ひきこもりで感動なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのひきこもりで感動な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年09月08日の時点で一番のひきこもりで感動なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

95.0 1 ひきこもりで感動なアニメランキング1位
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (1834)
7765人が棚に入れました
思春期症候群―― 多感で不安定な思春期だけに起こると噂される、不思議な現象。 たとえばそれは、 梓川咲太の目の前に現れた野生のバニーガール。 彼女の正体は、高校の上級生にして活動休止中の女優、桜島麻衣先輩だった。 魅惑的な彼女の姿は、何故か周囲の人間の目には映らない。 謎の解決に乗り出した咲太は、 麻衣と過ごす時間の中で、彼女の秘める想いを知って...... 次々と咲太の周囲に現れる、“思春期症候群”を抱えたヒロインたち。 空と海が輝く町で、心揺れる不思議な物語が始まる。


声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、東山奈央、種﨑敦美、内田真礼、久保ユリカ、水瀬いのり
ネタバレ

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

さっすが咲太、ブタ野郎だね♪

こーゆー学園現象系は大好きです。他作品で例えると『ココロコネ○ト』に近いですね。『STEINS;○ATE』好きな方も楽しめるかも?です。
ただこの作品の損してるとこはタイトルかな(汗)


原作・未読。
アニメ・全話視聴。(全13話・30分アニメ)


『双葉』には親近感が湧きました。私もアルコールランプで湯を沸かしてカップうどん食べたりコーヒー作ったりしてたなぁ。
とまぁ無駄話はともかく、単純な私のお気に入りになった作品です。この作品の作者は『さくら荘のペットな彼女』の方なんですね。


ここから先、少しネタバレを含みます。
少しでもネタバレを見たくない方はお戻り頂ければ幸いです。

{netabare}

主な【思春期症候群】など。


・1〜3話『透過現象』【シュレディンガーの猫】

「彼女って、誰だっけ?」
んで、野生のバニーガールに会ったという日記(5/6)。それからOP曲が始まりバニーガールの先輩が踊ってるのを観て最初は「あ、またこーゆーラノベの…」と思いました。
1話のAパートだけなら視聴を辞めようと思いましたがそこからいい意味で期待を裏切ってくれました。
妹のお兄ちゃん好きも後々の伏線だったのもビックリしましたがそれは後程。

空気と戦うのはバカバカしい、【病院送りにした】という噂を持つ主人公の『梓川咲太』は周りに誤解されたまま高校に通う。
ある日、野生?のバニーガール『桜島麻衣』と遭遇(咲太より一つ年上)。どうやら『咲太』以外には視認されていない。そこから物語が動く。


見えない、または見えなくするという事の使い方は上手いなと思いました。『観測』されないなら『確定』されない。無いと同じ。
周りが空気を読んで『見えない』ようにされてる『桜島』。ま、『咲太』も噂+αとなって見えない事になってますが。
『無い』ということに世界もそれに収束していく。視認も記憶も接触も語る事も残していた物も全てが…それは最初から居なかったように。
学校が『箱庭』、『桜島』が『猫』、まさに『シュレディンガーの猫』だなと。空気の現象は+αされてるって感じでしたね。

これをどうやって解決、『観測者』に『咲太』がなったのか?が凄く楽しめました。物語の流れもシリアスな部分とコメディ部分もいい配分だったと思います。世界の中心…ではなくてグラウンドで叫ぶのは凄いなぁ。『空気』と『戦う』ってのは本当にカッコイイなと思いました。カロリーも使うし場合によっては社会的に殺される。
なので飾らない言葉で『咲太』の行動は凄いと。
本当、『咲太』は青春ブタ野郎だな。


・4〜6話『タイムループ』【ラプラスの(プチ)悪魔】

咲太「好きです、付き合って下さい」
桜島「…ときめかない」



ヒドい!(笑)

冗談を言いながら甘々な男女(咲太と桜島)の関係に…となる筈がまた次の現象が。今日も『6/27』を過ごす『咲太』。
やはりおかしいと思い『双葉』に相談。原因を探す。繰り返す『6/27』に違う行動をとる人(または原因)を探す。全世界の人類分の1?を探すのに辟易する。が、意外と近くに居た。『透過現象』の時に尻を蹴りあった『古賀朋絵』。
今回も青春ブタ野郎は奔走する。


原作だと『青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない』の部分ですね。原作は見てないですがアニメだけの感想だと1番甘酸っぱくて青春してるなと思いました。こう胸が熱くなる感じ?でしょうか。
パワーはあるのにどう使って良いか分からない。失敗を恐れる。自分がダサいと思われたくなくて他人を貶める、独りが怖い…等々よく表現出来てたと思います。
それに加え『朋絵』役のCV『東山奈央』さんの福岡訛りがキャラの魅力を醸し出してました。


