ウイスキーで仲間なTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のウイスキーで仲間な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月06日の時点で一番のウイスキーで仲間なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

67.8 1 ウイスキーで仲間なアニメランキング1位
バーテンダー 神のグラス(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (99)
290人が棚に入れました
「神のグラス」と称されるほどの若き天才バーテンダー、佐々倉溜。パリより帰国し、銀座のバーで働き始めた彼のもとに、多種多様な事情や生き様を抱えたお客様が訪れる。彼らに差し出される一杯のグラスが、あるときは彼らの人生を変え、あるときは彼らの心を少しだけ慰める――。酒と人とがドラマを紡ぐ、大人のためのスタイリッシュ・BARストーリー!
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

【第2作】「西尾節」と「シャフト演出」と「戦場ヶ原」を抜いた『化物語』

【レビューNo.129】((最終レビュー)初回登録:2024/6/21)
コミック原作で2024年作品。全12話。
第1作は好きだったので、第2作にも期待ですかね。

(ストーリー)
バーテンダー・佐々倉溜は、パリから帰国後銀座のバー”イーデンホール”で
最近働き始めた。
ホテル・カーディナルの営業企画部で働く来島美和は、ホテルのカウンターバ
ーに相応しい、客の魂を癒す「神のグラス」を作れるバーテンダーを探してい
るが一向に見つからず焦っている。
偶然街で出会った溜がバーテンダーであると知る。
(公式サイトより)

(評 価)
・第1話:温故知新的な取り組みは評価したいが・・・う~ん、様子見ですかね
 {netabare}・第1作は2006年にアニメ化されており、2回程視聴してますかね。
  第2作の位置づけが分からなかったのですが、公式サイトや1話を見た限り
  では、リメイクというより
  ・原作からの主要キャラや舞台等世界観を引き継いだ上で
  ・現在風解釈等を加えながらの完全新作ストーリー
  という感じっぽいですね。
  原作未読なので、完全アニオリかどうか等は判断できないですがw
  1話はベースとなる世界観を提示する必要があるので、ある程度前作で既視
  感のあるものをみせつつ、ところどころ改変が行われているという感じでし
  たね。

 ・例えばグルメなんかは「食堂食堂」や「ダンジョン飯」等ここでも異世界モ
  ノが席巻している感があり、個人的には少々食傷気味な感じではあります。
  (これらの作品は好きなんですが、こうも異世界モノが多いとね・・・)
  なので、下手に「異世界バーテンダー」とかに走らずに、こういう時代だか
  らこそ過去の名作に回帰してみようという「温故知新」的な取り組みは大い
  に評価したいところですね。
  第1作での魅力であった
  ・バーという(重い扉で閉ざされた)隠れ家的な空間に流れる緩やかな大人
   の時間や癒し
  ・そこで繰り広げられる人間ドラマ
  ・バーやお酒のウンチク等
  第2作ではどうみせてくれるのか。

 ・ただ1話を観た感じだと「う~ん、コレジャナイ」って感じが・・・
  ・前作より幼さを感じるキャラデザやコメディ要素を加えたキャラ描写
  ・前作よりも明るい感じの色調
  ・過剰なアニメ演出等
  前作の素材の味を楽しむような大人な空気感が・・・って感じですね。
  しかし
  ・第2作を創る以上、前と変わらないという訳にもいかんやろしなあ
  ・第2作として面白いテーマ性とかがあるかも
  ・新作エピソードは気になる
  という感じではあるので、しばし様子見ですかね。
  あと前作は思い出補正がかかってる可能性もあるので、この機会に前作も見
  直してみようかなっとw{/netabare}

・第2-3話:第1作とは異なる方向性はきちんと提示されていたと思う
 {netabare}先日の 第1作のレビューで
 ・第1作はよくも悪くも「昭和世代が思い描く『かっこいい大人の男像』」を
  描いている
 ・第2作は尖った感じがなくなり、凡庸な作品になりそう
 と書いたのですが、

 第1話
 メインキャストが神嶋部長から来島美和に変更。
 それに伴い、神嶋部長の人間ドラマをカット。
 その分佐々倉の人間臭いキャラ描写を追加。
 → 「かっこいい大人の男像」が後退

 第2話
 第1作で2話分のエピソードを1話に詰め込み
 → 人間ドラマは薄味になり、ストーリー重視の味付けに

 第3話
 見習いバーテンダー・川上京子を追加。
 第1作では友好的な熟練バーテンダー・葛原が越えるべき壁という存在。
 まさかのカクテル対決w
 → 第1作では客に寄り添う存在であった佐々倉を第2作では前面に押し出し
   た演出

 やはり第1作のエピソードが古く時代に合わないという判断なのか
 ・第1作:客の人間ドラマとそれに寄り添う佐々倉
 ・第2作:佐々倉の人間臭さや彼や来島美和、川上京子等の成長譚
 という方向に舵を切っていくのかなあって感じですね。
 個人的には
 ・第1作の「昭和世代が思い描く『かっこいい大人の男像』」がストライク
 ・第1作でしっかり描かれていた「人間」が、単純な記号化され面白みがな
  くなったように感じる
 と、どうしても辛口になってしまうのですが。
 第1作とは異なる方向性はきちんと提示されていたのかなっと思いますね。{/netabare}

・第4話:第2作のやりたいことは大分明確になってきたかな
 {netabare}前回のレビューで書いたように
 >・第1作:客の人間ドラマとそれに寄り添う佐々倉
 >・第2作:佐々倉の人間臭さや彼や来島美和、川上京子等の成長譚
 >という方向に舵を切っていくのかなあって感じですね。
 がより鮮明に描かれていたのかなっと。

 Aパートは
 ・ホテル・カーディナルに凄腕フレンチシェフのスカウトを画策
 ・このシェフを口説くために佐々倉も一役買う
  → 利き酒対決や酒にまつわるエピソードを絡め、シェフの心を動かす
 という流れでしたが、
 ・やはりシェフよりも佐々倉に焦点を当てた演出で「佐々倉スゲー」をやり
  たいみたいな
  → う~ん、少し話が軽く安っぽくみえるのかなあ
 
 Bパートは「見習いバーテンダー・川上京子の苦悩」ということで
 ・ようやくカクテル作りの許可が出たが、オーナーからは厳しいダメ出し
 ・自分が目指すべきバーテンダー像がわからない
 それを「キング・オブ・カクテル」と呼ばれるマティーニで
 ・佐々倉の作る顔のある→酒の個性を引き出したカクテルとは
 ・他のバーへ行き、多様なマティーニを飲み比べ
 でしたが、第1作にはなかった
 ・若手バーテンダーの共演
 ・駆け出しの頃の佐々倉の描写
 ・カクテルレシピだけでなく、ステアや温度管理といった技術面の細やかな
  解説
 などは第2作のウリとしてよかったのでは。
 今回の新キャラ・バー「Hell's Arms」の金城ユリも今後の出番が楽しみな
 キャラではありますし。
 また会話の中でカクテルコンクールの話も出たので、以降でそちらの話も描
 かれるのでしょうか。
 それにラストは熟練バーテンダー・葛原と来島会長で何か仕掛けてくるよう
 な引きで終りましたし。
 (これも第1作にはない展開ですね)

 一長一短はありますが、(第1作とは異なる)第2作のやりたいことは大分明
 確になってきたように思いますね。{/netabare}

・第5話:悪くないが凡庸かな
 {netabare}今回の主役は、葛原の愛弟子チェン。
 ストイックだが、視野が狭いようで・・・
 >それにラストは熟練バーテンダー・葛原と来島会長で何か仕掛けてくるよう
 >な引きで終りましたし。
 前回のフリは佐々倉ではなく、チェンの見識を深めるためのようで、
 ・「サントリー 山崎蒸留所」見学ということで関西へ研修ツアー
  (来島会長の人脈による)
 ・他のバーテンダーと触れ合うために、川上京子と金城ユリも同行
  (あと孫の特権で来島美和も)
 ということで、はじめはツンケンとしたチェンでしたが
 ・佐々倉のフォロー
 ・自身の京都の苦い思い出と向き合い
 最後に何かを掴んだようです。
 う~ん、話は悪くないですが、もうひとつ面白くないんですよね。
 回想なんかも入れてますが、全体的に人物描写が単純な記号化されて平面的
 というか、やはり凡庸な感じが否めませんね。
 「サントリー 山崎蒸留所」の辺りは、昔住んでたことがあったので、
 「おお、こんな風景だったわw」
 と、懐かしさがありましたが。
 
