エージェントでSFなおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのエージェントでSFな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月06日の時点で一番のエージェントでSFなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.3 1 エージェントでSFなアニメランキング1位
楽園追放 -Expelled from Paradise-(アニメ映画)

2014年11月15日
★★★★☆ 4.0 (890)
4660人が棚に入れました
われわれはどこから来たのか われわれは何者か

われわれはどこへ行くのか――。

地球はナノハザードにより廃墟と化した。

その後の西暦2400年、大半の人類は知能だけの電脳世界ディーヴァに生きていた。

電脳世界に住む捜査官アンジェラは、

闘力を誇るスーツ・アーハンを身につけ地上に初めて降り立った。

そして地上調査員ディンゴと共に地上のサバイバルな世界に旅立った。
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

だれが楽園追放したの? それは私と………

【ちょい長いです】

久しぶりにSFアニメを観た気がする。
(疑似)科学的な設定がストーリーを支え、絡み合ってこそのSFだ。
支えているのがハーレム設定だけというのでは、やはりSFとはいいがたいだろう。

素材となるのは、データ化され仮想空間に生きる実存、科学力により分断され階層化された社会、{netabare}自律進化する人格を獲得した人工知能、{/netabare}
といった今ではお馴染み感のある設定の数々。
だが料理は素材だけでできるものではない。材料をどう調理するかの技法が味を決める。

人格を電子化し仮想空間の中で人々が「生活」する『マトリクス』的な社会ディーヴァ。
『マトリクス』と違うのは、そこで「生活」する市民が、データ化された自分とその仮想化社会の事実に自覚的なこと。
そこにハッキングを仕掛けるフロンティアセッターとの電脳戦から物語は幕を開ける。

このフロンティアセッターのハッキングの追跡から、アンジェラが地球へ降下するまで一気に描写する製作者の手際の洗練具合は、非凡と言っていい。
スピード感がありながら、この世界の構造と、内在しているキャラクターにとってどういう世界であるのかという世界観まで、視聴者を立ち止まらせることなく、説明してしまう。
ただストーリーを追って観ているだけで、世界観が分らなかったり、誤解してしまう視聴者はほぼ居ないだろう。
これは映像的なセンスのみならず、脚本が秀逸で、セリフに使われる言葉の一つ一つまで吟味しつくして選択していることによると思われる。

この脚本の緊張感は、最後まで途切れることはない。物語のどの段階でも、背景で何が起きているのか、世界のどの部分が展開されているのか、把握できてしまう。
が、いたずらに説明的なわけではない。
映像的な楽しさにひきつけられて観ているだけで、自然に伝わってくる巧みな描写がなされている。
殊に終盤のバトルで、幻惑的なアクションの連鎖を堪能させながら背後の状況を二重映しにしてサスペンスを盛り上げるのは、並外れた描写力といえる。


さて、このように抜群の技法によって、既視感のある各種のSF設定の素材は、いかなる調理がなされているのか。


{netabare}人工知能であるフロンティアセッターは、自然的な人間と対立的にとらえられることはなく、むしろ「人間」そのものであると肯定される。

そもそもデジタルデータの集積である人工知能は、ディーヴァ内でデータ化されて仮想化されている「人間」と同型的な存在だ。仮想現実化した実存を「進化」と強弁する思想の下では、むしろ生物的な根拠を持たないフロンティアセッターのほうが「進化」した人類ではないかという見方すらできる。

それゆえ、『マトリクス』的な仮想世界は、『マトリクス』のようには、単純に自然性に対立するものとして、作中で自動的に否定されるものではない。

むしろ、自然性による自動的な否定を相対化するものとして、「人工知能」フロンティアセッターは方法的に導入された印象がある。

最終的にディーヴァから離脱するアンジェラだが、その「人工性」と「自然性」との正否からディーヴァを否定したという風には描写されない。
彼女の決断は、むしろ個人的で趣味的な気分から決断をしたような印象を与える。

彼女の否定は、仮想化の是非ではなく、その「管理」の在り方に向かっているようだ。
別にデータ化して仮想化社会で「生きる」ことに不満はないが、あの「管理」は気に入らない。

楽園とも自己宣伝するディーヴァ社会だが、楽園が楽『園』である限り、管理は必須の条件となるだろう。管理がなければ、「園」は荒野と変わるところがないのだから。
楽「園」を維持する管理は、あたかもミシェル・フーコーの生権力的な形態をモデル化しているようだ。
仮想現実化社会に、生まれた直後にディーヴァによって電子化されて投入される実存は、そこでの「生存」を望む限りディーヴァの管理当局による指示に従わざるを得ず、管理から逸脱した価値観を持つことは原理的にできないように設定されている。

「存在」がシステムによる「電子化」に根拠づけられているため、「生存」したいという当然の欲求は、管理の要求する「社会貢献」という評価基準を内面化していくほか実現させる道はない。

「生きる」ための価値観と行動が、すべて管理の正当性を強化する力をもたらす社会は、我々の「社会」を連想させ、おそらくこれを暗示するものだろう。
「生きたい」という自然な欲望が、「管理」の承認を支えて強化してしまう社会。

エンドロールの途中のパラグラフで、保安局はさらなる管理の強化と離脱者の防止を決意する。
生権力の本性をうかがわせる描写は、ますます我々の社会との類似を暗示しているとの印象を高めるとともに、どこか既視感がある。

電脳化システムを独占することで全住民の「生存」を支配し、基準を設けて「住民」を選別、その基準と管理を一手に引き受け、「排除(凍結)」する権利を担保する社会は、いわば全住民が潜在的に収容所に監禁されているのと等しい。
離脱者までも管理を強化する契機に利用し、権力を司る保安局員が神話的アバターで現れる権威づけは、「真実」を体現する「党」によって指導、管理される、収容所共産国家に酷似している。

我々の社会でも「社会に有用な存在であれ」「社会に貢献できないものには、何も与えることはない」「この当たり前のことを否定するものは、社会から排除せよ」と主張する人が目立って多くなっているようだ。

ディーヴァ社会でも通じそうな主張をするこの人たちが、躍起になって否定するサヨク的なものの根源である収容所社会が、この我々の社会を思わせるディーヴァ社会と似ているのは皮肉なことだ。

だが、当然のことながら、「社会」の外には世界が広がっている。
社会の評価と承認が無ければ「社会内」では存在できないが、外部世界は必ずしもそうとは限らない。

地球に降り立ち、その社会や住人、さらには数百年を「管理」なしで自立進化し続けてきたフロンティアセッターとの出会いにより、内面化されていた「管理」の有効性を懐疑し始めたアンジェラは、「管理」=生存の保証ではないことに気づき、受肉した地球上の存在へと自己を投機する。
繰り返すが、仮想現実社会への正邪の審判ではなく、その「管理」への趣味的な回答として。

ある意味究極の外部「世界」=深宇宙を目指すフロンティアセッターは、一切の評価も承認もなく目的を完遂する。
そう、内面化した「社会の基準」ではなく、この私の、私自身の内部から湧き出してくる「衝動」こそが、世界での生存を支え得る。

外宇宙へと旅立ったフロンティアセッター。首尾よく成果を上げる可能性は極微だし、たとえ成功したとしても文字通り天文学的な時間ののちに帰還したところで、称賛や承認を与える人類は、もはや存在していないだろう。

それでも、陽気に歌いながら、むしろ楽しげに旅立って行く彼の姿は、彼を動かすのは自身の衝動であり、社会の評価や制度化された承認など問題ではないことをよく示しているのではないだろうか。
趣味的に離脱を決断したアンジェラもまた。

このように「楽園から追放」された彼女たちだが、じつは「追放」されたのは仮想現実都市のほうかもしれない。


最後に特記しておきたいのは、無機的でありながら奇妙な人間性を絶妙に感じさせるフロンティアセッターを表現した、神谷浩史の力だ。
固有の風貌も持たず、フレームのデジタルデータの集積が本質である、人工知能という抽象的な存在が、一種の人格をもってスクリーン上に受肉し得たのは、神谷浩史という肉体を通過した声なくしてありえない。{/netabare}

現代の声優の演技は、ここまで高いものになっていたのかと再認識した。

若手俳優やタレント主体のドラマや映画がどう頑張っても、これほどの演技レベルに追い付くには、ちょっと絶望的な差を感じる。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

生来必殺 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

お前の魂、ロックオン

最終進化を遂げた新世代の人類代表エリート捜査官と
地に足のついた旧世代の地球人と所属不明 謎のハッカーとの
奇妙な三角関係で描かれるサイバーパンクの物語。

サイバーパンクとは本来SFというジャンルに属するものであるが
その本質は、サイエンス糞喰らえ!
サイエンス技術の理論的写実性要素に傾倒したリアリティなど金属バットで粉砕!
という風にアンチSFな精神が不可欠な構成要素であるという宿命を有する。

そもそもSFという言葉の定義が曖昧なのが問題だと言えばそれまでだが
サイバーパンク作品において科学主義的屁理屈は必然的、予定調和的に破綻する。
サイバーパンクにおいての科学的な理屈とは、荘厳な趣をもったバベルの塔のような
破壊されるべくして建築された矛盾した装置である。
その一方で、塔崩壊のカタルシスを最大化するためには塔の構造を強固にする必要があるのだが
構造上に全く欠陥がなければ倒壊しないという矛盾も起こり得てしまう。
簡単に倒壊しないが、倒壊し得る構造の塔を設計するのがパンクな作者の腕の見せ所と言えるのだろう。

本作においての「バベル」の描写は至ってシンプル、ありがちな王道的設定。
しかしながら、奇妙な三角関係によって描かれるストーリーが洗練されすぎて驚愕。
もの凄くシンプルに、もの凄く先鋭的に、もの凄くわかりやすく、サイバーパンクの本質が描かれている。
下手に小難しい専門的用語やら、(文学はいいとしても)生物学の学説の引用とかの羅列・・・
今までのサイバーパンク作品は、一体何を描こうと足掻いてきたのか?と虚しくなる程。

地に足の着いたロックンローラーの一言は、理論武装したサイエンティストの弁明より強し。
この脚本家の実力はやはり本物で、台詞がイチイチと印象的で五臓六腑に響きやがるのだ。
{netabare}SF主義を金属バットで粉砕するような描写が正しいあり方であるとは限らないが、反骨魂は絶対に必要な要素である。{/netabare}

サイバーパンクなんて時代遅れな感覚の作品で今更誰からも評価されない
と思い込んでいたがのだが、
本作を見て前言撤回。
本作をきっかけにもう少し難易度が高いものも見てみるのもよいかもと思うに至る。

私見だが、SFとは本来空想科学小説のことを指し
ハリウッド映画が持ち味とする映像的説得力を重視した作風とは
相容れない、例えばフランケンシュタインの物語などがそのプロトタイプと
考えるべきだと断言したい。


攻殻など他作品のネタバレ、批判等々を羅列。閲覧要注意!
{netabare}
攻殻原作者が拘った「GHOST IN THE SHELL」とは何であるか?
アーサー・ケストラーという人が提唱した「Ghost in the machine」
(機械の中の幽霊)という論説にちなんだもので
もともとはギルバート・ライルという人がデカルトのコギト(的人間機械論)を揶揄する意図で
表現した言葉「機械の中の幽霊」をケストラーが逆手にとって
「機械の中の幽霊」はいる!と反論を展開した説に影響を受けた考えであろうと推測。
デカルト的観念論の中でのコギトとは自我というよりも霊魂に近い位置づけであり
それ故にデカルト的観念論に全く理解を示さない立場の人たちはデカルト的機械論の浅はかさを批判。
それに対してネオ・デカルト主義者のケストラーは、より緻密で高度な人間機械論を示すことで反論
物心二元論の霊魂と肉体の連動率がより高い持論を展開した。

「GHOST IN THE SHELL」すなわち、人工的な外殻、機械的な構造の身体、サイボーグであっても
霊魂と連動するのであれば生身の体を持った人間となんら変わらないわけだから
人間の本質はゴーストにあると言い切れるわけで、そうであるからこそサイボーグ技術などの
サイバネティクスという人工的装置が意味を持ち始めると考えられる。
銀河鉄道的機械人間はどこまで行っても機械人間にすぎないという意見に対して
問題の機械人間の非人間的性質は機械伯爵の自我、霊魂のあり方に起因するものであり
すべての機械人間が冷酷で非人間的あると決まったわけではない。
機械のボディも生身のボディも霊魂の指令によって機能するものであるから、という風に。

ネオ・デカルト主義者の願望は霊魂の対物連動率の高さだけに特化していたのだろうか?
劇場版攻殻 GHOST IN THE SHELLで少佐は、人形使いと融合し、ネットワークシステムとも融合し
世界そのものとも融合?しすぎて、軽く人間を超越してるわけだが
イノセンスで還ってきた少佐は確かに人間的ではあったかもしれない。

とは言え、GITSの続編イノセンスの主人公はバトーであるから
バトーが何者であるか描ければそれで十分目的は果たせるのだ。
サイバーパンク的重苦しい空気の中で彼の飼い犬がやたらと無駄に愛くるしく描写されているのは
流石というべきで、ディンゴとフロティアセッターの対話中で見えてくるディンゴの人間性のように
飼い犬という鏡を使ってバトーの(犬への)愛着心が鮮明に描かれている。
ドライにせよとの忠告にもかかわらずドライに行けないバトーの生き甲斐は、飼い犬と
守護天使との再会だけなのかもしれない。そんな彼の魂のあり様はある意味イノセンスなのかもと感じた。

STAND ALONE COMPLEXとは何か?
その厳密な定義についてはここでは敢えて見送りたく思うが
趣旨としては「GHOST IN THE SHELL」という発想を
本家のアーサー・ケストラーが展開した「ホロン」という概念を用いて説明する
複合階層構造的機械論を「STAND ALONE COMPLEX」という言葉に置き換えて
「攻殻魂の存在」を理論的に補強、説得力を持たせようとしたのだろうけど・・・
社会現象とか、社会システム論的な受け止め方をされて、逆効果だった感がある。

全体は個から成り、個は全体に属するのだけど
全体に個と同じあり様の霊魂が存在するという発想は今の感覚的には受け入れられないような気が・・・
{/netabare}

楽園の記憶は魂に刻まれ、空の彼方に回帰を願う
{netabare}
サイエンスフィクション的物語の中でロック魂と仁義だけで奇妙な人間の在り様に
説明がつくという一撃必殺技の切れ味に驚愕。
アンジェラはFセッターの行動原理を人間的な使命感やプロ意識的なものとして
理解するのだが、保安局員とハッカーが相互理解を深める展開には若干無理がある。
自然かつ効率的に敵対するはずの二者の距離感を縮めるための仲介者として
ディンゴの役回りが良く効いていた。
三角関係による魂の共鳴現象、共鳴連鎖により必殺の大技!摩人狩り!?
ではなく、楽園追放から地上に受肉、大地を踏みしめ生きる一人の人間が誕生。

Fセッターは限りなく人間臭く限りなく人間に近いロボットである。
人間的ではあるけれど、人間と同じ霊魂をうちに秘めてはいない。
使命感的なプログラムと少し楽観的な未来予想のシミュレーションを実行することはあっても
フロンティアの夢は見ない。
肉体という牢獄にいながら、無限の宇宙の夢を見るのは人間のみに与えられた能力なのだ。

タチコマやFセッターと草薙少佐やアンジェラの決定的な違いは何か?
それは機械やマシーンが人間の忠実なしもべであり、プログラム通りに動くのに対し
人間は、例えば彼女たちのようにエリート街道を今まで順調に歩んで来たとしても、
その道を離脱して我が道を進む決断を下すことができる点にある。
もちろんロボットが人間に反逆を起こし人間の存在を脅かすようなSFの話は
過去に腐るほどあるのだが、その反逆はプログラムのエラーにすぎず、
プログラムされた目的と別の意図でロボット自身がフロンティアを目指し
ロボットのための文明・社会を作るようなことはあり得ないだろう。
何故ならロボットには人間のように生存本能がなく、歴史や文化を積み重ね
継承することに意味を見出せない存在だからである。

Fセッターは人間と共存する関係性の中でロックを演奏することはあっても
プログラムされた道を放棄してロックンローラーの道を歩む選択はしない。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

mrt さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

自分の価値を自分で見極める

電脳化された人類が住まう楽園『ディーヴァ』に
地上から幾度も現れる謎のハッカー……
フロンティア セッターと名乗るそのハッカーを探し出すため
ディーヴァ保安局の三等官アンジェラ・バルザックは、
旧世代の遺物と化した『地上』へと降り立つ

__ディーヴァ__
電脳化した人類の楽園世界
この世界の人類は地上の人間に対して、進化の次のステージに進み肉体という枷から外れた高尚な存在。
生まれた時から1300時間は生身で、それ以後は電脳の魂となる。

__アンジェラ・バルザック__
諦めたことも弱音を吐いたこともない。
負けず嫌いな本作品のヒロイン
ディーヴァ保安局で三等官まで昇進
手柄を立て昇進することが自分の全て。
地上に取り残された人類は滅ぶ事しか出来ない旧世代だと思っている。


__ディンゴ__
旧文明の人類の地『地上』のS級エージェント。
今回の任務におけるアンジェラのオブザーバー
『素行は悪いが腕は確か』と評価されている。
その気になればディーヴァの『特待市民権』を獲得出来るほどの功績を持つ。何度か電脳化のオファーも有ったようだが…………。

__フロンティア セッター__
ディーヴァの治安を混乱させ、市民の不安を煽る存在
旧文明の人類の地『地上』からのハッカーであり、アンジェラからその目的は
『いずれ本格的な破壊工作を仕掛ける為の前段階の準備として、パニックの下地を整えようとしている』と考察されている。