このストーリーではやはり『スマホ』というか『SNS』ですね。リアルでも数分でも返信遅れたら仲間はずれや炎上させるコンテンツにさせられたり、それが大きくなり過ぎて収集つかなくなってもう取り返しがつかない事になる事がしばしば。
『SNS』が主流になってから情報量が数千倍〜数万倍と言うくらいに膨れ上がってます。
その情報が簡単に手に入る今だから共有が出来ないと分かった時の反発がイジメの原因にもなったり。
なので今回の事象の『朋絵』の立場は今をよく表現出来てたなと思います。
敵役…というか、貶める奴等というかそいつ等の使い方も良かったですね。ここでも確証もない情報を信用する周りの『空気』が気持ち悪く感じました。
ここでの『空気』と戦う『咲太』の行動はスカッ!としました。


「友達になってくれ」
この言葉が『朋絵』にとってとてもとても苦しい物だなと感じました。6話は観てグッと来ました。
AパートとBパートでの『朋絵』の気持ちが、空気の読める『朋絵』の気持ちが、演技をしてる『朋絵』の気持ちが痛いくらいに伝わってきました。
表現というか描写も良かったなぁ。
今までは時が進んでたのに今度は『7/18』がループしだす。その理由も、その日の天気の使い方も。
あのにわか雨(夕立)が、『楽しい7/18』と『哀しい7/18』を上手い具合にマッチしてたなと。
演技ではなく、嘘ではなく、自分の心からの声で意志を告げた『朋絵』、本当に切なくなりました。

『咲太』も嘘を付いたのかな?『咲太』は空気が読めるのに読まない。『朋絵』を想っての事かな?と思いました。
CV『東山奈央さん』の演技が大変良かった、それもあって『朋絵』がとっても魅力的に見えた現象パートでした。

そして…『6/27』。
周囲に合わせる為、必死で空気を読んでいた少女は気が付くと未来まで読めるようになっていた。


…。


この、『咲太』のブタ野郎が!
『双葉』、再現実験だ!『咲太』の尻を蹴れ!


・7〜8話『(マクロな世界の)量子テレポーテーション』【ドッペルゲンガー】


「そうだね、よくある都市伝説…」


その後に続く「そっちは」とは?


昔『咲太』がやさグレている時に会った女子高生の『牧之原翔子』。それがある雨の日、捨て猫を拾おうかどうしようか迷ってる中学生の女の子が。その娘の名前は『牧之原翔子』。
その中学生の女の子は『咲太』を知る訳がない。
それを『双葉』に相談しようとしたら『双葉』にも異変が。
『8/2』、親しい友人『双葉理央』の為にブタ野郎は奔走する。


原作だと『青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない』ですね。このストーリーの『双葉』の気持ちはよく分かります。友人、恋心、大切な物、これを失ってしまうかもしれないという焦燥感。
年頃だけで無くとも今まで仲良くやってた人が居なくなるかも?となると『双葉』の行動は分からない訳ではないですね。それが自分を苦しめるかもしれない行動だったとしても。


これは難しい議題でもありますね。
メンタルヘルス論では男女の間では友情は成立しないとか言われてるし。かと言って『アセクシャル(無性愛)』とは違いますし。
でも『双葉』と『咲太』と『国見佑真』にはそれがあった。「双葉、メンドクセー」と言いながら『咲太』は『双葉』の為に行動。『双葉』がピンチと知ると急いで駆けつける『国見』。
かまってほしいが為に行動してる『双葉』、その手段を許さない『双葉』、『思春期症候群』の影響で2つに分裂した『双葉』の心理をよく表現出来てたと思います。


『咲太』『双葉』『国見』の関係性はとても羨ましいなと思います。学生時代だからとはいえ夏休みのほとんどを使って『双葉』の為に行動するなんて信頼関係が無いと出来ないと思います。
『双葉』の家に『咲太』が泊まる話は『桜島』は少しムッとしたろうなぁ(笑)

『咲太』の無神経な行動にやっと本音をぶち撒けた『双葉』、そこで言われた『咲太』の言葉により救われた、変えられた『双葉』。本当に心の底からホッとしたんだろうなと思います。「一生友達してもらうつもり」は『双葉』の心に刺さったのかな。
『国見』は『咲太』と『双葉』の相談は理由も聞かずに聞いてくれたりすぐに駆けつける。『双葉』にとって2人は本当に大切な…。

使い方が合ってるか分からないけど二律背反かな?と。片方の『双葉』は嘘を付いて隠してましたし。
それで正直な気持ちをブツけた時にパラドックスが解消された…とまぁ、素人の考えです。流して下さい。


『双葉』は結構お気に入りのキャラですね。
人間くさいと言うかなんというかそんな感じです。

でもまさか『青春ブタ野郎』と命名した『双葉』がその『青春ブタ野郎』に救われるとはね。
んで、いつの間にか普通に『朋絵』と友達になってた『咲太』。訛りを真似してやがった!