 川上京子と金城ユリとの交流を深める目的もあったはずですが、途中から別
 行動になったので、その目的も果たされずでよかったんか?!
 今回2人は「コメディ要員か?!」という扱いでしたね。
 この2人はカクテルコンクールに出場すると表明したので、今後そちらも描か
 れるんでしょうね。
  
 よくも悪くも「第2作はこんなもんかな~」という印象ですね。{/netabare}

・第6話:「バーという”特別な空間”だからこそ面白い」が薄まった
 {netabare}今回のエピソードは
 ・来島美和の後輩・樋口由香利のまさかの結婚話
 ・心がささくれだった中間管理職と患者を救えなかった女医の出会いの物語
 でした。

 樋口由香利については、来島美和ともに最初からずっと登場していますが、
 仕事でいいところがなく、どこかお気楽で浮付いたキャラって感じなんです
 よね。
 ・そんな彼女の”結婚”といわれても、唐突感だけが凄くて感情移入できな
  かった
 ・佐々倉の彼女の本心を見抜いてた描写が「佐々倉スゲー」よりの演出で
  「バーテンダー="優しい止まり木"」
  からズレてる感じがどうも好きになれない
 
 また中間管理職と女医の物語ですが
 ・ストーリー重視で薄味、この2人に焦点が当てたいのか、佐々倉よりなのか
  創りが中途半端
 ・バーという”特別な空間”に入ったという空気感が不足している
 この辺りも第1作ならこれだけで1話分の尺を使ってたところを、上述由香利の
 結婚話も詰め込んでいるので、まあそうなるわなっと。

 やはりこの手の話になると、第1作に比べ
 「バーとバーテンダー(優しく寄り添う存在)だからこそ独自の面白さがある」
 という尖った感じが薄まり、無難でライトな仕上がりだなという印象ですね。
 いつまでも「第1作がよかった~」という私は老害でしょうか(笑)
 第2作として新作のエピソードをやってくれてるのは、ありがたいですが。{/netabare}

・第7-8話:正直どうでもよくなってきた(笑)
 {netabare}7話はチェン君の話がメイン
 ・葛原の元を破門された模様
 ・父親が来日(シンガポールの有名ホテルの跡取りとして連れ帰るため)
 ・バーテンダーを本気で目指すことを決めたチェンは、佐々倉の元で研鑽
  を積みつつ、父に認めてもらうためにカクテルを作るのだが・・・

 また8話はカクテルコンクール回。
 ・川上京子
 ・金城ユリ
 ・チェン君
 が出場。その模様とそれぞれの新しい始まりを描いて終わりました。
 チェン君の騒動も一応の決着を見ましたが・・・

 正直どうでもよくなってきました(笑)
 エピソードは進むものの、こちらに積み上がってくるものがないなっと。

 >「バーという”特別な空間”だからこそ面白い」が薄まった
 前回こう書いたのですが、少しフォローしておくと
 ・第1作はバーでの人間ドラマや男のカッコよさなど、かなり特化した創り
  → (バーでのシーンが大半で)バーの空気感等も注力して創りやすい
 ・第2作は”前作とは違うベクトルを”ということで、多様化を意識
  → まあ「バーの空気だけ重厚に」とかは創りづらいよなあ
 って感じですね。
 正直原作未読なので両作とも、どこまでが原作準拠でどの辺がアニオリ改
 変なのかも分からないですし。
 そういう意味では「第2作は第2作の面白さ」があればと期待していました
 が、ちょっと厳しくなってきましたねえ。
 一応最後まで視聴予定ですが、ただ”凄腕バーテンダー”が出てくるだけの
 作品で終わりそうですね。
 この”凄腕バーテンダー”も「佐々倉スゲー演出」でみせたかと思えば、重
 鎮からは「ひよっこ扱い」等なんかチグハグなんだよなあ。{/netabare}

・第9-10話:人間を描くってやっぱり難しいんだと思う
 {netabare}第2作の目玉として第1作では描かれなかった
 ・”佐々倉溜”という人間を深堀して描いていく
 という試み自体は評価したいのですが・・・

 ざっと作品内での”立ち位置”でみても
 ・「神のグラスを作る男」とか”凄腕バーテンダー”と持ち上げる一方で
 ・重鎮(老害?)からは育てるべき人材として「ひよっこ扱い」
 ・佐々倉自身も自分が未熟だと納得していない様子
 ・その一方で高みを極めし者のように説法を垂れるという
 もうストーリー都合でキャラを動かしちゃってるなあっと。
 
 それに今回はついに佐々倉の過去が明かされますが
 ・人が死んだという話を絡めればインパクトがあり、説得力増すやろ
 という、制作側の浅はかな考えが透けて見えるというか・・・
 ”キャラ造形”って
 ・作り手が「彼はどういう人間か?」というのを考え抜いた上で、それを
  作中の言動に地道に落とし込んていく
 ・その積み重ねを経て、視聴者側がどう受け取るか
 ということだと思うのですが、やってることは
 ・こういうエピソードで説明したから、彼はこんなキャラということでい
  いよね♡
 という制作側のキャラの押しつけだったり、レッテル貼りレベルにしか過
 ぎないんですよね。
 やはり人間を描くって難しいですね。でもそこを超えてくるから私たちは
 「プロのクリエイターってやっぱり凄い」
 とリスペクトの念を抱くわけで、そういうところをインスタントにやろう
 している作品はねえ・・・

 >こういう時代だからこそ過去の名作に回帰してみようという「温故知新」
 >的な取り組みは大いに評価したいところですね。
 と最初に書いたのですが、どうもアニメ化の経緯もタック二階堂さんの
 「サントリー案件」
 というご指摘が的を射ている気がしますね。
 そう考えるとこの凋落ぶりも納得ですね。{/netabare}

(最 終)
「西尾節」と「シャフト演出」と「戦場ヶ原」を抜いた『化物語』

率直な感想がこれですかね。
第1作を知らなければ、「バーとバーテンダーが登場する一風変わった作品」
として、それなりに楽しめたかもしれませんが、前作の尖った部分を切り捨
て、凡庸な人物描写やサントリー案件を加えた本作は”コレジャナイ”って
感じですね。

まあ「昭和の男臭さ」がプンプンする第1作と同じテイストで令和のアニメ
を創る訳にはいかんやろ、という判断は理解できます。
とはいえ、
>「バーとバーテンダー(優しく寄り添う存在)だからこそ独自の面白さが
>ある」
という根幹が揺らいでしまっては「本末転倒だろう」って思う訳ですが。

今回”佐々倉溜”という人物描写に結構尺を使ったものの、あまり魅力的に
描けていないからなあ。
いろいろと多角的に描いてみたものの、結局どれも中途半端に終わった印象
ですね。
>「バーという”特別な空間”だからこそ・・・」
やはりこの空気感がないと、漠然とバーのシーンを見せられても響くものが
ばない気がしますし、そこが本作の生命線だったのではと思いますね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

グルメものより話の広がりは無い。虚構と虚栄の世界ですね。

 最終話(12話)まで観ました。2024.06.20

 佐々倉さん、結局ホテル王に取り込まれたか…。仕方ないですねぇ…。孫娘やホテル関係者とあれだけ濃厚に関わってたら、身内扱いされるのも当たり前かなぁ。

 薀蓄モノはネットがこれだけ普及すると、説得力をもたせるのがものすごい難しいので、より権威のある者の傘下に入るのはある意味現代的なのかもしれません。

 薀蓄漫画の傑作、美味しんぼの山岡士郎と佐々倉さんの差が如実に出た感じがします。

 山岡士郎はネット普及前の80年代の人物で、当時は情報を独占していた大新聞社の社員で、対立していたとは言え、得体の知れない政財界のフィクサー、海原雄山の御曹司として、教養と裏表の一流人脈を継承していた怪物でした。

