ほのぼので感動なおすすめアニメランキング 7

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのほのぼので感動な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月01日の時点で一番のほのぼので感動なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

89.5 1 ほのぼので感動なアニメランキング1位
うさぎドロップ(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (3863)
17617人が棚に入れました
俺がりんを育てているのか、りんに俺が育てられているのか――?30歳の独身男ダイキチは祖父の葬儀で見知らぬ6歳の女の子りんと出会う。実は祖父の隠し子であることが分かり驚愕するダイキチ。親戚たちがりんを引き取る話し合いのふりをしながら互いに責任を押しつけ合う中、見兼ねたダイキチは勢い余ってりんを引き取ることを宣言するが・・・

声優・キャラクター
土田大、松浦愛弓、大原さやか、酒井乃碧、植田佳奈、須藤菜々子、坂本真綾
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

一緒に暮らそう

原作既読

親子愛に触れられるとのことで以前から職場の子に薦められてたんです。
あにこれでの評価も高い。原作最後までではないものの一区切りつけて…正確にはキリのいいところで閉じたアニメ版ノイタミナ枠全11話です。
1クールでまとまっててしかも12話標準なところを1話少なかったりとお手軽感あり。ハートウォーミングなものに触れたい気分でしたら候補に挙げても損はないでしょう。

爺さんの通夜で親戚が一同に介した場所から物語は始まる。
死んだ爺さんには6歳になる隠し子がいて実母とは没交渉。たらい回しか?それとも施設か?という局面で、その子りん(CV松浦愛弓)を30歳独身河地大吉(CV土田大)が引き取ることになってからの奮闘記です。

たぶんシンプルな親子愛を描くだけならそれなりの評価は得られるでしょうが、あにこれのランキングでも2ケタ台におわす名作の範囲に入る作品です。しかも原作を完結まで追ってないにもかかわらず。
これには理由があって、そのうち登場する実母吉井正子(CV坂本真綾)が良い意味で複雑に描かれていることに代表される


 子育てで直面する様々な葛藤


が描かれているからであろう。 平たく言うと

 子供を育てる負のリアル
 子供と分かつ幸福のリアル

両面あるのでございます。別に子持ちじゃないとわからないって小難しいもんではないとも思います。

なんて言うんでしょうかね…
例えば主に野郎からの質問で回答しづらいのがこちら↓

 「結婚のどこがいいんですかね?」
 「子供苦手だしなんちゃらかんちゃら」

おおむね「うーん、おまえもなってみればわかるよ」お茶を濁すのが関の山。
ある意味このアニメが回答になり得るかもしれませんよ。私は引き出しの一つにしちゃいます。

これから視聴される方はシンプルに考えてみてください。
産んだ我が子を相方に預け距離を置くなんて、通常なら悪役まっしぐらなところをそうはなってないことについて。

もちろん物語の中心は大吉とりんとの掛け合いです。
母子手帳すら初めて見るところからの子育てなんて想像を絶するのに。お腹にいる時から相方と一緒に親になる準備を進めていくはずなのにそれすっ飛ばしてますからね。だから奮闘記。そしてリアルということは画面を通して真剣さが伝わってくるのです。
間違いなく良作の部類でしょうね。迷わずオススメできます。



※ネタバレ所感

■女の子から○○へ

リアルな葛藤描写とおとぎ話的なミラクルが入り込んだ物語なのかもしれない。

{netabare}従姉妹でりんと同い年の娘がいる前田春子(CV植田佳奈)は旦那の実家暮らしや子育てに疲れこう言う。

「別にね。強くなんてなりたくなかったのに。」「ずっと女の子でいたかったのに」

転じて、りんの実母吉井正子は働き過ぎなところを案じられたところにこう返す。

「女の子じゃないもん。漫画家だもん。」

“女の子”に次の段階があるとして、育児や家庭のことそして仕事だったり様々だけど、決めた覚悟も時にはぐらつきながら葛藤しながら歯を食いしばる元女の子ってことでは共通している。正子のとってきた行動は誉められたもんではないだろうけど理解に苦しむ思考も多々あるけど、ここまで身を削らんばかりの覚悟を示すことができちゃうのがお腹を痛めたってことなんかもしれません。自分男なのでそのへんよくわからんけどたぶんね。
断言していいけど子供に対しての覚悟っぷりで母親には勝てない。その母親に言わせると父親は気合が足りない、と。たぶんこれは創作だから、大吉がこれだけ覚悟を決められるってのがミラクルだと世の男どもは思い英雄視するわけであります。世の女性もそう思うかも。{/netabare}


■PUFFYときたか!

放送当時2011年時点でさらにその10年ちょっと前に奥田民生プロデュースでシーンを賑わした女性デュオ。本作のOP「SWEET DROPS」を担当。
らしいというかPUFFYっぽい力の抜けようでいい感じ。そのうえ歌詞が作品世界にすこぶるあってる。
本放送からさらにプラス10年で2020年だったりするわけでなおさら懐かしさ全開でPUFFYに目が行くところをじっくり何回も聴いてたらすこぶる良い楽曲に心奪われるという結果に(笑)

作詞・作曲 - 鈴木祥子になんとなく引っ掛かりが!

レビューはお終い。関係ないので畳みます↓

{netabare}その昔“ガールポップ”なんてムーブメントがあって雑誌なんかもありましてね。80年代最後期~90年代半ばが最盛期。安室奈美恵他TKプロデュースのシーン席巻で下火になったような…
有名どころでは大黒摩季、森高千里、CHARA。アニメとのタイアップなんかでも永井真理子、森川美穂が有名です。その一角にいたのが鈴木祥子さんでした。持ち歌聴いてみたら聞き覚えありました。
このなんと言ったらいいのかヒット曲ありーのメジャーどころでもなく、1曲どかんと売れた浜田麻里、平松愛理、久松史奈、久宝留理子あたりの「うわー懐かしー」枠でもないところをひっそりと好きだった人ってけっこういらっしゃるんじゃないかしら?

私の場合筆頭、谷村有美を始め加藤いづみ、遊佐未森、種ともこ、佐藤聖子、井上昌巳はよく聴いていた気がします。あと古内東子。
みんなシンガーソングライターか最低でも歌詞を書ける人ばかりだったような違うような。だからなのか一曲一曲世界観ができてる感じ。音作りも気合入ってましたよ。
このOPに使われた楽曲もご多分に漏れずその系譜だなぁと妙に納得してしまったわけでございます。

↓懐かしさついでに心震わせた楽曲群を書き留めとこ
{netabare}谷村有美:選べんがあえて「今が好き」「たいくつな午後」「Second Love?二番手の恋?」
加藤いづみ:「髪を切ってしまおう」「好きになって、よかった」
遊佐未森:「地図をください」「夏草の線路」
種ともこ:「スナオになりたいね」
佐藤聖子:「Jasmine」「悲しいだけの二人じゃなくて」
古内東子:「誰より好きなのに」「逢いたいから」
井上昌巳:「YELL!-16番目の夏-」「僕と別れてくれ」{/netabare}{/netabare}

こういうのうっかりようつべで聴きだすともうアウトね。止まらなくなる。



視聴時期:2020年10月 

-----

2020.11.15 初稿
2021.09.14 修正

投稿 : 2025/02/01
♥ : 42
ネタバレ

kakelu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

親の偉大さを考えさせられる心温まる物語

□前向きな気持ちを全面に押し出された物語

物語は、独身のダイキチと親の亡くしたりんとの家族愛を描いたヒューマンドラマとなっています。
一般的に、親を亡くし親戚に引き取られることは悲しいことで家庭環境や人間関係、生活面など多彩な問題にぶつかる事になると思います。
しかし、この作品では、そのような負の面はあまり出さず、ダイキチとりんがお互い苦労しながらも協力して前へ前へ進んでいこうとする姿勢が全面に押し出されています。そこに、心温まり感動しました。


□子供たちが元気

キャラはりんちゃんやこうきくんなどのちびっ子たちが生き生きとしていました。
素朴な絵も相俟って、もう本当に可愛い!!
笑っている所は愛らしさが伝わってくる。
私も何だか子供が欲しくなってきましたよ。


□昔ながらの風景に柔らかい作画

作画に関しては、風景は繊細に人物の表情は素朴にといった感じになっていました。
昔ながらの風景に子供たちというのはやっぱりいいですね。
スマホやゲームといった電子機器を持ってる今どきの子供より可愛い気がします。
また、この作品の特徴として初めの数分は水彩画で描いたようなタッチの絵になっていて、それがまたいい。日本昔ばなしを思い出しました(笑)


□最後に

物語の展開において凹凸は少なく、「惹き込まれる!」といった感じではありませんが、この坦々と続く感じが内容と相俟って安心して観られる作品にしていました。
全体的にかなり良く出来ていて、文句なく名作だと思いました。


↓↓↓各話の感想↓↓↓
{netabare}
1話の感想 ★★★★ 4.0
{netabare}ダイキチ、りんをひきとる

癒される。一話目からかなり癒された。
実質は凄く大変なんだと思うけど、こういうシチュに憧れる。ヒーローになりたい、なんかとはベクトルが違うけど同じように憧れる。{/netabare}

2話の感想 ★★★★ 4.0
{netabare}一時預かりのある保育園に通う

りんちゃんって、意外と図太いよね。
いや、図太くなければいけなかったのかな?
どこかで見たことがあるが、確かお漏らしをするのはそれなりに気が緩んだから、だったけ?
気を張っている状態だとお漏らしはしない。
違う?{/netabare}

2.5話の感想 ★★★☆ 3.5
{netabare}落ち葉で魚をつくる

5分のアニメ。
純粋さに癒される。
落ち葉って、押し葉にすればペリペリにならないんだね。知らんかった。{/netabare}

3話の感想 ★★★★ 4.0
{netabare}子育ては自分を犠牲にしないといけないのか

心にぐっとくる。
ダイキチもイイヤツだね〜
後輩に慕われる人ってあんな感じだよな。
ダイキチとりんちゃんはお互い協力しあって、生活している。これも家族の形の1つなのかな。
今更だけど、最初の水彩画みたいなやつは、毎回ある感じ?{/netabare}

3.5話の感想 ★★★☆ 3.5
{netabare}サンタさんのプレゼント

親の気分ってこんな感じなのかな?
何かワクワクするよね。ドッキリみたいで。
りんちゃん、かわええわー{/netabare}

4話の感想 ★★★☆ 3.5
{netabare}りんの母親の手掛かりを掴む

吉井さんがダメダメな気がしてきた。
最初の声だけの判断だけど。
りんちゃんに会わせる会わせないは別として、やっぱ1度は連絡するだろうなー、私がダイキチでも。{/netabare}

5話の感想 ★★★★ 4.0
{netabare}りんの苗字に迷う

可哀想と思い感動するのと、この作品みたいに心温まり感動するのでは全く違うね。
特に、後味っていうか爽快感っていうか。
感動の後に、心が安らぐ。
ダイキチの子を持つと親も成長するってのは、当たり前ちゃ当たり前だよね。{/netabare}

6話の感想 ★★★★ 4.0
{netabare}自分の木はあるのかな

あーゆーのいいね。私のもあるのかな?
知らないや。
親から子へと代々受け継がれていくなかなー。
あと、こうきくんのお母さんマジ美人!
ダイキチ、気持ちはすごいわかる。うんうん。{/netabare}

6.5話の感想 ★★★☆ 3.5
{netabare}お花見計画

りんちゃんよりこうきくんのお母さんを見てします。
ダメだダメだ。これではまるでただのエロ親父ではないか。
最後の頭に乗った桜の花びらをこうきママが取っているシーン、てっきりダイキチの頭かと思った。そして、急接近みたいな?うん、発想が薄い本だな。{/netabare}

7話の感想 ★★★★ 4.0
{netabare}家出!?

演出によっては重い話で悲壮感漂っていてもおかしくない内容だけど、この作品では良い意味で軽く感じる。どちらかと言えば、家庭関係が辛いというよりも、それでも頑張っている、という所が伝わってくる。
あと、こうきママ綺麗。{/netabare}

8話の感想 ★★★★ 4.0
{netabare}お墓参り

やっぱり、ダメダメの正子さんでも子を捨てたという罪悪感は付き纏うんだね。
ってか、ない方がおかしいか。
今苦しいか、これからずっと苦しいか、どちらがいい選択だったんだろうか?
あと、最後の「抱っこして」「嫌だ〜」の掛け合いは面白かった。{/netabare}

8.5話の感想 ★★★★ 4.0
{netabare}夏祭りに行こう

最後のシーンはBGMの効果もあって、凄い感動した。微笑ましくなる。
りんちゃんかわいすぎるわー{/netabare}

9話の感想 ★★★★ 4.0
{netabare}こうきくんと家で遊ぶ

最後のこうきママの表情は元旦那のことを憂いた表情なのか、それともダイキチにキュンとしたのか。
おそらく、前者だとは思いますが、私的には後者の展開を望む。{/netabare}

10話の感想 ★★★★☆ 4.5
{netabare}りんちゃんが風邪をひく

不器用なりに頑張って面倒をみるダイキチに感動した。もう子を思う一端の親だな。
そして、こうきもりんちゃんが辛そうだからいつもより静かにしているとこも、子供なりに分かっているんだなと胸にくるものがある。
自分の親もこんな気持ちだっのかな〜{/netabare}

11(終)話の感想 ★★★★☆ 4.5
{netabare}親の時間

親の時間がなくても大丈夫なもんかね?
今の私だとアニメや漫画、小説なんかを読む時間が無くなると考えるとなかなかに堪える。
親ってのは偉大だね〜
あと、こうきママ綺麗{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 22

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

家族が増えるよ!やったねりんちゃん!

ノイタミナ枠、「あの花」の好調な流れを受けて注目度も高く、その上で期待に応えていった強者な作品ですね
小学生編までということで、ドロドロした諸設定あるわけですが、それが出張ってくるのはまだ先の方、今はまだ、りんちゃんの幼少期に萌えていられる
有限ではありますが、つかの間の安らぎを感じることのできるアニメです


遺児の子育て奮闘記って、結構類似作品多い中で、この作品はやっぱ際立ってますね
と言っても、子育てというのを、なかなか実感しずらい、りんちゃんの年齢にも、大吉の年齢にも近くないこの身にとって、共感して見れる部分は少なく、良い話止まりなのが惜しいですね
逆に主に大吉に、近ければ近い人間ほど、その感動は人一倍であると思うわけです
ただ共感できる部分は少なかれど、りんちゃんが可愛い、こうきママが可愛いと言った、これは完全に深夜アニメ的見方なんですが、私のような者でも楽しめる余地は大いにあり、分け隔てのない作品でありますね

設定は非日常でありながら、キャラの言動は普遍な人の範疇を超えない
りんちゃんや麗奈ちゃんの声優に子役を起用するなど、リアリティの追及にも余念がないのも含め
高品質を保ったまま、11話と短かったですが、最終回を無事迎え、名作アニメ殿堂入りを果たした、このうさぎドロップ
4話りんちゃんのお遊戯練習シーンに「もののけ姫」「千と千尋」の安藤雅司氏、続いて5話正子さんの電話シーンに「人狼」「GHOST IN THE SHELL」の沖浦啓之氏他「ももへの手紙」作画スタッフが続々流入、9話には「魔女の宅急便」「電脳コイル」の井上俊之氏、
10話作監に「猫の恩返し」「パプリカ」の井上鋭氏と、そのテロップは凄まじい力を発揮し、研ぎ澄まされた日常作画に私もたじたじになりました
地味ウマ作画が次々に繰り出され、作画アニメと呼ばれるまでに昇華した作品でもあります

子供キャラには子役をあてがい、これが外れてないのがまた良いですね
うまいものですねぇ・・・松浦愛弓さんは10歳、須藤菜々子さんは9歳ですから、相当な驚きですよねぇ・・・
土田大さん、大吉役の声優ですが、この人もまた良い声、良い演技でもって仕事なさる
特撮声優としては有名ですが、アニメではあまりメインには聞きなれていない方なんで、その分もあって、先入観がなくナチュラルな印象で大吉を見れました
声優配役に関しては冒険要素が強かった気もしますが、難なくクリアしてますね

”明日の事は、わかんない!”
初め聞いて、PUFFYっぽいなと思ったら案の定PUFFYでした、結構アニメタイアップしてるんですねぇ
私は見たことがないのですが、彼女らがモデルの「パフィーアミユミ」なるアニメすらあるようですし、これなかなか
PUFFYらしい特徴的な曲で、一度聴いたら離れませんね、アニソンっぽいと言われると何か違う気もしますが、作品に合った良曲だと思います
プチプチしてるゆるいOPアニメも素敵

りんちゃんきゃわわ
コウキとかと一緒にいると大人びて見えるりんちゃんも、ダイキチと居る時はまだまだ子供だなと思えます
同世代の子と比べると落ち着きすぎているくらいの設定ですが、ダイキチホームでは可愛い所が見られて良いですね
金魚の糞みたいに、ダイキチにつきっきりな所が・・・全く小学生は最高d(ry
そしてもう一人、コウキママも人気高いですよね、どっちも好きという人も結構いるみたいで
ロリコンと未亡人好きってなんかセットな気がするんですよねぇ、気のせいですかね、だから何だって話ですが
ちなみにりんちゃんのクラスメイトのさやかちゃん登場以降、私の中のこの二大巨頭の構図が揺るぎましたね
服装も仕草も可愛すぎる、口隠すさやかちゃんきゃわわ


大吉に近い人間がより楽しめるんじゃないかとは先程言いましたが、よくよく考えてみると
うさドロって一体誰に向けられた作品なんでしょうか、やはりロリコn(ry
連載してたのはレディース漫画雑誌「FEEL YOUNG」だから女性向け?、疑似とはいえ親子な関係なので、お父さんお母さん向け?
私の考えでは、このうさぎドロップは、真に、万人受けする作品だと思いますね
萌えを感じない硬派アニメであるというのも一つの理由ですが、やはり幅広い層の人が年齢性別主義主張を超えて、多種多様な観点で楽しめるというのが大きいですね
ある特定の人が楽しめるだけの内容ではない、色々な見方の出来る作品
りんちゃんにブヒブヒするも良し
他人の子を預かる独身男の奮闘に感情移入するも良し
日常描写にほっこりするも良し
そこから子育ての大変さを学ぶも良し
”じゃあ君が面白いと言うそのアニメを親に見せてみろよ”と言われた時、なかなか言い返し難かったのですが、この作品ならそれが出来ます
寧ろ、積極的に親に見せれるような、そんなアニメであるのです
このように色んな人に楽しんでもらえる、本来あるべきアニメの姿の具現を現した「うさぎドロップ」
なべて、世に押し広めるべき作品であると言えましょう

投稿 : 2025/02/01
♥ : 30

90.1 2 ほのぼので感動なアニメランキング2位
夏目友人帳(TVアニメ動画)

2008年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (5010)
23730人が棚に入れました
魔妖怪が見える少年、夏目貴志はある日祖母の遺品である「友人帳」を手にする。しかし、その「友人帳」は祖母・レイコが負かし、名を奪った妖怪の名が書いてある契約書だった。
それ以来、名を返してもらおうとする妖怪達から狙われるようになってしまった夏目は、とあるきっかけで用心棒となった妖怪のニャンコ先生と共に、妖怪達に名を返す日々を送りはじめる─。

声優・キャラクター
神谷浩史、井上和彦、小林沙苗、石田彰、堀江一眞、伊藤美紀、沢城みゆき、木村良平、菅沼久義、藤村歩

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

やさしく、ゆがんだ夢の国

 夏目友人帳について、人と話すのはなんだか、難しい気分がある。
 視聴した後の感覚は、とても良い。いいものを見た、という気分になる。しかし、冷静に考えてこの内容は、どう評価できるのか。わたしはなんだかよくわからない気分になる。
 この作品は、かなり、ゆがんでいるとも思うのだ。

 夏目友人帳、の最大の発明は、いうまでもなく「さみしさを抱えたやさしい存在」として、妖怪や八百万の神々を描いたことにある。
 『ゲゲゲの鬼太郎』にはじまり『ぬらりひょんの孫』『蟲師』『モモノ怪』『かみちゅ』『千と千尋の神隠し』『うしおとトラ』など、妖怪や八百万の神々の蠢く異世界の想像力を描いた話は数多いが、妖怪のほとんどを寂しさを抱えた存在として、描ききるという立場を徹底した夏目友人帳のやはり、きわだった独創性をもっている。
 そして、このポジションをもとに書かれる物語のパターンはこうだ

