オリジナルアニメーションで高校生なアニメOVAランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメOVAのオリジナルアニメーションで高校生な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月25日の時点で一番のオリジナルアニメーションで高校生なアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.9 1 オリジナルアニメーションで高校生なアニメランキング1位
イヴの時間(OVA)

2008年8月1日
★★★★☆ 3.9 (922)
5044人が棚に入れました
高校生のリクオは、所有するハウスロイド「サミィ」の行動記録の中に、命令した覚えのない行動を発見する。友人のマサキを誘って記録された場所に向かってみると、そこには「イヴの時間」という不思議な喫茶店があった。そこに集う様々な人間やアンドロイド達との関わりの中で、それぞれが少しづつ影響を及ぼしあい、変わっていく。やがてそれは、外の世界へもかすかな、しかし確実に波紋を広げることとなる。

MmmM さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

タンパク質は金属です。

日本人の歌手"KOKIA"さんの「ありがとう」という歌を若干想起させる内容でした。


舞台が明確に日本というのがこの作品が訴えかけるものに対して、一つの強力なバックアップになっていると思われます。
アンドロイドという"機械"に対して、必要以上の思い入れを持つ・あるいは周囲がそう捉える=「ドリ系」という明確なラベリングで済まされる。
貼られたラベルが違えば「自分と違う」「自分には理解できない」ものに対しての畏れを安易に誤魔化せる。
ラベルの下にはあまりにも多種多様のタグがぶら下がっていても、覆い隠せる。

お店にキープしたボトルのようなものでしょうか。
コニャック、スコッチ、色々なお酒の瓶が並んでいるが、どれにも違うタグがぶら下げられている。同じメーカーの同じ銘柄でも、全てのボトルは別のもの。
タグの名前欄に書かれた名前。山田さん、田中さん、一条院さん・・・
最後にお店に来た日。
瓶に書かれた落書き。
落書きが気に入ったのか、同じボトルに何枚もぶら下がる最終来店日タグ。
ボトルにぶら下げられているタグは「個性」なのです。
それらを全て「ウイスキー」「それ以外」というどちらかのラベルが覆い隠している。

そんなラベルを少しずつ剥がして、下に埋もれていたタグを見つけていくきっかけになるのが『イヴの時間』。


ボトル=人間と例えていましたが、これをボトル=ハウスロイドとするとどうでしょう。

機械に個性。
極端に言えば人間なんかタンパク質の塊なのに個性がある。
タンパク質の塊ごときが個性を持てるのなら、あまりに高度なテクノロジーに支えられた金属の塊が個性を持つのはさして不思議でもない話。
普段は機械を装っていなければならない、ハウスロイドというラベルに覆われたタグ付きの金属。
窮屈なラベルを外し、気兼ねなくタグを見せられる。褒められたら隠さずに喜べる場所が『イヴの時間』。


デフォルメされ過ぎない人物と写実っぽい背景を組み合わせた色彩豊かな絵柄+中途半端にSFっぽさを感じさせる音楽でボトル達の触れ合いが描かれている、素晴らしい作品でした。
何気に各話の区切り方も絶妙で、オープニング・エンディングの映像が、音楽でいうなれば盛り上がる直前に入れられる無音部分のように感じられ、これはこれで必要な要素と思えるので劇場版の方のレビューを書くのがためらわれます。

演者の方々に関しては、世界観を阻害されることは全くなかったのでこの評価です。
構成に関しては合間に匂わされる背後関係をもっと掘り下げて欲しかったという贅沢な不満が残ります。
キャラクターに関しても同様です。


血液型にまで及ぶラベリングの大好きな日本人がこの作品を見ると、そうでない人よりもさらに思うところが多くなるかと。

少なくとも自分の血液型を知らない私にはそう思えました。



スッキリしない長文な上になんかレビューっぽくないですね。すみません。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12