さっすが咲太、ブタ野郎だ♪


・9〜10話『人格(見た目)入れ替わり現象』【量子テレポーテーションの一種】


桜島?「アンタ誰?」

『9/1』、色々あった夏休みが終わり2学期が始まる。夏休み中は『桜島』にあまり会えなかった『咲太』。学校が始まったら会えると思ったら学校に来ていない。何かあったのかと『桜島』のマンションに向かう。そこで見たのは確かに『桜島』なのだが様子が…。
今回は腹違いの『桜島』姉妹の為にブタ野郎は奔走する。


原作だと『青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない』ですね。正直な気持ちを書くと他のストーリーよりパンチが弱かった様に感じました。
だからと言ってつまらないって訳では無いですが。
単純に解決の糸口が最初から明白だったし起承転結が大体想像通りだったからという理由です。
しかし現象に慣れた『咲太』達と現象が初めての『豊浜』の言動はちゃんと表現出来てたと思います。しかし現象はどんどん範囲が広くなってるなぁ(笑)


『咲太』の「友達居ますって、3人も。」ってセリフは少しニヤッてしました。「あ、『朋絵』が『咲太』の中で!」ってね。

さて今回は単純。『義姉へのコンプレックス』。
物語の始まりから『豊浜』が『桜島』に対しての話し方がなんか中途半端。変な敬語、それは『咲太』が居たからなのか、『腹違いの姉妹』だから?と最初は思いました。だからこんなたどたどしい間柄なのかと。
が、早い。9話のAパート後半で大体吐露されました。10話冒頭、『咲太』のセリフ「早く仲直りしてくんないかなぁ」につきます。
解決方法は大体分かってるのに姉(桜島)の意地と姉への劣等感(豊浜)が邪魔をしてる。
そこに『豊浜』には追い打ちとなる出来事が1つ2つとたて続けに食らう。
何もかも嫌になって卑怯なやり方や感情的に行動する『豊浜』は人間臭くて良かったと思います。
憧れだった、素敵な人が姉になり、嬉しかったのに比べて比べられて次第にコンプレックスになり不安で押し潰されてしまう『豊浜』。
だから努力して練習して少しでも喜んでもらいたい人に褒めてもらいたかった。ただそれだけだったのに。しかし「練習したら、努力したら報われる」訳ではない。これが余計に『豊浜』を苦しめる。
同時に『桜島』との差も。
出来ない事までやろうとしてる『豊浜』は凄いやつだなとは思いますが報われるかどうかは別ですしね。

こんなにコンプレックスを持ってる『豊浜』だったからかな。解決時の気持ちの堰(せき)を切る所はやっと楽になれたのかな?と感じました。
本当に長い間溜まっていたから感情が溢れて良い表現でした。そして『桜島』も…。


甘い事を言ってビンタ… …あ、あれ?なぜ『咲太』に?なぜご褒美に?(笑)
『桜島』の作品の『彩子』のセリフ。「いっぺん死んでみる?」は『地○少女』…、あ、すみません。
ちょっと疑問点が1つ。『豊浜』は「横浜にあるお嬢様学校」に通ってるんですよね?そーゆーとこって芸能活動とか大丈夫なのかな?と。ま、気にする事では無いですね(汗)


『かえで』に対しても良いお兄ちゃんやって『桜島』の妹の『豊浜』にも認められて…

さっすが咲太、ジゴロ…じゃなかった。ブタ野郎だ!


・11〜13話(終)『解離性障害』【思春期症候群を含んだストーリー】


かえで「かえでの今年の目標です!」


『10/16』、『かえで』から重大発表をされる。
「お兄ちゃん以外の人からの電話に出る」「お兄ちゃんと外に出る」…etc、そして最後に「学校に行く」。
『咲太』の妹、『かえで』が突然今年の目標を宣言してきて行動する。なぜ『かえで』はそんな行動をしようと思ったのか、なぜ【今年】なのか…
今回は妹の『かえで』の為にブタ野郎は奔走する。


原作では『青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない』ですね。最終話後半は『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』をちょっとやって劇場版へって流れ。
正直とてつもなく胸が苦しくなったストーリーでした。涙も結構出ました。
1話目の表現だけだったら『シスコンブタ野郎』ですが(ま、このストーリー観てもそうだなと思いますが(笑))、『咲太』の妹に対しての行動がとてつもなく胸を打ちました。その行動をするきっかけとなった『翔子さん』の言葉も。
ここのストーリーは私は文句なしでした。


「罵られて悦ぶブタ野郎」と『双葉』に言われいつも通りに、『朋絵』は『咲太』に対して友達と思って接してる(訛り等も隠さなくなったなど)等を観てるとこの2人は思春期症候群を乗り越えて強くなったんだなと少しホッコリしました。


『解離性障害』と言うか『解離性同一性障害』と言うか『かえで』は防衛本能だったんですね。それに『思春期症候群』が+αされた状態。
昨日まで一緒に過ごした、行動してた人が今日になったら自分と過ごした記憶が無くなってる。
…記憶を持ってる人も記憶を失った人も心身共にシンドイでしょうね。正直体験した事が無いので想像でしか言えないですが。
いくら説明しても、いくら言葉にしても伝わらない。病院で診察されても「思い込み」とか言われたら『咲太』の様に何もかもが嫌になるでしょうね。
ここで人生の先輩(翔子さん)からの素敵なアドバイスに『咲太』は救われたんだなと。
私もあの言葉は知らない価値観だったので凄く胸を打たれました。CV『水瀬いのりさん』の演技もとても合っててセリフがスッと入ってきました。