1.妖怪の「弱さ」を、悪行の原因として描きつつ
2.一方で、その「弱さ」があるからこそ、そこに対する解決として主人公・夏目が優しさを発揮する経路が与えられる
3.そして、夏目の優しさで妖怪を包み込んで一見落着。

 これが、夏目友人帳、の定型的な物語のパターンだ。
 これは、いったい何なのか、ということを思うのだ。

 単に、見終わった感想だけで言えば、とても優しい物語でした、という話になる。

■「都合のいいように解釈する」ことの是非
 
 ある特殊な設定をもとに、ご都合主義的に、心理描写をワンパターンに行っていく作品というのは、けっこうひっかかりを覚えることもすくなくない。アニメ作法のキャラ描写(たとえば、釘宮ツンデレキャラ)が心理描写がザルでもいいが、明確に心理描写をしようと志向しているにもかかわらず、その水準がザルなものは、見るに耐えない。
 しかし、夏目友人帳には、そういう苛立ちをまったくといっていいほど覚えない。これは、不思議なことだ。夏目友人帳の世界観も、わたしは冷静に考えれば、歪んでいる、と思う。冷静に考えれば、ご都合主義だ、とわたしは思う。心理描写はワンパターンだ、とわたしは思う。
 しかしながら、夏目友人帳には、わたしは、イラつかない。

 夏目友人帳の、主人公「夏目」によって眼差される世界は、歪んでいる。ごく都合がよく歪んでいる。世の中には、もっと素朴に嫌な奴もいるし、10代の少年は、そんなに相手のことをきちんと思いやる能力があるわけではない。夏目の世界は、少年であるにもかかわらず、少女漫画の夢の国――すなわち、誰もが誰かを思いやる夢の国――だ。
 だが、それは極めて優しく歪んでいる。
 解消し得ない敵意というものが、夏目の世界には無い。
 夏目は、人の敵意に対して実質的には強者だ。ほとんどの場合、友人帳とにゃんこ先生を用いれば、ドラえもんの道具よろしく、最終的には妖怪の悪意を包み込んでしまうことができる。
 強者ゆえに、保つことのできる、優しく歪んだ世界なのではないか、とも思う。

■博愛主義、は人をそこまで幸せにしてこなかった

 人の悪意や悲しみに対して、距離をとってよくよく眺めてみると、人の敵意を好意的に解釈してやれることは、少なくない。
 「あいつは馬鹿だ」「あんな奴、死んでしまえばいいのに」
 そういう人をきちんと観察してやると、その人の中のいろいろなものが見えてくる。嫉妬。こだわり。守らなければいけないもの。成し遂げたいこと。
 しかし、そういう愛すべき部分が見えてきたとしても、多くの場合、現実のわたしにはその悪意や悲しみを実質的にどうにかしてやることは、ほとんどできない。どうにかしてやろうと、思っても、わたし自身もまた敵意の対象となり、悲しみをより深めてしまうようなこともある。博愛主義的なことを実行に移そうと努力した人であれば、あるほどに、そういった無力と至らなさを噛み締めることは多いだろう。
 たとえば、長年、福祉職をやっている人などは、そういう無力と日々、たたかう中で、その無力をめぐって悲しみを深めていくような人が多い、と思う。

 博愛主義は、そこまで明瞭に人を幸せにしてこなかった。これは明確な事実だ。
 たとえば、素朴な博愛主義者は、限られた資源を有効活用するような経済合理的な思考をうまく展開することに失敗することがよくある。博愛主義よりも、「で、それで儲かるの?」という思考のほうが人を幸福にしてきたことは数知れない。※1
 たとえば、人間の心理洞察能力を低めることがある。素朴な博愛主義的世界観だけで生きている人は、恨みと悲しみに支配された人の世界観を理解することが難しい。「そんなこと言わないでさ^^」とか軽々しく言ってしまう博愛主義者は腐るほどいるが、そういうタイプの博愛主義は、はっきりと言って「相手のことをわかる」ことに失敗しがちだ。

 ぶっちゃけて、いえば、博愛主義者というのは「うざい」ことが多いのだ。
 「アンタの、その、なんでもわかってますよ。ワタシは、あなたのことを助けられますよ、っていうそのおごりが、わたしにとっては、何よりもムカつくんだよ!あんたはワタシのことを、何っにもわかってない!あんたが、わたしに何をできるって言うのよ!!!」
 という、ことを親に向かって叫んだことのある十代の少年少女は、それこそ、数えきれないほどに、この世にいるだろう。この台詞は、親子ドラマでは、テンプレの一つと言ってもいい。

 ほとんどの、博愛主義の試みは、相手に対して与えてやれる資源の少なさや、相手の心情を忖度する能力の欠如によって、失敗を経験する。成功もするが、失敗のほうが多いだろう。
 こういう優しさが、限界含みである、ということを認識したうえで、多くのひとはまた別の道を探っていくものだろうと思う。
※2

■妖怪だからこそ、うつくしい

 そして、夏目友人帳は、やはり、夢の世界のはなしである、とわたしは思う。
 博愛主義が、実行可能な、夢の世界。
 相手の心理観察能力に優れ、相手の求めているものを与えてやれる、という歴史上の博愛主義者たちが、もとめて決してかなわなかった夢の世界。その理想郷を描いている、ということが夏目友人帳の多幸感の源泉なのではないか、という気がする。うがった見方をすれば、これが妖怪ではなく、人間を対象としていたら、こういう表現はそもそも難しかったかもしれない。
 人間同士の心情のスレ違いを描く少女漫画では、たくさんの醜いいざこざがきちんと描かれることがある。そして、それはぜんぜん美しくなんかない。だけれども、夏目友人帳は、妖怪と人間の話だ。だからこそ、人間同士の話を見ているよりも、フィクションの美しさに塗れることができるのではないか。

 夏目友人帳が、「ウザい」はずの博愛主義でありながら、感動を覚えるのは、夏目の心理洞察が、一度も失敗しないからだ。
 あるいは、たとえ、それが失敗したとしても、おせっかいなうざったさに繋がることがないからだ。
 そして、その世界は、現実ときわめて似ているようでいながら、妖怪の話であるゆえに、そのご都合主義が、実に気持ちよくみられてしまう。

 こんな幸せなことが、あればいい、と思う。

 そんなことを思いながら、毎回楽しみにしている。
 こういうご都合主義を、ご都合主義だと知りながら、観ていられるのは幸せなことだと思う。これが、どうしようもなくご都合主義だとしか思えなくなってしまったら…たぶん、それは、つらいことだ。


 




■脚注

※1 と、いいつつ、これと反対のことを放浪息子、のレビューでは書きました。わかりにくい、ことをわかろうとすることの意味も、あるんだよ、と。

※2 ただ、人のこころを忖度すること要請される商売というものもある。
たとえば、コンサルタントや、臨床心理士(カウンセラー)といった職業がそれにあたる。
ただし、結局コンサルも、カウンセラーも人のこころを完璧に忖度することはできない、ということをよく知っている。
よく知った結果として、「傾聴する」能力を高めたり、相手に対して「あなたはどうしたいの?」と決断をせまるといったような方法論を発達させることになる。結局、人のこころを完全に忖度して博愛主義が実行できないということは明らかなわけだ。
では、どうするか。
相手の意図はわからなくても、相手の「意図」とズレが発生しない状況はある程度つくれる。相手にとって納得性がある状況を作ることはある程度できる。そういうところに落ち着いたわけだ。というか、そのような状況を作れるだけでもすごいことだと思う。
ほとんどの場合、相手の意図との調整は失敗することのほうが多いし、わたしの意図を忖度してもらおうとしてもそれが理解されない場合のほうが多い。基本的に、わからんのである。
わからん。

(あと、完全に余談だが、先日、とある有名なコンサルの方とご同席させていただいたのだけれども、クライアントに対して「で、あなたは何がしたいんですか?僕は意味がわからないですよ。はっきりしてください!」みたいな感じで叱りつけるようにして、コンサルティングをなさっていて、なるほど、クライアントの納得を生む商売のやり方というのは、相手に優しくするばかりではないのだな、と学んだ。しかし、叱りつけるようにして、相手の納得を生むやり方がいいのかどうか、というのも、なかなか何なんだろうな、と複雑な気持ちもしつつ、世の中というのはなかなかすごいことになっているな、と思った。)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 32
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

夏目とギンコ

ふと思い立って、「蟲師」と「夏目友人帳」を
一話ずつ、交互に視聴している。(現在は第8話あたり。)
先に観はじめた「蟲師」の幽遠な世界に感嘆しながらも、
極度に稠密なストーリーと、重く張り詰めた空気にやや疲れを感じ、
別作品で中和して気分転換を図ろうというわけだ。

「夏目」を選択したのは、同じ和テイストのファンタジーで、
かつ親しみやすい日常系というイメージがあったからだが、
実際、無機的かつ即物的な感触の「蟲師」と比べると
妖たちまでが何とも人間臭く、ほっこりした気分になれる作品である。
以下、両作について思うところを簡単に書きとめておきたい。



{netabare}「友人帳」をきっかけに始まった、主人公夏目と妖との交流の周辺に
人と妖とが描き出していく心模様には、いくつかのパターンがあるようだ。

一方の心の側には淋しさや人恋しさが募っている。
もう片方の側にはそれを包もうとする温かい心が置かれている。
そして、ずっと残されていた"想い"が最後の瞬間に叶えられ、
片方ないしは双方が満ち足りて消えていく、という結末、など。

そうした心の交差を目の当たりに見た時、夏目が感じる切なさ、愛おしさは
孤独だった彼の心に反響し、増幅されるかたちで視聴者に伝わっていく。



ストーリーの核心となっている、夏目の「孤独」。
それは、彼にとって「友人帳」がもつ意味に結びついており、
妖に名前を返すという、危険なだけで何の得もない行為の動機を説明する。

名前を返すたび、レイコの記憶が思念となって流れ込んでくる、という。

「友人帳」によってレイコの過去を追体験しようとする理由は
早世した祖母の孤独な人生への哀慕の気持ちばかりではなく、おそらくは
レイコの過去がそのまま、彼自身の過去でもあるからなのだろう。

原作コミック第五話の「時雨と少女」(アニメ第四話)に重要なセリフがある。
妖にさらわれた生徒たちを置いて帰ろうとする先生とのやり取りの場面だが、
アニメでは端折られているので、原作の方から引用する。

  おまえ、あまり人間(ヒト)が好きではないだろう
  他人(ヒト)など放っておけばいい

これに対する返答は、原作ではこのような強い意志の表明になっている。

  …おれはそこで逃げてはいけないんだ、先生

  「友人帳」には、人に見切りをつけた
  レイコさんの悲しみがいっぱい詰まっている

  (―それに 人の優しさも 可愛さも
   わかってきたんだ 少しずつだけど)

  だからやれることはやりたい だから先生…

夏目がレイコに自分を重ね合わせていることがはっきりと判る。
また、夏目の人間嫌悪が相当根深いものであったことも。

この世ならぬものが見えてしまうことで孤独を強いられ、
ある意味、運命に翻弄されてきた受動的な過去を清算するための
能動的な手段、それが彼にとっての「友人帳」の意味であり、
レイコの過去を引き受けることは、自分の過去にも決着をつけることなのだ。



例えば、こんな想像をしてみよう。
仮に、すべての名前を返し終えて「友人帳」が空っぽになる時が来たとして
その頃の夏目は一体どんな人間になっているのだろうか―。
少なくとも内面的には、以前とは全く別の人間になっているに違いない。

ごく自然にそう予測できるのは、この物語の構造のためである。
未来に定められているこの終点が、予見的に物語に内在しているために、
日常のエピソードのすべてが、夏目が成長してゆくプロセスとなっているのだ。

過去と向かい合い、未来を模索する。そこに夏目の"現在"がある。



考え過ぎなのだろうが、何となく自分は
ここに一つの生き方が例示されているような気がしてしまう。

前だけを向いて迷わずに突き進む、積極的な人生があるなら、
過去を振り返り、迂回しながら、人よりも緩慢に進んでいく人生もあるはずだ。
勿論、彼は意識してそうしているわけではないのだが、
一般に、彼のような内向型の人に共通する心性はそうした生き方に向かわせる。

もしかすると、この作品が強く響く人の中には
こうした部分に無意識に共鳴しているケースがあるのかも知れない。
「夏目」の"癒し"は、案外に奥が深いのではないかと思う。



折角なので、「蟲師」の場合も見てみよう。

「夏目」では正常に定位している過去・現在・未来が、
こちらでは"蟲"の作用によって根本から秩序が揺らぎ、"現在"は失われている。
(時間の流れの外に取り残される第1話。始原の闇に閉ざされる第2話。
 夢で予知された未来が現実の中に流出する第4話。などといった具合。)

だが、それは何も時間に限らない。現実そのものが揺らぎをはらみ、
境界がぼやけて曖昧になっているのが「蟲師」の世界なのだ。
内部と外部。可視と不可視。ミクロとマクロ。生命と無機物。生と死。
"蟲"はこれらのあわいで、対立するものを弁証法的に媒介しているようだ。

「蟲とは、生と死の間にあるものだ。
 人を指すもののようで、物質を指すものでもある。
 死にながら、生きているようなもの、・・・」(第5話)

そう語るのは主人公の蟲師、ギンコだ。
彼はそんな世界に秩序を回復する存在である。
時間の観点から見れば、"蟲"に取りつかれて遊離した"現在"を取り返す存在。
その意味で彼は時間を超越した、絶対的な"現在"だと言ってよい。
(作中で彼一人だけが洋服であるのは、この事実を記号的に表象するようだ。)

同様に、異形の原始生命体である"蟲"もまた、時間を超越して遍在する。
この両者の絶対的な存在性には「神」のイメージすら仮託できるようだ。
それによって人間のドラマは相対化され、どこか影絵のような"現象"に還元される。



「蟲師」が海外でも評価が高い理由は多々あるだろうが、
このような人間の描き方に、日本的な美学が感じられる点も大きいと思う。
"現象"にも似た人間の存在の儚さを掬い取り、抒情的に描く部分にこそ、
おそらくは本作の真骨頂があるのではなかろうか。

(日本的、という言い方はあるいは不十分かも知れない。
「自然」という広大な生命の宇宙の、ごく微細な一部分でしかない人間。
この原感覚は、東洋的な世界観に根差したものであるし、
あるいはこの、いわば汎生命的でありながら同時に"無"("死"ではなく)を内包する
世界像が"蟲"の原イメージであるとすれば、それは東洋的と呼べるものだろう。)

儚げな印象はまた、「夏目」からも濃厚に感じ取られる。
作中に登場する廃線の駅、ダム湖に沈んだ村などは示唆的だ。
忘れられたものたちが束の間、姿を現し、また忘却の彼方に沈んでいく。
そもそも妖怪とは、人々から忘れられ、零落した古えの神々だとされている。

我々の背後に存在し、消えていった無数の、ささやかな時間の堆積。
そこに思いを馳せ、沈思に誘うような、どこか静謐な世界が両作の持ち味だろう。



とは言え、作風の相異もまた歴然としている。
青年漫画と少女漫画という、出自の違いは隠しようもなく明白だ。

「蟲師」という作品の凄味は他に類のないものであって、
非現実の存在である"蟲"の生態と、人間との関りを異常な現実感で描き、
私見では、広義の「幻想的リアリズム」の系譜に位置づけるべき作品だと思う。

単純に比較すれば「夏目」はやはり、"夢みられた優しい世界"に映る。
そこに少女漫画の限界を見る見方も確かに可能だろう。だが、
この作品の"優しさ"が視聴者に求められ、支持されていることは事実であり、
それは魅力でこそあれ、否定される理由には決してならないのである。{/netabare}



作風は大きく異なるが、視聴後の充足感は両作ともに深い。
「夏目」には心を潤され、「蟲師」には魂の深部を揺さぶられる。
こうした手応えは昨今のアニメにはまず求められないものだろう。
自分が旧作メインにならざるを得ない所以である。

「蟲師」については、よく言われるように、
一話一話が一篇の短編小説に匹敵するほどの濃密な内容を含んでいる。
それで得心がいくまで観返してしまい、完走は先伸ばしになっていくのだが、
いずれ単独で取り上げる際には、上記の着眼点を発展させた
"考察"もどきを試みたいと思う。まあ、需要はなさそうだが…。

2022.12.15 投稿

投稿 : 2025/02/01
♥ : 17
ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

=には、ならないけれど 【78点】

祖母が作った妖怪の友人帳を通じての、主人公・夏目と妖怪たちとの交流を描く、ハートフル妖怪奇談。

【○良い点】 3つ
①=の入らない想いの美しさ
②各話の安定感:この雰囲気の良さは、マンネリではなく様式美と呼びたい。
③ニャンコ先生:飼いたい、手なずけたい、えびフライあげたい。
 声と動きがついて、より魅力的になったと思う。

【△少し残念な点】 1つ
①感動がお手軽な回も存在:1話完結だから感情移入はしづらい。
②タキが出ねえええ:原作の順番も忘れて勝手に期待してた私が一方的に悪い。

【×悪い点】 1つ
①妖怪にまで拡大した性善説とヒューマニズム


正直、ちょっと評価に困る作品です。
得られる感動がインスタントな場合が多いことは、否定できません。
加えて、ひたすら人間的で優しい妖怪との関わり方には、居心地の悪さを感じます。
でも原作も14巻くらいまで読んでるし、好きなんです。
美しいストーリーの連なりと、穏やかな雰囲気を支える音楽・作画・声優といった技術面は、低評価のしようがありません。
何より、込められる想いと返される熱量の残酷な不等号が切なさを呼んで、一瞬の涙腺への攻撃力は凄まじいものがあります。


■妖怪にまで拡大した性善説とヒューマニズム
{netabare}
そもそも論になるけれど、妖怪という概念って、昔の人々が人知を超えた自然の営みや漠然とした恐れを説明しようとして作り上げたものだという説があるようです。
その来歴が真実であれば、妖怪は人とは根源的に異質なものであるはず。
関わり方によっては共存もできるし、望まなくても互いに害を及ぼしあうこともある、突き詰めれば人とは絶対に相容れないものとして観念される存在ではないかと。

事実、従来のスタンダードな妖怪は、怪談においては言い知れぬ恐怖の対象であり、少年漫画では駆除すべき敵でした。
変化形として、共闘が可能な隣人として扱ったり(ex.うしおととら)、その発生の根源を人間心理に求める(ex.モノノ怪)アプローチはある。
それでも人の論理と妖怪の論理には絶対的な亀裂が存在して、両者が幸福な結末に落ち着くとは限らない。
そうした妖怪の他者性を最も端的に描き出したのが、人と蟲の距離を「ただそれぞれあるようにあるだけ」と定義した蟲師だと思います。

翻って夏目友人帳の妖怪って、行動原理が完全に人間のそれなんですよね。
大切なものがあって、でもそれに届かなくて、傷ついたり嘆いたりする。
夏目に対する敵意も、結局はその弱さの発露の一形態。
だから夏目の、ごく人間的で優しいアプローチで、最終的に問題が解決されます。

このメカニズムを支配しているのは、妖怪の心を重んじて人間愛を実践すれば、本質的に善である妖怪を痛みから解放できる、という発想。
要はヒューマニズムと性善説を、そのまま妖怪に適用しちゃってるのです。
その前提には、人間と妖怪は理解しあえるという、従来とは180度異なる妖怪観があります。
余談として、こう考えると、夏目とちょくちょく比較される(からさっき引き合いに出した)蟲師、方向性は真逆だよね。

で、この妖怪観、自然と親しみつつも「畏れ」という距離感を忘れなかった神道的自然観ではなく、自然は全て理解・改変可能なものという西洋近代的な価値観に基づいたものに思えます。
(西洋東洋の二元論とかステレオタイプ過ぎないかと言われればその通りです、学識無くてすみません)
ついに妖怪まで人間的なものに内包、というか限定しちゃったのか……。
夏目的な妖怪の捉え方に、人間中心主義的な傲慢さと自然観の一極化、あと民話的想像力の減退を見てちょっと寂しくなります。
私が「古き良き日本」の幻想にとらわれ過ぎているのかな?
でもやっぱさ、もう(妖怪である必要)ないじゃん……。{/netabare}