DEISU さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ロボットの心理

この話は深いなァ・・・・とツクズク思わされました。
本当に短い話ですが、これほどまでに温かい気持ちになるとは思いませんでした。

ストーリー的には過激なシーンやグロぃシーンなどは無く普通の生活やカフェなどでほのぼの過ごすと言う普通のアニメなのですが・・・
見て見ると奥が深く見入ってしまうと思います。

ロボットの掟や関係、人間との繋がり考えるだけでパニックになってしまいそうな内容ですが・・・
上手くまとまっていて!人間の心理、まだ実現していないロボットの心理を良く理解していると思います。
ロボットの心理に関しては分からないのですが。自分的には怖いなと思う反面、そぅあって欲しいなという気持ちもあり、そう書かせて頂きました。
なんというか自分を思っている、気にしてくれる気持ちを感じるのはいいことだと思います。
ロボットとかそういうの関係なしで。

そしてキャラがカナリ自分好みで見ていて癒されました。
何と言うかやはり絵で見方や感じ方が色々と違いますよね^^

あまり書き方が下手で申し訳ないのですが・・・
かなりの良作だと思います。見ていただければ分かると思います^^
参考になれば幸いでございます。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6

みけねこ+ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

マスターがいい味出してます。

久々の掘り出し物♪
すごくよかったです。

内容はある特殊店内ルールがある喫茶店で展開される
人間とアンドロイドのヒューマンドラマです。

OVAで1話15分×5話+最終話30分
なのでサクサク見れます。

でも、見終わったときにはもっとこの空気を
味わっていたいなと思う心温まる作品になってます。

非常によく話がまとまっていて感動しました。
また、色々考えさせられる作品でした。

こんな雰囲気の喫茶店あったらいいのにな。
きっと足繁く通うだろうな。

良作でしたのでぜひ見て頂きたい作品です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 29

70.5 2 オリジナルアニメーションで高校生なアニメランキング2位
A.I.C.O. -Incarnation-(Webアニメ)

2018年4月1日
★★★★☆ 3.6 (238)
1030人が棚に入れました
2035年、近未来の日本。「人工生体」の研究中に起きた大事故“バースト”により、暴走した人工生命体“マター”が黒部峡谷一帯を侵蝕。 人類にとって希望の地と謳われた研究都市は、政府により立ち入りが禁じられた。 それから、2年後―。バーストで家族を失った15歳の橘アイコは、転校生の神崎雄哉から信じがたい事実を告げられる。それはアイコも知らなかった、自身の身体に隠された“秘密”だった。それを解く鍵は、バーストの中心地“プライマリーポイント”にあるという。アイコは、案内人の神崎雄哉と護衛部隊のダイバーたちと共に、封鎖されたエリアへの侵入を決意するが。人類の未来を背負う少年、少女が出会った時、明らかになる真実とは?

声優・キャラクター
白石晴香、小林裕介、古川慎、村田太志、名塚佳織、M・A・O、竹内良太、茅野愛衣、大川透、子安武人、田中敦子

Meiyu さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ストーリーで言えば最高峰の名作

何か、途中から置いてけぼりとか言ってる人がコメント欄に何人かいてさすがにびっくりしました。

ストーリーをネタバレなしに掻い摘んで話すと、

人が、「人工的な人間の身体」を作り出そうとして、研究対象が暴走し、触手のような肉塊になって襲ってくるようになってしまった。

その元凶となった研究所を中心に、その肉塊が侵攻していて、人々の居住区を脅かしていた。

そこで、それを終息させるべく、元凶となった研究所を目指すお話。(具体的に言うと色々と違いますが、ネタバレを避けるためなのでご愛嬌!)

ファンタジーよりリアルよりのSFで、設定は確かにそこそこもりもりです。

けど、「理解しようとすれば」間違いなく理解出来る内容です。難解すぎてよくわからなくなる系アニメとは全く違います。理解できない人は、「理解しようとしてない」だけです。

説明不足なんかではなく、アニメをしっかり観て、台詞をしっかり聴いていれば、「アニメ外の補足なしにきちんと理解出来るようになっている」良い意味で作り込まれた作品です。

特に、ストーリー重視でアニメを観てる方にはオススメしたい作品!

