オカルトで小説なTVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のオカルトで小説な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月19日の時点で一番のオカルトで小説なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.6 1 オカルトで小説なアニメランキング1位
虚構推理(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (580)
2367人が棚に入れました
怪異"たちの知恵の神となり、日々“怪異"たちから寄せられるトラブルを解決している少女・岩永琴子が一目惚れした相手・桜川九郎は、“怪異"にさえ恐れられる男だった!?そんな普通ではない2人が、“怪異"たちの引き起こすミステリアスな事件に立ち向かう[恋愛×伝奇×ミステリ]!!2人に振りかかる奇想天外な事件と、その恋の行方は――!?

声優・キャラクター
鬼頭明里、宮野真守、福圓美里、上坂すみれ、浜田賢二、佐古真弓、下山吉光、本山かおり、塙真奈美、後藤ヒロキ、宮田幸季、前田玲奈、飛田展男、大南悠

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

2020年冬クール開始前から期待の一作、出だしは好調! 第3話後半より「鋼人七瀬事件」に突入!

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第1話を観ました。評価は暫定です。

放送開始前から楽しみだった一作です。作品ジャンルは「伝奇ミステリー」とかそんな感じ。

きっちり1話を使って妖たちの間での岩永琴子の立ち位置であったり、桜川九郎の能力であったりを説明してなおかつ1つの「事件」を次に引きずることなく解決する。でも九郎が何者なのかはハッキリとは明かされず次話への興味を引っ張るという、シリーズ物の第1話としてはかなり上出来なエピソードでした。

琴子のビジュアルと、声や性格のギャップは人気を得る要素になり得そう。視聴継続の判断を1話できっちりとできそうな感じでとても良かったと思います。
== [第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2020.2.3追記:
第3話後半から「鋼人七瀬(こうじんななせ)事件」編に入っています。第1話が原作1巻プロローグ部分をコミカライズ時に膨らませたもの、第2話~第3話前半が原作短編集に含まれていた1エピソードだったのに対して、「鋼人七瀬(こうじんななせ)事件」は原作小説ほぼ1巻全部に相当するので結構話数を必要とするはずです。

作中でアイドル七瀬かりんのSNSアカウントや、「鋼人七瀬まとめサイト」が出てくるのですが、これらをわざわざ作成しているこのアニメの制作スタッフは良い意味でアホです(笑)。

七瀬かりんtwitter: https://twitter.com/karin7se
鋼人七瀬まとめサイト: https://www.kojin7se.com/

第4話に出てきた、作中ドラマ『青春!火吹き娘!』のOP主題歌も力が入っていますね。

2020.3.29追記:
最終話まで視聴終了。

結局、「鋼人七瀬事件」で終わりましたね。原作は短編集も含めて文庫3巻分しかないので、それほど潤沢に原作エピソードがあるわけでもないということを「こんなものか」という気もしますが、1クールのアニメ作品として見ると「鋼人七瀬事件」に尺を使いすぎてテンポが良くないという見方もあると思います。

私の場合はそこは置いて映像化自体を喜んでいた口ですが、合わない人もけっこういたんじゃないでしょうか。

作画は画が崩れたりはしないのですが、なめらかでない動きなどもあって手放しに「良い」というほどでもないです。(それでも最近だと良い方かも?)

投稿 : 2025/02/15
♥ : 55
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

観終わった

5話までの感想{netabare}
えっ、監督後藤圭二なのか、何故か自分は勝手に経営側に回って現場は退いたのだと思ってた、トンだ勘違い、ホント何でだろー?
じゃあキャラデザは門之園?と思ったらそうじゃないみたい、けど門之園の雰囲気がする、名前変えて参加してるのか?そこんところよく知らんから参る。

