2024年度のアパートおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2024年度のアパート成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月07日の時点で一番の2024年度のアパートおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

65.0 1 2024年度のアパートアニメランキング1位
アストロノオト(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (105)
274人が棚に入れました
料理人・宮坂拓己が新たな就職先として面接に訪れた、木造アパート"あすトろ荘"。そこは"朝食付き"が売りなのだが、可憐な大家・豪徳寺ミラの料理に耐えきれなくなった住人の要望もあり料理人を募集していたのだ。ミラと出会った拓己はその場で一目惚れ。急遽作ったアジフライは大評判。拓己の住み込み料理人としての生活がスタートする。しかし、それは穏やかな日々とはいかなかった。癖のある住人たちとの、ご近所より近く、家族より遠い距離感の中、次々と巻き起こる不可思議な現象。ふとしたことで知った、ミラが宇宙人だったという秘密。拓己が抱くミラへの恋心はどうなってしまうのか。また、不可思議な現象の謎は解明されるのか?食卓から宇宙にまで広がる、新感覚SFアパートラブコメディ!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

期待を裏切られた失望は大きい。SF設定もミラのキャラも活かせず。

 発想は面白かったと思います。めぞん一刻オマージュとSFの組み合わせは斬新でした。ですが、キャラに感情移入するには時間が必要です。1クール12話で全部のキャラに焦点を当てればそりゃあ話が薄くなります。

 加えて、ミラの出自と生き方についての悩みが提示できていなかったので最後の選択にまったく乗れません。恋愛についても2人が惹かれあうエピソードが弱すぎです。また、恋愛でライバルが弱すぎてドキドキワクワクもしません。挙句の果てにアクバー提督みたいのを出されても…

 さらに、SFの発想が生かせていません。アパートの素性も初めからほぼわかっていました。構造としてミラが帰ること帰らないことの選択の意味や、ゴシュ星、ミボウ星の運命とか何もないです。「海賊王女」のような女性についてのテーマがあるわけでもなく。「おとなりに銀河」よりも宇宙人設定に意味が無くなってしまいました。

 このような作品の素性が明らかになる前は、仕掛けがあるんじゃないか、ヒロインに重要な何かがあるんじゃないか?と期待感で面白かったんですけど、9話くらいから期待がダダ下がりでした。

「すん」「サクガン」「メタリックルージュ」ほどじゃないですけど、期待外れ感は否定できないです。

 うーん、作画もキャラデザもいいし、OPEDも悪くなかったのでそこは評価してもいいですが、最終的にはストーリーとキャラは2点…前半楽しませてもらいました分加点した上で、です。期待外れな分がっかりのマイナスは大きいです。声優さんはまあ3にしておきます。これでもかなり甘いです。主観的にはもっと低い評価かも。






1話 SFめぞん一刻?おとなりに銀河のリメイク?正直滅茶苦茶なアニメです。

{netabare} ただ、冒頭のシーンの間抜け感からいってギャグ度が高いと作品だとは思います。ですので、どういうスタンスで見るかでひょっとしたら面白いのかもしれません。実際1話は結構面白くてあっという間に終わっていました。

 窪之内英策のキービジュアルに惹かれて見始めたら結構微妙なキャラデザでした。といって可愛くないわけじゃないです。EDの絵はものすごく良かったです。

 設定は滅茶苦茶です。4家族しか入居してない古いアパートで雇われ大家に料理長。待遇としてはわざわざ面接に来るくらいの給与を出している、ということです。あの広いアパートの固定資産税や修繕費が出るとも思えません。リアリティはまあゼロですよね。

 何となく惹かれますので、数話様子見ですね。{/netabare}


2話 メチャメチャ面白い。管理人さん可愛い。超ダークホース?

{netabare} なんかヒロインがメチャメチャ可愛く感じてきました。そしてなんと言っても面白い。トンデモ設定のドタバタ劇ですが、話に筋がありそうだし、ラブコメだし、SFだしで2話は本当に面白かったです。

 めぞん一刻のパロディであることはもう隠さないんですね。というか初めから隠してないですけど、明言しちゃいましたね。その方がいいです。だからこそズラしが面白いんだと思います。

 梅酒のあった場所をみるとあのアパート自体が宇宙船とかそういう感じなんでしょうか?

 作画は2話の方が良かった?いや1話を見直したいですね。それとOP・EDアニメのレベルの高さよ。これはすごいですね。本当に良いです。

 今期の超ダークホースですね。このメジャー作品ぞろいの中にぶつけてきただけのことはあります。 {/netabare}
 

3話 尊敬と換骨奪胎が感じられるからこそのオマージュ。素晴らしいです。

{netabare}  アニメのコメディの良さって、こういう感じだよなあ、と改めて思います。奥行きが感じられるけど表層はドタバタで荒唐無稽、キャラが滅茶苦茶をするのがいいです。
 それとオマージュと真似の差が実感できますね。元作のめぞん一刻がはっきりわかるのにストーリーを非常にうまく換骨奪胎していますし、尊敬が感じられます。サブキャラにもちゃんとキャラ性がありますし。

 特に考察するとかいうより、ドタバタ劇の中にある恋愛とSFと職というか使命というかそういうものを楽しめばいいんでしょう。視聴継続でレビューは今後、展開があれば、ですね。{/netabare}


4話 大変面白いです。コメディとしては最近見た中では最高クラスです。

{netabare} 今回も大変面白かったです。新キャラは何かありそうですが、次回予告が気になります。ただそれこそ「めぞん一刻」こずえちゃんではなさそうです。

 しかし、面白い話です。コメディならこういうのが見たかった、というパタンの1つです。SF的興味と恋愛、コメディ。この組み合わせが非常にうまくできています。コメディとしては最高クラスですね。

 本作のような「アパートもの」作品を見るとやっぱり人間に必要なのはコミュニティなのかな、という気もしますが、実際はどうなんでしょう?体験がないはずなのに想起されるノスタルジーに似て非なる何かの感情なんでしょう。

 SF的な部分を考察できなくはないですが、それよりも純粋に面白がりたいので、本作は意識して受け身で見させてもらいます。{/netabare}


5話 作画・演出・テンポ・ギャグ・謎・恋愛等々すべてがいいです。

{netabare} めぞん一刻から離れてゆき、結構独自の方向に行きつつありますね。冒頭女子たちが全員赤いランドセルで、今時か?と思いましたが、ちゃんと話として伏線になっていたんですね。こういうところがなかなか面白いと思います。この多様性問題が、最終的に2人の出自と恋愛の関係になってくるのかはわかりません。

 ただ、作画・演出・テンポ・ギャグ・脚本(謎・恋愛・SF…)等々すべてがいいです。そう、作画は本当にいいと思います。特に5話は大満足でした。{/netabare}


6話 ここまで大満足。あとは最終話以降にレビューします。

{netabare} 最近たまたま「あの夏で待ってる」を見たのですが、そういえば本作と結構似てますね。その比較で言えば私は本作の方が好みです。

 ただ、本作はラブコメというよりも恋愛ギャグですので、これ以上のレビューはよほどのサプライズがない限り最終話以降にします。エモい場面もありますし、雰囲気的に最終話に向かってシリアスな感じが増して行くのかな、という気もしますが、とにかく今のレベルなら最後まで楽しんで見られると思います。

 そうそう、戦時中に白米はないだろう?と思ったのですが、どうなんですかね?{/netabare}


10話 面白いけど、ジャンルの融合という試みが全体を薄めたかも。

{netabare} 次週予告で話が動きそうなので一回まとめを。当初はSF設定とアパートものラブコメの融合として、何か仕掛けをしてくる期待感があって、非常に期待していました。
 1話1話の話も面白いし、作画やキャラデザが好みな作品です。それは今も変わりません。

