イングランドで復讐なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのイングランドで復讐な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月09日の時点で一番のイングランドで復讐なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.0 1 イングランドで復讐なアニメランキング1位
ヴィンランド・サガ(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (428)
1667人が棚に入れました
千年期の終わり頃、あらゆる地に現れ暴虐の限りを尽くした最強の民族、ヴァイキング。最強と謳われた戦士の息子トルフィンは、幼くして戦場を生き場所とし、幻の大陸"ヴィンランド"を目指す――激動の時代で巻き起こる、本当の戦士の物語(サガ)。

声優・キャラクター
石上静香、上村祐翔、松田健一郎、内田直哉、小野賢章、大塚明夫、安元洋貴
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

人生の地図を描くこと

原作幸村誠、WIT STUDIO制作。

風は雄弁に語り、鳥と戯れ、
ロングシップは新天地を求め航海を続ける、
彼の地の名はヴィンランド。

10世紀を前後して、
西欧諸国を恐怖に陥れたヴァイキングですが、
スカンジナビア半島の単なる略奪者ではなく、
新天地や交易を求める商人であったと、
最新の文献では伝えているみたいだ。
永久凍土の大地では農耕に適さない、
家畜の生産性もきっと上がらない、
生きるための必然的選択であったのでしょう。

Aimer、miletの楽曲が静かに心に響く。
壮大な歴史活劇に思いを寄せますね。

17話視聴追記。
{netabare}善悪を超えた場所に戦士としての矜持がある。
まずもって描くべきはその執念であろう。{/netabare}
まとめて観ると物語の見通しが良くなり、
感じることも増えて来ました。

最終話視聴追記。
怒涛の後半戦、お見事。
歴史大河は単話ごとでは評価できない。
{netabare}主人公の復讐劇としては説得力がないが、
アシェラッドの復讐劇、クヌートの変貌が、
序盤の目玉とすれば評価は上がりますね。{/netabare}

命を賭すまで人を動かすものとは、
そして私にはそれがあるのだろうか。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 70
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

2019年秋期マイベスト

原作未読 ※大作。まだ完結してないらしい


NHKでやる以上きっちり進行してくれそう。万策尽きるのを許されなさそう、と勝手に期待してます。
漫画原作。西暦1000年近辺のデーン人(北方ゲルマン人)をメインキャストとしてイングランド侵攻などを描いた歴史ファンタジー全24話。
北欧だからといって神話を絡めた異能バトルが展開されるということもなく、実在の人物や地名を登場させながら史実に寄せつつも創作に舵を切った物語です。

録り溜めていたのを観るにあたって最終話のサブタイが目に入ってきました。

{netabare}『END OF THE PROLOGUE』{/netabare}

心構えができたのでむしろ有り難かったです。

剣はあるが魔法は無い。神々が降臨することも妖精の力を借りることも萌え萌えきゅんもありません。


  歴史フィクション


『アンゴルモア 元寇合戦記』が近いかな。また『キングダム』『蒼天航路』『横山三国志』。男の子が好きそうな系譜です。あまり見かけない路線なのでせっかくなので堪能したい。
“サーガ”って中世アイスランドで成立した古ノルド語による散文作品群の総称らしいですね。こうした発見も面白い。

土地名、人物、年代やイベント。まっさらで臨むのも楽しい。
歴史にまつわる各人の知識との照らし合わせ作業も楽しい。この時代についてはせいぜい

【ふわっとイメージ】
・イングランド地方にヴァイキングが立てた王朝あったよな
・フランク王国ってまだあったっけ?
・ノルマンコンクエストってこの時期だったような

十字軍がイスラム世界からいろいろ持ってくるまで。大航海時代で富をヨーロッパに持ってくるまで。ヨーロッパ地域は地球儀見回しても後進地域。蛮族らが荒ぶってるイメージでした。アニメ作中で答え合わせしてもおおむねイメージ通りです。

【Wiki調べ】
・1016年デンマーク王クヌートによるデーン朝成立
・1066年ノルマンコンクエスト ※混み入るので各自調べて!
・フランク王国は9世紀には滅亡してたみたい


ん?クヌート?それは置いときます。
日本では紫式部が『源氏物語』、清少納言が『枕草子』を描きあげてる頃です。
世界史は縦と横で読み解くと面白いですが脱線が止まらなくなるためアニメに戻ります。