でもって内容。
どうしても自分は「人間がアヤカシの類とおいそれと関わってはマズい」という価値観が染み付いてて、もっと言っちゃえば関わってる間に人間ならざるものに段々と変容してしまうんじゃないか?という思想が根底にありまして。
一体何の影響だろう、ゲゲゲ?
ということで1話見た時点では「そうそう、こうだよこう」と妙に納得。
そういえば“かくりよの宿飯”では幼い頃にアヤカシから食い物の施しを受けて「あれ食ったのはヤバいんじゃないか」とよもつへぐい的な印象を持ったのだけど、全然そうじゃなくて「あれー?」となったのを思い出したりもしたり。
自分はやっぱこっち(なにかリスクがある)の方がシックリ来るなぁ。
と、1話の感触は上々だったものの2話で方向性がよく分からず困惑、そして3話でやーっとこの作品の方向性が分かった気分。
人間から見たらアヤカシの価値観なんて道理が違いすぎて理解し難い、それはアヤカシから人間を見た時もそうだろう、琴子はそれの間を取り持つ──事実はどうあれ納得させる屁理屈をでっち上げる──のがこの作品のテーマかな?と。
ってか3話Aパートまでが2話の続きで構成が変則的だねぇ、2話終わった段階で「え、まだこの件続くの?」と思いかけてたくらいで、Aパートで終わってよかったんだけどさ。

が、4話から再び戸惑うことに。
また続くんかい!ってかアイドルのPVシーン思い切り監督の趣味だろwww
そんなんで時間稼ぎして引っ張って、なんかイヤ~な予感がするんだけど…。
そして5話、予感的中。
人の噂話などの集団心理が具現化してアヤカシになるって…怪奇モノやオカルト系では超メジャーじゃない?それこそよもつへぐいよりも。
題材にするのは構わないのだけどそこまで引っ張るほどのネタかなー?
同期放送の“自縛少年花子くん”なんか第二話の中でサラっと触れてサラっと解決してたし…もうひと捻りあるのかな。
ってかホラ、大蛇の件でも触れてたじゃない?人からの信仰が薄まって弱くなった、みたいなの。
鋼人七瀬も同じじゃん?
大蛇の時点で「この作品世界ではそういう法則なのねー」ってのは出来上がってて、5話は伏線どころか公開した設定を謎のトリックにしただけで…なんだコレ?
なにより大して驚くようなネタでもないのに話が長い、アクションも冗長、あっるぇ~?

…と思ったら、アニメは原作と順序が違うらしい。
あらー、じゃあアニメスタッフが順番入れ替える際に調整ミスしたってことか?
とにかく妙に引き伸ばし感を感じる、ヘタに引っ張らなければ気にしなかったのに…。
「原作のここまでをアニメにする」ってのを決める時、かなり巻数が少なかったとか?{/netabare}

6話感想{netabare}
6話は終始「ああもう分かった、分かったから話進めてくれ」って感じ、朝礼の校長挨拶かな?
噂が力を与えてるので別の噂を流しましょうってだけの話で、「想定される問題」は実際に問題にブチ当たってから説明すればいいよ、もう。
ってか簡単な話を簡単に説明するのと簡単な話を難しく説明するの、どっちが賢いんだろう?
難しい話を簡単に説明できるのが最も賢いと思うので、その正反対は?と考えると…うん。
ところで、単純な事件をゴチャゴチャとかき回してズルズルと時間を引っ張るのをネタに昇華したギャグ作品で、実写だけど“33分探偵”ってのがありまして。
なーんかこれ見てたらそれを思い出して仕方なかった、「なんやかんや」の部分をアヤカシに置き換えてつまらなくした感じ。

ま、まぁこれはね、↑でも書いたけど“自縛少年花子くん”と放送時期が被ってるせいかもしれない。
あっちはあっちでオガメグとツダケンが何喋ってるのか聞き取れなくて困ったことになってるけどw{/netabare}

8話までの感想{netabare}
話は置いといて絵について。
派手なアクションがあるでもなしキャラ数が多いワケでもなし、絵を描く側としてはそれなりに余裕があるのだろうか。
ってことなのか、六花の「痩せギスっぷり」はよく描けてるんじゃない?
自分はそうじゃないけど、世の中には枯れ木のようなガリガリのヒョロヒョロが好みって人も居て、そこら辺のフェチは感じたw
他のアニメでこういうキャラは大体目の下にクマがある程度かもしくは極端にブサイクに描かれて、ここまでガリガリに描いておいて美女ってのは珍しいと思う。
さすが絵描き上がりを監督に就けただけはある、と言っていいのかな?(話は置いといてね)
しかも六花は人魚肉食って不死、見た目ああでも多分健康には問題無くて、痩せギス好きには理想に近いんじゃなかろうか。
そりゃ九郎も惹かれるわw
それと同期放送の“異種族レビュアーズ”が対極的にムチムチした肉感的(時にはデブ)なのが大々大好きなうのまことが大暴れしてて引き立ったせいもあるかも?
(逆に、果たしてレビュアーズは痩せギスを描けるのか?ってところも興味湧いてきたり)
↑で書いた様に“花子くん”とネタ被りしてツイてないなぁと思ってたけど、レビュアーズと被ったのはラッキーかも?{/netabare}

9話感想{netabare}
ネット世界のイメージ映像、ナデシコのルリやキディグレイドのリュミエールを思い出した。
ああ、これで後藤監督を起用だったのか?