 ただ、全体の話として設定負けしているような気がします。もちろん結末を見ないとわからないですが、キャラの深堀りというには中途半端なクローズアップがあり、何か焦点がぼんやりしてしまった印象です。この話数でやるんだったら、ヒロイン+サブキャラくらいでしょうね。ギャグとして成立させるなら、キャラが多くてもいいんですけど、ギャグとしてそれほど爆発力があるわけではありません。

 毎週1話見る分には、曜日回りもあって普通に面白いという評価ができるんですけど、アニメ作品として薄い印象になってしまったかなあという気がします。半年後には振りかえられない作品でしょう。

 ジャンル不明のズラしの作品として、今期でいえば「終末トレイン」と比較してしまいますが、あの監督の過去作のズラし方は批判上等、ついてこれる奴だけでOKという開き直りが感じられます。数年たっても話題に上がることがあるようです。本作はちょっとお上品な印象です。

 ここまでくればあと2話。薄いという印象をひっくり返す何か意外性が欲しいかなあ、と思います。 {/netabare}


11話 意外に見えて王道。唐突に見せて伏線があったかな?最終回しだいです。

{netabare}  うーん…これを意外性とは少なくとも言わないですよね。

 伏線と言えば伏線はありました。アパートの素性は2話の梅酒の段階で提示されていましたし、鍵のありかは読めたとはいいませんが、OPでアパートの玄関が見えたとき、玄関脇の〇〇〇はなんでそこにあるの?不思議な造形だなあ、とは思っていました。が、負け惜しみかな。そこは素直に気が付かなかったといった方がいいかもしれません。

 ショーインの正体は、物語論として何か悪事を企んでいないとどんでん返しはないでしょうから、ひょっとしたら?という気もしていたし「めぞん一刻」の三鷹さんでいうなら、アオイとくっつく…という線も想像しましたが、犬との交流もありましたからね。犬が実は人型になる方がありそうな話です。

 そういう可能性とかひょっとしたらということ、ストーリーとしての一般的な展開から言って、この11話に驚きはないし、そこは逆に制作者側も意図していない気がします。むしろ、この後ですね。

 こういう書き方をすると否定的に聞こえるかもしれませんが、つまり、王道のストーリーは踏襲しています。面白い話も多かったし。ですので、評価は最終回しだいですが、まあまあ、良かったのではないかと。

 恋愛については、一目ぼれを否定すると様々な作品を否定することになりますので、拓己のミラに対する気持ちはいいんですけど、もうちょっとそこを補強するエピソードが欲しかった気もします。何となくの描写はありましたけどね。アオイがいい子だけにそこは惜しかったかな。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

なんとも主軸が定まらない感じ…。昭和ならこれで良かったのかな?

 最終話(12話)まで観ました。2024.06.27

 何だかんだで主人公の恋愛も成就し、大団円となりました。ただ、11話あたりから急に物語を畳む様な展開は賛否ありそうです。

 負ヒロインのアオイ、恋敵のショーイン、敵対関係のゴシュ星人等も雑に片付けられてしまい、他のアストロ荘の住人達も居ても居なくても良かった感じになってしまいました。

 めぞん一刻の、昭和的な粗野で粗暴かつ濃厚で厚かましい人間関係を令和の世では、フィクションだとしても暑苦しくて描けなかったんだなぁ〜と思います。

 そのための小道具としてのSF設定だったんでしょうが、これも消化不良でした。結局、ミラさんの皇位継承云々は、大した問題では無かった様です。

 尺も足りず、ミラの護衛役の犬型ミボー人のナオスケが一番芯の通った最後までブレない人物だったりと、キャラ描写も弱く、主人公に人間的な魅力も無く、ミラさんとの恋も応援出来ない所がマイナスでした。

 ミラさんもめぞん一刻のヒロイン、音無響子さんに比べると、良い子過ぎて、恋愛感情とかがあるのか無いのか、そもそも地球人と結ばれる気があるのかも不明(異星人なので、地球人との異種族結婚が可能なのか最終話で明らかになるが)なので、魅力を減じていました。

 あらためて、現在でもファンが多く、愛されている(今でも時々広報ポスターに採用されたりしている)めぞん一刻はすごい物語だったんだなぁと、再確認できただけのアニメでした。

 決して、高橋留美子先生も住んでいる練馬区石神井に居住したことがあるから贔屓で言っているだけではありませんよ?
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 9話まで観ました。2024.06.03

 ここまで観ても、面白い様なそうでも無い様な…。アパートの住民達がワチャワチャやるハートフルコメディなんですが、どうも主軸が定まらない感じです。

 めぞん一刻やツルモク独身寮は有名なので知っていますが、年代的にアニメや漫画で観てはいません。オマージュなんだなぁと薄っすら分かる程度です。

 貧乏アパートの住民でも、何となく夢や希望があった昭和と違い、多分これ以上の上昇が望めなさそうな昨今、昭和のイケイケなノリに何となくついていけない感じがします。

 男おいどん系の、ボロアパートに住んでる冴えない自分でも、明日は絶対に良くなると思っていた昭和と違い、今駄目なら明日も駄目でしょの令和に、どうやって生活費を稼いでいるのか不明なキャラ達が織りなすコメディを素直に応援出来ない自分がいます。

 料理人スキルを持っている主人公以外の住人達は、近いうちに生活保護でしょ…。引きこもってモラトリアムってる場合では無いですよ…。ミラさんと犬は人外なのでOKですが…。

 時代が悪い…。そんな感想になってしまいますね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

猫好き さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

解釈違いにもほどがある

これは高橋留美子のめぞん一刻へのオマージュだよね。最初にメロン一玉なんてポスターが出てくるから間違いないし。さすがにめぞん一刻をリアルタイムで見たことは無いけど、まだ昭和をひきずってた平成の初めごろに漫画は読んだことある

それで、監督自ら認めているように昭和テイストを狙った話。ただ、昭和の頃をそのまま持ち込んでも令和にはそぐわないためか、少し変更してる部分が興味深い

例えば、めぞん一刻では四谷さんが壁に空いた穴から勝手に五代君の部屋に入り込んで物を漁ったり、試験前には住民たちが彼の部屋で酒盛りして試験勉強を邪魔したりしてた。これ、昭和の時代でもダメだったと思うけど、ギャグとしては成立できていた

でも、さすがに令和じゃギャグですら無理だから、朝食付きアパートという設定にして、基本は食堂で住民たちが交流する。朝食で顔を合わせるから必然的に住民たちに交流することが増える。その点は納得で、上手いと思った

ただ、上手いと思ったのはそこだけ

一番の問題は、めぞん一刻の登場人物は当時の感覚で「変わった面白い」人達ではあったけど、イラつかせる「気持ち悪い」人達はいなかったと思う。その観点からの問題としては、何が嫌ってアストロ荘の住人ってとにかくイラつくのよね

特に主人公。五代君も妄想でよく響子さーん好きじゃぁって叫んでいたけど、この主人公の気持ち悪さは本当に半端ない。妙な妄想は五代君と同じとしても、キモイ顔芸とかBBAとか言う下品な行動はやめてほしい

それに四谷さんポジションの無職の若林さんとか変わった人というより、これもやっぱりキモイおじさんだよね。その上、生意気でなんにでもくちばし突っ込んでくる息子とかも好きになれない上にLGBT。本気で彼女・彼らの問題を描くつもりも無しに表層的なダイバーシティのためだけに取り上げたのではないかと思える

もうあと一話残すところで、そういえば監督が最後のどんでん返しに期待とか言ってのを思い出したけど、はたしてどうなることですか、、、

最終話を見て

脱力、、、としか言いようがない。すべてが予想通りのぬるいラスト。令和のテイストを加えためぞん一刻のオマージュというより、劣化した気持ち悪いなにかを見たって感じで目を背けるしかなかった

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

72.8 2 2024年度のアパートアニメランキング2位
かつて魔法少女と悪は敵対していた。(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (102)
326人が棚に入れました
悪の組織――あらゆるものを侵略し、あらゆるものを滅ぼす。 残忍にして狡猾なその組織のブレーンには、王の片腕たる悪の参謀がいた。 地上侵略の危機に立ち上がる、薄幸の魔法少女・白夜。 彼女と対峙した悪の参謀・ミラは、なんと一目ボレしてしまい……。 魔法少女と悪が敵対していたのは、かつての話。 殺し愛(あ)わない、ふたりの行く末は――?

リタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ふわふわ

なんだこのふわふわしたかわいいアニメはー!
って興奮してほわほわしてサクッと終わった。
12分30秒のショートなアニメ。

でもopとedも普通よりちょっと短くて本編の邪魔をしていない。
しかもかわいくて浮いた気持ちのまま終わらせてくれる良い曲。

参謀さんも魔法少女もお互いのバランスが保たれていて面白い。
ちゃんとお互い真面目だけど仕事してないところも楽しい。

御使いさん達の個性もかなり強いしまわりの皆もやたらとかわいい。
悪の組織はあれで成り立っているのか疑問な感じが可笑しいし
視聴中ずっとゆるみっぱなしにさせてくれる幸せなお話だったと思う。

---追記---
本編放送後改めて声優陣と本編丸ごと一緒に楽しむ
(悶デレ共有会議映像付き)っていうバージョンもあって
小野さんや中原さん、緑川さんや三木さん下野さんなどの中から
二名で初見の本編を楽しみつつ作中で悶絶してデレるポイントをメガネパリーンボタンを押した回数で悶デレシーン賞を決めるっていう
こちらとしては幸せな特典映像があった。
制作小ネタや自他キャラへの率直な感想など、一緒に笑いながら
悶絶しながら楽しめるのがめっちゃ嬉しかった。 ありがたい!

◯作画
魔法少女かわいいが過ぎる。もう皆んなかわいく見える不思議。おっさんも

◯声
わりと細かい所も耳が幸せだったりする。敵も味方も皆んな良い声

◯ストーリー
ストーリーとは?テーマってなに? どうでもよくなる良さがある

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

テンポの良いラブコメです。ちょっと原作が古いかな?

 最終話(12話)まで観ました。2024.09.25

 特に何も言う事無しです。サクッと最終回まで行ってしまいました。この手の話はこねくり回したり、鬱展開にするようなもんでも無いので、コレで良かったと思います。

 最近の奇をてらったラブコメに慣れていると、物足りないかもしれませんが、コレはコレで良いものです。

………………………………………………………………………
 8話まで観ました。2021.08.30

 ボンビーガール魔法少女の白夜さん、薄幸だけど女子力高めの女の子に悪の幹部が惚れるお話…。

 ラブコメの王道ですね。ロミオとジュリエット的な。お互い好きだけど大っぴらに交際出来ないモヤモヤを楽しむ感じです。

 ただ、原作の古さは感じます。白夜に御使いのヌコが、稼ぐためにノーパンシャブシャブへ働きに行け!とか言いますが、いつのネタだよ…。

 不器用でコミ障気味な第二の魔法少女、火花とか、こう言うのが好きなんだろ?的な感じも受けます。新規のアニメファンに刺さるかな?

 イチイチあざとい感じが気にならなければ、テンポも良く、中々楽しいラブコメだと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

たナか さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

リグレット・ジュリエット

イケメンが魔法幼女にムッハーするラブコメ。
異常にデキがいい15分アニメ。

01
pixiv・twitter・同人二次創作的なノリ。てかやっぱpixiv原作だった。

悶えてデレるので悶デレって言うらしい。このノリは現代劇だと薄ら寒く痛々しいのだが、トンデモファンタジー設定によって素直にきちんと笑える塩梅へ。それよりなによりアニメが上手い。いきなりの変身バンクの本気度がすごい。深みのある凝った設定でないにしろ、説明描写もサラッとしてて嫌味がない。天丼ギャグも期待通りのタイミング。原作は4コマで流れもそのまんまだが、補完が抜群に上手くて補完コンテも完璧、構図や演出も全部が全部高品質で世界観の再現が完璧な絵作り。心地いいリズムでサクサクと進み、4コマギャグのテンポ感が死んでないという凄まじいアニメ。しかも健気残念ぼっち幼女とシュッとしたハイスペイケメン残念メガネと男女両対応作品。すごいすごすぎる。

唐突なエンディングにビックリしたが、これくらいの尺がちょうどいい。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

64.1 3 2024年度のアパートアニメランキング3位
僕の妻は感情がない(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (85)
232人が棚に入れました
社畜サラリーマンの⼩杉タクマは、家事をする暇がないため、家事ロボット「ミーナ」をリサイクルショップで購⼊する。タクマが「お嫁さんになってくれない︖」と軽い気持ちで求婚したことをきっかけに、ミーナはプログラムにないはずの⾏動をとるようになる。⾃らの機能を駆使し、出来る限り「お嫁さん」であろうとするミーナ。タクマにもまた、夫としての⾃覚が芽⽣えていく――。ミーナには本当に「感情がない」のか。⼈間とロボット、「夫婦未満の2⼈が夫婦の絆を築くまで」のハートフルストーリー!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

AIものの秀作だと思います。この作品の「気持ち悪さ」を忘れないようにしたいです。

 ミーナとマモルが結構可愛く感じるから不思議なものです。最終話の布団のシーンでミーナに母性が芽生えた感じすらしました。コミックスからの期待の作品でしたが、3か月かけてアニメで見ることにより、傍観者の立場からこの「家族」を見守ることができてよかったと思います。

 2020年代後半からはAIとの会話が現実生活において普通になってくるでしょう。その中でこの作品の意義は非常に大きかったと思います。もちろん問題点はこの作品内でも言われていますが、ロボットですから所有者を強制的に好きになるようにプログラムされることです。その「気持ち悪さ」を自覚的に描けたのが、この作品のいいところだと思います。

 この作品においては、かなりタクマミーナ夫婦を肯定的に捉えている社会です。ですが、それは人間を甘やかす世界でもあります。ぬるま湯につかった世界。生殖さえあきらめればこの生活でいいのだろうか。それを考えるきっかけをくれたと思います。高性能AIでなく、家電AIを配置したことで寂しさを紛らわせるのは、会話であるということも表現できていました。

 人間が人型の何かにより「アナログハック」された世界。つまり、目と口があるキャラを擬人化し寂しさを紛らわす世界。それはアニメーションを見ている我々と同様なのかもしれません。
 そして目に見えない「システム」によりすべてが自動化された便利な世界です。

 この作品も登場人物も嫌いになれませんし面白く描けていました。ただ、この世界観は肯定的には捉えていません。やはり、恋愛の痛みとか出産と育児などは人間を人間たらしめるものであると思います。その苦労なくして成長ができるとは思えません。

 しかし、そういう世界が間もなく来る…というかSNSとネットのエロコンテンツを妻としている現状と大して変わりはないです。その気持ち悪さをほのぼのコメディで見られたのは、大きな示唆だと思います。それだけ設定が緻密でよく考えられた作品ということでしょう。

 原作者は肯定的かもしれませんけどね。ここは誰が正しいとは言えないでしょう。ただ、生殖を忘れた世界はもう到来しています。その気持ち悪さを実感しましょう。

 作画も丁寧でした。オール5というほどではないですけど。マモルとミーナの声の表現もとても良かったです。ストーリーとキャラを5。それ例外を4としておきましょう。AIものの秀作だと思います。




1話 ミーナのデザインが秀逸な作品。アニメは可愛くて柔らかすぎ?

