Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.6
総天然色アニメーション
この作品の原作は未読です。
ずっと視聴を迷っていましたが、録り貯めていた分を一気見しました。
作品のジャケットを見て「石膏ボーイズ」の様な作品を勝手にイメージしていましたが、蓋を開けてみたら評価の難しい作品だった…というのが本音です^^;
古代ギリシャの青年デメトリオスは、壺絵師見習いの“草食系オタク”。
絵師を目指して日々精進する彼には、持って生まれた類稀なる運動能力があった。
そんなある日、村の争いに巻き込まれ、自分の無力さに思い悩むデメトリオスは雷に打たれてしまう!
そして気がついたとき、そこは自分が暮らしているギリシャではなく、
言葉も通じず、風貌も違う人々が暮らす地・・・・
そう、1964年の東京だったのだ!
もちろん日本という概念を知らないデメトリオス。
果たして彼の運命は・・・!?
公式HPのSTORYを引用させて頂きました。
本作の主人公であるデメトリオスや、村長ののテオフィロス、テオフィロスの一人娘であるアポロニアスなど古代ギリシャ人が描かれている「ギリシャパート」は、粘土の様な材料で制作されたクレイアニメで、デメトリオスがタイムスリップした先の東京は紙芝居+実写という組み合わせで制作された作品でした。
どうしてクレイアニメにしたのか皆目見当が付きません。
粘土で作られたキャラをぬるぬる動かすのはまず無理だと思います。
普通の動きすら再現するのが困難なくらい、ハードルの高いことにどうしてチャレンジしたんでしょうね…
ギリシャパートのキャラはお世辞でも綺麗だとは思えませんでした。
そして紙芝居+実写の東京パートも、アニメとして捉えるとレベルは決して高くはありません。
だから「綺麗に魅せる」という枠にとらわれない作品だったと思っています。
この点は好き嫌いの分かれるところなのではないでしょうか。
物語もワンパターン…
とにかく村長が金の亡者で、毎回儲け話を見つけてこいとデメテリオスに無理難題を押し付けるんです。
そして雷に打たれたデメトリオスは東京にタイプスリップした先でヒントを見つけて持ち帰る…
だいたいこのサイクルが繰り返される感じです。
唯一良いと思ったのは、デメトリオスの住む村の周囲は荒くれ者ばかりで、ちょいちょい戦争が勃発しそうになるんですけど、争いの嫌いなデメトリオスは何とかして平和的な手段で事を収めようと奔走するところくらい…
そして唯一笑えたのは、デメトリオスのタイムスリップ先は毎回異なるのですが、何故かタイムスリップ先で毎回出会う教授がやけに飄々としていたところです。
粘土で作られたデメトリオスが突然現れて最初こそ驚いたと言っていましたが、表情はちっとも驚いていませんでしたし、直ぐにその状況にも馴染んでいましたから…
そして喋りも飄々としているので、デメトリオスとの掛け合いは面白かったと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
2クール全24話の物語でした。
普通のアニメを視聴する感覚だと違和感を覚える作品だと思います。
本作の作者であるヤマザキマリさんは、「テルマエ・ロマエ」を執筆された方なんだそうです。
本作はオリンピックを題材にしていましたが、「テルマエ・ロマエ」ではお風呂を題材にしているとか…
そちらを視聴済の方なら作風も知っているでしょうから抵抗感は無いのかもしれません。
私は、「テルマエ・ロマエ」未視聴組なので、色々とショッキングな作品という印象を受けました。
ところどころ笑えたので結果オーライかと…