Witch さんの感想・評価
3.9
【最終】いい終わり方だったが、後半魔王さまの見せ場が減って寂しい
【レビューNo.84】((最終レビュー)初回登録:2023/9/24)
コミック原作で2023年作品。全12話。
正直最初は5分位で「ハズレかな」と思い1回切ったのですが、交流あるレビュ
アーさん達が「コメディとしては悪くない」と評価されていたので、もう1度
見直してみたら「意外と化けるかもしれん」と思ったので。
(ストーリ—)
かつて魔王を倒した英雄にも関わらず、人間社会の繁栄に埋もれて腐ってしま
った勇者マックスと、マックスを倒すために蘇った魔王の交流を描く現代風異
世界ファンタジー。(作品情報より)
(評 価)
・第1話:魔王のキャラにそこはかとない魅力を感じる
{netabare}・現在日本風の不思議な世界
最初の魔王討伐から、魔王城で魔王が復活したところまでは「いつもの異
世界モノか」で見切ったのですが、魔王がかっ飛んでいって勇者マックス
の元を訪ねると、
・日本によくあるボロアパート
・ゴミが散乱し生活感溢れる空間
・インターネット完備
ということで、「テンプレ的なヒキニートの部屋じゃねーか?!」と世界
観がガラッと変わったので、少し面喰いました(笑)。
たしかにタックさんの言う通り、「はたまお」の雰囲気に近いかも。
・魔王のキャラにそこはかとない魅力を感じる、
・意外に愛嬌のあるフォルム
復活した魔王はロリっぽい容姿ですが、正直キャラデザは古い感じで作画
の質もよくないので、いわゆる「萌え」としては厳しいです。
しかし、頭身のデフォルメや三つ目も意外にかわいく、造形としては愛嬌
があり、個人的には嫌いではないですね。セーラー服も最初は「あざとい」
と感じましたが、動いている魔王をみてると意外にマッチしてるなとw
・ツッコミや受けがしっかりしている
ギャグやボケのセンスも少し古さがありイマイチなところがあるのですが、
魔王のツッコミや受けがしっかりしているので、たしかにコメディとして
は悪くないなっと。
投げっぱなしにならず、キャッチボールがきちんと成立しているので、見
ていて安心感がありますね。
(こういうところが雑な作品が意外に多いので、好感が持てるw)
・魔王のくせに人情味があり、世話焼きキャラ
正直視聴続行を決めたのは、この部分ですね。単なるロリキャラで騒々しい
コメディ要員というだけでなく、元は大魔王なのでやはりしっかりしてます
し、根は面倒見のよい世話好きキャラっぽいので、こちらの人情劇で何か化
ける要素がありそうかなっと。
また愛嬌のあるフォルムで、甲斐甲斐しく世話を焼いていく絵面は見ていて
結構面白いです。
そして大空直美さんの演技には期待できそうですね。
・勇者はどこに向かうのか
現状無気力なニート状態の勇者ですが、魔王を倒し平和になったから用済みに
なっただけでなく、不倫疑惑等ネットを検索すると過去の痛々しい言動がどん
どん出てくるなど自業自得な面があるようで、こういうところもこの作品の味
となっているようです。
今のところ、勇者がどこに向かうのか予想がつかない面白さがありますね。
とりあえず、昔のパーティ仲間は出番がありそうで、この10年でどう変わって
いるのかにも注目ですね。
アニメとしては雑だと感じる部分はあるのですが、原作のポテンシャルは意外に
高いんじゃないかという期待を抱かせる第1話だったかなっと。
「化けるかも」という淡い期待を抱きつつ、暫く様子見ですね。
結構最初にバッサリ切るので、こんな感じで意外とここのレビュアーさんの評価
で、後から拾い上げる作品も多いですね。
皆さんのレビュー参考にさせてもらってます(^^♪{/netabare}
・第2-6話:評価が難しい・・・
{netabare}正直2話以降思っていたものと違ってきたので、どうしたものかと。
・✕だと感じる点
・ゼニアが浮いている
魔王城なら秘書官として活躍の場があったと思うのですが、魔王とマックス
の同居生活だと、完全にお邪魔な存在。
しかも最大の見せ場が裸でマックスを追い回すとかイタ過ぎるw
・コメディセンスが基本古い
やっぱ全体的にコメディがイマイチ。魔王が上手く拾ってくれる分はセーフ
だが、あとはキツイかな。
・ハートフル展開がない
魔王の人情味溢れるキャラを活かした展開を期待していたのだが、そっちに
話が流れる感じではない。
また意外と常識人の魔王が、マックスにド正論でツッコむ展開も面白かった
のだが、そういう展開も激減してる。
(後述の通りなんか魔王の方が浮付きだしたw)
・つーかラブコメやりたがってる?!
