オリジナルアニメーションで謎解きなおすすめアニメランキング 6

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月18日の時点で一番のオリジナルアニメーションで謎解きなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.8 1 オリジナルアニメーションで謎解きなアニメランキング1位
ケムリクサ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (531)
1827人が棚に入れました
赤い霧に包まれた、荒廃した建造物に囲まれた人気の無い世界を舞台に3人の姉妹が生き抜く物語。物語の中心的人物でまとめ髪の特徴的なりん、猫耳でいつもおっとりしているお姉さんキャラのりつ、メイド調の服に身を包み天真爛漫なムードメーカーりな。謎多き世界でこの姉妹が目指すものは一体…

声優・キャラクター
小松未可子、清都ありさ、鷲見友美ジェナ、野島健児
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世界の終末に「好き」を探すロードムービー

アニメーション製作:ヤオヨロズ、
原作・脚本・監督:たつき、
作画監督:伊佐佳久、美術監督:白木優子

赤い霧が漂う暗黒の空間。
廃墟と化した街並みはまるで世界の終末だ。
最初の舞台は長崎の軍艦島。
そこで、異形の化物である赤虫と戦い、
懸命に生きる3人の姉妹がいた。
彼女たちはまるで植物のように、
水を飲むことで生命を維持し、
道具としてケムリクサを駆使していた。

けものフレンズを指揮した、たつき監督が
かつてニコニコ動画に投稿した自主制作アニメを元に
再構築して完成させた作品。
降板したけものフレンズの続編と放映タイミングが重なり、
何かと作品以外の部分でも話題となった。
脚本、演出、監督を全てたつき氏が担当し、
CGを駆使して作り上げている。
制作はたつき監督が属するirodoriの
たつき、伊佐佳久、白水優子を中心に行われた。
キャラの動きや赤と黒をメインにした作画は、
少人数体制を思わせる粗い仕上がりだが、
世界観や巧みな脚本によって、それらの全てが
あまり気にならないように見せている。

私は未視聴なので分からないが、
世界観は、けものフレンズとの共通点があるようだ。
廃墟に囲まれた謎の世界で3人の姉妹が赤虫と戦い、
水を求めながら生きている。
そこに突然、わかばという男が現れる。
謎が解明されないまま、姉妹と男は
旅をすることになる。

スタートが軍艦島(長崎県)でスペースワールド(福岡県・閉園)、
道後温泉(愛媛県)、瀬戸大橋(香川県、岡山県)、
梅田駅(大阪府・泉の広場は撤去予定)、琵琶湖(滋賀県・沖島)、
黒部ダム(富山県)、富士山(静岡県)、
八王子(東京都・日清食品)、中野(東京都)、新宿(東京都)まで。
日本各地をロードムービーのように旅していく。
{netabare}そして、最後の赤い木との戦いは、
おそらく東京タワーだと思われる。{/netabare}
コラボしていた日清食品も登場。
実際に観ていて、道後温泉や黒部ダムは
分からなかったが、ほかは自分が旅でよく見ていた
場所ということもあって、驚かされることが多かった。
彼らの旅を観ながら、場所を特定する楽しさがある。
サイトでは詳細に比較しているものもあり、
かなり正確に廃墟として再現しているのが分かる。

10話までは少しずつ謎を小出しにしていくだけなので、
観続けるのがなかなか難しいかもしれないが、
11話でこれまでの様々なことが明らかになり、
最終回まで一気に畳みかける展開は見事。
{netabare}全ての出来事が、日本の街並みを再現した
巨大宇宙船のなかで起こっていたという
SFも興味深く、彼らがここにいた意味、輪廻転生、
想いを引き継ぐことを物語に上手く落とし込んでいる。
EDが登場人物の死や誕生の順番を表しているのも面白い。
EDの最終回には、りりとワカバが触れ合う描写もある。{/netabare}

{netabare}ラストで、りょうから語られるのは、
「全員が好きを手に入れられた」ということだった。
おそらく、感覚だけではなく、
りりの「好き」の感情も6つに分かれていて、
りんだけが、手に入れてなかったのだ。
この結末はりんの言葉を「アニメーションが」とするのが、
監督の純粋な想いなのかもしれない。{/netabare}
(2019年4月13日初投稿)

ちょっとした余談(2019年4月14日追記)
{netabare}監督はどこかのメッセージで、好きなことを
このアニメでやった、ということを書いていたが、
おそらく、登場するのは監督の好きなもの
ばかりなのだと想像する。
タイトルの煙草(ケムリクサ)、廃墟、
日本各地の観光地、長崎の路面電車、ルンバ。
そういえば、シロの仲間がたくさんいた
黒部ダムのガルベと呼ばれる遊覧船もそうなのだろう。
この作品は超テクノロジーの暴走によって、
世界が破壊されるという暗い話だが、
監督の「好き」が溢れていることを感じさせてくれた。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 84
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

【結論】中枢神経でしか謎は解けない

タイトルからはどんな内容なのかわからないし、見てもよくわからない。予想や考察はしてみたくなるけど。


第1話、第2話 体のなかの話とか……?
{netabare}
『 はたらく細胞』が説明抜きだったら、謎の多いアニメになると思う。これも擬人化かなって思った。

りんたちは、ウィルスを退治する抗体で、わかばは新しく投入されたワクチン、最初はりん(抗体)に反発されたけど、徐々に受け入れてもらえて……といった感じでこじつけてみた。

なぜ路面電車があるのかとか、細かいところを考えるより、世界観をまず考えたほうがいい気がする。たぶん、そこがオチにもなるんだろう。
{/netabare}

第3話 現時点の考察
{netabare}
情報だけが増えてストーリーはあまり進んでいない。前回同様、体内の話かなって思って観ている。現時点の考察はこんな感じ。


・線路は血管、島は臓器

・りんたちは赤血球、赤血球の半分以上は水でできている

・むしゃむしゃ食べているのは、鉄(鉄分)

・赤血球の役割は、酸素や二酸化炭素の運搬、葉は二酸化炭素から酸素を作る。二つは似ている。『酸素』と書かれた箱だとオチがわかるため、葉っぱにしている?

・Wikipediaで赤血球を調べると、『リン脂質』といった単語がある

・水と一緒に現れたから、わかばは薬か。わかばの体内とも考えられる。路面電車や遊園地はわかばの記憶?


まだまだ説明できないことも多いので、ひとつの候補としておく。
{/netabare}

第4話 熱中症か……?
{netabare}
りんたちが水を求めることが謎を解く鍵のひとつだと思う。
雨が降らなくても、朝露(結露)はあるはず。そこから水を得ていないので、空気がとても乾燥していると言える。

乾燥した世界で、水分が乏しく、熱を帯びた霧が誤動作させる……熱中症の体内か?
血液中の水分が減ると、血液がドロドロになって血栓ができる。りんたち(赤血球)を足止めさせたヌシは血栓、とか。


【現時点での考察】
・熱中症になったわかばの体内の話
・路面電車や遊園地は、わかばが住んでいる場所の記憶
・線路、道路は血管、島は臓器
・りんたちは赤血球、赤血球の半分以上は水でできている
・『酸素』と書かれた箱だとオチがわかるため、葉っぱにしている
・むしゃむしゃ食べているのは、鉄(鉄分)

わかばの服装をあらためて見ると、夏服だった。
{/netabare}

第5話 ケムリクサは、ビタミンか……?
{netabare}
わかばの体内で、りんたちは赤血球という考察のつづき。

・りんたちのケムリクサ
りんとりつは赤、りなはももちゃんと言っていたから桃色だと思う。
赤血球に必要な栄養素は、ビタミンB12。ビタミンB12の色は赤かピンク。
赤血球は初期段階で分裂し、細胞膜には球体がついている、こういった点でも類似点が見られる。

・わかばのケムリクサ
風邪を引いたとき柑橘類(ビタミンC)を摂取したりする。ヌシが風邪のウィルスなら、わかばがビタミンCで防いだという構図になる。ホウレンソウといった青物にもビタミンCは含まれる。

・緑色のケムリクサ
植物と思われるみどりちゃんから生まれる。植物に多く含まれるのはビタミンC。
わかばが持っているケムリクサは、みどりちゃんのような植物から生まれ、地面に落ちたものではないか。
洞窟のさきに、ケムリクサを落とした植物がいる?

・藍色のケムリクサ
通称あいちゃん。水と藍色から魚介類を連想。魚介類に含まれるビタミンはいくつかある。そのうち水に溶けないのが、ビタミンD(ビタミンには、水に溶けるものと油脂に溶けるものがある)。さらに調べると、ビタミンDは免疫に関係あるらしい。水ではなく病原体を探しているのかも。
{/netabare}

考察と訂正
{netabare}
別サイトで指摘されて、あおばをわかばと訂正。指摘がなかったら最終回まで気づかなかったと思う。

考察したくなるアニメだけど、考察する人は少ない印象。荒廃した世界なのに半袖シャツといったわかりにくい世界観が原因だと思う。
わかばはどう見ても日常系のアニメキャラ。日本語が読めないのも外国人キャラの要素だろう。どちらも荒廃した世界観とは合わない。

真夏の暑い日に、外国から来た三姉妹と遊園地に遊びに行っているときに、わかばがぶっ倒れて……といったリアル世界が隠されていると思う。


『カンリイロケンシュツ』について。
お掃除ロボはマクロファージ(体内の掃除屋)と考えている。体内から除去するものを探しているはず。

・わかば(異物と検出された)
・りつ(古くなった赤血球はマクロファージに捕捉される)

りつはフラグが立ってそうだから可能性は高いが、りつでも勝てそう。
ちなみに、リアルなりつはコスプレ好きのお姉さん。

ほとんどの謎は説明(こじつけ)できた。あとは、夢オチアニメをいまどき作るか、という謎だけかな。


【現時点の考察(訂正版)】

『リアル世界』
・わかばの体内の話(風邪、インフル、熱中症等)
・発汗しているから水分が必要→大量に水を摂取する理由
・路面電車や遊園地は、わかばが住んでいる場所の記憶
・わかばの近くに、りんたちに似た"外国からきた"三姉妹がいる
・りつはコスプレ好きのお姉さん

『わかばの妄想世界』
・りんたちは血液(おもに赤血球)
・黄色の照明は血しょう(血液を分離したとき、血しょうは黄色)
・むしゃむしゃ食べているのは鉄
・りなの再生能力は、血小板か?

・植物から落ちたケムリクサは、薬の成分(おもにビタミン)
・赤、桃色のケムリクサは、ビタミンB12の色(赤血球にある)
・オレンジ、青、緑などは、ビタミンC(果物や野菜の色)
・藍色は、ビタミンDで、水ではなく病原体(ヌシ)を探している

・お掃除ロボは、マクロファージ(体内の掃除屋)
・『カンリイロケンシュツ』は除去するもの(わかばかりつ)を指す
・みどりちゃんは投与された薬で、血液(りんたち)と一緒に体中を巡っている(薬には水が必要)
{/netabare}

第6話 『私』は脳か……?
{netabare}
わかばの体内の話で、現実のわかばは治療中、りんたちは赤血球(わかばの妄想擬人化)、ケムリクサはビタミンとして考察中。

(今回の考察)
・橙(だいだい)に表示された文字は、あぶりだし(オレンジの搾り汁)
橙のケムリクサは、ビタミンC、柑橘類と考えているので。

・『私』は、脳の擬人化
詳細は長くなるので、そのうち別項で書く予定。
わかば自身でもあるが、『ぼく』ではわかばだとわかってしまう。

・『分割後の私』は、五感、欲求、言語、記憶……etc(脳の機能を細分化)
・りんは呼吸、りつは聴覚、りなは食欲、睡眠欲といった欲求を担当(欲求は増えるもの)
ケムリクサの使い方で、りんを呼吸担当にしてみた。

・現実のわかばの症状を、りんたちで表している
むかし(わかばが健康なとき)は、ヒト(脳の機能)がたくさんいたけど、いまは、りん(呼吸)、りつ(聴覚)、りく(触覚)、りな(食欲、睡眠欲)しかいない→わかばの症状を表し、現在は聴覚が弱っている。
りんが自分たちを"ヒト"と言うのはあながち間違いでもない。

・触覚(りく)がなくなったけど、(現実のわかばを)治療して戻った
・わかばは記憶担当で、記憶を失っている?