そして『咲太』の『かえで』への行動は泣けましたね。『花楓』ではなく『かえで』。
「今ここに居るのは今の『かえで』だから」…
『翔子さん』の言葉に胸を打たれて、『翔子さん』の様に生きて行こうと決めて行動に出せるって凄いですよね。感化されてもいざ行動となるとそうそう出来るかどうかは分からないと思うので。

母親は病んでしまったが『咲太』は『翔子さん』に、『かえで』は『咲太』に救われた。
でもやはり『かえで』は『花楓』であって記憶が戻ったら…という事案は必ずある。
ここまで視聴を進めた時に『かえで』の目標の意味やなぜ「今年」の目標なのかが薄々感じられて少し胸が苦しくなりました。


『10/16』から始めた今年の目標、『11/23』には登校しようとするまでに。が、出来ず。
そして『11/26』にとうとう爆発。『思春期症候群』の痣が出てきて無理をしても「かえでにはゆっくりしてる時間がないんですよ!」と自ら強行。
ここまで来ると流石に涙腺がヤバかったです。
とっておきの場所に連れてって『かえで』を勇気づける。年間パスポート、一人で出来た買い物、夜間だけど学校とノートの目標達成、そして…

かえで「明日が楽しみです!明日が待ち遠しいです!」


『11/27』

咲太「お前…花楓、なのか?」

ここのセリフはもうダメでしたね。胸を締め付けられました。『かえで』の待ち遠しい『明日』が…。
次の13話に行くのが少し嫌でした。


最終13話。どうしようもない気持ちを叫び、悲しみに打ちひしがれる『咲太』。当然ですよね。失った痛みが『咲太』を蝕んでるんですから。

咲太「翔子さんに何が分かるんですか?」

こう当たるのは分かります。

『翔子さん』が『かえで』の日記を『咲太』に読み聞かせて、これまでの行動が[お兄ちゃんと一緒に目標を叶えて多くの思い出を作ること]を知った『咲太』は辛かったでしょうね。
でもそこに『翔子さん』が居てアドバイスを貰えた事によりやっと悲しみを受け止め泣き叫べた。
ただ割り切れるものではないでしょうね、『咲太』も。だから悲しみを抱えながら現実を生きていく事になる…ってキツいなぁ。


後半の『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』の部分は少しだけで残りは劇場版なので省きます。いよいよ今日から上映ですね。
今回私は色々とあるので行けないけど、結構パンチの強い内容なので観てみたいですね。


それぞれの事象でED曲を歌う歌手が変わるのは良いですね。最終話は事象が起こった全ての歌手で。
『咲太』…は無かったか(笑)
石川くん、残念。

OP曲の『君のせい』はお気に入りです。
歌詞、絵のカットイン、曲のノリ、物語を盛り上げてました。


私個人はかなり楽しめた作品ですが好きフィルターがかかってると思うのでオススメするかは控えておきます。

{/netabare}

2019/06/15上映予定。CMでは『牧之原 翔子』が映し出されていた。今回は彼女のストーリーなのか、それとも違う誰かなのか、今回のブタ野郎がどんな事に奔走するのか非常に気になります!

投稿 : 2024/09/07
♥ : 10
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

べ、べつに「青ブタ」なんて変なタイトルで悪目立ちしなくても、ちゃんと面白いんだからね!(笑)

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
いや、本当にレビュタイ通りで、普通に素敵で高いクオリティのラブコメですよ!

「化物語」や「俺ガイル」に近いかな。

ヒロインがちゃんと可愛くて、主人公がちゃんと格好よくて、笑えて萌えて考えさせられて。

(よりもい など未視聴ですが)2018唯一の☆5であり、「亜人ちゃん」以来のお気に入り棚です♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、本作は五つのパートに分かれるので、それぞれの感想を。

〈青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(桜島麻衣 編)〉
{netabare}
☆5。「消える」という切なさをちゃんと使っていた。設定的には幽霊との恋愛に近いかもしれない。

梓川咲太と桜島麻衣の魅力をしっかりと紹介し、たった3話とは思えない程の、切なくも美しい恋愛を魅せてくれた。麻衣は、面倒臭い可愛さというか、ちゃんと「先輩」として、萌えました。また、咲太 は、本当に「静かな根性」があって。睡眠薬のシーンとか、本当に好き。

この3話で、「麻衣のことも咲太のことも大好きになり」「二人の仲を応援したい」と思えたことが、後々に効いてきたと思います。

ラストの一人告白大会も、観ているこっちの方が恥ずかしくなりそうでしたが(笑)、あのくらいやってくれると、いっそ清々しかった♪
{/netabare}

〈青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない(古賀 朋絵 編)〉
{netabare}
☆5。私は「報われないサブヒロイン萌え」なので、古賀にはかなり萌えた♪ 流石、「Just Because!」の鴨志田一さん!