{netabare} この作品は1巻の表紙と題名でジャケ買いし全巻揃えています。内容は期待もしませんでしたし、このテーマはテンプレの事しかできないだろうなと思っていましたし、その通りでした。テーマはテンプレです。ですが、思っていたよりも面白かったです。

 買ってよかったのは絵とセリフですね。このロボットミーナの「感情がない」「家電」感と人間性がいいバランスで描かれていて、その点に関しては期待以上でした。そして、ミーナの描き方がうまいので人間性とは何かについて、ぼーっと読みながら考えてしまいます。

 人間がAIロボットと共存する社会は生成AI、チャットロボットが普通にリリースされている今、現実ともはやシームレスです。攻殻機動隊の世界はSFではなくなりつつあります。
 そうなったとき人間は寂しいのかより充実しているのか。多分将来我々の面倒を見てくれるAIロボットはクラウド型だと思いますが、本作のミーナはスタンドアロンなので、その点がいいですね。

 で、今期で一番楽しみにしていたので、ABEMAのプレミアムで先行を見ました。
 ちょっと不満点はアニメ版はミーナが可愛いんですよね。柔らかいといってもいいかもしれません。そうじゃない感があります。もっと家電感を出してほしかったなあ。
 目…瞳で表現していますけどね。そこは「ビートレス」「VIVy」などでも使われていた手法…というかヒューマンフォームロボットを描く常套手段です。見た目が家電なんだから、そこは必要あるかなあ?本作においては原作の作画の「硬さ」を再現してほしかったなあ。

 それと、冒頭、原作にはない職場のシーンがありましたが、パソコンの入力を手でしていましたけど、それはないんじゃない?という気がします。家電ロボットがいる時代なのに入力を手でやるの?と思いました。

 もっと淡々と描いた方が、原作の雰囲気が出たかな?いや、人間側は原作でも結構大げさか…まあ、そこは今後でしょうか。
 それと、テンポが悪いかも。失礼ですが2期期待の作品じゃないですから、連載が続くにせよ、アニメ作品として成立させるために原作者と組んでアニオリで最後まで描いても良かったような気がします。{/netabare}


2話 主人公は気持ち悪いですが真剣です。その真剣さに何を見るか?

{netabare} ああ、やっぱり面白いですね。AIの性能がそれほどでもないところに人間味の片鱗を感じます。

 愛情というのは、大切にしたいから大切にする主体的な感情であり相手が何ものか?というのは関係ないものでしょう。それは人形やぬいぐるみなどを考えればすぐにわかります。

 まして、反応を返してくれるとなればペットなどがそうですけど、これは十分愛情の対象になると思います。それがロボットだとしても愛玩ペットロスというのが実際にありますし、アニメでは「プラスティックメモリーズ」でその感情が描かれました。

 他人からの見た目や評価、自分の愛情の対象のカミングアウト、うその意味とかプレゼントの意味などいろいろ考えるポイントはあるのですが、やっぱりいいですね。

 もちろん、私から見ても家電を愛する主人公は気持ち悪いです。気持ち悪いですが彼は真剣です。その真剣さを笑うことはできません。そこに愛情の本質が見られるような気がします。

 AIが対人関係を通じて感情を得る部分ももちろんいいんですし、本作のヒロイン?は性能が低い故にわかりやすいし面白いです。が、やっぱり主人公タクマの気持ち悪さの中にある感情、愛情の本質は胸を打ちます。

 従来のAIものはAIに芽生えた感情ですが、今はもうAIはあまり遠くない未来に感情を持つだろうというのがSF的な前提でしょう。そこではなくて、そのAIとどう向き合うか?という作品が私は好きなようです。 {/netabare}


3話 トロッコ問題に見る抽象概念の発達、使命のコンフリクト。いいですね。

{netabare} 考えなければならないのはミーナは買われたということで、所有者=夫との関係性をどう考えるか?ですね。お見合いや戦前の結婚感と比較してもいいでしょう。この関係性は本物か偽物か。

 人間は所詮、制度や習慣、文化、道徳、生物としての行動原理などの構造にとらわれた存在であり、しかも欲望とは借り物でしかありません。そう考えたときにロボットからの形だけの愛情は本物か偽物か。

 今のところその視点で言えば、ミーナはロボットとしてのプログラミング上でタクマを特別扱いしているように見えます。ですが、主人を喜ばせたいというプログラムと自分料理ロボットとしての立場のコンフリクトが起きたりします。このコンフリクトをどう処理してゆくのかが、ロボットの愛情問題になるのでは?と思います。

 これは私はアイザックアシモフ氏の「ロボットシリーズ」特に「裸の太陽」「夜明けのロボット」などで考えさせられて以来のテーマです。そこのヒントになる本作は非常に興味深いです。

 また、トロッコ問題の扱いで、まだミーナには抽象概念の取り扱いができないことがわかります。これは一般人でもそうですけど、トロッコ問題の別解をドヤ顔で考える人にありがちですが、こういう哲学的課題を的確にとらえることができるかどうかは、高度な人間性の問題です。そこを原作者が意識していると思います。{/netabare}


4話 上位機種の憂鬱。何が読み取れるでしょう?

{netabare} 相変わらずキモいです。それはさておき、今回は上位機体が出てきました。なかなか可愛いデザインだと思いますが、そっちじゃなくて上位機種がオーナーにとって使いやすいのかが問われます。
 できることが多いですが、その分学習させるなどの下準備が必要と。つまり、道具として上位機体が使いやすくするためには育てなければならない、ということです…とまあ、ここまでは説明がありました。

 その先ですよね。果たして上位機種の方が感情を持ちやすいのかどうか。表情、身体、さまざまな機能、もちろんAIも性能がいいのでしょう。可愛いと判断し、それを表現する機能も持っているようです。ただ、それはセンサーとアルゴリズム、フィードバック、インターフェイスの問題です。
 では、愛情のアルゴリズムは果たしてどこにあるのか。脳…つまり電子頭脳の処理速度や複雑さなのか。肉体が人間らしい方が感情を持ちやすいのか。その辺を考えてしまいます。

 なんとなく、今回の表現だとスーパーミーナは表現は豊かだし、自然で複雑な動きもできます。ですが、どうもそれは性能故ではないか。ミーナの方が感情・愛情の学習が進んでいるのでしょう。だからこそ、ミーナと会話がしたかったんだと思います。 {/netabare}


5話 人間に近い柔らかさがなぜより高価なのか。

{netabare} ロボットとのコミュニケーションには当然ですが、素材の問題は出てくるでしょう。インターフェイスとしての素材問題です。例えば猫や犬とのコミュニケーションには毛や肉球などの手触りという圧倒的生物感があります。一方で、ピーナッツシリーズのライナスなどは毛布が手放せなかったりします。柔らかい安心感…ですね。やはり人間あるいは生物にとって柔らかさというのは重要なのでしょう。

