アップデートで好奇心なおすすめアニメランキング 1

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73.6 1 アップデートで好奇心なアニメランキング1位
屋根裏のラジャー(アニメ映画)

2023年12月15日
★★★★☆ 4.0 (12)
40人が棚に入れました
『メアリと魔女の花』のスタジオポノックがイギリスの作家で詩人のA・F・ハロルドによる小説「ぼくが消えないうちに」を映画化した長編アニメーション。
少女アマンダ以外の人間には見えない“想像の友だち(イマジナリ)”である少年ラジャー。彼は屋根裏部屋でアマンダと一緒に想像の世界に飛び込み、喜びにあふれた毎日を送っていたが、イマジナリには人間に忘れられると消えていくという避けられない運命があった。その運命に戸惑いながら、一縷の望みを抱いて歩み始めたラジャーは、人間に忘れ去られた想像たちが身を寄せ合って暮らす“イマジナリの町”にたどり着く。

トロール夢民 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

想像上の友達は物理的な制約を受ける

幼少期にだけ見える、想像上の友達と人との友情・冒険を描いた作品
大人になると失いがちな想像力と創造性といった主題を扱う
どうやら登場人物のデザインは、声を担当した実在の俳優をモデルにしているようだ
この映画では、現実の風景を想像の世界が塗り替えていくような、アニメーションが得意とする映像表現が楽しめる
しかし、2023年の末頃から急速に進化・普及し始めた生成AIが生み出す悪夢のような映像表現と比べると、本作の映像はインパクトの面でかなり大人しい印象を受けた
要するに「やべえ、すげえなこれ」といった、シンプルな驚きが得られなかった
その理由は明白で、私が既に本作よりも強烈なインパクトを放つ生成AI特有の狂った映像表現に見慣れてしまっているからだ
だからと言って、生成AIは脅威だとか運用次第では悪だとか、人から創造性を奪うとか想像力が失われるとか、否定的なことを述べるつもりは一切ない
むしろ、生成AIが生み出す驚異的な映像は、貪欲なクリエイターに新たな創造性をもたらすきっかけになるだろうと、本作を観てより生成AI技術への肯定的な認識を持つに至ったほどだ
時代は移ろうが、市場原理は変わらない
世に溢れかえるAIアートより、人が生み出すワンオフの方が市場価値が高くなるのは当然の帰着だ
私は元来、生成AI技術の向上については悲観に暮れる必要が無い問題だと考えている
極めてなにか生命に対する侮辱」を感じてしまうことから、生成AIが生み出す映像表現に、尋常ならざる抵抗感を覚える人も少なくないだろう
しかし、技術向上に伴い生じた現実をも創作の糧にしようとする、貪欲で好奇心旺盛なクリエイターがいる限り、アニメーションの映像表現には新たな想像力・創造力が増し加えられていくはずだ
人には好奇心があり、人は常に刺激を求めている
今後は生成AIを凌駕する驚きに満ちた映像表現が、人の手によって生み出されるようになるだろう
驚きがあるから面白いと感じ、面白いものが観たいから私は映像作品を観続けている
人の想像力を題材にしたアニメーション作品である本作は、私の中に在る根源的な欲求を思い出すきっかけを与えてくれた
本作を鑑賞中、ある場面では感動して涙が出た
他にも、登場人物同様に息苦しさや圧迫感を覚える場面があった
観る者の情緒に働きかけ身体的な感覚を喚起させる性能については、現時点では生成AIよりも人が描くアニメーションの方が格段に上回っていると実感できた
現時点での生成AIの映像は、不自然だからこそ驚きに満ちていると感じられる一方で、観ていて感動して泣くような経験は未だに無い
ここに、人がAIを活用して表現をアップデートしていく上でのヒントがあるように思う
なぜなら、最終的には理屈ではなく感覚に落とし込んで表現できるところに、人がAIに勝る最大の強みがあると考えているからだ
映像表現を一つとっても、めまぐるしい変化を身を以て体験できる時代に生きていることを嬉しく思う
そんな気分にさせられた作品だった

投稿 : 2025/02/22
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