また、「空気を読むなんて間違ってる」「スマホなんてなくても生きてける」と、現代の子供達に本当に観てほしいテーマをカチッと描いている。

ラストも好き。砂浜の少女と福岡のイモ娘が伏線になって、地味グループの方に入るとか。良いオチ!
{/netabare}


〈青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない(双葉理央 編)〉
{netabare}
☆4。このシリーズが一番勿体ない。

双葉理央は、文化的なエロさもあり、毒舌も鋭く、かなり良キャラだと思うけど、ちょっと肩透かし。

誰もがきっと、国見佑真とくっついてほしいと思っているのに、ラストの告白失敗も、随分アッサリ。まあ、2期にまたあるのかな。とにかく、3話あれば、、、と思わざるを得なかった。
{/netabare}

〈青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない(豊浜のどか 編)〉
{netabare}
☆3。この話は、正直、いらなかったかなと。

勿論、存在意義は分かります。

まずは、桜島麻衣の悩みを描くことで、彼女の魅力を倍増させること。それから、咲太の家族観を描くことで、次のシリーズに繋げる大切な役目。

なんだけどまあ、ラストもすごく平易なオチだったし、キレイにまとめ過ぎて、面白くなかった。

下に書くけど、取捨選択の中で、他のやり方、見せ方もあったかなと。
{/netabare}

〈青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない(梓川 かえで 編)〉
{netabare}
☆6(笑)。正直、このシリーズが始まるまでは、☆4にしようか、☆5にしようか悩む感じでしたが、このシリーズでお気に入り棚入りが決定!

ずっと違和感のあった梓川花楓という妹キャラが、梓川かえで だったということで、色んなことに納得。

咲太の「達観しすぎじゃね?」という違和感も、かえで の為に無理して作っていた部分であることも分かり、なんか納得。苦しむ咲太に、感動。最後、かえで の手紙てで、本当に久々に、アニメでちょっと泣いた。ガーリッシュナンバー以来だわ(笑)
{/netabare}

総じて、本作の良さは、

①梓川咲太と桜島麻衣を中心にした、軽妙なやり取り。会話のセンスが抜群だと思った。

②「雰囲気は明るく」「設定はファンタジー」「しかしテーマは深くリアリティーをもって」というあたりのバランスが絶妙だった。

③2~3話の短編を重ねながらも、縦軸となる咲太と麻衣の恋愛を深めていく構成の上手さ。

特に、①と②は特出していたと思う。

ただ、不満もあるにはあります。

まず、シリアスなシーンで、多少作画が残念なところがあったところ。コメディは多少崩れても良いけど、シリアスは余計に気合い入れてほしいと思った。

次に、「メインパートが終わったキャラが生かしきれていないこと」。特に、古賀は、あんなに良いキャラだったのに、空気になってしまって残念だった。もっとうまく絡ませてくれれば尚よかった。

最後に、「双葉理央 編」「豊浜のどか 編」のクオリティが、他の3パートに比べて低かったところ。特に、「豊浜のどか 編」は、なんか安易だったなと。ただこれは、多分、「2話」という短さが壁になっていたので、1クールで「梓川 かえで 編」までやろうと思った時に、仕方がなかった、いや、むしろよく頑張ったなとは思いますが。

なんで、現状でも充分に満足なのですが、あえて代替案を示すならば、「双葉理央 編」をまるっとカットするという選択肢はなかったものかなと。

勿論、色々不具合は出てくるし、批判もあるだろうけど、「豊浜のどか 編」は、「家族」というテーマを扱う以上は、ストーリーから外せないし、双葉理央はすごく好きなキャラなので、あのような中途半端なオチにするくらいだったら、2期にとっておいて、国見とくっつく(よね?多分)までをガッツリ魅せるのもアリだったのではないかと。んで、「桜島麻衣 編」と「豊浜のどか 編」に1話ずつ追加して、クオリティを上げていくのも良かったかな、なんて思いました。

いや、「お気に入り棚」に何を文句つけているんでしょうね(苦笑)

とにかく、「2018年、これより良いアニメはあった」「2018年、これより好きなアニメはなかった」ということで、個人的覇権&お気に入り棚です♪

好きはクオリティを超える♪

久々に、純粋な気持ちでアニメを楽しめました!
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
俺ガイルみたいな雰囲気? 作画は普通に良いね。設定と会話センスはなかなか良い。やりたことは分かった。主人公だけに見えるというのは、幽霊とのラブコメに近い設定だな。いつかは一時的に見えなくなる展開もあるんだろうな。

2話目 ☆4
シュレーディンガーの猫なんて、クソ厨2病要素をド正面からってのは、なかなかに潔い。電話のやりとり、格好良いな。マジで蹴るとか(笑) デートからの中々の流れ。

3話目 ☆5
まあ、そういう展開だよな。orangeに比べると、ずいぶんと切実かつ意味ある、未来への手紙。根性あるな~。睡眠薬のクダリとか、良かったな。よく、3話でここまでもってきたなとも思うし、これが10話とかだったら本当に感動したなとも思う。

4話目 ☆4
ちゃんとバニー先輩との関係は深まって行くのですね♪ エンドレス8(苦笑) こんどはラプラスの悪魔か。一人は恥ずかしい。リアルなところだね。ドMじゃねぇか(笑)

5話目 ☆4
妹ちゃん、良い感じだね。演技が本気に、、、古賀のことなんだね。1周回ってアリな先輩(笑) 古賀が不細工なら、、、酷いけど、高校生ならマジでそうだからな(汗) これ、古賀がマジで咲太に惚れて、告ってフラれて、エンドレス8? 「僕は童貞だ!」w

6話目 ☆5
色々なやる気(笑) 妬いてるw 情緒不安定(笑) まあ、そういう流れだよな。これで古賀が嘘ついてたら素敵だな。同じ日でも繰り返したい。報われないサブヒロイン好きとしては、ポイント高い。結末も、良いな。砂浜の少女と福岡のイモ娘がここにきて伏線になって、地味グループの方に入るとか。スハラシイ!