・『私』の文章がさきで、ひらがな文章はそのあとに書かれた
・ひらがなで書いたのは、『分割後の私』(言語担当)
・文章の削れた部分を見て、なにか隠していると考えたなら、さいしょのひとは『私』になる
・『私たちの目的』は、わかばの病気を治すこと
・EDの伸びる線は、神経で繋がっているという意味

最後はりん(呼吸)とわかばだけになるのかな。で、わかばが育てたケムリクサ(記憶の葉)で回復、全員復活、ハッピーエンド、とか。
{/netabare}

【考察】ケムリクサは、ニューロン(神経細胞)
{netabare}
大脳(前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉)を、りんたちに当てはめてみる。
りん……後頭葉(視覚)
りな……前頭葉(理性、行動、食欲)
りく……頭頂葉(皮膚感覚)
りつ、りょく、りょう……側頭葉(聴覚、言語、記憶)

りなに理性があるのか微妙だが、ここまで符合するなら考察を進めてもいいと思う。

人間の脳は、大脳、間脳、中脳、後脳、小脳、延髄の六種類に分かれる。これが島に該当する。
出発点は大脳で、一島だろう。脳には橋(きょう)と呼ばれる場所がある。橋は中脳と延髄の間にあるので、これらが三島と四島。洞窟は、延髄の大孔。大孔のさきには脊髄がある。

現在、脊髄にいると思われる。巨大な樹木は脊髄だろう。りんたちは脳のなかだけ移動していたが、はじめて脳を離れて脊髄まできた。
枯れた樹木は機能していない神経か。りつが耳をつけて音を聞いているのも、なんとなく意味がわかる。

ケムリクサは、ニューロン(神経細胞)。プルキンエ細胞が橙と同じうちわ型。あらかじめ与えられたデータを教師にして学習する(教師あり学習)といった点も似ている。

りくのケムリクサ講座で、「丸いの」が樹状突起、「すげー光る」がシナプスだろう。

以上、専門家ではないので合っているかは保証しない。
{/netabare}

【考察】りんたち、水、巨大な樹木について考えてみた
{netabare}
1.りんたち
ケムリクサがニューロン(神経細胞)なら、りんたちはグリア細胞になる。脳を構成するのは、ニューロン、グリア細胞、血管だから。四種類ある。

・アストロサイト(星状グリア細胞)……有害物質から脳を守り、バリア機能にも関係している→りんたち(りなのスカートが星状に見えなくもない?)
・ミクログリア……脳のマクロファージ(掃除屋)、ニューロンを監視して異常があれば修復の手伝いをするが、制御が効かないと暴走し、ニューロンを攻撃する→お掃除ロボ(正常時は車輪を見つけたりするが、暴走するとヌシになる)
・稀突起グリア細胞……ニューロンを魔法の杖に例えれば、柄の部分にある→球状なのでりなの球体かも
・上衣細胞……脳室の壁や髄液を作る(りくが言う「あっちのあれ」は脳室かもしれない。脳室には髄液がある)


2.水について
水は髄液(水と同じ無色透明)と思われる。アストロサイトは、栄養成分を含んだ髄液を血管から吸い上げ、ニューロンに渡す。
血管と接しているのは足突起と呼ばれる。地面の下に血管があるのかも。雨が降らないのに水があるのは、地下から湧き出ているとも考えられる。


3.巨大な樹木について
巨大な樹木は、脊髄。内部の中心管に髄液(水)がある。枯れた樹木の根は、脊髄根か。大孔に入り延髄根と合わさるらしい。
脊髄を損傷して(わかばは事故に遭ったのかも)、大脳からの命令が伝わらなくなった。大脳(=私)は、「ちょっと脊髄を調べてきて」と、りんたちを旅立たせた。分割したのは、一人がやられても旅は続けられるという配慮。

目的地は脊髄。目的は神経の修復だけど、それをするとりんたちの体内にあるケムリクサ(ニューロン)を使うことになるから文章を削った。みどりちゃんは修復の能力があるから、神経を治すためにいるのかも。
iPS細胞を使った脊髄損傷治療のニュースがあったから、りんたちがiPS細胞の可能性も出てきた。

以上、専門家ではないので正確かどうかは保証しない。
{/netabare}

第7話 水は髄液、樹木は脊髄の中心管
{netabare}
中心に水があるという考察が当たったので、偶然でなければ、脊髄(せきずい)のなかにいる。最初は外側と思ったが内側にいないとおかしいので。
脊髄の『前角』(脳からの信号を受ける場所)から、第7話は始まったと考えている。

脊髄は外側に『白質』(白色)、内側に『灰白質(かいはくしつ)』(わずかに灰色のある白)となっている。
わかばのセリフ「真っ白に近い」と、りんの視線にあった灰色の景色から、灰白質にいると思われる(脳にいるときから灰白質から出ていないと、現在は考えている)。

灰白質はHの形をしている。途中、壊れた橋を見下ろすシーンがあった。川(というより溝)は『前正中裂』と思われる。これは脊髄の中央を縦に走っている。川を右に見ながら歩く経路だから、出発点は左下端としておく。

          後角
  →壁水壁×……→↑
 ↑  川
 ↑
前角

(×が来週バトルするところ)

青い壁は中心管を覆う『上衣細胞』(髄液(ずいえき)がある場所の壁を作り、免疫バリアーの役割もある)。反対側の壁も同様で、出たらまた灰白質。

『中心管』は、滝みたいなのを想像していた。壁から距離があったから、あの空間いっぱいに水があったのかもしれない。中心管は脳室とつながっているから、りくが出てくるかも。りくは脳室のまえにいたと考えているので。

水は髄液、樹木は脊髄の中心管と思ってよさそうだ。

青と赤のムシは『ミクログリア』。青は正常だが、赤は、末梢神経損傷によるミクログリアの活性化と思われる。この点については次回の考察で。

以上、専門家ではないので正確かどうかは保証しない。
{/netabare}

【考察】みどりちゃんはiPS細胞、『私(さいしょのひと)』はES細胞
{netabare}
わかばの中枢神経(脳、脊髄)の話で、りんたちは大脳を出発し、脊髄でミクログリアと戦闘、という考察のつづき。

ミクログリアは、通常時(青)は、体が小さく足(突起)が細く枝分かれしたラミファイド型で、異常時(赤)は、体が巨大化し、足(突起)は短くなるアメボイド型に変化する。
脊髄か末梢に異常を感知したから赤くなり暴走している。治療は再生医療だと思う。

みどりちゃんは、わかばの細胞を使ったiPS細胞。
万能だし、若葉は緑色だし。カンリイロもわかば色ってことかな。

『私(さいしょのひと)』はES細胞。
分割は、受精卵の分割のこと。『分割後の私』は、分割後の受精卵という意味。

ES細胞(受精卵)から生まれたりんたちは、ヒト(生命)。

記憶が戻ったわかばが、りんたちで自分の体を治すのをやめようとするけど、りんたちは進んでこの世界(わかば)の一部となって消えていく……そんな終わり方かな。
{/netabare}

【考察】りんたちは神経幹細胞
{netabare}
再生医療(ES/iPS細胞)に関係する神経幹細胞について、アニメに沿って説明する。神経幹細胞は、分裂(同じものをコピー)と分化(機能を持った細胞に変わる)を繰り返して、神経を作っていく。

りん、りつは、未分化の神経幹細胞(神経前駆細胞)で、りなは、分裂する神経幹細胞。ただし、りなもそのうち分化する。

分化は三種類あり、ニューロン(ケムリクサ)、アストロサイト(りんたちの体、みどりちゃんの樹木、戦闘能力)、オリゴデンドロサイト(りなの球体、りつのネコミミ、みどりちゃんの照明)。りんが壁を壊すときに見せようとしたのが分化だと思う。分化すると、この世界(中枢神経)の一部になる。

落ちているケムリクサは、分裂したみどりちゃんが落としたもの。わかばがケムリクサを自在に扱えるのは、みどりちゃんがわかばの細胞から生まれたiPS細胞だから。

次回は、分裂したみどりちゃんたちがわさわさと集まって、世界の一部となる。そのあとは、後角まで行けるようになり、りくたちと合流しつつ、脳に戻ると予想している。

あいちゃんは新生ニューロンで、水ではなく、神経の損傷部分を見つけて、激しく動いたと考えられる。
{/netabare}

【考察】ケムリクサのタイトルにも秘密があった
{netabare}
りんがケムリクサを使うときのしぐさが煙草の煙をはくのと似ているから、タイトルがケムリクサと思っている人は多いだろう。でも、それを見せたのは数回。タイトルにするほどではない。

煙草に含まれるニコチンを神経幹細胞に加えると、ニューロンに分化する割合が増加する、そんな研究がある。ニューロンが多ければ、それだけ中枢神経の損傷部分を治せる。
この研究を発表した教授のコメントが、

『毒をもって毒を制す』。

この世界の毒を制するために送られてきた毒、それがりんたちだった……そんなオチではないだろうか。
{/netabare}

第8話 地図は右に90度回転させる
{netabare}
再生医療(ES/iPS細胞)を受けているわかばの中枢神経(脳、脊髄)で考察中。移動経路を説明する。

大脳皮質(一島)→間脳(二島)→中脳(三島)→橋(四島)→延髄(六島)→脊髄(七島)

ここまでは、皮質脊髄路(下行路、脳の命令を筋肉に伝える神経)を通ってきた。たぶん、線路が該当する。
一島から六島の地図は右に90度回転させる。五島の小脳がそれらしい位置にくる。

八島の地図も回転させると、点線が下から上になる。脊髄を出て延髄にきていると思われる。左から右に移動しているのは、延髄における錐体交叉(右半身が左脳、左半身が右脳になる)と推測できる。

脊髄から脳に向かう上行路はいくつかあって、延髄で交差するのは後索路。現在は後索路を進んでいると考えられる。

わかばが地図を持ったときも変わってくるが、りつが持ったときは右回転だと思う。たぶん、ドジッコに地図持たせて旅している。

延髄(八島)⇒橋(もしくは中脳水道)⇒中部地方だから中脳(現在位置)⇒つぎは、関東地方だから間脳
{/netabare}

【考察】幹細胞の幹は、木の幹という意味
{netabare}
りんたちが巨木の”幹”を目指しているなら、幹細胞を疑ってしまう。みどりちゃんをiPS細胞と考えているので、巨木はわかばに移植されたiPS細胞になる(地形が変わった理由)。治療なので倒してはいけない。

この世界(中枢神経)は、ニューロンとグリア細胞(ミクログリア、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、上衣細胞)でできている。アカムシは活性化したミクログリアで、赤い根も活性化したアストロサイト。赤霧は活性化により発生した炎症性サイトカイン。

ケムリクサは、ニューロンではなく、"未分化の神経幹細胞"に改める。ニューロンはそれ以上変化しないので、わかばの盾とか説明がつかない。ひとつ手前の神経幹細胞とすれば、どんなものにも変わるので説明もつく。問題はりんたち。

娘細胞とかいい単語があったので、りんたちはそれにしようと思う。幹細胞は分裂すると、二つの娘細胞に分かれ、一つはコピーで、もう一つは分化する細胞。増殖はゆるやかで休眠状態らしい。これは眠っているりなむに該当する。

iPS細胞は移植されると樹木になり、葉(ケムリクサ)や枝(みどりちゃん)を増やす。ES細胞は移植されると(最初の)ヒトになり、(わかばから)記憶や視覚などを取り込み、分割して娘(細胞)たちに分け与える(体と強さは遺伝)。
{/netabare}

【考察】富士山は第4脳室
{netabare}
りんたちは中枢神経に対して垂直になって歩いている。その向きで脳幹(延髄と橋)を移動していると進行方向に菱形の第4脳室が見える。これが富士山に該当する(ここのつじつま合わせは面白かった)。

脳幹の上に富士山(第4脳室)があり、頂上のさきには小脳がある。富士山の底か裾野に青い壁があると思う。そこを抜けると富士山のなかに入れる。なかは空洞。本来は水(髄液)があるのだが、水が少ない設定なので歩ける。脳室の位置と髄液の流れを簡単に示す。

側脳室⇒⇒⇒⇒⇒第3脳室⇒⇒⇒中脳水道⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒第4脳室⇒⇒⇒⇒⇒⇒中心管
大脳皮質(一島)-間脳(二島)-中脳(三島)-橋(四島)-延髄(六島)-脊髄(七島)

側脳室から中心管までつながっている。側脳室、第3脳室、第4脳室で、髄液が作られ、第4脳室からクモ膜下腔に流れて、脳や脊髄のクッションになる。
第3脳室は関東だから『首都圏外郭放水路(地下神殿みたいな所)』がよさそう。
{/netabare}

第9話 九島は小脳で、そこには生命樹がある
{netabare}
再生医療(ES/iPS細胞)を受けているわかばの中枢神経(脳、脊髄)が舞台で考察中。
『生命樹』、とてもアニメ的だけど、じっさいに小脳にある。むかしの人は命にかかわる場所と考え、生命樹と名付けたらしい。生命樹には核がある。小脳の中央には虫部があり、山頂や山腹と呼ばれる場所もある。さらに、小脳にあるプルキンエ細胞は、ダイダイに似ている。巨木はiPS細胞から、生命樹に改めようと思う。倒してはいけないのは変わらない。

大脳皮質(一島)→間脳(二島)→中脳(三島)→橋(四島)→第4脳室(りくがいた場所)→延髄(六島)→脊髄(七島)⇒延髄(八島)⇒第4脳室(富士山)⇒小脳(九島)

下行路(脳→脊髄)と上行路(脊髄⇒脳)では、同じ場所を通っても景色は変わる。
りくがいた場所には、噴水があり、水(髄液)があった痕跡と言える。以下は第4脳室に当てはまりそうなもの。
・二つの扉……外側口(ルシュカ孔)は一対ある
・天井を突き破る管……第3脳室とつながり、床下まで伸びて、脊髄の中心管(水が流れる樹木)に出る?
{/netabare}

【考察】目的は、枯れた根と赤い根を治療すること
{netabare}
現在は小脳(九島)にいる。
・小脳には『生命樹(小脳活樹)』があり、りんたちはここを目指していると思われる
・大脳や脊髄と同様、白質と灰白質だから、雲から上が小脳かもしれない
・白質は枝分かれして(生命樹と呼ばれる理由)小脳脚とつながっている
・網目状は『小脳脚』で上、中、下あり、それぞれ、中脳、橋、延髄(脊髄)とつながっている
・富士山手前は下小脳脚で、富士山下方は中小脳脚(上小脳脚も含むかも)
・中央には、虫部(ちゅうぶ)があり、下小脳脚とつながっている

生命樹(小脳活樹)、小脳虫部⇔下小脳脚⇔延髄(脊髄)
小脳脚は赤くないので、延髄(脊髄)の神経に問題があると推測できる。りんたちが壁に近づいたから排除するためにヌシや赤い根が現れたのだろう。神経を阻害するものが現れたら、虫部の命令でアカムシが発生するとも解釈できる。

六島の延髄(下行路)では、根が枯れていた。八島の延髄(上行路)では、赤くなっていた。どちらも問題ありそうだが、赤くなってから枯れそうな気がする。
りんたちが通ってきた下行路(脳→脊髄)は、錐体路で、枯れた樹木は、『網様体脊髄路』か『前庭脊髄路』。りんたちが通ってきた上行路(脊髄→脳)は、後索路で、避けてきた赤い根は、『脊髄小脳路』。これらを治療するのが目的。

・ビル群は副都心(渋谷、新宿、池袋)、大脳が都心なら、小脳は副都心という意味で
・りんたちがES細胞としても数が足りないので、最初のヒトが大勢いるかも
・ダイダイに似ているプルキンエ細胞は小脳にあるので、ダイダイが落ちているかも
{/netabare}

【考察】りんたちは、ヒトであり、赤ちゃんでもある
{netabare}
ケムリクサはニューロン(神経細胞)で、考え直してみた。

・赤ちゃん
りんたちがES細胞でヒトであるなら、赤ちゃんと言える(ちゃん付けはこのオチのため。ただし、髪の色は遺伝だと思う)。桃色も分裂が終われば赤色になるのかも。最終的には、姉妹でひとつの神経になる。いまは神経幹細胞として分裂と分化をつづけている。神経幹細胞は、以下のいずれかに分化する。
ニューロン(神経の本体)……体内のケムリクサが該当
アストロサイト(神経の大部分を占め、ニューロンを守る)……体が該当、水(髄液)を飲み、ニューロンに栄養を与える
オリゴデンドロサイト(伝達速度を高める)……りつのネコミミ、りなの球体、りんは髪留め?