最初はマックスの人間性に惚れてる展開のはずだったのに、女子高生変身モ
ードを使い出してから、メス顔モードになってきてる?!
この前の王国/共和国の偵察ってもう新婚旅行やん!
でもマックスに倒される前の魔王って男だったよな?!
正直これをどう受け止めたらいいのか困惑・・・
・〇だと感じる点
・かつての勇者仲間フレッド、レオとの絡み
この2人も個別だとあまり面白さがないが、マックスが絡むとかなり面白くなる。
友情やそれぞれの立場やつらぬく正義等まだ上積み要素はありそう。
正直ワンルームでの緩い日常系かと思いきや、意外と「マックス×フレッド×レオ」
のきな臭い話が主となっていく可能性が出てきましたね。
まあそっちの方がマックスのキャラが活きそうで面白いのかも。
ただそうなると魔王の存在感が薄くならないか、ちと心配ですが。
後半のシナリオ構成次第では、まだ面白くなる可能性があるだけにそこに期待です
かね。
ただ、魔王のメス顔はどう受け止めたらいいねん?!
こういう展開を考えていたのなら、前魔王は女性キャラにしておいて欲しかったな。{/netabare}
・第7-9話:これはこれで面白くなってきた
{netabare}>「マックス×フレッド×レオ」のきな臭い話が主となっていく可能性が出
てきましたね。
王国VS共和国の衝突は避けられず、ついにフレッド×レオの直接対決へ。
●ゼニア
・やはりコメディはちょっと笑えないかな。
・でも(フレッドの部下)リムを見捨てずに救助するといった人情味ある
描写は〇
●魔王
・やはり魔王が絡むコメディ展開は安心して見られる。
・マックスとフレッドに会いにいく姿とか、もうすっかり新妻気取りやんw
で、マックスに売られそうになったら拒否しつつも、文字通りひと肌脱ご
うとしたりとさすが安定の魔王さまという感じ。
●グリムス&九大臣
・グリムス
・普段はお茶らけた話し方で軽薄キャラ
・その実、手段を選ばない策士ぶり
彼の登場でかなり話が面白くなった感じ。
・で、九大臣の声優陣が謎に豪華なのは一体何なんやwww
●マックス×フレッド×レオ
・マックスはこの2人に関わることを極力避けているフシがあるが、現実
問題として2人は両国の重要人物。彼らに関わることは国を揺るがす事
態になりかねない訳だし、まあある意味今の静観が正解かも。
事態が大きく動けば、マックスが立ち上がることになるのかな。
・で、フレッド×レオの直接対決は作品としてどう描いていくのか、かな
り興味深い。
当初予想してた方向と大分違ってきましたが、シリアス展開もグリムスとい
ったキャラを上手く使いながらしっかり作ってる感じがあり、普通に面白く
視聴できてるなっと。(前回の判定保留から上方修正)
マックスの元にも最後のパーティ仲間ユリアから「謎の飴玉(?)」の差し
入れがあったようで、終わりに向けてエンジンがかかってきた感じですね。{/netabare}
・第10-12話:最後はユリアも入れて綺麗にまとめたな
{netabare}・フレッドVSレオの激しいバトル
・少し冗長感はありましたが、見応えはありましたね。
しかし後方支援がメインだったはずのフレッドが、レオと互角に渡り合え
る実力者だったとは・・・
・またこのバトルの模様は紛れ込んだマスコミのドローンにより、王国中に
配信されることに。
数年前はドローンも近未来感がありましたが、今や描かれていても当たり
前の風景として、違和感なく受け入れられるようになってきたなあ。
・魔王さま降臨
・2人を止めるようマックスに発破をかけるも、動かないマックスに業を煮や
して戦場に向かう魔王。そしてドローンに向かって魔王復活を宣言。
→ フレッドの一撃で撃沈。
しかし、その光景を見てマックスがついに立ち上がります!!