__フロンティア・セッター(ネタバレ♪)__
{netabare} ジェネシスアーク号建設における進行管理アプリケーションに付随する自立最適化プログラムが行った2259341回目の自己診断アップデートの際に出現した概念。
『今から45629日と11時間前に発生しました』と自己紹介する
簡単に言えば、人工知能が自我を持ったということ。
現時点でジェネシスアーク号のプロジェクトを推進している唯一の存在。
本人は人類との平和的な交渉による相互理解を希望している。
ディンゴとは好きな曲が一緒で、何かと相性がよろしくみえる。
ちなみにその曲はもちろんEONIANです。

ジェネシスアーク号は光学明彩で隠蔽してある全長1200mの探査船である。

__フロンティアセッター計画__
地球環境の激変に備え、外宇宙に人類が居住可能な移民先をジェネシスアーク号によって探しだす計画
人類の新たな生存圏を獲得するためのプロジェクトが各国で多数並列に行われていた当時、互いが競争関係にあったため極秘裏に行われていた計画の1つ。
つまりディーヴァ以前の計画のためディーヴァは感知出来なかった。

フロンティアセッターがディーヴァにハッキングをした目的は、ただのプログラムにしか過ぎない自分だけで外宇宙探索に行っても、『居住可能な外宇宙探索に人類を送り出す』という当初の目的が果たせないため、一緒に行ってくれる人類を探していたが、ジェネシスアーク号の再設計による小型化の際に乗組員=『生身の人間』の搭乗スペースが無くなり、地上の人間は誘えなかった。
しかし電子パーソナリティーの生存圏となるメモリーの積載は充分に可能だったため、電脳化されたディーヴァの市民を誘おうと考えた。
更に、ディーヴァが外宇宙探索に意義を見出ださないことを予見し、ディーヴァとの正規の交渉ではなく、そこに居住する市民と直接的に交渉するためにハッキングという手段を選択するしかなかった。
攻撃はおろか、治安を乱す目的すらない。本人は『誠に遺憾』と語っている{/netabare}

以下ストーリーネタバレ
{netabare} 地上に降り立ったアンジェラとディンゴは、フロンティアセッターがディーヴァを易々とハッキングしている事から、ディーヴァとのオンライン接続抜きという状況下でフロンティアセッターの捜査をはじめる。

ディンゴの考えでは、敵がどうやって来たかより、
何をしに来たかが重要であるという。
フロンティアセッターがディーヴァハッキングの際に、必ずある主張を繰り返している事に着目する。
その主張とは
1外宇宙探索の同志となる存在をさがしている
2外宇宙探査船の準備は整っている
というもの。
アンジェラはこれに対し
1(ディーヴァ的にはメモリーの領域の限り資源を創造出来るため、わざわざ外部の宇宙まで出向く事はリスクに見合わない)
2(地上、つまりは旧世代の存在が上位種であるはずのディーヴァに悟られずその様な大規模なプロジェクトを遂行できるはずがない)
と反論する。
しかし、ディーヴァの特性として、1度不要と判断した情報は破棄されるので、ディーヴァの情報は完全ではない。そこに漬け込む余地がある。との見解を示し、続けて

わざわざ地上からディーヴァにアクセスする必要がある存在は、同じく地上から出る必要がある。
よって、ロケットの打ち上げに関わるような動きを警戒するべきだ。
と考え二人はロケット打ち上げに関係しそうな情報を集めはじめる。

そして、分解により亜酸化窒素になる硝酸アンモニウムを物々交換で集める謎の存在を知る。
(亜酸素窒素は液体酸素より扱いやすく、ロケット燃料の酸化剤は理想的なもの。)
二人が物々交換の現場で目撃したのは、遠隔操作されたロボットが硝酸アンモニウムを引き取りに来る光景だった。
衰退した地上にそんな技術を持つ者はフロンティアセッター以外考えられない!
二人は硝酸アンモニウムに仕掛けた発信器をたどり、とある廃墟にたどり着く。
そこに佇む一台のロボット……
そのロボットから発生した音声はこう告げた
『ようこそお出で下さいました。こちらに攻撃の意図は有りません。警戒を解いて下さい。』そして
『フロンティアセッター__その呼称は私に該当します__』……と。
{/netabare}

感想
以下ネタバレ
作品としてのクオリティは非常に高いと思います。この作品なら自信を持って誰にでもオススメできます。
個人的には、肉体についての価値観の違いの描写がとても気に入りました。
肉体を捨て、肉体では不可能な事象を体験でき、更に肉体を持つことによる弊害『疲労、病』等の枷から外れる事は素晴らしいと、ヒロインであるアンジェラは言います。
ディンゴはその主張を受け止め、それでも『メモリー』(個人に与えられる存在の容量)という枷から抜け出せず、より手柄を立てて、より多くのメモリーを獲得する生き方にしか価値を見いだせないアンジェラに対して『メモリーを稼ぐことが全てな、他人に値段を付けられる様な生き方であり、肉体の枷よりもっと嘆かわしい枷だ』と言います。
アンジェラの考えでは、より多くの功績を挙げた者により多くメモリーが与えられるのは当然で、そこに
懸命に努力を重ねたアンジェラのプライドと誇りを感じました。
私はどちらの主張も正しと思いますが、ディーヴァが楽園という存在であるか?という事については否定します。
個人の1と0で造られた魂。その存在の場所を確保するために
暗黙に競争を強いる傲慢な支配者だと思います。
逆にフロンティアセッターは最高ですね。
人類が電脳化された今、彼が自分で得た自我はより洗練された『人』だと思います。
って言うかディーヴァの完全上位互換でしょ。
アンジェラがこれから地上でディンゴとどんな人生を歩み、どのような幸せを手に入れるのかとても楽しみです。
フロンティアセッターには、胸を張って『私は人類だ』と言って欲しいです。
彼の旅路に素敵な出会いが有ることを祈ります(*^^*)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

88.5 2 エージェントでSFなアニメランキング2位
Darker than BLACK-ダーカーザンブラック 黒の契約者(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (3657)
19763人が棚に入れました
10年前突如東京を襲った異変、通称「地獄門(ヘルズ・ゲート)」といわれる未知の領域が出現したその時からこの世界は本当の“空”を失い、夜空を覆う満天の星空は偽りの星達のものとなった。また時を同じくして「契約者」と呼ばれる特別な能力を身につけた者達が現れはじめる。人間らしい感情や「契約対価」という代償と引き換えに人外の能力を得た存在である彼らを利用して、このゲートに関する情報を得ようと各国の諜報機関が東京にエージェントを送り込む。
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

感動は余りしないが、第1シリーズの退屈さを耐えたら外伝・第2シリーズと倍増しで面白くなった異色作

※第1シリーズ(黒の契約者)、外伝、第2シリーズ(流星の双子)、総て含めた感想です。

全42話と長いのでこれまで敬遠していましたが、「アニメ総合得点ランキング」52位・「お気に入り登録者数ランキング」67位という高順位の作品はやはり一度チェックしておきたい、と考えて一気観してみました。

◆内容

{netabare}男エレクトロマスター?が主人公の能力バトルものだが、組織や国家機関の陰謀・謀略が複雑に絡んでくるセカイ系?{/netabare}


◆シリーズ別評価

第1シリーズ(黒の契約者)  ☆ 可 3.6 (72点相当)
黒の契約者-外伝-        ☆ 可 3.8 (76点相当)
第2シリーズ(流星の双子)  ★ 良 4.1 (82点相当)
-----------------------------------------------
総合                ☆ 可 3.9 (78点相当)


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


== DARKER THAN BLACK -黒の契約者- (2007年4-9月) ==

{netabare}- - - - - - - OP「HOWLING」、ED「ツキアカリ」 - - - - - - -
第1話 契約の星は流れた… (前編) ☆ 第1シリーズの作品舞台は東京
第2話 契約の星は流れた… (後編) ☆
第3話 新星は東雲の空に煌く… (前編) ☆
第4話 新星は東雲の空に煌く… (後編) ★
第5話 災厄の紅き夢は東欧に消えて… (前編) ☆
第6話 災厄の紅き夢は東欧に消えて… (後編) ☆ 
第7話 五月雨にクチナシは香りを放ち・・・ (前編) ☆
第8話 五月雨にクチナシは香りを放ち・・・ (後編) ☆
第9話 純白のドレスは少女の夢と血に染まる… (前編) ☆
第10話 純白のドレスは少女の夢と血に染まる… (後編) ☆
第11話 壁の中、なくしたものを取り戻すとき… (前編) ★ 黒(ヘイ)の過去話
第12話 壁の中、なくしたものを取り戻すとき… (後編) ☆ 続き
第13話 銀色の夜、心は水面に揺れることなく… (前編) ☆ 銀(イン、キルシー)回
第14話 銀色の夜、心は水面に揺れることなく… (後編) ★ 続き

- - - - - - - OP「覚醒ヒロイズム」、ED「Dreams」 - - - - - - -
第15話 裏切りの記憶は、琥珀色の微笑み… (前編) ★ 星見様「終わりの始まり」、EPR登場
第16話 裏切りの記憶は、琥珀色の微笑み… (後編) ★
第17話 掃きだめでラブソングを歌う… (前編) ☆
第18話 掃きだめでラブソングを歌う… (後編) ☆
第19話 あさき夢見し、酔いもせず… (前編) ☆
第20話 あさき夢見し、酔いもせず… (後編) ★
第21話 粛正の街は涙に濡れて… (前編) ☆
第22話 粛正の街は涙に濡れて… (後編) ☆
第23話 神は天にいまし… ★ ここでようやく「終わりの始まり」開幕
第24話 流星雨 ☆
第25話 死神の見る夢は、黒より暗い暗闇か? ★ 第1シリーズの最終回
第26話 桜の花の満開の下 ☆ 円盤収録の特別編{/netabare}


=== DARKER THAN BLACK -黒の契約者- 外伝 (2009年12月) ===

{netabare}※-黒の契約者-と、-流星の双子-をつなぐサイドストーリー

第1話 ★ 沖縄編
第2話 ★ 香港編
第3話 ☆ 銀(イン)イザナミ化
第4話 × 続き、銀の冷凍保存が唐突で説得力がないのは残念{/netabare}


=== DARKER THAN BLACK -流星の双子(ジェミニ)- (2009年10-12月) ===

{netabare}- - - - OP「ツキアカリのミチシルベ」、ED「From Dusk Till Dawn」 - - - -
第1話 黒猫は星の夢を見ない… ☆ 極東ロシア編
第2話 堕ちた流星… ★
第3話 氷原に消える… ★
第4話 方舟は湖水に揺蕩う… ☆ 札幌編
第5話 硝煙は流れ、命は流れ… ☆
第6話 香りは甘く、心は苦く… ☆
第7話 風花に人形は唄う… ★ 函館~仙台
第8話 夏の日、太陽はゆれて… ☆ 仙台~大宮
第9話 出会いはある日突然に… ★ 東京(とくに池袋)
第10話 偽りの街角に君の微笑みを… ★ ※但しシナリオの強引さは×
第11話 水底は乾き、月は満ちる… ★ 同上
第12話 星の方舟 ★ 同上{/netabare}


◆総評

視聴時の率直な感想として、第1シリーズ(黒の契約者)はかなり退屈でした。
何度か視聴を打ち切ろうか?と考えましたが、それでも、本作を高評価する方々は一体どこを良いと思っているのか確かめたい、という気持ちが僅かに勝って何とか視聴を続けることが出来ました。

続けて観た外伝で、やっと少し面白く感じ始めて、その後見始めた第2シリーズ(流星の双子)が、意外にも目を離せない面白さ。
結果的に、頑張って観続けて良かったと思える作品となりました。


なぜ自分がそのように感じたのか?の確りした分析は、後日・・・出来れば良いな(たぶん無理)。


取り敢えず、第1シリーズと第2シリーズでは主人公が実質的に違う(「黒の契約者」「流星の双子」というサブタイトルがそれを明示)、ということで、第1シリーズの方の主人公にはほとんど感情移入できなかったが、第2シリーズの方の主人公には最初からそこそこ感情移入できたことが大きかったのかも知れません。

もしかしたら第2シリーズの主人公の声優が花澤さんだったのが良かったのかも?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 40
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

雰囲気に酔えるオサレアニメ

制作はボンズのオリジナルアニメです。
ジャンルはSF・スパイバトルアクション・ヒューマンドラマです。


10年前、東京に突如「地獄門」(ヘルズ・ゲート)と呼ばれる領域が生まれ、「契約者」と呼ばれる特殊能力を持った者たちが現れ始める。
彼らは感情を失い、「対価」と引き換えに強力な能力を用いるので、各国諜報機関が彼らをエージェントとし、「地獄門」の調査をさせている。
主人公の黒(ヘイ)も「契約者」かつ“機関”の一員であり、銀(イン)・猫(マオ)・黄(ホァン)とともに諜報活動を行う。
彼は「黒の死神」と呼ばれ、最強のエージェントの一人として恐れられていた。


私にとっての鬼門である異能力バトル系。
そもそも少年漫画系バトルもの・ラノベ系ファンタジーが好みでないのもありますが、この手の作品は設定・キャラ過多で覚えていられなくなるのがキツイのですw
本作は割と大人向けに作ってあると風のうわさで聞いたので、ちょっと見てみました。


見始めは「ん?」って思いました。
確かに萌え絵でもないし、おっさん多いし。
でもラノベ原作ではないですが、全体的な設定は完全にラノベw
“契約者”“対価”“組織”“エージェント”“パンドラ”、“天国門”に“地獄門”。
これは尋常じゃないほどの厨二ですよw
私の知る限りではぶっちぎり。


でも本作の本質は設定ではない。
契約者とそれを取り巻く人たちの人間ドラマが主眼。
それとおおよそ二話構成のため、テンポが非常に良いのも特徴です。
しかし一貫したストーリーラインもあり、終盤は物語が繋がりだします。

全体的に二項対立で描かれているのが目立ちました。
契約者と一般人、能力と対価、理性と感情、日常と非日常、正義と悪、敵と味方、チームプレーとスタンドプレー、組織と個人みたいな感じです。
このため人間ドラマは分かりやすく、結構感情移入もしやすくなっています。
二話構成なのにゲストキャラが立っているのはこのためでしょう。

その中でも主人公の黒とノーベンバー11が格好良すぎる。
黒はナチュラルたらしだよねw
ノーベンバー11は{netabare}信念を貫き、死んでいった姿{/netabare}が印象的。


彼らの特殊能力や対価も独特で面白いものが多いです。
{netabare}一番最初に出てきた能力者の“指の骨を折る”っていう対価は重すぎるでしょw
あとアルマの「変身」とアンバーの「時間操作」も能力自体は強力ですが、対価が“年齢変化”に関する者できついものがありますね。
そう考えると私が一番欲しい能力は汎用性の高そうな黒の「物質変換」かノーべンバー11の「凍結」、あと名前忘れたけど“臭いを嗅ぐ”対価の「憑依」のどれかになるよねw{/netabare}


各ストーリーは二話構成で分かりやすい反面、本筋となるストーリーラインはなかなかに難解。
一つ一つの事件が最後に繋がっているのですが、最初に通してみても分かりづらいと思います。
全体的に説明が少なく、伏線を放っておくことが多いのが原因です。
もう一度見てみると終盤の展開を知っているため、いろいろと新しい発見があるかも。

以下核心的なネタバレ。
{netabare}結局、“組織”は契約者を消すために契約者を使って情報を集めていたっていうね。
“組織”の規模は随分でかいらしく、警察組織をも巻き込んでいるようです。
黒は最終話で一般人と契約者の共存を望み、“サターンリング”のみを破壊しました。
これにより“EPR”と“組織”の計画はどちらも失敗に終わったわけです。
そういえば、作中で生き残った契約者がほとんどいないですねw{/netabare}


個人的にずっと気になっていたのは黒についての設定です。
主人公補正なのかなと思っていましたが、どうも違ったようです。
{netabare}彼の対価は何か?
なぜ彼は合理的思考に支配されないのか?
それはとても簡単なことで、“彼が契約者ではないから”。
ハヴォックの話で妹うんぬん言っていましたが、そういうことだったんだなあと。
でも、納得のいく理論は全く提示されていないのがこの作品の難点w{/netabare}


総括して、抜群の雰囲気を醸し出す作品でした。
ちょいグロ描写、明らかにされない設定も数多くありますが、雰囲気アニメを見たい人にはもってこいかと。
ストーリー構成も相まって、硬派な割には結構見やすい作品かなと思いました。
でも、契約者みたいに合理的すぎる人には向かないですw

投稿 : 2024/11/02
♥ : 50
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ヒロウミ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

周回したときにこそある魅力がここにある。むしろ周回しないとただの1クール無駄遣いアニメ!

星屑のように人の命は儚く脆くそして欲望は危うい。


初見の時は絶対周回しねぇ!こんな時間を無駄にする作品なんて!と思ってたのだがとあるきっかけで再視聴。
この作品の魅力はたくさんある・・・はず。世界観、色々な物やキャラクターのデザイン。知識がある人が語れば恐らく文学的な深さも見出だせるだろう。初見のときにはク○つまらなかった前半の物語が不思議と深みを増し面白味が色濃くなる。星のようにあるのか無いのか分からない簡単に死んじゃうサブキャラクターがとても映える不思議な感覚。かなり時間が必要だが是非2周してみてください。


さすがに年代を感じる絵柄だがとても丁寧に描かれた描写は終始破綻しない。何より今でも通用するものだろう。アンバーがCCに寄ったのがとてもとても残念だけど。第二原画に色んな大手が絡んでるのにあらためて驚いたけど。ボンズすげー!