・みどりちゃん
わかばの細胞から作られたiPS細胞で、分裂と分化をくりかえし、神経と言えるまでに成長。
枝が大事なので、枝がニューロン、葉はアストロサイト、照明がオリゴデンドロサイト。アストロサイト(みどりのケムリクサ)は細胞の隙間を埋める(車輪と電車の間、傷口など)。りんが戦うときは神経の修復(正常な状態に戻しているだけ)。

青色……ニューロンだが、わかばによって風車状の上衣細胞(模様は繊毛)に変わる
ダイダイ……小脳にあるプルキンエ細胞(ニューロン)で日記に変わる。最初のヒトは小脳にいた
あいちゃん……新生ニューロン(髄液をたどりながら神経の損傷部に移動する性質がある)

記憶の葉……わかばと接続したニューロンと推測。わかばの記憶が隠されている?
うすいろちゃん……わかばが育てている。みどりちゃんに近い。用途不明。

りく、りょう、りょくの入れ替わりは、遺伝子の発現(遺伝情報で体を作る)によって姿を変えたと解釈できる(脳室の近くに現れたのも理由があると思われる)。三人の遺伝情報(設計図)が、ひとつのケムリクサにある。
わかばの指操作も遺伝子の発現。青やダイダイ、お掃除ロボの合体のとき、指で操作している。わかばはこの世界にあるものなら、姿を変えさせることができる。

受精卵を提供した女性(最初のヒトはこの女性の娘)は、細胞記憶(思い出や趣味嗜好などが細胞に記憶されるという仮説)から推測できる。たぶん、空手三段で猫好き、語尾に「なっ」をつける。ちなみに、わかばは植物オタク。
{/netabare}

【考察】ラストでこのアニメが泣ける理由
{netabare}
ネットの感想を読んでて、壁には"封"の文字があるとあった。よく見つけたと思う。おかげでまた謎がひとつ解けた。
これは、『グリア細胞内封入体(GCI)』のことだろう。細胞内に本来いるはずのない物質らしい。壁のなかにいたヌシが封入体。赤霧やアカムシの原因と考えられる。GCIは小脳の白質にも現れるので、生命樹のなかを入ったり出たりするのを退治することになりそう。

(気になる点)
りんたちの移動は、↓(脳から脊髄)、→(脊髄のなか)、↑(脊髄から脳)と思ったけど、→は必要ないかも。水が流れる樹木が中心管なら、富士山のほうに伸びているはず。水が流れる穴は中心管だけど、樹木は移植されたiPS細胞かもしれない。
{/netabare}

【考察】目的が削除された理由
{netabare}
ES細胞(最初のヒトで、大勢いた)は小脳に移植された。赤い根の本体(目的)に空手三段のES細胞軍団が立ち向かうが、みどりのケムリクサといった武器を持たないため、いったん退くことに。
下(脊髄方面)は赤い根がはびこっているため、上(大脳)の一島へと移動。りんが言う「島に住んでいた人」は、これのことかも。そこにも敵がいて、ES細胞軍団は全滅。残った一人が娘細胞に分裂して、りんたちが生まれる。ES細胞軍団でも勝てなかった赤い根の本体を倒せとは示せず、ダイダイから目的を削除した。
さいわい、脊髄(七島)に移植したiPS細胞が成長し、赤い根を退けていた。この点から、iPS細胞(みどりちゃん)が赤い根に有効だとわかる。次回は、iPS細胞を携えたES細胞の再戦となる。
{/netabare}

第10話 禁断の恋を避ける方向で考察してみた
{netabare}
海外で再生医療を受けているわかばの中枢神経(脳、脊髄)が舞台。りんたちはES細胞(最初のヒト)から分裂した娘細胞、みどりちゃんはわかばの細胞から作られたiPS細胞、で考察中。

最初のヒトは、イメージしたのとずいぶん違う。受精卵から生まれたばかりだからロリでも考察に支障はない。分割したあと、りんたちも同じ体型で、成長していまの体型になったと思われる。
問題は服装。最初のヒトとわかばに血縁関係があるように見える。りんたちが最初のヒトから生まれたなら、りんとわかばは禁断の恋になってしまう。だから、最初のヒトとわかばには血縁関係はない。

最初のヒトの服装は、細胞記憶。
受精卵を提供した女性が子供に着せていた服を、体が動かないわかばに着せている、と考えるしかない。
この女性の特徴は、
外国人で看護師、空手三段、猫好き、日記をつけ、日本のアニメやコスプレが好き、日本語は話せるけど、語尾に「なっ」をつけてしまう、といった感じ。
{/netabare}

【考察】同じ服を着るくらい二人は親しい
{netabare}
青く光るケムリクサは、みどりちゃんの照明と同じで、オリゴデンドロサイト。ES細胞(最初のヒト)が封入体を倒し、オリゴデンドロサイトに分化したと解釈できる。二人が歩いている場所は、分化したニューロン(枯れた樹木)やアストロサイト(展望台?)で、赤い樹木まで到達できなかったという跡。

わかば(DNA)は最初のヒトたち(大人)の指揮を執っていた(船で島々を移動)。たまに、大脳(一島)にいる最初のヒト(ロリ)を訪れる。りんが見ている映像は、記憶を失うまえのわかばの視点。ロリの記憶なら彼女自身は見えない。最初のヒト(ロリ)とわかばは出会っていた。たぶん、「わかばお兄ちゃん」と呼んでいる(血縁関係はない)。

同じ服を着るくらい二人が親しければ、りんたちが簡単に惚れてしまう伏線にもなる。

ES細胞が全滅したあと、ロリに記憶をコピーする(遺伝子の転写)。分割はわかばの指示かも。わかばは一人で戦い、船があった場所で力尽きた。りんは、わかばの記憶から、『私たちの目的』を知る。
{/netabare}

【考察】色について色々
{netabare}
わかばが見たピンク色は、大脳の白質(じっさいはピンク)。
うすいろちゃんは、みどりちゃんの代わりになって、七島に直行するかも。
りんが見ている映像はモノクロではなく、灰白質(灰色がかった白)の世界。

青色はES細胞で再生された神経。富士山もビルも浮いているわけではない。
りんたちが赤いのは毒(ニコチン)が加わっているから。
まえに書いたけど、神経幹細胞にニコチンを加えると、分化後のニューロンの数が増える。
この研究を行った教授のコメントが、『毒をもって毒を制す』。
赤い樹木(正確には内部にいるヌシ)は毒であり、りんたちはその毒を制するために送られた毒。
赤は毒を意味する。
{/netabare}

第11話 中枢神経で考察するとこうなる
{netabare}
りり(最初のヒト)とわかばが出会っていたのは予想どおり。
すごい展開になっているけど、中枢神経で考察すると、こうなる。

りりがこわがるから、脳と言わず、地球や島と言っている。

だから、二人がいるところは、脳なんだと思う。
巨大重機は、『伝令RNA』で、遺伝子を転写して、タンパク質(ビル)を作っている。
ダイダイの文章を削除したのは、りり。最後の一文をまだ書いていないから、削除したシーンもなかっただけ。削られたのは三行。最後の一文に真実が書かれている。

ニューロン……りんたちのケムリクサ、みどりちゃんの枝、核になるもの
アストロサイト……りんたちの体、みどりのケムリクサ
オリゴデンドロサイト……りつのネコミミ、りなの球体、黄色い照明、青く光るケムリクサ
上衣細胞……盾になるケムリクサ、青い壁
ミクログリア……お掃除ロボ。損傷部分に集まって修復を試みたり、神経幹細胞を導いたりもする。通常時は、体が小さく足(突起)が細く枝分かれしたラミファイド型で、静かに監視。異常時(赤)は、体が巨大化し、足(突起)は短くなるアメボイド型に変化する。炎症反応を知らせる→ヌシ。修復や除去をする→重機。
{/netabare}

【考察】助けるために神経になった
{netabare}
りりが使ったのは、ダイダイ、黄色、紫。黄色はわからない。ダイダイは小脳のニューロン。紫は自律しているから自律神経。小脳のニューロンを自律神経につなげてしまい、赤い根が脊髄まで伸びていった。自律神経なのでコントロールもできない。
わかばは小脳(五島)から脊髄(七島)に移動。水を守るため樹木になる。水(髄液)の流れを止めないための対処。覆っている樹木の下に湖がありそう。
中枢神経で"発芽"に関係するのは、血管(発芽性血管新生)。わかばが血を流す理由につながる。わかばは血管にも分化できる神経堤(神経冠)かな。外胚葉、内胚葉、中胚葉にもわかばみたいなのがいるのかも。

りりは小脳(五島)から大脳(一島)に移動。赤い根は下に伸びるから影響が少ないというわかばの配慮。
わかばを助けるため、りりは大人になる。神経幹細胞が神経になることだと思う。神経になるには、ニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトの三つが必要。DNAを抽出し、この三つの細胞に転写した。ロックと解除は遺伝子のON/OFF。赤、緑、青に点滅したものを、ED直前の三枚のケムリクサに当てはめ、同じように並べる。

緑(アストロサイト)、赤(ニューロン)、青(オリゴデンドロサイト)

りりは、この三枚のケムリクサになり、そのあと神経(りんたち姉妹)になった。
{/netabare}

【考察】オチは毎回見ていたのかも
{netabare}
EDは大脳皮質の形成を説明する図(楕円が並び線が伸びている)に似ている。大脳皮質は、胎生期に分化したニューロンが上に伸びた突起をたどり、6層を築く。巨大重機がビルを引き揚げるのが該当しそう。
わかばが島を作っていたり、りくたちが第4脳室に現れた点から、成体脳ではなく、胎生期の脳だろう。毎回見ていたEDにオチがあったというオチなのかもしれない。

髄液は脳室で作られ、それが脳や脊髄のクッションになる。栄養も含まれているから、りんたちは水を飲み、体内のニューロンに栄養を与えていた。さらに、脳は髄液に浮かんでいる。これが"お船の地球(地球には島がある)"。星の文化財は旧皮質で、わかばが作っているのは、新皮質かな。

皮質形成に重要なのが細胞外因子『リーリン』。神経細胞の移動や層構造形成に関係する。大脳皮質の6層が整然と築かれるのもこの因子に関係するから、小脳の皮質を形成して赤い樹木を鎮めるのかも。(りりとりんが二重になって突っ込んでいく感じ)。
{/netabare}

【考察】赤ちゃんが生まれるかも
{netabare}
ここまで考察した結果、成体脳における再生医療ではなく、胎生期の脳と思われる。ヒトは胎児のことか、地球に住む人ということで、脳にある神経細胞を指すかもしれない。
胎児にとって重要な栄養素は、葉酸。最初の考察でケムリクサはビタミンと考えたのが役に立った。
葉酸は細胞の生産や再生、血管に必要なビタミン。さらに、神経管を正常に保つ。わかばは神経堤ではなく、神経管。神経管は脳や脊髄のもとになる。わかばが吸っているのは、葉酸。

りり(最初のヒト)はES細胞ではなく、胎生期の神経幹細胞(放射状グリア細胞)。みどりちゃんは、iPS細胞ではなく、神経管(わかば)の核を持つ神経(微妙……)。
わかばは規則を破ってまでりりをそばに置いている。葉酸→大麦若葉→青汁と解釈して、りりがタバコと言っているのは、青汁の匂い。さらに、妊娠中は匂いに敏感になる。
中枢神経で考察して導き出した結論は、