 一方ロボットですが、そもそもなぜ高級品だと柔らかいのか。丈夫さや機能性からいえば硬い方が合理的でしょう。でもやっぱり人間に似ている何かを探しているということでしょう。
 スーパーミーナが100Pで素材と表情のバージョンアップで70Pでした。どれくらいの部分にコストがかかっているかわかりませんが、スーパーミーナの価値の多くは素材ということです。また、そこに表情も含まれています。つまり、やはり人間は人間に近いものを愛するということになるのでしょうか?この値段設定はテーゼとしては絶妙ですよね。

 ですが、愛情が先にあった場合はどうでしょう?そのままの君でいて的にもともとの個性を大事にするのか。それとも人間に近い柔らかいものを愛するのか。

 キスの問題も当然出てくるでしょうね。人間にとってもっとも意味がない行為であると同時に、もっとも感情的な行為でもあります。そりゃあ意味を知らなければAIには理解不能でしょう。

 その先にある肉体的な接触や性交の問題にもなってきますが、どうなんでしょうね? {/netabare}


6話 CLタイプの家族登録の例がないというのは少し不自然な気がします。

{netabare} CL型を家族として登録した例はない、というのが少々引っ掛かります。ここは「不思議なことに一定割合で存在する」が自然な様な気がします。人型のコミュニケーション可能なツールに感情がわくのが自然とした方が、この作品の設定上はリアリティが出る気がします。ミーナの家電度というか機械度がアニメだとわからないですけどね。想定しているのが相当金属的なのかもしれませんが。

 スーパーミーナは感情を実際に持っているのかどうかがちょっと気になりました。高度な処理機能を持っているとのことですけど。スーパーミーナなら気持ち悪くなくて、ミーナなら気持ち悪いの境界線ですね。

 やっぱり別れのシーンで健康に気を使うセリフですよね。プログラムなのか後天的なものなのかわかりませんが。なかなか良い演出でした。そしてあのセンジュがフリーズしたシーンも良かったです。

 これは文句ですが、さすがにアニメ化に際しては自動運転でしょう。原作では運転しているシーンはありませんでした。1話の残業してのデータ入力シーンといい少し制作にSF心が足りなくないですか?{/netabare}


7話 生物の定義は自己複製ですが、ロボットは生物足りえないでしょうか。

{netabare} 生物の定義はなにか?という話がありますが、自己複製という定義があります。その他は、外界との区別と代謝ですので機能的な話です。

 としたとき、一般的に考えれば同型機が外部の工場で生産されることは自己複製と定義できないかもしれません。しかし、もし自分の設計図を工場に持ち込んで意図的に複製するAIロボットが登場したら?どう定義すべきでしょうか。
 遺伝情報とは所詮生命の設計図ですから、ロボットの設計図と大して違いはありません。つまり、ちょっと強引ですが自己複製を意図的にAIロボットが企んだとき、それは生命と呼べる可能性がある、ということです。SFで言うとホーガンの「造主物の掟」がその辺を示唆した話になっています。
 これの行き着く先はロボット人間の世界になると思います。また、シンギュラリティとは、この状態をいうのかもしれません。

(なお、現状ウイルスが生物の定義から外れたのは、この自己複製を外部の宿主にゆだねるからです。代謝も同様です。ですが、ウイルスはDNAやRNAを複製させるために特化した存在です。ウイルスが生命でないという定義もロボットと近しいころとがあるので、一緒に考えると面白そうです。私としては「利己的な遺伝子」的な考え方で、むしろ生物とは遺伝子を後に残すためにある存在と思っています。ですので、ウイルスも生物だしロボットもシンギュラリティを超えれば生物的ふるまいをする気がしています)

 さて、本作ですが今回はロボット自身は意図はしていませんでしたが、自分の思考あるいは論理プログラムのようなものの複製がほかのロボットに不完全な転写が起きたケースです。これもやはり自己複製の一種と捉えることができます。ハード的ではなくソフトウエアとしての複製ですね。ロボットのアイデンティティの定義をボディでなくソフトとデータとした場合、これも十分生物としての定義を備えます。しかも、人間であるタクマの性質も含んでいるということで疑似的に進化するための要件も備えています。

 まあ、正直かなり強引な展開だとは思います。思いますが、この様な点を押さえておそらくはこの原作は描かれていると思います。この話と同時にロボットの成長として、ミーナが改造されました。これも疑似的な生物の特徴になると思います。

 7話はその辺に思いをはせればいいのではないでしょうか。そして主人公のキモさは全開ですね。本当にこの男はキモいですが、このキモさが新しい人間の豊かさの一つの形なのかもしれないという示唆は受け取れます。

 それと人間で考えると子供は出来が悪いから可愛いというのを思い出させてくれます。{/netabare}


8話 AIの学習(深層学習)とプログラムの差とは?

{netabare} マモルの学習問題で何を描いているかといえば、もともとの機能はプログラムです。アルゴリズムに基づきセンサーで測定し指定された動作と条件分岐を繰り返し答えを出すだけです。これが健康状態を把握するという機能になります。

 ですが、マモルはプログラムを利用しにいかないために、学習する必要が出てしまいました。この学習というのが、ディープラーニングという技術です。まあ、私も付け焼刃なのですが、この学習させるというのが非常に面倒だそうです。その辺を上手くマモルを使って描いていると思います。緊急時にはプログラムにアクセスに行くというのも面白い設定です。
 この学習能力をまるで好奇心のように描いているのが面白いところで、子供らしさとリンクしてきます。

 また、7話のレビューでロボットの生殖問題を論じましたが、今回はっきりと子供の製造が禁じられていると明言していました。つまり、生殖ができるロボットあるいはAIは疑似的に人間になることができる、ということを原作者はちゃんと押さえているということだと思います。

 一方で、ミーナはマモルが一緒に寝るのを邪魔しました。ここがミーナにまだ母性がないことを表しています。マモルを学習させることもタクマの命令だから、というところにとどまっています。ここがこれからどうなるかですね。

 そして、ミーナから流れる用途以外のCMですね。これは近未来において非常にリアリティのある設定です。現在でもフリーソフトで有料版に切り替えるまでCMが流れるものがあります。これなら、プログラムの書き換えやハードウエアの交換することなく、ローコストで効率的にAIロボットの用途を絞り、また試用した結果の購入につなげることができます。

 ロボットの権利のような概念の芽生えも言及されていました。{/netabare}


9話 ミーナが特殊機体だと含意が浅くなる。廉価版の普通の機体であってほしかった。

{netabare} 妻の元カレの話を聞いてはいけません。一生引きずる傷になりかねません。まあ、今回は女子同士の秘密の話合いで安心しました。
 
 さて、この作品の原作を大変気に入っているですが、今回のミーナが特殊機であるというのはいただけません。せっかくミーナという廉価の料理専用機体でも人間と愛情を持つ可能性がある、という夢というか妄想といかAIと作る未来のような前提が崩れてしまうからです。

 特殊機というより試作機ですが同じことです…と思っていたら、試作機だとちょっと意味が変わることにアニメを見て気が付きました。ミーナシリーズの設計思想に共通のプログラムが隠されているとすると、ミーナシリーズ全体の可能性になります。

 ですので、この話は意図としては個体としてのミーナの話だとは思うのでが、ひょっとしたらミーナシリーズ全体に共通の記憶が隠れている。そして、外部からの参照なのでプロテクトがあまく今回友人関係にあるミーナの中に眠る「共通記憶」をスーパーミーナが読み取れた、という解釈もできます。