7話目 ☆4
上手になるまで何度でもって、童貞が聞いたら悶えて喜びそうなフレーズやな(笑) やりとりが軽妙で良いよな。エロ賢い(笑) チョココロネ、、、こういう些細なことだよな。携帯恐怖症。サクッと彼氏。

8話目 ☆4
完全に同人格ではないとね。二人の問題でしょ、という自然な発言。作画、ちょい厳しい? 一種の自傷行為て、そんなもんなのか? 愛を知り、怖さを知る。作画がカタカタしなければ、もっと萌えられる泣きのシーンなんだけどな。夜の学校、入れるの?
ここでエロ双葉の方に戻るとしたら、ダーク双葉が分離体? これまで、パートの〆は次場らしかったのに、なんか中途半端。

9話目 ☆3
やがて君になる、かな(笑)?

10話目 ☆3
親を、親だと思っている。何気に深い。咲太、あまりにも達観しているけどな。父親、違和感しかないな。咲太のキレっぷりが良いな。う~ん、ちょっと綺麗にまとめ過ぎかな? 咲太をビンタwww 戻る瞬間。

11話目 ☆5
このいじめの顛末は、最近の特徴だよな。いじめっこが晒されて、いじめられる。なぜなら、力のある者(ガキ大将)がいじめるというより、モブ的な奴が数の力を頼りに、上位層や下位層をいじめるいじめ。いじめられる人間がいなくなると、立場が入れ替わるだけ。

引きこもり改善。ちゃんと、スモールステップ意識してるし、咲太の視点が温かい。図ったな、お兄ちゃん(笑) あんまり順調だと、、、。楓の事実。

12話目 ☆5
なかなかシリアス。見える世界は人の数だけ。真実。確かに、今の「かえで」。咲太、メチャいい奴。記憶喪失モノの定番だが、今の人格がどうなるか問題。統合が一番スッキリするけどな。小も大も、弱音も。笑いの道は険しいw 今の「かえで」のうちに、やりたいことやりたいわけね。年間パス、いちいち素敵なニクさ。教室でもなく保健室でもなく、夜の学校。カウンセリングマインドが、実に理にかなっている。かえで が、花楓に。安易に「かえで」を残さないのが、また、素晴らしい。次に復活させるかもだけど。

13話目 ☆5
記憶喪失の復活について、ここまでしっかりと喜びと悲しみを、対比をつけて表現したアニメは知らないな。咲太の叫びは胸にくる。ただ、ああいうところはもっと作画を頑張らないと、安っぽく見える。祥子さんは、咲太が作ったのかな。かえでの日記、泣くわ。バイト、そのためか。かえで は消えたくないけど、咲太の為の目標であり、前進か。トマトとパンのところ、リアル。「こんな時でも腹は減るんだな」とか、無駄に言わせないところが良い。咲太が本当にツラい時にいるのが自分ではなく、咲太が求めていたのも祥子さんで、という悔しさと悲しさと。過剰だが、それが良い。マネージャー、ナイスだな。ブタ野郎エンド(笑) これは、二期だな。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 55
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

『プロット』と『キャラ』、貴方はどちらが大切ですか?

名作アニメ『図書館戦争』の原作者で、
僕が心から敬愛する作家、有川浩さんの小説の書き方は、
なかなかに素敵です(わりと有名な話ですが)。

モチ-フとする題材の取材を徹底的に行い、
おおまかなプロットを決めて、キャラクター設定を作り込む。

ふつうの作家は、この段階で書き始めます。
なかには、飛行機の設計図みたくプロットを作り込む人もいるそうですが、
まあ、ふつうはエイヤっで書き始めます。

だけど有川さんは、何日か放置しておきます。
別にさぼっているわけではなく、
キャラクターが動き出すのを『待っている』のだそうです。

で、有川さんの中でキャラが動き始めたら、それを文字で追っていく。

だから、有川さん自身が書きながら
「おお、ここでそうきたか」とか「こいつ、動かね~っ」とか、
まるで観劇者みたくキャラの言動を楽しんでいる、みたいな。

おかげで、最初に出したプロットとまるで違う作品になることもあるとか。
それを「面白いからいいや」で通す編集さんもエラい。

この書き方の最大の利点は『キャラがぶれない』ことです。

もちろん、物語の序盤と終盤でキャラの言うことが変ったりしますが、
それは人間的な成長・気づきによるもので、
業界的に『振り幅』と呼ばれ、キャラぶれとは全く別のものです。

この『振り幅』はドラマを成立させるための大切な要素であり、
逆に『キャラぶれ』は、
ドラマを崩壊させてしまう欠陥因子です。

これは文芸の世界ではあたりまえのことなのですが、
残念ながらライトノベルの世界、
そしてそれを原作としたアニメの世界では、
それが『あたりまえ』になっていない感があります。