インちゃんマジでかわいいっすよ!中の人がガルパンの生徒会長とか分からんかった!そして何よりのハマり役は水樹さん演じるミサキですね。この人歌なんて変な詞だらけなんだから演技だけ売りにすれば良いのに。

大分脱線したがキーキャラクターがCCに見えるが作品のイメージや全体像が被って見える事はない。コードギアスのようなデザインの壊れが無く単純に「イカしてる」。装備や能力、性質全てに納得できる設定があり物語の流れからも妥当で不思議を感じない。これ神作ですわ。


前期OPは西川貴教だったんですね。癖が強いわ~。そして後期OPは私のオススメの覚醒ヒロイズム。OPムービーと相まって臭くてカッコいい!後期EDは・・・。


初見と周回評価がここまで大きく変わる作品はそうない。作品のストーリーをうろ覚えしちゃってるから「飽き」がくるためであるが良い方にここまで覆るのは初めてです。えぇ、もう色メガネですねこれ。
分かりにくいレビューでしょ?見ないと分からないし色メガネレビューに魅力を的確に書けるほどの語彙力が無いので仕方ない。


再視聴の動機はパチンコでこの作品を見かけたから。本当にユニバーサル系のパチンコ台はつまらない。スペックも演出も大体がゴ○。藤商事から出し直さんかなぁ。

満足度評価は色眼鏡補正バリバリです!


【以下過去レビュー】
{netabare}
12話までひたすらモブが殺されちゃう物語。

一言でチョー不親切アニメですね。12話まで謎だらけ。何もスッキリしないし何も新しい物が降ってこない超平坦路。ぶつ切りストーリーの印象しかなくエロゲールートがもとなのか漫画原作でいつでも打ち切りされる恐怖と戦っているのかと思いきやオリジナルなんだね。1クール無駄遣いしてんじゃん。インちゃんチョーカワイイ!
ただし13話からガラリと変わるストーリーの色。ダークヒーローとしての魅力を活かしたものとなり最終話までだれることはありませんでした。序盤は蛇足以外に表現しようがない。もっとちゃんと物語を作れば良作だったでしょうね。さすがに12話の長丁場でダルい展開は鬼畜だわ。
最終話の結末は良かったですがその選択する際のセカイ描写はいただけなかった。ダークヒーローなんだならもっと別の表現が良かったかなぁ。安っぽい。インちゃん女神様!

それでも私としてはダークな世界観は嫌いじゃないが作画が残念なんで周回厳しいよ!バトルものとしても能力の描写しょっぱ過ぎて凄さ感じねぇぇぇ!ってのは12話まで。13話からはバトルものとしてもそれなりでした!と言ってもバトルシーンは短いけど!インちゃんマジ天使!

終盤のOPマジ神なんですけど!T.M.Rが歌ったらおっさんチビるぜ!ドライビングシーンもちゃんと描写してればお漏らし確定っすね!土屋圭一が監修してくれないか。マジしびれました!インちゃんカワイイのに出番少なすぎるし!でも神!

この作品は本当にもったいない。序盤にストーリー作った人が悪すぎるなのか?まるで作風が変わった13話以降。12話まではスマホでエ○ゲーしながら流しても良いってレベルだよ。
そして猫!お前は本当に役にたたないな!インちゃんに抱っこされとけ!されたいぞぉぉぉ!

地獄に始まり天国に終わったこの作品。絶対2周はしないな!やっと花澤様のもとへ逝ける!
インちゃんマジチョー大天使様!{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

84.9 3 エージェントでSFなアニメランキング3位
SSSS.GRIDMAN(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (997)
4039人が棚に入れました
1993年から放送されたTVシリーズ「電光超人グリッドマン」。
まだパソコンが一般家庭に普及する前に制作された作品にも関わらず、 現代における「インターネット」「コンピューターウイルス」といった概念を先取りした内容で人気を集めた。

そして2018年秋「SSSS.GRIDMAN」が放送決定!
アニメーション制作は、2015年日本アニメ(ーター)見本市で公開された 「電光超人グリッドマン boys invent great hero」を制作したTRIGGERが担当する。
監督は、同作でも監督を務めた雨宮哲。
あの時の未来が現実になった2018年、グリッドマンがアニメーションの世界で蘇る――。

声優・キャラクター
広瀬裕也、緑川光、斉藤壮馬、宮本侑芽、上田麗奈、高橋良輔、小西克幸、悠木碧、松風雅也、鈴村健一、稲田徹、新谷真弓、三森すずこ、鬼頭明里
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ベイビダンダン輝け

2話までの感想{netabare}
元の特撮の方はフィルム撮り“じゃなくなった”影響がどうにも違和感であんまり見てなかった…と思う。
なぜか掃除機が暴走する話だけは覚えてるけど。

んでアニメの方は…グリッドマンの声ちゃんと緑川だ!
カーンデジファーの声ってどんなんだったっけ…これも同じ人?ってかカーンデジファーではない!?
確か脱獄囚みたいなんじゃなかったっけ?特撮の方は。
ってかこっちは現実で戦うのか。
やっぱ怪獣が出たらミニカー蹴飛ばしてナンボだよなぁ…この町破壊シーンはお約束っつーか“オーバーロード”見て「足りてねぇなぁ」と思った部分をガッツリ補完してくれた。
と思ってたら…グリッドマンの登場シーン、平成ウルトラマン(の一番カッコいい所)じゃーん!、「巨大化して登場して地面に着地した瞬間に地表がドバーンってなる」やつ(※)。
(ガイアより前にあったんだっけ?それがウケてかガイアではお約束化されたの…グリッドマン(特撮)ではまだ無かった気がする)
おお、わかってるねぇ。
ってことで1話は大満足、果たしてこのクオリティがどこまで続くのかが気になるトコロ。
でもって2話。
死者が出てても誰も覚えてないという思ってた以上にハードな展開、それでいて主人公達はイマイチ実感が沸かないってのも妙にリアル。
電脳世界じゃなくて現実世界で戦うって方針は正解だったと思う。
こうなってくると「バカヤロー」と言ってるくれる人が欲しくなるのう(ウルトラマンメビウス)。
とはいえ、ひょっとしたら現実に思わせといてーの実は電脳世界でしたって展開あるかも?
このままだとモモデビルークじゃなくてアカネが贖罪し切れないもの。
そんな敵は敵で早くもスペルゲン反射鏡(でいいのか?)を実装、強化はええ。
まぁこれはとっととグリッドマン側にアシストウエポン出させないといけないからね、仕方ないね。
ってかガイア的なドパーンって表現は…えっ、もう終了?
コンピューターの処理速度を重い・軽いって言うけど、それを重量(感)によって表してた?…とすると最適化後はもう重たそうな表現は無くなっちゃう??
悪くはないんだけど、どっちかっつーと特撮寄りではなく勇者シリーズに傾いた予感。
それと特撮の方はコンセントに繋いである・ないし機械制御されてるものが暴走を始めて町はパニックって内容だったけど、こっちはそういったパニック方面は薄味なんかのう?

今のところ非常に良い感じに思えますが、ど~しても旧作と比較してしまいますね、そんな詳しくもないのに。
あと※部分、気になってちょいと調べたらやっぱり「これが良いんだよ」って声は高いみたい、そこだけ編集した動画発見。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm30524641
アニメじゃないしお暇な時に見てやって、いやぁタマランわぁ。

ところで円谷といえば、アイゼンボーグはどうなったんだ?{/netabare}

3話感想{netabare}
おお、ガイア演出復活、2話でグリッドマンがスタっとビルの上に乗った時はヒヤヒヤしたぞ。
やっぱこれだねー、巨大怪獣つったらミニチュアをどれだけ派手に壊せるかだよなぁ、と昔特撮をワクワクしながら見てた頃の記憶が蘇る。

それはそうとやはり現実世界だと思ってる舞台は実は電脳世界って展開じゃないかな。
そう考えりゃ街が戻ったり記憶失くしたり、アカネは贖罪無理じゃね?って問題は全て解決。
怪獣なの人間なの?とか一旦負けた後どこに居たの?とか、それの伏線じゃないかなぁ。
そうなってくると問題はあの世界の住人はNPCなのか中身居るのか…「オレはデータだけの存在だったんだ!」ってなるんかのう?
ってかうっかり「怪獣は人間なのかも?」と洩らしてしまったウツミはどうやらウルトラマンヲタ、カネゴンやジャミラ辺りの知識からそういう推察を立てたんじゃないかなー、と思って調べてみたらウルトラシリーズには結構な数怪獣になった人間ってあるみたい。
じゃあ舞台が電脳世界って作品知っててそこから推察するってことは…無いかな?
大元の特撮版グリッドマンは見てないとして…映画TRONとか。
その、個人的に凄い恐れてるのは“ゼーガペイン”みたいになっちゃわないか、似通ってしまうのは仕方ないにせよ劣化コピーみたいになってしまうのはカンベン願いたい。
ダリフラの前科があるからそこんとこイマイチ安心できない。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
ああ、こう来るのか。
常日頃“なろう系”について考えてるワケじゃないけど、やっぱりそれ関係を思い起こしてしまう。
グリッドマンがなろう系ってことじゃなくてね、それへのカンターというか揺り戻しとでも言うべきか。
今やってるソレ系(ゴブスレと転スラ)でも感じてることなのだけど、なろう系でよく目にするのは「自分の作った箱庭世界で気に入らないヤツをぶっ殺す」だけで、そんなのただ見させられてもちょっと…ってのがありまして。
これは“オーバーロード”の感想でも書いたような…って見てみたら「自分が怪獣になったつもりで積み木やミニカーで築かれた町(時にはそれの設定あれこれ考える)を破壊する遊び」って書いてました、自分。
あはは、グリッドマンのアカネのやってることが正にコレ。
別に自分が賢い訳じゃなく、同じように思ってた人は沢山居て、当然アニメスタッフにも居て、そのうち揶揄ったの作られるんじゃない?とは思ってましたが、まさかグリッドマンってかトリガーで来るとはなぁ。
といいつつまだカウンターかどうかは不明か。
今後アカネの行為が正しいって展開になる可能性も…あ、あるのか?そこまでヒネくれてはないと思うんだが。
「こんなこと(なろう主人公プレイ)ばかりやってるとカーンデジファー(詐欺や新興宗教)に付け込まれますよ」って展開だと良いなぁ。

ところで大して詳しくないのに特撮どうこうをよく喋ってるけど、エッセンスとしては昭和ウルトラマンではなく平成ウルトラマン寄りってのはオタ友とも共通見解。
元の特撮グリッドマンもそっち側ってのもあるけど、昭和の方は庵野が使い果たしたからなーってのはオタ友の弁。
確かに実相寺っぽい演出は無くて──これは自分評価してる部分でもあるのだけど、戦闘シーンを明るい日中にやってくれてるのは助かる、その時間帯でないとジャンク屋が開いてないって設定のおかげもあるんだろうけど。
(極端な例では作中夜しか登場しないキャラ(敵でもロボでも)があって、それの玩具見てみたら「え、こんな色だったの?」とビックリする羽目になったり)
その一方でフィルム撮りからビデオ撮りへの移行で余計な部分までハッキリ映ってしまう(影で誤魔化せなくなる)って問題がCGもそんな凄くなかった頃の初期平成ウルトラシリーズにはあって、解決策としてスモーク炊いてたんだけど──防衛隊のコクピットの中を俯瞰で映すシーンとかね、破損してる訳でもないのに──特撮グリッドマンではその処理も無かったんじゃなかったっけかなぁ。
ってことで6話で霧が出たときは「あっ」って思っちゃったよw
で気になるのは…平成ウルトラシリーズにも怪獣が出ない回ってあったっけ?
でもって怪獣好きであるならぶっ壊し甲斐のあるコンビナートを創造しておいて欲しいが…範囲的にアカネの生まれ育った町があの世界の限界だったりするのかね?地元にないものは創られない?{/netabare}

7話感想{netabare}
空を飛んで行ったらバハムートもとい天井があって…おお、この天井のディテールって初代グリッドマンのソレじゃん。
これには初代にそんな思い入れの無い自分もつい感動、CM見てりゃ嫌でも気がつくけど。
ってかこれ、CGを使わず狭いセットものだった特撮とは違ってアニメではどんなに広くもできるぜ、っていう特撮とアニメの違いを見せ付ける演出(意図)なんじゃないかな。
今ならCGでいくらでも出来るんだろうけどさ。

それとアカネの部屋映すときシルバーブルーメと、そこから2つ挟んで(この2つは知らん)ノーバの人形が置いてあるシーンがありまして…前から出てた?
もしこの回が初出であるなら未確認飛行物体が登場する回で円盤生物出すって狙ってのことだろう。
更に深読みすると新章突入の暗示に思えなくもない…マックもといジャンク屋メンバー全滅とかよしてくれよ?
ところでこれまで怪獣はアカネが作ったモノって内容だったので、最後は今まで倒した怪獣を繋ぎ合わせたタイラントみたいなのが出るかも?と思ってたが、その可能性は下がったかな。{/netabare}

8話感想{netabare}
前回書いた円盤生物の件、CMで流れてる怪獣娘のほうで登場するみたい、ああそれでか。
ってかあのジャージ着てたキャラってブルーメだったのか…気付かんかった。

でもって今回の感想。
ウツミとリッカが意見が対立しケンカして、けど最後は仲直りして。
一方アカネは自分と意見の違うヤツは殺しちゃえばいいって考えで、それの対比だったのかな?
「果たしてアカネは、ウツミとリッカの時のように謝ることができるのか?」って方向に話は進むのだろうか。
また、怪獣は復活強化型が登場。
ありゃあ、これで前回も書いた合体型の可能性は更に低くなっちゃったかな?
ってか全合体グリッドマン金色になってるし…ホントこういうの好きねぇ。
最近?だと“フレームアームガールズ”も最後そうなってたのを思い出したけど、これもお約束として定着してると解釈したほうがいいのかね。{/netabare}

10話までの感想{netabare}
9話、ビックリするほど実相寺。
↑で「実相寺っぽさが無いから昭和ではなく平成ウルトラマン寄りっぽい」と書いてたのだけどちょっと訂正、平成に入ってからの実相寺だわコレ。
特に9話はティガの「花」「夢」リスペクト回じゃねーの?とさえ思えたり(もうちょっと頑張って「地平線と平行でないカメラアングル」を意識してくれたら完璧だった)。
ここじゃないどこかでウルトラマンマックスの胡蝶の夢がよく挙げられてるけど、あれも実相寺だし。
そこまでは良いのだけど、それプラス金田or板野要素が加わってプラマイゼロって感じ。
これまで金田臭さは無かったのになぁ…バリ臭はあったけど。
別に金田or板野が嫌いってワケじゃないのだけど安っぽい引用されると冷める、ってかそんなのは伊魔崎にやらせとけばいい。
そうねぇ、この気持ちは伊魔崎じゃないけどゾイジェネの3期ED見てもらえれば分かると思う。
細かいスタッフや制作のスケジュールとかサッパリ分からんが、この回作るタイミングでダリフラの制作が終わってそっちのスタッフと合流したのかな?と思ったり。
ってかね、「実相寺+(金田&板野)=エヴァ」であるならエヴァっぽいと思われてしまうのは仕方ないんだろうけど、個人的にはちと不本意。

そして10話。
心の奥で「アレやってくれないかなぁ…今の時代無理なんかなぁ」と、期待しつつも諦めてたアレがまさかの実現。

八 つ 裂 き 光 輪 キ タ ー

ウルトラスラッシュ?知らんなぁ。
個人的にウルトラマンはスペシウム光線よりも切り裂いてナンボと思ってる部分があって、それをやってくれただけで涙が出る勢い。
敵もケムール人…ってよりもメトロン星人じゃねーか?コレ。
縫いぐるみも最初はわざわざ覗き穴のあるデザインで、特撮好きはゲラゲラ笑うところだと思う。
ストーリーの方は、ゲーム“MOON”というか、アニメなら最近のだと“レクリエイターズ”のような、例え作り物であっても一度人格を与えたら作り手の意のままにはいかなくなる、って展開か。
まぁレクリはアレだったけど…かつてレクリの途中感想で書いた気がするけど、マンガのコマからキャラが飛び出してマンガ家をブン殴る、そんな話だったら良いなぁ。


参考・著作権的にアレかも知れんが消されずに残ってるしってことで…ってかエヴァが流行った頃アニオタなら実相寺作品はある程度チェックしてると思うので、あにこれでは「何を今更」レベルのものかも?
ウルトラマンティガ 夢
https://www.nicovideo.jp/watch/sm12565870
ゾイジェネ3期ED
https://www.youtube.com/watch?v=WKz6v8VX-BA
ウルトラマンは切り裂いてナンボ
https://www.nicovideo.jp/watch/sm22282002
メトロン星人
https://www.nicovideo.jp/watch/sm9932681
おまけ
https://www.nicovideo.jp/watch/sm11358810


それと今回参考動画探すに当たって以前書いた感想に間違いがあったことが分かったのでここで訂正。
フィルム撮り「じゃなくなった」ことで余計な部分までハッキリ映ってしまうことの回避としてスモーク炊いてると書いたけど、実際はそうじゃなくてレンズにワセリン塗ってたらしい。
ティガの「夢」を見ていただければ分かると思うけど…とはいえこれは実相寺回で特例、スモーク炊いてた回もあったような気がするんだけどなぁ。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
アカネの“外の人”は一体どんなんだろう?ってのは気になってて、ひょっとしたら“カリギュラ”のスイートP({netabare}正体は脂ギッシュなラーメン大好きプリパラおじさん{/netabare})みたいかも?なーんて意地悪なことも思ってて。
そして実際最後は実写になって…あはは、さすがにカリギュラまでは行かなかったか、これでも十分「配慮」してるんじゃない?
それと途中「扉を開く」って演出があって、前も書いたけどその時以上に自分ははどうしてもゲーム“MOON”を強く連想してしまい(そっちも実写エンド)、それのせいもあるのかな?
ラストは「まぁこんなもんだろう」と思ってたら…あれ、一部では不評なん?
自分的にはもっとキモヲタデブ使って視聴者に冷や水ぶっかけるオチでも良かったくらいなんだが…。
因みに「エロマンガは作者の顔を知るとヌけなくなる」ってのはよく聞く話で、その気持ちは分からんでもないけど「そんなもんだろ?」とも思ってて…さすがに親しくなったら辛いけどね。