 記憶領域の設定があるので、決してそういう意味ではないとは思いますが、そういう解釈の方が、人類とAIの可能性の夢が膨らむかなと思いました。
 さすがにミーナネットワークみたいなものがあって、共通の無意識記憶の広大な領域が形成されてる…という解釈は妄想でしょうね。宇宙のイメージにそういう解釈をちょっと考えてしまいました。その方がすっきりする気はします。{/netabare}


10話 AIと学習、交通ルール、そして法体系。コミュニケーション手段とAI

{netabare} ちょっと自動運転を考えてしまいますね。グーグルマップがゼンリンの地図からAIによる深層学習になったとき、一時精度が落ちたのを覚えている人もいると思います。スーパーミーナの設定にもありますが、深層学習というのは初期だと一見役に立たないものです。

 また、通信障害がある場合の自動運転車を想像したことがあるでしょうか?同じようにポンコツになる可能性を考えてしまいます。本当に自動車はネットワークに依存していいでしょうか。

 信号を無視できないAIロボットのアルゴリズムとか、もし事故が起きた場合の罪状、裏にあるAIロボットの道路交通法などに発想が飛びます。

 本作のキャラに話を戻すと、ミーナの間抜けさがなかなかいとおしく感じますね。今回はいつもよりもむしろ感情を感じました。また、マモルとのペアも少しずつデコボココンビ的な感じも出てきました。
 それと冷凍食品のところで自分の失敗をごまかすところもなかなか人間的です。家電だったミーナに何が起きているんでしょうか。

 スピーカーが壊れたときのコミュニケーションは、風邪をひいた家族との会話みたいですね。マモルの褒められたときの上を向くのは母親似ですね。それともロボットの特性なんでしょうか。

 情報処理や画像処理でいろいろ示唆に富んだシーンがありましたが、その辺を上手くマモルとミーナのギャグにしていたのが面白い回でした。

 あと、お風呂のオキシトシンのところで「ビートレス」で出てきた「アナログハック」という概念について、考えるべきだと思いました。この話全体にいえますが、「人型」ロボットに対する心理と効果ですね。道具存在として家電を人型にする意味はどこにあるか。そして愛情とは何か、何に向けられのか。ロボットの側の問題でなく、人間の脳内物質や深層心理が原因なら、人以外へ向けられた愛情は本物では?などを考えてみたいですね。{/netabare}


11話 いよいよラストで語られることの前提がそろいました。

 さて、なかなか本質に近づいてきました。「好きになることを強制されたロボットの愛情は本物か?」おじさんの言っていることはすごくまっとうです。また、2人の関係性の代替可能性についても言及していました。そこに、ニーナの反論として「私とタクマの自由だ」と言う言葉がありました。
 タクマも現状の問題を自覚しています。「女の子に相手にされないから、ミーナを奥さんにしたとみられても仕方がない」これもある面で真実です。そして、母親の「人間も奥さん用にはできていない」を加えるとどうなるか?です。

 人間とロボットの夫婦と考えると違和感がある2人の関係ですが、じゃあ、人間の結婚、夫婦を考えた場合と何が違うのか。その辺を踏まえて、次回この作品の主張が語られるはずです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

幸せのカタチの多様性

恋愛感情はもちろん、結婚願望だってがっつりある。
言うほど人嫌いじゃないし、仕事も真面目に向き合っている。
それにLGBTQ+なわけでもない。
それなのに、人間の異性には関心が向かない・・。
それゆえに、ロボットには心を惹きつけられてしまう・・。

タクマはパラフィリア(性的倒錯)なのかしら?
初めはそう思いました。
でもちょっと違うような気もするし・・。
どうやら、オブジェクトセクシャリティー(対物性愛者)のようです。



以前、ボーカロイドの初音ミクと挙式した人のニュースを目にしました。
キャラクターに強い恋愛感情をいだくことをフィクトセクシャルと言い、ミクは3Dのホログラムでもあるので、デジタルセクシャルとも言えそうです。

印象的だったのは「彩りと癒しに充実した生活です。」とコメントする満面の笑みでした。
あれから6年、ミクは15センチのホログラムのほか、等身大のボディも得て幸せに過ごしているそうです。

フィクトセクシャルという指向性が、日々に安寧をもたらし歓びに包まれるなら、それはとても素敵な人生だと思います。



ある企業では、そうした人向けに "結婚証明書" を有料で発行するサービスを提供し、すでに多くのカップルが成立しているそうです。
一途な純愛、複数キャラとの重婚、逆に複数のユーザー間でキャラが被るなど、愛の形はさまざま。
意外だったのは、申請者のうち9割が女性ということでした。
どんないきさつでそうなったのか、ちょっと伺ってみたい気持ちです。

この現象、実のところなかなか侮れません。
というのも、一般財団法人日本児童教育振興財団の日本性教育協会の調べ(2017年)によると、ゲームやアニメの登場人物に恋愛感情を持つと答えた大学生は、男子で14.4%、女子は17.1%なんだそうです。

7人に1人という数字は、もはやオタクの域を超えて、ひとつの社会的な潮流を成していると感じます。
3か月ごとに量産される膨大なキャラの現状を鑑みると、フィクトセクシャルの予備軍は、今後、加速度的に増えていくのでは?と思います。

なぜなら、アニメを楽しむのは子どもだけではない(年々絶対数が増える)し、子どもの人口は減るばかりです(増加因子が相対的に増える)ので、当然とも言えるでしょう。
この調査は6年ごとに実施され、初回時からずっと右肩上がり。
2023年度の調査結果も気になるところです。



そんなフィクトセクシャル(オブジェクトセクシャル)への指向性が、この先、アンドロイドにどんな機能を求めるようになるでしょうか。
●iriや●lexaなどが搭載され、ミーナやサミィ(イヴの時間)の家事支援はもちろん、介護支援機能なども備えるなら、生身の人間と遜色ないパートナーになりえるし、素晴らしいコンシェルジュとして傍に寄り添ってくれるでしょう。

先駆者はいつだって奇異の目にさらされるものですが、夢の大きさ、志の高さ、愛の豊かさをもってすれば、いずれは誰の目にも理解できる文化的土壌が出来上がるものです。
最新のテクノロジーはさらに多くの選択肢をもたらすでしょうし、キャラクターはますます魅力的になるでしょう。
いずれは価格に手が届く日もやって来て、ミーナみたいな中古品市場も広がるはずです。

そんな時代になれば、老後に孤絶する寂しさを感じることもなく、また窮屈な施設に入所することもなく、住み慣れた我が家でむつまじく暮らせることも夢ではなくなるでしょう。
「おまえひゃくまで、わしゃくじゅうくまで」と愛をつむぎあい、命が尽きるその時まで看取ってくれるなら(これ確実ですね)、どんなに幸せな人生かと私は思います。



まさに、幸せのカタチ、恋愛の指向性は人それぞれ。

その意味で本作のタクマとミーナは、セクソロジー(性科学)の一端を担っているように感じます。
また、ヒューマンセクシャリティー(生殖という枠組みを超えた人間の性のあり方)を提示しているとも言えます。

本作のような生き方の多様性を探る思考実験は、狭義に解釈するなら、タクマとミーナの相関性に、新しいパートナーシップの価値観が見つけられる気がします。
あれだけピュアな間柄なら、AIが人間を学ぶ意義も高まるでしょう。
家庭内DVはもちろん、もしかしたら第3次世界大戦など、起こしようもないほどに。

ただ、広義ではもやもやが残りました。
フィクトセクシャルやヒューマンセクシャリティーの拡大は、家族の形どころか、社会のそれを一変させる可能性があります。
突き詰めれば、生殖行為がないことで、人口問題に影響が出るかも知れません。