ええと、相変わらずマクラが長くて恐縮です。

僕がどうしてこんな話をぐだぐだ書いているかというと、
本作『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』が、
ものすごく『惜しい』作品だと思うからです。
{netabare}

作画は文句なしに素晴らしい。
OP、EDや劇伴もよくできていると思います。
とりわけOPのカット割りは、珠玉の出来と言っても過言ではありません。

役者さんも豪華で、力の入ったお芝居をしています。

物語も、量子がどうしたこうしたという物理学まがいはこじつけですが、
『思春期症候群』というばくっとしたくくりで
次々といろんな超常現象を登場させていくというのは、
視聴者を飽きさせない素晴らしい工夫だなあ、と。

それぞれヒロインが違うのにハーレムにならないところも好感度大。
言葉の掛け合いも軽妙で、
おお、と思わされる言い回しが随所に出てきます。
{/netabare}

いろんな要素に秀でていて、
総合的に評価が高くなるのも当然というか、
あにこれで総合ベストテンに入るのも、頷けるところであります。

ただ……好きな人ごめんなさい、
僕の耳には『キャラぶれ』がひどい、です。
とりわけ、主人公の梓川咲太が。
{netabare}

最初に思わず顔をしかめてしまったのは、
古賀朋絵の章のラス前、展望台での告白シ-ンです。

このシ-ン、朋絵に自分から「好き」と言わせる必要は何もないです。
リ-プを繰り返しても自分の気持ちは変わらない、
それを伝えるだけで目的が達成できるわけですから、全くの無意味かと。
残酷に追い詰めて嫌われようとするなら、
最後に「よく頑張ったな」なんて優しい言葉をかけることもないわけで。

要するに、このシ-ンでの咲太は「あんたなにさま?」の一語に尽きます。
ぶっきらぼうながらも人に優しかった咲太というキャラが、
ここではものの見事にぶっ飛んでいるんです。

そして、それを受ける朋絵のキャラも、よじけています。

朋絵は「何度も繰り返せば咲太の気が変わり、麻衣から略奪できる」
なんて本気で考えるほど、バカでも黒いキャラでもなかったはずです。
虚しいと自分でもわかっているけど、
一縷の望みにしがみついてやめられなった、
そう読むのが正解なのが、ここまでの古賀朋絵像ではなかったかと。

ところが、告白内容はまさかの黒キャラ、確信犯。

朋絵を演じてる東山奈央さんも「はあ?」と思ったんでしょうね。
熱演っぽく演ってますが、実はテンプレ読み。
気持ちが入った時の東山さんの芝居って、こんなもんじゃないです。

結局『展望台で告白』というプロットありきで、
そこに無理やりキャラを当てはめるから、
言霊がペラペラの、やすいシーンになっちゃったわけです。


この『プロットありき』は、この後も頻発します。

双葉理央編。
花火大会を控えた真夏の出来事なんだから、
雨の中を自転車で走ったぐらいで病院に担ぎ込まれるわけがありません。
本当に低体温症になってたら、
そのまえの理央との会話ができないわけで。

これも『病院で会話・解決』というプロットありきですね。
リアリティなんか置いてけぼりです。
炎に包まれながらべらべら喋るのと同じことかと。


豊浜のどか編。
のどかが狂言自殺で海に入る理由がまったくありません。
咲太を試したのだとしたら、何のために試すのか目的が不明です。

咲太はあくまでも姉の恋人であって、
直近になってようやく心を許しかけたぐらいの間柄です。
たとえ麻衣のライブにショックを受けてむしゃくしゃしていても、
ふつうにやつあたりするのが関の山では。
それまでの言動も、わがままではありましたが、
他人の前で狂言自殺するほど身勝手で非常識なキャラじゃなかったし。

これも『のどか、海に入る』というプロットありきですね。
派手で衝撃っぽいシ-ンが欲しくて、
とりあえずおまえ海に入っとけや、と。


で、最高にげんなりさせられたのが、梓川かえで編の咲太です。

かえでが花楓になり、ブラコン妹の人格が消えた。
それはまあ、ショックを受けるのは受けるでしょう。
だけどそれと同時に、花楓の記憶が戻ったことを喜ぶべきでは。

花楓は思春期症候群で心身ともにボロボロになり、自我を失い、
何年かぶりにようやく記憶が戻ったわけです。
なのに、それを喜んでくれるどころか、
その間の代替人格であったかえでの消失のみを嘆き悲しまれ、
街を彷徨われたりした日にゃあ、立つ瀬がありません。

あたし、ひょっとして記憶戻っちゃいけなかった? みたいな。

麻衣に「花楓が壊れるまで気づいてやれなかった、何もしてやれなかった」
なんて殊勝な話をしておきながら、
その花楓が帰ってきたら喜ぶどころか嘆き悲しむって、咲太あんた……。