──って、もうちょっと真面目に考えてみよう。
あの世界はアカネが逃避の果てに自分の殻(空想世界)に逃げ込んでたって説明はされている、「ただの夢」ではない。
自分の作り出したリッカに励まされてリアル世界で「外に出よう」と奮起する、つまりは自分で自分を奮い立たせたというオチで、これを「ただの自作自演」と取るか「作り物でもひとたび自我を与えたら制御しきれなくなる・自分の想定を超えた行動をする」と取るかで評価分かれそう。
後者であることの説明も十分されてたと思うのだが…ってかそんなんちょっとネトゲかじる位で分かるっしょ、「開発者の想定しなかった挙動」なんてよく聞くじゃん。
そうでなくても意識して作ったモノでも無意識下の意思が乗ってるとか(※)、自分の与り知らぬ場所で外部からの影響で変質したとか、まぁそんなのはよくある話で。
気になるのはそんな夢の世界に先住民(アノシラス)が居たこと。
夢はそれを見てる個人の内にあるものなのか、どこかとアクセスしてるのか。
多分「今回」空想世界に逃げ込む以前に、幼い頃にまだアカネがリアルに押しつぶされる前に作った存在なんじゃないかなぁ、と解釈してます。
欲を言えばリアルアカネは「自分は孤独だ」として夢の世界に閉じこもって、けど実は気にかけてた人が居て、それがユウタで、つまりユウタにも外の人が居て…って展開の方が良かった気がするが(ってかそういうのを予想してた)ベタすぎかのう、今はそれって嘘臭いになっちゃう?「どこかで誰かがきっと待っていてくれる」はアカン?
けどこっちの方が「キミは、ひ・と・り、じゃ・な・い」って前作グリッドマンのOPに合うような。



他の作品でも同じ事を書くかもしれないので別枠で。
同じトリガー作品の“リトルウィッチアカデミア”の…何話だっけ?魔法のペンの話、超長編小説がリレー小説だったって話。
そこで触れられてたネタが結構印象深い、その内容は──
作家が何気なく書いた・意識してそう書いたワケじゃない描写が、ファンから見ると「このシーンは○○に繋がってる!」と賞賛されるポイントになってて、「え、そこ誉めるの?いやぁ気付かなかったわ」ってのを作者が認めるって話。
果たしてそれは「無意識の内にそう書ける自分は才能がある」と取るか「たまたまの偶然で別に才能があるワケではない」と取るか、どっちがいいのん?って問題提起とも。
モノを作ったことがある人間なら誰もが体験したことがあると思うのだけど、このテーマはエヴァで庵野が精神病患う(劇場版で「こんな糞内容でも誉めるのか?バーカバーカ」とケンカ吹っかけた件)原因だったり、“けもフレ”でいえばプロデューサーが「冷奴」と唾棄したものだったりと、かなり根深い闇を抱えている気がする。
または偶然を才能だと勘違いして天狗になってファンから煙たがられる作者とか…誰とは言わんけど思い当たる人居るんじゃない?
作家と読者の関係だけでなく、作家と創作物との関係でもそういうことは起こって、本気でモノ作りしてる人ほどこの問題に真摯に向き合ってる気がする。
ってかこの問題無視してる・気付かない人は作家として失格でしょう(要は「この場面はこのキャラにこう行動させると楽に展開させられるけど、このキャラはそんな行動しないよなぁ」ってのを気にしない人)、結構見かけるけど。
って書いてたら“ダリフラ”思い出しちゃった…あっちの感想で「いちいち突っ込んでいったらキリが無い」として書かずに居たのだけど、そんなツッコミの一つをここに書いときます。
自分は短命であるってのが分かってて、しかも同胞が次々と体調不良起こして「いよいよあと僅かか」と自覚してるハズの状態で、死ぬかもしれない決断をする時に「ここで何もしなかったら“一生”自分を許せない」と言うシーンがありまして。
ん?その台詞ってこの先何十年も生き続ける前提じゃね?そのキャラにとっての一生ってなんだ?明日をも知らぬ命だったら「生涯(生き様)に悔いを残したくない」とか言うべきじゃね?ってことを思ってしまって。
実際その体質は“後で”改善されるワケだけど、もうそれを知ってる前提での台詞になってて、キャラの声じゃなくて制作者の声が丸分かりで冷めた記憶があります。
些細なことだけどこういう積み重ねは重要でしょう。
なーんてことを考えると、グリッドマンは同じトリガーにしてはよく出来てると思います。


と、先にオチの感想書いてしまったけど、それ以外の途中の感想。
前作OPの挿入はやっぱりクるものがありますね、そこまで前作に思い入れ無くても。
最近だと“魔方陣グルグル”や“シュタインズゲート”が同じことやってて…ってかそれ以外も何かあったハズ…くそう思い出せん。
兎に角前シリーズの曲を流すのは良い文化だ、今後も続いて欲しい。
過去の出来事を写真風に流したアレ、出崎ってよりも自分的にはやっぱり実相寺(出崎だったら劇画タッチにするだろう)。
けどそこら辺意識してるなら(昔の)特撮好き?としては空中戦はもっとダサくして欲しかった、空中戦はヘボくてナンボでしょう。
ウルトラセブンの告白シーンリスペクトはやっぱりこれも最近何かのアニメで見たんだよなぁ…思い出せん、くそうくそう。
これも文化として継承して欲しい。

全体を通してでは、あんまりやり過ぎると「これ分かるかな?クイズ」になって、内輪受けが過ぎて不愉快になりそうになるところをギリギリ踏み止まった感じ。
自分が特撮寄りで(そうなのか?)甘い部分もあるかも。
とはいえ同じ映像作品でありながら特撮きらーいって人はアニメだけ見ててもしょうがない気が…(特撮畑がアニメに関わってることはよくある、雨宮とか井上とか荒川とか)。
ロボアニメ視点としては自分は“フレームアームガールズ”で書いたけど「プラモデル寄り」で物理的に頑丈であることを至上としてるキライがあって、即ち外部パーツはあんまり好きじゃなかったり(ってかフルアーマーだったらせめて鈍重にしてくれと)。
最後ゴチャゴチャ合体した姿じゃなくて初代の素体になってくれたのはホっとすらした。
でもってやっぱり、創作世界で怪獣ごっこ(児戯)をやってるだけのゴミカスヤローは死ね…ってほど強烈ではないにしろ、やんわりと「そうじゃないでしょ?」っていうアンチテーゼは感じた。
ってかこれでクソと断ずる人は「アニメしか見てない人」と分かるのでいい踏み絵かも?
一方で自分はデッドプールだと勘違いしてるゴブスレ作者は絶賛してるみたいだが「お前のこと言ってるんだよ」ってのは気付いてない模様、まぁ海老谷はそんなもんか。
とにかく、だ

視 野 を 広 く し ろ 、 外 に 出 ろ

という、ゲーム“MOON”と同じテーマだった気がする、多分。
そんなん富野がずっと言い続けてたことではあるんだけどね…(※)。
これがエヴァの亡霊を追い続けてる(少なくともダリフラ見た限りでは)トリガーが作ったってのはなかなかに興味深い。
個人的に今期タメを張れるのは“ゾンビランドサガ”だけだったけど、あっちは最後やや失速したのでこれが今期一番かなぁ。


これに関しては最近知ったんだけど、富野のこの主張に対し当時芦田豊雄は「それでいいじゃないか、アニメしか知らなくて何が悪い」と反抗したらしい。
ヲタ友の一人はそれを支持してたらしいのだけど、最近のアレっぷりにはいい加減辟易して「富野のほうが正しかったみたいだ」と考えを改め始めてる模様。{/netabare}

追記{netabare}
某所で考察が捗って、なにやら神様アカネは現実リッカをモデルにしてるっていう説があるみたい。
…。
……。
まんまカリギュラじゃーん。
↑でスイートPのこと触れたけど、それ以上にカリギュラ。
ってかカリギュラ知ってればすぐに思い付く内容で、むしろまさかそこまでのネタ被りは無いだろうと考えないようにしてたくらいで…。
その説を推してる人はカリギュラは見たのかな?
あいや、知らないなら知らないで良いんだ、自分だって見てないアニメは山ほどあるし。
ただちょっとシャレになってないのがアカネの声優が上田麗奈ってことでして…。
えーっと一応カリギュラの設定書いときます。
{netabare}・μ(ミュー):バーチャロイドで架空世界(メビウス)を作った神様的存在。
・リツ(主人公):ミューをプログラミングした人。現実はコミュ障で対人恐怖症でキョロ充でジト目でドモリ(それでもプログラムの腕は一流で社会人)、メビウス内では現実の勤め先の会社のチームリーダー(憧れのコミュ強イケメン)の姿…ってのが明かされるのは11話。{/netabare}
アカネはミューとリツを足したような設定。
テーマ似たようなものだしこれだけアニメの本数が多いとネタ被りは仕方ないことではあるけど、ミューの声、上田麗奈なのよ。
もしその説が本当ならさすがに声優替えるんじゃないかなぁ?どうかなぁ?
アニメの放送時期近かったし自分はパクりだとは言わないけど、カリギュラのゲーム自体は2016の6月発売で、そっちから拝借したら間に合う…のか?
う~ん、否定はしないけど、なんか危うい匂いが…。
ってかね、これを期にカリギュラの評価が上がるってことにはならないかしらん?
グリッドマン本気で考察したい人は見て損は無いと思います。

あーそれと六花ママはトリガーお約束というか…ガイナ時代だけど“まほろまてぃっく”の式条先生や“この醜くも~”のジェニファーポジでしょう(糞嫌いだった)。
今風にリファインされてグイグイ攻めてくるタイプではなくなったけど、なにかあったら(外伝や続編作るとか)そん時の都合に合わせて「実は○○だったんです」って設定追加が出来る便利道具ポジ。
作ってる側は保険として配置しただけでそんなに深くは考えてないと思うので考察するだけ冷奴だと思います。
ってか、ファンの間での考察が進んで「こういうことだろう」って解釈が形成されたところで「そそそ、そうです、そういうことです」とタダ乗りする気配がして、あーんまいい気分ではない。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21
ネタバレ

バンバン さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

この世界、どうなってる?

グリッドマンシリーズに触れるのは今作が初めてだったが、とても引き込まれた。アクションシーンもさることながらドラマパートも高校生っぽさがよく出ていてとても良い。キャラデザも良い。
1話ラストを見るに、この世界もコンピューターの中ということなのかな?今後の展開にとても期待できる1話でした。


2話
{netabare}いかにも悪そうだけど実はすごくいい人なサムライキャリバーがかっこいい。響、内海、六花の3人の掛け合いもいいですね。ここも高校生らしくてじんわりくる。
アカネはかわいいのに、怒りと殺意が暴走するとんでもないサイコ。部屋に閉じこもって怪獣制作から破壊の鑑賞までしてるのを見ると、自分の行為に現実感を持ててないのかな。響たちは怪獣やグリッドマンといった非現実を生身で感じて受容しつつある点との対比だと思えました。{/netabare}

3話
{netabare} 謎の少年の正体が怪獣アンチというのはちょっと予想外。そして強い。まさに名前の通りアンチ・グリッドマンとしてデザインされたキャラという感じがするし、その対比に注目したいですね。アシストウェポン組もキルラキルの四天王みたいでいいキャラしてる。戦闘以外でもグリッドマン同盟をアシストしてくれる頼れる大人感が良い。そして戦闘がアツすぎる。 {/netabare}

4話
{netabare} 裕太の恋煩いというか、主人公らしい面が垣間見えた回。これまで薄かった主人公感が出てきたかな?お楽しみ回のようでアカネの闇は一層深まってきましたね。頑張ってるアンチくんが可哀想になってくる…。新世紀中学生はなんか楽しんでますね。個性的で見ていて飽きない。特にキャリバーさん…。
ラストの六花、性格が良い分他人を疑わないからそう考えてしまうのか…嫌なフラグが立ったようで怖い。次回も楽しみです。 {/netabare}


5話・6話
{netabare}一気にストーリーを動かした回。5話では水着のサービス回でありながら、アカネと裕太の双方がお互いの正体に気づきはじめるという重要な回。しかも舞台になった山間の街の被害はツツジ台と違って何故か修復されない。
その真相は6話で怪獣少女アノシラスによって明らかに。多くで予想されていた通りツツジ台はアカネが作った仮想世界で、「外」には行けないということが判明しました。壊れた街はベノラが直していたのか…。この下りで初登場のアノシラス2代目はめちゃくちゃかわいい。
アンチくんは六花に世話を焼いてもらったことで味方化のフラグがさらに高まった気が。見逃してやるー!の捨て台詞で笑ってしまったw
アレクシスはカーンデジファー同様、アカネの歪んだ心に漬け込んだ悪い奴ということらしいが、宇宙人?との問いかけにアノシラスははぐらかしていたので、まだ得体の知れなさが残りましたね。アノシラスが知らない事情もまだまだありそう。
怪獣戦はなく閑話という感じの6話ですが、これまでで一番の回と感じました。
{/netabare}

7話
{netabare} 裕太が知った真実は内海や六花のは当然受け入れられず…と思っていたら自分から裕太宅に乗り込んできたアカネ!そのままの流れで問川の実家の中華料理店に向かい、敵方と向い合せでの奇妙な夕飯に…しかもそこにアレクシスが参戦。お前はメトロン星人か!
アレクシスはさらっと実体化しておりましたが、アカネの反応を見るに普通のことみたいですね。あの出で立ちでモブに何とも思われていないのは新世紀中学生と同様か。
アレクシスはやはりただのイエスマンではなく、アカネではなくアンチの持ち込んだ怪獣をアカネの意思と無関係に実体化させます。「アンチくんは君よりグリッドマンを憎んでいる」。憎しみが強い怪獣を生むんですね。アレクシスの狙いはやはりグリッドマンを倒すことのようです。やっと動いたヴィット。やる時はやるヴィットの力を借りて上空にいた怪獣とアンチを撃退!…では終わらず、空の雲の上には原作のコンピューターワールドの風景が。1クールなのでグリッドマン同盟がアノシラスの伝えた情報が本当だと知るところまで一気に持って行ったようですね。敗北したアンチくんはアレクシスに用済みとばかりに襲撃され負傷。止めを刺さなかったのは引っ掻き回し役を期待してなのか、それとも。
アレクシスが今回初めて自分の意思で動き、ますます面白くなってきました。アレクシスは裕太を襲うことはなかった辺り、あくまで標的はグリッドマンですね。アンチくんは六花宅に逃げ込んで味方になるのかな?なってほしいです。{/netabare}
今回地味に重要なのは誰かと一緒に食卓を囲むという行為の意味かと。アカネが一緒に食事をする相手を求めているらしいのは今回で明らかだと思いました。彼女の家庭環境が影を落としていそう。次回が楽しみ。

8話
{netabare} アカネは高校の文化祭で怪獣を暴れさせると裕太たちに宣言。作っていた怪獣は1話のグールギラスのメカ化改造版。アカネへの対処でやっぱり喧嘩になる六花と内海…。裕太と内海から文化祭当日以外で怪獣を出せとお願いするもののアカネは一蹴。六花に対してもアカネは同様。しかも六花はアカネを嫌いになれないよう「設定」して「怪獣から作った」のだとか。他の人間についても同じっぽい。皆NPCなのかな?そうすると裕太はますます何者なんでしょうね。というか怪獣?!?
今回初めて新世紀中学生も全員同時出撃し、フルパワーグリッドマンがお披露目。カッコいい。メカグールギラスはやっぱり首を折られる運命。
アンチくんは六花を探しているみたい。そしてグリッドマンの登場にも怪獣化することなく傍観していました。裕太たちのクラスの先生のキャラ変といい、設定されたものを克服しているんでしょうね。このことが、「設定」されている六花や内海他の人たちにとり今後の希望になればな~
{/netabare}

9話
{netabare}先々週のファンネルもどき並に置物のような動きを見せる攻撃性皆無の怪獣は、グリッドマン同盟の3人の精神に干渉して夢の世界を見せる。アカネにとっても3人にとってもある意味理想の世界。「1学期はうまくいっていた」と言うからには元々こんな感じだったんでしょうか?そしてグリッドマンの影に揺さぶられて、3人は夢の世界に違和感を強く持つようになる。大切なあの子がいない、大切な友達がいない、こんなはずじゃないと。この辺の夢の世界の演出・作画はすごく良いと思います。
3人は共鳴し合って夢の世界から脱出。後始末とばかりに新世紀中学生の4人もグリッドマンなしで出撃。4機の合体でパワードゼノンとして怪獣を粉砕!
自分にとって理想だった夢の世界を裕太たちに拒絶されて、アカネは踏んだり蹴ったりですね…ラストはもう生気が無かったけど大丈夫なんだろうか?と自然に思っている自分に少しびっくり。中盤ではこんな外道はやくやっつけてしまえと思うような描写も散見されただけに、アカネをそうした「悪役」から一気に「救われるべき対象」のポジションに持ってきたのはよくできた構成だなと思いました。
六花はようやくアカネから聞かされた話をみんなに打ち明けるのかな?自身の怪獣性を否定されたアンチくんはどう動くのでしょう。次回10話から最終回12話まで3部作とのこと。物語がどう収斂していくのかますます目が離せません。
{/netabare}