ただ…こればっかりはどうしようもないのかなぁ、ディテールが現実に対しチト古い、作中時代は一昔前だっけ?
今だったらネット上の主張合戦は掲示板だけでなく動画投稿が大きなウェイトを占めるんじゃないかな、ゆっくり辺りに喋らせたヤツ。
原作を発表してヒットして、アニメ化が決まって作って、放送されるまでのタイムラグは避けようがないか。

で、もしコンクリブロックで撲殺したなら鑑識でバレるんじゃない?ってツッコミはまぁ、推理モノではまぁ…。
あくまでイメージで、便宜上コンクリなだけで「紐で縛れて重くて固くて直撃したら死ぬ」の条件を満たせば『なんでもいい』のだろうけど…だったらもっとこう、モヤ~っとした物質にはできなかったかな?
↑で挙げた“33分探偵”では「鈍器のようなもので殴打」のイメージ映像は壷のようなボーリング玉なようなモヤっとした物質で、「鈍器のようなものって何?」という突っ込みに「鈍器のようなものは鈍器のようなものです!」と返してたのを思い出した。
というかそういった強引な態度で「でっち上げの推理」を押し通すのがウリの作品だった訳だけど…なんか“虚構推理”を見てると33分探偵を思い出して仕方ない。
しかも33分探偵は33分で事件が解決する一話完結モノ、そもそも5分で解決する事件を33分に引き伸ばす内容で、こっちの数週間に渡って鋼人七瀬の話をしてるのはさすがに「引き伸ばしが過ぎる」と思わずにいられない。
ってかさぁ、パク…パロとは言わないけど、着想の一部に33分探偵があるんじゃない?
「正直そっちを見た方…がゲフンゲフン」なんてことにならない展開には期待してるけど…。{/netabare}

10話感想{netabare}
原作は未読、先の展開は全く知らない。
知らないからこそ素っ頓狂な妄想(願望?)すると、最後は「なんでこんなことに夢中になってたんだろう」と掲示板連中の興味を失わせるオチだったりして?
デマって大抵そうじゃない?
で、その可能性がある限り…感情移入?自己投影?なんていうんだ、掲示板のメンバーになったつもりで話に耳を傾けることができない。
とこか冷めた目で「バカみたいなことゴチャゴチャ言ってんなー」って感じで…。
と思ったら、あ!この感覚ってガッチャマンクラウズだw
クラウズがダメってことじゃなくて、{netabare}暴走した集団心理は説得なんて通じなくてもう冷や水ぶっかけるしか手段が無い{/netabare}って内容で…私は発想がそっち寄りだなぁ。
逆を言っちゃうと、本作は「よく話の通じる連中ばかりなことで」と違和感を拭えない。
当然クダンの力のお陰って説明はあるものの、掲示板であんなやりとりってリアイリティとしてどうなんだろう。
いやホント掲示板の連中よくこんな奴真面目に相手できるなぁ、と。
「長文ウザい、3行で」って言われないのか。
仮説だと断ってたクセして言葉の最後を「~なのである」「~であるからだ」と断定口調で締めてるのもキツい、結構イラっと来るw
「まるで見てきたかのようだな」って突っ込みは入らないのか。
それらもオチに向かっての仕込みなら構わないのだけど、果たしてどうなんかな~?{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
鋼人七瀬パートが長すぎ、ってのは私が言わなくても他の方も指摘してるでしょう。
で、冗長なだけでもアレなのに、その内容も…全然共感できないから困りモノ。