ほぼ馴染みのない時代とエリア。ふわっとした知識背景はあるもののほとんど知りません。

 まっさらで臨むのも楽しい

結果、めっちゃ楽しんでました。歴史ものが好きなら迷わず行けよ!
アニメ的にどうこうは他の方に譲りますが、一言で片付けると


 {netabare}濃ゆい{/netabare}


以上です。

後期OP「Dark Crow」イントロのバグパイプはとってつけた感ありだがMAN WITH A MISSIONはやはりかっこいい。
前期ED「Torches」Aimerさん好き。



2クール長丁場と思いきや、あくまでプロローグ。これで続編なければ詐欺ですよ。
最後に魅力と感じた点について触れておきます。


■死に方

濃い物語ではあるが深いのか浅いのか測りかねてることがひとつあります。

※ネタバレ閉じます

{netabare}トールズ(CV松田健一郎)とアシェラッド(CV内田直哉)の二人の男の死に様がよい。
「本当の戦士に剣などいらぬ」何故? 答えは私にもわかりませんが高潔な志は伝わってきます。
「母の地ウェールズ」執着なり生きる意味を故郷ウェールズに見出してます。
二人とも譲れないものがあって守りたいものがあります。

無駄死にはしません。譲れないものを守るための最善の策を導き出し即座に死ぬ覚悟を決めます。
トールズはアシェラッドに。
アシェラッドはクヌートに。
後続に託すに足る人物を見定め信頼します。トールズにとってアシェラッドは敵ですよ。数回のつばぜり合いと短い会話で相手の本質と意図を見極めてるから託せるのです。そして、アシェラッドが顔を見れば器が分かるとしたのは伏線です。クヌートの人相の変化をもって臣下として殉ずる覚悟をだいぶ前から持ってたのでしょう。

 常在戦場

ですね。二人とも守りたいものを守ることができました。{/netabare}


さてそうなると、釈然としないことがひとつ生じます。


■トルフィン(CV上村祐翔)

{netabare}“本当の戦士は剣を持たない”
この父トールズの教えを省みるシーンがただひとつもない。24話終わって未だ復讐の虜囚である。{/netabare}

{netabare}まだプロローグということで不問にしてますが、いつか向き合う日がやってくるんでしょうか?
最初の村でトールズは素手で短剣を握り血まみれになりながらトルフィンを諭そうとしましたが受け止めきれてなさそうでした。その短剣は父の形見として所持しつつも、父の教えが回想としても流れる場面はありませんでした。
命のやり取りをしたアシェラッドはトールズの意図を深い部分で理解してても不思議ではありませんし、トルフィンをあしらいながら、「お前、親父の気持ちわかってやれよ」の気持ちで接していそうな節もありましたが、明示するシーンはありませんでした。

『復讐からはなにも生まない。剣で生命を奪うのは戦士の務めに非ず。生かすんだ!』

みたいなありきたりでしょぼい結論にならないでほしいと思います。{/netabare}


1.{netabare}そもそも荷に隠れて航海についてきてしっかり足手纏いになった自覚ないだろう{/netabare}

2.{netabare}父をヘタレ戦士でないと確かめたくて戦場についてきたわけで前日夜の父の説教ガン無視じゃん{/netabare}

3.{netabare}青年期に至る長い期間で少しは考えなかったのかなぁ。彼を助けた母娘の悲劇とかに何も感じなかったのだろうか{/netabare}


今のところ致命的にオツムが不自由な男の子にしか思えないわけですが、それも自分が平和ボケして現代の感覚で彼を見てるか答えは出てません。
そしてしっかりサーガしてます。2期があるならきっと観ることでしょう。


占領した地での略奪・虐殺。そしてレ○プは常であったであろう時代の話。
直接描写は控えめなものの、エロとグロの後者の雰囲気は充分伝わってきました。前者はさすがにNHKじゃ無理だったのかもで皆無です。

下手に現代の価値観に寄せなくて成功した例ではないでしょうか。
おそらく原作がそうなんだと思います。
マイナーエリアのマイナー年代を題材にした良作です。



※オマケ

これくらいのキリスト教イジリは海外でもウケそうだが実際どうなんだ?