 だから、薀蓄にも説得力がありました。対して佐々倉さんは原作ではネット黎明期の人物なのかもしれませんが、アニメでは現代人です。

 ヨーロッパの一流バーにいたと言っても、所詮は狭い世界の住人で、垂れる高説に裏付けが決定的に欠如しています。各界の著名人とフランクに接触出来る山岡士郎との差は歴然です。

 佐々倉さんは、最近バケの皮が剥がれつつある、フランス在住逆張りシッタカおじさんと同程度の人物である疑いが濃厚です。情報源はウィキペディア的な…。

 ネット以前なら物知りバーテンダーとして通用したかもしれませんが、カクテル知識も、客がスマホでググったら、異説が出てきて、それを根拠に反論してくる可能性があります。

 理論や意見は発する人間の立場を絶対に超えません。バックにケツ持ちがついている人物と、何の権威も無い人物の発言は同価値では無いのです。

 サントリーもこの辺を分かっていて、アニオリ宣伝改変を突っ込んだり、ホテル王を絡ませたりしているんでしょうね。

 まぁ、会社の力で下請けや顧客をいじめている大資本の考えそうなことです。薀蓄漫画やアニメ受難の時代に上手くまとめたと評価すべきでしょうが、釈然とはしないですね。
………………………………………………………………………

 11話まで観ました。2024.06.16

 早いもので、間もなく最終話です。このアニメ、何となく良い感じのエピソードを積み重ねながらも、何か物足りない感じがします。

 主人公の佐々倉さんに、魅力が無いんでしょうね。新人バーテンダーのひたむきさは女性バーテンダーの2人やチェン君に敵わないし、熟練の苦労人キャラとしては、「バー・風」オーナーの師匠に敵わない。

 やさぐれ無頼漢キャラは兄弟子に持っていかれているし、ホテル王には鼻垂れ小僧扱いされています。

 客に対して凄腕バーテンダーとして高説を垂れますが、発言に権威と説得力が足りません。

 魂の救済やら、佐々倉さんのせいで客が死んだとか、何を言ってるのかと。夜の世界はヤバい奴が蠢いております。そいつ等に比べたら、まだまだ若造の丁稚に過ぎません。

 そもそも、酒を飲んで魂が救済されるのか?毎日ホッピーを飲んで、中は七割位入れてくれ!たみゃらん!とか言っている其辺の親父の魂は救済されて無いのか?

 酒が飲めない人から見たら、高級バーで最高の一杯を求める客も其辺のホッピー親父も単なる迷惑アル中では?

 ラスト、どんなオチをつけるかで、だいぶ印象が変わりそうです。
………………………………………………………………………

 9話まで観ました。2024.05.30

 原作や前回のアニメ化作品、ドラマ版を観ているタック二階堂さんやwitchさん達のレビューによると、今回は大幅に雰囲気を変えてアニメ化している様です。

 主人公の佐々倉さんは、お客様の魂を癒やすためにバーテンダーという生き方をしているそうなので、本来はバーに集まる人々の人間模様を描くのが、テーマとして妥当なのかもしれません。

 ただ、原作と現在では社会状況が違い過ぎるので、工夫した結果が今回のアニメの雰囲気に繋がっているような気もします。

 そもそも、銀座の高級バーに頻繁に来れる様な奴に魂の救済が必要か?今回の話の様に場末のバーのバーテンダーや場末のシングルマザーホステスみたいに魂以前に物理的に困っているような人達が激増している時代に、何を言ってる?という気がします。

 もっと、治安の悪い街のスナックやバーの方がふさわしい様な…。そんな所に来るやつにカクテルの味は分からんか…。

 今回、佐々倉さんの先輩が作った、女性酔い潰しレイプカクテルみたいな話ばかりになりそうです。

 原作の縛りで深夜食堂みたいな物語にも出来ないし、サントリーの宣伝も噛んでそうなので、殺伐とした話にも出来ない…。物足りなさの原因はそこかもしれません。

………………………………………………………………………

 4話まで観ました。2024.04.25

 Aパートの、権威ある男性にアレコレ薀蓄でどうこうする話は、人によってはブチキレるんじゃね?と納得いきませんが、Bパートの若いねーチャンに対するマティーニの薀蓄話は面白いです。

 Bパートのバーにいた、ボーイッシュで格好良い女バーテンダーが居る店が近所にあったら、下心こみでケツの毛をむしられるまで通ってしまいそうです。剣呑剣呑!
 
 バーに行きたくなります。ワイにも顔のあるマティーニを頼むで!

 こういう、若い同僚とかにマウント取れるマメ知識みたいなのが面白いと感じるのは、老害レベルが上がった証拠かもしれません。おっさん向けのアニメですね。

………………………………………………………………………

 3話まで観ました。2024.04.18

 タック二階堂さんの書かれている通り、老人達の独壇場ですねぇ…。モノ消費よりコト消費って、こういうことなんでしょうか。

 情報を消費しているので、権威と経験、知識ある男性がマウントとっているんですよね。登場人物のねーチャン達はお色気マウント取られ要員でしかありません。

 今回、主人公はカクテル勝負で負けてしまいましたが、相手の状態によって味を変える是非は?人によっては主人公が勝ちかも…。ねーチャンは権威が無いので審判すら出来ません。

 共産党が政権を取ったら、私の好きな甲類焼酎の発泡酒割が至上のカクテルになるのになぁ…。労働英雄が飲むべきカクテルじゃ!所詮、評価なんて時代の価値観に過ぎませんて。
……………………………………………………………………… 

 2話まで観ました。2024.04.11

 美味しんぼだなこりゃ…。京極さん、四万十川の鮎で号泣みたいなエピソードをAパート、Bパートでやりました。

 酒は基本的に毒で、飲めない人も多いので、グルメものより話のオチの説得力に欠けます。飯を喰えない人はいませんからねぇ。

 カクテルも、物語を消費している部分が大きく、主人公の作るカクテルを飲んでゲストキャラがホロリとするのに、説得力がありません。

 みんな単なるアル中で、カクテルに何となくな物語があれば、喜ぶ様な単純な連中なんじゃね?と、いう疑問を感じます。

 そもそも、美味いという基準も怪しいです。カクテルの主要な材料の一つであるメキシコのテキーラは、本当に美味いのは伝統的な技法で作ったものらしいですが、それだと副産物のメタノール(メチルアルコール)を排除出来ないので、アルコール分解酵素の弱いアジア人向けには売れないそうです。

 日本で買えるのは工業的に成分を調整したテキーラなので、アジアのアミーゴ達は可愛いそうだと知り合いのホセが言ってましたが、視力を失う危険と天秤にはかけられません。

 バーでオシャレにカクテル飲んで喜んでいるのも、見た目が良いとか、伝統とか、物語と雰囲気を楽しんでいる部分が大きいので、8割方虚栄と虚構です。

 夜の街とはそういうものだ!ですが、この価値観を共有してないと、このアニメは楽しめなさそうです。

 学生の頃、金が無くて工業用エタノールを鍋で蒸留して添加物を除いて飲もうもして、下宿を火事にしかけた頭の悪いロシア人みたいな友人は、面白さが分からんと言っておりました。

 カクテル飲ましたくらいじゃ、駄目だこりゃ…。
……………………………………………………………………… 

 初回観てのレビューです。2024.04.07

 オシャレなウンチク漫画が原作の様です。バーへ行きたくなりますね。期せずしてスナックバス江と同じ様な感想に…。

 バーテンにカクテル作って貰うと美味いんですよね。腕の良いバーテンはまさに酒飲み界の至宝…。

 その代わりお高いので、そうそう行けないです。スナックより非日常かも…。

 バーに行っている気分になれるので、酒好きにはたまりません。さぁ…、家でカクテルでも作りながら観るか…。甲類焼酎の発泡酒割、カクテル名、労働英雄(ルンプロマイスター)!(´Д⊂ヽ

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ビジネス系の漫画がアニメ化するのって珍しい。しかし… なんだかなぁ、ですね

原作は序盤だけ既読。ジャンプ+だかで無料で読めた時に。

こういうビジネス系漫画という、青年誌ジャンルがありますね。
職業を題材に人との関わりを描いていくという。
気づけば何十巻と続いていることも多いながら、アニメ化することは少ない印象です。
なので珍しいなぁ、と思いました。なんでこれがアニメ化したのでしょうね?

