、なぜそのようなことになったかについて述べる。
実は、このアニメが始まった時には、既にカブトボーグの生産が
中止となったことで、実質カブトボーグの玩具展開が終了する
という経緯があったのだ。

そこでスポンサーのタカラトミーが脚本家達へ「好きに作っていいよ」
という発言をしたのが発端だ。それなら仕方ないね☆
ちなみに、アニマックスでは大人向け作品として取り扱ったようだ。
(アニマックスでさえも、子供向けとして認知
していないことがよく分かる)

余りにも(腹がよじれそうになるほどの)濃密なストーリーのため、
あらすじは省かせていただく。

作画はすこぶるいいものでないし、OPやEDもぶっちゃけ微妙な印象。
また、人によっては声優の演技に抵抗を感じるかもしれない。

だが、それ以上に見ごたえのある(狂った)脚本と
(外道ばかりの)魅力的なキャラクター達がこの作品の良さを
引き立てているといっても過言ではない。それにより、急性中毒
を引き起こしそうになる程、強烈な印象を視聴者に与える
ことに成功している。

ストーリーについてだが、基本的には「カブトボーグ」に関する
ルール等が全く説明されない。初めからすべてを理解しよう
とすると、頭がパンクするので流れに身を任せることが大事だ。

カブトボーグは、老若男女問わず使用できるうえ、条件さえ
満たせば動物でも扱うことが可能だ。たまに、食品として
扱われていることもある。
そのうえ、カブトボーグの種類が豊富。工場による生産、
天然、養殖、野菜などが該当する。生物なのか、玩具なのか
疑問に思うだろうが、気にしてはいけない。

ちなみに、ペット、スポーツ、ボールの代替品、軍事兵器
としての側面を持つ。この世界ではカブトボーグは権力なのだ。
(このアニメ限定だが)世界中で爆発的な知名度を
誇っているのは、そういった理由から来ているのではないかと考えられる。
自衛手段としてもカブトボーグが有効という訳だ。
アメリカで、自衛といえば銃を思い出すが
このアニメにおいては、カブトボーグの方が普及率が高いらしい。
(カブトボーグの存在そのものが権力なので当たり前だが。)

回によっては、死者が出るケースもあるので、油断は禁物だ。
一度、世界が滅んだこともある。
見たこともない回想を唐突に流したり、ヒロインが毎話ごとに
入れ替わっているのは日常茶飯事。
次回予告でストーリーを片付けたこともある。伝説の名は伊達じゃない。

これを考えた脚本家達はハーブでもキメていたのだろうか。
少なくとも、常人では絶対に思いつけないものだと断言できる。

キャラクターは、どいつもこいつも癖のある者たちばかり。
むしろ、真っ当なキャラクターを探し当てるほうが難しいだろう。
なんせ、ほとんどの登場人物は外道だからだ。大抵のバトルは
精神攻撃で決着がつくので、いかに相手の弱みを握るか、自分の
ペースに持ち込めるかにかかっている。

その中でも、主人公が屈指の外道ということもあり
それが彼の戦闘スタイルにそのままつながっている。
傍から見ている分には全然問題ないが、近づきたくはない。
何をされるか分からないからね。

名(迷)言においても、インパクトあるものが多く、
呟きたくなる程だ。普段の会話で、出てくることはまず
ありえないだろう。例をいくつか示す。

「話がキューキョだったもので、キューキョこの企画を思いつき、
キューキョポスターまで作ってしまったのデスヨー。迷惑でしたカー?」
「100のオレ!ボーグバトル皇帝宣言!これによって共和国が
反乱を起こし帝国に激震が走る!」
「ごめんで済んだらNew York Police DepartmentはいらねぇんだYO!」
「いや、違う!確かにあなたたちの言う通り僕はお客、
余所者だ… しかし!お客様は神様なんだあああああ!」
「この島、なんか呪われてんじゃないの?」
「我々ビッグバンオーガニゼーションは地下に潜ってはみたものの、
ジメジメしていて嫌だった…ので!すぐさま地上へととって返し、
卑怯にもブラックゴールド団の背後を突いて壊滅させてやった!!」
あまりにも多すぎるのでこの位に。

一番難易度が高いと感じたのは、主人公のリュウセイが
ベネチアンに言った台詞
「同情なき同情は同情とは言わず、同情する同情を同情という」だ。
何回か、リピート再生したのだがまったくもって理解できない。
このセリフの後、なぜかベネチアンが激怒しているため
難解さにさらに拍車をかけている。
このやりとりに関し、完全に理解できた方が
いたらぜひ教えて欲しい。

全52期と言われる位なので、視聴者の好みによってお勧めする回は
全く異なる。詳しい内容については他の方のレビュー、もしくは
カブトボーグについて書かれているサイトを見ていただきたい。
まずは、カブトボーグがどういうものかを知ることが大事だと思う。
その上で見るか見ないかを自分で判断して欲しい。

非常に癖があるが、それ故に人を引き付ける
魅力がこのアニメには存在する。
私もこの魅力に取りつかれた人間であり、個人的には
面白いと思うが、人を選ぶ作品なのでオススメする際は気を付けよう。
事前知識なしで全エピソードの結末を全て予測できる方は
真のボーガーになれると思う。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

rurube さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ボーガーになっちまったよ。

まずアニメには大まかに分けて二つある。カブトボーグかそれ以外だ。
この作品は見まごう事無くカブトボーグ。
そもそもアニメを大まかに分ける事は合っているのか?むしろ世の中がカブトボーグとそれ以外なんではないか。いやむしろカブトボーグの中で人生過ごしてる。だからこそ言える、俺はボーガーだ!