確かに、キャラデザやOP、演出等においては、少し古臭かったり、盛り上がりに欠けた部分がある点で、僕が個人的に大好きな「名作」(コードギ〇ス、シュ〇ゲ等)には及ばないなと感じた部分はありましたが、

ストーリーだけで言えば、ワンクールアニメでここまで完成度の高い作品は数える程もないです。最高峰の出来だと思います。

折角のネット配信アニメなんだから、わかりにくい説明は、止めてちょっと考えたり台詞を聞き直したりしたら、それでわかる程度のものなのに……1回見たあと全部見直さないとわからない、という程のものでは無いです。キャラの台詞をしっかり聞いて、登場人物とその関係を把握していれば何も難しくないです。

よくある、「難解すぎて訳分からん用語ばっか並べて、最終的に何が言いたいのかわからない」作品とは違い、少し視聴者が噛み砕こうと努力すれば容易に理解出来るレベルです。

「途中から置いてけぼり」など大して考えず言っている人は、「脳死アニメ」に毒されすぎではないでしょうか………

ともかく、
私のように、
コードギ〇ス、シュ〇ゲ、まど〇ギ、翠星のガルガン〇ィア、進〇の巨人、NARUT〇、等の作品が好きな方は気に入るのではないかと思います!

ので、ぜひネトフリに登録されてる方はぜひ視聴してみてください!オススメのアニメです!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

君は今…人間じゃない

この作品はBONESさんのオリジナルアニメだったみたいですね。
Netflixが独占して全世界に発信した作品です。

まず、3/9(金)に放送が開始された作品であるにも関わらず、この時期に「観終わった」レビューが書ける事にビックリしています。
なぜなら、最新話の視聴は1週間指を咥えてじっと待ち続けるのがこれまでの常識でした。
でも、でもこの作品は放送開始と同時に全12話が一挙に公開されたんです。

それは、この作品の1週間前に放送が開始された「B:the Beginning」も一緒でした。
私はつい最近加入したばかりなので「DEVILMAN crybaby」がどの様に押送されたかは分かりませんけれど…
この放送構成って…かなり斬新であると共に、今後のアニメ放送にも多大な影響を及ぼすのではないでしょうか?

一番大きいのは、「TV枠の確保」と「尺の制限」が無くなる…という事ではないでしょうか。
放送枠が確保できずにアニメ化が見送られた作品…
或いは大人の事情である尺の制約によって、原作から大幅な改変やカットを余儀なくされた結果、視聴者の期待から逸れた作品に仕上がってしまう…こういう作品があったのは否めない事実だと思います。

ですが、Netflixの様なネット放送なら枠を気にする必要はありませんし、尺の長さに自由度が生まれるので、作り手が本当に伝えたいことを残らず作品に盛り込めるようになるのではないでしょうか。
必ずしもCM含めて30分の枠内に収める必要がありませんから…
だから話の展開によっては45分になったり…はたまた15分で終わる回があっても、それで作品のクオリティが向上するなら、きっとそれを拒む視聴者も多くないと思うんです。

それに予約が重複して視聴を断念する必要もなくなりますから…
でも視聴者にとっては決して良いことばかりではないと思います。
作品数が爆発的に増えた時、どのように取捨選択するのか…難しい問題だと思います。
まぁ、結果的には嬉しい悲鳴でしかないのかもしれませんけどね…

それではこの作品はどうだったか…というと、総じて面白いと感じられる作品だったと思います。
この物語の主人公は、15歳の橘アイコ…彼女は2年前に突如として発生した「バースト」と呼ばれる人工生体の暴走事故に巻き込まれ、車椅子での生活を送っていました。
その事故は彼女の足を痛めただけではありません…家族みんなを失ってしまったんです。

そしてバーストは今も収まっておらず活性化を続けている事から、バーストが発生した現場近辺は幾重にも巨大なゲートによって隔離されています。
だからバーストの発生した場所は「誰をも寄せ付けない場所」となっているんです。
バーストに巻き込まれて取り残された人だっているというのに…