視聴時期:2019年7月~2019年12月   

------


2020.02.08 初稿
2020.02.27 タイトル修正
2020.07.19 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 58
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

生きる意味

アニメーション制作:WIT STUDIO、
監督:籔田修平、シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
脚本:猪原健太、キャラクターデザイン:阿比留隆彦、
音楽:やまだ豊、原作:幸村誠

高校生のときに夢中になって
想像力を膨らませたのが世界史だった。
200万年前に誕生したヒトの元祖ともいえる猿人。
やがて、直接の祖先であるホモサピエンスが誕生し、
文明が生まれると、長い戦いの歴史が始まる。

私がいちばん魅かれたのは、
ゲルマン民族の大移動だった。
世界史における一大起点ともいえる出来事は、
ヨーロッパ中を席巻し、海岸に辿り着いた一派は
ヴァイキングとなって海を渡り、
アイスランドやグリーンランドに居を構え、
やがてはアメリカ大陸にも足を踏み入れた。
それはコロンブスがアメリカ大陸を発見した時代より
500年も前のことだった。
私は壮大なロマンに思いを馳せ、
このリアルな物語に夢中になった。

『グリーンランド人のサガ』と
『赤毛のエイリークのサガ』の2編の物語。
その総称である『ヴィンランド・サガ』については、
あらましだけは知っていた。
それを『プラネテス』の作者・幸村誠が漫画化し、
連載していることは、頭の片隅にはあったが、
色々な事情からまだ手に取ったことがなく、
アニメ化されるのは嬉しかった。

10世紀に実在したとされる
ソルフィン・ソルザリンが主人公トルフィンのモデル。
{netabare}レイフ・エリクソン、のっぽのトルケル、
スヴェン王、クヌート王などの
実在の人物たちが登場する。
そこにアーサー王の子孫という
架空の人物であるアシェラッドなどを加え、
壮大な歴史ロマンを紡いでいく。{/netabare}

物語の核となるのは、トルフィンの父・
トールズが説いた「本当の戦士」という言葉だろう。
「戦士に剣はいらない」というのが、トールズの境地。
それなら、一体戦士とは、どういう者なのか。
トルフィンは、本当の強さや戦士について、
長い旅のなかで考え続けることになる。

掠奪を繰り返すヴァイキングと行動をともにすることで、
多くの人々を殺めるトルフィン。
{netabare}デンマーク・スヴェン王の息子である
クヌートと出会い、国を統べることを通して
大切なことを学んでいくのだろうか。{/netabare}
24話を費やしたが、物語が今後どのように綴られるのかが、
まだ朧げにしか見えてこない。

トールズやアシェラッドは何のために生きたのか。
自らの想いや願いを別の誰かに託すことこそが
人の生きる意味なのだろうか。
(2020年4月12日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 51

62.1 2 イングランドで復讐なアニメランキング2位
薔薇王の葬列(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (74)
219人が棚に入れました
中世イングランド。ヨーク家とランカスター家が王位争奪を繰り返す薔薇戦争時代。ヨーク家の三男として生まれたリチャードは、母からは「悪魔の子」と疎まれる一方、同じ名を持つ父からは真っ直ぐな愛情を受けて育っていた。 リチャードの願いは、この世の光である父・ヨーク公爵が王位に就くこと。だがリチャードの純粋な願いは、イングランドに戦乱の嵐を招くことになる。 さらにリチャードは、男女二つの性を持って生まれたという秘密があった。 誰にも明かせぬ秘密を胸に秘めたまま、リチャードもまた戦いの渦中に巻き込まれていく。そこで待つのは愛の温もり、絶望の痛み。痛ましくも美しい邂逅と別離が、「悪」への道へとリチャードを誘っていく――。
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ベルサイユの薔薇族

往年の名作よろしく男装の麗人つまり女性のお話のような、某ニッチ雑誌つまり男性のお話のような愛憎劇全24話。いろんな意味で薔薇祭りでしたが本筋は15世紀のイングランド界隈の歴史イベント“薔薇戦争”にまつわるあれやこれやです。日本では“応仁の乱”とかやってた頃合い。
史実を基に(A)、シェイクスピアが戯曲にしたものを(B)、原案にして日本で漫画化したもの(C)です。
原案=シェイクスピアってけっこうなパワーワードですよ。そして歴史ものってアニメ単品での面白さ判定とは別に元ネタ知っているとより楽しめたりします。私なんか中途半端で

(A)色違いの薔薇を模した家紋を持つランカスター家ヨーク家の家督争いだったことは覚えてる
(B)イギリスの劇作家で四大悲劇など悲劇のイメージ強し。触れたのは映画のロミジュリだけ
(C)未読

キリスト教社会の宿命なんですが名前のヴァリエーションに乏しく、リチャード・ヘンリー・エドワード同名が複数出てきて混乱します。リチャードと聞くと“獅子心王”を思い出したりしますがそれは1世、こっちは3世。ついでに主人公もリチャードなら父親もリチャード。同族だから同じ名前なのかというとそういうわけでもなく主人公兄(ヨーク家)とヘンリー6世息子(ランカスター家)は互いにエドワードだったりします。「名前を覚えられない」と苦情がきそう。
ただし“名前”は重要でした。