■=の入らない想いの美しさ
{netabare}
なんか酷評気味になっちゃってて自分でも驚いてます。
これはフェアじゃないし好きな点を全く語られていないので、褒めたいです。

……褒めたいんだけど、どう褒めたらいいんだろう?
ニャンコ先生が可愛い、藤原夫婦や友人たちが良い人過ぎて泣ける。
急がずゆったり使う「間」の表現と穏やかな作画、吹き渡る風のような音楽の作り上げる雰囲気に癒される。
夏目や妖怪たちの想いが、少女漫画原作ならではの繊細さで描かれている。

うーん、月並みというか、微妙に届けられない。
私が込めたい熱量と、読んでいただいて伝わる想いに差ができてるはず。
でも実は、こうした届けたいモノと届かないモノの差の美しさを、本作は描いてくれているのではとも思います。

露神さまも燕も蛍も、人間に対する想いはとても深いです。
その逆のベクトルとして、人間から妖怪たちへの想いも確かに存在します。
でも、方向の相互性はあっても、人間には妖怪が見えないのだから、その想いの重さには冷酷なまでに差がある。
では、見えていればいいのかというと、実はそうでもなくて。
柊や、レイコさんに振り回された妖怪たちの想いも、主従関係やレイコの死によって一方通行なまま。
結論として、妖怪と人間の想いの間には、決して=が入りません。

それでも。
それでも、妖怪たちは想いを届けようとします。
例え自分が想うほどに相手に想われなくても、ただひたすらに伝えたいから。
そして、ほんのわずかな反照に満ち足りて、あまつさえ消え去ってしまったり。
こっ恥ずかしいことを書くと、これ、片思いの美しさに通じるものがありますよね。
成就しない想いへの共感というか、滅びの美学というか。
とにかく、面の下の微笑みやパタパタと振る着物の袖の美しさ・切なさには、天を仰いで目からこぼれる汗をこらえることを余儀なくされることしばしでした。

以上、己の筆力不足をいいことに我田引水を試みましたが、果たして伝わったかどうか……。
1話ごとの連作短編なので感動がインスタントに陥る回もあり、優等生的なインパクトの弱さは明らかに欠点ですが、ツボにはまるといきなり泣かせに来やがります。

ということで、若干の不満はあれど、万人に勧められる良作としてしまっていいでしょう。
時間があれば2期以降にもチャレンジしたい作品です。
ヒューマニズム全開でともすれば偽善者にも見える夏目が、友人帳と先生という優位の効かない人間の仄暗さに触れて、妖怪と人の間で揺れ動く姿を、丁寧な演出で観たい。
動くタキにもぜひお会いしてペロペロしたいですしね(・ω・)ブヒ
ただ4期は長いんだよなぁ……。
結局途中で止まってる漫画の方を優先しそう。~ {/netabare}


【個人的指標】 78点

投稿 : 2025/02/01
♥ : 27

89.1 3 ほのぼので感動なアニメランキング3位
続 夏目友人帳(TVアニメ動画)

2009年冬アニメ
★★★★★ 4.1 (2369)
13716人が棚に入れました
妖怪が見える少年・夏目貴志は、ある日祖母の遺品の中から「友人帳」を見付ける。この「友人帳」とは彼の祖母・レイコが妖怪をいじめ負かした結果、奪った名を集めた契約書であった。

それ以来、名を取り戻そうとする妖怪達から狙われるようになってしまった夏目は、とあるきっかけで自称用心棒の妖怪、ニャンコ先生(斑)と共に、妖怪達に名を返す日々を送り始める…。

声優・キャラクター
神谷浩史、井上和彦、小林沙苗、石田彰、堀江一眞、伊藤美紀、沢城みゆき、木村良平、菅沼久義、藤村歩
ネタバレ

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

Aishiteru.

季節は冬へ
辺りが寒さに包まれても作品の持つ暖かさは変わらない。
いや、寒い冬だからこそ、想いの温かさがより強く感じられるようになっている。
基本1話完結式だけど
夏目とにゃんこ先生のやりとり、友達や家族とのつながり
巡る季節とともに少しずつ深まっていく絆がしっかりと描かれていて
見てるこちらも穏やかで暖かな気持ちになる。
1期1話、西村たちに最初は変な奴だと思われていたけど、続ではいっしょに
勉強合宿に行っていてとても嬉しかった。
妖怪に関する理解者と、知らずとも仲良くしてくれる友
どちらとも巡り会えた夏目は幸せだね






以下、印象に残った回の感想。



雛の回と10話
{netabare}
雛の可愛さや
ささっと着物を作ってしまう夏目の器用さと女子力の高さ
だけに目を奪われてはいけない!
一生懸命作ったたい焼きを
夏目に美味しいと褒めてもらったときの塔子さんがそりゃもう可愛くてね
2期になって可愛さが倍増してます!
その代わりに滋さんはぜんぜん出なくなってしまったけど…


と思ってたら10話でがっつり出演なされた。この回はさほど作画を気にしない自分でもその気合いの入りっぷりが伝わってきた。
階段を駆け下りるシーンなどの動き
表情の変化
色づかい
思い出の夏の雰囲気
初代デジモンで太一とコロモンだけが現実世界に戻った回を思い出した

レイコさんは藤原家に来たことがあったんだね。
「暖かくて良い家、こんなところに住めたらきっと幸せね」
切ない…
人間は嫌いだと言っていた彼女も本当は普通の幸せを望んでいたのだろう。

風鈴を見ているところは13話の最後のシーンにつながってるのかな?


しかし
良い家だと感じるのは人も妖もいっしょのようで……カリメに夏目が喰われてるシーンは衝撃だった!
本格的に食べられたのはこれが初めてじゃないか?
にゃんこ先生が駆けつけてくれてよかった

にしても全く同じ手でやられるとは……記憶や感情はあっても学習能力は無いみたいだ。いや、あいつに学習能力なんてあったらたまったものじゃないけど。

{/netabare}


5話{netabare}はお気に入り
ARIAの
謎をときながら小径を探検する話を思い出した。
その他にも
ヒノエとレイコさんの回想
アイキャッチのロデオマシンに乗るにゃんこ先生など見どころ多し!

周囲とは打ち解けてきたけど、夏目はまだ自分から人に頼るのは慣れていないみたい。大切な人たちに心配かけたくない
って気持ちがあるようだけど
大切な人だからこそ心配になるんだよね
{/netabare}



6~8話
{netabare}
にゃんこ先生、すずめ使わなくても空飛べるじゃないですかー!それともにゃんこの姿で飛びたいのかな?
依代だと普通の人にも視えるからすっごい目立ちそうだけど

そして満を時してのサトリナ(多岐)登場
優しい声質はこの作品にぴったりですね!
CVサトリナだし、たしかに多岐は可愛いんだけど
夏目や美しい女性の姿をした妖怪たちを見慣れてしまった立場からすると
いまいち西村みたいに盛り上がれなかった。あとたぶん塔子さんが可愛いのも原因のひとつ。


そしてここにきて初の
1話で完結しないパターン!さてはキーストーリーだな
新キャラ登場や
出てくる妖怪の恐ろしさも印象的ですが
なにより重要なのは

ひと時とはいえ
妖怪が見えなくなること

螢の話でも一度出てきたテーマ
「昔はそれを望んでたはずなのに
今はイヤだなと思ってしまった」

そして今回、実際に見えなくなって寂しいと夏目は感じた。
今まで辛いことも多々あったけど
ここに来て
優しさに触れて
出会いと別れを繰り返して…
いつか夏目にも思う日が来るのだろうか
そんな不思議で暖かな日々が
かけがえのないものだったと

にゃんこ先生が夏目の寝床を護るようにぐるりと囲んで寝ているシーンはたまらなく愛おしい、屈指の名シーン!
EDの曲はこの前後編の話ともつながってたんだね…


次の話

人魚を食べれば不老不死になれたのに惜しかったなと話すにゃんこ先生。
そうしたら友人帳は一生手に入らないぞ?と冗談めかして夏目は答えたけど…

それに対する先生の反応から察するに
にゃんこ先生は夏目とずっと一緒にいたいと思ってる、ってことだよね。
妖怪と人間の生きる時間の違い…
ここまでの話では語られていないけど、きっとレイコと斑は他の妖怪以上に仲がよかったんだろうな
さっさと喰って友人帳を奪うことだってできるだろうに、それでも夏目の側にいるのはレイコに頼まれていたからかな?
最終話のセリフ「遺品を引き取る者など居ないと思っていたから友人帳を預かろうと思っていたが、これで良かったのかもしれん」
預かると言っている。
いつも口ではああ言ってるけど、本当は友人帳を悪用する気はないんだろうな。
{/netabare}


9話
{netabare}
失った人の影を追い求める妖の話
大切な人が亡くなったと考えられない、考えたくない、その思いが作り出した怪異的な絵画
自分の命を吸っている存在を身を呈して守るとは…夏目はどこまでも優しい
 ともに桜を描いているシーンは自然と涙が溢れてきた。

いろいろな場所を絵とともに旅をしたことは忘れない
5話の夏目が言った「見たこと、感じたことはきっと消えはしない、忘れはしない」ってセリフと重なる

塔子さんに春地蔵とのやりとりを見られたときや、カリメを祓ったときの滋さんの対応を見て思ったけど
夏目は隠そうとしていても、藤原夫婦はきっと解ってるよね
だけど夏目が打ち明けないのなら
その気持ちを尊重しよう、みたいな

{/netabare}




11話
{netabare}
夏目が他の術師たちに比べて、強いことが明らかになった
斑も位の高い妖怪なわけだし、普段はのんびりしてても
実際かなり強力なコンビだよね
大きな霊力の持主となんだかんだいっても心強い用心棒

夏目は自分が辛い経験をしてきたぶん、相手の辛さも汲んであげられる。それに加えて
強さが優しさにつながっている部分もあるのかもしれない。
自分勝手で粗野な悪霊たちとは違い
リオウや三つ目の妖怪、ちょび髭の妖怪など強きモノはみな気品がある。


夏目と同じく視える存在であっても
力の弱い術師たちは基本的に妖怪を恐れているのかも
{/netabare}


12、13話
{netabare}
人間も妖怪も神様も
孤独が寂しいのは変わらない。
別に寂しくなんかないと思ってる人はただ強がっているだけか、または真に孤独ではないのだ。
カイを見ていると
ホロを思い出してしまった

科学技術が発達して信心深さが無くなりつつあるのかもしれない。
先日、UFOやUMAの特番をやっていたが
今の時代CGでどうにもできるだろ?と思ってしまったし。
それ以前に、あの番組はすでに偽物だとわかっているものまで不思議な映像として放送してたし、残念なものだったが。
NHKで栗山千明がナビゲーターしてる番組のほうがよっぽどマシだ。その番組で取り上げられていたものにコティングリー妖精事件というのがある。
詳しく知りたい人はググって欲しいが大まかにはこんな感じ。
 
 20世紀の初めころ、イギリスの片田舎に住む二人の少女が撮影した妖精の写真。かの有名なコナン・ドイルが本物だと認めたことから世界中の注目を浴びた。しかし数十年が経ち、ある記者が当時に事件を知って本人に取材したところ、偽装した写真だったと認めた。想像以上に大きな事件となり、真相を語ることが怖くなってしまったのと
ドイルの名誉を守るためにこれまで黙秘していたらしい。(語ったのはドイルの死後)

 真相が語られる前から写真に関する疑問点が挙げられたり
コナン・ドイルが神霊学を熱心に研究する心霊主義者だから、写真を本物だと思いたいだけなのではないか?などと批判されたらしいが
生前、ドイルは娘にこう語っていたらしい。
「二人の少女が嘘をつき続けていることが信じられない」
不可思議な存在を信じたい気持ちがあったのかもしれないが、それ以前に彼は少女たちを信じたかったのだ。
そして少女たちはドイルのことを思い、黙秘を続けた…。

 そもそも彼女たちが偽装した理由は
妖精を見たと言っても周囲の人は信じてくれず、写真に残せば信じてもらえるかもしれないと思ったそうだ。
写真が偽装だと語っても妖精を見たことは真実だという主張は曲げなかった。そして5枚目の写真は本物の妖精が撮れたとも…!
(たしかに見たところ写真の中央に謎の渦巻き状のものが写っている)

 少女が悪戯で撮った妖精の写真も今の時代では信じる人がいないだろう。
いろいろと科学で説明がついてしまい、不思議な存在を信じなくなってしまうのは寂しい…そして不思議な存在を主張する人を信じないことも…。(もちろん、中にはただの構ってちゃんが偽装した紛い物もあるけど)

 なにより神様からしたら信仰心を持ってなくとも、ただ人がお参りに来るだけで嬉しいのかもしれない。
そんなことを思った。

{/netabare}



【感謝するぜ、この曲に出会えたこれまでの全てに!】

「愛してる」はまことに素晴らしい!こんなに優しさを感じた曲は本当に数少ない。
他に知っているのはミスチルの「sign」くらいだ

イントロが流れ出しただけで涙しそうになる程の感動!
できるならば世界中の人々に叫びたい!!
これが夏目だ!!
夏目友人帳という作品を音楽にしたらこうなる!
と…

良い作品は劇伴やテーマソングも良いことが多いと思っていたけれど、作品が気に入れば その世界観を表現しようと奏でられた音楽も好きになって当然なのかもしれない。
 ただOPは少し賑やかすぎるかなと思い、EDほどは気に入らなかった。けど、夏目の周囲にそれだけ仲間が増えたっことでもあるのかな。そう考えると顔が綻ぶ。
どちらにしろ
劇伴は一期と同じく素晴らしいし、なによりEDが最高に響いたので音楽は☆5つです!

【結び】
夏目は恐ろしい妖怪を多く見てきたけれど、心優しい妖怪たちにも多く出会っている
それは妖怪だけでなく人も同じ。
だから彼は人、妖怪に囚われず
しっかりその個と向き合おうとする。
とても危なっかしいけど、にゃんこ先生がいるから大丈夫(たぶん)
この先も優しい彼が紡ぐ
不思議な出会いと別れの物語を観ていきたい
ほんとこの作品好きだ、原作買おうかな…

投稿 : 2025/02/01
♥ : 11
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

夏目友人帳 冬の章

1期は夏~秋のお話でしたが、2期は冬から始まります。
冬の物語らしく、儚げでしっとりしたお話が多かった気がします。
また、人と妖の関わりについても1期よりもさらに考えさせられるお話が多かったです。
その答えは、1話の貴志の言葉にあるように思いました。

あにこれで出会った方々との交流も、とても貴重でかけがえのない時間なのかもしれませんね・・

1期もそうでしたが、タイトル画が味があっていいですね。
それから毎話のラストからEDへの入りは相変わらず良いです。
それと、雪の降る道を最初一人で歩いていて、いつのまにかみんなと一緒に歩いてる絵も好きでした。

あと忘れちゃいけないのが、にゃんこ先生♡
コミカルで憎めないキャラが相変わらず良いアクセントになってます♪
各話のレビューは以下のとおりです。

1話
{netabare}人に封印されていた森の主。
昔、人に助けられた主は人が好きになるけど、人によって封印されてしまい・・
貴志に封印を解いてもらった主は昔助けてくれた人に会いにいくけど・・
人の一生は短い。「つかの間の出会いと別れ。その刹那を一つ一つ大切にしていきたい」
貴志のこの言葉が胸に残りました。{/netabare}
2話
{netabare}狛犬の中にいた妖ゲンに大切な仲間スイを砕いた悪霊を封印したいと言われて。
でも実はその悪霊の正体は人にひどいことをされて悪霊になってしまったスイで・・
元々、二つの妖は人を思い人を助けていたのに。
ラスト、抱き合ったまま光となって消えて行った妖たち。悲しいお話でした。{/netabare}
3話
{netabare}名取再登場。温泉旅行に誘われて、にゃんこ先生と行くことに。
嘘をつくのに疲れたら、私のところにおいでと名取に言われた夢を見て。
話したいことはいっぱいあるのに、うまく話せなくて。
でも本当の心を知って欲しい人に話したいと思う貴志。{/netabare}
4話
{netabare}兄弟の小鳥が孵ったのに、孵らず残された卵。
卵をにゃんこ先生と温めて孵してみたら、中から妖が生まれて。
一生懸命に育てる貴志。そして大きくなった妖は旅立っていく。
本当の親をよく知らない貴志は、この妖に自分を重ねたのかな。{/netabare}
5話
{netabare}レイコに木に括られた「名前」を返して欲しいと妖がやってきて。
でも50年も経ってて見つけるのは大変だったけど、みんなの協力のおかげで見つかる。
海を見たことがないとレイコに話した妖。大木に登り、括られた「名前」を見つけた時・・
景色の向こうには広がる海が見えて!締めが綺麗なお話でした。{/netabare}
6-7話
{netabare}魔方陣に写った妖を見てしまい、呪いをかけられた、貴志と同級生の多軌。
貴志の名前を呼んでしまったことから、貴志も呪いをかけられて。
その妖が突然貴志の前に現れ、さらに妖が見えなくなる呪いをかけられてしまいます。
にゃんこ先生が持っていた魔封じの鏡を使い、なんとか妖を封じることに成功!
でも、妖が見えなくなったことを少し寂しく感じたのは、にゃんこ先生たちを友達と思っているからなのかな。{/netabare}
8話
{netabare}友達と温泉旅行に行く貴志・・とにゃんこ先生。
人魚からもらった血を飲ませて不老不死させたと思い込んだ旅館の女将。
それは血肉を欲しがる人間が嫌いな人魚のちょっとした嘘。
でも不老不死って私はなりたくないな。
命って限りがあるから人も季節も愛おしいと思えるんです。{/netabare}
9話
{netabare}フリーマーケットで見つけた絵。
それは桜の花に隠れて、人と仲良くなった妖が大切にしていたもの。
妖はその人に自分が妖だと知られるのが怖かった。でも、もうその人はいない。
その話を聞いて、貴志は妖が見えることを他人に言えない自分を重ねる。
枝ばかりの絵に、妖とその人が逢っていた頃の桜の花を描いてあげる貴志たち。
そして消えていく妖と絵の中のあの人。儚く寂しいお話でした。{/netabare}
10話
{netabare}義父の滋とレイコが出会った昔のお話。
滋さんやさしい人だな。塔子さんもやさしそうだし、貴志はこんな人たちと暮らせて幸せですね。{/netabare}
11話
{netabare}呪術師たちの会合。
妖が見える自分の痛みや苦しみを分かち合える人と逢えるかもと思い、参加する貴志。
でも・・実は一番警戒すべきなのは妖ではなく、人なのではないか?と思えてきて。
自分の大切で守りたいと思う人たちのために強くなりたいと願う。{/netabare}
12話
{netabare}廃屋に閉じ込められていた少年カイを助けるけど、妖に追われてるみたいで。
助けようとする貴志たち。でも時折見える人影は・・え?なぜ名取が?
あの子は妖怪だという名取。どういうこと?{/netabare}
13話
{netabare}鬼がいる井戸の封印を解こうとするカイを退治するという名取。
でもカイと仲良くなった貴志には名取の言葉が信じられない。
でも、名取の言ったとおり、カイは妖で、井戸の仲間を助けると聞いて。
人か妖かどっちか選べと名取に言われるけど・・どちらも選べないと答える貴志。
カイには貴志の想いが通じたのだろうか。
また春が来て。人と妖と一緒にお花見をする貴志たち・・{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 21
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

夏目友人帳 冬の章

1期は夏~秋のお話でしたが、2期は冬から始まります。
冬の物語らしく、儚げでしっとりしたお話が多かった気がします。
また、人と妖の関わりについても1期よりもさらに考えさせられるお話が多かったです。
その答えは、1話の貴志の言葉にあるように思いました。

1期もそうでしたが、タイトル画が味があっていいですね。
それから毎話のラストからEDへの入りは相変わらず良いです。
それと、雪の降る道を最初一人で歩いていて、いつのまにかみんなと一緒に歩いてる絵も好きでした。