胃が浮き上がるんだよ観てると。カエルが胃洗浄できるけど胃洗浄したくなる。マリファナ吸った事ないけど間違いなくマリファナより頭にくらくらくるわ。

知らないうちにキャラが増えているですけど疑問を持つ様な奴はボーガーではない。受け入れろ、最初から居たんだよ、心の目で観ろ。
仲間は死んでも勝手に生き返るんだよ。ついでに神にもなるけどそれも受け入れろ。さらについでにストーリーも次の週には無かった事になるけどそれはたまにしかないから気にするほどの事ではない。

一話目でラスボスらしき人を倒してヒロイン風な女の子と抱き合ってるけどそれも置いとこう。大事な事では無い。ついでに世界が破滅した事もあったけどそれも多分どうでも良い。

そもそもカブトボーグってなに?っていう根本的な疑問は2話ぐらいで気にしなくなる。さすがカブトボーグ観ながら視聴者が成長しちゃうね。

もう全てがカブトボーグなんだから評価も糞も無い。人生=カブトボーグなだから。これ観ない奴は自分の人生歩めてないわ。思い出せばこれを観るまでの俺は生きた屍の様だった。人生に‥‥簡単に言えばそう、ボーグが無かった。


どうもサンキューの数が他の作品より低い所を見ると遊びすぎた文章に拒否反応が出ている人が多いと予想する。

なのでカブトボーグがなぜ素晴らしいのかを普通にレビューしようと思う。

まず気が抜けないストーリーというか全体。しっかり観ているはずなのにストーリーが飛躍するというか良く分らん話になる。アニメでも漫画でも小説でもストーリーには決まり事がある。これは定石に近い。一手目をこう指せば相手もこう指すだろうという甘い考え。当然付込まれる。
自分の甘い考えに対しての反省しかない。相手に背中を見せれば刺されるに決まっているホッブスの自然社会を思い出せ!本来の社会とは戦争状態こそが自然である。作品と読み手との果し合い、武士道とは死ぬこととみつけたり。

この作品の凄い事は作品自体が裏返っている事だろう。ストーリーの破綻・キャラの破綻・作画の破綻 他の作品なら汚点になるであろう短所がこの作品では全てが裏返る。全て長所。全ての光を吸収しても黒にしかならない。高次元での安定は変化の無い世界、もし世界が一つの色しかないのならそもそも色が存在するのだろうか?

何よりカブトボーグが素晴らしいのはこれに似た作品が存在しない事。唯一無二の存在だ。経済に代替商品による価格の下落があるがこれには無い。むしろ価値もない。今までの価値観の外に存在している。世界が作ったヒエラルキーの外側の存在、それがカブトボーグ。

真面目に色あせない作品だと思う。100年後の未来人が観ても俺達と同じ反応しか出来ない時を越えた作品。価値観も社会も思想も違う人種も違う性別も違う人間がおそらく同じ反応すると思う。

視聴者は単純に作品に負けているんだよね。共感したり拒絶したり出来ない、圧倒的敗北感、しかも負けて憔悴している先にカブトボーグはいるんだよ。こいつは俺たちの大切にしている色々負けているけどまーいっかみたいな達観の先にいる。しかも勝者でありながら達観している。頭良くて・性格良くて・イケメンで・人生に目的を持っている奴がそんなものに価値なんか無いみたいな事言ってくる。そはや生き仏、現代のシッダールタと言っても良い。

とにかく観てくれとしか良い様が無い、多分私が現世で行なう唯一の善なる行いはカブトボーグの布教だろう。もしこれによって死去しようともそれは健やかな死に違いない。


久しぶりに更新しようと思う。おそらく10週くらいはしたと思うが全く飽きないどころかますますボーガーになっている。

一種の様式美がある作品と言えば少女革命ウテナだと思うがこの作品にも様式美が存在している。しかも何が凄いかというと展開が毎回違うのに何となくカブトボーグ風な流れが出来ている事だ。

それとこの作品色々と何かに支えられ過ぎている。特にキャラクターのロイドなんてあの声優のああいう話し方じゃなかったら普通のお兄さんでしかなかったはず。まず台本になんて書いてあるのか知りたい。最初はムカつくキャラだなとしか思えないが五週目には感嘆に変わる。なんてバランス感覚の危ういキャラなんだと。この雰囲気を作り上げた世界観とキャラと演技に感謝。

主人公のリュウセイさんもかっこよすぎるよ。何がかっこいいのかは知らないけど。最初はなんて野郎だ…くらいに感じてたけど見ているうちにさすが!と思うようになった。何に対して私が感心していたのかはよく分からないのだが。それがカブトボーグの凄さだろう。

二千回くらい見たらさすがに飽きたらしい。
飽きると思ってなかったからショックだ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31
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