ネット上のデマ関係なんて、それこそ最近ではNHKの京アニ報道だとか、ちょっと前ならスマイリーキクチとか色々あって(コロナ関係はノーコメント)。
更には個人的に…そこまで追求はしてないけどボーっと眺める程度には追っかけてる騒動とかもあったりして。
それで感じるのは、現実のネット民ナメ過ぎな気が…。
少なくとも上記の例だけでも、誘導されやすい系って過度な正義感に燃えてる人が多い気がする。
言い方変えれば、被害者でもないのに加害者を設定してそれを叩く自分正しい、みたいなのにすっごい食い付きが良い。
そこら辺考えると“ガッチャマンクラウズ”の方が良くできてたのかな?と思ってしまう…というか“アンパンマン”だってそれをテーマに据えてる訳で(ゲストキャラにバイキンマンが「えーん、アンパンマンに酷いことされたよー」と嘘を吹き込んで「それは酷い、よーしボクが成敗してやる」って話が多い、非常に多い)。
この作品では「人間の興味なんてそんなもの」で片付けようとしてたけど、実際は好奇心より正義感のが勝るんじゃないかな?ネットだと特に。
もし誘導したいのなら正義感をくすぐるような餌をバラ撒けばいいのに…とずっと思ってて、だけどそれはやらず淡々と理屈並べるばかりで、多分それで考えを二転三転する人ってそう多くない気がする。

でもって肝心の理屈が…冗長なうえに説得力を欠くから困ったもので。
これはアニメスタッフの責任になる…のか?
琴子のでっち上げの推理部分、「空想による再現映像」だけど、それが詳細に描(えが)かれ過ぎ。
文章だけならなんとなくボヤーンで済ませるところをハッキリと絵で描いてしまって、そこに更に琴子の断定口調が加わって「まるで見てきたかのよう」と思ってしまう。
立てかけたあった鉄骨を蹴って上手いこと被害者の上に倒すとか、そこは「なんやかんやして鉄骨を落とした」とボヤかせばいいのにハッキリと描いてしまった。
寺田刑事が懐中電灯で気絶させられるのも、「いい感じに手ごろに鈍器のようなものがあってそれで不意打ちした」とボヤかせばいいのにハッキリと描いてしまった。
「あの状況で気絶させた」の条件を満たせばいいだけなので、もしかしたら色仕掛けで隙を突いたでもいいワケで(作家によってはそこを頑張って書くだろう)、あそこまで詳細に描く必要は無い。
大雑把でいい部分を事細かに自信満々で断定するものだから、どうしても「なにをもってそうだと断言してるの?」と疑問の範囲がデカくなってしまう。
その結果琴子の推論に賛同できないし、まんまとノセられてる掲示板の参加者がアホに見えて仕方なくなる。
「あくまでイメージ映像です」ってことで参加者は文章で聞かされてるだけなんだと思おうにもそこまで感情移入はなかなか辛いって、原作未読でアニメでしか知らない人は特にそうじゃない?
要は詐欺の手口の話なので「曖昧なまま気付かれないようにしれっと流す部分」があるのは構わないハズ──場合によっては屁理屈よりそっちの方が腕の見せ所かも──なのに、アニメではそれを律儀に詳らかにしてしまって詐欺師の言い分のおかしい箇所を明かしてしまっている。

正直言ってこれ…原作者が一番頭抱えてそう、「なんでそこそう描いちゃうかなぁ」と。
{netabare}と、これも所詮アニメスタッフを加害者・原作者を被害者に設定したロジックで、ここまで読んで「うんうん、アニメスタッフ酷いよね」と思った方は…まぁそういうこと{/netabare}

本編の大半が鋼人七瀬編なのでそっちに関して先に書いてしまったけど、それ以外の部分は良かった。
「人間と怪異は交わるものではない」は何故か私もその価値観で、というかそういう前提でタブーに踏み込む感じこそが妖怪モノの真骨頂かな?とも思ってて。
なのでもし人間が怪異と交流しようとするなら肉体や精神がマトモでいられない(琴子)、ましてや妖怪の肉なんて食べたら只では済まない(九郎)、そこんところちゃんと踏まえてるのは安心する。
(それが普通だと思うのだけど、最近そうじゃないのがあってね…)
果たして想像の上とはいえ七瀬かりんや寺田をオモチャにするような真似はどうなん?ってのも、怪異と係わりすぎて価値観が真っ当な人間とは違っちゃってる、と考えればそこまで酷いとは思わない。
琴子のシモい性格だって、妖怪(土着信仰?)なんてお下劣なのが多い訳で、それに染まってりゃああもなるんじゃない?とも。
だから尚更「七瀬パートなんていいからもっと短編やってよ」みたいな不満が溜まる…参ったねw