あと忘れちゃいけないのが、にゃんこ先生♡
コミカルで憎めないキャラが相変わらず良いアクセントになってます♪
各話のレビューは以下のとおりです。

1話
{netabare}人に封印されていた森の主。
昔、人に助けられた主は人が好きになるけど、人によって封印されてしまい・・
貴志に封印を解いてもらった主は昔助けてくれた人に会いにいくけど・・
人の一生は短い。「つかの間の出会いと別れ。その刹那を一つ一つ大切にしていきたい」
貴志のこの言葉が胸に残りました。{/netabare}
2話
{netabare}狛犬の中にいた妖ゲンに大切な仲間スイを砕いた悪霊を封印したいと言われて。
でも実はその悪霊の正体は人にひどいことをされて悪霊になってしまったスイで・・
元々、二つの妖は人を思い人を助けていたのに。
ラスト、抱き合ったまま光となって消えて行った妖たち。悲しいお話でした。{/netabare}
3話
{netabare}名取再登場。温泉旅行に誘われて、にゃんこ先生と行くことに。
嘘をつくのに疲れたら、私のところにおいでと名取に言われた夢を見て。
話したいことはいっぱいあるのに、うまく話せなくて。
でも貴志は本当の心を知って欲しい人に話したいと思う。{/netabare}
4話
{netabare}兄弟の小鳥が孵ったのに、孵らず残された卵。
卵をにゃんこ先生と温めて孵してみたら、中から妖が生まれて。
一生懸命に育てる貴志。そして大きくなった妖は旅立っていく。
本当の親をよく知らない貴志は、この妖に自分を重ねたのかな。{/netabare}
5話
{netabare}レイコに木に括られた「名前」を返して欲しいと妖がやってきて。
でも50年も経ってて見つけるのは大変だったけど、みんなの協力のおかげで見つかる。
海を見たことがないとレイコに話した妖。大木に登り、括られた「名前」を見つけた時・・
景色の向こうには広がる海が見えて!締めが綺麗なお話でした。{/netabare}
6-7話
{netabare}魔方陣に写った妖を見てしまい、呪いをかけられた、貴志と同級生の多軌。
貴志の名前を呼んでしまったことから、貴志も呪いをかけられて。
その妖が突然貴志の前に現れ、さらに妖が見えなくなる呪いをかけられてしまいます。
にゃんこ先生が持っていた魔封じの鏡を使い、なんとか妖を封じることに成功!
でも、妖が見えなくなったことを少し寂しく感じたのは、にゃんこ先生たちを友達と思っているからなのかな。{/netabare}
8話
{netabare}友達と温泉旅行に行く貴志・・とにゃんこ先生。
人魚からもらった血を飲ませて不老不死させたと思い込んだ旅館の女将。
それは血肉を欲しがる人間が嫌いな人魚のちょっとした嘘。
でも不老不死って私はなりたくないな。
命って限りがあるから人も季節も愛おしいと思えるんだと思う。{/netabare}
9話
{netabare}フリーマーケットで見つけた絵。
それは桜の花に隠れて、人と仲良くなった妖が大切にしていたもの。
妖はその人に自分が妖だと知られるのが怖かった。でも、もうその人はいない。
その話を聞いて、貴志は妖が見えることを他人に言えない自分を重ねる。
枝ばかりの絵に、妖とその人が逢っていた頃の桜の花を描いてあげる貴志たち。
そして消えていく妖と絵の中のあの人。儚く寂しいお話でした。{/netabare}
10話
{netabare}義父の滋とレイコが出会った昔のお話。
滋さんやさしい人だな。塔子さんもやさしそうだし、貴志はこんな人たちと暮らせて幸せですね。{/netabare}
11話
{netabare}呪術師たちの会合。
妖が見える自分の痛みや苦しみを分かち合える人と逢えるかもと思い、参加する貴志。
でも・・実は一番警戒すべきなのは妖ではなく、人なのではないか?と思えてきて。
自分の大切で守りたいと思う人たちのために強くなりたいと願う。{/netabare}
12話
{netabare}廃屋に閉じ込められていた少年カイを助けるけど、妖に追われてるみたいで。
助けようとする貴志たち。でも時折見える人影は・・え?なぜ名取が?
あの子は妖怪だという名取。どういうこと?{/netabare}
13話
{netabare}鬼がいる井戸の封印を解こうとするカイを退治するという名取。
でもカイと仲良くなった貴志には名取の言葉が信じられない。
でも、名取の言ったとおり、カイは妖で、井戸の仲間を助けると聞いて。
人か妖かどっちか選べと名取に言われるけど・・どちらも選べないと答える貴志。
カイには貴志の想いが通じたのだろうか。
また春が来て。人と妖と一緒にお花見をする貴志たち・・{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 19

91.6 4 ほのぼので感動なアニメランキング4位
映画けいおん!(アニメ映画)

2011年12月3日
★★★★★ 4.3 (3047)
15495人が棚に入れました
「放課後リターンズ!」「けいおん!」は、いつでも進行形!!あの大人気TVシリーズが遂に映画化!TVシリーズでは描かれなかった、桜が丘高校在学中の軽音部5人の繰り広げるゆるやか部活ライフを描く。卒業を控えた軽音部3年生 唯、澪、律、紬の4人は、いつもどおり部室でお茶したり、バンドの方向性を話し合ったり?とゆるやかな時間を送っていた。そんなある日、教室で同級生たちが「卒業旅行」を企画していることを知り、唯たちも卒業旅行に行こうということになる。そのことを聞いた梓も参加することになり、各自、候補地の希望を出す中、くじ引きの 結果「ロンドン」へ行くことに決定!ガイドブック等旅行の準備をしながら、各自、ロンドンへの思いをはせる。

声優・キャラクター
豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈、真田アサミ、米澤円、藤東知夏、永田依子
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

出会えた奇跡に、ありがとう

これで、けいおん!シリーズの週刊連載もいよいよ最終回。私にとって、「始まりと終わりの物語」である映画けいおん!最後まで、お楽しみいただけたら幸いです。


◆出会いは、あの日あの場所で◆

時は、2011年12月18日。場所は、横浜みなとみらい。この日、この場所で、私は運命の出会いをしました。

その日友達ととある用事で出かけていた私は、流れでいっしょに映画を観ることになりました。作品は、『映画けいおん!』

実は当時の私はアニメの駆け出しで、けいおん!という作品は知っていたけれど、一度も見たことがありませんでした。そう、私はけいおん!という作品に、映画館で初めて出会ったのです。

「観たい」という友達に言われるがままについて行った私は、正直まったく期待していませんでした。が、その期待は見事に裏切られました。なんだこの、楽しそうな女の子たちの表情は。なんだこの、きらきらと輝く青春は。気がついたら私は一人、彼女たちの姿に涙を流していました。

その日のちょうど2ヶ月くらい前、当時の私にはとても悲しい出来事がありました。それも相まって、輝いて見えた彼女たちの永遠。その日から私も、ある永遠を手にしました。きっと色あせることのない思い出たちと、ずっと愛し続ける名曲を。

けいおん!という天使に出会えた奇跡。その奇跡に、心からありがとう。


◆この作品で伝えたかったこと◆

この映画けいおん!で伝えたかったのはきっと、「ありがとう」という感謝の気持ち。

この作品では、卒業旅行とあずにゃんへの贈り物が中心となって、お話が展開されていますよね。卒業旅行に行く中で、あずにゃんへのプレゼントを、伝えたい気持ちを一生懸命考えた。今まで過ごした大切な時間。忘れることのない思い出。伝えきれないありがとう。

そんな、いっぱいのありがとうから生まれた一つの名曲。

この曲も、あずにゃんの羽根になるかな?

なる!と思いたい

なるわ。たくさん詰め込んだもの。あずさちゃんへの気持ち、いーっぱい

気にってくれるといいな

あんまり上手くないですね

でもね、会えたよ! すてきな天使に

ゆい、りつ、むぎ、みおからの、あずにゃんへのありがとう。そして、あずにゃんからの、4人へのありがとう。その両方のありがとうが、この曲に込められているんだと思います。

でも、もしかしたら、それだけじゃないのかもしれませんね。けいおん!を見てくれたすべての人たちに。けいおん!の制作に関わったすべての人たちに。

この作品が描きたかったのは、けいおん!を通して出会ったすべての人に贈る、ありがとうの気持ちだったのかもしれません。

改めて、出会えた奇跡に、ありがとう。


◆まとめ◆

本編の中では、2期の第22話から第24話の間にあたるこのストーリー。まさか、けいおん!ファンの方でまだ見てない人はいないと思いますが、もしいたらすぐ観るべきです。そう、今すぐに。

女子校生ならではの友情と音楽を描いてきた、けいおん!シリーズ。

きっと、50年後も100年後も、色あせることのない唯一無二のその魅力を、一人でも多くの人に感じてもらえたら幸いです。


だいぶ私の個人的感想が強かったと思いますが、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。


◇余談◇

『聖地巡礼?~玄のイギリス訪問記~』

※私が以前行ったイギリス旅行の紹介と、それを参考にしたゆい達の旅行のちょっとした解説です。興味のある方はどうぞ読んであげてください。

{netabare}はい!実は私も、この映画を観たちょうど後、イギリスに旅行に行きました。(たまたまですが)

時は、2012年8月下旬。日数はゆい達と同じ3泊5日。当時、私の姉がイギリスのロンドンで働いていて、父と二人で訪れたって感じです。(ちなみに母と弟は、同じ年の3月に行っています。)もう3年も前の話ですが、覚えてる範囲で書いていこうと思います。


☆1日目☆
たしか、お昼頃に成田発の飛行機に乗りました。飛行時間は13時間。電車以外の乗り物だと眠れない私は、ぜんぜん眠れず苦労しました。機内食は美味しかったです。出され過ぎて、常に満腹でしたけど ^ ^

☆2日目☆
夕方頃に、イギリスのヒースロー空港(ゆい達と同じ)に到着。クイーンズパーク駅にある姉の家に一旦寄って、ロンドン市内散策へ。イギリス初日にもうビックベン(世界遺産の時計台)を見て、その後、ロンドン・アイの観覧車に乗りました(ゆい達が乗ってたあれ)。もう夜だったので遠くはあまり見えなかったけど、輝く夜景はきれいでした。夕食は最寄り駅のイタリアンレストランへ。2種類のパスタとピザを食べました。そこそこ美味しかったと思います!

☆3日目☆
イギリス二日目。今日は本格的な市内散策へ。バッキンガム宮殿(たしかロンドンオリンピックのマラソンコースだった場所)を訪れて、お昼にイギリスの名物料理であるフィッシュ&チップスを試食。その後、トラファルガー広場と国立美術館を見学して、テムズ川の遊覧船クルージングへ。天気もよかったので、とても気持ちよかったです。そして、ゆい達も行った(はずの)大英博物館に行き、最後はどこかの劇場でミュージカルを見ました。演目はオズの魔法使いのエピソード0にあたる「ウィキッド」。といっても、私はほとんど眠っていましたが ^ ^

☆4日目☆
イギリス三日目。ずっと姉と父の金魚のフンだった私は、この日は一日一人で行動してみました。目的地は、ロンドン郊外にあるケンブリッジ天文台。小高い丘を歩いて登り、世界の中心、本初子午線をまたいで来ました。その後はロンド市内に戻って、ランチにハンバーガーを食べました。そして、ロンドン塔(ここの近くに、ゆい達が行ったはず)とタワーブリッジを見学し、リージェント通りでお土産の紅茶を購入。最後駅から姉の家に帰る途中、道に迷ったのには焦りましたが、きれいなイギリス人女性に助けてもらって事なきを得ました。家に着いてからは、夕食もろくに食べずに爆睡でしたが ^ ^

☆5日目☆
イギリス最終日。本当はアフタヌーンティーを飲む予定でしたが、飛行機の時間が13時くらいだったので、諦めることに(ここもゆい達といっしょ)。2度目の観覧車に乗って、イギリス旅行を振り返りました。4日間歩き回ったかいもあって、1回目よりも場所や地理がわかって楽しかったです。ラストはヒースロー空港から日本に、Sky High!


私がイギリスを訪れて特に面白いと感じたのが、いろんな人種の人々が集まっていたこと。ロンドンは年間1500万人以上が訪れる、世界有数の観光都市。ヨーロッパ系はもちろん、アジア系やアフリカ系などのいろんな人種の人がすぐ近くにいて、すごく不思議な気分でした。

また面白かったのが、アジア系の人々(日本人、韓国人、中国人)は顔が似ているのですが、服装でなんとなく判別できること。{netabare}中国人は二昔前のちょっとダ○い格好、韓国人はカッコつけた感じ、日本人は自然体、でした。(決して、悪口ではありません){/netabare}


ちなみに、ゆい達のスケジュールは以下の感じだったと思います。

♪1日目♪
成田出発(11時45分発)

♪2日目♪
ヒースロー空港到着→あずにゃんくつ購入(カムデン・タウン駅)→すし屋で演奏→ホテルへ

♪3日目♪
市内散策(ウェスト・ブロンプトン駅)→ベーカー街221b(シャーロック・ホームズ居住地跡)→大英博物館(ロゼッタ・ストーン)→アフタヌーンティー失敗→ロンドン・アイ(観覧車)→夜の屋台(バラマーケット)→ホテルへ

♪4日目♪
音楽店見学→ロンドン塔付近→買い物(グロスターアーケード)→ホテルへ

♪5日目♪
ロンドン・アイでライブ→ヒースロー空港出発(17時くらい)


私は家族のおかげもあって、楽しく安全にイギリス旅行を過ごすことができました。英会話はできなくてもなんとかなるし(できないと不便は不便ですが)、料理もそこそこ美味しかったと思います。お金や治安等については、各自気をつけていただければと。

私はいつになるかはわかりませんが、ぜひまた行ってみたいと思います。


ほんと無駄な長文を、最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m


{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 36

N0TT0N さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

終わらないで欲しいという感覚。

この映画を観るにあたって重要なポイントは1点だけです。

是非TV版を観てから映画版を観てください。
これだけでもある程度成立はしてるんだけど、やはりTV版とリンクしているお話なので断然1期→2期→劇場版の順で観ることをお勧めします。

で、早速結論を言わせてもらうとお勧めです。
てか必見です!
お父さん‥けいおんさんを僕に下さい!!

そういう感じですw


映画版はオリジナル脚本でしかも海外旅行ということもあり、下手すれば作品のテイストが変わってしまう可能性もあったと思うけど、そんなこともなくとてもいい出来だったとおもいます。
相変わらずのマイペース。
いつも通りの関係性。
どこまでいっても日常。。。

なんかこう書くと誉めてるように見えないけど全力で誉めてます。

特にオープニング10分位の紹介&ネタはTVシリーズを観ているとニヤニヤが止まりません(●´ω`●)デヘヘ♪

ゆるさとハイテンションの夢のコラボレーションでチャンチャラ可笑しいわね?!

‥いや、スゴく面白いオープニングでしたw

勿論実際にヨーロッパをやったのは言うまでもありません!
まあ、言うほどのことでもありませんが‥(笑)

1つ「ん?!」って思ったのは
いつも突然登場するさわちゃん先生ですが今回ばかりは流石に度胆をぬかれた件くらいでしょうかw
いくら自分がけいおんを下僕かのように盲信してても、この登場を擁護できる自信はありません(; ̄∇ ̄)
唯の英語歌詞をしのぐ正真正銘、完全無欠の「どないやねん」ですw

逆にキャラクター以外でうまいなぁと思う部分の1つに、ライブ時のお客の数とノリ具合というのがありますね。
劇中ライブを3回ほどやるんだけど、そのライブのお客とHTTとの関係、時間、場所によって、
「だよな、確かにそのくらいの感じになるだろうなぁ。。」
という客席の雰囲気を表現してる。

そこはTVシリーズから一貫して上手くて、
けいおんの音楽の部分を支える1つの重要なパーツだと言っていいと思う。

そしてもう1つ巧いなぁと思ったのが帰りのタクシーの中。特に何がどうという訳じゃないんだけど、光、暗がりの表現、表情、座り位置、どれを取っても素晴らしい名シーンだったと思いう。

TV版のフェスの後もあったけど「祭りのあと」の感じを涙が出るくらい完璧に表現していたと思うし、
物語のAメロとBメロを繋ぐ間奏としても満点の効果だったと思う。

あと、飛行機の日除けを開けるシーンや屋上で思わず駆け出すシーンなど、日常の延長線上にあるきらきらしたシーンがゆるい日常とのギャップでスゴく胸に染みました。

着眼点も、まずこの卒業前の部分を映画化しようと考えたことに「いいところに目をつけたな♪」と思います。
さらに、無理に「曲作り」という本題を押し出さず寄り道、道草メインで展開した演出はお見事でした♪

あと、1つポイントだと思うのが、
例えばけいおんの笑いって、他の4人に向けたボケやら失敗など‥
つまりほぼ登場人物達の内輪ネタでできていて、視聴者が居ようが居まいが5人の世界で完結しています。

それを視聴者の特命工作員であるスタッフが気付かれないようにコソッと覗いてくれていい具合のアングルでいい具合に切り取ってくれて視聴者にお届けしてくれているような感覚です。

1人1人が別に視聴者を意識することなく存在してるのです。

もし、全国の人に覗かれていると知ってたら
もっと頑張って、
キレのあるネタを提供してくれたかもしれないけど、5人はそんなことにはお構いなしで、永遠のような限られた時間の中で「好きな音楽」と「やらなければいけない練習」と「目の前のティータイムとおしゃべり」の間を行ったり来たりしているだけなのです。

大切なのはそのときどきの今。

物語のエンディングってとても重要だけど、けいおんに対して思うのはエンディング来ないでくれ。

今がずっと続いてくれ

ということにつきます。


個人的には‥

観に行った。。
というより再会しに行った。と言う方がしっくりきます。

面白い!
というよりふわふわ時間をおすそ分けしてもらってありがとう♪と言う方がしっくりきます。

レビュー♪
というにはどうにも客観性が著しく欠けてしまいます(^^;)

どこからかこんな声が聞こえてきそうです。


『あんまり上手くないですね♪』

投稿 : 2025/02/01
♥ : 18
ネタバレ

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ほるもん!

映画としちゃダメダメだけど。
だけど。。これ、けいおん!だからね。
ハルヒとは違うから。
だから同じダメダメでも遥かにあっちよりマトモっていう・・・。志的に。ポリシーがある。


映画作品の必須条件として最低限だけどサラッと初見さんフォローをしてるのがなんというか・・
申し訳なさそうに『すいません・・一応映画なんです・・』という、そのオーラが良い。

某消失でイラっとした初見とか予備知識なしのヤツがみるわけねえだろ?ってアホな態度がない。
これが初めてならTVも観てくれたらうれしいなってか。
わかってらっしゃる。監督とか演出さんがまともな人間だよな。


でこの作品、ビシっと締っちゃったらそれは『けいおん!』じゃなくなっちゃうんだな。
だからロンドンいらなくね?話の都合が良すぎね?ツマンネって人がいても問題ナッシング。唯のバカさがちょっとやりすぎ?・・ウザ・・は同感しとく。
大学はAOとか流行のカンニング・・・いや全部マークシートだったとか・・。

相変わらず山もオチも締りもない。最初から最後までふわふわ。ゆるゆるのグダグダ。
かといってドラえもんみたいに映画になったら冒険と友情の感動巨編だと作品をぶち壊しだからな。
結局OVAでもよかったんだろうし、2時間ただTVシリーズを繋げただけっていう雰囲気。切り売りできるレベル。
作画だってカット、コンテの切り方が映画用になってるだけでフルアニメでぬるぬるじゃないYO。全国じゃないんだからそりゃ予算も時間もガチには敵わない。
しかしエピソードの塊というか。元々4コマなんだし、それがこの作品の作風だし、これもあえてそうしてるんだろう。いいと思います。



ストーリーはせっかくのアンコールだから、梓の補完をしたかったのかしら。
TVはけっこうドライに終わったし。4人は大学が同じだけに。あずキャットかわいそうに。。
あとは原作で続きがあるがゆえにか。。

唯がでしゃばり過ぎだとも思うが、これはニーズに答えて?なのかな。唯あずの百合成分補給ってことでいいんでね。
アニメキャラとしては珍しい短足なキャラデザ、でもカメラは基本フトモモw2期の頃とブレてねえな。あのラストがすべてを物語るなぁと。。


ただし、作品から伝わるのは『もうけいおん!はやりたくない!』というメッセージ。
あくまで女子高生の時間こそが至高であることを強調してきますね。この感じ、どうしてもってなら、過去か、梓単品しかありえませんね。
分かりやすい例として{netabare}最後の最後まで制服は意地でも脱がせない。卒業してるけど式直後なんだからありしょ?という{/netabare}
すべてケジメはちゃんとつけたぞと。
その心がけやよし!