人々がバーストの恐怖に怯えながら日常を過ごす…という環境にようやく私たちが適応し始めた矢先、アイコの通う学校に神崎雄哉という転校生がやってくるんです。
しかも夏休みの1日前というとても中途半端なタイミングで…

詰襟の似合うイケメン風の神崎雄哉はとある意志の下、この学校にやってきたのでした。
そしてそれはアイコを巻き込む大事件に発展し…物語が動いていきます。

この作品の見どころは、丁寧に描き込まれた作画、迫力のある戦闘シーン、可愛らしいキャラデザと挙げれば沢山あるのですが、何よりとても大切に作り込まれた「人の命」というテーマそのものだったと思います。

人間は有限で、当たり前ですが代わりはありません。
そして脆く…弱い存在です。
だから危険を察知する本能が人間には備わっていて、その本能と理性が組み合わせた集合体が「チーム」だと思います。
お互いを守り合うことで危険に対するリスクを軽減することができる…
その絆や団結力は私たちが生きていく上で欠かせないファクターだと思います。

一方、人間が有限であることを望まない人がいても決しておかしくありません。
最愛の人や大切な人との時間は少しでも長く…と思ってしまうのが人情だと思います。
上述した有限の密度を高める生き方と比べると、こちらの方は少し歪みを感じるかもしれません。
でもそんな風に簡単に割り切れないのが人の心で、その連鎖の先にあるのが人工生体…
そんな思いに技術が追従するなら僅かな可能性や希望に縋らずにはいられません…
もし私が同じ立場だったら、私も同じ選択をしていたと思います。

ここからがこの作品の真骨頂…
大切な人の代わりとして作り出された人の思いはどこへ向かえば良いのでしょう…
こういう時、望んだ人の目線での物語が数多く描かれていると思いますが、
望まれた人の気持ちに焦点を当てて丁寧に心情を描いた作品はそう多くないと思います。
この作品はそんな気持ちもしっかり物語の中に織り込んでいます。

最初は右も左も分からなくて、ただ付いていくだけだった…
様々な人の感情に触れて沢山の思いを知って…
大切な人の役に立ちたいと思って…
そんな思いの先で何が待っているのか、気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
12話の尺の中で綺麗に物語が纏まっていた作品でした。

オープニングテーマは、TRUEさんの「A.I.C.O.」
エンディングテーマは、白石晴香さんの「未知の彼方」

1クール12話の物語でした。
主人公のアイコ役は白石晴香さん、神崎雄哉役は小林裕介、その他かやのん、M・A・Oさん、名塚さんなど出演されている声優さんも豪華でした。
放送がNetflix独占じゃなかったら、今以上に視聴数の伸びる作品だと思いました。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 19
ネタバレ

serius さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ガルガンティア思い出したぞ

Netflixでの配信限定アニメ。
あにこれやってなかったら絶対観てなかったと思われるやつだねこれは笑笑

でも、観た価値はあったかな〜

配信限定って言うから5話くらいかなと思いきや、まさかの12話!?
1クールものと同じじゃないか!

SFものらしく、そういうものを欲していたのでちょうど良かったから観たわけだが、、、

絵が鳴子ハナハルとあって、めちゃ可愛い。
作画クオリティも高い。

だが、観進めていくと分かるが、ちょっとグロめでハードなシーンもある。SFものだからね。

若干、ガルガンティア思い出した。
そういやあのアニメも鳴子ハナハルだったな笑笑

この手の作画可愛くてハードめなアニメって日常アニメで売り出した方が絶対うけると思うんだよな〜

まあ、まずこのアニメが地上波でやってたらの話だけど。

中身は、SFとあって難しい単語やら、多少分かりにくい設定はあるが、そこら辺はまあ半分無視するくらいの感じで観てました笑

だから、少し理解してない部分もあるけど、話を追っていきながらだんだんと分かってけたので良かったかなと。柚葉のところなどは未だによく分かってないが笑笑

ストーリー的には普通に楽しめたけど、1つ文句を言うならあまりキャラに魅力を感じなかったことかな。
もちろん、主人公であるアイコには魅力はあって感情移入も出来たのだけど、、、それ以外のキャラがね。