わかばとりりは夫婦で、りりのお腹にいる胎児の中枢神経が、このアニメの舞台。

じっさいのわかばも科学者。りりは、空手三段、猫好き、日記をつけ、アニメやコスプレが好き。夫婦なので恋もする。
最終回は赤ちゃんが生まれる。
{/netabare}

最終話 ラストについての考察
{netabare}
オリジナルアニメが謎を残したまま終わるのはよくあるので、いつものことかなって感じだった。もう少し世界観を明らかにしてほしかった。お城とか有名な観光地を通らずに星の文化財と言われてもなあって感じ。

星の文化財の根拠は会話だけなので、会話を根拠にできるなら脳でもいいことになる。プリントも遺伝子の転写で説明できる。ということで、ラストも中枢神経で考察してみた。

りくが「ぬくい」と言って指さした二つの扉のさきには、りんとわかばがたどり着いた場所、つまり、船の外があると考えられる。中枢神経だと、りくがいたのは第4脳室で、扉は髄液が流れる一対の出口に該当する。りくが言っていた「ぬくい」場所は、髄液が流れるくも膜下腔になる。

地球は中枢神経のことで、そのまわりを髄液が流れているから、お船が浮かんでいると言える。りんとわかばは小脳(端に位置する)にいて、船の端から外、くも膜下腔に行くには、脳を出る必要がある。わかばは神経管で、脳脊髄より上位の存在だから、脳(船)から出られる。りんは神経だから出られないのだが、内部にあったケムリクサが消えて、その代わりにみどりちゃんの枝で動くことができた。みどりちゃんはわかばから生まれたのだから、りんもわかばと同レベルになり、船から出られた。
ラストも中枢神経で説明できた。
できれば、赤ちゃんを抱いたりん(りりが大人になった姿)とわかばが、普段着姿で湖を散歩しているシーンで終わってほしかった。
{/netabare}

【考察】第11話はミスリード
{netabare}
中枢神経で考察していると、第11話は比喩を使った回想シーンとわかる。星の文化財では、色々な謎を解くには根拠が足りず、どうしても想像に頼ってしまう。その点について解説してみた。

星の文化財と考える人は、富士山を根拠にしている。だけど、海外の文化財もなかったし、日本担当ならお城がないのは不自然。日本の各地にはお城がある。お城を出したところでオチに気づくわけでもない。遊園地よりはお城のほうが文化財に相応しいし、

あの遊園地を保存する必要はないはず。

この点については誰しも同意すると思う。しかし、富士山が文化財なら、あの遊園地も文化財としないと一貫性がなくなる。こういった不自然な点があるにも関わらず、星の文化財をミスリードとしないのは、ほかに解釈しようがないからだと思う。

わかばは宇宙連邦に所属しているわけでもなく、宇宙や地球のシーンもなく会話だけ。そもそも、りんたちが探していたのは水であって、文化財ではない。この点だけでも、1話~10話がつながらないのがわかる。宇宙船も日本担当もまったく言っていない。視聴者の想像にすぎない。

会話だけを世界観の根拠にできるなら、中枢神経でもいいことになる。わかばが脳の話をしてて、りりが嫌がる点から同じことがあったはず。わかばは、"脳"が口癖で、脳に関する研究をしていると言える。”お船の地球”と言ったのはりり。脳と言えないから、"地球"と言い換えるのも自然なこと。

会話だけで推測するなら、第11話については、宇宙船でも脳でもいいことになる。あとは、ほかの謎に答えが出せるほうが、正しく世界観を理解していることになる。
{/netabare}

【結論】中枢神経でしか謎は解けない
{netabare}
謎は中枢神経に関連付けられているので、どんなに考えても解けない。星の文化財で見るほうが楽しめるが、謎は解けない。じっさい、感想の多くに"?"がついている。これが中枢神経でしか解けない根拠にもなっている。

中枢神経と考えたのは、第6話。『私』の文章で、感覚を分割したなら最初はひとつ。それは脳だと推測したから。さらに、りんたちが生まれた大脳皮質(一島)とも符合していた。

大脳皮質(前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉)を、りんたちに当てはめてみる。
りん……後頭葉(視覚)
りな……前頭葉(理性、行動、食欲)
りく……頭頂葉(皮膚感覚)
りつ、りょく、りょう……側頭葉(聴覚、言語、記憶)

人間の脳は、大脳、間脳、中脳、橋、小脳、延髄の六種類に分かれる。島の数と橋の場所が一致する。さらに、ダイダイは、小脳のニューロンである"プルキンエ細胞"と形状と機能が似ている。ダイダイだけでも二つも根拠があり、星の文化財で説明できないことを説明できる。第6話の時点でここまで符合したら、中枢神経で考察したくなる。


【移動経路】
大脳皮質(一島)→間脳(二島)→中脳(三島)→橋(四島)→第4脳室(りくがいた場所)→延髄(六島)→[前角]→脊髄(七島)→中心管の終室(水の樹木)⇒脊髄(八島)⇒[後角⇒脊髄視床路]⇒白交連(ダム)⇒[脊髄小脳路]⇒下小脳脚(網目)・延髄(九島)⇒第4脳室(富士山)⇒小脳(十島)

→は、下行路(皮質脊髄路)、りつの地図は右に90度回転
⇒は、上行路(脊髄視床路、脊髄小脳路)、りつの地図は左に90度回転
[]はトンネル

・脳にも島がある
・一島を大脳皮質に当てはめ皮質脊髄路をたどると、小脳(五島)を通らず、脊髄(七島)にたどり着く
・三島と四島をつなぐ橋は、脳にある橋(きょう)に該当する
・七島が脊髄だから中心に水があった→脊髄の中心には髄液が流れている
・富士山を登ったさきに十島(新宿)→第4脳室は横から見ると山に見え、小脳はその山を覆っている。大脳が都心なら、小脳は副都心(新宿)
・トンネルの行き止まりのさきは、後索路
・水は髄液で、水がある場所は脳室と関係がある。りくがいた場所には噴水があり、天井を突き破って管が通り、第3脳室とつながっている
・白交連(ダム)は、右脳が左、左脳が右といった神経が交差する場所。ダムの水が脊髄の中心管に該当する

移動経路だけでも当てはまるのが多い。偶然とは思えない。とくに、"富士山の上に新宿"を説明できるのは中枢神経だけと言える。


【キャラクター】
りんたちの体内にあるケムリクサは"本体"と言っていた。神経で本体はニューロン。りんたちの体は、ニューロンを守るアストロサイトになる。
ニューロン(神経の本体)……りんたちの体内のケムリクサ、みどりちゃんの枝
アストロサイト……本体以外の部分

りんが腕にみどりを取り込めたのも、同じアストロサイトだから。みどり以外はアストロサイトではないから使用できない。アストロサイトの役割(栄養の摂取、異物の排除、隙間を埋める)も符合する点が多い。
・栄養の摂取……りんたちは水を飲み、本体(ニューロン)に栄養を与えていた。みどりちゃんは植物と同じように、葉や根から水を与えられ栄養を摂取
・異物の排除……りんたちは体で異物と戦い、みどりは異物を排除する武器になった
・隙間を埋める……車輪と電車の隙間、わかばの傷や穴

第11話で、わかばは脳や脊髄を作っていたので、わかばは神経管。わかばだけが壁を使える理由にもつながる。中枢神経で壁と言えば、脳室の壁になる。脳室の壁は上衣細胞で、上衣細胞には繊毛がある。これが壁の模様に該当する。ただ、わかばは復活したのではなく、新しく生まれたと考えるほうがいいかも。記憶を取り戻していない点からも、そう考えられる。

シロ(お掃除ロボ)は、脳の掃除屋と呼ばれる"ミクログリア"。シロは3タイプに変化した(シロ、アカヌシ、シロヌシ)。ミクログリアも、体が小さく足(突起)が細く枝分かれしたラミファイド型、体が巨大化し、足(突起)が短くなるアメボイド型がある。さらに、監視するラミファイド型のM0、神経に損傷があるとアメボイド型になり暴走するM1、アメボイド化して異物を除去するM2が存在する。暴走したM1は、ニューロンを攻撃する。アカヌシがりんたちの体内にあるケムリクサを狙ってきた理由に該当する。さらに、神経の損傷部に導く役割もあり、シロが同行していた理由まで中枢神経で説明できる。


【ケムリクサ】
ダイダイは、小脳のニューロンである"プルキンエ細胞"と同じうちわ型。あらかじめ与えられたデータを教師にして学習する(教師あり学習)といった点も似ている。ダイダイを拾った場所も小脳(十島)だった。りくのケムリクサ講座で、「丸いの」が樹状突起、「すげー光る」がシナプスだろう。

中枢神経は、ニューロンとグリア細胞(ミクログリア、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、上衣細胞)でできていて、ケムリクサはいずれにも該当する。つまり、この世界はケムリクサでできている。煙のように形が変わる草という意味もありそう。


【灰白質と白質】
わかばのセリフ「真っ白に近い」と、りんの視線にあった灰色の景色から、中枢神経の"灰白質(かいはくしつ)"に該当する。りんが見た映像は、赤もあったのだからモノクロではない。記憶の景色は中枢神経の灰白質と符合する。
中枢神経は灰白質と白質に分かれる。りくたちが消えたのは小脳の表層で灰白質、深層は白質になっている。12.1話で、りくたちがいた場所は白質だろう。体内のケムリクサがなくても動いている点からも白質の可能性が高い。灰白質はニューロンの集まりで、白質は軸索が集まっている。ニューロン(ケムリクサ)がなくても動けるという解釈なのかも。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

SF好きなら一見の価値あるかも

<2019/7/26初投稿>
これ、原作あるのかな。

本放送時はスルー。
というのも「けものフレンズ」一通り見てピンとこなかったんですよ。
同じ監督さんで似たような絵柄だったから似たような話かと思って。

ちなみに「けもフレ2」は見てないので因縁ですか?は興味ないです。


そしてケムリクサ。

最近たまたまCS1-298で第2話やってて、なんとはなしに「ながら見」したら・・・

あらやだ!
面白いじゃないのよ( ̄∇ ̄)

そんで11話まで見て。
おお?と盛り上がり、最終回楽しみー♪とか思ってたら、またCS1-298で1話から放送始まったので1話見て

んで今日、最終回見て。

という変則な見方したんですが

やー面白い( ̄∇ ̄)

SFですね。

ネタバレすると{netabare}

貴重な地球の文明、文化をコピー保存するために宇宙人がやってきました。
その宇宙人さんは「クサ」と呼ばれる謎技術を使って
地球の文明である建造物や交通機関その他諸々を都市ごと、宇宙船内のある種、仮想空間的なところにせっせせっせとコピーしていきます。

そんなある日、その宇宙人さんは地球人の女の子を拾い・・・{/netabare}

というお話かな、たぶん。

10話までは上記のネタバレを隠していて、謎が謎を"淡々"と呼ぶという不思議な話の進み方をします。

この"淡々と"謎が増えていく展開にワクワクできるか、飽きちゃうかで賛否両論の作品なのかなーと。

私はワクワクしました。

「クサ」

「リンを始めとする人間を自称する謎の姉妹たち」

「とってつけたような廃墟の街並み」

「ワカバというお人好しの青年の地味な不思議さ」

「ロードムービーのようなのに旅の目的がよくわからない」

ここら辺に興味を持てたらハマると思います。

いずれにせよ見る人を選ぶ作品ですが、純粋なSF好きの人にはオススメしやすいかも。

見逃さなくてよかった、と思えた作品です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 46

66.2 2 オリジナルアニメーションで謎解きなアニメランキング2位
歌舞伎町シャーロック(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (215)
756人が棚に入れました
新宿區イーストサイド・・・・・・混沌を極めたその街の中心には、ネオン瞬く歌舞伎町が広がっていた。光が強けりゃ影も濃い。悪人どもの潜む暗がりの、そのまた奥に探偵長屋の明かりが灯る。ハドソン夫人の営むその長屋は、なくて七癖、曲者ぞろい。野心満々のケッペキ探偵に、男を化かす姉妹探偵。はたまた刑事くずれのオッサン探偵がいるかと思えば、ヤクザを破門されたアンチャン探偵・・・・・・そして真打は、落語をこよなく愛する天才探偵シャーロック・ホームズ。切り裂きジャックによる猟奇殺人が起きたその夜、舞台の幕は上がった。探偵どもの化かし合いを横糸に、シャーロック、ワトソン、モリアーティ、三つどもえの友情を縦糸に・・・・・・ミステリー? いやさコメディ?なんともはや、判別不能ドラマのはじまりはじまり~。

声優・キャラクター
小西克幸、中村悠一、山下誠一郎、斉藤壮馬、東山奈央、東内マリ子、青山穣、橘龍丸、諏訪部順一
ネタバレ

まだ初心者 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

全体的なクオリティが高い大人向けアニメ

偶然何かの記事で発見して面白そうだったので観ました。
放送当事ノーマークで全く知らない作品でした。序盤からけっこう面白かったです。
{netabare} 1話で「こいつ切り裂きジャックっぽいなー」と思ってたキャラが実際にジャックで当たったのでちょっと嬉しかったです。 {/netabare}
下ネタや残酷な描写(内容)が含まれるため大人向けのアニメです。
{netabare} モリアーティが原作小説と同じで、ただの悪人だったので一気につまらなくなりました。原作読んだことないのですが後で調べて知りました。原作のシャーロックホームズシリーズを読んだことある人が観たら物足りない内容だと思います。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