それこそ酒系なら神の雫なんて相当ブレークしましたけど、アニメになってないですし。まあドラマか映画かになっているみたいですが。

でもまあ、本作は知らないけどアニメ化するくらい人気だったのでしょうかね。
ちょっと調べたら2006年にもアニメ化していたそうで。そりゃすごいですね。

まあバーテンダーの技術をアニメ化しているのはちょっと面白さもありましたが…。
原作通りですし特に見る必要は無いと思いました。


しかし、珍しいだけに色々感想が思い浮かんじゃったのでくどくどと語ってみます。

見た印象としては…。まあ原作通りなんですが、他人を上から目線で評価している人間って、改めて感じ悪いですね。
いやまあ、こういうビジネス系漫画はこういう評価する人間が出てきて、主人公が高く評価されてこそなんですが…。

何様だよ、って感じがありますね。
私がバーに行って勝手に「これは神のグラスではない」とか言う資格ってあるんですかね? 無いと思います。そんなことを言える人間って何様だよ、ってなりますよね。

だから、こういう作品に出てくる評価者、食通は、人間国宝とか、大きな組織の長だったり、それなりの箔を必要とするわけですよ。海原雄山とか味皇とか。
しかし本作だと小娘が偉そうに評価しているので、ちょっとイラッとしました。

いやもちろん美味しい、美味しくない程度はどんな客にも言う資格はありますが。
飲む前から失望したとか、偉そうだな、とイラッと来ました。

またこの漫画のキャッチフレーズのようなセリフに文句をつけるのも野暮ですけれど、客を裏切って良い仕事というのは、この世に一つも無いと思います。

医師や薬剤師は確かに「お前のせいでウチの子は死んだ」と言われてしまうのでやばいです。
でもバーテンダーは、注文を聞き違えても人は死なないし、『すみません、作り直します』で済むじゃないですか。もちろん激昂して手がつけられなくなるキチガイ客というのは居るでしょうけれど、そんな客に正当性は無いのでは。

後は女を酔い潰したい男と、断りたい女が並んでいた場合、男はアルコールを増やして欲しい、女は減らして欲しい、どちらに加担しても他方を裏切るわけですが、どうするんでしょうね? 
まあそういう話があるかはわかりませんが。ノンアルコールを出しながら話題が弾んで仲良くなる手伝いをして、両方きっちり満足させる、あたりが落とし所でしょうか。
漫画なら可能でしょうけれど、現実では不可能ですね。
そこまでやらなきゃバーテンダーじゃないなら、求める基準が高すぎですね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

76.8 2 ウイスキーで仲間なアニメランキング2位
91Days(ナイティーワンデイズ)(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (829)
3940人が棚に入れました
ある誕生日の晩、少年の幸せな生活は突然終わりを迎えた。マフィアの抗争により、目の前で両親と弟を殺された少年アヴィリオ。7年後――差出人不明の一通 の手紙を読み、静かに嘲笑うアヴィリオ。その手紙をきっかけに、彼はローレスの街へと舞い戻る。そして幼馴染のコルテオと再会し、ヴァネッティファミリー に密造酒を卸そうと持ちかけるのだった。

声優・キャラクター
近藤隆、江口拓也、小野大輔、斉藤壮馬、津田健次郎、西山宏太朗、中村悠一、櫻井孝宏、山路和弘
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

もっと評価されるべきアニメだけど……

映画でよく扱われてきた題材なので目新しいものができるかどうか。
すでに冒頭部分は某映画とよく似ている。
能力者が出るようなファンタジーにはならないから、その点は期待できそう。


第1話を観て、手紙の差出人を推理してみた
{netabare}
始まり方は「レオン」とよく似ている。
アヴィリオがネロから銃の扱い方を教わったりしたら、この映画を参考にしているのは間違いないだろう。

手紙の差出人について考えてみる。
写真は暖炉(だったかな?)の上に飾られていたもの。
だから、写真を持ち去った人物が差出人になるはず。
それを持ち出せたのは、マフィアの三人のうちの誰かになる。

アヴィリオの写真もあっただろう。普通のマフィアなら、「もう一人子供がいるぞ、探せ」という展開になるはず。
だけど、アヴィリオは無事に生きていた。
写真を見つけた人物は子供に対しては優しい一面を持っている。
逃げるアヴィリオを見逃したのと同一人物。
つまり、

手紙の差出人は、ネロになる。

なぜ、アヴィリオに手紙を送ったのか。
それは写真を持ち去ったときと同じ心境、自責の念から。
ネロはアヴィリオに復讐させるために、手紙を送った。
おまえの弟を撃ったのはネロ、という内容が手紙に書かれていた。

だけど、アヴィリオはネロを狙わず、ネロの周りの人物から消していく。
その結果、ネロも復讐することになり、アヴィリオと対決する……。
第1話の時点では、こんな感じの予想かな。


あとは、帳簿の行方か。見つかってないほうが奪い合いになるから面白くなる。ファミリーを壊滅させる脱税の証拠も含まれていたりとか。
{/netabare}

第2話の最後のシーンを検証してみる
{netabare}
アヴィリオの嘘の証言について考えてみる。
ファンゴの手下がヴァンノの銃を奪い、ヴァンノを撃った。
そのあと、アヴィリオが手下を撃った……。そういう説明だったと思う。

ネロをだますなら、ヴァンノの銃は手下に握らせなければいけない。
現場を見てみると、銃はヴァンノのそばに落ちたまま。
さらに、ヴァンノが受けたのは二発。ヴァンノの銃からは三発。
この食い違いを説明するのに、アヴィリオは困ることになる。

アヴィリオは頭のいいキャラに見えるが、そうでもないようだ。
次回、アヴィリオがネロを言いくるめるという展開はまずない。
では、ラストのシーンのあとどうなるか予想してみる。

まず、ファンゴの手下を運び去ったのは誰か?
力があり、車も用意できる人物と推理できる。
ネロと言いたいが、ここはファンゴと予想。

次回、銃を突きつけられ窮地に陥っているところに、ファンゴが銃をぶっ放しながら乱入。
ファンゴはアヴィリオが撃つところを見ていて、「おまえの復讐を手伝ってやる」と言ってアヴィリオに近づく……という展開を予想しておく。
{/netabare}

第3話~第6話 女性キャラがいないのは夜のアニメとしては致命的だと思う
{netabare}
田舎のほうでアヴィリオに恋人ができる展開を期待したけど、まったく色気のないアニメになってきた。
マフィアものだから仕方ないが、男性キャラもいまいち魅力がない。

ネロが撃たれたのは演技だとわかった。ニワトリかって感じで。
四人目の人物がいるようだが、ミスリードだろう。
この人物がアヴィリオに手紙を送り、ほかの三人をおとしめてファミリーを乗っ取るようにも見える。

だが、それはありえない。
手紙を送ったところで、アヴィリオが復讐するかどうかわからないし、ヒットマンを雇ったほうが確実だからだ。

手紙を送った人物は写真を持ち去った人物だと考えられる。数年後に復讐させるために写真を持ち去ったわけではない。理由は自責の念以外にはありえない。
この人物はネロと推理している。ただし、見逃した子供がアヴィリオだとネロは気づいていない。

では、四人目の人物は誰かということになる。
これはフラテと予想。見ていただけの弟まで手紙に名前を載せる必要はなかったと考えて。
{/netabare}

第7話 主人公がずるがしこいのも致命的だと思う
{netabare}
女性キャラは少なく、主役はやたらと強いとなると、どこを楽しめばいいのやら。
アヴィリオに弱点を持たせたり、警察に追われる展開にでもしないと、強い主役がモブを倒すだけのアニメになってしまいそう。