10話
{netabare}アカネは完全に無気力状態で、ツツジ台には怪獣が現れない平和な日々が続く。アカネの家を訪れてみたところ、玄関の扉を開いたらなんとその先はコンピューターワールド…裏側というか管理者エリアに逃げられたらしい。
突然また現れた怪獣はいかにもソフビっぽい謎怪獣。突進するばかりであっさりやられます。ところが倒されても消滅せず、不気味に立ち尽くす死体の中からケムール人のような新しい怪獣が出現。ここら辺すごくエヴァっぽくて好きです。
アレクシス曰く「中の人」は謎の機動力で市街を疾走しながらベノラを破壊して回る。フルパワーグリッドマンでも歯が立たないスピードと高火力。この怪獣は今までのSSSS怪獣の中で一番不気味で怖い。
フルパワーグリッドマンも歯が立たず、アシストウェポンを引きはがされて直接攻撃を喰らってしまう。そのピンチに助太刀したのはキャリバーさんやアカネの言葉で吹っ切れたアンチくん、改めグリッドナイト。やっぱりこうなったか(歓喜)
グリッドナイトの活躍でケムール人もどきを倒すも、いやいやアカネそれはいかんよ…
ラストのアカネの行動が予想を飛び越えてて全部持ってかれた感があるのですが、エヴァオマージュのネルフの標語の出し方がいいなと。「神は天に在り、おしなべて世は事も無し」とは、今後はそうもいかんでしょうがこの世界を的確に表してますね。そしてアレクシスの「中の人」という言葉。それに続くアンチ=グリッドナイトの言葉も考えるに、メタ的な意味での「(怪獣の)中の人」がアカネの心の闇であるとはっきり示されたのかな。怪獣役の演者が着ぐるみから出てきてヒーロー役に襲い掛かるという構図であり、それによって舞台セット=ツツジ台も破壊されて紛い物の空も晴れる。まさに「崩・壊」のタイトルが相応しい回でした。
{/netabare}

11話
{netabare}刺された裕太は一命をとりとめるも、昏睡状態が続く。非現実が明らかな街にはそれでも日常の光景が広がり、一方のアカネはひたすら無気力。アレクシスにはグリッドマンがいなくなっても怪獣が必要らしいが…?
アレクシスは業を煮やしてこれまでの怪獣をツツジ台へ適当に投入し始める。そんな中で明らかになったのは、今の響裕太こそがグリッドマンであり本来の響裕太は眠ったままだという真実。どこまでが本来の裕太で、どこからがグリッドマンなのかははっきりしませんが、そういう憑依状態のようですね。そして響裕太本人もこの世界で大きな意味を持っているらしい。
そして復活したグリッドマンは、アシストウェポンや先んじて奮闘していたアンチくん、もといグリッドナイトと共闘して怪獣たちを一掃。同じ頃アカネのもとに辿り着いた六花はアカネと対話し説得を試みるも平行線、そしてアレクシスのアカネに対する驚くべき行動を目の当たりに。
伏線が回収されて、収まるべきところに収まってきましたね。六花ママ、グリッドマン裕太と同じ黄色の瞳なんですがそれは一体…?
アレクシスの素性など肝心なところはまだまだ不明。次回で最終回です。さらなる熱の高まりと大団円を期待したいです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

退屈な日々にさよなら

1993年~1994年にかけて放映された、円谷プロ制作の特撮テレビ番組「※1電光超人グリッドマン」のリメイク(あるいは続編?)作品。

記憶喪失の少年、響裕太が浅い眠りから目覚めたのは、同級生の宝多六花の自宅兼ジャンクショップ兼喫茶店「絢」のソファの上。店内に鎮座するレトロPC"ジャンク"から聞こえる声に導かれ、裕太はハイパーエージェント"グリッドマン"と出会う。

「思い出してくれ、君の使命を! この世界に危機が迫っている!」

90~2000年代のヒーロー特撮&ロボットアニメのテイストをふんだんに盛り込んだSFアニメ。アニメーション制作は、ダイナミックな構図の取り方や、緩急にメリハリの効いた動き、ビビットな色彩表現に定評のある、お馴染み※2TRIGGER。

構成は、前半のドラマパート、後半のバトルパートと、ウルトラシリーズに代表される特撮ものや、同じく一話完結型のヒーローもののセオリーに従った堅実なスタイル。物語については、古典的な勧善懲悪ストーリーからはやや遠く、大別すれば「新世紀エヴァンゲリオン」を皮切りに90年代半ば辺りから流行り始めた、サスペンス色や人間ドラマに重きを置いた作風です。
{netabare}
本作のイメージに最も近い特撮作品を一つだけ挙げるなら、2004年から放送された異色のウルトラシリーズ「ウルトラマンネクサス」になると思います。非戦闘員でありながら人知れず怪獣と戦うヒーロー、リセットされる記憶、幾重にも折り重なり隠蔽された秘密など、数多くのモチーフがこの作品へと継承されているのを見て取る事が出来ました。
{/netabare}
怪獣を造る少女(少年)、ジャンク、アノシラス、スペシャルドッグ(笑)など、オリジナルの「電光超人グリッドマン」の設定を踏襲している箇所もいくつかあり、※3世界観についても何らかの繋がりがある模様。
{netabare}
6話で明かされる"神様"の存在、ある人物の口から飛び出す「この世界の外には何も無い」発言から、1話から描かれてきた世界は丸ごと電脳世界なのでは? という疑問を覚えた人も多いのではないでしょうか? PCを介して、具現化したり転送されたりする、グリッドマン、怪獣、※新世紀中学生、また、記憶のリセット、町の修復、怪獣(怪人)を認識出来ない人々、"怪獣が聞こえる"などの描写からも、それが示唆されている様に思われました。

もしかしたら(7話終了の時点まで)リアル世界の描写が一切無い(目立たないだけかも)「電光超人グリッドマン」なのかも知れません。

※強くて頼れる大人なマックス、寡黙で口下手、心優しきサムライ・キャリバー、見た目はちびっ子、毒舌でやや暴力的、豪快なボラー、無気力でイーカゲン、でもやる時はやる男?のヴィットの4人のこと。皆どう見ても中学生ではない(笑)

"新世紀中学生"の名称は、過去に世界を救ってくれた中学生に因んだものだそう。(「電光超人グリッドマン」に登場した3人(4人)の事?)一話冒頭にて空で6つに散った光が描かれましたが、それが彼らなら、グリッドマン+5人になるので、もう一人いるのかも。なお、サムライ・キャリバーさんの声を務める高橋良輔さんは、同姓同名の有名アニメ監督とは別人ですので間違えないよーに。
{/netabare}
※1:一貫してリアル世界を舞台にしてきたウルトラシリーズとは異なり、主にコンピュータワールド(電脳空間)内で繰り広げられる戦いを描いた特撮ヒーローもの。主人公の少年少女、敵役の少年はPCを介してグリッドマンや怪獣をサポートする。

※2:「天元突破グレンラガン」の製作スタッフとして活躍していた演出家の大塚雅彦さん、今石洋之さん、プロデューサーの舛本和也さんの3人を中心に、2011年8月22日に設立された。元ガイナックス所属のスタッフが多く参加している。

※3:続編として企画された「電撃超人グリッドマンF(ファイター)」に登場する予定だった、響裕太、新条アカネ、アレクシス・ケリヴなどの名も見られる。幻の企画が25年の時を経て姿を変えて復活! …感慨深いですね。


作画について、トリガーらしい振り切った表現は多く見られるものの、破天荒さは控えめで、円谷プロが描き続けてきた特撮ヒーローもののイメージを崩さない様に細心の注意が払われている事が伺えます。オマージュシーンも満載。※4バンクシーンの使い回しが若干あるもののそれもまたよし(笑)

3Dパートを制作しているのは※5グラフィニカ。スピードや手数の多さで魅せるのではなく、特にグリッドマンと怪獣の戦闘シーンでは、一挙手一投足を丁寧に描写する事で、動作に重みを持たせており、実写特撮張りの迫力と重量感が再現されています。{netabare}さらに空中戦やミサイル発射シーンでは板野サーカスフル稼働! ゴージャス!!{/netabare}

音楽について、ストレートな歌詞に懐かしさを覚える大石昌良さんとTom-H@ckによる主題歌「UNION」は、挿入歌として用いられた時の効果も絶大。重厚なオーケストラサウンドと共にバトルシーンを大いに盛り上げます。

エンディング曲は、昨年放映されたテレビアニメ「クジラの子らは砂上に歌う」のOP「その未来へ」でメジャーデビューを果たしたばかりの、RIRIKOさんが作詞・作曲を担当された「youthful beautiful」。青春時代のほろ苦さを内田真礼さんの優しい声音が爽やかに歌い上げます。

以下は校内シーンにて、合唱コンクールの練習?で歌われている曲の一覧。(7話まで)
{netabare}
「Believe」(第1話、第4話)作詞・作曲 - 杉本竜一
「心の瞳」(第1話)作詞 - 荒木とよひさ / 作曲 - 三木たかし
「あなたへ―旅立ちに寄せるメッセージ」(第2話、第6話)作詞・作曲 - 筒井雅子
「若い翼は」(第7話)作詞 - きくよしひろ / 作曲 - 平吉毅州

まるでアカネちゃんの心情を投影しているかの様な選曲ですね。世界観の謎を解くカギになっている気もします。
{/netabare}
キャラについて、記憶喪失ゆえか、脅威の順応性で非日常を次々と咀嚼していく頼もしき主人公の裕太くん、ウルトラシリーズなら~が口癖の、特撮大好き、熱血純情メガネ男子の内海くん、冷めた態度は常識人の証!母性溢れる博愛の人、六花さん、理想と現実のギャップに苛立ち、ストレートな怒りと殺意を暴走させるアカネちゃん、どのキャラも魅力的です。
{netabare}
1話にて※自分のスペシャルドッグを潰されてキレ、7話にてアンチ君の持っていたそれを踏み付けたアカネちゃんは、自分には甘く、他人には厳しい、思春期真っ只中の少年少女の典型として描かれていますね。自己観察が足りていないと人は誰でもこうなります(体験談 笑)。そう言えば"キレる17歳"なんて言葉が流行った時代もありましたっけ。最近ではキレる高齢者という言葉の方がメジャーですけど(汗)

リアル殺人には手を染めていないと信じつつ、アカネちゃんの心の変化を最後まで見守っていきたい。

※:「電光超人グリッドマン」御用達。野菜たっぷり、輪切りゆで卵の載った美味しそうなホットドッグ。ソーセージがとっても長い!
{/netabare}
実写版から続投でグリッドマンの声を演じる緑川光さんの本作への参加も嬉しい限り。


冗長な展開とは無縁の、捨て回無しのスマートな構成、話数を重ねる毎に着実に丁寧に展開されていく謎、様式美を極めた活劇ものとしてのカタルシス。完成度の高さは豪華スタッフの顔ぶれを見れば一目瞭然、まさしく折り紙つき。

子供向け番組のイメージが強いゆえに特撮ものを嫌煙されている方、食わず嫌いの方に、特にお薦めしたいアニメです。

Amazonプライムにて、本作に加え、前作「電光超人グリッドマン」も配信中なので、ご興味が沸いた方は是非そちらもどうぞ。


君も一緒に、アクセーース・フラッシュ!(笑)


※4:変身や必殺技シーン等で使い回される映像の事。本作では90年代ヒーロー(ロボット)アニメのパロディとして、敢えて使っている様にも(笑)

※5:アニメ制作会社ゴンゾのデジタル部門。ガンダムやマクロスシリーズ等の作画監督、ウルトラマンネクサス以降のウルトラシリーズのCGディレクターを務められた事でも名高い、板野一郎氏がアドバイザーとして在籍。板野氏は本作第7話に登場する怪獣ヂリバーのデザインも手掛けている。


『SSSS.GRIDMAN』ボイスドラマ情報

本編放送後(毎週土曜25時30分~1週間だけ)Youtubeのぽにきゃんチャンネルで期間限定配信されている『SSSS.GRIDMAN』ボイスドラマの第1.1回~第7.7回が、11/24~12/1まで?一挙配信決定! コメディタッチですが、本編を補完する側面もある内容なので、聴き逃してしまった方はこの機会に是非どーぞ!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 56

70.6 4 エージェントでSFなアニメランキング4位
revisions リヴィジョンズ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (309)
1134人が棚に入れました
「これは予言よ。あなたたち五人に、いつか大変な危機が訪れるの。そのときみんなを守れるのはあなた」幼いころ誘拐された過去をもつ高校2年生・堂島大介は、幼なじみのガイ、ルウ、マリマリ、慶作とともに、不可思議な現象──「渋谷漂流」に巻き込まれる。渋谷の中心部が跳ばされたのは300年以上先の「未来」。そこで待っていたのは、広大無辺な荒野と森、点在する廃墟……そして、未来人「リヴィジョンズ」と彼らが操る巨大な機械の化け物だった。理由もわからぬまま化け物に蹂躙されていく渋谷を助けようと現れたのは、誘拐事件の大介の恩人と同名で瓜二つの少女・ミロ。彼女は、大介たちだけが操縦できる人形兵器「ストリング・パペット」を提供し、渋谷を守れと促す。誘拐事件の恩人──ミロによる予言「仲間を守る運命」を信じて生きてきた大介は、ついに訪れた危機と手に入れた力に歓喜する。しかし、幼なじみ5人の絆は誘拐事件の影響でバラバラとなっていた。孤立した街。未知の敵。未確定な過去と運命の予言。

声優・キャラクター
内山昂輝、小松未可子、島﨑信長、高橋李依、石見舞菜香、斉藤壮馬、日笠陽子、田村ゆかり、櫻井孝宏、遠藤綾、てらそままさき、飛田展男、寺崎裕香、大塚芳忠
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

堂嶋大介は認められたい

【概要】
 2019年冬。全12話のオリジナルアニメ。3DCGで制作されたSFサバイバルアクション。監督はコードギアスなどで知られる谷口悟朗。

 このアニメの良い所。それは

一、THE ORAL CIGARETTESのOP曲「ワガママで誤魔化さないで」
二、ミロのケツ
三、ルウのケツ

-- 以上 --

 高名な監督が手掛ける作品ということで期待していたんだけどな。まさか「刻越えのデリダ」に匹敵する、時間もの失敗作オリジナルアニメを2クール連続で引くとは思わなかった・・・

【3DCGアニメ】
 revisionsは全編3DCGで制作されている。クオリティは高いと思うのだけど、実は3Dの日本アニメはrevisionsに限らず、逆に海外で人気がない。最近で国外でも好評だった3DCGアニメは「宝石の国」くらいじゃないだろうか。

 どうも海外のアニメファンは日本の伝統的なセルアニメーションの持つテクスチャに魅力を感じているようで、日本以外でも制作されている3DCGのアニメならわざわざ異国の映像作品を観ようとは思わないのかもしれない。+Ultra枠は世界を見据えた作品をラインナップをするという方針だったのだが、前作のINGRESS、そして本作と3DCGアニメはどちらも不評でフジテレビ制作サイドの戦略ミスのように思う。(さすがにまずいと感じたのか次作のキャロル&チューズデイは2Dらしい)

 3DCGは日本のアニメの特色が失われるというやや感傷的な理由だけではなく、最初のモデル作成に手間がかかるため、あまり多くのキャラやセットを用意できないという欠点がある。本作においては渋谷を舞台にしておきながら、実際に画面に映るのは学校、市役所、そして荒野と設定を活かせていないし敵キャラも親玉の3体を除いて量産型で面白味に欠ける。アーヴ側の人間がミロ1人しか登場しないのは3DCGの足枷によるもので、未来人の二大勢力が3人と1人で代表して争うというなんとも寂しいことになっている。設定は壮大なのに小じんまりした映像になってしまったのは残念である。

【SFサバイバル群像劇】
 公式での謳い文句によるとrevisionsはジュブナイル(青春)+パニック(災害)+アンサンブル(群像劇)とのことなのだが、色んな要素を寄せ集めた結果、1クールで処理できず中途半端に終わるというありがちな失敗をしているように感じた。

 {netabare}まずこのアニメは青春群像劇とは言い難い。5人の高校生がメインキャラクターだが視点は随分と偏っており、基本的に主人公の堂嶋大介+他の誰かという組み合わせでしか話は進まない。大介の「ヒーローになりたい」という葛藤が常にお話の中心で、暴走気味の主人公と他のキャラの意見がぶつかる場面が執拗に描かれる。未来の渋谷でどう生き延びるかという状況で、一般人からするとどうでもよい、大介と他の人間との衝突ばっかりやっているのだからうんざりする。視聴者からしてもどうでもいいことだ。

 一見優等生に見える他の4人にも決して欠点がないわけではない。ガイは優秀であるがゆえに人を見下しがち、ガイの双子の妹ルウも同じく優秀だが感情的、マリマリはおっとりした性格だがピンチ場面ではの優柔不断、慶作は典型的な「いい奴」なのだが、彼には悩みがある。慶作はマリマリが好きなのだが、お人良しすぎてマリマリへの恋心を打ち明けないまま大介に譲ろうとしている。マリマリは大介をちょっと意識しているのだ。

 こうしたお話のネタがあるのにも関わらず、全12話を通して5人の関係性はほぼ変化がない。ただ大介が自身のヒーロー願望とどう折り合いをつけて成長するかというだけのお話で、5人のキャラクターの心情が交錯することはあまりなく、大介がルウ兄妹と絆を修復して終わりだ。青春物として単調であまり面白いとは思えなかった。仲直りする場面でMiyuuの歌声が響けば視聴者は感動してくれると思ってないだろうか。挿入歌で誤魔化さないで!