 「リチャード、私の名を残せ!王の名だ」

主人公父の遺言に沿って進む物語でした。
冒頭「薔薇薔薇してる」と茶化しましたが、耽美的なノリで終始進行してたのは事実ですが、両性具有主人公の愛の葛藤だけと見るのは尚早な気がします。男性の名前である“リチャード”を残せとの言葉は特殊な性である主人公にとっては十字架でしかないし、偉大な獅子心王“リチャード”を想定してるのは明白で家柄・血筋を残せってのも十字架。父の呪縛が物語に深みを与えています。
我々日本人がリチャードと聞いてもピンとこないでしょうが、ゴジラ松井選手や村神様が背負った背番号“55”みたいな意味合いです。王の誇りと重荷を背負ってるとみないと容易に道に迷うでしょう。


取り急ぎ迷子になりそうな作風なのと、2クール分と長丁場なのもあって、「薔薇戦争ってなんだったっけ?」とwiki洗うくらいのことしても良いと思います。

そして本題の中身です。だいぶマニアックな感じがしますね。
人の多さは人物相関を片手にしながらなんとかクリア。漠然と観てると取り残されそうです。戦争と言いながら合戦シーンはこじんまり。それに代表されるようにアニメーションは止め画を多用してるのが気にかかる。人が多くて迷子になりがちな仕様と動画のちんまり感はあまりウケる類のものではないでしょう。感情移入するには終始暗いトーンなのも気にかかります。

そんなでも私は本作を推したいですね。
人物相関図をなんとか頭の中で描ければ、ちんまり動画もある意味“観劇”の再現といえる動画表現だと腑に落ちる。モブの目線が消えてるのをよく見かけましたが、手抜きというよりスポットライト浴びてる演者の芝居に注目してねということなんだと思います。演劇の照明さんがやるようなことはアニメで表現できませんがなんとかかんとか再現してみたらこんなん出ました!ってところでしょう。そしてスポットライト浴びた演者さんの台詞回しは聞きなれたアニメ的やり取りとは違う。往々にして大仰なんです。作風からしてベテラン・新人問わず数多くの声優さんが参加されており普段とは違った演技を楽しんでたんじゃないかと想像してます。

繰り返しますが物語は終始暗いです。シェイクスピアって悲劇が得意なんでしょ?で割り切りましょう。漫画家さんの元ネタへのリスペクトを感じました。
主人公リチャード3世にとっての父ヨーク公リチャードを常に念頭に置いて楽しめた私ですが皆さんいかがでしたか?



※ネタバレ所感

■『リチャード3世』『ヘンリー6世』そして『ルパン3世』

原案としていた2点『リチャード3世』も『ヘンリー6世』もシェイクスピアの劇なんですって。それをガッチャンコしてマゼマゼしたのが本作。
{netabare}そのメインどころ主人公リチャード3世(ヨーク家)と敵方ヘンリー6世(ランカスター家)の関係性がなんとも切なかったです。
ヘンリーは最初リチャードに“天使”を重ねそう見立てていたのに、政局絡みの入れ知恵によって終にはリチャードに“悪魔”と呪いの言葉を残して非業の死を遂げるわけでして。
彫刻や絵画見てわかるようにマッチョりした男性や柔らかそうな女性、つまり“おとこおとこ”して“おんなおんな”したのを良しとする文化が根っこにあるとこでよりによって両性具有とはありえない、すなわち“悪魔”としか考えられないって彼の地の人々が考えるのはごく自然で腑に落ちるのですよ。そんなキリスト教世界での“悪魔”の意味合いは宗教的観点から重く、当事者リチャードも身体的特徴から実母から疎まれーの、本人も諦観してーの、って中での“天使だ”と好意を寄せてくれたヘンリー6世との出会いと結末がなんともほろ苦かったのですね。{/netabare}

{netabare}そして一見関係なさそうな『ルパン3世』。ま、実際にこじつけだけど以下

『この手の中に 抱かれたものは
 すべて消えゆく 運命なのさ』

ルパンの主題歌のひとつでこれほど作品の世界観を一言で言い表した詞は無いと思うのですが、本作のリチャードがまんまそれ。

ヘンリー6世(CV緑川光)は前述の通りだし
ウォリック伯の娘アン(CV鈴代紗弓)の不用意な一言で心閉ざしちゃうし
好き好き光線全開だったヘンリー息子エドワード(CV天﨑滉平)もまんざらでもなかったのよ