う~ん、2クールは長すぎた・・・。

アニオリ作品。最終話まで視聴。

設定の奇抜さ。
特に探偵と落語という取り合わせの面白さ。
物語の舞台。

これらが織り成す世界観はとても良かったと思います。

前半の「切り裂きジャック編」までは、テンポも良くて楽しめていたんだけど、後半は、一言で言って『長かったな・・・』。

{netabare}後半は「切り裂きジャック編のその後の顛末」。
まあ、『ここを解決しないと物語は完結しない』ってことなんだろうけど・・・。
それにしたって、ほとんど後半丸々ですからねぇ。
さすがに長すぎるというか・・・。{/netabare}

サイコパスが絡むと、心理が理解出来ないせいだと思うんですけど、少々、苦手なんですよね。
あくまでも個人的な感想です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

オチと推理とエクスカリバー

シャーロック・ホームズは、最もパロディ化、パスティーシュ化された探偵かもしれない。

本作の放送と同期に、同じく『シャーロック』を冠する実写ドラマが放送されているが、競作関係などはないものの、どちらの「シャーロック」も奇人変人である設定は共通しているようだ。
ドイルのホームズ連作の、本格探偵小説が「本格」としてジャンル的に確立する前のプロトタイプ的な性格が、ホームズがキャラクター的な強烈な特徴を持つところに現れているのだろう。

あまたのパスティーシュも、若いころのホームズ、異世界に紛れ込んだホームズはもとより、ホームズの姪っ子や、精神を病んだ夏目漱石が自分をホームズと妄想している、などなど、キャラクター性を強調したものが多い。

その中にあって、本作の歌舞伎町に住む落語家もどきの「シャーロック」も、奇抜さで負けてはいない。
いや、あの髭面の「ハドソン夫人」には勝てないかもしれないが。


シャーロック・ホームズが強力で特異な性格設定を持つのは、一種の文化英雄という性質が要請するからだろう。

「勇者」が聖剣で竜を倒して「世界」を恢復させるように、垂れ込める「謎」を吹き払い「世界」に秩序を回復する「英雄」としての探偵。

歴戦の武勇伝を持つ勇者が特権的な武器として「聖剣」を手にするように、「謎」を切り払う探偵の特権的な武器として与えられるのが、頭脳=論理=「推理」だ。
特異な頭脳=発想の象徴として、特異な性格が要請される。


ところで、別作品の感想で、探偵小説の探偵の推理は論理的な唯一の真理とは限らない、といった意味のことを書きこんだことがある。

エクスカリバーが竜を斃せるのは、数々の「伝説」によって「聖剣」である特権性を保証されるからだ。
探偵の推理=「論理」もまた、「伝説」に類比的な特権性の「保証」が付与される。

オーギュスト・デュパンであれば「アナリシス」、ファイロ・ヴァンスなら心理学的必然、エラリィ・クイーンなら因数分解的数学性、などなど。
ホームズならば、実験科学的な自然科学の論理性、という事になる。

これら「論理」の特権性の「保証」要素は、しかし推理が導く「真相」の論理的正しさを保証するものではない。

「聖剣」にまつわる「伝説」が、その物語内で聖剣の威力を保証するための装置であって、物語外では意味がないのと同様に、実験科学の論理性も、物語内で「論理」の特権性を保証するだけの装置に過ぎない。
デュパンのアナリシスもヴァンスの心理学もエラリィの「数学的」論理も、物語外では何の論理性も保証しはしない。

物語内での探偵の推理が「真相」となるためには、「物語世界内で」の論理性=説得力だけが問題なのだ。
物語内の作中人物全員が「唯一の真相」を導いた「論理的」な推理だと納得しさえすればいい。
そう、これが物語内で最後にたどり着いた「真実」であると、最後に締めくくる「オチ」だと納得しさえすれば。



落語で「真相」の「推理」を語る本作の設定は、「探偵小説的」論理性を巧妙に反映している。

一見は荒唐無稽な「推理落語」だが、語られた物語を象徴し、まとめ上げ、引き受けて、幕を閉じるものとしての落語の「オチ」の一言は、探偵小説の「論理的」推理と全く同型的な役割を果たすものだ。

しかし、それは、どんなデタラメでもおどけて語れば良いという事にはならない。
論理=筋が通っているでも、地口のように連想的な関係性でも、なんでもよい。それまで語られた物語をまとめ上げて「オチ」が付いたと観客に直観させなければ、オチとして機能しない。

落語の『あたま山』のオチは、論理的にはおかしい、不条理でシュールなものだが、練達の噺家が語ることによって、観客に「オチ」を直観させて笑いに巻き込む。

不出来な噺であれば、観客は白けてブーイングが起きるだろう。
不出来な探偵小説が、作者と作中人物だけが納得する「推理」で、読者を説得できずに怒らせるように。

はたして本作の「落語推理」は切れ味良い「聖剣」のような「オチ」をつけられただろうか。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

53.6 3 オリジナルアニメーションで謎解きなアニメランキング3位
ナゾトキネ(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★☆☆ 2.9 (74)
266人が棚に入れました
私は、広告代理店TEN2で社長秘書をしている網野解音(あみのときね)。今日のお客様は、なんと有名アニメ会社の代表さん!お出迎えのために、はりきって会議室の掃除をしてたんだけど・・・急にあたりが光に包まれ、会議室から出られなくなっちゃった!?おまけにおばけみたいなのが出てきて謎を解けばこの場所から開放してやる。。なんて言ってるし!!もうよくわかんないけどとりあえず、解いてから考える!!

声優・キャラクター
原奈津子、徳井青空、松井恵理子、八島さらら、佐々木未来、鈴木愛奈、佐藤実季、齊藤佳央里、小島英樹
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

新感覚!謎解きアニメ。しかしてその実態は・・・

日本アニメ界に、謎解きショートアニメが颯爽と登場。
全12話×実質6分=72分間の世迷い言です。
2話完結だから、出題数6問。
あなたは何問解けるかな。

主人公は社長秘書解音(ときね)。
豚八の陰謀にはまり、謎解き空間へ幽閉されます。
豚八との小芝居の末、パズル的言葉遊び問題を解くはめに。
解音の運命は?豚八の思惑は?

解音の性格がスパッとしているのが幸いして、テンポのよい流れ。
謎解き空間での謎のコスチュームも潔い。
{netabare}変身シーンなんて魔法少女的。{/netabare}
いったいこのアニメの趣旨は何処に。

もっとも気になるのが豚八の口調。
語尾の「けども」、確実にイラっと来ます。
ほとんどの人間は豚八を丸焼きにしたいと思うはずです。

豚八の意味不にイラッ。
{netabare}ラストの思わせぶりにイラッ。{/netabare}
ホンマ、イラッてするアニメだけどもー。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 19

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

本編エンドロールで出題される問題…難しかったぁ…

この作品はオリジナルアニメみたいですね。
キャラデザも作画も綺麗なので、とても見やすい作品だと思います。

この作品の主人公は、広告代理店で社長秘書をしている22歳の網野解音…
このところ高校生や中学生の登場する作品が増える中、こういう大人を対象にした作品は好感が持てます。
彼女は頑張り屋さんで友達付き合いも多く…やっぱり私から見ると可愛い部類の女性です。

ある日、いつもの様に会議室で次の会議の準備をしていたところ、急に会議室から出られなくなってしまうんです。
すると、自称ハッチンと名乗る逆さまにしたシルクハットに入ったウサギの様な物体が現れて、「謎を解けばここから解放する。」という事を突然言い出すんです。

聞くと解音は選ばれた存在で、選ばれた人は定期的に出現するクイズンの中で設問に答えていかなければならないとの事…
「もうよくわかんないけど、とりあえず、解いてから考える!!」
こうして解音の戦いの物語が動いていきます…

クイズンが発生すると、選ばれた人は何故か「Qフォーム」という姿に変身して問題を解いていくのですが、その姿はまるで近未来魔法少女…

考えてみると、なぜQフォームに変身するのか理由は良く分からなかった様な気がします。
でも別な空間に転移させられて、そこで変身して戦う…
こんな設定も最早何の違和感も無くすんなり受け入れられるようになりました。
それにQフォーム姿の解音も悪くないんです…

設問は基本的にハッチンにアドバイスを貰いながら解答を目指して進めていく事になるのですが、唯一違和感を感じたのはハッチンの口癖です…
必ず語尾に「~けれども」が付くんです。

今期は「~ぽん」をやたらにつけて話すチビキャラにあまり良いイメージがなかったからか、些細な事なんですけど気になってしまいました。
でも個性を表現する…という意味では成功しているんですよね。
だって頭にこびりついて離れませんから…

このクイズンには面白い設定があります。
それはクイズンの空間に入ったモノ全てが出題者になるというもの…
そのため第1問目は解音とハッチンの二人だけでしたが、次からは複数の人がいるタイミングでクイズンが発生し、一緒にクイズンに閉じ込められてしまう…言わば巻き込んでしまうんです。

解音に圧し掛かる重圧は一気に上がります。
何故なら、自分が解答できないと一緒にクイズンに入っている人みんなも出れなくなるから…

なぜクイズンが出現するのか…なぜ人は選ばれるのか…
この辺りについては、物語の中で理由がしっかり描かれています。
10分枠のショート作品でしたが、内容は充実していたと思います。

何しろキャラデザが私の好みドンピシャでした。
内容の気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、藤崎結朱さんの「Dimension sky」
エンディングテーマは、aki a.k.a 出口陽さんの「destiny」
勢いのあるオープニングが好みでした。

1クール12話の作品でした。TOKYO MXでは年末に特番が放送されたそうです。
この作品ではエンドロールで問題が出題されるのですが、これが中々難しい…
最初は頑張って画面に向き合っていましたが、途中で挫折してしまいましたが本編はしっかり堪能させて貰いました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

ninin さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ナゾトケマセン

全12話 1話7分30分弱のショートアニメ

ある会社の社長秘書の網野解音(あみの ときね)は、ある日突然異空間に引き込まれセクシーなコスチュームに変身して、クイズに答えないと異空間から出られないという。その後、エピソードの間に度々解音の前に異空間が出て来てクイズに答えるお話です。

私はクイズを解くのが苦手で、展開が早いこともあり1つも解けませんでしたw

クイズを主体にした珍しい作品ですね。目的も最後には明かされます。

続きを思わせる感じで終わっていますね。

私には響かない作品でしたが、クイズが好きな方は1話観て視聴を判断されるといいかも知れません。

最後に、この異空間には謎の生物ハッチというキャラが出てくるのですが、最初は語尾にイラッ!としていましたw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14

62.2 4 オリジナルアニメーションで謎解きなアニメランキング4位
警視庁 特務部 特殊凶悪犯対策室 第七課 -トクナナ-(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★☆☆ 3.0 (183)
584人が棚に入れました
ただ真っ直ぐに、憧れたものを追い続けて──2×19年、東京。過去頻発していた種族争いも絶え、平和になったと思われた現代。かつて種族の頂点に君臨していた『ドラゴン』に心酔し、その力を取り戻そうと画策する犯罪組織『ナイン』が現れた。世界を作り変えるべく凶行を繰り返す彼らを阻止するため、警視庁内でとある集団が組成された。その名も『警視庁 特務部 特殊凶悪犯対策室 第七課――通称トクナナ』。個人の能力はずば抜けて高いものの、「はぐれ者集団」「ごくつぶし集団」とも噂される『トクナナ』に新たに加わることとなった、ルーキー・七月清司。個性あふれるメンバー達に振り回されながら、彼は持ち前の明るさと真っ直ぐさで事件解決に挑む。次々と起こる難事件の中で、彼は自分の信じる正義を見つけられるのか――。

声優・キャラクター
下野紘、津田健次郎、鈴木達央、甲斐田裕子、小澤亜李、乃村健次、森川智之、平田広明、松岡禎丞、島﨑信長
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

継続と断念のあいだ

『アンゴルモア 元寇合戦記』にて時代感の演出にくすんだ色合いを用いるなどの実験的な試みが印象深い『アニマ&カンパニー』制作のオリジナルアニメです。

作品内容もそうですが、視聴の順序やリアタイ同期作品との兼ね合いなど外部要素によって継続or断念の判断が別れた気がしてならない、ちょっぴり運のない作品です。
初めに申し上げます。途中第6話をもって私は撤退しとります。

エルフやドワーフら異世界の住人が“なんとなく”調和している世界での刑事もの。
正義感溢れる新米刑事の主人公とやる気なさげでも敏腕ぽい刑事とのバディもの風であり、異能を持った仲間たちとの群像劇風な物語。一話完結のように見えてストーリーは進んでいるタイプの作品です。


■そのトクナナの面々

七月 清司(CV下野紘)
 : 新米刑事。人間
一ノ瀬 栞(CV津田健次郎)
 : 現場指揮官。人間
二条 クジャク(CV鈴木達央)
 : 情報分析担当。エルフ
四季彩 紅音(CV甲斐田裕子)
 : 戦闘分野担当。吸血鬼
ベルメール・サンク(CV小澤亜李)
 : メカニック担当。人造人間
遠藤 六輔(CV乃村健)
 : 戦闘分野担当。ドワーフ
桐生院左近零衛門(CV森川智之)
 : ボス。ようわからん


イマイチと感じたところを挙げると、

■イマイチだったところ

▼構成
事件規模や質で重要そうな回だと思ったら翌週しょぼい案件で肩透かしを食らう
 ⇒{netabare}第2話◎からの第3話△みたいなアンバランスさ{/netabare}
▼キャラ
主人公の正義漢ぶりが鼻につく
 ⇒捜査の邪魔です。
剣使いのお姉さま以外普通
 ⇒お姉さま以外は人間とどう違うのか差別化できてない
 ⇒剣で弾丸斬る系キャラ多いな。「蒟蒻は切れない」統一規格作ったほうがいいんじゃなかろうか
▼演出
緊迫感が伝わってこない。これが致命的だったかも
 {netabare}⇒テロリストの立て籠もるショッピングモール潜入作戦がお笑いレベル。気づかれちゃダメな場面で大声で会話する。制圧したテロリストを拘束せずに目の前で仲間割れの寸劇。だいたい七月が元凶 w
 ⇒だったらコメディに振ればいいのにシリアスを捨てきれないハンパさ加減{/netabare}
▼全般
どうにもこうにもファンタジー成分を活かしきれておりません


魔術は禁忌とされている社会において、その魔術を駆使して暗躍するウォーロック(CV平田広明)が黒幕担当として早々に登場し“トクナナ”と対峙します。
折り返しの第6話時点で、魔術描写は控えめ。そのうち何かどでかいものがきそうな気もする。主人公七月も覚醒する気配アリ。期待値ゼロではない。
しかしながらその期待値よりもイマイチポイントが足を引っ張り物語に気持ちが入っていかない。音楽や作画面でも特筆すべきものはありません。


及第点レベルには及ばずも普段ならダラダラ視聴継続してた作品でした。



■後追いだとワンチャンあるかも!?