知恵を絞ってマフィアのドンに成り上がるならアヴィリオは最適だけど、復讐者ではずるがしこいのがマイナスになる。完全犯罪のような手段ではなく、復讐する相手に正体がバレてもやり遂げるのがいい。

手紙の差出人もそろそろ出したほうがいいと思う。新キャラだと拍子抜けだから、すでに登場しているキャラと考えられる。だけど、アヴィリオの脅威になる人物はいないので、先延ばしにする意味がない。

手紙を書いたのはネロと推理しているがアヴィリオの住所を知っているのはコルテオしかいない。だから、何者かに脅されて出したのだろうと予想している。
{/netabare}

第7.5話 ダイジェストだったので、ここまでの不満点を書いてみた
{netabare}
・アメリカの雰囲気がそれほど出ていない
アニメキャラがもともと異国風だからってのもあるが、アメリカ人の声優を起用して字幕にしたら面白かったかも。

・キャラクターについて
アメリカの禁酒時代だからといって、一般人だったアヴィリオが躊躇せずに拳銃をぶっ放すのは違和感があった。弾丸を抜き取るのも簡単にはできないはず。マフィアを手玉に取るような知恵を持っているのも疑問。
アニメの主人公はロボにも平気で乗れちゃうからそれくらいのスキルはあるのかもしれないが、空白の七年間を少し描いたほうがいい。

・ストーリーについて
アヴィリオはマフィアのドンになるようなキャラに見える。だから第1話は終盤にまわすほうがよかった。マフィア映画のようにアヴィリオが成り上がっていく話だと視聴者に思わせておいて、じつは第1話のような動機があったと。

最後に手紙の差出人についてまとめてみたい。
手紙の差出人は写真を持ち去ったのと同一人物と考えられる。
機会があったのはヴァネッティの三人と謎の人物(とりあえずXとしておく)、フィオとコルテオ。

写真は戦利品として持ち去ったのではない。自責の念以外は考えられない。
手紙はアヴィリオに復讐させるためではない。手紙を送ったところで復讐をするとは限らないから。つまり、手紙はアヴィリオに対する好意や贖罪になる。

フィオは写真を持ち去り手紙を書く人物としては一番ふさわしいが、Xではない。拳銃を放ったときに悲鳴くらいは上げるはず。
コルテオはマフィアがまだいるのに写真をとりに行くはずがないので除外できる。ただし、何者かに手紙を渡されアヴィリオに送った可能性はある。

Xはだれか。
視聴者に驚いてもらう意図を感じるので意外な人物、既存の人物になる。そうなると、手紙を送ったのはXではなくなる。アヴィリオに対して好意的な人物がいないから。

以上のことから差出人はヴァネッティの三人のうちのだれかになる。
アヴィリオを見逃したネロが一番可能性が高い。見逃したせいで復讐されてしまうという皮肉もある。ただ、この手の話はすでにあるので目新しくはない。
{/netabare}

第8話 現時点では最終回が面白くなるとは思えない
{netabare}
今回の話は、コルテオの嫉妬だと思うけど、そんな感想を書く人はいないなあ。
コルテオはマフィア嫌いだからファンゴに寝返るはずない。アヴィリオを奪ったネロを消そうとして内通した。前回の最後のシーンを出したのも、嫉妬が動機だと視聴者に思ってもらうため、そう解釈した。
さすがにアヴィリオが仕組んだとは思えないけど。(BLならあるかな)

さて、登場しては退場をくりかえしているこのアニメ。いったい、どうなるのやら。
謎は先延ばしにするほど視聴者の期待は増してくる。
差出人はネロと予想しているが、これも賞味期限が切れかかっている。四人目の人物にいたっては候補者が減ってきている。この二つの謎が明かされても視聴者を驚かせることは難しい。

そもそもこの手の作品は、復讐する相手の正体がわからない、接近するのが難しい、といった要素があって面白くなる。このアニメは正反対。アヴィリオに別の目的や思惑でもない限り、最終回が面白くなるとは思えない。

ただ、気になるのはロウソク。
これとアヴィリオの真意が絡みあったりすると、素直に褒めると思う。
{/netabare}

第9話 現れた謎の人物に不満だったけど、よく考えると納得
{netabare}
最後のシーンを見てるとき名前すら浮かばなかった。キャラ紹介にも出ていないガンゾだったとは……。
まだわからないけど、手紙の送り主で四人目の人物なのだろう。

最初は不満だったけど、よく考えると謎の部分がほとんど解決するかもしれない。
このアニメの全体像を考えてみた。

子供が一人逃げたので捜して消せと命じられ、ガンゾに任される。
写真を持ち去ったのは、アヴィリオを捜すため。どの写真かわからないし、長居もできないのでまとめて持って行った。

数年後、アヴィリオを見つける。だけど、アヴィリオは拳銃を撃つ練習をしていた。復讐を考えているとわかり、ガンゾは利用することを考える……。
これなら、アヴィリオが強いことと、いままで無事だったことが説明できる。

手紙だけで復讐するのはおかしいと思っていたが、すでに準備ができていて名前を教えるだけでアヴィリオが実行に移すとガンゾは見抜いていたのだろう。

ガンゾの動機はドンになること。ネロに奪われて焦って行動に出た。今回、コルテオを逃がして利用しているのもガンゾで間違いないだろう。アヴィリオがガンゾと気づいたのは、同じような偽装工作をヴァンノのときにやっていたからだと思う。

弱小マフィアのドンに固執するのは、動機としては薄い気がする。もう一つの動機、ヴィンセントの前のドンとガンゾは関係があって、復讐も含まれているのではなかろうか。
{/netabare}

91Daysというタイトルの意味がわかったかも
{netabare}
91という数値にしたのだから、どこかで出てくるはず。「復讐を始めて今日で91日だった」みたいなナレーションがあるとは思えない。
数えている人物がいないとおかしい。それはアヴィリオが妥当。
では、なぜ、アヴィリオは日数を数える必要があったのか。
それは、

手紙を受け取ってから91日後が、あの夜と同じ日だったから。

”91Days”というタイトルに、アヴィリオの真意が含まれていて、なりふりかまわずなのも、91日間で終わらせようと考えているから。
アヴィリオも自責の念を抱き続けていて、最後はネロに撃たせようとしているのかも。

こう考えると、アヴィリオというキャラがガラッと変わる。女性キャラが少ないのも納得。愛や恋といったものがあると興ざめしてしまう。
このあたりのことは最終回を見てからじっくり書くと思う。
ただし、1クールアニメだから91日みたいなしょうもない終わり方でない場合だが……。
{/netabare}

第10話 なぜ、ニワトリ作戦を使わなかったのか疑問
{netabare}
アヴィリオは知恵者として描いているのだから、今回の状況も切り抜けなければおかしい。例えばこんな感じ。

赤ワインでもいいから衣服を赤く染めて銃声を立てる。ネロたちがコルテオを検分するとき背中を向けてるから隙だらけになる。そのとき残りの銃弾を使えばいい。ネロがいなくなればガンゾは大喜びでアヴィリオを受け入れる。これも隙だらけ。
手紙が証拠になるからすべてはガンゾが仕組んだこととヴィンセントに報告する。そのとき「復讐者は誰なんだ」と問われ「この俺だ」と言って復讐完了。これならコルテオも助かり復讐も遂げられる。

なにもせずに従ってしまうアヴィリオに違和感があった。そもそもコルテオに対してそこまでの感情があったのか。コルテオが捕まったときも口封じのためにアヴィリオは忍び込んだと思っていたくらいだ。ここにきて急にBLのような兄弟感を出されて変な感じがした。

ほかにもおかしいところはある。
ネロはなぜアヴィリオに銃を渡したのか。反旗を翻して銃口を向ける可能性もあったはず。少なくとも込める弾丸は一発で、アヴィリオが撃つまで後ろで銃を構えて待っていなければおかしい。
ネロの温情で、二人を逃がすためだったなら、それなりに納得できる。

