nyaro さんの感想・評価
3.0
何かの序章の感じ。結末以降が本来なら作品になるはずです。
設定があってストーリーがない…とでも言いましょうか。キャラ達のプロフィールや以前にあった事件などは言葉である程度説明されるので、やっていることはわかります。ですが、キャラ達の体験の過去未来のどこも見えないために、内面が見えません。なので、どこに感情を置いていいのか視点を置いていいのかわかりません。
ヨナを守るという兄にも一理あります。ただ、それが囲い込みになっています。そこから解放するという政府のエージェントにも一理あります。あるいは力ある故に狙われてします。政府の思惑もわかります。そもそもヨナがどうしたいかがこの対立の中で描かれません。最後にセリフでいろんなところを見て回りたいと言います。ただ、その考えに至った前提条件がないので、この作品そのものが序章のような印象を受けます。
この事件が過去にあって、ヨナがさまよっているクローズアップから始まる。それならわかる感じした。
とまあ、30分程度の短編なので、レビューはそうなってしまいます。この作品の意味がCGの実験的なものだとすれあ、意味は分からなくはないです。要するにそれっぽい話を当てはめただけということですね。ただ、どうせ作るなら長編と同じかそれ以上のスケール感がある長さの物語を凝縮したものが見たかったですね。
映像としては、不気味の谷でもがいていたころでやっとみられるCGになったかなという時期かもしれません。とはいっても出来は悪くないですが、髪も服も動かないし重力が感じられないです。そうゲームCGならまあいいけどなというレベルでしょうか。キャラの動きがハリウッドアニメ映画の演技なのも違和感があります。