んで、ファンタジーだったTV版と違い男が大量に出る。モブだけど、先生も家族もでるし、しかもトイレもいく。2回?普通は描く必要のないことだし、わざわざ分かりやすく描くってことは・・。
{netabare}ロンドンでお茶もしないよね。ここも意味深。彼女達の世界はやっぱりここではないと?放課後だけが彼女たちの世界だったと。{/netabare}
修学旅行で京都から京都へ行く、男はクラウザーさん他しか存在しない。そんなTVシリーズでしたが、
要するに彼女たちがついにあの摩訶不思議な世界から一度だけロンドンという現実に似た世界へ出てきてしまった。

これもう、みんなもいっしょに軽音部を卒業してげんじつ!へ帰ってかなきゃいけないでしょ?もうそろそろいいしょ?みたいなことなのかしら・・・・。実際そんなもんだしね。
視聴者が歳をとっちゃう。
ナウシカがオームを帰すようなかんじで。。
森へお帰り的な・・・。
別の形、ご都合主義で受け取るなら梓=視聴者となる。
ありがとうと。
とにかく彼女達の人生は終わらないが、物語はおしまいですよと。勝手に読み取った。


余談だけど個人的にツボったのが冒頭、まさかのw{netabare}MMDけいおんモデル、恋のメガラバのリスペクト?!!{/netabare}やるなぁ公式wwあんだけ人気ありゃそりゃ巡回済みだったんね。まんまじゃんか。
消されてるのてツベ探すとのこってるよ・・

投稿 : 2025/02/01
♥ : 17

88.5 5 ほのぼので感動なアニメランキング5位
TARI TARI(TVアニメ動画)

2012年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (4484)
20740人が棚に入れました
「TARI TARI」今夏放送開始 制作:P.A.WORKS、キャスト:高垣彩陽、瀬戸麻沙美、早見沙織 ほか

声優・キャラクター
高垣彩陽、瀬戸麻沙美、早見沙織、島﨑信長、花江夏樹、浜田賢二、大原さやか、木下浩之、能登麻美子、田中敦子、宝亀克寿
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

想いは潮風に乗って…

・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:

原作 - EVERGREEN
監督・シリーズ構成 - 橋本昌和
脚本 - 橋本昌和、佐藤梨香、横手美智子
キャラクター原案 - tanu
キャラクターデザイン・総作画監督 - 関口可奈味
美術監督 - 東地和生
美術デザイン - 塩澤良憲
色彩設計 - 井上佳津枝
撮影監督 - 並木智
3D監督 - 平田洋平
編集 - 高橋歩
音響監督 - 明田川仁
音楽 - 浜口史郎
音楽A&R - 吉江輝成
音楽制作 - ランティス
アニメーション制作 - P.A.WORKS
製作 - tari tari project
放送期間 - 2012年7月〜9月
話数 - 全13話

(以上Wikipediaより引用)

・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:



泣いたり、笑ったり、怒ったり、想ったり。
そして、歌ったり。

青春時代、その中でもとびっきり大切な高校3年生の夏を
中心に豊かな心情描写を美しい背景の中で描いた作品です。

舞台は神奈川県のとある海辺の街。

OPアニメーション最初の方に出てくる景色に、
「おぉっ」って思われる方も多いと思います。
私も東京での学生時代、海に囲まれた鹿児島が恋しく
なった時に幾度となく訪れた場所でした。

そんな潮風の香りが漂う街の高台にある高校。
合唱部での活動をメインに友人、親、先生、商店街の人々
との人間関係が繊細なタッチで描かれていて、つい笑って
しまうシーンもあれば、心の琴線に触れる様なシーンも
沢山あります。

中でもあまりアニメでは取り上げられる事の少ない合唱部
での活動シーンはその素晴らしい友情と素敵なハーモニー
に何度も熱い感情が込み上げてきました。

歌を通じて築かれるそれぞれの友情、愛情、信頼関係。
「音を楽しむ」
音楽の素晴らしさが心に響きます。

作画もP.A.WORKSさんらしい硬そうなのに優しい線使いと
独特な配色の背景。
キャラクターの豊かな感情表現の描き方はTARITARIの世界
に私達を優しく誘ってくれます。

特に「花咲くいろは」が好きな方にはとても馴染みのある
感じに仕上がっているのではないでしょうか。
制作スタッフもほぼ一緒なので。

青春ドラマ仕立てのTARITARIを盛り上げる魅力の一つ
としてOP、ED、劇中歌を含めての音楽の素晴らしさも
大きなポイント。

合唱部が題材という事もあり、器楽の「合奏」とはまた
ひと味違う魅力に溢れた楽曲で構成されています。

楽器がなくても音楽は楽しめる、誰でも音楽は自由に
楽しめるんだよっていう事の素晴らしさがストーリー共に
優しい合唱のハーモニーで伝わります。

人それぞれが持つ大好きな事、大切な事。

形や色は違うけれどそれが一つになった時、人を動かす
大きな力になるんだ、想いは繋がるんだっていう事を
改めて感じさてくれます。

人生の中でも一際キラキラとした輝きを放つ青春期。

挫折、葛藤、希望、情熱、友情。

そして笑顔。

潮風が運ぶ素敵な青春の輝きを
是非ともこの作品で感じて頂けたらと思います。


【mio’s café】
これが私のTARITARizm♪
視聴済みの方限定ですよぉ
一応…ね♬
{netabare}

鎌倉から稲村ヶ崎、江の島、湘南海岸。
もう少し足を伸ばせば烏帽子岩とサザンビーチ茅ヶ崎。
素敵なロケーションの国道134号線。
七里ヶ浜で食べた美味しいパンケーキ。
シーキャンドルから見渡す水平線と海岸線。
車で江ノ電との並走も今では楽しい思い出です。

そんな素敵な町並みを舞台に繰り広げられるTARITARI。
まず私の目を虜にしたのはOPアニメーションで描かれた
雲でした。
「うわっ、綺麗!」
冴え渡る青い空に白い雲。
元気一杯に駆け抜ける彼女達が印象的。
これから視聴する作品のイメージを大きく膨らませて
くれるスタートでした。

第1話登場する5人のメインキャラクター。
監督の橋本昌和さんによると5人全員が主人公のこと。

でも私、ウィーン(CV:花江夏樹さん)が登場した時は
「絶対この子がこのお話の主人公だっ!」
って思っちゃいました。
だってオーストリアからの帰国子女でニックネームが
ウィーンなんですもの…
ウイーン少年合唱団を連想しちゃいますよね。
絶対歌が上手いんだとか…本当にもう…

でも最初の土下座で儚くもこの子の役所がわかっちゃい
ましたけど…。
来夏(CV:瀬戸麻沙美さん)の「土下座っ?」
笑っちゃいました。

お話の序盤から高倉教頭先生(CV:田中敦子さん)と
和奏(CV:高垣彩陽さん)が頑なに来夏を拒絶する姿。

教頭「人の心を動かすには特別な何かが必要なのです。
あなたにはそれが無い。」

「楽しむ事と楽しませる事。その両立あなたには出来は
しません。」

和奏「楽しく歌いたいだけならカラオケでも行けば!」

私的にはいきなり2人の言ってる事があまりにも無茶苦茶で
「はぁ?」
ってなっちゃったけど、後で分かるんですけれど、まひる
という大きな歌を無くした2人にとって、歌を楽しもうと
している来夏という存在は認めたくても認められない存在
だったのかな。

来夏「何もしないで後悔したくないから!」

第1話でこのお話の道筋というか大きなテーマが見えてくる
素敵なセリフでした。

とにかく登場するキャラが魅力的。
来夏は前向きで純粋で、でもどこかとぼけてて天然。
これって決めたら周りを考えずに進むタイプの女の子。
歌う事が大好きで時折見せるツッコミも可愛い。
表情や仕草がいちいち可愛くて仕方無いです。

紗羽(CV:早見沙織さん)は世話好きで困っている人を放って
おけないお姉さんタイプの女の子。
健康的で魅惑的な容姿とは裏腹にサバサバした性格の
ギャップが魅力的。
何かとみんなの間を取りもち陰で支えてくれました。
来夏とのやりとりはいっつも楽しくて大好きです。
乗馬が趣味で騎手になるのが夢。

和奏はお母さんの事もありなんとなく気持ちが後ろ向きで
内に秘めるタイプだったけど、お父さんにお母さんの
和奏に対する本当の気持ちを聞かされてからは皆んなと
前向きに笑顔で接する様になれましたね。
気持ちが徐々に変化していく姿がとても良かった。

男性陣はウィーンと大智の青春期独特の男の子の爽やかで
酸っぱい感じが凄く良かったかな。
ウィーンは5人の関係の中でワンクッション安らぎを与えて
くれる存在。
ガンバレッドを介してのヤンとのやりとりにも心が温まり
ました。
花江夏樹さんの柔らかな声も相まって優しくてちょっと
天然な感じが可愛い男の子。
でもここぞという時は強い信念とこだわりを持つギャップ
も良かった。

田中大智(CV:島崎信長さん)は本当、いい男の子。
ナイスガイ!
一言で言うなら「爽やか」。
紗羽と似て面倒見が良くて断れないタイプ。
何事も前向きに取り組む姿勢と徐々に変化する紗羽への
気持ちの変化が初々しくてとても良かった。

2人には高校生男子独特の異性に対する関心や抑えきれない
様な感情の色づき感が足りない感じもしたけど、この作品
ではこれくらいの純粋さや青々しさが良かったかも。
2人のコミカルな役どころと爽やかな感じが素敵です。

5人のキャラに共通しているのがとにかくみんな頑固。
良い意味での頑固なんです。
だからこそその壁を越えた時、素敵な人間関係が形成され
るのも頷けるキャラ設定でした。

第1話から心にスッと入ってくる感じで色んな素敵なお話が
あり過ぎて困るくらい。
お話の冒頭で流れるそれぞれのキャラの幼少期や過去の
思い出が印象的。

中でも私的には第2話と第5話、第6話、最終話が特に印象
に残りました。
全て語ると大変な事になりそうなので6話と最終話の感想を
中心に。

2話では自分の気持ちに正直に生きたいと思う来夏。
そんな来夏がほっとけなくて応援する紗羽。
まだまだ距離感はあるけど気持ちが動かされていく和奏。

来夏と紗羽。
2人だけのハーモニー。

「心の旋律」

初めて聞く歌だったのに凄いです。
序盤にしてこんなにも鳥肌が…
瀬戸麻沙美さんと早見沙織さんの歌声の清らかさと
ハーモニーの美しさに自然と込み上げてくるものが…
これが歌の力なんですね。
素敵なエンディングへの流れでした。

和奏がお母さんの本当の気持ちを知る事になった第5話。
お母さんからのメッセージ。
そして後悔する和奏。
「言えなかった。
行ってきますも…ごめんなさいも…ありがとうも…」

そして物語が大きく動き出した第6話。
全体の中でも1番大好きな回です。
ひょっとしたらこれが最終話でも良いかもって思える
くらいのお話でした。
6話だけでも何度も見ました。

登場する1人1人が明らかに和奏を応援するのではなく
そのさりげない1つ1つの言動が和奏を優しく包み込む様に
立ち直らせてくれるきっかけになる演出が見事。

お母さんとの約束を果たせなかった事に罪悪感を持ってい
た和奏に、同じ様に祖父との約束を果たせなかった来夏の
思いがけない言葉。

来夏「でも私ね、今は約束叶わなくて良かったって思う」
「叶ったら終わっちゃうでしょ?
約束があったからいつもおじいちゃんのこと思い出すの。
くっそぉっ。叶わなかったぁって。これも大事な思い出
だから」

トラウマを抱えていた和奏に別の視点を与えてくれる
私的にも予想外でもあり素晴らしいセリフでした。

紗羽ちゃんは母と娘の良き関係性。
そして和奏を馬に乗せる事により今までとは違う、
気持ちの上で1つ階段を登った世界を見せてくれました。

紗羽「景色が全然違って見えるでしょ。」

和奏の何か1つ吹っ切れた様な表情が素敵です。

大智、ウィーンはコミカルな役どころながら和奏の硬かっ
た心を柔らかく解し、和奏に再び声を出すきっかけを与え
てくれました。

お母さんとの発声練習を思い出す和奏。

まひる「遠くに和奏の大好きな人がいて、その人に私は
元気だよぉって楽しい気持ちを届けるつもりで、ねっ」

今は遠くにいる大好きな人、それは「お母さん」。

自分に言い聞かせるように声を出す和奏の穏やかな表情
が嬉しくなりました。
そしてまた和奏の声を聞いたウィーンと大智の爽やかな
表情も良かった。

高橋先生は赤ちゃんを和奏に触れさせることで子供の可愛
いさと愛おしさを和奏に感じさせている様に思えました。

高橋先生「いいのよ、素直じゃ無くても。
ただ元気で大きくなってくれれば。」

親の子供に対する想い。
自分の子供はこんなにも可愛いんだよ、あなたのお母さん
もそう思っていたんだよって事を間接的に教えてくれてる
みたいで。
初めて高橋先生の赤ちゃんを見た和奏のくだけた表情が
たまらなく素敵でした。

そしてお父さん。
まひるの本当の気持ちを知るただ1人の人。
ピアノに込められた想い。
そして和奏が初めて知るお母さんの優しくて温かくて
大きな愛情。
その愛情に触れる事により、和奏がやっと「歌」に
お母さんにそして自分に向かい合ってくれました。

「まひる、ありがとう…和奏、ありがとう…」

そんな言葉が聞こえてくる様なお父さんの涙でした。
お父さんの背中にもう私も涙が止まりません…。

ここもエンディングへの流れが最高に素敵。
和奏も加わり5人での初めての合唱。
和奏の澄み渡る歌声。
来夏、紗羽、大智、ウィーンの清らかで優しくて強くて
伸びやかな歌声も重なりここでも心が熱くなりました。

悲しいわけではないんです。
この5人のあまりの清々しさに…。
もう、泣いてばっかり…です。

最終話は最後の「白祭」
来夏の相変わらずのコミカルな感じと紗羽のツッコミに
最後まで癒されます。

雨が上がり雲の切れ間から射し込む光。
思わず見惚れてしまう作画です。

ミュージカルでの最後のセリフがこの作品の大きなテーマ
でもあった気がします。

大智「闇に覆われた世界にただ1人。道は見えない。」
ウィーン「心配ない歌声のする方へ歩き出せばいいんだ」
和奏「ならば私達は歌いましょう。互いのささやかな道標
として。」
紗羽「たとえ奇跡は起こせずとも、ただひと時の憩いのために。」
来夏「それぞれの想いを歌に乗せて今、」
全員「私たちはまた歩き出す。」

ここからの「radiant melody」への流れがもう言葉に
出来ないくらいです。
まひると和奏が作った曲。
それを指揮するのは高倉教頭先生。
先生の何かを取り戻した、或いは何か新しい物を得た様な
優しくて楽しそうな笑顔が心に響きました。

学校の生徒、先生、保護者、街の人々。
全てが1つになった瞬間。
それぞれの心の中に大切な繋がりが出来た瞬間でもありま
した。

新たな希望を胸にそれぞれの道へと進む5人。
やっぱり最後の曲は「潮風のハーモニー」。

「本日は娘が帰省するためお休みします」
の張り紙と共に料理をして和奏の帰りを待つお父さん。
玄関にちょこんと座り和奏の帰りを待つドラ。
最後まで心が温まります。

「ただいまぁ!」
ちょっと大人になった和奏の笑顔と共に私の心の中にも
爽やかな風が吹き抜けました。


お話の中では大人と子供の関係性(ある意味では現実と理想)
を極端に描いてる部分もあるかもしれませんが(特に理事長
や廃校の件…)、これはこれでドラマとして分かりやすくす
る為のコントラストとしての必要悪の様な感じで良かった
と思います。

そんな中でも子供の気持ちを信じて優しく見守る和奏の
お父さん。
娘が可愛いくて仕方なく将来が心配でつい厳しい言葉を
かけてしまうけど影では応援している紗羽のお父さん。
厳しくも深い言葉で彼女達の背中を押してくれるコンドル
クインズのメンバー。
最後は自分の職を掛けて生徒達の自主的な行動を守り抜い
た校長先生。
それぞれの素敵な大人の描かれ方も良かったです。

最近、監督さんや脚本家さん、アニメーターさんといった
スタッフの方々にも興味がわいてきて、まだまだにわか
な私ですけれど、それなりに特徴とか好みが少しわかる
様になってきたかもしれません。

まだアニメの専門的な言葉の理解度や知識は少ないです
けれど、作画、キャラクターデザインは私にとって作品を
視聴する上で興味深い要素の一つなんです。

TARI TARIに関しても色々書きたい事がある中で一つだけ
取り上げるとするならキャラの表情に関して。

キャラデザはお馴染みP.A.WORKS関口可奈味さん。
元Production I.Gでフリーを経て現在はP.A.WORKSで
活躍中のアニメーター、デザイナーさんです。

主な作品では「true tears」「花咲くいろは」
「TARI TARI」「SHIROBAKO」「Charlotte」の
キャラデザ、総作監を担当。
この作品群だけでも私的に凄いです。

京都アニメーションの堀口悠紀子さん(元京アニかな?)、
池田晶子さんと同じくらい私が好きなアニメーター・
デザイナーさんです。

その独特な線の特徴はどことなく硬くて今流行りの
デザインとは一線を画す、それでいて優しくて甘酸っぱく、
実在するかの様な女の子の生々しさや青春期のゴツゴツ
した複雑な感情を表現するのにぴったりな感じがします。

そんな関口さんのデザインで私が一番気になるのが
キャラクターの目と眉の間の窪み?の線と影。
(わかる方がいらしたら嬉しいです。)
他のアニメのキャラデでもたまに見かけるのですが、
関口さんのデザインはひときわ特徴があって特に悲しい
時、辛い時、憂いの時の表情を表現する時に凄く効果的な
感じがします。

true tearsでは影を多用、花いろでは線(弱め)+影(強め)
TARI TARIでは線(強め)+影(弱め)

と私は感じたのですが、同じアニメーターさんでも微妙な
デザインの変化が感じられて面白いですね。

最近視聴した「SHIROBAKO」ではかなり線が強いと思い
ます。
ついおいちゃんや絵麻ちゃん、矢野さんといったキャラの
表情にも目がいっちゃいました。
2015夏アニメの「Charlotte」でもキャラデ、総作監を
担当。
今までとはまた微妙に一味違うデザインがとても魅力的
です。

P.A.WORKSが面白おかしい作品だけではなく、青春期の
葛藤や恋愛感情を表現する作品を多く作っている関係上、
関口さんの絵が求められていくのはある意味必然なのかも
しれませんね。
これからも楽しみです。

TARI TARIを語る上では使用された楽曲も大きな要素。

まずビックリしたのが第1話での
「リフレクティア」合唱ver.