それと最終回で出た花、最初ペンタスかな?と思ったけど葉っぱが違う。
じゃあ何かなーと思ったら…あっ、キョウチクトウか?(自信弱め)
植物に興味無くてもミステリー好きな方ならトリカブトと並んで有名なんじゃないかな、最後の最後でそれ出すかw
「これミステリー作品っスよ、忘れないでね」と慌てて念を押してきたみたいで微笑ましいというかなんというか。
もしくは「これ出しときゃミステリーの体になるだろ」という乱暴さというかw

ってことで総評
原作がどうあれアニオリエピソードでいいのでキャラそのままで1話か2話完結話を続けて欲しかった。
“シティハンター”で例えると一つの依頼を解決するまでに何ヶ月もかけられてもちょっと…ねぇ。
鬼太郎とあんま変わらなくなっちゃう?{/netabare}

投稿 : 2025/02/15
♥ : 18
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

小粋な言葉遊びをできてただらうか

原作未読


どっからみても小説っぽいです。小説とミステリの相性は基本的に良いものかなということで特に抵抗もなく視聴に至る。

“虚構”そして“推理”。
ジャンルはまんまミステリかと。お化け・妖怪・怪奇現象。この作品では“怪異”という表現を使ってます。『夏目友人帳』『物語シリーズ』未視聴のため適切な比較は不可能ですが、この世ならざる者とのやり取り混じりの推理物ということになります。

一概に推理物といっても捻りが加えられていてそこが本作の面白みでしょう。
なんでも目的というものがありましょうが、例えば“犯人捕まえるぞ”“真実はこうだ”というノリは皆無です。本作の主人公らの目的は、“怪異の世界と人間世界とに保たれている秩序の維持”。そのバランスが崩れそうになる、または崩そうという力が働く時に秩序をキープするために最適解を導き出す。そんなお話です。まぁ口八丁でなんとかする手合いですね。

構成は大胆というかある意味リスキー。一話完結または二~三話完結という当初想定とは全く違うものでした。私は好意的に受け止めてます。
{netabare}ルール説明的な第1話。同じくチュートリアル的なエピソードで第2話。その後第3話のBパートからはひたすら“鋼人七瀬(こうじんななせ)”でした。レビュー書きながら知ったのが、あまりエピソードストックが無かったのでそうせざるを得なかったかなということ。実際のところ、鋼人七瀬は5話分くらいあれば十分だったことでしょう。{/netabare}

岩永琴子(CV鬼頭明里)と桜川九郎(CV宮野真守)が主人公になるのでしょうか。ホームズとワトソンの関係ともちょっと違うパートナー。九郎の元カノ弓原紗季(CV福圓美里)も絡んできて賑やかになってきます。
物語構成と同じく好意的に受け止めてるのが紗季のキャラ設定。主役を引き立てるために周囲にはやや愚鈍というか暗愚なキャラを置いてバランスを保っても良さそうですがそれがない。本作でいえば岩永を際立たせるために同性の紗季をやや落とす手法を取らない。
{netabare}岩永と六花が両方ともぶっ飛んでいるというか情に薄いため、常識人の紗季がオアシスのようでした。常識人かつ聡明さがあるので救われておりました。{/netabare}


推理物なのでこのへんくらいにして。
わりとミステリの変化球のようにして臭みがない作品ではありました。そこそこ楽しめた佳作です。



※袋とじ

■岩永

{netabare}なんというか真顔で卑猥なことをたまに言ってくる琴子さん。鬼頭明里さんになんてこと言わせてるんだとこっそり喜んでました。{/netabare}

{netabare}ただし鬼滅の刃から流れてきたちびっ子が観たらダメなやつです。{/netabare}



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.04.08 初稿
2020.10.15 修正

投稿 : 2025/02/15
♥ : 58

62.2 2 オカルトで小説なアニメランキング2位
天久鷹央の推理カルテ(TVアニメ動画)

2025年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (62)
201人が棚に入れました
シリーズ累計発行部数300万部突破!! 現役医師のベストセラー作家・知念実希人と、珠玉のイラストレーター・いとうのいぢが紡ぐ、最注目の医療ミステリー逆転劇、待望のテレビアニメ化決定!! 天医会総合病院、統括診断部。 ここには他の医師が「診療困難」とした 患者たちが集められる。 さらには、警察すら手に負えない 原因不明の「殺人」や「謎」も……。 天才医師・天久鷹央が解き明かす、摩訶不思議な「病」に秘められた驚愕の真実とは……! 「その病気(ナゾ) 、私が診断を下してやろう――!!」 第1話/第2話は原作・知念実希人書き下ろし完全新作エピソード!! 大きな獣に足を食いちぎられた、青い血の男に隠された秘密とは──?
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