観てる最中もだったけど、振り返ってみても白石さんくらいかな。あと大介か。基本大人陣の方が印象に残ってる。黒瀬にしろ、南原にしろ、そこそこの魅力はあった。

しかし、ダイバーの若手陣にはさっぱりなかったな〜
ここまで主要キャラに好感持てないのも珍しい笑

まあ、やっぱその中で子安さんのヒールキャラは際立ってたな〜笑笑 さすがですわ。

と、若干中弛みもあってう〜んイマイチかなと思ってたけど、{netabare}神崎が由良って分かったとことか、アイコの脳が造られたものだって発覚したあたりからまた引き込まれていったね。7.8話あたりかな?確か。一気に伏線が回収されてって、なんで神崎がバーストに関してやたら詳しかったのか、なぜアイコがマターの攻撃や位置が分かったのかとかね。

そして、最後はご都合主義と言われればそれまでだけど、この上ないハッピーエンドで僕は大満足でしたね〜
本物のアイコ、そして造られたA.I.C.O。両方が生き残ることができたことがただただ嬉しかったな。
どちらかが居なくなるだろうなと思ってたから、良いサプライズだったと思う。
A.I.C.Oが最後にアイコの母と弟と抱き合うシーンは思わず涙が出たぜ。
あと、アイコが指を切って血が出るとこで、ああ本当に元に戻ったんだなぁってしみじみ。

最後に、A.I.C.Oが北海道の学校に転入して、自己紹介で私の名前は...って。
口の動きから察するにアイコって言ったのかな?
はたまた、神崎にでも新しい名前をつけてもらったのかな?
真実は分からないけど、良い締め方だったね。{/netabare}

人それぞれ捉え方は違うと思うけど、僕は好きな終わり方だったな〜
内容も王道SFと言えばその通りだし、新しい要素も入ってるし、この手のジャンルが好きな人もあまり観ない人も楽しめるアニメだったと思う。

とりあえず、アイコと白石さんと南原が好きでした。以上。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 17

66.3 3 オリジナルアニメーションで高校生なアニメランキング3位
約束の七夜祭り(Webアニメ)

2018年8月3日
★★★★☆ 3.5 (38)
162人が棚に入れました
 高校一年生、三波羅星真の元に音信不通だった親友、敦史から三年半振りに連絡が来た。

「珍しい祭りがあるのだけど来ない?久し振りに会って話がしたいんだ」

 星真が居ても立ってもいられず向かったのは、山奥の廃村で行われる「棚機七夜祭り」だった。
 しかし、そこに敦史の姿は見当たらない。代わりに出会ったのは自分と同じく「会いたい人がいる」と言う瀬ノ沢志織だった。

「お祭りが終わるまでには、敦史様に御会い出来ると思われます」

 祭りの進行役、カンナに言われ、星真は祭りの準備を進めるのだが・・・

監督:村田和也

星真:斉藤壮馬

志織:山本希望

制作:XFLAG

アニメ制作:横浜アニメーションラボ


声優・キャラクター
斉藤壮馬、山本希望、嶺内ともみ、山下大輝、千本木彩花、福原綾香

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

七夕ならではの優しい一夜の夢

代表作「翠星のガルガンティア」同様、
原案と監督を担当した村田和也氏による62分のweb配信アニメ。

YouTubeのXFLAG ANIME公式チャンネルにて2018.8.4鑑賞。
(当初、題材に因み2018.7.7の七夕が配信開始予定だったが、
制作が間に合わず2018.8.3から配信可能となった)