これはP.A.WORKSファンにとっては素敵なプレゼント。
言わずと知れた「true tears」のオープニングテーマ曲。
サビの部分だけだったけどもうちょっと聞きたかったか
な。
でも素敵な演出でした。

オープニングテーマ曲の「Dreamer」
TARI TARIの世界に私を誘ってくれる大好きな曲です。
沢山の元気と希望をもらえるような歌詞とメロディー。
そしてオープニングアニメーションとのシンクロ率が凄い
と思います。

特に私が好きなのが、
「♪いつも不安はすぐそばで
駈け出す思いを締め付けるけど〜♪」
のところの女性3人の表情のデザインなんです。

もうこれぞ関口可奈味ワールド全開!
あの3人の憂いの表情が私的に関口さんのキャラデの最大の
魅力の1つだと思います。

そこから明るいサビの部分への弾ける様な流れがこの
TARI TARIのストーリーを凝縮したような感じですね。

オープニングテーマ曲「Dreamer」がストーリーを凝縮
したような曲だとしたら、エンディングテーマの「潮風の
ハーモニー」は爽やかな曲に合わせてお話が進むにつれて
近づいていく5人の関係性がアニメーションと共にとても
良く表現されていると思います。
自分でもつい口ずさんでしまうくらい大好きな曲。
「新しい風が吹いて〜♪」
本当、出だしから素敵な曲です。

その他の挿入歌、BGMもお話のシーンにあった素敵な曲
ばかり。
「心の旋律」「goin' my way!!」「Amigo! Amigo!」
「Hau'oli♪」「熱闘ヒーローガンバライジャー」
「白浜坂高校校歌」「radiant melody」

作曲家・浜口史郎さんの曲は私は花咲くいろはで初めて
聞きましたけれど、色んなバリエーションに富んでいて
楽しかったり、心に染み渡る曲が多くて大好きな作曲家
さんの1人です。



「TARI TARI」〜たり〜たり
青春期において試行錯誤しながらも希望を持って前に進
み、出会った仲間と素敵な経験を分かち合うこの作品に
ピッタリの言葉。

大人になってあの頃の気持ちを忘れたわけでは無い。
大人になっても夢や希望はあります。

だけど背負い込むものが多すぎて大きすぎていつの間にか
自動安全ブレーキ搭載車になってしまっている自分が
います。
でもやっぱりこの様な作品に触れる事で

「進路クリア。オールグリーン!」

な気持ちになれる事が一番大切な事だと思います。

P.A.WORKSさんのオリジナル作品ではtrue tears、花咲く
いろはをはじめ若者の青春期の葛藤や恋愛感情をドラマ
仕立てで表現する作品が多いのでとても好きです。

そんなの実写ドラマでやればいいじゃんって思われる方も
いらっしゃるかと思いますが、どちらにもそれぞれの良さ
があります。
アニメでしか出来えない豊かな表現力で描かれる素敵な
ドラマに巡り逢える事をこれからも楽しみにしています。

いつの日も歌おう
この心のまま
悲しみも越えて行く
強い声

君がその勇気で
一歩進む時
思い出してほしい
煌めく瞳で過ごした日々を

いつの日も歌おう
この心のまま
響くよ 空の向こう
彼方まで

そしてまたどこかで
君に届いたら
思い出してほしい
煌めく瞳で過ごした日々を

輝く笑顔で過ごした日々を

「心の旋律」

素敵なハーモニーをありがとう。

長々とした感想、最後までお付き合い頂きまして有難う御座います。



【主要登場人物・出演者】

坂井 和奏 - (CV:高垣彩陽)
宮本 来夏 - (CV:瀬戸麻沙美)
沖田 紗羽 - (CV:早見沙織)
田中 大智 - (CV:島﨑信長)
ウィーン / 前田 敦博 - (CV:花江夏樹)
広畑 七恵 - (CV:赤﨑千夏)
上野 みどり - (CV:種田梨沙)
宮本 誠 - (CV:松岡禎丞)
教頭 / 高倉 直子 - (CV:田中敦子)
校長 / 池崎 頼 - (CV:宝亀克寿)
教師/高橋 智子 - (CV:木村亜希子)
坂井 圭介 - (CV:浜田賢二)
坂井 まひる - (CV:大原さやか)
沖田 正一 - (CV:木下浩之)
沖田 志保 - (CV:能登麻美子)
田中 晴香 - (CV:川澄綾子)
ヤン - (CV:小松未可子)


【主題歌】

オープニングテーマ
「Dreamer」
作詞・歌 - AiRI / 作曲・編曲 - 宮崎京一

エンディングテーマ
「潮風のハーモニー」
作詞 - micco / 作曲 - 杉森舞 / 編曲 - 渡辺和紀
歌(第1話) - 白浜坂高校合唱部[宮本来夏(瀬戸麻沙美)&沖田紗羽(早見沙織)]

歌(第3話 - 第5話) - 白浜坂高校合唱部[宮本来夏(瀬戸麻沙美)&沖田紗羽(早見沙織)&田中大智(島﨑信長)&ウィーン(花江夏樹)]

歌(第7話 - 第12話) - 白浜坂高校合唱部

「心の旋律 」(第2話)
作詞 - riya / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 宮本来夏(瀬戸麻沙美)&沖田紗羽(早見沙織)

「心の旋律 」(第6話)
作詞 - riya / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 白浜坂高校合唱部

「潮風のハーモニー 」(第13話)
作詞 - micco / 作曲 - 杉森舞 / 編曲 - 菊池達也 /
歌 - 白浜坂高校合唱部

【挿入歌】

「白浜坂高校校歌」(第1話、第13話)
作詞 - 橋本昌和 / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 田中大智(島﨑信長)、白浜坂高校生徒一同

「リフレクティア(合唱版)」(第1話)
作詞 - riya / 作曲 - 菊地創 / 編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 白浜坂高校声楽部

「goin' my way!!」(第1話)
作詞 - riya / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 宮本来夏(瀬戸麻沙美)

「goin' my way!!(合唱版)」(第2話)
作詞 - riya / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 白浜坂高校声楽部

「Amigo! Amigo!」(第2話、第4話)
作詞 - ヒカルド・クルーズ / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - コンドルクインズ(ヒカルド・クルーズと仲間たち)

「心の旋律」(第2話、第13話)
作詞 - riya / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 白浜坂高校合唱部

「白浜坂高校校歌(ラテンver.)」(第3話)
作詞 - 橋本昌和 / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 宮本来夏(瀬戸麻沙美)&沖田紗羽(早見沙織)&
田中大智(島﨑信長)

「Hau'oli♪」(第4話)
作詞 - riya / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 白浜坂高校合唱部[宮本来夏(瀬戸麻沙美)&
沖田紗羽(早見沙織)&田中大智(島﨑信長)&
ウィーン(花江夏樹)]

「熱闘ヒーローガンバライジャー」(第9話、第10話)
歌詞 - 原田謙太 / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 西之端ヒーローショウテンジャー

「radiant melody」(第12話、第13話)
作詞 - riya / 作曲・編曲 - 浜口史郎 / 歌 -
白浜坂高校合唱部&声楽部
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 94
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

誘われたり、喧嘩したり、怒ったり、笑ったり、戦ったり、負けたり、可笑しな事を言ったり、いい仲間にあったり。

凄くテンポがいい作品ですね。
物語に無駄がなく凄く沢山の大切が詰まったような作品であり毎年夏になると見たくたる作品てす。
今年の夏も見たくなりBlu-rayを出してきて見直してみました。

来夏は去年のコンクールのミスで教頭であり声楽部の顧問から部活で歌わせて貰えませんでした……高3であり歌が大好きな小夏は最後のコンクールに出たくて顧問に訴えるもやはり歌わせて貰えなくて……部活を辞めて合唱部を立ち上げようとするのだが……

確かにコンクールでミスをしたのは致命的です。
ですが、音楽科の生徒の進路が掛かってるのも解るけど1年以上そのミスを理由に歌わせないのは酷いです。
次のコンクールもミスするかもしれないなんて可能性の話しで歌わせないのは絶対に違うし、そんな横暴は許されませんよね。


そこで、来夏は合唱部を設立してますが部員を5人集める条件で、その1人を音楽経験のある和奏を誘うも彼女には否定されてしまう。

{netabare} でも、来夏は「何もしなくて後悔して諦めたくない」と言います。
そうですよね。
何かをしないで後悔するなら何かをして後悔する方が絶対に良いし、そしてなにより何もしなければ道は開けない。
それが、自分が好きな事だったり、やりたい事なら尚のことです。{/netabare}

和奏は来夏の親友の紗羽の説得で合唱部に名前だけを貸すと約束して居たのですが、何だかんだで振り回される和奏www
この子は凄く面倒見がよくて優しい子だなぁ〜と感じます。

コンクールの日に彼女達に様々なトラブルが降りかかります。

{netabare} 諦めそうになる小夏に紗羽が喝を入れます。
諦めそうなときに喝を入れてくれる人が傍に居ると言うのは有難い事です。

きっと、紗羽が居なければ、小夏のコンクールは苦い思い出しかなくなって居ました。
誰かが居てくれたから後悔しない道を選べる事ってありますよね。 {/netabare}

こうして、コンクールを何とか乗り換えた彼女達でしたが……

{netabare} コンクールが終わり「母さんにエロ本の隠し場所を教える」と脅迫されて居た来夏の弟がエロ本を処分して部を辞めると言い出したのです。
その後も何だかんだで、部員が減り3人にまで減ってしまう合唱部……

そこで廃部になりそうな合唱部と同じ境遇のバドミントン部……
バドミントン部は部員は田中が1人で頑張って居ましたが後に帰国子女のウィーンと2人でバドミントン部を続けようとするも2人……

合唱部3人とバドミントン部2人
両方部員が足りない……そこでおこなわれたのが吸収合併を兼ねた合唱部VSバドミントン部のバドミントン対決で3対2で、しかも合唱部3人の同時サーブに羽×3つと言うルール無用のバドミントン対決が始まりますww
結果、合唱部時々バドミントン部が発足されます。{/netabare}

商店街のイベントで歌う場所をコンドルクイーンズと言うバンドに譲ってしまう来夏……それに納得できない表情の紗羽
紗羽は来夏が本気だと思うから合唱部に入って力を貸してくれていたのに……

{netabare} とでも、来夏は自分からプロには勝てない、プロの演奏を見たいから部活を休む。
そんな彼女を見て信じていた紗羽が見たらどう思うでしょうか?
紗羽の気持ちって凄く解る。
相手がプロだとか上手いとか凄いって理由で手は抜きたくない。

格上に勝てるなんて自信満々に思ってるわけじゃない……でも決して勝てないとは思いたくない!
格上の人達と何かを競う時は私はそんな感じに考えてるたりします(*/∇\*)キャ
だから、紗羽の言いたい事って凄く解る。{/netabare}


さて、田中はバドミントンに真剣に向き合う男子です。

{netabare} 1人で部活も頑張って来たし本当にバドミントンに熱意を持っていて大会もベスト8……ベスト8って凄いよね。
でも、ベスト8って多分だけど本人からみたら凄く悔しいって思う。

だって、本人は優勝目指してる訳じゃん?
それでも8位……周りから凄い結果でもかなり悔しいと思う。
でも、紗羽と話して元気が出たみたいで良かった(*^^*)
で、彼は紗羽を好きになるから告白するのですが {/netabare}



さて、和奏は昔は音楽科の生徒でしたが、彼女は音楽から離れて居ました。
その理由が、和奏の母の死……死因は病気
彼女の母は音楽が好きで……

{netabare} 病気のお母さんは和奏に心配掛けたくなくて、一緒に曲を作ったり、歌ったりしたいって思ってたけど、和奏はお母さんが心配だったり受験が心配で、そんな母に当たってしまう……
そうして、残ったのが後悔……が「一緒に曲を作って居れば元気になったのかな」

和奏は母との思い出のピアノを処分する事を父に話す。
ピアノと一緒に母が作ってくれたクジラ……金魚……間を取ってイルカのストラップと一緒に……

学校から帰るとピアノもストラップもなくて……処分を頼んだのは和奏だったけど、やっぱり寂しそうに。
嵐の夜、和奏は受験の日を思い出す。

母が雨具を用意してない事を怒鳴りつける和奏……きっとこの日は多分、凄くお母さんは体調が凄く悪くて……
だから、準備出来なかったんだと思う。
私も経験あります。
今、思い返せば、しょうもない事で酷い事言ったって思うし自分の事くらい自分でしろよって思うけど、当時はそんな風には考えなかっし和奏と似た反応でした。

雨の中、受験の為のに和奏が忘れたお守りを持って着てくれた、お母さんに「こんなのいいのに!濡れるから早く帰って!」と辛く当たってしまう。

これは、体調を心配した和奏の優しさが強い言葉で出てしまった言葉です。
でも、そんなやり取りが最後になってしまった……
最後がこんなやり取りだからこそ後悔が残る。

母が倒れたと聞き駆けつけた病院のベッド。
横になった母は、揺すっても話しかけても目を開けてくれないし、言葉は返って来なくて、手を握ってもくれなければ、歌ってもくれない。

だから、2度言えない、伝えられない言葉「いってきます」「ごめんなさい」「ありがとう」2度と出来ない事「一緒にもぅ歌えない」…………彼女の心に残した後悔……{/netabare}

実は和奏は母が病気をしてる事を知らされてませんでした。

{netabare} 娘には病気の事を明かさなかった……
だから、結果としては後悔をする事になった。
知っていれば沢山話しが出来たのに、曲を作ったのに、一緒に歌ったのに、優しく出来たのに……

でも、数年前の今、和奏は父からその事実を知らされて母の愛情に気が付いた。

母の「いつか自分が居なくなっても、大事な宝物(娘)だから絶対に1人にしない!」
カッコイイ決意だと思います。

「一緒に和奏の歌を作る」お母さんとの約束……母は多分、知っていたのだと思います。
自分が、そう長くない事を……

彼女は和奏が身体に気をつけてねと言うと「和奏が一緒に曲を作ってくれたら元気になる」と言ってました。
和奏にはそれが母が悪ふざけを言ってる様にしか聞こえなくてキツい言葉になったけど……
お母さんは、きっと、残してあげたかった。

病気で自分が居なくなる事を話して曲を作ると
悲しい曲に……思い出になる。
娘と作りたかった曲は母としての優しさや強さや愛情を奏でる様な曲でありたい。

その曲を聞いて和奏が辛い時や悲しい時に元気になれる曲、新たな事にチャレンジする時に勇気を出せる曲、寂しいときにお母さんはここに居るよって解る曲じゃなきゃいけない。

お母さんが居なくなるから作る曲は悲しみが強くなる……母が居なくなって母を思い出して涙する曲にしてはいけないのです。

曲として娘にずっと、寄り添えるそんな曲を一緒に作りたかった。
だから、完成するまでは言えなかった。
いゃ、完成したとしても……

実は、私の友達も病気で亡くなりました。
その人は家族にも周りの友達にも、病気の事を話してなくて……私にも……数年前に健康診断に引っ掛かったって聞いてたけど、それからは元気そうだし大丈夫だって言うから私も安心してて……その後に友達のお兄さんから友達のアカウントから私にメッセがきて知りました。

私も和奏の様に何で病気の話しをしてくれないのかとか考えたけど、やっぱり解らなくて……
でも、和奏の母の「私は和奏に優しくして欲しいわけじゃないの」ってセリフを聞いた時に、病気になった人って凄く不安だと思う。
それでも、和奏のお母さんは、やっぱり娘が大切で娘の事を1番に考えてくれる。

病気だからって気を使われて優しくされても、やっぱり心配させちゃうし不安にさせちゃう……大切な娘にそんな顔させたくないよね。
お母さんだもん……自分の事で悩ませたくないよね。
そんな顔をさせて娘の傍にいるより、普通の親子として最期まで母として在ろうとしたのかな?と思いました。
本当に母として人として強い人だと思うし。
和奏が居るから強く有れた人だと思います。


でも、和奏が母の優しさに気がついた時には、母との約束も思い出のピアノも母の残したストラップも母との思い出の音楽も全て捨ててしまった。

だから、凄く後悔してしまう。
でも、お父さんが全て取って置いてくれた。
ピアノもストラップもそして……半分母が作った楽譜…残り半分を和奏が作る。
そうして、いつの日か2人の曲は完成する{/netabare}


この作品の5と6話が和奏のエピソードなのですが、親子の関係性をリアルに捉えていると思います。
和奏目線に立つと子供の気持ちに寄り添えるし、母目線に立つと母の気持ちに寄り添える。
凄く感情移入しやすくよく出来てると思います。
この辺りは何回見ても涙ががボロボロ出て来ます。



紗羽には夢がある騎手になるそれが彼女の夢だけど、両親に反対されてしまう。
彼女の夢は遊びだと…………

{netabare} 私は思います。
夢は遊びで語れないと……
本気じゃないと、あそこまでは出来ません。
親としては心配なのも解るけど、誰であろうと遊びだなんて言葉で夢を否定していい訳がないのです。

彼女は夢を叶えたくて騎馬の専門学校に応援したけど、細かな規定があり体重や身長制限は自分でもどうしようもなくなって……
それでも諦めて、無理なダイエットをしたり沢山無理をしてしまい最終的に流鏑馬の大会で怪我をしてしまう。
体重や身長制限が自分でもどうしようもなくなって

それでも素敵だと思ったのが、あれだけ遊びだと反対してた父親が、騎馬の学校に掛け合い説得するエピソードです。 {/netabare}

正直、ここまでしないと本気って伝わらないのかとは思うけど、やっと本気の夢だと気付いて応援してくれるのは、やっぱり嬉しいと思う(*^^*)


ウィーンはHEROが大好きな男の子

{netabare} HERO回は中々にギャグぽい?感じ?に仕上がっていましたね。
ただ、このHEROのバイトのエピソードでは合唱部が上手く纏まるのを感じました。
教頭先生にバイトの件でイチャモンつけられた後のやり取りも良かったです。
後、ひったくり犯捕まえるのもカッコよかったですね٩(ˊᗜˋ°ᵖⁱ)وヤホッ♪
しかも、ちゃんと音楽要素も入れてましたし(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝) {/netabare}

さて、学園の文化祭である白祭が中止に……
その理由として……廃校のお知らせ(*꒪꒫꒪)
彼女達は白祭の為に準備してきたけど……

{netabare} それでも、そんな中、和奏が歌を作りあげる!
そうして、お母さんと作った曲を皆で歌いたいと言う。
学校が無くなるからって歌ってはいけないなんて決まりも法律もないのです!
だから、「やろうよ!白祭!」和奏の一言で諦めかけていた 皆の心に火がついた{/netabare}

卒業してバラバラになっても、この曲を皆で歌う事で思い出す。

{netabare} 歌う事て思い出す……彼の青春、
誘われたり、喧嘩したり、怒ったり、笑ったり、戦ったり、負けたり、可笑しな事を言ったり、いい仲間にあったり。した事を……

TARI TARI のたりは〜したりのたりですよね。
和奏達の紡いだ言葉をレビューのタイトルにしてみました(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)

だから、小夏は訴える。
クラブ会議で、文化祭をしようって。
でも、そんな中、合唱部時々バドミントン部にトラブルが発生する!
回収業者に小道具を回収して破壊されてしまう……そんな中バラバラになりそうな仲間を繋げたのはウィーンだった。
小道具はウィーンが作ったからウィーンに言われたらねw

文化祭をやると言っても簡単ではありません。
それでも、5人しか居なかった白祭をしようとする5人を見て時には説得してお願いをして、少しづつ友達が大人達が先生達が力を貸しくれるようになってきます。

廃校は覆せない……
アニメで廃校を覆せたのはスクールアイドルくらいしかパッと思い出せないww

それでも、文化祭くらいの少しの時間くらいくれたっていいと思う。
理事長は工事が遅れるとか馬鹿な事をいい文化祭を阻止してこようとする……
お客さんが入れない様に、生徒が入れない様に学校の立ち入りを封鎖されてしまう。

この理事長は本当にクズです。
生徒の将来を脅してくるし。
コイツは理事長でしょう?学校の代表でしょう?
廃校するとは言え今は学校の理事長でしょう?
生徒の事を1番に考えるべきじゃないの?って思う。
お金の事しか頭にない人です。

でも、校長先生は凄く良かったです。
校長先生はクビが掛かってても生徒の為に立ち上がってくれた。
結構、カッコ悪かったけど先生としてはカッコよかったです。

教頭先生は校長先生を見て冷たかったけどw
合唱部時々バドミントン部の指揮者をしてくれて、声楽部が全面サポートしてくれる事になります。 {/netabare}

声楽部とは色々とありましたが最後には協力関係として一緒に1つの舞台を作りあげる。

{netabare} 紗羽は騎手になる為に留学する事を選ぶ。
留学して夢を叶える為に……諦めない道を選ぶ為に……
私は、紗羽が留学する事を決意した時に迷いなく、小夏と和奏は背中を押す。

これって凄いなぁ〜って私なら多分、寂しいなぁ〜とか弱音吐いちゃうけど、迷いなく背中押せるのはホントに凄いなぁ〜ってw {/netabare}

そうして、彼女達は自分達の道を歩き出す。

田中の告白編

{netabare} これ当時はフラれた、フラれてないで意見が割れてました。
当時の私はフラれたのだと思ってましたが多分保留にされてる?気がします。
告白された時の紗羽の表示は少し困り顔の様な感じがしました。
でも、少し表情が柔らかくなって、飛行機で旅立った後に皆が、離れて田中が1人見送りながら涙を拭うシーンがありしましたが、多分「今は目の前の夢を叶える事しか考えられないから」とかで保留にされて……卒業式で、小夏が田中を茶化してたかは多分、保留されてるんだから伝えて好感度上げておきなのサインかな?ってw{/netabare}

いつ見ても楽しむる素敵な作品ですね(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 26
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