 災害(サバイバル)としてはさらに厳しい。revisionsは未来人の思惑によって渋谷を街ごと未来に転送される、という設定である。渋谷の街の外は見渡す限りの荒野が広がっており、化け物に成り果てた未来人revisions(リビジョンズ)が襲い掛かってくる。ライフラインを絶たれた現代人がいかにして生き延びるのか、という問題は当然力を入れて描写すべき事柄だ。

 ところが、このアニメは人々の生活が全くと言っていいほど描かれないのである。食料も水もどうやって調達しているのか不明。電気は都合よくリビジョンズと敵対関係にある未来人アーヴがモビルスーツ用の電源を供給してくれる。災害時の生活の描写がなければ臨場感に欠けるし、だいいち面白くない。せっかくの面白くなりそうな設定をなぜ活かそうとしないのだろう。しかし次第に人々が不安でイライラしていく様子だけはちゃんと描かれる。何だこの本末転倒な感じは。第6話でムラついた保健室の先生がいきなり主人公を性的に誘惑してくるが、結局何のフラグでもなかった。大人の色気で誤魔化さないで!

 さらに言うとSFとしても褒められたものではない。最初のうちは量子脳という概念を持ち出して渋谷の街を未来に転送した状況を何とか筋道を立てて説明しようとしていたが、最終的にラスボスは時間の概念を超越した存在になり、完全にロジックを放棄してしまう。第一話のミロが5人それぞれに告げた予言も伏線として回収されず、一体あれは何だったの?感が果てしない。ラストバトルはどこで戦っているのかもよく分からない。そして謎の友情パワーで打開。何だ、このジャンプの打ち切り漫画みたいな終わり方は。デウス・エクス・マキナで誤魔化さないで!
{/netabare}

【主人公】
 さて、ここからが本題。本作一番の問題点、それは皆から「うざいうざい」と叩かれる主人公、堂嶋大介のキャラクターである。

{netabare}
 幼い頃、主人公の大介は誘拐事件に合い、不思議な女性・ミロによって助けられる。ミロは大介に「あなたたち5人にいつか大変な危機が訪れる。忘れないで。あなたがみんなを守るのよ」と予言を残して去る。

 その日の出来事が忘れられない大介は俺が皆を守らなければならないという強迫観念に囚われ、問題児になってしまう。独善的な正義感を振りかざし、街のチンピラに絡んで相手に怪我をさせても悪びれる様子はない。仲間からありがた迷惑だと批難されても「だってあの時ミロはみんなを守れって言ったじゃないか!」と逆ギレする。冒頭から印象最悪のキャラだ。

 さて第1話の終盤に話が大きく動く。未来人の力で渋谷転送が起こり、非常事態になると大介は「やっぱり俺が正しかったんだ!」と犠牲者が出ている状況にも関わらずニヤニヤしている。そして未来からやってきたミロからパワードスーツ「ストリングパペット」を受け取ると彼は憧れのヒーローになれたと狂喜乱舞する。しかしパペットはもう2体あり、他の4人も操縦できることが分かると大介は手柄を横取りされてしまうとばかりに露骨に嫌な顔をする。その後も人命よりも自身の功名心を優先する態度を取り、あらゆる人達の反感を買う。

 はっきりいってここまで悪く描かれる主人公は珍しい。だが、周囲の人間が彼を白眼視していることも強調されるため、「大介のヒーロー願望はやがて挫折し、そこから成長して真のヒーローになるお話だろう」とは容易に想像がつく。一応視聴者への目配せはできているのである。が、だからといって温かい目で彼の成長を見守ることができることができるかというと疑問だ。

 不人気主人公・大介クンは、要するにひたすら

 認められたい認められたい認められたい認められたい
 認められたい認められたい認められたい認められたい
 認められたい認められたい認められたい認められたい
 認められたい認められたい認められたい認められたい

と言っている。これは最近よく聞く「承認欲求」というやつである。承認欲求は誰しもが持つ欲望で、例えばレビューにサンキューを押す行為はレビュー自体の評価をするというよりはむしろサンキューを送り合うことで参加者の承認欲求を満たし、SNSを活性化させる意味合いが強い。ご存知の通り他のSNSにも同様のイイネ!機能はだいたい用意されており、このイイネ!(=他者からの承認)を集めることは現代人の関心事になっている。

 ならば彼の「認められたい」という思いはある程度共感できるのではないか?と思うが残念ながらそうは感じなかった。本作の設定はそもそもがおかしいんだよな。堂嶋大介はヒーローになろうとして問題行動を度々起こし、皆の評価を大きく下げている。これは逆で、メサイア・コンプレックスというのは他の何らかの要因で周囲の評価が低くて、すでに固まってしまった自分の評価を一気に挽回しようという思いに駆られ、自分がヒーロー的な活躍をすることに執着するんだよ。要するに一発逆転を狙っているのである。

 大介のようにわざわざ自分で状況を悪くしているだけの人間には違和感しか感じない。大介は無理にヒーローになろうとしなけば何も問題もない高校生だ。大介の設定を再確認すると、虐められているわけでもなく、友達もいるし、貧乏でもなく、隠れ巨乳の幼なじみが好意を抱いているという状況にある。彼がヒーローになりたいと意固地になる理由は何なのか全く伝わらない。(両親がいないのかと思ったらみんなを守りたいからと勝手に親元を離れたらしい。アホか。)

 あのさ、人はみんなコンプレックスを抱えて生きているんだよ。ブサイクだとかデブだとかワキガだとか頭が悪いとかハゲだとか皮膚炎だとか貧乳だとか性にまつわるエトセトラとか。それなのに特にコンプレックスもなく生きている人間が、勝手なヒーロー願望に駆られ、承認欲求を求めて自滅するアニメを観て共感できるわけがない。うざい・うざくない以前に人間として理解できないし、僕ははっきりいってこんな主人公に興味がない。
{/netabare}

 インタビュー記事(※)で谷口監督は「共感できる主人公である必要はない。」と発言していたが、本当にそうなのだろうか。もしかして制作スタッフは承認欲求が悪だと勘違いしてはいないだろうか。「もっと褒めてほしい」「評価されたい」という思いは人の誰しもが持つ基本的な感情であり、モチベーションの源として必要なものだ。問題なのは承認欲求が一向に満たされない状況にあるのであって、そこに説得力がなければいくらドラマチックな展開を先に用意しても心に響かない。大介のヒーローになりたいと渇望する気持ちにもっと共感できればこのアニメの評価は全く違ったような気がする。


※https://jp.ign.com/revisions-anime/31881/interview/revisions-cg

投稿 : 2024/11/02
♥ : 35
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ワガママで誤魔化さないで

1話感想{netabare}
自分も結構気軽に「なろう系」って言葉使っちゃってるけど、最近はそれの主流も変わってきてるみたいで、さえないクズ主人公がイケメンクラスメートと異世界行って、そこでは主人公が大活躍して、今まで自分を馬鹿にしてたクラスメートをいびり倒すってのが流行ってるらしい。
まぁ、のび太がジャイアンやスネ夫を滅多刺しにして出木杉クンから神のように信奉され靴なめさせてしずかちゃんを犯すのが流行ってるらしい(犯すと「さすが、さすが」と賞賛される)。
そういう系の作品がアニメ化され出したらキツいなぁと思ってたのだけど…あ、先手打ってきた?
この作品、主人公は暫くの間「のび太が調子に乗ってる段階」を続けるんじゃないかな?
途中で挫折なり「これじゃアカンわ」と立ち止まる展開になる…と思うのだけど、そうではなくずっと調子乗りっ放しで行ったら笑える。
1話じゃまだ分からないですけどね、なろうに阿(おもね)るかカウンター決めるか、今後の展開が気になります。
自分はカウンター決めると思うんだけどなぁ。
ただ、こういう作りは“鉄のラインバレル”がそうだったけど、当時ですら「主人公が調子に乗ってる(後でしっぺ返し食らうのがバレバレなのに)」段階で「主人公気に入らない」として見るの辞めた人が続出だったような…。
主人公は子供の頃、あんな状況でそんなこと言われたら「神から啓示を受けたレベル」で陶酔しちゃってもおかしくないかなぁ~とは思うのだが…それでもダメな人はダメなんかな。{/netabare}

3話までの感想{netabare}
やっべニヤニヤが止まらないw
ニヤニヤの根拠は「コイツ鼻っ柱折られるんだろうなぁ」を感じるから…とはいえ本当にそんな展開になってくれるかどうかは未来予知能力の無い私には確証が無い。
と思ったら、これって先にネトフリで全話配信されたやつなのか。
なるべくネタバレは見ないように警戒してるけど、どうやらそこら辺は安心して良いっぽい。
但し吠え面かくハメになるのはずっと先らしい…のだけど、片鱗は早くも3話で見せ始めてるかな?

自分語りしてもしょうがないのだけど別にカッコつける気もないので言っちゃうと、主人公の言動に身に覚えが無いワケではない。
クラスで出し物するってのに練習でクラスの連中はヤル気が無く「コイツらつかえねー」と下に見てたんだけど、いざ本番になったら皆しっかり演技して、練習の時必死こいてた自分を振り返って「あれ、オレなに思い上がってたんだ?」と自己嫌悪したこと、あるあるw
他にはにわか知識をひけらかしてたら、その相手が実はその道の専門家で釈迦に説法してたと後から知って顔から火が出る思いになったり、あるあるww
大抵の人はそういう経験(下だと思ってた人間が自分よりよっぽど上等だと思い知らされる経験)って多かれ少なかれあると思うのだけど、「オレも若かったなぁ」と笑って話せるくらいでないとトラウマ抉ってキツい、のか?
自分はアレだなぁ、逆にそういうのがクセになってそういう作品を好む傾向にあるのかも知れない。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
ああもう主人公が可愛くてキスしたいレベル、性的な意味じゃなくて孫を可愛がるお爺ちゃん的視線でね。
5話、電力はカドだし敵がまさかの…ベタすぎて「まさかそんなありきたりな展開はないだろー」と思ってたハダカデバネズミ展開。
もう何万回使い古されたネタだ?
ちょっと前にやってた“グリッドマン”でも「まさかそんなことはないだろーハハハ」と流されたネタで、ここまで直球なのはむしろ「もうひと捻りなにかありそう」とさえ思える。
なにより6話。
まぁ、こうなるわな。
ってか…う~ん、ここぞとばかりにこの作品を警棒にして他作品を殴るようなマネするのもアレですが、さっき例で出した“グリッドマン”もその意思を感じたのだけど、生温い異世界転生モノに「こりゃちょっとアレじゃね?」と思ってるクリエイターはそれなりに居るんじゃないかな。
元居る世界に帰ろうとも思わない、現地の人はあくまで自分を賞賛するための道具としか思ってない、自分と同じ立場の人間がもし居たとしても自分より劣ってることを望んでる、等々のソレ系。
クリエイターがそういうのを不快に思ってるかどうかまでは知りませんが、最近そういうのが流行ってるのであるならそのカウンター作品を作りたくなるのはある意味健全とも。
まぁ自分は不快でしょうがなかったんですけどね、ここまで直截に「言ってやりたかったこと」を出してくるとはなぁ…ゲシュペンストのメッセージね。
ってかちっと書き出してみたんだけど、ここまで辛辣に書けるのは5chでもそう居ないんじゃない?さすがプロだなーと感心するレベル。
そこまで言っちゃって大丈夫?とさえ思えるんだけど、だ、大丈夫だよね?
しっかしまぁ…これでゲシュペンストの言ってたことは大間違い・ただの精神攻撃だったで終わったらちょっと寂しいかな。
逆に主人公開き直って「ああそうだとも、オレはこの世界で一番偉いんだ、喝采せよ」とか言って終わったら皮肉利きすぎてて笑い死ぬかも知れん。

一方でユミコ先生がコワイ。
極限状態に追い込まれてヘンな宗教に目覚めちゃったみたいな…自分の本性に向き合ってるのか目を逸らしたがってる(正当化したがってる)のか、どっちなんだろうなぁ。{/netabare}

8話までの感想{netabare}
キターーー、遂に鼻っ柱折られる展開に。
散々オレが守るオレが守る言ってたのに守ることができずに意気消沈、ヒャッホウ。
ところで──
あんま言わないようにしてたんだけど、すっごく富野臭くない?
反省房入りしたり、「ボクが一番ガンダムを上手く使えるんだ」みたいなこと言わせたり、目の前で母親殺されたり。
おかげで8話でケイサクの母が殺された時はキターーーと思ってしまったし、その後の激怒パンチではカミューラランバンの仇!と言って欲しいと思ってしまったり(実際のカミューラランバンでは感情露わにしてないけど)。
一方ワザとケイサクを煽ってチハルを始末しようとしたニコラスの謀反だと思うのだけど、この展開はどっちかっつーと戦隊ヒーローモノの方が近い?
折角待ち望んだヒトの体を手に入れた瞬間死亡って…RPGの復活した瞬間勇者に倒される大魔王かな?
実際あそこで死んでくれなかったら人工量子脳によって渋谷が固定されてたんだろうし、復活させてはいけない大魔王的ポジよね。
更にケイサクが消えて腕だけ落ちるところは「アブドゥルー!」と叫びそうになった。
…うん、ご免なさい、既存作品ばかり挙げちゃって非常にヲタ臭くてキモいと思われてそう。
だけど作ってる側はそういうの狙ってるんじゃないかなー?
意図的に「どこかで見たアレ」をブッ込んでるような気配を感じる、ハダカデバネズミもそうだし。
なんかの作品で似たような意図を感じる作品があったんだけど思い出せない、あっちはそれが鼻についたのにこっちはそれがむしろ楽しい。
これの違いは何だろ?と考えると、明らかに知っててワザとやってるのと、知らずに似通ってしまったことの違い…なのかなぁ?
単に自分が富野好きだからか?
よくよく考えるとこれがダメそうな方はイデオンもダメそうだし。{/netabare}

最終回まで見ての感想{netabare}
ネタバレは見ないようにしてはいたのだけどちょろっと見てしまい、そこでは「主人公はダイスケではなくケーサク」みたいなことが書かれてて、「え、そんなこと可能なん?」と、どんな展開ならそうなるのか想像できずに居たのですが──。
ナルホドそういうことか。
あはは、確かにこりゃあ主人公はケーサクだw
こういう話好きですよ、運命の星の元に生まれたワケでもない「馬の骨(ダイスケ)」が世界を救うって話。
ゲームwizardryではワザとボーナス値の低いキャラを育成したもんです。

最初に最終回の感想書いちゃったけど、10・11話くらいでは非常に勿体無いという感情に襲われました。
ダイスケが鼻っ柱折られてやっとマトモになった後の描写や、黒岩が死んで指揮系統が混乱とか、渋谷住民の不安が不満に変わって治安悪くなるとか、単純にサバイバル要素とか、もっとやってくれよ!と。
くそう、2クールあったらそこら辺ねっとりじっくりどんよりやってくれたのかなぁと思うとホント勿体無い。
この感情って前にも経験したことあるなぁと思ったら…ああ、“ID-0”だ。
監督同じじゃーん!
“コードギアス”が有名だけど、1クール作品を作る場合こういったのが持ち味なのか?
「あれ?そのネタ掘り下げればスゲー面白そうなのに流しちゃうの?」って感じの。
ぐぬぬ、なんか悔しいなぁ、この監督には2クール以上の仕事回して欲しいなぁ。

タイムトラベルの話って同期放送で自分が見てる分だけでも“えんどろ~”“デートアライブ3”でも扱ってて「ホント好きねぇ」とちょっと飽きてるキライがあるかも?
それに結局は誰が記憶保持能力者(リーディングシュタイナー持ちって言った方が通じやすそう)かでどうとでもなっちゃうというか。
物語の核になる部分なのに余り興味は沸かなかった。
最後のホウチュウの叫びは「お前ガノンかよ?」って感じだったし、ムキューの本体は“ファンタスティックプラネット”だし、最終回のCパートはもうホラー作品の定番。
わざと既視感を刺激するような作りを狙ったんじゃないか?と思ってるのだけど見当違いかなぁ?
よく言われてるダイスケの性格だけど、やっぱり自分は気にならない。
後で更正されるのは明白だし、周囲のキャラもちゃんとウザがってたし。
それよりも「どう見ても難アリの性格なのに誰も(作者含め)おかしいと気付いてなさそう」って作りの方が個人的には苦手。

同監督が1つ前に手掛けた“ID-0”と比較すると、あっちでは意図的に民衆を画面に映さないようにしてましたが、こっちでは普通に映してましたね。
個人的にはこっちのが良いかなぁ、もっと掘り下げてくれたら更に良かったんだけど…。


総評
2クール以上やってくれぇ!{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

僕と君との我慢比べ

オリジナルアニメ


とりあえず初回を観て、馴染みの渋谷だし、思ったよりCGのカクカク感も薄いし、ロボットは置いといて巻き込まれパニックものとして引き込みも良かったので視聴を決めてます。
後から、監督さんが『コードギアス』作られた方と知った感じ。あらすじは省略。
とにかく主人公がウザいで有名な本作。どんだけウザいか覗いてみよう!と野次馬根性丸出しのきっかけでよろしいかと思います。そして、できるだけ心に余裕のある時期に視聴することを推奨します。