冒頭述べた“外部要素”についてです。本稿の主題。なお本作とはあまり関係ないので畳んどきます。

{netabare}同期に覇権候補な類似作品があり、数多の同系統とは見劣りし、視聴時間も限られる今日この頃。
観る時期や視聴遍歴。その時の気分によって完走or断念やら作品評価に繋がることは否めませんね。
具体的には以下の通り、


1.刑事もんはこっち観りゃいいや
⇒同時期に『PSYCHO-PASS3期』やってます。同じく刑事もんといえばの『スタンドマイヒーローズ』は1話でさようなら。

2.この前のクールで…
⇒『コップクラフト』。異世界テイストでツダケンさん主役の作品と被る。バディの魅力で『トクナナ』は見劣りする。
⇒主人公のウザさでは2018年秋期『DOUBLE DECKER!』とどっこい×2。キャラや背景画の主に美術面で『トクナナ』は見劣りする。

3.今期は今期で…
⇒『ちはやふる3期』『ハイスコアガール2期』他好きな作品の続編に気持ちが移っております。『四月は君の嘘』『メイドインアビス』など再放送も充実してたり。
⇒たかだか2年弱のリアタイ追っかけ初心者の私ですが適量というのを理解してきております。クール終了もの20作品超はオーバーフロー起こします。


1.はリアタイだからこその比較なので後追いなら影響ないでしょう。ワンチャンありそうです。
2.はこれまで何を観てきたかによります。これからも視聴本数を重ねていく以上しゃーないことですね。
3.は自己都合。{/netabare}


これも巡り合わせというものなのでしょう。

それではお気に入りの剣使いのお姉さま、四季彩紅音さんのご健勝を祈念いたしまして、てったーい!



視聴時期:2019年10月~2019年12月   

------


2019.11.19 初稿
2020.07.08 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 46
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

残念

<2019/12/29 追記>
最終12話観ました。

雰囲気から予算はそんな潤沢じゃないんだろうな、とかは思ったけど、でもそれは仕方のないこと。
オリジナルだから原作ありに比べて物語・シナリオに当たり外れがあるのも仕方ない。

でもですね。
その物語・シナリオがすごくやっつけで作った感じがするのだけどどうなんだろう?
オリジナルってスタッフ側は多少なりとも気合入れたくなるものなのでは?

好きな世界観だっただけに残念です。

<2019/10/6 初投稿>
観始めなので評点はデフォルトの3.0です。

これオリジナルなんでしょうか?

「はるか昔、この世界にはエルフ、ドワーフ、吸血鬼、ホムンクルス、人間など数多の種族が存在していた(公式HPより)」
太古の時代には争っていたこれら種族も悠久の年月を経て「なんとなく」和解し、わずかな外見的特徴を除いてみんな人間みたいになった現代日本が舞台です。
文明も文化もまんま現代日本。

異世界モノに慣れちゃってるとこういう設定も良いですね。

今し方、1話観終えて。
うん。
意外と面白い。

まずキャラが立ってる。
なんせ物覚えの悪い自分が1話を1回観ただけで主要キャラの顔全部覚えたぐらいですから♪( ´θ`)

自分には珍しく早速お気に入りのキャラもできました。
日本刀のお姉さん。
ヨルムンガンドのココみたいでカッコ良い。

世界観も設定もなんか良さげ
まだ顕になってない部分も多そうなのであくまで雰囲気です。
良さげ。

そして物語。
いや1話面白い。
どってことないプロットなんですけどね。
展開と会話が面白い。

1話でいきなり{netabare}レインボーブリッジ破壊{/netabare} とか 笑。
封鎖は2回ぐらい見覚えあるけど{netabare}破壊{/netabare}はあんまり聞いたことない

で実際の{netabare}破壊シーンが案外ショボい{/netabare}ところもなんかリアルで良いです。

キャストもカラアゲニスト、つんちょ、鈴木達央さん、甲斐田裕子さん、小澤亜李さんと腕のある方が揃ってます。
つか、またつんちょ出てますね。

例によって浮かれてハードル上げすぎると痛い目見るのは自分なので本作もしばらくの間は薄目で観ていきたいと思いますが。

もしかしたら予想外の拾い物かも

<2019/12/17 追記>
10話まで観ましたが・・・・

何か物足りないんですよねー。

お話も設定もキャラクター造形もデザインも好み。
絵はお安いけど、でも気になるほどじゃない。
脚本が薄いのかなー。
セリフがなんか単調に聞こえてしまう。
演出も含めたメリハリが足らなく感じてしまう。
のっぺりとした印象。

拾い物かもと思ったりしましたが、
拾ったところにそっと戻そうかなと言う気分です。

もう直ぐラストなので中間評価です。
3.6点

投稿 : 2024/11/16
♥ : 36
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

アニオリでやる必要性を感じないくらいの、普通感。

[文量→小盛り・内容→各話感想系]

【総括】
アニオリの、警察モノ。

人間以外の多種族が暮らす世界を舞台にしています。

なんかこう、「可もなく不可もなく」。不快な要素はないけれど、これといった面白さもなし。

視聴を止めはしませんが、特に薦めはしませんかね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まあ、つまらない作品ではなかったけれど。

アニオリの良さって「自由度」と「完結できる」だとおもうけど、これだけベーシックな作りをするなら、アニオリの意味あるんだろうか?

あと、多種族の設定、意味あったかな? アニオリなのに、設定生かしきれてないとか、伏線回収出来なかったとか、たまにあるけど、なんのためのアニオリなのかな?とか思ってしまう。

だって、アニメ作ってて、オリジナルやれるなんて、1度あるかないかでしょ。滑っても良いから、もっとワガママに創ってほしいな。

印象に残ったのは、ホムンクルスで忍者だかな。
{/netabare}

【1話ごとの感想】
1話目「一は凶兆を、七は幸運を」☆3
{netabare}
津田さん、2期連続で刑事役、、、しかも、異種族モノの(笑) 主人公、死なない能力? 銃身ぶち抜くくらいの狙撃の腕があれば、レインボーブリッジ破壊せずとも、なんとでも出来た気がする。わざわざアニオリでやる必要ないくらい、王道な展開だな。

《今後の展望》
まあ、エンタメ逮捕劇を繰り広げながら、エアポートテロ事件の真実(ナイン)にたどり着いていくんでしょうね。種族間の対立も1つの軸にはなっていくんでしょうが、あまり、そういう「深み」にハマらず、単純なエンターテイメントとして、1クールを駆け抜けてほしいなと思います。
{/netabare}

2話目「捜査する二人」☆3
{netabare}
キャラクター紹介。ダサいコードネーム(笑) 今のところ、普通にエンタメ。ミステリーとは言えないけど。

《今後の展望》
多分、4話くらいで巨悪(ナインの親玉)というか、ラスボスの影がチラホラしてきて、9話くらいから、直接対決していくのかな?
{/netabare}

3話目「三重の罠」☆3
{netabare}
爆弾を小さくして、油断させといて術式で強化するトラップは良かった。解体の手順トラップは、まあ意味わかるが、最後の「ラストだけは切る順番を変える」のは、仕掛ける側からしたら分かるけど、解体できたのは結局、運だよね。説明もないし。

というか、いつも思うんだけど、時限爆弾って、なぜいつも制限時間が(結構)あるんだろう? 解体されるかを勝負したい愉快犯や、制限時間内に交渉するなら分かるんだけど、今回のように、無差別大量殺人が目的なら、自分が現場から離れるだけの制限時間があれば、充分だと思うんだけど。なんなら、時限爆弾でなく、起爆させても良いと思うし(爆弾の知識ないけど、無線とかで起爆できないの? それこそ、魔術使うとか)。

《今後の展望》
なるほど、局長はドラゴンなのか。どっか(11話くらい)で変身するのかな?
{/netabare}

4話目「四人の家族」☆3
{netabare}
家族を守りたいから家族に保険をかけるって、すでに論理が破綻してるよな。ボディガードや探偵雇う、あるいは、自分に生命保険かけるならわかるけど。状況証拠だけでいくんだな。だから、最終的に現行犯にしたんだろうけど。つか、血の繋がらない家族の話、最終的にスルーかい。

《今後の展望》
特七の面々が一人ずつ活躍する話が続いて、ナインとの対決か? 次は、サムライかな~順番的に。
{/netabare}

5話目「第五の封印」☆3
{netabare}
テロリストがLINEでやりとり。そういう「安易なテロリスト」というのは、ある意味現代的で、メッセージとしては優れていると思う。へ~、オスの三毛猫って、そんなにすごいのか。でもなんかな~。雰囲気が平和すぎる。

《今後の展望》
とりあえず、次でショッピングモール編は終わりですかね。なんか、アッサリ解決してしまいそうな気はするけど。
{/netabare}

6話目「六分間の死闘」☆1
{netabare}
いやいやいやいや、大声出しすぎ(苦笑) 七月のぶら下がり、うけたわ。振り子運動なんて、めっちゃ攻撃受けそうだけど。あと、あの状態(逆さ吊り)で弾を当てるって、めちゃくちゃ難しそうだけど、ルーキーじゃないんかい?

《今後の展望》
色々と残念な回で、次の視聴を悩むレベルです。作画的にも残念で、アクションシーンに迫力がない。

今回、いくつかの伏線が出されましたね。ウォーロックがドラゴンであること。七月清司とボスの繋がり(七月を助けた時に、なんらかの契約を結んだか、七月自身がドラゴンなのか)。謎の男が二条クジャクの兄であること(空き番の五番は、彼かな?)。

やや気にもなるんで、一応、次も観てみよう。
{/netabare}

7話目「七日目は惰眠」☆3
{netabare}
3人目(空き番)は、行方不明か。なんか、いちゃついてるぞ(笑) 日常回。これまでよりは普通に楽しかった。

《今後の展望》
「これが事実ならトクナナは終わりだ」は、何を示すのか。「トクナナの上層部が黒い」の意味か、「トクナナにピンチが迫っている」の意味か。多分、前者だろうな。
{/netabare}

8話目「八フィートの逃げ道」☆2
{netabare}
ベルメールの誘拐話。本編と関係あるか? 七月が落とさせたカバンの伏線はちゃんと回収してたけど、そんなに上手いとも思わなかったかな。

《今後の展望》
エアポート事件の犯人が来るみたいだから、次はその話でしょうね。脱獄するのか、むしろ、消しに来るナインから守る展開になるのか。
{/netabare}

9話目「九年の憤怒」☆2
{netabare}
やはり、守る系か。いやいや、廃工場あっても、普通、死ぬんじゃ? 仲間を信じるということだな。非常に綺麗にまとまっていたけど、やや物足りなさも感じる。作画は酷い。というか、ウォーロックが有罪になるとか、どうでもよくね? ウォーロックにとって、日本の司法なんて鼻くそみたいなもんだろし。

《今後の展望》
魔術的なものなのか、科学的なものなのか、あの目ん玉はUSBみたいなものか。次、竜が出るのね。兄貴か、ウォーロックか、室長か、七月か。兄貴だな。
{/netabare}

10話目「十番目の竜」☆3
{netabare}
ネタバレ回。想像以上じゃないというか、特別な驚きは何にもなかったな。

《今後の展望》
一番大事になるネタバレ回がこのクオリティというのなら、もうこのアニメに伸びしろはないかな~。後2話、ナインVS特7の対決になるんだろうけど、作画が期待できるアニメではないし、これ以上の大どんでん返し(例えば、ボスがナインのトップだくらいの)がない限り、☆3を超えることはないだろうね。
{/netabare}

11話目「11時の戦争」☆3
{netabare}
忍者でホムンクルスだから、特七が家族ってのは謂いな。娘との関係性も素敵。兄さん、わりとあっさり洗脳が解けたな。ボスも、あっさりネタバレ。

《今後の展望》
これ、兄貴がボスを倒す流れかな? 警察だから、殺さないで、逮捕するんだろうけど。
{/netabare}

12話目「ゼロからナナへ」☆3
{netabare}
タイトル、12はどうした? 信仰が強さになる、ということは人間に依存していること。確かにね。でも、なんかあっさりというか、普通にまとめちゃったな。
{/netabare}

総監督 栗山貴行 (アンゴルモア元寇合戦記)

監督 小坂春女(極上!!めちゃモテ委員長・セイント・ビースト など)

シリーズ構成 東出祐一郎(Fate/Apocrypha)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23

59.4 5 オリジナルアニメーションで謎解きなアニメランキング5位
パンチライン(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (440)
1978人が棚に入れました
「パンツを見たら人類滅亡!?」
とある事件をキッカケに幽体離脱してしまった高校生の伊里達遊太。
自分が住んでいるアパート、古来館で目覚めた遊太は、
突如現れた猫の幽霊、チラ之助から「肉体を取り戻したかったら、
古来館のどこかにある聖典を見つけるのら~」と告げられる。
かくして館内の捜索を始める遊太だったが、
そこで住人である女子のおパンツ様を目撃した瞬間、地球にトンデモナイ災いが…!!
遊太は特殊な霊力を使って住人達の暮らしに干渉。
ときに秘められた謎を解き明かしていったりしながら、人類滅亡の運命に立ち向かっていくことになる。
はたして彼らは最高にハッピーでピースフルな未来を迎えることができるのだろうか!?