仲間と奏でる、歌と夢のハーモニー

2012年、個人的最優秀作品。実は以前書いてたあのレビューは、私のあにこれデビュー作でした。あれから 2年半の月日が流れ、この作品に対する私の想いもより強いものとなりました。いつも以上の長文で恐縮ですが、「 TARI TARI は素晴らしい!」という想いを込めて精一杯書いたので、最後まで読んでいただけたらと願います。


◆この作品で伝えたかったこと◆

この作品で描きたかったことは、「歌のもつ魅力」と「夢を追いかける高校生たちの青春」だと思います。

主人公の少女は、ある約束を守れなかったことから大切なものであるはずの音楽を辞めてしまおうとします。

しかし、高校3年生の夏、彼女も含めて5人の素敵な仲間に出会います。

今を懸命に楽しく生きる少女。夢をあきらめまいとまっすぐに頑張る少女。恥ずかしがりながらも夢に向かって歩む少年。正義にあこがれ自分のやりたいことを探す少年。

そんな5人の高校生たちが、歌を通して出会い、心を重ねて仲間となって、時にはすれ違い支え合いながら、それぞれの、そして5人の困難を乗り越えて行く。その過程の中でそれぞれが、それぞれの夢を抱き、江ノ島の街に夢と希望を届けていく。

そんな江ノ島を舞台に奏でられる夢と希望の音楽と、歌で出会ったあたたかい仲間との青春物語。

5人の歌が私たちにくれたのは、かけがえのない思い出と感動だったのかもしれません。



◆大好きなキャラ紹介~高校生編~◆

TARI TARI はたくさんの魅力が詰まった作品ですが、その一つに「高校生らしさ」があると思います。迷いつまずきながらも、夢に向かって走り続ける。そんな高校生らしい魅力を紹介したいと思います。


☆坂井和奏(高垣彩陽さん)・・・本作の主人公。過去に対する後悔から音楽を辞めようとしますが、それは誰よりも真面目な人だから。ちょっとツンデレな所がかわいい。

♪好きなセリフ {netabare}「やろうよ!白祭」

第11話。いよいよ和奏が主人公らしくなる時です。合唱部の仲間と父がいたから、過去に対する後悔を乗り越えて未来に向かって歩み出す勇気がもてた。だから、今度は私がみんなを引っ張っていく。そんな和奏の成長を感じられる素敵なシーンでした。{/netabare}


☆宮本来夏(瀬戸麻沙美さん)・・・本作もう一人の主人公。歌えない。けど、歌いたい。そんな想いを叶えるために一生懸命伸びやかに頑張る所がかわいい。

♪好きなセリフ{netabare} 「でも私ね、今は約束叶わなくってよかったって思ってる。叶ったら終わっちゃうでしょ。約束があったから、いつもおじいちゃんのことを思い出すの。」

第6話。これ、来夏のセリフですが、私の中では 今作品一の名言です。約束は果たせなかったからこそ、思い出として残り続ける。それはまるで、胸に刺さった細くて長い針のよう。そんな悲しくてやさしい痛みは、決して忘れることはないのです。{/netabare}


☆沖田紗羽(早見沙織さん)・・・本作のヒロインにして、俺の嫁(四代目)。仲間と馬のことが大好きで、自分の夢をあきらめないまっすぐな所がかわいい。

♪好きなセリフ{netabare} 「好きなだけじゃダメなんですか?そんな半端な気持ちじゃありません!」

第7話。紗羽らしさが伝わってくるいいシーンです。大好きなものを、夢を追いかけたい。でも、実際はうまくいかないこともある。そんな現実に、まっすぐに立ち向かおうとする紗羽の表情がとても魅力的でした。来夏の勘違いもいい味出してます。{/netabare}


☆田中大智(島崎信長さん)・・・本作のメインキャラの一人(モブではないよ)。バドミントンが大好きで、将来の夢はプロ選手。照れ屋で女子にいじられてしまう所がかわいい。

♪好きなセリフ{netabare} 「沖田。~以下不明~」

第13話。何度もリピート再生を繰り替えして口の動きを読み取ろうとしましたが、結局わかりませんでした。ささやかだけどいっしょに過ごした時間の中で、心が触れ合い惹かれ合う。そんな恋愛、私は嫌いじゃないですよ。いや、むしろ大好物です。{/netabare}


☆ウィーン(花江夏樹さん)・・・本作のメインキャラの一人(僕もモブじゃないよ)。ウィーンからやって来た日本人です。明るい性格で、少しずれている所がかわいい。

♪好きなセリフ{netabare} 「ヒーローは、挫けない。なぜなら、地球を回しているのは俺たちだから。」

第10話。ウィーンたちが引ったくり犯を捕まえるシーンです。正義のヒーローに対する憧れを胸に、自分たちも商店街のヒーローとして奮闘します。そんなウィーンの情熱と一生懸命さが私は好きです。まあ現実に、戦隊ものが好きな男子高校生がいるかは謎ですが。{/netabare}



◆大好きなキャラ紹介~大人編~◆

この作品のもう一つの魅力は、「大人が大人として魅力的」であることだと思います。これもP.A.WORKS のお家芸なのですが(SHIROBAKO や花いろなど)、この作品では「親のもつ愛情」と「音楽を愛する人」という視点で描かれていると思います。

☆和奏の父(坂井圭介)・・・和奏と妻であるまひるのことを理解し、あたたかく見守るお父さん。私は将来、こんな父親になりたいです。
☆和奏の母(坂井まひる)・・・愛する我が子に、大好きな歌を大好きになってほしい。そんな純粋な想いがまぶしくて、愛おしいです。
☆紗羽の父(沖田正一)・・・紗羽のことを大切に思うが故に、無謀な夢に反対する娘想いのお父さん。愛情の深さが伝わってきます。
☆紗羽の母(沖田志保)・・・紗羽や和奏たちのことを理解し、やさしくフォローしてくれるお母さん。時には、厳しく接することもあります。

♪教頭(高倉直子)・・・真面目な性格で、音楽が大好きだからこそ厳しい指導をする教頭先生。後半の変化はキャラ崩壊ではなく、悲しみの痛みを知る音楽家だからこそです。
♪校長(池崎頼)・・・音楽をこよなく愛するちょっと頼りない校長先生。「何が教育だ。人の弱さも、その弱さを癒す歌の素晴らしさも知らないくせに。」は名言です。

ちなみに、{netabare}理事長だけ極端に人間的弱さが描かれていないのは、「音楽の魅力を理解しない人」であることを強調するためだと思われます。{/netabare}



◆忘れられない思い出◆

この作品は私にとって、とても大切な作品です。

{netabare}この作品が放送されていた頃、私は私の人生に対して後悔をしていました。だから、和奏には強く共感しましたし、とてもまぶしく見えました。

和奏はいっしょに歌をつくるという約束をお母さんとしていましたが、叶わぬまま会えなくなってしまいました。そして、そのことに対する後悔はずっと和奏を苦しめます。

でも仲間と出会い、お父さんの支えによって立ち上がり、お母さんとの約束の歌をつくり始めるのです。

そんな和奏の姿に、私は勇気をもらいました。私もきっと後悔から立ち直り、前に向かって歩み出せる日が来ると。{/netabare}

TARI TARIは私が初めて自力で見つけた、心から出会えてよかったと思える作品です。忘れることのない思い出とともに、これからもずっときっと愛し続けていくでしょう。



◆それでも TARI TARIは素晴らしい◆

この作品は本当に素晴らしい作品だと思いますが、二つほど弱点があります。しかし、この弱点も見方を変えれば素敵な魅力になると思うで、必死に弁明させていただきます。

弱点その1、爪の甘いストーリー。

この作品を冷静な目で見てみると、ストーリー展開で少し無理があったりツッコミたくなるような箇所がたしかにあります。

でも、私はそれでいいと思っています。この作品は、技術的には未熟かもしれないけど、高校生たちが懸命に心を重ね合唱することによって素敵なハーモニーを生み、まわりの人たちの心も動かす、といった感じで描かれています。

だから、ストーリーも荒削りでいいんです。一生懸命伝えようとする想いが、少しでも伝われば。もしストーリーが完璧だったら、彼女たちがもつ高校生らしさは薄れてしまったかもしれません。

弱点その2、モブ扱いの田中とウィーン。

メインキャラは5人のはずなのに、男子二人の扱いがまるでモブキャラのように、雑に感じられる所もたしかにあります。

でもこれ、もしかしたら「あえて」かもしれません。

TARI TARIの魅力の一つに、「ユーモアさ」といいますか、クスッと笑わせるような上品な笑いが挙げられます。だから、あの二人の扱いも、そのユーモアな表現から来ているのではないでしょうか。

また、これは私の完全な妄想ですが、この作品は「女性優位」的な視点で描かれていると思います。決して女尊男卑というわけではなく、合唱のもつ特性よりこうなっているのかなと。

みなさんも中学生の時などに合唱された経験があるかと思いますが、なぜだか男子の方が声が出ない。しかも、指揮者や伴奏者はだいたい女子がやりますから、余計に男子は立場がない。(あくまで私の主観です)

そんな視点をストーリーの中に取り入れて、ユーモアあふれる作品に仕上げているのだと私は解釈しています。

このように「合唱」という文脈から好意的に捉えれば、弱点も魅力に変わります。

ああ、TARI TARIはなんて素晴らしい作品なんでしょう。



◆まとめ◆

それでも実はユーフォちゃんが完結した頃、ちょっとだけTARI TARIのことを心配してました。「あれ?すごい音楽作品が出てきたぞ。TARI TARIは大丈夫かな?」って。

でも、これはただの杞憂でした。TARI TARIにはちゃんと、TARI TARIだけの魅力がありました。

素敵な音楽ときれいな絵、かわいい高校生と魅力的な大人たち、そしてあたたかさとユーモアあふれる爽やかな青春。私が心から愛する、大切な「七神」の一つです。

仲間と奏でる、歌と夢のハーモニー。

そんなやさしくて清々しい高校生たちの青春を、夏の終わりに味わってみてはいかがでしょうか。


いつも以上の長文でしたが、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。



◇余談 1 ◇

『TARI TARI関連 CD の紹介』

{netabare}♪サウンドトラック
「TARI TARI ミュージックアルバム 〜歌ったり、奏でたり〜」

TARI TARIは音楽系作品ということもあって、そのBGMも素晴らしいです。ユーフォちゃんと僅差で、No.1だと思います。Disc1がサウンドトラックで、本当に素敵な音が詰まっています。Disc2には「心の旋律」や「潮風のハーモニー」などの素敵な合唱曲が収録されています。


♪キャラソンCD
「TARI TARI キャラソンミニアルバム 空盤 〜見上げたり、はばたいたり〜」
「TARI TARI キャラソンミニアルバム 海盤 〜潜ったり、たゆたったり〜」

私はOP&EDや劇中歌以外のアニソンは、正直あまり聞きません。つまり、キャラソンはあんまり好きではないのです。でも、この作品のそれはまったく違います。各キャラの性格や想いがうまく表現されている名曲ばかりです。自信をもってオススメします。


♪ドラマCD
「TARI TARI ドラマCD 旅立ちの歌」
~収録内容~
1.音楽劇 美女たちと蛙 〜Beauties and the frogs〜
2.第13話 冬だったり 立ち止まったり
3.第13話 歩き出したり 春だったり
4.合唱曲 旅立ちの歌

これこそが、TARI TARIの本当の最終回です。TARI TARIが好きな方は、必ず聞かなければなりませんよ。収録内容が上記のように、第13話の音楽劇の全容と、第13話を補完するストーリーとなっています。和奏たち5人の未来が語られているので、ぜひお聞きください。また、最後の「旅立ちの歌」も至高の合唱曲です。声優さんたちの気合いにも素晴らしいものがあり、涙なしでは聞けません。感動です。ぜひぜひ、ご試聴ください。{/netabare}


◇余談 2 ◇

『人はなぜ、歌を歌うのか?』

※完全におまけです。でもここに、この作品の本質があると思うので、最後までお付き合いいただけたらと思います。

{netabare}
人はなぜ、歌を歌うのか。それは、「人生をより豊かにするため」だと思います。

まず、人はいつ歌のでしょうか。

それは、嬉しい時、悲しい時、つらいことがあった時。そして、幸せな気持ちであふれている時。

自分の高まった感情を表現するために歌う。自分の気持ちを誰かに届けるために歌う。今の自分の想いを未来へとつむいでいくために歌う。そんな風に、私は思っています。

また、人は誰のために歌を歌うのでしょうか。

それは、自分のため、ともに同じ時間を過ごしてきた仲間のため、愛する人に大切な気持ちを伝えるため。そして、世界がやさしい気持ちであふれるように、私たちは歌うのだと思います。

そんな歌は、私たちにたくさんのものを与えてくれます。思い出や感動、ひと時の憩いの時間。

それらはきっとかけがえのないもので、人と人とをつないでくれる。そんな心の重なり合いは、大切な仲間を与えてくれる。そして、仲間とつくった大切な歌と音楽が、次の未来へと歩み出す勇気となって、夢へと変わる。私はそう、信じています。

歌の持つ一番の魅力、それは「いつでもすぐそばにある」ということ。

歌は他の音楽とは違って楽器を必要とせず、自分の身体一つでさまざまな音を奏でることができます。そして、そこに人が集まれば、より豊かな音楽となって輝きます。

歌はいつも私たちのそばにいて、うれしい時には幸せを、悲しい時には安らぎを与えてくれる。また、誰かといっしょに歌を歌えば、音と音が重なり合い、心と心が通じ合い、そこから愛や希望、そして夢が生まれてくる。それらはきっと、明日に向かう力となる。

和奏たちも歌で出会い、仲間となって、ぶつかり励まし合いながら、ともに困難を乗り越えてきた。そんなかけがえのない時間は、それぞれに夢を与え、未来へ踏み出す勇気となった。

そして、歌は一人ではつくれない。仲間がいて、色んな想いがぶつかり合って始めて、心動かす音楽が生まれるのです。

人はなぜ、歌を歌うのか。それは、より幸せな毎日を生きるため。

みなさんの日々の生活が、歌を、そして TARI TARI という作品を通して、より豊かなものなることを願いつつ、終わりの言葉としたいと思います。

最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。


{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 74

87.1 6 ほのぼので感動なアニメランキング6位
夏目友人帳 肆(TVアニメ動画)

2012年冬アニメ
★★★★★ 4.1 (1869)
10936人が棚に入れました
現在テレビ東京で、TVアニメ第3期『夏目友人帳 参』が放送中の『夏目友人帳』のTVアニメ第4期の放送が決まった。 放送時期は2012年1月から。タイトルは『夏目友人帳 肆』。2008年7月放送のTVアニメ第1期『夏目友人帳』と2009年1月放送の第2期『続 夏目友人帳』は1クール放送、1クール休み、1クール放送の分割2クール制作だったが、今回のTVアニメ第3期と第4期も分割2クール制作だったようだ。

声優・キャラクター
神谷浩史、井上和彦、小林沙苗、石田彰、堀江一眞、木村良平、菅沼久義、諏訪部順一
ネタバレ

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

にゃんごろうとの記念撮影いいなぁ~(ノ´∀`*)

■夏目友人帳 肆 を見る前に(*^_^*)
いよいよ4期目突入の「夏目友人帳」!!
また夏目くん達やにゃんこ先生に会えると思うと嬉しくなっちゃいます(o^∇^o)ノ
今までの「夏目友人帳」なら特に前回までのストーリーを知らなくっても全然問題なかったんですけど、今回「肆」は「参」を観ていないと理解不能になっちゃうかもしれませんね♪
夏目くんの直感から危険な存在と察知している的場一門当主こと的場静司との因縁を是非知った上で本作品をご視聴することをおすすめ致します。

今回の最大の見所は・・・

「的場一門」 vs 「夏目軍団」(にゃんこ先生、名取さん、他・・・)

といった構図だと思うので今までの癒し重視の内容からストーリー性に富んだ内容になると思うので、今までに無い「夏目友人帳」を見れるかもしれませんね♪


■夏目友人帳 肆 に出逢った日の日記ヽ(^◇^*)/ ワーイ
いきなり何やら不穏な空気が漂う内容の一話でしたね!
的場一門といきなりの接触となったわけですけど・・・
さすがのにゃんこ先生もいきなりゴミ箱に( ´∀`)つ ミポイッってされちゃいましたねw
今までの「夏目友人帳」とはひと味もふた味も違うんだからねって宣言しているかのように思えました
☆-(^ー'*)b
妖怪や人とふれ合うことで成長してきた夏目くんの周りには、いつしか掛け替えの無い仲間や家族が出来ていましたね♪
そんな家族や仲間を守るために戦う夏目くんや、そんな夏目くんをよく知る数少ない仲間達が、的場一門との対立にどんな結末を向かえるのでしょうね(-""-;)ムム・・・
「肆」は今まで以上に楽しみにしながら視聴できそうです(*^_^*)


■総評
予想に反して的場一門との決着は今回もお預けでしたけど、夏目友人帳らしいハートフルな展開が盛りだくさんで「肆」も大満足でした♪
可愛さに磨きがかかったにゃんこ先生と、人や妖怪との絆を深めてきた夏目くん。
シリーズ1作目からずっと見てきているからこそ感じられる事がありました。
夏目くんと周りの友人や家族、妖怪達との間柄の微妙な変化がとっても微笑ましく思えてくるのです♪
はじめの頃の夏目くんの優しさは、自分から遠ざける事で人に迷惑をかけまいとするようなものでしたので、相手に届きづらい優しさだったのかもしれませんね。
でも少しずつ他人の心に触れ、優しさを受け入れることで、本当に他人を思いやるという意味が理解できてきたように思えます。
そんな夏目くんに向けられる仲間達の表情がとっても印象に残りました♪
そんなひと回り成長した夏目くんをそっと見守ってきた藤原夫妻の包み込むような笑顔☆彡
身近な友達で一番苦悩を理解してくれている田沼くんの気遣いやクラスメイト達の楽しげな表情☆彡
「なっつめっさま~」って夏目くんと絡むことがとっても嬉しそうな妖達☆彡
そして夏目くんを一番側で見守ってくれていた頼りになる用心棒のにゃんこ先生(斑)が最期み見せた誇らしげな横顔☆彡
夏目くんは本当に良い仲間を得ることが出来ましたよね♪

そんないつもの仲間とはちょっと違った視点で綴られてとっても新鮮に感じたエピソードもありました♪

的場一門の七瀬さんと、夏目くんの親戚の娘で蒼井三世子ちゃんのエピソードです!
{netabare}
七瀬さんといえば老齢でちょっと地味なキャラってイメージでしたけどだいぶ見る目が変わっちゃいました♪
いつか夏目くんと分かり合えたらいいなぁなんてちょっと思っちゃいますよね(*^_^*)
それと夏目くんと三代子ちゃんとのエピソードでは、夏目くんの成長した姿を見ることが出来ました!
「大丈夫、君の家族を取ったりしないよ」
夏目くんが言ったこの一言で三代子ちゃんもΣ(・o・;) ハッ!と気付かされていましたね♪
この言葉を選択して伝えることが出来た事に成長を感じ、多くを語らない夏目くんらしい優しさを感じた名シーンでした(*^_^*)
{/netabare}

人の温かみに触れ、人を頼っても良いことを知り、妖からも一目置かれる存在になった夏目一門当主夏目さまw
レイコさんとも名取さんとも違う道を歩んでいくであろう夏目くんの物語をもっともっと見ていたいものですね☆彡
次回作がとっても待ち遠しいです(✿ˇ◡ˇ)人(ˇ◡ˇ✿)


■MUSIC♫
OP曲『今、このとき。 』
 【作詞・作曲】恵梨香【編曲】浅田信一【歌】ひいらぎ
 8枚目のシングル。千晶と恵梨香からなる女性フォークデュオ♪
 フォークサウンドにデジタルロックチューンした聴き心地の良いナンバーです!
 等身大の歌詞が心にストレートに刻まれます(^^♪

ED曲『たからもの』
 【作詞】こだまさおり【作曲】神前暁【歌】河野マリナ 
 化物語・偽物語でも作曲を手がけていた神前暁さんといえば分かりやすいかなぁ!
 それと、Aチャンネルの「Morning Arch」から続いて2ndシングルとなった河野マリナさん
 神前暁さんは歌い手の良さを引き出すのが上手ですね♪
 河野さんのほんわり優しい歌声とバラードがC=(^◇^ ; ホッ!とした気分にされてくれました♪