・マックスVSフレッドVSレオ
{netabare}・「事情なんか知ったことじゃねー。ムカつくからぶっ飛ばす!」
ついにマックスも参戦。だがブランクもありフレッドの攻撃の前になす術
もなくダウン。
しかしここでユリアの差し入れ「謎の飴玉」を使用。
→ マキシマムドライブ(全魔力を圧縮したとっておきの強化呪文)
→ パワーアップしたマックスがフレッドとレオ撃沈。ついにバトル決着。
(最後は魔王も助力)
・マックス漢の土下座
・ドローンのカメラに向かって、全てが丸く収まるようマックス漢の土下座。
→ それが世論を動かし、王国が共和国への態度を軟化。
(自治区としての存続を承認){/netabare}
・それぞれの結末
{netabare}・レオ
王国までの道路整備等、自治区の長として王国との交流回復に努める。
・フレッド
九大臣との会合で先日の詰め腹を切らされると思いきや・・・
→ グリムスが横領発覚で失脚。
(テロ偽装は証拠不十分で問えなかった)
そして空席となった第3大臣の席に就任。
・マックス
魔王と祝勝会。
そして何だかんだと理由付けして、魔王たちもこのワンルームに居座ることに。
・ユリア
出産を無事終え、家族で公園で遊ぶ姿が。
でもその身体はかつてのマッシブさはなく・・・まあ幸せなんだろうw
そしてラストは10年前のパーティーの別れのシーン。マックスの言葉
「お前たちとはもう2度と逢わない。それが平和ってことだろう。」
締めとしてはかなり上手かったのでは。
それに3人のことを何だかんだと気にかけていたユリアの(直接的な出番はなか
ったが)秘策で決着をつけ、最後はマックス漢の土下座と10年の時を経ても4人
の絆が輝かしい。
改めていいパーティーだったと感じさせてくれる演出でしたね。{/netabare}{/netabare}
(最 終)
個人的には魔王さまのキャラに魅了され視聴してたので、そういう意味では1話が
ピークでだんだん中だるみ、後半は「マックス×フレッド×レオ」が主軸となって
いたので、魔王さまの後半の見せ場は
・新妻気取りのフレッドとの会合
・異次元バドミントン
位で、後はなかなか腰を上げないマックスに,、ひたすら発破をかけるだけのウザイ
キャラになってきたのは寂しい限りでしたね。
コメディ展開も魔王さまの有無により、質が変わるって感じだったので、大空直美
さん演じる魔王さまをもっと堪能したかったなと。
とはいえ、ラストはユリアも使って上手くまとめてくれたので、まあそこは満足。
ただ総評としては、伸び悩んだかなっと。
あとユリアや(レオの部下の)姉御の女性陣がやたらマッシブなボディだったのは、
原作者の好みだったのかと少し気になった。
(まあ戦闘要員なのでアリではあるが・・・)
ED「ミライ=テレポート/ねんね」は結構好きだったので、毎回楽しみだったかな。
公式PVの方のアニメもかわいいので、検索して観てもらえればと思います。