-----------------------------------------
◎ スタッフ
原案・監督:村田和也
脚本・製作:XFLAG スタジオ
キャラクター原案:海島千本
キャラクターデザイン:まじろ
モンスターデザイン:飯島弘也
音楽:岩代太郎
アニメーション制作:横浜アニメーションラボ

◎ キャスト
三波羅星真:斉藤壮馬
瀬ノ沢志織:山本希望
カンナ:嶺内ともみ
藤井敦史:山下大輝
瀬ノ沢香織:千本木彩花
湖月姫:福原綾香

その他:豊崎愛生、大原さやか他

-----------------------------------------

「会いたい人に会える、奇跡のお祭り―。」

これはなかなかのオススメ。
無料配信なのでアニメ好きはチェックしないと勿体ない。

SFと和風ファンタジーの絶妙な融合で
開始早々話に引き込まれた。
(おそらくゲーム販促らしい)バトルものでもあり、
中弛みすることなく1時間で見事に完結。

村田和也氏の紡ぐ物語は、どこか儚なくも切ない。
しかし優しさと希望が感じられる。
そこに神道的な死生観が籠っていると感じた。

日本の伝統行事の灯篭流しにロマンを感じられるような方なら
魂レベルで深く共鳴できそう。

キャストも適材適所。
サントラもいい仕事してる。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

モンスト知らなくても大丈夫

モンストアニメをyoutubeで配信してるXFLAGによるオリジナルアニメ…の第二弾でいいのかな?
(第一弾は“いたずら魔女と眠らない街”)
7月7日に公開予定だったけど延期になって8月3日に配信。
本当なのか後付けの言い訳なのか自分はワカランけど遅れた理由は「豪雨の影響による修正」とのこと。
実際作中、{netabare}水路を大水が流れるシーンがあって、現実の豪雨被害へ配慮して修正してあの内容だったのかも(修正前はもっと派手に濁流が流れてたのかも)。
“そふてにっ”が頭を過った人は私だけじゃないハズ。

内容はちょっと切ない感動系、単体で見ても普通に楽しめると思う。
だ・け・ど、自分はどうしてもモンストとの関連を考えてしまい…。
当然XFLAGも慈善で無料配信してるワケではないし実際ゲームのモンストと連動しているっぽいけど、それでもアニメ事業としてはモンスト一辺倒ではアカンと思ってるのか、公式チャンネルでもモンストアニメのカテゴリでなくXFLAGのカテにこの作品を置いてある。
これは“いたずら魔女と眠らない街”も同じで、「どこかモンストっぽさを残しつつ別作品」として仕上がってます。
この外伝といえば外伝、そうでないといえばそうでない(正真正銘の外伝としては“モンソニ!”があるし)距離感はなかなか絶妙で、スタッフもめっちゃ頭悩ませた部分だと思う。
村へ入った瞬間スマホ没収とかねー、スマホ持ってるとどうしてもモンスト色が強くなってしまう。

で、別作品でありながらモンストっぽい所といえば…これは自分も“モンスターストライク セカンドシーズン”(←あにこれ内での登録名。公式はモンスアニメ2017、第二期、消えゆく宇宙編等名称がバラバラで呼び方に困る)の感想で突っ込み入れてまして。
「神話や伝説上の架空の人物やモンスターと、実在した歴史上の人物が(場合によっては性別変えられて)一緒に暮らしてる別世界が存在してる」って設定がどうしても「なんじゃそりゃ?」と思わざるをえない。
それに対し“約束の七夜祭り”はひとつの解答を示してるかなぁ、と。
死者(死者でなくとも実存しない人物も)を疑似人格化したAI、このテクノロジーがあれば上記のモンストアニメへの突っ込みも解消される、かな?
(シュタゲ0や時祭イヴっぽい気がしないでもないけど…まぁその場合は「所詮オレはAIだしー複製できるしー」ってなるだけで、モンストの解答としては完全ではないけどねー)
というか今現在モンストアニメ3期がやってて、そっちでまた別の解答が出るかも知れないけど。