ご破談しまくった末「ともに地獄に…」のバッキンガム(CV杉田智和)とまるで救いがありません。{/netabare}


■ハイスコアカップリング

いやほんとどうでもいいんだけど…
先の項目で挙げたCVさんにピンとくる方いそうなんだけど…
{netabare}天﨑さんと鈴代さんってハルオと大野ですよね?
夫婦役だったし 鈴代さん声出してるし そういえば杉田さんも担任役で爪痕残してました。
某ハイスコア作品ご存じない方すみません。悪ノリついでにこれで小春いりゃ完璧だなと思ったら…

{netabare}いましたね。リチャード兄で女好きエドワード4世の子供役で広瀬さんの名が!あざっす{/netabare}{/netabare}


■これまたタイムリーなことに

{netabare}好色な長兄エドワード4世が悪い女に掴まって…

そりゃ遺恨残すだろうよって女性を妃に迎えたら王室荒れるじゃん、と雑魚キャラスタートした彼はなぜかしら中盤あたりで賢王っぽい描写が増えていく。別に成長したわけでも、なにかを起点にガラッと変わったわけでもないがそれとなくできちゃう。いかにもな感じです。家柄も大事だけどほとばしる愛も大事よねって文化。

そんでもって現代に目を移してイギリスの王室ですよ。不敬かもしらんが新国王は不倫の末に奥さん入れ替えちゃった方。前妻の息子さんの一人もある意味愛に生きちゃったかもわからん方。人間って変わらんな~と思うのです。そんで序列だなんだとマウント取り合いしてみたり。
新国王は不人気だからスコットランドが足抜けするみたいなネタも冗談と言い切れないし、権力闘争で王朝がころころ変わった歴史も納得の情勢です。{/netabare}


なんとなしに史実もののエッセンスを消化している作品に思えて満足しました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

男と女の心が愛と憎しみに揺れ動く愛憎劇の傑作

【紹介】
イングランドで起きた史実であるばら戦争をモチーフにしたシェイクスピアの歴史劇を原案とした話
人物の関係や歴史背景などがとても複雑ですごくわかりづらいですが、背景が複雑なだけで意外と単純な話で、わかれば面白いです。
たくさんの人物の思惑が複雑に絡み合ったドロドロした愛憎劇なのと、BLが苦手な人にはつらいかもしれなくて、好き嫌いが分かれそうな作品
この作品を見るなら、人物相関図や目的なんかを1話ごとに紙にでも書いて整理しながら見るといいかもです

【はじめに】
最初に身もふたもないこと言いますが、原作漫画読んだほうがいいです!
私は「この漫画が凄い!!」って感じのテンションで妹からオススメされたので原作を読んでみたのですが原作はとても描写が細かく面白くて絵もとても綺麗で繊細で妖艶な感じの絵柄ですが、その美しさとシナリオの面白さが十分に再現されていないのでとても勿体ない。

【感想】
複雑で視聴はしづらいけど話は面白い。でも原作はもっと面白い。
正に愛憎劇で、ただ愛と憎しみと嫉妬と裏切りだけの話じゃなくて、愛のカタチも結構歪んでて一人一人の愛が重くてどんどん話がややこしくなっていくし、それぞれのキャラクターの意思が強くて絶対譲れない信念とか目的があるので、激突したりすれ違ったりする
そういった面倒くさい複雑な人間関係と重たい愛憎劇がこの作品の魅力!
{netabare}
また、主人公が両性具有で男の気持ちと女の気持ちの間で揺れ動く葛藤がさらに人間関係を複雑にしていて見ごたえ抜群です!
女の気持ちの時は恋愛対象が男で、見た目が男性っぽいし本人は男であろうとしているのもあってBLに見えるんですよね
私にはその時のリチャードは女の子で普通の男女の恋愛に見えるけど、BLが苦手な人にこれがどう映るのかはわかりません

主人公は母親から愛されずに育って厄介な身体で生まれてきて不幸だと思うけど、作中ではいろいろな人から愛されるようになったのは良かったと思います
今後リチャードが愛に目覚めて幸せになるのか、愛に溺れて不幸になるのかはまた別の話ですが

とにかくダメなのは人の作画とシナリオ構成、どちらも原作の良さを殺しています
こういう題材は多少間延びしてもいいから多めに枠確保してゆっくりやったほうがいいと思いますよ。もちろん作画の予算もちゃんとつけて・・・
コミカルなキャラクターを使って各話の冒頭に人物の相関図をわかりやすくまとめてくれれば視聴もしやすいと思う。
{/netabare}
【主人公について】{netabare}
主人公はヨーク家の3男
リチャードは両性具有という扱いで、男性でも女性でもあるみたいです
母親からは忌避され、父親からは愛され、男性として育てられたので男性であろうとしていますが、
恋愛対象は男女両方なようで、どちらにも惹かれている描写があります