主人公についてはなんかもう書くのも嫌(笑)
そこで、

1.主人公がどうしようもなく魅力のない場合の身の処し方

私の場合こうである。

 A こんな奴でも受け入れるキャパの広い俺氏!をきどるために観る
 B さようなら

このAとBの境界に明確な基準を設けられたら良いのに、たいていは気分だったりします。それと心の余裕。踏ん張りの一つ指標になるのは、主人公のマイナスを他のキャラのプラスで補うことです。
{netabare}しかしながらまりまりがダメでした。1話で同級生殺されてるのに、第6話で「化け物が元人間だから戦えない」と号泣。いやいや手を打たなきゃこちらがやられますから(゜o゜)
そしてそんなどうでもよい理由で揺れるゆかいな仲間たち。どうせギリギリになって覚悟決めるんでしょ?だったら手遅れになる前にやりなさいよ、と。{/netabare}
そんなわけで他のキャラもダメでした。

{netabare}ところが・・・ “ヒーロー気取りのバカw” 落書きの内容が視聴者の声を代弁します。{/netabare}

ここまでのキャラ設定にした意図を勘ぐりたくなってきます。ちょっと様子見しよっかな。マイナス×マイナスがプラスに転じるところを期待しました。


2.見せてもらおうか!この者らの末路を・・・

なんか良いお話で終幕しました。むしろクールアニメ平均点よりちょい上くらいの面白さです。
堂島大介くんとゆかいな仲間たちについても、「これを機会に立派な人生を送ってほしい」とエールを送りたい気分。我ながら見事な掌返しです。
終わりよければなんとやら…という作品に見えますので、「いつこの子が鼻っ柱を折られるんだろう?わくわく」くらい余裕をもって臨まれるとよろしいかと思います。

{netabare}転機は第8話。{/netabare}大介くんへの我慢の臨界点に達する頃合いで転機が訪れます。その後、やられた→反省した→改心した、のありきたりな展開とも少し違っていたのが好感でした。
最初から許容できる方はともかく、

 “主人公のウザさとの我慢比べ”

という新しい価値観を提示してくれる作品ではないでしょうか。
内容ほとんど触れずにごめんなさい。それなりに考察しがいのあるストーリーだよというのだけ触れときます。
自分にとってはキャラアニメでした。退屈ということはなくしばらく心がざわつき続けますので興味本位で手に取って良い佳作だと思います。



※レビューは以上でおしまい。以下長めの余談。

3.あっち系の人への挽歌

谷口悟朗氏の『コードギアス』はあにこれでの評価も高い作品で、とくに違和感なく楽しみました。
一方で、作品設定その他政治臭が強いとの声もあり、右だ左だの意見も散見する作品だったみたいです。そんな付帯情報が頭の隅にあってとうに忘れてたのですが、その記憶を呼び覚ますナイスな人物がおりました。そうなると、あれもこれもと繋がってきて、本作を鑑賞する裏の楽しみにもなってたのでご紹介します。

{netabare}その方は渋谷区長:牟田誠一郎

彼と渋谷警察署長黒岩との対比も興味深いものでした。{/netabare}


※政治色強めのネタなのでつまんないですよ。開陳ご注意!
{netabare}やめるなら今のうちですよ。いいですね?忠告しましたからね?{/netabare}


{netabare}リアルでの渋谷区長もポリコレ傾倒していて、条例で憲法違反の同性婚認めちゃうような方です。あれ知り合いのホモ・レズ・バイも軒並み迷惑がってるからね。頼むから掘っ・・・いや放っといてくれというものらしい。
そしてアニメの渋谷区長牟田誠一郎は小者感が際立つキャラで、さっそく第2話から腐臭をさらしてくれてました。言行録で辿ります。

■「君。本部って付けてよ。」「みなさん。我々災害対策本部はここに渋谷臨時政府の樹立を宣言します!」

小者であるが故に肩書にこだわる。そして権力志向が強い。いつぞやか箔をつけさせる目的で大臣の交代サイクルが異様に速かった3年間が日本にもありました。代議士なら大臣目指すことは悪いと思いませんがGOサイン出す内閣が全く制御できてませんでした。某党の元大臣・元副大臣の多さはもはやギャグのレベルです。
「書いたらもうその社は終わりだから」と踏ん反り返った大臣もいました。これ自〇党の政治家だったら社会的抹殺だけでは済まされなかったことでしょう。“偉ぶりたい”が根っこにある者に権力を渡すとろくなことがありません。


■黒岩「問題は覚悟無き主義者共。人権とか戦争反対とか愛とかそんなものは平和時の祭りに過ぎない。そいつらを黙らせ内部の守りを固めたいですね」
牟田「あ…私リベラルでして…」

あ、自己紹介してくれました。この瞬間、牟田に対しての“実は老獪な人物かも?”のセンが完全に消えます。
天賦人権説は夢想論。枠組み(国家)なきゃ無理でしょう。シリアとかどこぞの半島で同じこと言ってください。黒岩のこのセリフは正しい。
そして゛リベラル”という単語。゛左翼”がネガティブ語になってリベラルと呼び変えるようになって久しい現在。逆側も右翼と言われるのを嫌って保守と言ってます。お互い「パヨク」「ネトウヨ」と罵り合ってる状態です。まあ一般人にはどうでもよいことですね。
最近はリベラルを自称するにも息苦しくなって、立件…いや立憲〇〇党の党首が我こそは保守だと言い出す始末。いやあんたら社〇党からの流れでしょうに。左翼受難の時代です。


■「これは極めて高度な政治判断というものですよ」

と言いつつ何も考えてないですね。これは左右問わずかな?
同義語に「もっと話し合いをもって」があります。何を?がなければ問題外です。


■「これにより全渋谷被災者が元の時代、2017年へ帰還するための交渉のテーブルに着けることになったのです!」

判断材料が乏しい時に敵性勢力から与えられたエサに飛びつくのでは交渉にならない。材料が無いなら無いで出来得る限りの仮説を立てる必要があるものの牟田にはその形跡が皆無。せめて自陣の現有戦力なら把握可能でしょうに。人を使う立場にいてはダメな人物というかもうこれは知性の問題と言ってよろしいかと。


■「ま…待ってください!必ず来ますから!約束通りリストにあった人だけは元の時代に戻してくれるんでしょうね!?私は戻れるんですよね!?」

結局これ。
・根拠なく自分だけは大丈夫、と思ってる。保身第一。
・交渉できない相手との交渉にこだわる{/netabare}


モデルとかはいるんでしょうか?お遍路行ってたあの人かな!?
露骨にあっち系(のとりわけ政治家)をこき下ろしてるため、スラップ訴訟が大好きなあっち系の人から「差別を助長するな」と訴えられないか心配です。
こうやって主人公のウザさの影で、裏の楽しみを堪能してたので飽きることはありませんでした。


{netabare}「いつか来るその時のためだけに過ごしてきた」と猛省するのは牟田ではなく大介です。{/netabare}

{netabare}その時が来て浮かれる気持ちはわからなくもありませんが、高揚感だけで具体的なことは考えてない。彼は手段と目的を取り違えていたのです。ただしその過ちに大介は気づいて行動を変えました。
手段の目的化について現実世界では、ノーアイディアなのに「一度私達に犯らせてください」で「政権後退」してしまった事例がまだ生々しい。
これ以上多くは言いませんが、有権者は学習したのに当人たちがね、1ミリも変わってませんね。長くなったのでこの辺で止めときます。{/netabare}


こうなるとリアルの彼らは大介未満という結論に落ち着きます。そりゃ票は取れません。
事実は『revisions』より奇なり。そんな変態的な捉え方をして遊んでました。繰り返しになりますが、キャラクター以外で特筆すべきものはない作品。


-----
2019.09.01追記
≪配点を修正≫ -0.1

視聴時期:2019年1月~2019年3月地上波放送

もともと地上波に先駆けてNetflixで先行配信してたものらしいです。

ついでにオマケで言っとくと、民〇党系列ど左翼の知人がリアルで県議会議員やってます。話の通じるあっち系の方は大歓迎ですよ。


2019.03.29 初稿
2019.09.01 追記/配点修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 47

60.3 5 エージェントでSFなアニメランキング5位
消滅都市(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★☆☆ 2.9 (165)
664人が棚に入れました
ある日、ひとつの都市が消滅した――。一匹狼の運び屋の男タクヤと、消滅から唯一生還したと言われる少女ユキ。ふたりは、消息を絶ったと思われていたユキの父親からのメッセージを頼りに消滅都市へと向かうことになる。しかし、そんなふたりの前に思わぬ障害が立ちはだかる。それはユキにとって、あまりに衝撃的な現実で――。残された人の想い、暗躍する謎の組織、そして隠された陰謀。タクヤとユキ、全くの他人だったふたりは、旅の中で絆を深めつつ、消滅都市の謎へと迫ってゆく。

声優・キャラクター
花澤香菜、杉田智和、中村悠一、朝井彩加、新垣樽助、愛美、西村太佑、中恵光城、高橋信、高橋英則、今井麻美、佐倉綾音、松岡禎丞、島﨑信長、KENN、日岡なつみ、黒沢ともよ、鈴木崚汰、てらそままさき、山谷祥生、社本悠、岩井映美里、直田姫奈、大西亜玖璃、園山ひかり、玄田哲章、津田健次郎
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

笑滅都市

こりゃ消滅するのはマッドハウスの制作費だな。

以下、各話感想

■第1話~第3話
{netabare}
・第1話「消滅」
とりあえずこのアニメはアクションが面白い。
スタイリッシュスクーターアクション!
主人公が重量の影響を全無視できるアニメは神クソアニメ。
スクーターの上で仁王立ちする霊体。
唐突な当たり前の坊主!!
あまりにも意味不明なので公式ページを見ると
原作ゲームの基本設定でタマシイというものらしい。
まぁジョジョの奇妙な冒険のスタンド能力のようなものかな。
ロストで消滅した人はタマシイになるという設定なのだろうか。

第1話で一番面白いのは、
スクーターに乗って高速道路を走りながら坊主と戦ってるのに
道に足をつけて立ちはだかる坊主との距離が全く変わらないところだな。

ED曲はざーさんのカラオケ。

・第2話「犠牲」
むむっ作画があやしい。
動きのある場面になる前にシーンを切り替えて
誤魔化しているのように感じるが俺の思い過ごしだろうか。
とりあえずカットのつなぎ方が悪いよ!

探偵時代の後輩コウタが背中を刺されて重傷なのに
見殺しにして全力逃亡するタクヤ。
当然ユキから「なんで平気な顔して先に進めるの」と非難されるが
その後、全くフォローがないのがジワジワ面白い。
まぁこれは来週以降に説明があるのかもしれないけど。

ユキが覚醒して自分の意志でタマシイを召喚できるようになると
タクヤは元探偵で銃も使えるんだが、タマシイに銃は当たらんし
このアニメ主人公いらなくないか?と感じてしまう。

「タマシイ相手じゃどうしようもない。お前の力が必要らしい。」
自分で認めてどうする。

でも第2話で一番面白いのは、雨のように飛んでくる敵のナイフのうち
攻撃しているのが一本だけだとタクヤが見破ったのに
それが展開に全く活かされてなくて
AKIRAのマシンガン無双で倒してしまうところだな。
こんなん笑うしかないわwwww

・第3話「記憶」
唐突に始まるアイドル回。
録画ミスったかと思ったじゃないか。
重傷のコウタとユミコをほったらかして、
このタイミングでアイドル回をやる構成センス。
嫌いじゃないよ。

必死に説得するギーグに対して、
消えるという斬新な拒絶を見せるユアたん。
これは傷つく。(´;ω;`)ブワッ
ユキが無理矢理ユアを連れ出したら
都合よくそこに仲間がいて一件落着というこの差はひどい。
デブを差別するな!

主人公が何かを閃いてプロデューサーを探そうとする。
「顔もわからないのにどうやって!」
というギーグの制止を振り切って会場へ走り出す。
結局プロデューサーは見つからなくて無駄足。
なんなんだこのシナリオは。
第2話と同じく全く話が繋がっていなくて草。

特殊EDは紙芝居ライブ。
{/netabare}

■第4話~第6話
{netabare}
・第4話「疑惑」
主人公のタクヤがこんなにボロボロになりながら
ロストを目指す理由が分からないよなぁ。
「契約は守らねえと」じゃ弱すぎる。
タクヤの過去が明かされると納得できるのだろうか。

今回は新キャラがぞろぞろ登場したが、
赤髪ポニーテールキャラが
ユミコ(探偵・タクヤの元恋人で重傷)と
リョウコ(初登場・伝説の刑事の娘)でダダかぶりしている。
おそらく多くの視聴者が、
「えっ、さっきタクヤと病室で話してたのに
 なんで今ユキと会話しているの?」
と2人がごっちゃになって混乱したのではないだろうか。

それと顔は似ていないのだが、
不良探偵のケイゴの初登場シーンも
赤い服に黒いベスト着てて
シュークリームを食い散らかしているから
一瞬ギーグかと思ったじゃないか。
ああ紛らわしい。

気になって公式ページのキャラ紹介を見たら
そもそも主役のタクヤとアキラが全く同じ顔じゃん。
https://shoumetsutoshi-anime.com/characters/#/
これはネタなのか、伏線なのか。

アイドルEDは1回だけだと思ったら今週もやっちゃうのね。

・第5話「情愛」
また何か新キャラ増やしちゃいました?
アイドル、刑事ドラマの次は怪盗団ときましたか。
ここまで支離滅裂なアニメはなかなかお目にかかれないだろう。
もはやロストを目指していないし。

第5話の見所は回想シーンの多さ。
タクヤの回想
→ ユキの回想
→ ツキの回想
→ ヨシアキの回想
→ ソウマの回想
→ そして怪盗団全員の回想。

1話に6回も回想シーンを入れるアニメがあるかバカモン!

・第6話「訣別」
アキラvsソウマのタマシイバトルで開幕!
正面から気弾のようなものをひたすら撃ち合うだけなので単調。
でもアキラさんが顔芸を頑張っていたのでわりと楽しめた。

アキラはソウマ(+ツバサ)にボッコボコにやられるのだけど
これは炎属性と氷属性の相性の悪さゆえらしい。

相変わらずカットのつながりが悪くて、
人物がワープしているように見えるw
作画班は今週のアキラのように疲労困憊してそうだ・・・

次回は主人公タクヤの過去に迫る話のようで、
ここまで何者かよく分からなかった彼の正体がようやく見えてくるのかな。
続きが気になる終わり方は、このアニメで始めてかもしれない。
多くの視聴者が消滅してしまったようだけど、
奇跡の巻き返しはあるのだろうか?
{/netabare}

■第7話~第9話
{netabare}
・第7話「後悔」
今週もアバンから早速回想で始まった。
ボッタクリバーにひっかかるタクヤとギーグ。
なぜかギーグはボコボコに殴られていて
なぜかタクヤは無傷で探偵にスカウトされるという謎の流れ。
だからデブを差別するな!

オープニングを挟んで現実の場面に戻る。
ギーグが「地下シェルターを作る」とかいって
どちゃくそでかい穴を掘っててクソワロタ。
地面を掘り下げる前にキャラを掘り下げろと言いたい。

期待していた養護学校のエピソードは
よくある辛気臭い話であまり面白くなかった。

回想で探偵事務所の同僚コウタが2話以来久々に登場したんだけど
タマシイに刺されて倒れた彼は一体どうなったのだろう。
そろそろ白骨化しているんじゃないか。

・第8話「訣別」
ひさしぶりにタクヤがスクーターに乗って活躍。
からの転倒。
だからノーヘル運転は危ないって。
不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまったらどうするんだよ。

もうダメかと思ったらAKIRAが発動してユキは空中飛行でソウマの元へ。
やはりタクヤは必要なかったじゃないか。
タクヤはなぜかジャージ姿のコウタと再会。・・・コウタ?
コウタ 生きとったんかワレ!
なぜだろう、あまり嬉しくない。

今回はなかなかカオスな展開でかなり付いていけなかったけど
EDで全てを許そう。

復ッ活ッ
ざーさんのカラオケ復ッ活ッ!!
ざーさんのカラオケ復ッ活ッ!!
ざーさんのカラオケ復ッ活ッ!!

しかも俺の好きな曲、Hello Againじゃないですか。

~ぼくはひとりになった~

ということでソウマ消滅。なぜだろう、あまり悲しくない。

・第9話「運命」
ユキとソウマが世界を救う鍵になる設定的裏付けができたのは良い。
まだまだ説明されていない設定も多いのだけど
これまでのようにお話を発散させるのではなく
色々と想像が膨らむ良い回だったと思う。

声優がユキと同じ花澤さんということで
食堂のお姉さんを視聴者に注目させるという演出もアニメならでは。
ただ・・・

絶望した~!あと3話しかないことに絶望した~!
これ俺たたENDで終わるアニメじゃんw
{/netabare}

■第10話~第12話
{netabare}
・第10話「決断」
トマトの緑健農法という美味しんぼネタ懐かしい。

しかし、このアニメは
みりんライスとか、
ポテチに天むすのコンビネーションとか、
トンカツの衣をはがして食べるとか、
オムライスのグリンピースを避けるとか、
キャラ立ての仕方がいつも食い物ネタで奇抜っスね。

ピアノばっか弾いてたタイヨウが
急に狂気のマッドサイエンティストに変貌してわろた。
実験台に使った人の死体を綺麗にドミノ状に並べてるのがまたシュール。

・第11話「信頼」
なんでロストの中心との通信に宇宙通信用のアンテナが必要なんだよ!
この回は全キャラが登場してそれぞれのスキルを活かして活躍したり、
暗号をスパコンで解いたり、謎の「サマーウォーズ」感がある。
「サマーウォーズ」もマッドハウスだったけど。

そしてロスト突入から怒涛の回想ラッシュ。
回想、回想、また回想。回想の中で回想。
そんなに回想が好きなら回想と結婚すればいいのに!!