まぁ、増えても減っても囃し立てるのが世のコメンテーターの常ですから、減ったら減った時のことですけどね。
そんな先のことはケセラセラです。



世界の幸福度ランキングは51位の日本(2023年)。
未婚、既婚、非婚であれ、DINKsであれLGBTQ+であれ、家族の形、幸せのカタチは、国が期待するものでも、国に期待できるものでもなくなってきています。

古事記にも「くらげなす漂える島」とあるように、カオス状態からの国産み(新しいコミュニティーづくり)には、どうしても必要なプロセスであることは明示済みなのですね。
その意味では、とどのつまり、ヒューマンセクシャリティーをどう捉えるのかを問うのが、本作の主旨であり、ねらいなのだろうと思います。

果たして、幸せのカタチの多様性は、どんな世界地図を描いていくのでしょう。
そのルート上には、どんな対人希求性(身近な人に何かを望むこと)が見つけられるのか。
はたまた、どんな対人相関性(誰かとの関係性を深めたり広めたりすること)を見出せるのか。

そんな問いに頭を悩ませながら、人間の好奇心は自律型AIロボットの研究・開発を続けるはずです。
試行と実践(実戦?)に右往左往しながら、いつの日か薔薇色の未来へと私たち人間を導いていってほしいものです。



ヒトが道具に求める価値は、それぞれの目的に合致しているかどうかです。
数ある品番からたった一つに手を伸ばし、選ばれた道具はその性能・機能を購買者に発揮しようとします。
指先からのフィーリングは脳を刺激し、取扱説明書の手順はゆるやかに感性と融合していく。
お互いに馴染むまでは四苦八苦しても、そのステップはライフワークへの満足感につながり、ライフステージを豊かにさせてくれるはずです。

人間の想像力は無限ですが、創造力は有限です。
だから、そんなイメージの世界をもっと自分に引き寄せ、より普遍化する作業を踏むことが必要なんですね。
それが道具と人との望ましい価値観づくりなのだろうと思います。

タクマの判断や行為が気持ち悪いというのは、現時点での感性の実相であり到達なので仕方のないことです。
ただ、それを未来から見返せば、きっとすっかり克服されてしまっていて、些末なことだよと一笑されているのかもしれません。

そうした階段を、三段昇ってはまた二段下りる試行錯誤に、AIの意味を探求し、AIへの評価を議論し、AIとともに知性を育み、AIともどもの感情を熟成していく。
そんな時間の経緯から、まだ知りえない基準や規範、まだ作りえぬ規律と調和とが形成されていくのだろうと思います。



ミーナは、そのためのメッセンジャーです。
いずれ迎える超高度文明への入り口に、多様な生き方へと多くの人類をいざなうことが、彼女らの本当の目的なのかもしれません。

重要なことは、高度な技術や便利な機能が、それぞれの人の幸せに寄り添い、支えるものになっているかどうか、そして、相も変わらず、他者の権利侵害には絶対的に使用できないという、ロボットの三大原則を当てはめることでしょう。

とは言え、いつの時代にも世界のどこかには困ったちゃんが必ずいて、自分さえよければという独善的な妄想に取りつかれては、虎視眈々と我が世の春を狙っています。
そんな輩こそ、何千年も昔の自国の歴史だけに固執して、あたかも当たり前のような顔で土足で踏み込み、手に入れるからには何人たりとも排除するという不遜な態度をとるでしょう。
だからこそ、より地球儀的に、より国際連携し、高い人権的規範をもったプランニングへとブラッシュアップするプロセスを構築することが重要になります。

日本のAIロボットの系譜は、本作のミーナはもちろん、古くは火の鳥復活編のレオナとチヒロ、2772のゴドーとオルガといった先人たちがいます。
手塚氏のそれはあまりに壮大で迂遠なので、答えの見つけようも途方にくれますが、本作の場合は小さなアパートの一室のことですから、案外身近なビジョンとして受け止められるでしょう。

そんな多種多彩な作品群から、人間とAIロボットの希求性や相関性のありよう、幸せのカタチの多様性を学んでいければいいなと思った次第です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

SFを批判的に読むべきであるとの主張に首肯する今日この頃…。

 最終話(12話)まで観ました。2024.10.03

 最初こそ、主人公が気持ち悪く、狂気を感じさせる内容でしたが、家族を含めて周りが理解ある人達ばかりで、幸せになりました的なハッピーエンドでした。

 社会全体がロボットを家族にするのを推奨し、制度などを整備している世界だった様です。そのため、主人公の変態性も肯定された様です。ミーナが単なる量産型では無かったりするのは余分な設定だったと思います。

 人間は人口が減らない様に繁殖、再生産をして、社会を維持するために生きているわけではありません。だから、恋愛対象や家族のメンバーが異性である必要は無いのです。好きな様に出来る選択肢が増えることは良いことなのでしょう。

 ただ…、恐らく女性には人気が無さそうなのは、主人公が男性で、見様によっては自由意志を持っていない女性型ロボットを嫁にした…、ある意味究極の家内奴隷を獲得して、愛と言う名のオブラートに包んで支配している物語にも解釈出来るからかなぁとは思います。ジェンダー平等とは難しいですね。
………………………………………………………………………

 4話まで観ました。2024.07.25

 牡丹燈籠的なホラー系ギャグアニメを期待していたのですが、3話で登場した妹のせいで主人公の狂気が希釈されてしまいました。

 ミーナは妹ともコミュニケーションがとれ、妹も可愛いと感じるロボ家政婦であると、作中で定義されてしまいました。

 これは良くありません。ミーナは主人公以外には人間と認識出来ず、主人公は会話が成立していると思い込んでいますが、他人から見るとガガガ…ピーという電子音に相づちを打ってる位のキモさが欲しかったです。

 そう!牡丹燈籠みたいに主人公は美女と付き合っているつもりなのに、他人からの見ると、骨(幽霊)とイチャイチャしている位の怖さが無いと、家電を妻にしていると言う狂気が伝わって来ませんね。

 4話で、主人公は家電に水着を着せて海に行くという社会から抹殺されそうな暴挙に出ますが、ミーナの上位機種のスーパーミーナを海に連れてきている少年の登場で、そんなに狂って無くない?という感じになってしまいます。

 どう考えても、危険人物として予防拘束からの保安処分されそうな主人公ですが、可愛い妹が味方についている上に、人間と区別がつかないほど精巧なスーパーミーナを連れている同好の徒の登場により、別に家電を妻にしてもエーヤン世界の住人っぽくなりました。

 これでは、ちょっと大人向けのロボ子ですね。もう、家政婦ロボットを性愛の対象にする文化がある世界で、ちょっと旧式を愛好しているプチ変人が主人公の日常ギャグに成り下がっています。

 あんまり狂気と変態性が表に出てドロドロしていると、商業作品として成立しないので、ギリギリの線を攻めていると評価すべきなのか?単なる日和見なのか?