4話 キャラ萌えコメディ?医療推理?何か中途半端でした。

2話 推理でなくオカルト謎解きキャラ萌えラノベとして楽しむのが吉

{netabare} 原作全巻既読です。キャラ萌え系の推理ですね。ラノベではないですがラノベテイストなのでサラリと読むのに向いています。アニメ版1、2話は読んだことがないので、多分文庫本未収録なのかオリジナルかだと思います。

 原作の読み方がラノベにならざるを得ないのは、この作品が医療推理ということです。これは医学についての知識がないと読者は謎解きができません。読者は当然医学の知識などないので、語られるままにしかわかりません。読者は一般の推理では頭を使う部分をはじめから放棄することになります。

 それでも推理である以上犯罪トリックはありますけど、医療の犯罪トリックというより、むしろ冒頭はオカルト的な謎から導入されることが多いです。推理というよりオカルト謎解きのテイストが強いです。

 それと天久鷹央が、アラサーロリババア系であることです。大病院の副医院長で総合診断部という特殊な部署の部長であり、病院の屋上に家があって、アスペルガーのサヴァン症候群という盛り沢山の設定であることです。この辺のキャラ設定から入っていくのが極めてラノベやなろう系のような感じになっています。

 一方でこの作品が作品として成立しているのが、その無茶な設定を初期設定としたことで、医学ミステリーのフレームを作り出していることです。あらゆる分野の病気でかかわることができるし、刑事事件に介入できます。その無理無茶の部分が受け入れられれば、あとはラノベ的キャラ萌え小説の出来上がりというわけです。

キャラデザがいとうのいぢ氏ということで出版社も意識していると思います。

 なお、総合診断部というのは確か本当にある部門ですね。たしか名古屋大学とか有名じゃなかったかなと思います。治療はまず診断しないことにはスタートできませんし、この診断というのは我々が思っているより奥深いし重要なのでしょう。そして、今後AIが医療に役立つのはこのカテゴリーですね。ある意味でヒロイン天久鷹央の設定は、AI的でもあります。
 医者が原作者ということで、この辺は題材となる病気や病院の実情など、実際の医療の知識が使われていると思います。

 以上のように、推理小説として成り立っているかとか、そもそも推理として面白いかと言う視点で見ると、本作は楽しめません。キャラ萌えとしてコトリこと小鳥遊に乗っかって、構造としてはオカルトの謎解き、そして医療スノッブのラノベとして楽しむのが正解だと思います。
 なお、小鳥遊も空手の有段者、それと小鳥遊に絡む鴻ノ池舞にも結構無茶な設定があります。

 1話2話はジュラシックパークネタですね。冒頭で動物に足を噛み切られたような患者が医者に運び込まれるシーンは、同作品原作のオマージュになっています。ちょっと上で書いた鷹央の説明が先にないと、視聴者がポカーンとしてしまう可能性があるのが難点かもしれません。

 なお、来週は女子高生ものですね。つまりシリーズ中で面白い話をピックアップしてくるので、恐らく原作の順番通りではないし、最後は多分感動回で、続編は初めから考えていない感じがしなくはないです。そして、もし人気がでれば続編も作れますし。{/netabare}



3話 鷹央のキャラ理解ができてないし説明不足。冗長な演出はいらない。

{netabare} 制作会社ガチャは外れた感じですね。私はアニオリや場面追加、演出などは否定的ではないですが、そこが面白さにつながるかどうかです。正直、今回は冗長感しかなかったですね。最近のかなりでかいフォントで会話が多い白っぽい文庫のページで70ページしかない話で1話使うのだから当然でしょう。

 そして、最大の欠点は天久鷹央は幼く見られることに多大なるコンプレックスがあって、年下にみられること特にロリ認定されたり学生に見られることを極端に嫌がります。その鷹央がセーラー服のコスプレをするわけがないです。
 しかも、本当に学生にしか見えない鷹央が病室に着て「統括診断部の部長だ」と言っても、普通は信じないでしょう。その辺でギャグの作り方はいくらでもあるのに、そこはサラリと流して。
 これは原作の不理解もいいところですね。そして面白さも作れていない。読者・視聴者をあまりに馬鹿にしています。「お前らこういうのが見たいんだろう?」的な。