男性として育てられたから女性が恋愛対象になるってことはたぶんないと思うので、男女両方恋愛対象なのは身体が影響しているのでしょうね
ドロドロ愛憎劇としては面白い設定ですが、どう考えても生きづらそうな設定ですね・・・
ポジティブに考えれば男にも女にもなれるとも言えるけど、私は絶対に嫌です{/netabare}

【キャラクター】{netabare}
原作の良さが十分に発揮できていませんが、それでも素晴らしいです。
みんなドロドロしてますね。戦乱の種があちこちにあって目が離せない。

主人公の設定が人間関係をより複雑にしていて面白いと思いました。
{/netabare}
【作画】{netabare}
背景の描き方で雰囲気は良く出ているけど人物作画は残念すぎます。
また、ほとんど動きがなく、止め絵ばかりでアニメと言うより紙芝居のようです。
原作の美しく妖艶で強い意志が感じられ、どこか儚さを感じる絵柄がまったく再現できてなくて、ただ暗いだけののっぺりした絵になってしまっています。
できるだけ動かさないように、顔を描かないように手を抜くならなんでアニメ化したのでしょうか?
また、話し手以外の顔を描かないようにするのは演出なのか知りませんが、より紙芝居感を増す結果になっていると思う。
{/netabare}
【シナリオ】{netabare}
何度も言いますが、これは原作の漫画を読んだほうが絶対にいいです。
説明不足で場面が飛び飛びなところがあってとても不親切でわかりづらい。大事な場面をさらっと流しすぎで勿体ない。

派閥、血族、愛、嫉妬、政略、陰謀、裏切り、復讐、利害関係、リチャードの複雑な気持ち
そういった様々な要素が背景にあって、誰がどんな行動をとるのか予測不能ですごく面白い話なのですよね。
ただ残念なことにアニメはただでさえ複雑でわかりづらい関係性が描写不足と低質な作画でさらに分かりづらくなってる。
原作から色々なシーンをカットして無理やり収めている感じ
失敗とは言わないけど納得いかないですね。本当に勿体ないことをしてる。
{/netabare}
【主題歌】
1クール目と2クール目で曲が変わりますが、どれも作品の雰囲気に合った良曲です!

【薔薇戦争(史実)について調べたことまとめ】{netabare}
わたしも詳しいわけじゃないので史実を調べてまとめてみました。

大雑把にいうと、フランス人の大貴族同士(親戚同士)による誰がイギリス領土を統治するかを決める内乱です。
中世ヨーロッパの国のほとんどは、国っていう意識はあまりなかったようで
中世欧州の戦争はだいたい国同士じゃなくて有力貴族同士(しかもみんな親戚同士)の勢力争いです。
だから欧州の王族はみんな似た顔しているんです。ちなみに今のイギリス王家は元々ドイツ系がルーツです。
第一次世界大戦の時に、家名が敵国ドイツの名前だからわざわざ変更したっていう経緯があります。
この作品から400年ほど前の1066年にフランス系のノルマン人によるノルマンコンクェストという事件が起きて
フランスの一諸侯によってイギリスが統治されていて、それを気に入らないフランス王と戦いになった。それが百年戦争。
その百年戦争の敗戦責任などの言い争いから発展して戦いになったのが本作のばら戦争です。
こちらはイングランドの有力貴族であるランカスター家とヨーク家(親戚同士)の権力争いですね。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

シェイクスピア原案のドロドロ系アニメ

{netabare}
今期一、というか個人的に視聴済みの全アニメの中で二番目に良かった。
昔のGONZOが作ってそうな気がしないこともないアニメ。
一話を見て今後面白くなりそうと感じたなら最後まで見るべき、地味でつまらないなと感じたなら切るべき。
個人的にはコメディ要素など一切なしでずっと真面目な雰囲気の本作は常に筋が通っていて好感が持てた。

薔薇戦争中の出来事を描いた作品だが、戦争自体にはそれほど焦点は当てられず、登場人物の関係性などに重きが置かれた作品。
リチャードを中心に各キャラの心理描写が丁寧でかなり深い部分まで描かれるので共感しやすく、それぞれのキャラの顛末には感慨深いものがある。

ヘンリーの話も、バッキンガムの話も主人公が固よりの立場を取るか、それともその立場を捨てて情を取るかの狭間で揺れ動くという話。
そう言う内容だからこそ、主人公の両性具有設定も、主人公の女性的な側面と男性的な側面を表す象徴としても機能していて良かった。
時々見せる恋心的なものは女性的、だが本人は恋愛感情を優先させたくはなく、王(王族)としての立場(=男性的)を取りたいと思いつつも、時には誘惑やヘンリー、バッキンガムの後押しもあり、その狭間で葛藤する様が良く描けていた。