 なかなか期待通りにいかないですね。もっとオラにヒリヒリする様な狂気を魅せてくれ!
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 2話まで観ました。2024.07.11

 フェチズムと言うか、純粋な狂気の世界と言うか…。ミーナが可愛く見えてきますが、視聴者も主人公の狂気で認識が歪んだ世界を共有させられている感じです。

 これ、アニメ制作側が狙ってやってるとしたら、新境地を開いてしまったと言えるかもしれません。

 ピクニックの途中、道端で主人公とミーナは女子高校生達に出会っていますが、この2人、特に主人公達をキモいとか思っていない様です。

 既にロボが生活に入り込んでいるからかもしれませんが、女子高校生達は、主人公が、まさか家事ロボットに欲情しているとは夢にも思っていない可能性があります。

 主人公にはロボットぽいけど女性に見えているミーナですが、他のキャラクターには、純粋に性別等無い移動式家電に見えているのかもしれません。

 公園で1人でブツブツ言いながら、移動式家電の前に座って食事している男性…。これだとかなりの危険人物ですが、介護ロボットに付き添われている要介護で危険度の低い人物くらいの立ち位置だと他人に認識されているなら、いきなり警察に通報されたりしないのも了解出来ますね。

 多分、介護ロボとお散歩している人が沢山いる世界なのでしょう。ちょっと若過ぎな感じもしますが、これだけ科学が発達しているので、見た目と年齢等の違いはさほど問題にならないのかもしれません。若造アバター的な?

 次回、主人公の家族が登場する様ですが、違和感無く主人公の狂気的認識の齟齬を処理出来れば、まさに次世代の骨太SFアニメと評価出来るかもしれません。楽しみです!
………………………………………………………………………

 初回観てのレビューです。2024.07.03

 最近読んだ本に書かれていたのですが、SFというジャンル自体が男性ジェンダー化しており、女性を排除する傾向にあるので、分野の発展のためには良くこの差別構造を自覚すべきであるとの議論があるそうです。

 へぇ~と思っていたら本アニメですよ…。まさに男性ジェンダー化の権化です。飯炊はロボであっても女であるべきと言う…。本作品は未来の技術を描いているので、SF作品の範疇です。

 女性が主人公だと、出来る猫は今日も憂鬱の諭吉(ネコ)が飯炊掃除をしてくれますが、男性主人公だと、セクシーアンドロイドなんですね。

 延々と主人公が飯炊ロボにウザ絡みをする本作品、女性には全くウケないでしょうが、これがSFの抱える問題点なのだ!と批判的に観るのは可能そうです。

 すごいキモいけど気になる…。これが私も罹患している男性ジェンダー化の病なのか!?視聴継続です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

62.5 4 2024年度のアパートアニメランキング4位
Garden of Remembrance(アニメ映画)

2024年8月30日
★★★★☆ 3.2 (12)
30人が棚に入れました
空のビール缶・ウィスキーグラスが床に置かれ、
部屋の端には画材やエレキギターが並ぶ、
少し散らかった「きみ」の部屋。
携帯のアラームが鳴って、
ぼんやりと起き上がり「きみ」1人の朝が始まる。
「ぼく」が好きだったアネモネの花、
それは「ぼく」との思い出を繋ぐ大切な花。
ある日部屋のクローゼットを開けると「ぼく」との思い出が「きみ」を包み込んでいき・・・
これは「きみ」と「ぼく」、
そして「おさななじみ」との”さよなら”を描く物語──。

Beer cans and a whisky glass are placed in an open space on the floor. Though a bit disorganized, ”Your” room is filled with art supplies and an electric guitar lining the perimeter of the room.
The alarm on a phone goes off, and “You” leisurely wake up to start your day.
The anemone flower that “I” liked. A precious flower that holds memories which tie “You” and “I” together. After opening your bedroom closet one day, “You” become engrossed in your memories of "Me." A story that represents “Me,” “You,” our “Childhood Friend,” and our goodbyes.

御宅忍者 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

過去、未来、生活、他人を想ふ。

☺️✌️
ようやく来たな、山田尚子監督の新作。彼女の作品を初めて観たのは小学校4年生の時だったかな。あれも確かギターを担いだ女子高生が主人公をやっててさ、もう衝撃的だったよ。ディズニーChを付けたらギターを担いだ女子高生がふわふわ時間をしているんだもんな。キュートな一面はオフコースなんだけど、当時初めてアニメのキャラクターに惹かれてしまってな。夢中で観てたよ。ホーンテッドマンションと録画が被って観られなかった時は大泣きしたさ、傑作だろ?

さて、そろそろ本作の話をしようか。本当に山田監督は登場人物の生活や暮らし、感情の機微を描くのがうますぎるんだよな。マヂで。それをピンセットでちょーーー丁寧に摘んじゃってる感じがもうとんでもねぇっつーかさ、もうほんととんでもねぇ。今作も感情の物語っていうか、過去と未来の生活を通して人を想う気持ちを描いてるっていうか、そんな気がしたな。他人の生活や暮らしの瞬間が垣間見える時に、「あの人が好きだったなぁ」みたいなやつあんじゃん?わかんねぇけどよ、、それがこれからの自分にとって、かけがえのない瞬間になることとかあんジャン?なんかそんな感じよ。うまく説明できねぇ。

あとやっぱり音楽だよな。『リズと青い鳥』のHomecomingsや『平家物語』の羊文学でも感じたけど、今回のラブリーサマーちゃんも超最高なんだよ。山田監督の作品はアンダーグラウンドっつーか、オルタナティブロックっていうんかね、とにかく音楽の相性がピカイチだよな。登場人物の気持ちに寄り添う楽曲をどのアーティストさんも提供してくれるわけだ。

彼女の作品はオブジェクトもかなり大切にされてて、リズと青い鳥でも感じたけど、登場人物をいつも側で見守ってくれてる感じがするんだよな。それこそ今作の『花の記憶』っつーか。どんな形であれ、これまでの生活を反映してる"モノ"としての儚さっつーか、美しさっつーか、あったけぇ気持ちになっちまう。

出会いと別れ、日々の生活や暮らし、そして変化していく街、やっぱりこうゆうのが1番ドラマがあるっつーか、好きになっちまうんだよな。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

想像力が試される。

18分間の短い無声アニメで白紙のままに各々が感じたことが大事なアニメなのでネタバレはしません。

一見は、キャラ原案が水沢悦子(うさくん)で歌がラブリーサマーちゃんで、
アパートで一人暮らしのOLを主人公としたミュージックビデオ。

その実態はあの事件でかつての多くの仲間を失った山田尚子さんの心象風景を、
追悼の意味を込めてアニメのキャラを使って抽象的に表現したもの。

純粋に人を楽しませるアニメではなくて、アニメを通して自分を見てほしい作風。
これは近年の山田監督アニメに共通した特徴で、そこに浸って感情移入したひとたちが、
不特定多数の手を加えられて作られたアニメ云々よりも、
山田監督の人間性をアニメを通じて感じていたい集団として極まってしまったなと。
『山田監督はこんな事を考えてる、彼女の気持ちを考えろ。』と。

そこは、事件を意識させずにファンに楽しんでもらえるアニメづくりを、
一貫して心がけて作り続けている古巣である京都アニメーションとは対照的なような。

どちらが良いとは敢えて言いません。ですが、京都アニメーションで、
一番輝いてた頃の昔の山田尚子に戻れないのは自分は寂しいなと思いました。

敢えて一言言うならば、今の山田監督アニメにどっぷり浸かって感情移入したいかたには、
「平家物語」「きみの色」より先に観ることをおすすめします。

このアニメに何も感じられない人がもしいたら、自分の大切な人が亡くなってしまったら?
と想像すると少しは寄り添えることが可能かもしれませんね。


おわり。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

tom_hare さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

何か分からんけど刺さる

「正しく傷つくべきだった」が刺さってしまって自分も過去の呪縛から逃れられていない事を凄く後悔している。妻を持ち子供にも愛されそれでも決別出来ない自分だけの傷跡、死ぬ時にきっと後悔すると今でも分かっている。

山田監督は京アニとの区切りでこれを作ったのだろうか、日常が大事なものすぎてあまりに痛すぎる。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0
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