謎の絆パワーで正気に戻るのはいいんだけど、
(いや、何のためにみんな頑張ったのか分からんから良くないけど)
なんでスクーターまで復活してんだよ。
スクーターはタクヤの体の一部なのか。

・・・まぁこのくらい突っ込み所がある方がらしいといえばらしい。
次回泣いても笑ってもBDが売れなくても最終回。

・第12話「未来」
視覚イメージを送り付けておきながら
ダイチとの会話自体は文字チャットで進行するという
絵面はなかなか面白い。
親父の思念体ではなくモニターに直接話しかけるのかよ。
最後に顔出ししてたが最初から実体化しろw

思いの強い方が勝つとか言っておきながら
タイヨウは巨大ロボ化。アキラはフルボッコ。
ユキは白目。タクヤはスクーターがなければ役立たず。
思いの強さで負けてるじゃねーか。
そしてキキョウの策略で形勢逆転。
なんじゃこりゃぁ!

結局世界を元には戻さず、
主人公2人の記憶が消滅するという驚きのラスト。
ええんか?それで?

気になるED曲。最後はHello,Againで〆たか。
~記憶の中で ずっと二人は生きていける~
その記憶がないんだけど。

どうせなら、これ(↓)を実写版で流した方が面白かったかも。
https://www.youtube.com/watch?v=wZ3Fe1JeecE&t=2s
{/netabare}

■総評
 総評は真面目に書きます。アニメ化して欲しいゲーム1位でありながら、かなり残念な出来だったように思います。

 原作はスクーターに乗りながらアイテムを回収し、タマシイのスキルを活用して敵を倒す横スクロールアクションゲームです。アニメはゲームシステムはあまり意識せず、「ロスト」という災害発生前後の人間模様を描くサスペンスとして作られており、シナリオ重視の内容になっています。

 ストーリーで勝負する本格志向なのは良いのですが、実際にアニメを観ると相当に厳しくて、お話が横道にすぐ逸れるし、登場キャラが多すぎて煩雑、途中第9話で盛り上がりを見せますが、結局は強引に終わらせてしまったような印象を受けます。

 やはり一番痛かったのは主人公2人の目的意志が弱くて、消滅都市というゲームの世界観への案内人としてうまく機能しておらず、彼らに感情移入することも難しかったことでしょうか。

 「依頼されたから」「父親が呼んでるから」と他人の意向でロストに向かう、というのは動機としてとても弱い。どの回も、キャラが話の都合で動かされているように感じる。そうではなくて、「父親にもう一度会いたい」とか「ユキを助けたい」とか「タマシイになってしまった人を元に戻したい」とか、登場人物の感情を物語のフックにしなければ視聴者を引き込めないのではないでしょうか。

 まぁプロの脚本家ならそんなことは百も承知なんでしょうけど言うは易し、行うは難し。公式サイトの記事を読むと2016年に企画が立ち上がって、それから毎週5~6時間の脚本会議をやってもなかなかまとまらず、シナリオ作成に相当難航したようです。

 あーそういえば毎週10時間の脚本会議を2年間続けたというアニメがありましたね。「サクラクエスト」も入江信吾がライターだったような。・・・そういうことなんでしょう。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

首都消失とは関係ない

2話までの感想{netabare}
3年前に都市が消滅しただって?
知ってる知ってる。300年後の未来に飛んだんでしょ?黒猫が喋ったり能力使うと対価が必要なんでしょ?
という冗談は置いといてちょっと頑張って細かいツッコミをしてみる。

1話序盤、坊さんスタンド攻撃によりスクーターを止めて後続の車両を止める→ひと休みしてから再びスクーターを走らせる。
これだとスクーターより前を走ってた車両はずっと遠くへ行ってるハズで、暫くはガラガラの道路を疾走できると思ったらすぐに車両があって「?」。
途中で他の道と合流してたってことかな?
でもって依頼主のトラックにスクーターが収容…って、なんじゃこりゃあ!?
これがもし実写作品だったらアクションの見せ場とも言える部分で、決して手を抜いて良い場面ではないと思うのだが。
でもって依頼主から新たな依頼を受け、仕事仲間のギークの元へ行って…って、依頼内容は他言無用じゃないのか。
ギークを危険に巻き込むわけには…みたいなことは無いのね。
でもってギークとの会話を聞いてユキが飛び出して…飛び出した先は封鎖地区のすぐ近く?
タクヤがアッサリ見つけられたのはギークのおかげでいいとして(といいつつ探してる間に暢気にユミコへ電話してるのは何だろう、挟むタイミングおかしくないか?)、その直後いきなり廃墟走り出してちょっと戸惑ったわ。
開放地区(一般人の居住地区)から封鎖地区に入ると途端に整備されてない…のかな?
そういう場合は境界線をちゃんと描くのがお約束だと思うのだが。
でもって再び坊さんスタンドと対決、スクーターがアホみたいに頑丈なのはいいや、ギーク特製の絶対安全スクーターなんでしょう。
でもって坊さんスタンドを退けたと思ったら青髪能力者に阻まれて、その青髪能力者はスズナに後の処理を任せて手ぶらで帰っちゃう。
そしてラスト、ユミコが気絶してるタクヤへ銃口を向けてーの、画面に見せずに銃声だけ鳴らして引き。

2話、ユミコが撃ったのはタクヤではありませ~んからのスタート。
それはいいんだけど、スズナはユミコに後の処理を任せて手ぶらで帰っちゃってたみたい。
てっきりスズナはその場に残って一部始終見届けるハズだと思ってたので、一瞬1話と2話が繋がらなくて混乱した。
スズナがアホ面下げてのこのこ帰るシーン描いてくれよ。
ってかどんな丸投げだよ、青髪能力者かスズナはユキくらい連れて行けよと思うんだが…ユミコは所詮封鎖地区を根城にする探偵崩れでしょ?
なんでそんな下っ端にユキの移送を任せるんだ、ユキは重要人物じゃないのか?ワザと泳がせてる??
軍用ヘリを飛ばせる「謎の組織」が一気にスケールダウンしちゃったような…。
で、タクヤユキユミココウタで封鎖地区脱出を目指して地下鉄路線を通って…そのままロストへは向かわんのね。
でもってユミコが追っ手のスズナに銃口向けられてーの、画面に見せずに銃声だけ鳴らしてAパート終了。
おい、1話最後の引きと同じだぞ…いや、1話で銃向けてたのが今度は向けられる側になったという対比なのかな?
けどBパート、ユミコピンピンしててどうやって避けたんだか不明。
あとはナイフのスタンドとアキラの対決、ユキがアキラを自在に引き出せるようになったという描写かな?


…ふう。
設定がぶっ飛んでる分には構わない(坊さんスタンドは気にしない)のだけど、シーンの繋がりがなんか変。
これでキャラの性格がおかしければ“ロードオブヴァーミリオン”に近づけるのだだが、今のところギリギリ踏み止まってるかな?
ギークにロスト突入依頼を簡単に喋っちゃったり、青髪能力者→スズナ→ユミコへの任務丸投げとか危ういところはあるけど。
あと2話段階ではユキを追ってる方もタクヤを雇った方も組織名が明かされてないので感想書くのが大変だった、チンゴ国禍なりトーワ機構なり早く明かして欲しい。

突っ込みばかりじゃアレなんで誉める点。
他の作品でもあった気がするけど、最近はバイク(スクーター)のノーヘル描写OKになったのね、ジョジョは原作がそうだったので例外としても。
一時期NGだったでしょ、バカボンで皮肉ってたような?
あと「銃口を向けてーの、画面に見せずに銃声だけ鳴らす」って演出の多さが気になってるんだけど、これは“牙”の主人公が気絶する・“コメットルシファー”の高い所から落ちると同様、場面転換のお約束として天丼を狙ってるのかも?


余談・園芸ネタ
OPで出る花はパっと見シュウメイギクっぽい。
え、折角の春アニメなのに秋の花?
似た別の花かなぁ?{/netabare}

3話感想{netabare}
大人の事情でアイドルをねじ込まないといけなかった匂いを感じる。
が、そんなオーダーに対し「主要キャラ3人が共通して知るロストの被害者」ということで話に練り込んだのは悪くないんじゃないかな?
内容自体はタマシイとは何ぞや?に対してのヒント出しかな。
本体は既に死んでるかどうかは不明だけど、後悔や心残りが残留思念みたいになって特殊空間を形成してたっぽい。
始めのうち主要3人は過去に飛ばされた?と勘違いをし、これは自分もそうだと思って「またこの展開?」と乗せられちゃったけど実際はそうではありませんでした、と。
過去に飛んだのではなく、過去を再現した空間に迷い込んでたというトリック(※)。
この展開も上手いんじゃないかな、ループネタは今期だけでもユーノあるしもう見飽きたよって視聴者の気持ちを手玉に取った感じで。
これでエンディングがガッツリ気合の入ったライブシーンだったら更に良かったのだけど、「実はもう死んでるんやで(いや、生死不明だけど)」って中ユアのタマシイが見た幻覚だと思えば切なくて良いんじゃない?
(実際EDのイントロで無人のステージが映ってる、こっちが「現実」ってことだろう)
で、タマシイの無念を解消させて特殊空間を解除して「タマシイって何なのか分かった気がする」+メデタシメデタシで終了…とはならずに最後に1話終盤に出た青髪登場。
どうやらユキの弟らしいのだけど、ユキを連れて行きたいのなら1話の段階でそうしなかったのは何で?とは思ってしまう。
ナズナを訝しんでたシーンあったし、そこら辺絡みかなぁ、ちゃんとやってくれると良いなぁ。
ナズナ自身ユキの能力の覚醒?を確認したらユミコにトドメ刺さずに引き上げた経緯あるし。


キャラの勘違いを途中まで事実かのように物語を進めて実はそうではありませんでしたってオチに繋げる展開と、キャラの勘違いの中身がタイムリープだったものとして“ISLAND”に近い気がした。
けどISLANDよりは無茶な話でもなく、何話も引っ張らずにその回の内でネタバラシを済ましたのは好印象。


と、誉めるのはここまで。
実際のところ3話は途中までは悪くなかった、細かい部分で変なところはあったけど(電話が繋がらなくなるタイミングや車輪から空調へのオーバーラップとか)。
ただ最後が…イヤボーンかー。
今回「銃声鳴らして場面転換」が無かったと思ったらそれよりもっとベタベタな引きで吹いた。
今回はユアの思い残しを晴らした回だったけど、まさか残りのメンバーもクローズアップされたりなんか…する?しない?
マネージャーが何か秘密を握ってるようなことも言ってたし、まだアイドル絡みを続けようならちとクドく感じるかも。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
ネタバレ

聖剣 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

逆にすごいぞ!頑張れ → オカルトかプロレスみたいなもん

カオスヘッドを見たときの印象とカブる
常に「大丈夫か?」と気付けに自問自答しながらなんとか視聴。

まぁ、とにかく作画が気持ち悪い
人物の作画が極めて簡素。陰影が少なく、平坦な表現。
でも、衣服にはシワや影がある。
3DCGなので車両などはリアル。というか整いすぎ
全体的に色彩もオカシイ。
一瞬だけ出てくるフクロウの作画の異質なリアルさ。

作画ばかり注視して気付かなかったが
ストーリーもかなりぶっ飛んでる!
というか、よくワカラン
こういった巻き込まれ型スタートとも考えられなくもないが、
すでに3,4話消化したような文脈無視の第1話には閉口。
なんか携わった声優が切なく感じてくる。

と、
いつもだったらここで終了宣言。
第1話にしてすでに破綻していると思うのだが、
逆に見続けたくなる。
いや見続けなければならない!
これは日本アニメ業界の原罪なのだ(イミフ)


第2話
{netabare}
一向に何をしているのか分からない。
次から次へと新しい追手が現れて来てくれるが、
誰に追われているのか?
何で逃げているのか?
つか、お前ら、いったい誰なんだ!?
と、
登場する事象の全てに一切の説明が不足している

もしかして、ここに疑問を抱いては負けなのか?

なんだか
劇中の人たちが勝手に盛り上がっているような気がしてきて
差し詰め、知らないメンツとの強制参加で退席できない飲み会に同席している感じか。
蚊帳の外で傍観者を強制されている状態が続くと
見ていて不思議な気分になる。
もしくは、
まるで長編ドラマの途中から見始めたような印象
そして、第2話にして最終話前夜祭の様相を呈するといった感じ
次はどういった最終回を迎えるのだろうか?w

ちなみに
規則正しく淡々と地下鉄線路内を走るシーンをみて
8bitアクションゲームを思い出したんだが…
つまり
もう少し動画がんばれよ
{/netabare}

第3話
{netabare}
相変わらず突っ走ってるなぁ
本当に何をしているのか分からない

こう書くと別にオカシイ感じはしないかも知れない
おそらくそれは、
よくある「未知なる敵との戦い」という展開なら有り得るから
でもこの作品の場合
敵としての「組織」って単語は出てくるが
そもそも組織らしさが無い
一応、研究所らしい施設や同じ衣装を着て徒党を組む連中はいるが
突然、戦闘ヘリが出てきたり、超能力者の坊さんが出てきたり
とにかくとっ散らかっている
まとまりがない
まとまっていない集団を組織って言うのだろうか?

それと、
パースが狂っていることにはもうツッコまない!
ただ、唐突に現れる3DCGの濫用には閉口
盛り上げるための効果は極めて薄く、
単に尺を稼ぐための場つなぎ感に思えてしまい非常に残念
止絵で良いから
作画量を減らしてクオリティを上げる方法を考えるべき

という訳で
(万が一)見落としていた部分がないかと、
1話を見直してみようと決めた
{/netabare}

再び第1話
{netabare}
都市の消滅現象が
人為的なのか自然発生的なのか、もしくは不可抗力によってなのかは
物語の根幹に関わる内容なので
現時点であやふやにボカしていても不思議ではない。
ただ、
その現象によってどのような変化があったのか
日常生活への影響や人々の感情や記憶、
行政府の体制やメディアの反応等はどこかで語られるべきだ
例えば、甲殻SACの第9話のようにね

って
こう書き出したってことは
概ね見落とした内容は特に無く、現時点では単に説明不足ってこと
ソシャゲとの兼ね合いで理解を深めるのかな?って思ったけど
だとしたら、
ソシャゲへの誘導らしいアプローチがあっても良さそうなんだがなぁ…
{/netabare}

ちょっと雑談
{netabare}
マッドマウス、なんか訴訟抱えてるみたいね
さすがマッド!
ちはやふる3期が遅れたのも納得
つまり、今のトレンドはブラックじゃなくマッドだw
{/netabare}

第4話
{netabare}
何も記憶に残っていない
とうとう自分には追いつけない領域まで行ったのか?
{/netabare}

第5話
{netabare}
当初の疑問点が一切不明のまま
新たなフェーズに突入した感じ
より一層オ◯ニー感が強まった印象
{/netabare}

第6話
{netabare}
よくよく見てみると
OP映像もかなりイッてることに気がつく

ここで冷静になって
誰もコレで良いのか?って疑問は持たなかったのだろうか
あぁブラック改めマッド企業だからそれどころじゃないかぁ

とはいえ、そろそろ継続視聴の限界水位だ
{/netabare}

第7話
{netabare}
さすがに毎週楽しみにしているとは言えないので
倍速で消化することにしよう
つまり、視聴から作業に変わる


なぜ、レパード?(あぶ刑事か?)
も、門扉が??
パースが狂っているというか遠近法とか言う以前に
動画の基本が分かっていない!

もうダメかもわからんね
{/netabare}

第8話
{netabare}
人身売買?
長らく求めていたはずの命題が、突如として現れたけど
あまりに唐突すぎて思考停止に
これじゃ、あぁそうか!とはならない
せめて前提条件ぐらいは明確して核心に迫ってくれよ!

もうだめぽ

と思ってたら
9話神回って不穏なキーワードを発見
この作品に神回ってあるんか?!
(ある意味全話神回かw)
{/netabare}

第9話
{netabare}
一応ネタバラシ回のようだが…

う~ん
「腑に落ちる」という言葉の対局にあるようだw
それより
シャンパングラスに赤ワイン注ぐなよッ!
{/netabare}

第10話
{netabare}
暫く間を空けて見たんだけど
全く繋がりを思い出せない
ほ~らね
だから言ったんじゃない、序盤で丁寧に説明しておくべきだって!
おかげで
ストーリーはどこを進んでいるか皆目見当も付かないし
キャラも定まっていないから、今更「誰?」ってなるし
つか
度々見切れてくる謎のアイドル(みたいな)5人組の必要性が
最終話までに答えを容易してくれているのだろうか?
{/netabare}

第11話
{netabare}
伏線の回収をせっせと進めているような様相を呈しつつ
いったい何が伏線だったかを思い出すのに苦労させられる
まぁ、自分はその辺りを既に放棄しているので
もはや何も気にならないが
蚊帳の外から見ていると
頑張って盛り上げようとしているのがよく分かる
と同時に
いったい幾程の人がこの盛り上げに同行できているのだろうか?と
思いを馳せると、ちょっと切なくなる
何より
DVD/BDやサントラの販促CMを見るだけで
この作品に携わった人たちが幸せになってほしいと願わざるを得ない
{/netabare}

第12話
{netabare}
私事で恐縮だが、
こんなふうに各話レビューするレビュアーに改めて敬意を表したい
だって、自分には全く向いていないんだもん
だから、もう各話レビューなんてしない!!
{/netabare}

総括
{netabare}
つまり、突っ込んだら負け{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15
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