声優・キャラクター
井上麻里奈、雨宮天、寿美菜子、釘宮理恵、戸松遥、吉田有里
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

宮沢賢治(?)礼讃

ノイタミナ枠のオリジナルアニメ。2015年制作。
監督は知られざる名作「ダンタリアンの書架」の上村泰。
両作品とも丁寧につくられた、全体にクオリティーの高いものだ。
ただしこちらには、「無駄に」という付け足しが加えられてしまうだろう。
ランキングを見ても一目瞭然、驚異的な低評価アニメである。

「パンツを見たら、人類滅亡!?」
このぶっ飛んだキャッチコピーそのままの暴走感で前半部は突っ走る。
冒頭いきなりのバスジャックに、バス暴走に、謎のヒーローの登場。
説明もなしに現れた奇妙な猫から謎のミッションが与えられ、
唐突に人類が滅亡する(!)。かと思えば、いつのまにやら
怪しいアパートの、怪しげな住人たちによる日常パートが始まっていたり…。
この勢いに振り落とされ、早々にかなりの数の脱落者が出ることになる。

その先もまさしく、ありとあらゆる設定のてんこ盛り。
小惑星の落下による人類滅亡の危機を回避するために、タイムリープで過去に戻るSF設定。
そこに、何度でもセーブポイントからやり直す、ゲーム的要素が加わり、
幽体離脱やら憑依やらといった、オカルト的要素に、ネット上の殺人予告からはじまる
サスペンス風の展開に、アパートの住人たちの人情ドラマ風の交流があり、
天才博士が造ったロボットがいたり、悪と戦う正義のヒーローがいたり、
ど派手な戦闘シーンやらチャンバラが繰り広げられ、心に沁みる再会の物語があったり…。
これだけでも目まいを起こしそうなのに、さらにこれを二倍、あるいは二乗して
ややこしくする仕掛けまでが組み込まれている。

さすがにここまで来ると、何も考えずに詰め込んだ挙句、
うっかり招いてしまったカオスとは到底思えない。明らかにこれは確信犯だ。
思うにこれは、今までにない新しい物語世界を生み出すチャレンジだったのではないだろうか。
コメディーとシリアスを本格的に融合させた、笑いあり涙あり、
歌に踊りに、パロディーにお色気、娯楽成分をたっぷり加えた
賑やかで心躍る、極上のエンターテインメント作品の新たな創造。
破綻の危険を冒してでも、あえて限界に挑戦しようとする、
クリエイターたちの冒険心のようなものがここには感じられないだろうか。

おそらく誤算だったのは、制作者の想定以上に視聴者が保守的だったことだろう。
規格外の遊び心は、彼らにはただのおふざけと感じられ、不興を買った。
さらに構成上の問題として、このアニメの前半6話がすべて後半の布石になっており、
ストーリーの本筋が始まるのはこの折り返し点を通過してからという決定的な難点があった。
このアニメの真価は後半にこそあるのだが、結局それはほとんど理解されず、
訳の分からない前半部の、消化不良の印象ばかりが残るという不幸な結果になった。

参考までに、後半のストーリーに関するやや考察風の覚書を以下に記そう。

{netabare}
著名なゲームクリエイター、打越鋼太郎が練り上げた本作の特徴として、
タイムリープに幽体離脱を掛け合わせるという、独創的なアイデアの他にも、
通常なら平面的なネットワークで表せるような登場人物の関係図が何と三通り、
重層的に相関し合って存在し、それぞれが異なった固有のフェーズを形成するという
このアニメ特有の複雑な構造を指摘できる。

第一に主人公の遊太とチラ之助、これは物語に対してメタレベルの機能を担った部分。
第二がストーリーの軸になっている、遊太と古来館の住人たち。
そして第三が、運命的な再会を果たす三人の子供たちの関係。

この第三のフェーズこそが、物語の核心部である。
後半のシリアス展開は、第1話冒頭からすでに暗示され、伏線を張られてきた
このフェーズが本格的に前面にせり上がってきた結果であり、
前半には見られなかった繊細な心理描写を中心に、徐々に迫真の度を加えつつ
物語はクライマックスをめがけて一気に加速してゆく。

正義のお助けマン、その名も「宮沢賢治」。
前半、見るからに怪しいキャラクターとしてネタ風に描かれていた彼が、
その本来の「記号」としての意味を表すのも、このフェーズの文脈の中である。
悲壮感を帯びて、絶望の底から立ち上がる彼の姿には、本作のテーマのひとつ、
真のヒーローとは何かという問いへの答えが、おそらく託されている。

なぜ「宮沢賢治」なのか。その答えは、最後に遊太が選択した行為にある。
星空の彼方に消えてゆく彼の姿にそれははっきりと集約され、象徴されている。
みかたんのために、ごく自然に、ためらうことなく自分を投げ出す彼の「自己犠牲」。
賢治作品を貫く精神へのオマージュともいえるものが、確かにここには認められる。
宇宙が浄化されてゆくような、壮大なラストがもたらす感動は神アニメ級と言ってよい。
{/netabare}


タイトルの「パンチライン」は、ジョークやコメディーの「落ち」の意味だそうだ。
最終話のサブタイトルにもなっているから、そこにオチがつけられているのだろうが、
今一つ判然としない。最後まで謎のままだったチラ之助の正体と結びつけると、
一つの仮説らしきものが思い浮かぶが、長くなるので次の点だけを指摘しておく。

本作を構成する三つのフェーズのそれぞれに対応した三通りの結末があるとする。
第三のフェーズ、すなわちシリアスパートに対応するラストは上に記した通りなので、
当然「オチ」は、残るコメディーパートに対応した結末の中にある。
シリアスなラストと、コミカルなエンドとが、最後の最後まで絡み合っているわけだ。
やれやれ、とにかくこのアニメは救いようもなく、ややこしく出来ている。

わざわざおパンツを真正面に掲げて世間の顰蹙を買いに行くあたりにも
下品さからは逆に程遠い、上質な韜晦の精神を自分は認める。
カオスであるよりは、真にアナーキーなものの刻印がそこにはある。
これほどまでに野心的な快(怪)作は滅多にあるものではない。
自分のお気に入り棚の、不動の一点である。

(・・・ですのでどうか、公式のヴィジュアルを使ったまともなサムネにして下さい。
 ロゴだけって、運営はこのアニメに何か怨みでもあるのか…?)

(初投稿 : 2019/07/15)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ever17は問題点こそ多かったけれど、紛れもなく傑作だった。ではこの作品は・・・?

視聴開始時レビュー

『パンツを見たら人類滅亡!?』というわけのわからないキャッチコピーのパンチラアニメ
いわゆるお色気アニメ枠だと思ってっ気楽に観ている分にはいいですが
正座してじっくり見ようとするといろいろカオスすぎてちょっと疲れます
というのが3話まで見た上での雑感です
スタッフを知らずに見ていたら多分もう切ってますね

しかし

脚本:打越鋼太郎

となればゲームオタクとしてはチェックしないわけにはいかないですよね?
打越鋼太郎と言えば経営難で潰れてしまったKID時代の
代表作Ever17などのinfinityシリーズや
チュンソフト(現スパイク・チュンソフト)移籍後の極限脱出シリーズなど
良作のAVGを輩出してきた人気シナリオライターです

最近エロ・非エロ問わずゲーム業界で名の通ったライターが
オリジナルアニメに携わることが増えています
やはり虚淵玄がまどかで大成功したのが転機だったように思います
それ以前にもABの麻枝准や。犬日々の都築真紀(なのははオリアニに含めるのか微妙)などがありましたが
虚淵以降はシンフォギアの金子彰史。ズヴィズダーで星空めてお。ゆゆゆのタカヒロなど
パッと思いつくだけでもこれだけのシナリオライターが
人気を博した自身のゲーム作品のアニメ化ではなく
完全なオリジナルアニメに原案や脚本などで関わって
アニメ業界に参入してきています

3話まで見た限り
馬鹿馬鹿しいノリのお色気ギャグアニメと見せつつも
何やらこそこそ伏線っぽいものを撒いてみたり
時系列を弄ってみたりと
後半に向けていろいろ仕込んでいるように見えなくもないです
特に時間に関するトリックは打越鋼太郎の18番ですから
これは後半化ける可能性もあるんじゃないかな?
なんて思っています

なので頭使わずにぼーっと見てればいいアニメ
だと思っていると痛い目見るかもしれないです

しかし一年くらい前には「星空めてお」だし!と
きっとそのうち面白くなると信じて観ていたら
面白くなる前に終わってしまったアニメもあったので
このまま視聴者を置いてけぼりのまま
明後日の方向にゴールする可能性も否定できません(・x・;

視聴後レビュー

手放しに面白かったと言えるレベルには達していませんが
つまらないとか駄作だとは決して思いません
というか尻上がりに面白くなっていったと思うし
序盤から撒き続けてきた伏線を一気に回収して迎えた
終盤の怒涛の展開はまさに打越作品らしい出来栄えです

大小様々な伏線を丁寧に撒いていき
それらが少しずつ紐解かれていって
最終的にはジグソーパズルが組みあがるように
壮大な一つの絵を描き出す
冷静になって細かい粗をあげつらえばきりがないが
プレイ中はそんなものどうだっていいと思えるくらいに
ぐっと引き込まれるのが彼の作品の魅力だと思います

パンチラインにおいても緻密に幾重にも折り重なった伏線
要所要所で予想だにしないどんでん返し
視聴者を楽しませるための仕掛けはきっちり用意してありました
しかし残念ながらそれらがうまく機能していませんでした

理由はいくつか考えられると思います

まず第一にこれがゲームではなくアニメだったこと
前にどこか別のレビューでも書きましたが
ADVゲームで自分で考えながら手に入れた情報と
アニメの画面から自動的に垂れ流される情報では
意識の定着度がまるで違います
しかも全体像が見えないままただ伏線ばかり撒き続ける作業が
前半6話分に渡ってだらだらと続けられているうえ
そこまででも時系列が飛んだりとかなりわかりづらい部分が多いです
脚本が打越だと知っていたから我慢してみようという気になったものの
中盤までははっきり言って観ていて疲れるだけのアニメでした

次に問題だった点は
何回も人類を滅亡させながら
時間を巻き戻しループさせていく設定が
最初から明示されているおかげで
物語の中で死の持つ意味を薄めてしまっている点
死人が出てもああそのうち生き返るんだねって具合に
ドラゴンボール並に死という概念が軽いので
盛り上げなきゃいけないところでいまいち盛り上がらないんですね

第三に、伏線を撒いていく間視聴者を牽引するガジェットとして
何を血迷ったかパンチラを選んだこと
このパンチラに喜んで飛びつく層は
難解なループものの謎解きになんか興味を持ってくれません
逆に本来ならばこの作品を楽しめるはずの層は
無意味にパンチラを連発してもちっとも牽引できないか
あるいは逆に敬遠して離れていってしまう気がします

っていうかそもそもあれパンチラじゃねぇよパンモロだよ
チラリズムってのは本来
見えないのが普通で意識もしないものを
わずかにチラ見せする事で強く意識させ
想像力を増幅し喚起させることによって
見えそうで見えないシーンを引き立たせる手法なのであって
ごくわずかな見えているシーンを使って
見えていないシーンをいかに際立たせて魅せるかが勝負なの
この作品の下着描写にはチラリズムの美学なんか全く存在しないわけ
ただ単に女の子の下着が観たいなら
みんなノイタミナじゃなくてAT-X観に行きますよってお話

まぁそれはさておき
途中までは正直面白くないんだけど
そこで切ってしまうのは勿体ない作品だなぁと思います
途中で脱落してしまった人も
長編映画でも見る気分で全話一気観してみたら
それなりに楽しめるかもしれませんよ?