モンストと切り離してこの作品の話をすると──
未練がましく「また会いたい」となるとキリが無いので、祭に招待される人は別れの挨拶が言えなかった人なんだろう、と予想。
ショーマやシオリなんかよりよっぽど心に傷を負ってる人が居てもおかしくないけど、そういった条件で絞り込まれたんだと思えば納得。
ヒョーイの設定はフルダイブ型VRよりよっぽど実現性が高い気がする、ってか達人の動きを勝手にトレース出来たら楽しくて仕方ないと思う、後で筋肉痛大変なことになりそうだけど。
XFLAGってそっち方向目指してるのかね?モンソニステージとか見るに。
カンナが消滅しなかったってことはまた来年も祭は行われるんだろうねぇ、もうバグ起こすなよ。
本人も不思議がってたっぽいし、自分で直したんじゃなくてプログラマーが介入したのかな。
ってかバグの原因は自己学習能力の暴走に近いような?

そして最大の謎は「そのプログラム誰が作ったん?」になるけど、これは突っ込むのは野暮ってもんなのかな。
“いたずら魔女と眠らない街”もそうで、あっちは「結局魔女ってなんなん?」ってのはガンスルーでした。
けどそういった「世の中には分からない不思議なことがある」ってのが共通したテーマなのかも知れない。
未来人からのプレゼントでも構わんと思うけどね、そこら辺は視聴者のご想像に任せますってことでしょう。{/netabare}

追記{netabare}
他の方の感想を読んで自分の理解力の無さに愕然。
ああそっか、あのコンピューターは生活サポートアプリが進化した姿…かも知れないのか、ってかこっちのが正解っぽい。
祭りが古風なので大昔(アプリが作られる前)から継続してるものだろうと勝手に思い込んでたー。
丁度現在放送されてる“ファントムインザトワイライト”でも似たようなアプリ出てますね(こっちは科学なのかオカルトなのかまだ不明、明かすかどうかも不明)、何故気付かなかった?
するってーと、↑でも書いた通り、参加者はあくまで「あの祭りで心の傷が癒せる人」って条件で絞り込んでると解釈してますが、そこに「あのアプリを使ってた人で」っていう更なる絞り込みの条件が追加されることに。
その狭い条件の中では主人公が一番大きな傷を負ってたってことだろう、ってことで説得力は増さない…かな?

それと戦闘がゲームっぽいってのは…ああ、自分どうしてもモンストとの関連を意識して見てしまってるため気にしませんでした。
こればっかりはスポンサーの意向でどうにもならなかったかと…どれだけ違和感持たせずに作品に馴染ませるかが腕の見せ所なのだろうけど、う~ん、難しいですね。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6

marucuru さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

劇場作品に優るとも劣らない出来栄え

YOUTUBEで無料公開されていた作品。

何も情報がないまま、素直に映画として観ました。

結論から言うと「とっても面白い」し「すごく良かった」です。

自分の中での好感度は「君の名は」を超えています。

尺は1時間しかなく、主人公達へ感情移入できる程のエピソードを

詰め込むことができません。ストーリーも何となく見えてしまい

思いもよらない展開によるワクワク感も少なめです。

それでも・・・とても良いと感じました。

この先こうなる、、、と判っていても、それでもちょっと

「うるっ・・」とせずにはいられない、そんな作品でした。


主人公の高校一年生「星真」に小学校卒業式以来の友人から

電話が来ます。二人は親友だったので3年のブランクをものともせず

話始めますが「星真」に対して友人は、会って話がしたいと

お祭りが行われる予定の、ある場所に呼び出します。

苦労してたどり着いた場所に友人の姿はなく、代わりに奇妙なものに

出会うのでした。


キャラクターは男女ともに可愛らしく、声優さんの演技も文句の

つけようがありません。それでも惜しいのは、絶対的に尺が短いという

事とお話にミスリードが無いので、思った通りの展開になってしまう点

ですね。2時間ものでもう少し話にひねりがあれば、劇場で観てみたい

と思わせる作品になったと思います。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 2
ページの先頭へ