 その一方で、なぜ天久鷹央が敬語が使えないのかの説明がありません。それがなければ見ていて視聴者は不快になるだけだと思うのですが。あとは「てんかん患者」は差別問題にもつながるのでアニメでやるならまとめ方にもうちょっと配慮があっても良かったのかもしれません。

 作画もそれほどだし、絵の綺麗さを楽しむとかキャラデザに萌える感じでもないので、既読勢にはアニメの意味は希薄な気がしてきました。次の話で視聴継続は決めます。{/netabare}


4話 キャラ萌えコメディ?医療推理?何か中途半端でした。

 原作を全部読んでいる既読勢としては、本作原作はライトノベルで頭を空にして、主人公の小鳥遊の理不尽な立場と冒険を楽しむ話だと思っています。一応、医療の謎解きもあるしそこに整合性はあるんだと思いますが、それはあまり重要ではないです。
 作品の構成としてはオカルトの導入、人の死にかかわる緊張感とコメディの緩急の最後にくる謎解きですね。ロリババアが颯爽と解決するカタルシスが良い作品です。その型に沿った起伏に面白さがあると思います。

 ですが、なんでしょうね。アニメはなんか上手く拾えていない気がするなあ。もっとラノベテイスト…特にオカルトの恐怖とか、コメディとしての面白さを前面に出さないと、ジャンルとして中途半端な見方をされる気がします。ラノベ特有の「キャラのお約束」も拾えてないです。

 それとやっぱりキャラの説明不足ですよね。なんで副院長で部長なのか。部署の特性は?アスペキャラの理由、小鳥遊の立場。そいうのが視聴の前提だと思います。それに病院の臨場感や危機感が弱いのが気になりました。つまり、世界観が作れていない気がします。病院のリアリズム(リアルでなくても)を感じるスノビズムがいい部分なのに。

 そもそもアニメの出来が良くないですよね。演出とかテンポとか…キャラへのスポットライトの当て方なのか…うーん、なんでしょうね。

 このまま見ているとせっかく全巻揃えている原作がゴミになりそうですので、この辺でやめておきます。特に1,2話は原作者が入っているらしいですが、正直出来に疑問が残りました。
 

投稿 : 2025/02/15
♥ : 4

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

医療関係者が観たら、失笑するんでしょうね…。

 6話まで観ました。2025.02.06

 いや〜今回も視聴者なんぞ科学的な知識や思考力を持ち合わせていない愚民と決めつけた様なトリックでした。馬鹿にされてるのかな?

 1920年代に生産が中止された危険物を含む道具が原因でしたが、100年も保存効かないでしょうよ…。中身が大丈夫でも箱が持ちません。

 また、喫煙者は道具にこだわるので(ヤニカス共にとって、火が着かずに吸いたい時に吸えないとか死活問題)今回人体発火した連中みたいな行動は絶対にとりません。ヤニカス舐めんなよ!

 そもそも、人体はそんなに簡単に燃えません。本アニメの登場人物達は即身仏になるための修業中で五穀断ちしているならあるいは…と言ったところでしょう。枯れた奴らばかりの世界って、そっちのが怖いわ…。

 後、今回毒殺にも使用しようとした危険物は、触るだけでかぶれたりする劇物の上、水中で保管しないといけない様な代物なので、気付かずに経口摂取出来ないでしょう。あまり強い劇薬だと、喉が爛れたり、吐いてしまうので殺せません。

 今回の舞台となった古い蔵のなかには殺鼠剤用のヒ素とか農薬のパラコート(嘔吐剤無添加)とか、今では売ってない様な危険なブツとかありそうなので、そっちのが使いやすそうです。

 そして、一番の問題点は、鷹央先生アゲのために、物理現象まで捻じ曲げる点にあります。簡単に人体が燃える世界線なのに、ガソリンに火を着けても大丈夫って…。

 京アニ事件の様に、ガソリンを撒いて火を着けた犯人が爆心地になって最初に炎上します。灯油とかにした方が良かったですね。

 蔵の中にガソリンを撒いて、可燃性蒸気が溜まるまでみんなでお喋りしてから火を着けた場合、この世の物とは思えない、おそらく素人が想像するよりも遥かに凄まじい燃え方、ほぼ爆発が起きて、中にいる人間は一瞬にして気道熱傷で即死します。火をもて遊ぶ奴は許さんぞ!By紅蓮次郎です。アホは真似しちゃ駄目だぞ!