投稿 : 2024/11/16
♥ : 32
ネタバレ

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

フジテレビの良心ともいえる教育的パンチラアニメ。テレ東とは違うのだよ、テレ東とはw。

2015年放送のオリジナルテレビアニメ 全12話 ノイタミナ枠

監督 上村泰 脚本 打越鋼太郎 キャラデザ 岩崎将大 音楽 小室哲哉
制作 MAPPA

原作の打越鋼太郎がゲーム企画していたものをテレビアニメと同時制作。
キャッチコピーは「パンツを見たら人類滅亡!?」

「パンチライン」とはコメディのオチを指す言葉で「パンチラ」とかけたもの。

ゲーム企画らしく、セーブポイントへの巻き戻しという発想で出来た作品でして、
ゲーム作家の得意な分野の作品です。

「ひぐらしのなく頃に」「魔法少女まどか☆マギカ」「シュタインズ・ゲート」「シャーロット」「REゼロから始める異世界生活」
などと同様の発想の作品です。

伊里達遊太 CV井上麻里奈
成木野みかたん CV雨宮天
曳尾谷愛 CV寿美菜子
台初明香 CV釘宮理恵
秩父ラブラ CV戸松遥

以上5人で「パンチラレンジャー」かな

まあ、90年代以降の主要アニメの要素を全部ぶっ込んだような、
ごった煮スラップスティックエロSFコメディアパート住人ものアニメです。
声優に関しても、なんでこんな取り合わせ?と思いましたが、
役柄にあった良く考えた人選だと思いました。

小惑星激突による人類滅亡を回避するために主人公遊太が戦う。
というのが根幹ですが、あまりにもアイディアを詰め込み過ぎて、
伏線と伏線が絡み合い、キャラの会話がかみ合っていないように見えたりして、
物語と言うよりパズルのような様相を呈しています。

ただ、最初からアニメ用として練られた物語と言うことでは、
上記過去作品では「まどマギ」に近く、理想的な構成で破綻無くラストへ向かって突き進みます。

これ、当時は数話観て意味が分からず切ったんですが一気見なら問題なく楽しめますよ。
某5chではワーストアニメ扱いですが、どこがワーストなのか理解に苦しみます。

主人公はアニメとしては非常に珍しい{netabare}女の漢{/netabare}です。

不遇な小室哲哉氏の抜擢など、フジテレビの良心と言ってもいいような良作でした。

目玉となるパンチラですが、エロと言うよりはコメディタッチに統一されて、
女性が見ても楽しめそうな図柄で、流石は女性向けとして始まったノイタミナ枠だと感心しました。
ラストシーンのとあるパンチラなど女性が見てもグッとくるような物語性を感じました。(たぶん)
その子のファッションが最高に可愛いですしね。

バトルなども必要性が感じられ、無駄な部分の非常に少ない作品でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 31

63.8 6 オリジナルアニメーションで謎解きなアニメランキング6位
Re:␣ハマトラ(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (489)
3188人が棚に入れました
多くの謎と衝撃に包まれた前シリーズの最終回。
横浜の街が大混乱に陥ったあの事件から三か月が経ち、カフェ・ノーウェアの面々にも日常に戻っていた。そんな中、ムラサキは、はじめとコンビを組み、再び探偵を始めていた。
まさかの再登場を遂げたと思えば、旧友のナイスに銃口を向けたアートの真意とは…!?アートとハマトラの関係は、どうなっていくのか…!?
アニメーション制作スタジオにLercheを迎え、ロゴも新たに生まれ変わった「Re:␣ ハマトラ」。
前シリーズで、悩みや葛藤を抱えたキャラクターたちが辿り着く応えリプライ、そして闇に包まれた謎が、遂に明らかになる!

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

2期になって一番強化されたのがレイさん

異能バトルギャグアニメです
1期より様々な点で面白くなったと思います

物語が大きく動き出し、展開を楽しめたこと
思ったより綺麗にまとまっていたこと
キャラの個性がより引き出されたこと


私個人としては3つ目がハマトラという作品においては
非常に嬉しいポイントです

まず、ムラサキがネタ要員にされてて笑いました
ハジメちゃんが可愛すぎることにも気付きました
ハニーやコネコも悪くないですけどね
そして何よりスーパーサイヤ人化したのがレイでした
かなりの毒舌家になっており、とても笑えました
1期からこんなキャラだっけ?
彼女の一言一言がいちいち面白かったです


音楽面でもパワーアップしていました
まぁこの点においては主観ですね
特にED曲が私好みの温かい曲で気に入ってます


ハマトラらしさ全開の2期でした
そういう意味では特に7話が最高でしたね

ストーリーもわりと好きなほうですが、
やはりハマトラはギャグアニメとして評価したい作品です

投稿 : 2024/11/16
♥ : 30

るーぐる さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

やぶからスティック!

 超能力「ミニマム」を自在に操る便利屋、ハマのトラブルシューター「ハマトラ」。衝撃的な最終話をむかえた第1期、そのすべての謎を解明していく。

 第1期で放置された伏線をほぼすべて回収。シナリオやシリーズ構成は第1期と同様に文句なしの完成度!テンポよく展開していくので中だるみせずに最後まで視聴しやすいシナリオ。毎回腹が痛くなるまで笑わせてくれるネタもハイクオリティで健在!
 気軽に視聴できるのでまだ視聴してない人はぜひ!!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

B級ご当地異能サスペンス

能力者(ミニマムホルダー)のコンビ探偵、ナイスとムラサキの活躍を追う
異能アクションその2期。


1期はミステリー好きの血が騒ぎ乗り気で観たが
内容作画等どれも落第点でガックリさせられた作品。
せめて散らかった謎が回収されることを望み観る事にする。

楽な気持ちで1話目を観たが滑り出しとしてはまずまず。
作画も少しはマシになっていて横浜の街の再現力はスゴかった。
ただし続くかが問題。
事件としてはまずは顔合わせという感じで仲良くみんなで解決。
ナイス復活もまぁお約束。
コミカルな要素も健在でテンポも良く事件と上手く組み合わさり楽しめた。
1期のグダグダっぷりから考えると成長した気はするがまだ信用はしていない。
次回以降も楽しめればいいのだが…。

【人物メモ】
<ナイス>探偵:ヘッドフォン付けて音速移動
<ムラサキ>探偵:メガネを外すと怪力
<バースディ>便利屋:蓄電すると強力放電
<レシオ>医者:眼帯外すとアナライズ&強化籠手
<はじめ>??:食べ物のことで頭一杯 アメ食べて風(衝撃波)使い
<アート>警視:ハマトラ理解者で事件解決に利用もする存在
<コネコ>仲介屋:メガネ&しっぽの仲介屋さん
<マオ>情報屋:中華街の情報屋さん
<ハニー>ボディガード:トラペロ(チョコ)食べて解析、10分後予知
<スリー>ボディガード:本を読んで獣人化
…あと、しまじろうみたいな奴が出てくるけど謎。

※2話感想{netabare}
ナイスの生還の謎は明かされましたが
アートならあの状況でナイスが死んでない事判りそうですけどね。
手応えも怪しかっただろうし、葬式の意味あったのかな?

モラルがミニマムの力を与える平等を目指したのに対し
アートはミニマムの力を奪う平等を目指しているのでしょうか?
ミニマムホルダーと人間の丁度中間の立場から導き出した結論なのだろうけど
今いるホルダーだけでなく、これから生まれるホルダーに対しても
こうやって自分勝手な正義を押しつけて行くつもりなのでしょうか?
不死だから背負うって事なの?
今まで上手くミニマムホルダーとも人間とも折り合いをつけてきた彼が何故?
アートが変わってしまかに見えますが死の淵で何かあったのか、
それと1期7話のアートに似たもう一人の存在(たぶん弟)もどうなってるのか
色々と気になってきます。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
殺人超音波男以来となる、また訳の分からない殺人ミニマムホルダー佐村ゴウっち登場。
せめて「絵を見た人の精神コントロール」にしておかないと酷すぎる。
時々こういうの登場させて下劣な悪を演出するのが好きなようですが
無理矢理が過ぎると観ていて冷めます。

そして2期からナイスのミニマムに5m制限も追加されました。
前期まで遠慮なく動き回っていたのに…後付けじゃないか!
こういうの観るとちゃんとシナリオ練って作られたのかが疑問になります。
ハニーの幼児化も予知封じの強引な都合合わせになりそうな気が…。

前から気になっていたアートの弟もチラッと登場。
幼児化したハニー、盲目になった佐村、そして最恐とも関連して来そうです。(願望)
うまく絡んでミステリーとして楽しませて欲しいですね。
【予想】{netabare}1期で出た「脳標本」が最恐であり彼(アート弟)な気もするんですが
脳として生きていて暗示のミニマムでも掛けてるのかな?
発動条件はミニマム使用か流れる数値や景色を見せる事?
ハニーに憑いてる可能性もあるのかな?

アートは彼を再生させたいのかも。
{/netabare}{/netabare}

※4話感想{netabare}
ハニーの父ちゃんが外道過ぎる。
未来視の可能性なんて幾らでもあるのに
暗殺がベストでしかも娘にやらせるとは頭がイカレてる。
…こんな奴あり得ないだろ。もうハニーとの確執どころじゃないよ。

それとフリーマムの造型ミニマムホルダー。容姿もツッコミたいけどそれよりも
「死の恐怖に歪んだ顔を見る」のが発動条件とか言って…
拷問するでもなし、あの方法じゃ不確定要素満載で表情見られないと思うんですがね。
千里眼のミニマムホルダーがいて見られるって事におけばいいものを。
理不尽さが目に余る無茶な設定&ストーリーに成って来たかも…。
{/netabare}

※5話感想{netabare}
アートのやりたい事にはゴチャゴチャと条件があるらしいし、
みんなの能力不調や三年前の事故とも絡んで混沌としてきました。
ガスケを死に追いやってまで成すべき事って何だろうか。

「フリーマム」って自由に生きたいミニマムホルダー集団って自称しているけど
殺人や暴力ばかりでまるでギャング。
志を感じないので好きになれない。チユリは何処に惹かれたのかな?
この作品、本当にサブキャラの魅力の描き方が稚拙で嫌になる。
もうチョイどうにかならないものか。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
ムラサキの葛藤…そして死!?

どうも、キャラを死なせれば話が面白くなると思っている節があるが
それなりの理由と描写がないと引き込まれないよ!?
再生のミニマム見せつけられてるのでどう転ぶか判らないけど、
安っぽさが増してきた気がする。
ミニマム能力の衰えもちゃんと理由があるのか疑わしくなってきたしチョット不安かも。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
ムラサキが死なずに済んで良かった訳だけど、
このタイミングで思い切りギャグ回にして緊張感ぶった切って良かったのかな?
見てるコッチが戸惑っちゃったけど大丈夫?狙いがあるなら良いんだけどさ。
ムラサキの発射ネタは、AB!の日向の持ちネタじゃないのかな!? コッチも大丈夫?
{/netabare}

※8話感想{netabare}
8話という折り返し地点で散らばった欠片の回収が始まり概要が見えてきました。

ハジメちゃんはミニマム能力を奪うミニマムの保持者でみんなの能力劣化の原因。
1期の攻撃エフェクトで衝撃波使いだと思わされていたのでまんまと騙されました。
納得する所もあるけど、幼児化や異常行動については曖昧なのでもう少し知りたい所。
子供の頃の暴走でナイスの能力が減退してないのは何故かというのも気になります。
それにしてもファクルターズおっかねぇおっかねぇ。

そして黒幕・最恐の正体は1期で登場のお花屋さんハッカー。
まさかのマイナーキャラだし、アートの弟を気にしたりしていたので
これも予想外でした。
想像以上に「お金」と「権力」持っている御仁。
権力についてはツッコミたい気持ちもあるけど今後明かされるかも知れないなので
静観しておきます。

原因が自分だと悟ったハジメちゃんの今後の言動が気になりますし
アートの望みがまだ判明しておらず、更に弟との絡みもありそうですし
まだまだ底の深いストーリーになって来る…といいな。
{/netabare}

※9話感想{netabare}
ハジメちゃん悩んでるなと思いつつも笑顔が戻って一安心!
…と思ったのも束の間、何処かへ…。
上げては落とすこの作品のパターンなんだけど、やはり心配です。

アートの方は大層な演説してたけど、フリーマムが悪すぎなので響かない。
この作品の悪の描き方が丁寧なら色々思うところはあるんだけど終始チープだからな…。
{/netabare}

※10~12話感想{netabare}
終盤にガッツリ&ギッシリとピースをはめ込み辻褄がシッカリ組み合わさりました。
強引だしツッコミたい所もあるけど、
一応持ち直してちょっとは観られるレベルになってくれた印象。
(どうにか畳めたとは思うけど褒めてるわけでない)

説明足りてないけどどうやらあの時、
ナイスの心臓にアート弟の心臓をモラルが移植して文字通り救ってたわけね。
んでここに来て発動してハジメちゃんのミニマムを再度相殺してめでたしエンドへ。

しかしアートは頭良いように見えてアホな大事件を起こしてしまったよね。
辛いのは判るけど虚無の世界が正しいと言う結論にしてしまうなんて…。
んで、何故か命は取り留めて元の生活を取り戻すみたいな終わりなのだけど
この罪償いきれないような…ガスケさんやら亡くなってるし。
あわよくば続くのかな?
{/netabare}

【総評】
普通に観たら1期で断念していたかも知れないが
ミステリーやサスペンスが好きで地元横浜のアニメという事でどうにか完走しました。
実りがあったかと言えば微妙ですが、
1期の作画のひどさやストーリーのグダグダさから考えると大分成長の跡は見られます。
まぁそれでも敵味方共にキャラが薄っぺらくチープさは拭えなかったですが…。
話としては強引だし付け足した設定とかもあり、言いたい事も少なからずありますが
一応畳んでケリを付けているので作品として形にはなっています。
せめてもう少し主人公達の魅力が伝わってくれば感情移入できて及第点を
あげられたかも知れないのですが、あと一歩と言う評価です。

サスペンス好きなら観られない事もないですが1期ヒドいし引きつけるモノも
薄いので途中でダレちゃうかも。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 25
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