101匹足利尊氏 さんの感想・評価
3.6
女子高生が頭脳と肉体を目一杯使って攻略する岩のパズル
スポーツクライミング部に賭ける女子高生たちの青春を描いた
同名Webコミック(未読)のアニメ化作品。
【一話感想】
長くなるので折りたたみw
{netabare}
スポーツクライミングは日本人選手、特に女子が国際大会で無双。
ニュース眺めていて知的な雰囲気も感じていて
個人的に見てみたい!と思っていた競技。
新種目として採用されていた東京五輪2020延期でポッカリ空いた穴に、
本作が入って来たので視聴してみることにしました♪
内容は良くも悪くもスポ根らしい好テンポ&強引な展開w
一話要約すると……{netabare}初心者主人公に対して、経験者ライバルキャラが壁は遊具じゃない。
本気で入部したきゃ私に勝て(一応ハンデ付き)
→じゃあ入部させたげる♪→次回、明日、大会だしよろしく♪{/netabare}
という中々の無茶振りw
そもそもアバンにて、{netabare}高校で競技を始めたばかりの主人公が日本代表になった未来{/netabare}
が宣言されている時点でハイペース必至w
けれど、そこは私と好相性であるらしいシリーズ構成・待田 堂子氏なので、
何とかしがみ付いていけそう。
制作は元請け経験が少ないBLADE。
作画&音楽ともに凡庸だが、肉体描写については拘りを感じます。
そこを死守して、壁を登るために必要な身体部位の動き表現し
説得力を維持できるか否かが、完走の鍵でしょうか。
当面は、初心者だが、筋金入りの元パズルゲーマーでもあった主人公(CV.上坂すみれさん)
が競技の知的要素を掘り下げ、
幼少より努力を積み重ねて来た経験者ライバルキャラ(CV.石川 由依さん)が
フィジカル面を掘り下げる競技紹介&トリビア等が原動力になると思われるので、
私は敢えて原作や競技の予備知識は、これ以上入れずに視聴継続して行きます♪{/netabare}
【全話観終わりレビュー】
【物語 3.5点】
才能→挫折→修行→覚醒のスポ根のサイクルをテンポ良く回して、マイナー競技の面白さを紹介。
「リード」、「ボルダリング」、「スピード」……さらには「外岩」と複数ある種目も
ハイペースな大会消化で披露しながら、どんどん駆け上がる。
(1クールで{netabare}“全一”を争覇する{/netabare}まで行くとはw)
「オブザベ」(観察)、「完登」、「一撃」……と専門用語も、
作中、必ずしも詳説されず乱発されるスパルタぶりだが、
雰囲気に乗れば何となくは理解できる。
(とは言え結局、私は、視聴後、色々調べましたがw)
登場人物及び個別エピソードも、競技の魅力を多角的に表現するために“使われる”ため、
才能が明確になるよう脚本。
実際の高校全国大会には存在しない複合団体戦が開催されるなど、
クライミングがアイドル級の人気を獲得する世界線。
展開、世界観は、やや現実離れ。
リアリストにとっては「フォール」(落下)要因にもなるのでしょうが、
明快な競技まとめアニメを求めていた私にとっては有り難い構成でした。
そんな中、アルアルを感じたのが、
終盤の{netabare}主人公・好(このみ)の挫折シーン。
「スピード」を苦手とする好が、合宿で色んな助言を取り込み過ぎて、
空回りして、かえってタイムを落す件。{/netabare}
どつぼに嵌る時ってこんなもんです。
【作画 3.5点】
クライミング女子たちの割れた腹筋は設定した。
あとはその肉体が壁に挑み、軋み踊る筋肉アニメ動画を追求……
と行きたい所ですが、そこまでの作画カロリーは無かった模様。
(筋肉キャラ・後藤十三(CV.子安 武人さん)も持て余し気味w)
一方、ゾーンに入って瞳をランランと輝かせた好がオブザベした際に、
壁がパズルゲーム画面に、好がノーマルスーツ風?に脳内変換される演出。
壁の“裏側”から競技者の登攀(はん)を描写するための
半透明フィルターを用いた撮影。
などアニメならではの競技愛は溢れる。
また、ジックリ壁に挑むのがクライミングとの先入観を持っていた私にとっては、
「スピード」の動画は刺激的でした。
【キャラ 3.5点】
花宮女子クライミング部の4人
笠原好……1年。競技未経験だが、元・凄腕パズルゲーマー由来のオブザベ力を有し、
しかも{netabare}バレエ経験に{/netabare}よるしなやかな肉体まで持つ天才型主人公。
上原隼……1年。幼少より肉体を鍛え上げて来た努力型。花宮の“スピードスター”
杉浦野々華……2年。低身長、短リーチのハンデを背負いながらも奮闘。
四葉幸与……2年。部長。“リードの姫君”の異名を持つトップ選手。柔和で天然。
だが{netabare}故障を抱えても壁に挑もうとする{/netabare}などハートは熱い。
……と、普通に眺めていて顔と名前が一致するのは、校内メンバーくらいで、
他校の選手までとなると多過ぎて把握困難。
辛うじて覚えたのは「くるくるす~☆」なアイドルポジション(中身腹黒w)の
来栖アンネ(CV.田村 ゆかりさん)くらい。
ただ、蜘蛛みたいな長リーチ、野性味溢れる“ブラックパンサー”、
あとは熊だの、猫だの、デフォルメは珍獣図鑑かwってくらい効いており、
競技宣伝のための人物相関は機能している。
私のツボは何度フォールしてもムクりと起き上がり壁に挑み続ける“ゾンビ新島”w
かつて{netabare}好と同じバレエスクールに所属していた、{/netabare}大場久怜亜(くれあ)も
ベタだが主人公を引き立てるライバルとしては及第点。
【声優 3.5点】
好(このみ)役の上坂 すみれさん&隼(じゅん)役の石川 由依さん等の声優陣。
心の叫びによる根性発揮だけでなく、
“トン!トン!タ、タ、タン♪”だのクライミングのリズムを演出する擬音までフォロー。
お二人は番宣の一環で、クライミング挑戦動画も。お疲れ様でした。
その他、“珍獣”共の“雄叫び”や“シュー、シュー”呻く蛇の声、
eスポーツ専門アナウンサー・平岩 康佑氏の実況と、
自身が設計した変態的なコースの壁を攻略されては狼狽える中田(CV.川田 紳司さん)による解説
など会場は賑やか♪
【音楽 4.0点】
劇伴担当は伊藤 翼氏。ストリングスやピアノをアレンジした王道青春曲を土台に、
競技シーンでは、エレクトロ成分配合のBGMでムードを盛り上げる。
お気に入りは好が「一撃」を決めに行く時などに多用された「Tounament BGM-Electrical-」
(この曲で落ち物パズルとかエンドレスプレイしたくなりますw)
OPは四葉部長役・鈴木 愛奈さんの「もっと高く」
あいにゃはソロでもやっぱりマリーだなって感じの、
上品なビブラートで前を向く青春ソング。
EDは花宮女子クライミング部4人によるキャラソン「LET`S CLIMB↑」
ロープレ風のED映像で引き続き壁を攻略するテクノポップ風。
“Climb to the top!Hello Hello!”の掛け声などに若干の中毒性あり。