ヘンリーやバッキンガムがその時のリチャードにとっての心の拠り所になってることがそこまでの話の内容的に見て取れるため、実は敵だと分かったヘンリーとの接触や、バッキンガムに対する最後の決断の辛さには共感ができ、両者の殺害/処刑シーンには哀愁が漂っていた。
だからと言っても、ヘンリー編では父を亡き者にしたランカスター派に対する憎しみも理解でき、バッキンガム編では一度選んだ道でもある王の道から今更引けないことも理解でき、恋愛的感情と立場を優先しての意思双方が理解できるからこそ見ている側もより辛いものがあった。
バッキンガム編に関してはバッキンガムはリチャードとは対照的に立場よりも恋愛的感情を優先させており、その面で相反する二人のすれ違いには悲しいものがあった。

母の話も、リチャードが大きく孤立して初めて母の気持ちを理解できたということなのだろうか。
その直前のアンの愛してほしかったのに愛されず荊に縛られ続けたままだったという本音の訴えもあってこそ、同じように父から愛されずに孤立していた母の気持ちに同意できたというのもあるんだろう。
序盤から引っ張られてきた部分もきちんと回収されて良かった。

最終回のオチも良かった。
ティレルと言うヘンリーに瓜二つな存在が、(声優的にも物語的にも辻褄が合うため同一人物だろうが)、12話のリチャードの「どうか、愛してくれ」と言った頼みに呼応するかのように「愛しているよ」と言うセリフで締めるのは、ここまでの話の繋がりが感じられて完璧だった。
ただただ話が進んでいくように見えて序盤の話も後半にしっかりと活きており綿密に作られた物語だというのが実感できる。
最後には序盤からずっとリチャードのそばにいたケイツビーに行きつくのだろうか。悲しくも救済があるオチ。

キャラの描写以外にも様々なキャラの思惑が錯綜する群像劇としても見応えがあった。
主人公を含め誰がどんな行動を取るかが読めない作品でもあり、常に誰かが裏切るのではないか、敵対するのではないかと言う緊張感があった。この時代の王権は歴史の教科書などを見るだけでも暗殺とかばかりで不安定なものだというのが分かるし、その雰囲気が作品内でも見て取れた。

話が良かっただけに作画が今期でも最低クラスだったのは本当にもったいない。基本的に紙芝居。
一か所褒められるのは背景がずっと暗い色調だったのがこの作品の陰鬱な雰囲気にマッチしていて良かったということ。
よくよく考えれば、モブキャラ全員のっぺらぼうなのも、この作品の暗い雰囲気に合致していて、むしろ作画の悪さすらも偶然とはいえこの作品の暗い雰囲気を強調させていた説も微レ存...?
いやさすがにそうだとしても重要な部分で枚数が少なかったり褒められたものではないけど。

最後まで見た後にもう一周すると見える物も変わってきそうなので今年中に二周目視聴したい。
↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆6
跡継ぎ闘争? やばい話が全く頭に入ってこない。難しい作品。
父のために王位継承権を持つヘンリー(友人)を主人公が殺そうとしてるってこと? 

2話 ☆7
特に書くことがない、雰囲気がいい。演劇風の演出見にくい。
作画を演出で誤魔化すな。主人公父の死体見て正気なんか。
主人公狂ってる? これ後半面白くなる奴かな。

3話 ☆8
何がどうなった? ヘンリーは? 直訴大丈夫なんか。
兄弟二人どこ行った。草、エリザベス上手くいきすぎやろ。

4話 ☆6
ホモアニメ? やばいもの入ってそう。直接的すぎるたとえ話w

5話 ☆8
いつか化けそうと思って見続けているアニメ。
ほんとちょろすぎやろw 顔省略すんな。
回想に見えるから紙芝居やめろw
この脳内会議の奴結局何なんすか。
この作品の女ほんと裏があるキャラ多いな。
いや悪気はないんだろうけど。悲しいなぁ。
女が生まれたらどうするんですか()

6話 ☆8
女生まれ取るやん。手抜き作画。
同姓同名多いしキャラの書き分けもあまりできてないし単純に話が難しいしで疲れる。
ジョージとウォリック普通に組んでそうだけどな。
組んどるやんけ。主人公もやる気出してくれていい。面白い。

7話 ☆7
エドワード女好きすぎだろw
演出というか手抜き作画が滑りすぎだ。
ガバガバ警備 準備万端だな。ウォリックの方がまともじゃねーか。
言い訳苦しいぞ。なんでそこでヘンリーが出てくる

8話 ☆7
? ウォリックがやっぱ黒幕的位置なのね。手抜き作画やめろw
ほんと作画ひでーな。そこに愛はあるんか?
ホモ?

