イムラ さんの感想・評価
4.0
このまま埋もれてしまうのはちょっともったいない
<2019/2/23 初投稿>
子供の頃観てた、という記憶だったのですがWiki調べたら思春期の頃でした。
ところでググったら「悔しいですっ」の方が検索上位に来るんですね。
そりゃそうか。
でもあのお笑いコンビの名前の由来がこのアニメってこと知ってる人はもう少ないんだろうな。
つーか最近は「悔しいですっ」のコンビもあんまりテレビで見かけないし。
このままだと「ザブングル」という単語は歴史に埋もれてしまいそう。
というわけで朧げな記憶をWikiで補完しながらレビュー開始
富野御大のロボ作品。
ファーストガンダムの次のイデオンのさらに次くらい。
なので皆殺しじゃない方。
気分転換なのか前二作の暗い雰囲気とは打って変わってひたすら明るく能天気なコメディ調です。
特徴は
・主人公ジロンの顔が真ん丸。キャラデザ湖川友謙なのに
・ウォーカーマシンと呼ばれるロボはハンドルで運転、ガソリンでガチョンガチョン動く。たぶんここも笑いどころ。
・味方陣営はみんな緩くボケる(めちゃくちゃ笑えるかというと微妙だけど御大作品の中では相当頑張ったと思う)
・ジロンは親の仇を追いかけてる役どころなのに、基本ナチュラルにボケ続ける「おおらかヒーロー」
・主役メカを搭載して地上を疾走するランド・シップと呼ばれる戦艦(?)がロボに変形して殴り合い・・・マクロスよりこっちの方が先なんですね。イメージとしてはグレンラガンに出てきたアレです。
・意外と真面目に練られたSF的な世界観
印象に残ってることとしては
コメディ路線なのにスーパーロボットじゃない。
なんか不思議でした。
ロボや兵器、武器は結構シリアスなんですよ。
全般的に西部劇風なんですが銃なんかは実在のものらしいし。
お笑いや景色などの雰囲気はグレンラガンにちょっと似てるかな。
でもグレンラガンは紛うことなきスーパーロボット。
異色作だと思います。
そしてやはり緻密に組み上げられたSF的な世界観。
一度、おそらく大規模な戦争で破壊され再生に向かう途中の、一面荒野のような世界が舞台。
当時はボーッと観てたので、そんなもんか、ぐらいに思ってましたけど、今考えるとこの世界観はかなり凄いような気がしてきました。
ディストピアからの再生ではありますが、社会や経済の仕組みまで妙に細かく考えられてる。
ナウシカ並と言ったら大袈裟かな。
あと忘れられないのは・・・
ジロンたちは「シビリアン」と呼ばれています。
いわゆるこの世界での普通の住民。
逞しく生きてます。
一方で各地に点在するドームに居住する支配者階級「イノセント」
当時、シビリアンとかイノセントという言葉の意味がわからず辞書引いて調べて余計頭が混乱した記憶があります。
シビリアン=文民(軍人ではない人)
イノセント=無垢な
なぜにこのネーミング。
でも今思い返すとお話にぴったりだったことに気がつきました。
諧謔も含まれていてセンス良い。
歴史に埋もれそうな本作ですが、いつかもう一度1話から観てみたい。
流石に作画が古いのでその分評点低めですが、明るいリアルロボものお好きな方、西部劇風のSFお好きな方は是非一度ご覧ください。
ちなみにOPテーマ曲は素晴らしくカッコよい。
血潮が滾ってくる感じに串田アキラさんが歌い上げてます。