2012.01.21・第一の手記
2012.06.18・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC♫)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 41

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「悲しい日も、辛い日もあった。そしてこれからもそんな日はやってくるかもしれない。それでも忘れられない、宝物の日々。」

夏目友人帳・4期です。

1期から観ずに、
途中からの視聴も可能ですが、

夏目の積み重ねてきた出来事が
より心に感動とぬくもりをくれるので、

時間があるならばぜひ1期からの視聴を。

4期は全13話です。

2016年10月からは5期も放送決定してます!
楽しみすぎて待ちきれない♪


● ストーリー
高校生の夏目貴志(なつめ たかし)。

彼は幼いころから妖の類が見えた。

強い妖力を持っていたとされる祖母・夏目レイコの遺品から
『友人帳(ゆうじんちょう)』を見つけた夏目は、

友人帳に名を記され縛られている妖に、
名を返していくことを決める。


さすがに4期にもなると
夏目は妖の世界に随分踏み込んできたんだなあと感じます。

妖の狩りや祓いを生業としている人たちとの
関わりも多かったし。

そして、
4期は夏目の過去に関わるエピソードも多かったです。

幼い頃に両親をなくし、
親戚の家を転々としていた夏目。

妖が見えることによる行動を周りからは気味悪がられ、
誰にも理解してもらえなかった日々。

これまでにも夏目の幼少期に関わるエピソードはありましたが、
4期ではその過去と向き合う大きな転機が待っていました。


≪ 幼い頃の夏目 ≫

気味が悪いと虐げられる痛み。

自分の苦しみを理解してくれる人がいない痛み。

表面では優しくても、
内面では困惑させてしまっていると気付く痛み。

自分の代わりに
誰かを不幸にしてしまうことによる痛み。

自分だけを包み込んでくれる優しさを求めても、
応える者のいない痛み。

写真の中の両親の笑顔とぬくもりを
もう直接感じることは叶わない、ひどく寂しい痛み。

夏目にとって昔の出来事は心が痛くなることが多すぎて。


夏目が両親について覚えていることは、ほとんどない。

覚えているのは、
お父さんのひざの上で笑っていた記憶。
優しかった父の、大きくて温かな手。

あの夏目が声を出して泣くほど、
温かくて、痛くて、もう届くことのない儚い記憶。


だけど今の夏目にはかけがえのない、大切な人たちがいる。
藤原夫妻、学校の友人、そして妖たち。

自分勝手でめちゃくちゃな妖もいるけれど、
今の夏目は妖を恨んだりはしない。

ただ自分が感じている優しさを
誰かに返したいと願うだけ。

そんな心優しい夏目をにゃんこ先生は「お人よしめ。」と
言うけれど、そんな夏目だからこそみんな放っておけないのだろうね。

昔の痛さがあったから、
今のぬくもりを大切にできる。

夏目の部屋のふすまに隠された秘密。
それもまた泣いた(´;ω;`)夏目可愛い

それを知っても、気持ち悪がったりせず笑って受け止める北本たちも
いいやつらなんだよなあ。

4期はそんな、
“人の優しさとぬくもり”のエピソードが多いかな。

特にラスト3話(夏目の両親の写真や、家を訪ねるエピソード)は、
泣いてばかりでした。


● 音楽
これまでも夏目友人帳の主題歌は大好きでした。
今回もまた格別。

【 OP「今、このとき。」/ ひいらぎ 】

明るい曲調なのに、泣ける。

夏目の姿に歌詞が合いすぎて、
1話のOPだけで泣けましたw

全話観終わってから歌詞を見直すと、
なにこれ、夏目にぴったりすぎてまた泣ける(´;ω;`)


曲もいいんだけど、
アニメーションとの合わせ方がさらに最高。

幼い夏目かわいい。そして今の夏目。
2人を比べると、高校生になった夏目は大人になったな~と思う。

夏目に大人の色気を感じる…(*´Д`)ハァハァ

ひざを抱えて座るちび夏目のところに潜り込むにゃんこ先生と、
にゃんこ先生をもふってするちび夏目が最高!


【 ED「たからもの」/ 河野マリナ 】

このEDが見事だよ!

夏目の最後のナレーション
  ↓
EDのイントロ
  ↓
歌い出し

この流れが神過ぎる…!

特にイントロの破壊力が凄まじい。笑

なんだこの完璧さは。
イントロは作品の一部です(確信)

感動で胸いっぱいなところへ
涙腺崩壊のとどめをさしてくれます。笑

今ではほら、
曲を聴くだけで自然と涙が…(´;ω;`)


● まとめ
1期から大好きな作品ですが、
期を重ねるごとにどんどん好きが強くなる。

この作品への愛おしさが止まらない。

夏目のこれからをずっとずっと見守っていたくなる。
もはや、にゃんこ先生目線な気分です(笑)


今の夏目にはもう、優しい存在がたくさんある。
そしてその愛おしさや大切さを夏目はちゃんと知っている。

互いに想い合う心が重なるから、
夏目の周りは温かい。

これは、与えられるぬくもりではない。

手に入れたいと願い、
人に温もりを与えたいと願い、
そんなたくさんの温もりが混ざり合ってできるもの。

こんな温かい色を感じられるだけで、
とても幸せな気分になれます。


この作品はとても愛されて
アニメ化されているなあと感じます。

作品が持つ愛、そこに制作側の愛が加わって
観る人の涙腺を崩壊させる(´;ω;`)

5期も楽しみです♪

投稿 : 2025/02/01
♥ : 27
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

夏目君の強さと優しさの根源を見た4期だった

ずっと見守り続けてきた夏目君の心模様とその成長振り。
個人的には、妖怪と人間とのせつない恋模様やつながりのエピソードや、
彼を兄のように見守る名取さんの接し方が好きだったりしたけれど、
本作では、今までの中で一番、夏目君自身が描かれていたと思う。

振り返ってみると。

1期では妖怪が見えてしまう彼と、さまざまな事情を持つ妖怪との
出会いや別れを描き、両者の距離感やわだかまりが少しだけ解けて。

2期では妖怪への理解を示せるようになってからの、
夏目君の周囲の人間との接し方と考え方の変化を。

3期では妖怪を祓う祓い屋の存在と主張を色濃く盛り込み、
夏目君の祖母の形見である友人帳の存在意義も少し変化を見せ、
彼の用心棒でもあるにゃんこ先生のほうにも、彼に対する変化が見られ・・

そしてこの4期では、夏目君自身の過去をこれまで以上に克明に描き、
彼の人間的なやわらかさ、穏やかさ、やさしさの根源を見せるとともに、
友人帳がなくても、しっかりと結ばれている妖怪たちとの絆が描かれていた。

こうして整理していくと、
妖怪と人間のバイパスになっているにゃんこ先生の存在は大きく、
先生の存在なくしては、やはり夏目君の今はなかっただろうと思う。
と同時にもうひとつ大きな存在は、夏目君を引き取ってくれている藤原夫妻。
彼らの真の愛情は、夏目君が本来持っていた穏やかな性格を思い切り引き出させた。
そして、その大切な日常を宝物のようにしている夏目君に、
観ているこちらも、何気ない日々のしあわせに気づかされたりする。

「癒し系妖怪アニメ」とよく表現されるこの作品だけれど、
僕はそれだけじゃないと思っている。
そこからもっと踏み込んだ、本当の癒しって何なのか、本当の幸せって何なのか。
最後の連続3話は、特にそれをテーマとし、親戚の女の子の家庭と、
奇跡と言っていいほどに良い子に育った夏目君とを対比させていた。
{netabare}
人の哀しみや憎しみを食べて成長する妖怪に憑依されてしまった彼は、
傷つき過ぎた過去の記憶を最後まで消すことなく、
むしろ「あの痛い記憶があってこその今が大事なんだ」と確信し、
にゃんこ先生の助けを借りずにそこから乗り越えて自力で目覚めた。
そしてそこには、清々しくさらにひとまわり成長した夏目君の姿があった。

夏目君の最初の不幸は、「妖怪が見えてしまう」という、
祖母のレイコさんから受け継いでいるものも確かにあるけれど、
まず、幼いうちに両親が亡くなってしまったこと、
それと妖怪が見えてしまうことで、親戚中をたらい回しにされたことにある。

でも、妖怪にも人間同様にいろいろいるもので、ある意味人間よりも純粋な
妖怪たちと関わるようになったことで成長できた部分も多く、
いまや友人帳など使わなくても妖怪たちとの約束事は守られ、
学校での友人たちとも同じように友情で結ばれ、
それらが夏目君をしっかり支えている、っていうのが嬉しい。
そして、レイコさんが成し得なかったことを、
孫である夏目君が実現させているということも、感慨深い。
{/netabare}

結局は相手が何であろうと、理解と友情があれば道は開かれるのかもしれない。
ただ、理解するとか、友情を育むには、ある程度のリスクや時間は必要で。
だけど、誰のせいにすることもなく、何を憎むこともなく、
目の前のものを真摯に受け入れ、消化していける能力というのは、
何にも代え難い人間の強さとなり、人生を変えていけるのだと思う。

夏目友人帳という作品の最大のテーマはおそらくそういうことであり
僕はいつもそこに深く共感している。

原作もずっと読んでいるので、アニメ版もずっと続いてくれたらと切に思うけれど、
視聴者によっては、マンネリ感を感じたりして、少々刺激が欲しいところかもしれない。
{netabare}原作では 祓い屋の的場一門と名取周一のことをさらに詳しく描き、
夏目君にもう少し踏み込んでくる内容に発展していっているし、{/netabare}
なにしろ友人帳が今後どうなっていくかを見届けないと。
というわけで、やっぱり5期も大いに期待してしまうのだよね。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 83

73.6 7 ほのぼので感動なアニメランキング7位
花田少年史(TVアニメ動画)

2002年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (196)
961人が棚に入れました
近所でも有名な腕白小僧、花田一路は悪戯を叱る母親から逃げようと道路に飛び出し、車にはねられてしまう。頭を9針縫いながらも、奇跡的に助かった一路であったが、これ以降なぜか幽霊が見え会話出来るようになってしまう。そして様々なオバケ達が生前の未練や願いを果たすためにと、自分たちと会話可能な一路の元にやって来て無理難題を押し付けられる事となった。

声優・キャラクター
くまいもとこ、桑島法子、矢尾一樹、田中真弓、野沢那智、竹内順子、久川綾、伊倉一恵、永井一郎、ゆきのさつき、井上倫宏、真殿光昭、松本梨香、山口勝平、小林沙苗、堀勝之祐、大原さやか、金月真美、高山みなみ、田中秀幸、かないみか、たてかべ和也

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

笑って泣けるハートフルコメディの名作

☆物語&感想☆

カラーテレビが普及しだした頃の昭和の田舎が舞台で、
ある日車にはねられた事をきっかけにおばけ(霊、生霊)が見えるようになった主人公一路のもとに、
あの世へ行けない霊や生霊が助けを求めてやってくる、という内容の物語。
基本1話~3話完結のエピソードで全25話。

成仏できない幽霊を助ける…となると「あの花」のようなあからさまに泣かせる系の話か、
と構えてしまうところではありますが、
基本的に主人公の一路は非協力的で、とんでもない悪ガキ(糞ガキ)なのが他作品とは異なるところ。
どのエピソードも中途半端なギャグアニメ以上に笑えるコメディでもあるので、
あざとい感じはそれほど受けません。

まぁ幽霊のお願いもシリアスなものもあれば、結構ライト!?なものまであって、
泣かせるエピソード一辺倒というわけじゃないところも飽きさせなくて良いですね。
後半は特にどれも感涙必至な珠玉のエピソード中心ですが、
前半8話の童貞のまま死んでしまった織田の話は異色で、かなり笑えるもので自分は好きですね。

一路の悪ガキぶりだったり、母ちゃんのお仕置きなど、
今ならちょっと放送コードに引っかかりそうな描写も結構ありますが、
当時は今ほど規制とかうるさくなかったんでしょう。
結果的に昭和の時代感がとてもよく描かれていてノスタルジーを感じる所でもあります。

この作品が幅広い年齢層に高く評価されているのは、
笑って泣ける物語で、昭和のノスタルジーを感じる作風だということは明らかですが、
一貫しているのが、親子だったり恋人同士だったりの愛に溢れた普遍性を描いていること。
花田家の面々を観ていても、家族の温かみを感じない人は居ないでしょう。

☆声優☆

主人公一路を演じた、くまいもとこの好演が何と言っても見事ですね。
これほどこの役に嵌るキャスティングはなかなか見つからないでしょう。
また、一路以外にも花田家の面々の演技も素晴らしい。
母寿枝役はどっかで聴いたこと有るなぁと調べてみると、ドラゴンボールでクリリン、
今はワンピースのルフィを演じているんですねぇ~感慨深い。

徳次郎役の野沢那智さん、数々の名優の吹き替えをされてた方ですが、
アニメで思い出すのはあのスペース・コブラ。
もうずいぶん前に亡くなられてたんですね。。

その他各エピソードのゲスト声優も今となってはベテラン揃いの実力派ばかり。

☆キャラ☆

主人公一路の最初の印象が悪すぎてかなりイラッと来ましたが、
観ているうちに慣れ、家族や友達、幽霊との関わりを通じて、
回を追うごとにちょっとづつ成長していく様が見て取れたのが良かったですね。

花田家の面々は個性豊かで演技の良さも相まってかなり笑わせてもらいましたね。
いつも一路を叱っている母寿枝の一路を思う気持ちに涙。
一路にアプローチしてくる霊たちも、バラエティに富んでいて飽きさせませんでした。

☆作画☆

クレジットを見てみると回によってはかなり少数精鋭で制作されたことが判りますが、
キャラデザインが今風の絵柄じゃなく、アクション的にもそこまで派手な場面も多くないので出来たんでしょうね。
ただ表情の描き方なんかはしっかりしていて、手抜き感は感じられません。

高く評価したいのは何より背景&美術の方。
これがとても淡くノスタルジックで素晴らしい出来。
2002、3年の作品ですが、デジタル環境が整った現在のものと比べてもかなり質が高い。
もしこれから観てみよう、という人が居たら背景、美術に注目して観ると良いと思いますよ。

☆音楽☆

OP,EDがバックストリート・ボーイズの楽曲が用いられているのが意外ではありますが、
曲自体は作品に合ったもので違和感はありません。
まぁこれだけ素晴らしい作品なので、やはりこの作品のために歌詞から作って欲しいなぁとは思いますが、
作中BGMの方は絶品。
アコースティックな楽器、生音に拘った温かみや懐かしさを感じるもので、
曲数はそこまで多くないながらも素晴らしい出来、しっとりと染みますねぇ。


内容に難しさはないものの、
昭和のノスタルジーを感じるという意味では、
ある程度大人の方がより感慨深いのではないかと思います。
作画、声優、音楽、クオリティはマッドハウスの本領が発揮された素晴らしいもので、
今時のアニメファン以外の一般層にもオススメして間違いない、名作なのは言うまでもありません。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 13

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

絵柄で敬遠しないで。隠れた名作ですよ。

<2020/10/26 初投稿>
原作は一色まことさんの1990年代の漫画。
原作好きでした。
アニメの本放送は2002年だそうですが、アニメ化されてることすら気づかず、数年前の再放送で初めて視聴しました。


時は昭和30〜40年頃。
舞台は日本のとある田舎町。
主人公は悪ガキの小学生「花田一路(いちろ)」

ある日、いつものようにイタズラがばれた一路は、追いかける母ちゃんから自転車で逃げ回り、挙げ句に三輪自動車と出会い頭に激突!
するとどうしたことでしょう。
一路はなぜか幽霊が見えて話せるようになってしまいました。

本作はここから始まる「一路とお化けと生きてる人たちが織りなす、笑えて泣ける物語」です。

そうなんです。
本当に心の底から笑えて、
心の底から泣けたんですよ。

一色まことさんの漫画はかなりクセのある個性的な絵柄。
でもめちゃくちゃ「上手」。
コマ割りも台詞回しも読者に十分伝わりながらも余分が何もない。

そしてキャラクター。
表情も仕草も、まるで漫画のコマの中で生きているよう。
一路はもちろん。
各エピソードのゲストキャラやゲストお化け。
レギュラー陣の一路の母ちゃん、父ちゃん、姉ちゃん、爺ちゃんと子犬のジロ、幼馴染みの男の子と女の子。
他にも同級生や近所のババアなど。

みんなみんな、命が吹き込まれ、「生きて」いました。

さらに凄いのは。
本作は1話完結で原作では12エピソードあったのですが、似たようなエピソードが一つとしてないこと。
お化けと人間の話なので似た話が繰り返し出てきそうなところですが、それがない。
そしてどれ一つとってもレベルが高い。

ジロとの出会い、ちんちんジジイ、ハムカツ、ひまわり、瀕死、ゴンパチ、そして倫子などなど。
どのエピソードもハズレがない。
ハズレなく笑ったり、感動したり。

一色まことさんは真のストーリテラーだと思います。

さてアニメの方ですが。
アニメではこの珠玉の原作を高いレベルで再現し、動かしています。
2002年の4:3比率の画面とは思えないハイレベルな高品質。
(ただ、原作の表現力があまりにも高すぎて、原作ファンの私にはそれでも少々物足りなかったり)

声優も花田一路役のくまいもとこさんを始め皆ぴったり。
ちなみに一路の家族は
お母ちゃんは海賊王になる予定の人
お父ちゃんはZZのパイロット
お爺ちゃんはスペースコブラ
お姉ちゃんは七代目火影
と最強一家です。

OPとEDはなぜか洋楽。
それも"あの"Backstreet Boys。
よく許可取れたよな。
でもなぜか少年・一路と麦わら帽子の映像にマッチしてたり。

と、長々と冗長にいろいろ書いてきましたが。
まだ観たことない、というそこのあなた。
本作はオススメですよ。
キャラデザは確かに可愛くないけども、それも3話目ぐらいで慣れます 笑。
もしよかったら一度、ご視聴チャレンジしてみてくださいませ。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 21

Tnguc さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

【お気に入り】 正真正銘、笑って泣ける作品

~
「クソガキ」を絵にかいたような少年・花田一路(はなだ・いちろ)は、可愛げの「か」の字もないようないハナタレ小僧で、どうしようもないトラブルメーカーでした。ある日、事故をきっかけに後頭部に九つの縫い跡を持ってしまった一路は、幽霊が見える特異体質になってしまいました。という話。
この作品は、そんな少年一路を中心とした花田家のドタバタギャグの一面と、様々な幽霊との出会いが生み出す感動ドラマの側面があり、他の作品にはない特殊な二面性を持っています。ギャグの部分については、とにかく一路たちのクソガキらしさが前面に出ているので、やっていることは心底下らない感じです。でも不思議と微笑ましさすら感じる面白さがありました。きっとそれは、どんなに下品なやりとりだとしても、その根底には「家族」という素朴な温もりがあるからだと思います。もう一つの側面である幽霊との物語は、幽霊が見える体質であるばっかりに、色んな幽霊から未練の代役を頼まれてしまうのですが、その中には、しょーもない未練を依頼する者や、大切な人との別れをお願いする者など、様々。とにかく幽霊の依頼内容が多種多様のため、ある時はコメディになったり、ある時はヒューマンドラマになったりと、物語のバリエーションがとても豊富です。最後まで飽きることはありません。
この作品は「浦安鉄筋家族」と「夏目友人帳」を合体させたような作品で、登場人物や作風自体は「浦安鉄筋家族」、設定や物語は「夏目友人帳」を彷彿させます。普通に考えると、この二つの作品は噛み合いそうにありませんが、実はその通りだったりします。幽霊メインのドラマが始まると、一路が蚊帳の外になったりして、主人公にも関わらず舞台装置のような扱いになったりしていました。それでも、時には笑い、時には胸が温かくなるような、一粒で二度おいしい作品であることに変わりはありません。

物語:★★★★☆
・本文参照。個人的にメロンとクリスマスプレゼントの回がお気に入り。
作画:★★★★★
・水彩画のような背景が素朴な雰囲気を演出しています。
声優:★★★★★
・有名な声優が多いけど、普段とは違った演技が見れるので新鮮。
音楽:★★★★☆
・バックストリートボーイズは今だからこそノスタルジックに聴こえてしまう不思議。
人物:★★★★★
・子供がみんな生き生きとしています。桂ちゃんが可愛い。

個人的評価:★★★★☆ (4.0点)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 6
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