まだいくつかおかしいとこはあるが、短めにして最終話を見てからじっくり書こうと思う。

・アヴィリオはなぜ手紙を信じたのか
スリをして生きてきたのだからそれなりに警戒していたはず。名前も住所も適当な手紙に書かれたことをなぜ信じたのか。
スリを続けられるほど手先が器用かもしれないが、拳銃から弾を抜き出すテクニックには繋がらないと思う。

・ネロは見逃す気があったのか
ネロは子供のときのアヴィリオを見逃して助けたが、そのあと子供が逃げたと報告していることになる。矛盾した行動をとっている。

・ガンゾの動機
手紙を送ったときファミリーは弱体化していた。ドンになったところで甘い汁を吸えるとはとても思えない。
{/netabare}

ロウソクは、やっぱり伏線なのだろう
{netabare}
ロウソクの炎はアヴィリオの復讐を意味していて、その復讐の炎を消そうとしていたのがコルテオだった。
コルテオがロウソクの炎を消せなかった第1話のシーンは、アヴィリオに復讐をやめさせられないという伏線だった、そんな気がする。

さらに深読みすると、
ロウソクの炎(復讐)を消すには、芯(心)をつかむ。コルテオはアヴィリオの心をつかむことができなかった……。

第10話でいろいろ愚痴を書いたけど、こういう伏線が張られているなら評価は変わってくると思う。ロウソクの説明はたぶん最後までないんだろうけど。
{/netabare}

オペラの演目を予想してみる
{netabare}
マフィアものではオペラがつきもの。ちなみに、イタリア人の男性の名前は”O”の母音で終わる。アヴィリオ(アンジェロ)、ネロ、コルテオ……。偶然ではなく意図的だと思う。というわけで、イタリア語のオペラになるだろう。

予想は「リゴレット」か「トスカ」。
前者なら、ガラッシアとの激しい銃撃戦のなかで復讐が行われる。
後者なら、桟敷席にいるヴィンセントに近づき、劇の銃声のとき。接近する方法は手紙。ガンゾはファミリーによって消される気がする。

どのオペラになるか、次回はその点も楽しみでもある。
{/netabare}

第11話 すべてはこの瞬間のためだったのか……
{netabare}
HPのあらすじには、「アヴィリオが待ちに待った瞬間」とある。さらに、ネロたちが生きているのに、アヴィリオは「やったぞ」と言っている。これらのことから考えて、

アヴィリオの標的は、手紙に書かれた人物ではなく、ファミリーだったことがわかる。

標的がファミリーならいままで考えたことも変わってくる。こんな感じだ。
復讐の第一段階は、ヴァネッティに入ること。復讐相手にも関わらずネロと親しくしたのは、ファミリーの一員になるため。油断させて撃つためではない。
この段階のアヴィリオがドン・ガラッシアを撃ってもファミリー同士の抗争は生じない。チンピラがやったこととして処理されるだけ。これでは目的を達成できない。
だから、フィオを利用した。ヴァネッティの者がガラッシアにケンカを吹っかける形をとる必要があったから。

まとめると、第一段階でアヴィリオがしたことは、ヴァネッティに入ること、オルコやガラッシアと戦わせること。裏で画策したのは、ヴァネッティの人間ではないから。

ファミリーに認めてもらったあとが、復讐の第二段階になる。
今度は表立って行動することになる。それが今回の、

ヴァネッティのアヴィリオが、ドン・ガラッシアを撃つ、ことだった。

アヴィリオにとってファミリーにいることが必要なので、コルテオを撃つという悲劇につながってしまった。

よく練られたストーリーだと感心した。深読みかもしれないけど。
{/netabare}

最終回を予想してみる
{netabare}
最終回に必要なのは、ラスボス退治、意外な真実、そして感動(泣き)といったところだろう。これらを考慮して最終回を予想してみる。

まず、アヴィリオはガラッシアに拾われて、ネロは身を隠しているだろう。
新しいガラッシアのドンのところにネロから電話がある。「帳簿が欲しければアヴィリオを寄越せ」と。帳簿はガラッシアの弱点でもあった(脱税の証拠か)
アヴィリオはボロボロになったヴァネッティの屋敷に赴く。アヴィリオとネロが銃を持って向かい合っているあの絵は、ガラッシアに襲撃されてボロボロになったから。

これまでのいきさつを話す。「お、おまえがあのときのガキか」とか言うのは白々しいので、ネロはすでにアヴィリオの正体を知っている。二人の銃撃戦がはじまる。だけど、本当の敵はガラッシアだと気づかされる。

帳簿を警察に渡すため車を走らせるが、ガラッシアが待ち受けている。タイヤをパンクさせられ車が横転するような激しいシーンがつづく。
そして、警察署のまえの路地裏までたどり着く。人の気配がないと思い、ネロが飛び出したとき、アヴィリオが手をつかむ。ガラッシアが撃った銃弾がアヴィリオに。警察署から警官が出てきてネロは連行され、アヴィリオが一人残る。(このあたりからエンディング曲が流れる)子供のころの回想シーンがつづき、ロウソクの火が消えるシーンで終わる。

こんな感じかな。最後くらいはいいシーンがあってほしい。
{/netabare}

最終話 もっと評価されるべきアニメだけど……(感想と総評)
{netabare}
ファンタジーなし、かわいい女の子なし、しかもマフィアなので女子より男が好むストーリーでよくがんばったと思う。傑作とまではいかないが、もっと評価されていい作品である。
リアル世界を舞台にしたアニメは少ない。あってもコメディで、女の子がいっぱい出てきてゲーム制作するアニメのほうが評価が高かったりする。リアルでシリアスな作品をもっと作ってほしいものだ。

レビューの最初に目新しいものができるかどうかと書いたが、見たことのない作品と一定の評価はしておく。映画みたいとか、映画化とかいう感想があったが、むしろ、

映画のようなことをアニメならできる。

そう思わせる作品であった。


さて、褒めたたえたので、つぎは不満点を述べてみる。むしろこっちのほうが多い。もっとよくなったと個人的に思うところである。

まず、アヴィリオとネロの撃ち合いがなかった。パケ写にだまされたと言いたくなる。
復讐が復讐を呼ぶといううたい文句もおかしい。まったく呼んでいない。最終話のラストでネロが撃っていれば合っているが。

ラストの場面について気になる人は多いだろうが、あいまいに終わらせるのも古臭い手法。結局は決められなかっただけではないか? それに、このアニメの終わり方としては合わない。
視聴者の大半は”そこまでやる必要はないだろ、アヴィリオ”と思っていたはず。だから、なんらかの償いや代償があると考える。だけどなかった。問題だけ与えて答えを出さずに終わった印象だ。

最終回についての不満はまだある。ガラッシアがアヴィリオを捕まえてからの展開がまったくない。これなら前回の最後で、復讐を終えたアヴィリオをネロが見つけて、最終回につなげるほうがよかった。

最大の不満点は、復讐される側が悪そうに見えないこと。アヴィリオのほうが悪者になってしまっている。
手紙の送り主を謎にせずに、第1話からわかっているようにして、ガンゾが黒幕としてアヴィリオの前に立ちはだかったほうがよかったと思う。

いままで書いた不満点についてもすっきりした答えはほとんどなかった。細かく見ていくとアラがけっこうあると思う。だけど、1クールでこれだけの作品を作ったことに高い評価をつけたい。今後もこの手の作品が増えることを期待して。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

シンプルな復讐劇を名作に

[文量→大盛り・内容→考察系]

〈2016夏 個人内ランキング 2位〉

【総括】
近年、稀に見る硬派な作品。萌え要素は0。なのに抜群に面白い。グロい描写はあるものの、テーマが復讐劇だけに許せる。評価5にしようか悩むほど面白かった。アニオリで、1期で、ここまでキチッとまとめている作品はそう多くない。ネタバレは絶対になしで見てほしい。

