howknow さんの感想・評価
2.4
悪くはないけど、面白いんだけど、13話で過食気味
13話まで見終わり、1期は制覇した。
ギャグとしてはレベルが高くて面白かったけど、学ばないアツシ君と周囲の人々には、少しだけイライラが募るアニメだった。
内容をくそ真面目に考えると、ギャグアニメの体裁を整えた高度な社会問題に対する挑戦状に見えなくもない。
姉の可愛さや、弟の格好良さを強調したいわけではなく、現実はもっと残酷だと教えてくれる物語である。
これは社会問題・家庭問題・学校組織、それらを的確に風刺した秀逸な作品である。
以下、このサイトには似合わない、マジレス論調での批判。
{netabare}
警察という取り締まる側の闇(偏見による誤逮捕と情報共有の不足)が目立ち、取り付く島もなく主義主張を受け入れてもらえない、補導されるアツシが不憫だった。
そもそも、現実でもそうだけど、外見で九割を判断する警察は本当にたくさんいる。
実際に目撃したけど、危ない人種は見かけても声を掛けず、弱い者にだけ強気に出る警察というのも実在する。
違反を勘違いで忘れ、お目こぼしされるような不届きな警察署だってある。
ある意味ではこれは、現実の警察組織に対する腐敗を象徴する作品であるとも言える。
高度な社会問題を取り上げており、それに対する象徴がアツシなのである。
早い話が、不審者として何度も連行されるアツシが行く先の部署は、基本的にそれほど存在しないはずである。
つまり、いくつかの町にまたがるような場所であっても、二・三箇所の警察署にしか連れてかれない。調書を取られるにしても、ある程度の固定人員が取っているはずである。
であれば、常連となったアツシのことを小学生と認識しており、誤解で逮捕されることを既に承知しているはずである。
普通であれば、良い人・悪い人に関わらず、誤逮捕が目立つのであれば疑われないように指導を行うか、警察官の間で情報共有がされてしかるべき事案である。
連行するにも複数人で対処にあたる必要がある(ひとりでは危ない)ので、どれだけの税金がアツシのために無駄遣いされているのかも分からない。
学校の先生はまだ許せる範囲で、補導された事案の面倒を見てくれるから良い。
問題はアツシの家族であり、弟や息子がいくら小学生だからと言って、何度も警察のお世話になっていたら、それを正すように家庭教育すべき事案である。
早熟した子供ではなく、外見だけが早く成長してしまったが故に、早熟しなければならない子供というのもある。
この作品が象徴する問題は多く、それらが正の感情、負の感情のどちらにおいても、ゆり動かすようなギャグ・コメディがあり、面白くはある。
それでも、この作品は長く見続けられるような忍耐は、私にはなかった。
{/netabare}