9話 ☆8
BL まだ気づいてないんかよ正体
主人公が父の影をちらつかせたおかげか。作画手抜きするな。

10話 ☆9
エドワードはほんと無能なんだな。
この謎空間結局何なんだよ。あっ

11話 ☆10
誰が殺してたっけ。主人公だったか?
ヘンリーつかまってんのかよ。ヘンリーじゃなくてエドワード?
のっぺらぼう兵士。同名多いからほんとわかり辛い。
こいつもランカスター側なんか。
主人公仲間と思ってた奴らに裏切られてばかりだな。
何で同じとこで暮らしてたの?
マーガレットも仲間思いなキャラなんだな。
くっ...殺せ! ヘンリーどこいったの?

12話 ☆8
外普通に許すのねw ヘンリー死んだか...
死体ないけど実は生きてましたにはならないよね。作風的に
作画は圧倒的に平家だけど話は個人的にこっちだったな。

13話 ☆8
2クール目。口の動きが合ってないw
草、こいつ女癖悪すぎだろ。運命の媚薬。毒盛られてそう。
やっぱり媚薬かよwイザベル一瞬で退場するじゃん。
ジェーンド正論で草。そこは殺すとこでは。EDめっちゃいいな。

14話 ☆9
ベスって誰。エリザベスの子供? バッキンガムとか言う有能。
実際悪魔のごとき所業。リチャードって言うても結構サイコパス。
ヘンリー処刑してある意味吹っ切れてんのか。

15話 ☆9
やっとあの女癖悪い奴消えるのかw キャラだいぶ減ったなぁ
エリザベスのゲスさを久々に見た。バッキンガム裏切ってて草。
まさかの再会。真っ白。モブはモブだった。悪魔の契約。
なぜ、やった。イキリモード。結局こいつらも裏切る気なの?

16話 ☆9
森(暗喩) 過激は怖い。毎回ヤってる。
殺したら同情されて、殺さなかったら単純に勝つのね。
エリザベスが噛ませになるとは。マッマ怖すぎ。
いや腕何があった。

17話 ☆9
失言。
ケイツビー空気。光が呪いに変わりとか、OPの歌詞とセリフがマッチしてていいな。芝居感ですぎやろ。宝塚かよw ここだけ本当。
そういやあの心の声の人どこ行ったの。
今更だけど国王になりたい行ってるけど目的は?
なること自体が目的? NTR また裏切るのか? 誰?

18話 ☆10
このドロドロ感いいわ。
いつのまにかバッキンガムを本気で好きになってたんか。
この仮装シュールすぎる。
別に女装してもばれないのでは。レズ堕ち。
ヘンリー生きてる? 最初から女だったらこんな感じだったのか。
最後の家パートが悲哀感漂ってていい。

19話 ☆9
ヘンリーの話あっさり終わったと思ったからあれで終わりじゃなくてまだあったみたいで良かった。二人の仲が。
廃嫡したらしたらで事実認めてるようなものでは。

20話 ☆9
恋愛思考なバッキンガムと王になりたいリチャードどっちの考えも理解できるから辛いものがある。

21話 ☆9
リッチモンドの強敵感。
前回のリチャードを殺せって、もしかして、王としてのリチャードを殺せという意味だった?
こいつらいつの間にこんなにゲスくなった。
しょけえええ
序盤とは打って変わって段々と可哀想になってくるエリザベス。

22話 ☆10
一人で突っ込む。案外平和的なオチだな。
確かにバッキンガムが一番の茨。リチャードの方が歳上なのか。
EDへの入りがずるい

23話 ☆10
中毒じゃん。結核移りそう。議会ってこの頃からあるんだ。
処刑対策。負ける前提かよ。リチャード女っぽくなったな。
アンの話が合っての母親の話か。
アンもリチャードも母もだれにも気にかけてもらえなかったのね。
本当に話が繋がっててすごい。

24話 ☆10
怪しい。いつものナレーション遅いぞ。
やっぱりバッドエンド不可避なのか。
相変わらずの紙芝居。ティレルが身代わりになったということか。
最終回も最高だった。

OP1「我、薔薇に淫す」☆9
ED1「悪夢」☆8.5
OP2「荊棘輪舞曲」☆6.5
ED2「螺旋」☆9.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 1
ページの先頭へ