とりあえず、雰囲気に合わせ、「フォア・ローゼス」をラッパ飲みしながら観てましたw アメリカの酒だし、禁酒法時代前からある古い銘柄で、禁酒法時代にも合法的に製造を続けていたレアな酒ということでw


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
復讐劇を描ききるのは難しい。復讐なんて基本的に悪で、「復讐の先には何もない。だから復讐なんてやっちゃダメだよ」「人を呪わば穴二つ(全滅END)」以外に、ほとんどゴール地点がないから。しかし、伏線をしっかり回収し、キャラの心情を丁寧に描くことで、テンプレ以上の、王道とも言える復讐劇になったと思う。

クレバーな奴が上か、イカれている奴が上か。周りのマフィアはそんな戦いをしている。しかし、アヴィリオは、クレバー且つイカれていた。

この作品で一番気になったのは、そんな、復讐に全てを費やしているはずのクールなアヴィリオが、自らの家族を殺された話題になると熱くなり、結構勝負をかけている点だ。例えば、ネロの初仕事の話になった時、「今ならそのガキを撃てるだろ?」と言うように(似たシーンは何度かあった)。

それらの発言はもちろん、相手にバレない絶妙なラインではあるが、無駄口と言えば無駄口だ。リスクしかない。なのになぜ、アヴィリオは、自分が事件の関係者であることを、少しであっても匂わすのだろうか? ただ黙っていれば良いだけなのに。

普通に考えれば、「理屈では押さえきれないアヴィリオの激情」を表しているのだろう。でも、もしかしたらこれはアヴィリオなりの、無意識での「けじめ」や「贖罪」なのかもしれない。つまり、「復讐とはいえ、人殺しをする以上、自分もリスクを犯す(相手に気づくチャンスを与える)ことでの、贖罪」。

それが復讐であっても、人の命を奪うことは悪だ。許されることではない。アヴィリオの深層心理にも、もしかしたらそんな思いが欠片ほどでもあったのかもしれない。と、それはただの考えすぎだろうか?

また、この作品は構成も素晴らしい。例えば、シリアスな作風が続く中でのいきなりのギャグとも言える4話(ゴリアテと戦う話)。最初は「浮いてる」とおもったけれど、それが最終話での無声部分(アヴィリオとネロの奇妙な二人旅)に繋がってくることで、深みを増す構成。

もちろん、小さな部分での裏切りの連続が一番の見所でもある。こういう作品の場合、視聴者は当然、後の展開を予測するわけだけど、何度か予想を裏切られた。例えば、最後のヴァネッティー・ファミリー壊滅の流れ(ガラッシア殺害)のところとか、意外だった。殺す以上の復讐って感じで良かった。

ラストに、復讐後の様子をあそこまで丁寧に描くのも珍しい。空虚になったアヴィリオや、悔恨にうちひしがれるネロ。怒りとも憎しみとも悲しみとも親近感とも、なんともいえない雰囲気が漂う二人。焚き火を挟んでの感情の発露はまさに名シーン。それまで、まるで感情を殺していたようなネロが、ファミリーの死を無意味なものにされた(アヴィリオが復讐に達成感を覚えていないと言った)瞬間に、ぶちギレた。しかし、「だったらあの時殺してくれたら良かったのに」と、ぶちギレ返すアヴィリオ。図星をつかれ(この悲劇の始まりが、自分の弱さ、甘さにあったと気づき)言葉を失うネロ。それは、「復讐を果たすまで弱音を吐くまい」と押さえていた、アヴィリオ7年分の苦しみが爆発した場面であり、実に見応えがあった。

ここで漂う、「因果応報」という事実。殺すから殺されるし、殺されたから殺した。殺さなかったから殺されてしまった。死が連鎖している様子がハッキリと表現されていた。ただまあ、元を正せばアヴィリオの父親もマフィアだったわけで、人を殺してきたわけで、いったいどこから死の連鎖が始まったかは不透明だ(単純な強盗殺人とはここが違う。つまり、アヴィリオにも確かな正統性はない)。

物語のラストは、余韻を残す展開。ネロは、果たして本当にアヴィリオを殺したのだろうか? ネロはその後どうなったのだろうか? 謎を残して終わる。結末に関しては、視聴者が好きに想像すれば良いと思う。私は個人的に、アヴィリオは死んでおらず(ネロがわざと射撃を外し)、ネロは殺されたような気がする。波打ち際に死体がないとか、薄い根拠はあるけど、まあ、基本的にただの想像です。

最後のショートエピソードは、過去の話ではあったけれど、「どこかで何かが違っていれば、こんな関係性が続いていたかもしれない」という、あったかもしれない未来の可能性の話にも感じられた。本編ラストも含め、余韻の残る、悪くない構成だったと思う。

ほとんど誉めるべき点ばかりの本作、強いて難点を挙げるとすれば作画か。時々表情の描写が崩れ、シリアスが薄れる残念さがあったし、うつる度に顔の変わる人物もいた。戦闘シーンの迫力も足りなかった印象。あと、(長所でもあるけど)あまりに地味すぎて、一般の視聴者には取っ付きにくい作品ではあったかな?

でもまあ、そんな難点を飛び越えるくらい、良いアニメです。リアルタイム視聴してい(先の展開を議論でき)なかったことを、後悔する良作でした♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
ダークでシリアスな作風。とりあえず、惹き付けるものはあるかな。戸棚の中に隠れ、は定番だけど、「見つからない」ではなく、「攻撃に出る」というのは良かったと思う。

2話目
因果応報って感じ。ラストは意外だった。

3話目
その、仲間に向ける気持ちを、なぜ、殺す相手には向けられないのか、って感じかな。

4話目
復讐したあとに、殺した相手のことを知るのだな。なぜ急にコメディ調にw

5話目
少しずつ目的達成に近づいていってますね。

6話目
ネロも用済みならスパッと捨てる。と、思わせてからの、謀略。信じたら負け、って感じですね。

7話目
オニオンスープのくだり、上手いな。家族愛も冷めてきてしまったということだね。

8話目
刑事の家族を殺さなかったのは、わざとかな。瓶でクビを刺すところはグロかったな~。

9話目
シリアスの中に平和な話をひとつ挟むのは、更なる悲劇への助走。

10話目
オルテヲがラスボスだと思ってた(笑)。

11話目
珍しい形だね。復讐劇の後日談を2話かけて丁寧に。

12話目
焚き火を挟んでの互いの魂の叫び。ここで4話の不自然なコメディ展開が生きてくるわけか。上手い構成だ。最後、ネロはアヴィリオを本当に殺したのかな?

13話目
最後はなんだろう? ifの物語? 過去ではあるが、こういう幸せな未来もあり得たということかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

洋画チックで面白い

1話視聴。
{netabare}
舞台はアメリカ、1920年から1933年までの禁酒法が制定されていた時代。
主人公はアヴィリオ。幼い頃にマフィアとつながりがあった両親、そして妹をマフィアの抗争により亡くす。

1話の印象的なシーンはまず冒頭、とても無愛想なアヴィリオが手紙を大家から受け取るシーン。
後から考えると、家族の復讐のために生きているので、日常の事が見えていない。そんな描写なのかもしれない。アヴィリオの部屋には、何も無い。目的の事以外に興味を持たない性格ということの現われに見えます。

次に幼少期のアヴィリオと友人のコルテオのシーン。このときのろうそくについた火の温度が低いことを確かめようとしている。
ここのアヴィリオとコルテオの会話シーンは面白い。コルテオは恐れも無く蝋の火を指で消したアヴィリオに対して「ろうそくの火を消したことがあったの?」と聞いた。これは、自分が恐怖で消せなかったのに対しアヴィリオが消せたのは経験があったからだという、ある種劣等感を打ち消そうとした発言。その言葉に対しアヴィリオは「いちどもないよ」と何気なく言う。この部分にアヴィリオとコルテオの性格の違いが良く現れていると思う。アヴィリオは好奇心が強く純粋(だった)、そして勇気がある。コルテオは日々生活が苦しいのもあり、臆病で日陰者。そんな根本的な部分が二人の性格の根本にあるではないでしょうか。