………………………………………………………………………

 4話まで観ました。2025.01.24

 3話の女子高生編もそうでしたが、急性症状が出た場合、一般的に診断は容易になります。

 免疫系の何とか症候群みたいな疾患群は、典型症状が発現しないことがあるので、診断に時間がかかるもしくは、精神疾患と誤診されることがあるにしても、急速に症状が悪化しているのに、診断できね〜て、周りの医者はどんだけ無能なのか…。

 特に、項部硬直なんつーのは、どの医療系テキストにも出ている典型症状です。医師試験マジで受かってるの?試験で間違ったら一発不合格系の問題では?

 後、平安時代の未盗掘の墓は超貴重(仏教の影響で火葬中心になったので、墳墓自体が貴重)なのに、遠足のついでみたいな感じで調査しないでよ…。少なくても学際的な発掘が必要です。専門外知識に関しての認識の甘さがラノベですね…。

 墓を暴いたことによる呪に関しても、陰陽師が得意とした呪詛なのか、単なる祟りなのかどっちなんだい!?プロの学者があんなに取り乱すかね?陰陽師の呪詛を受けるなんて、文献史学者冥利に尽きますよ!まさに、歴史的事象の体験!

 プロなのに興味深いとか思わんのかね?むしろ、冷静に自分の症状を観察するくらいの態度が必要です。

 登場人物達が、どいつもこいつも、プロでは無いのが底の浅さを露呈していますね。まぁ、所詮ラノベ原作なので仕方ないですね。
………………………………………………………………………

 2話まで観てのレビューです。2025.01.04

 ツッコミどころ満載の推理物アニメキタ━(゚∀゚)━!!

 医療の素人の私が観ても、コレは無いだろとは思います。製品名は同じでも、一般に販売されている非人間用(家畜・ペット用)の薬品と人間用の医薬品とでは別物だろ…。

 後、恐竜の骨格標本は、ほとんどの場合実物を忠実に再現した合成樹脂等のレプリカなので、今回のトリックには使え無いと思います。

 鴨乃嘴ロンとあまり変わらんレベルの子供騙です。知識階級に属している視聴者や読書人たる士大夫にはオススメ出来ない感じです。

 主人公の天久鷹央も暴力系ヒロインで嫌な感じです。視聴継続には寛容な心が必要そうですね。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 2
ネタバレ

CfrzK48306 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

原作も知らず四話まで視聴しただけの人間の意見ですが・・・

キャラは可愛いし好感は持てる。
いや、老若男女や地位を問わず「タメ口、呼び捨て、お前呼ばわり」する主人公の個性は何だか好きになれないですが・・・個性的だとは思う。
主演のあやねるも熱演してるしハマリ役。

しかし、なんだか、天才医師の推理カルテという割にはしょぼくないですか?
なんだかツッコミどころが多すぎて・・・

一、二話目は {netabare}ヤクザを見る闇医者が患者の薬に有用と判断したメチレンブルーを手に入れるために水族館に侵入しますが、メチレンブルーなんて珍しい薬でも何でもなく、観賞魚マニアなら常識の魚病薬、
常備してる人も多く、そこらの観賞魚店で当たり前に売ってます。そんなの警戒が厳重そうな水族館でなくても観賞魚店に侵入した方が早いと思います。
そもそも、わざわざ患者をおぶっていかなくても薬だけ取ってくれば良いのでは?
あと、ティラノサウルスの骨格標本なんて貴重なものを簡単にいじらせてくれる警戒態勢の無さも呆れます。
三話目は不気味な導入なのに要は光過敏性てんかん、いわゆるポケモンショックで有名になったアレですね。 {/netabare}

何だか大袈裟な導入部分の割に謎の真相がしょぼすぎます。
四話目も相変わらず謎はしょぼいですが、ラストで衝撃的な事が起きるので、まずは期待しましょう。
しかし、自分の祖父ぐらいの大学教授に対しても「お前」で通す主人公の傍若無人さ敬語の使えなさには相変わらず驚きます。
天才というより単なる傲慢な変わり者としか思えません。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 1
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