では家族を殺害され、再びコルテオの前に現れたアヴィリオはどうか?性格から純粋という言葉が抜けて、友人を利用して復讐を進めるという、ある種の闇をもっている。ネロを自ら語って奇襲をかけた際は冷静なのもあるが、勇気が無ければできないことだろう。根本的に行動力がある事が変わっていない。それは勇気から向こう見ずに変わっているようにも見えます

世界観としては、リアルの過去の異国、ということになるので、その異国らしさを十分に楽しませてほしいです。

{/netabare}

その後の感想をざっくりと↓
{netabare}
【物語】
アヴィリオの行動に目が離せない。いつ、殺るんだ…こんなに仲良くしながら、いつも殺る機会を伺っている。さとられないよう目線だけうごかしたり、意味深な発言をして、内に眠る殺意を視聴者にみせたり。
そしてアヴィリオはネロに殺意以外の感情を抱くようになる。復讐劇は様々な人間を巻き込み、意外な形で幕をとじました。最後のアヴィリオの生死の判断を視聴者に託すのは印象的な幕引きでした。まあ、ネロが最後ニッと笑ったのですから、多分生きているでしょう。(殺したあとに笑うのは異常だと思うので…)
アヴィリオの「俺がお前を殺したくなかったからだ」は印象的でしたね。アヴィリオがネロの全てを奪って、幼き頃のアヴィリオと同じ気持ちを味会わせてやろう、物語が進んでいく内にアヴィリオの目的がそのように見えていたのですが。いつからかアヴィリオのなかには復讐心とネロに対する友情が同居していて、最後には復讐心がなくなっていました。。あの「殺したくなかったからだ」を言うときのアヴィリオの清々しい顔は、自分が今死んでも、その選択に間違いがなかったという表情でした。

【作画】
中盤から人物の顔が面白い感じに歪みます。
【声優】
アヴィリオの「じゃあなんでなぜあのとき俺を殺さなかった!」というセリフが好きですね。家族を失って復讐心を抱かせたのはお前だろという怒りや、多くの人を殺した自分の罪への悲しみのようなものが伝わります。
【音楽】
エンディングはしっとりとした曲で良かったです。
【キャラ】
コルテオがアヴィリオの最後の心の支えでした。コルテオを殺したあとあれほどアヴィリオが病むとは。コルテオが大事だからこそ距離を起きたかったがコルテオは大事だからこそアヴィリオと共にいたかったというすれ違い。
一方で兄弟を自分の手にかけさせたネロを殺したくないというアヴィリオが、どれだけネロを大事に思っているかわかります。
【総評】
禁酒法時代の酒の密造密売をおこなうマフィアの抗争を舞台として描きつつ、復讐のために暗躍するアヴィリオが、コルテオ、ネロといった義兄弟との関係で少しずつ内面の変化をしていくのをよく表現していました。復讐劇として全てを終わらせるのではなく、友情を残した幕引きは悪くない後味であり、オススメです。

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34

58.8 3 ウイスキーで仲間なアニメランキング3位
コヨーテ ラグタイムショー(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (64)
307人が棚に入れました
人類が外宇宙にまで進出し、己の運と腕だけで一攫千金を夢見るコヨーテと呼ばれる無法者達がしのぎを削る、宇宙開拓の時代。銀河統合政府と植民地解放軍の間で戦争が続く惑星グレイスランドには、伝説の海賊王ブルースが遺した100億宇宙ドルが眠っていると噂されていた。コヨーテならばその名を知らぬ者はいないと言われている、通称ミスターとその仲間達は、ブルースの娘である少女フランカと共にブルースの遺産の回収に挑んだ。犯罪集団クリミナルギルドのマルチアーノ率いる殺し屋集団も、ブルースの遺産を狙って動き出す。しかし、統合政府は戦争を終結させる為、グレイスランドに光子爆弾を投下すると宣言。

声優・キャラクター
大塚明夫、広橋涼、堀内賢雄、関智一、湯屋敦子、下屋則子、沢海陽子

rurube さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

アニメ史上屈指のシーンがある。

アニメ作品において数字が付く組織・異名は多い。
1 ゴルゴ13    一人の軍隊
2 パトレイバー   特車2科
3 機動戦士ガンダム 黒い三連星
4 セーラームーン  外部太陽系四戦士
5 北斗の拳     南斗五車星
6 マシンロボ    デビルサターン6
7 銀河英雄伝説   獅子の泉の七元師
8 エイトマン    エイトマン
9 甲殻機動隊    公安9課
10ジャイアントロボ 十傑衆
11ガオガイガーFINAL  ソール11遊星主
12コヨーテラグタイムショー マルチアーノ12姉妹

マルチアーノ12姉妹の登場シーンはアニメ史屈指の名シーンだと個人的には思っている。しかも一話目なのもポイントが高い。
全体としてむかつくキャラ達のどうでも良い会話から刑務所の上空から12姉妹が円になって降下してくるシーン。音楽もカメラワークも12姉妹の動きも全て神がかっている。円になって降下してきていたはずの12姉妹が次のシーンでは横一列になって胸に手を置いて祈っている。普通に考えたらありえないはずなんだけどこれぞアニメ。圧倒されるから小さい事はどうでも良いと思わせる程のスタイルッシュさ。
どこか良いシーンがあるとそこまで悪く言わないのが個人的なスタンスなのと実際にこのシーンはまず観て損は無い。
実際に全体的に面白い作品より何処かで燃え尽きている作品の方が評価高いべきだと個人的には思っている。ただ面白い作品て記憶に残らないから。
観た事ない人はこのシーン20秒ぐらいだから是非観て欲しい。
1話目の後半2分目位から。ついでにニコニコ動画には登場シーンだけの動画がある。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

ネロラッシュ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ufotable版カウボーイビバップ

このアニメは簡単に言えばufotable版カウボーイビバップでしょう。

ufotable代表近藤光氏がプロデュース、構成、脚本、作詞ともう自分の好きな事をこれでもか!と盛り込んでいるのが伝わってくるというか。

コヨーテと呼ばれるならず者集団のベースは特攻野郎Aチーム。
主役のミスターはハンニバルのまんま。
ビショップとカタナはなんとなく白バイ野郎ジョン&パンチの雰囲気もある。
ブルースの最初の子分のスワンプはブルース・ブラザースで牧師役だったジェームズ・ブラウンだろう。

キャラデザは平井久司氏風でCV広橋涼ちゃんのフランカはめちゃくちゃかわいい。

1話のインパクトは特にすごくて、俺たちは天使じゃないも醸し出しつつ、ナウシカのオームかよ!?
マルチアーノ12姉妹なる殺し屋集団の登場場面は、フタコイオルタナティブのOPだよな(笑)
女性捜査官アンジェリカの補佐役のチェルシィのちょっと間が抜けた感じはR.O.D 大英図書館のウェンディだよ(笑)

銀河統合政府と植民地解放軍の間で戦争が続く惑星に隠された遺産を巡っての三つ巴の追跡劇は、途中ちょい緩い回もあったけどそれほど気にならなかったし、ミスターとアンジェリカの追いつ、追われつだけではなく、カリ城のクラリス状態。やつはとんでもない物を盗んでいった。貴方の…
自分好みの内容だったので文句無しです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

2010sw さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

大塚明夫ショー

自分の車のナビは、こんな風にナビる。
”おい! グズグズしてると敵に発見されるぞ!!”
大塚明夫の声だ。
高まるキンチョー感とアドレナリン。
一体誰と戦っているんだ??
どこなんだここは!?

ほどなく認識する。
大塚明夫ワールドじゃないか!!。
同じ感覚である。

この作品は、コヨーテラグタイムショーと銘打っているが、
正しい読み方は オオツカアキオショー だろう。
まさに一部の隙も、そう敵に発見されることも無く
嵌りに嵌ったアキオdeショー。

ファンの人は当然ご存じと思うが
大塚明夫に興味を持った人は、一見おススメ。
そうだよな、ブルース。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0
ページの先頭へ