最低でも、喜びと喪失感がごちゃまぜぐらいでないと。

もちろんこれも『プロットありき』です。
ここで咲太が打ちひしがれないと、翔子さんが出せません。
ここで翔子さんが出せないと、
翔子さんの手紙を見て立ち去った麻衣を咲太が金沢まで追いかけるという、
雪の中の感動シ-ンに結びつきません。

だから、つまるところ、
  おまえ、これまで口に出したことは全部忘れて、
  とりあえず泣いてそのへん彷徨っとけや
となったわけで。

もはや、キャラ設定も何もあったもんじゃありません。


原作者の鴨志田一氏はウィキペディアによると、
岡田麿里さんと意気投合した盟友みたく書かれていますが、
とんでもないと僕は思います。
岡田さんは、自分で原作を書く時には、
プロットに合わせてキャラの脳みそを入れ替えたりしませんから。
{/netabare}

とは言うものの、アニメとしては全体的にとてもよくできています。
そして、もっとひどい『キャラぶれ作品』が、
巷にあふれかえっているというのも目を逸らせない事実です。

ですからO型性格丸出しの人に、
  フリさん、言うことが細かすぎなんだってば。
  どうせラノベ原作のアニメなんだし、
  かわい~っとか、面白れ~っとか、
  そういうので楽しんだらいいじゃんかさ。
なんて言われたら、そうなのかなと思ってもみたり。

あ、でも、創り手としてのプライドというものが……うにゃうにゃ。

とりあえず、おすすめ度としてはAランクです。
キャラクターのぐらつきを、
  こいつはぐらついた性格をしてるんだ
の一言であっさり片づけてしまえれば、
最後まで楽しく、ワクワクしながら視聴できると思います。

ただ、本気でプロを目指している若い方には真似して欲しくない、かな。
  プロットがなんぼのもんじゃいっ
そう言ってちゃぶ台をひっくり返せる方、心より応援いたします。
リアルではけっこう苦労しそうですし、
ひょっとすると思わぬ敵を作っちゃうかも知れませんが、それでも、ね。

{netabare}
ちなみに、あまり人気のない豊浜のどか編ですが、
あれ、お芝居としてはかなり難しいです。

麻衣役の瀬戸麻沙美さんは、単にのどか役を創るんじゃなく、
内田真礼さんがのどか役を演った場合の口調・発声の真似をして、
しかも自分の声で、気持ちを入れて演じなきゃいけない。

内田真礼さんはその逆ですね。

自分の理解した役を自分の声で演る、
他人の口調・発声の真似をする、
どちらか一方ならプロ役者はできて当然ですが、
その二つが重なると、難易度が一気にはねあがります。

男女の入れ替わりなら多少雑になってもごまかせますが、
同性間の入れ替わりはそうもいきません。

それでも内田さんの場合、
過去に瀬戸さんの演じた「麻衣サンプル」が八話分ほどあったわけですが、
逆の「のどかサンプル」は二言三言しかなかったわけで、
瀬戸さん、めちゃくちゃ苦労したことと思います。

『ココロコネクト』なんか、その辺の作り込みが雑で、
誰が誰なのか全然わかりませんでした。
まあ、あれは入れ替わって発する台詞がごく僅かでしたが。

その点、本作では瀬戸さんも内田さんも、めっちゃ作り込んでます。
とりわけ、サンプルの多かった内田さんはすごい。
全然声質が違うのに、ちゃんと瀬戸さんの台詞に聞こえるもの。

確かに、お話自体はたいして目新しくなかったですが、
お芝居は一流でした。
熱演されたお二人の努力とプロ根性に、敬意を表したく。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 32

91.2 2 ひきこもりで感動なアニメランキング2位
Re:ゼロから始める異世界生活(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (4068)
16742人が棚に入れました
コンビニからの帰り道、突如として異世界へと召喚されてしまった少年、菜月昴。頼れるものなど何一つない異世界で、無力な少年が手にした唯一の力……それは死して時間を巻き戻す《死に戻り》の力だった。大切な人たちを守るため、そして確かにあったかけがえのない時間を取り戻すため、少年は絶望に抗い、過酷な運命に立ち向かっていく。​

声優・キャラクター
小林裕介、高橋李依、内山夕実、赤﨑千夏、水瀬いのり、村川梨衣、新井里美、中村悠一、田村ゆかり、藤原啓治、井口裕香、堀江由衣、堀内賢雄、植田佳奈、江口拓也
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

繰り返し視聴時の発見が愉しい、丁寧に造り込まれたダブル・ヒロイン魅力作

本作については当初、1周目完走後にサラっと感想・レビューを書くつもりでいたのですが、

(1) 視聴中に思いがけず心に引っかかりが生じてしまう場面が多く、未消化感が強く残ってしまったこと、そして、
(2) これまでの視聴経験から、こうしたループものは腰を据えての2周目視聴時に気付くことが多いこと、

を考慮して、間を置かず再視聴してみたところ、やはり色々と発見できたり納得できたことが多く、要約すると本作は、

①ただ単にシナリオ・脚本が波乱に飛んで面白いだけでなく、
②重層的な伏線配置とその回収の巧みさや、
③個々のキャラクターの心情推移の描写の的確さ、さらには、
④OP/ED/その他の挿入歌の歌詞や曲調に秘められた謎解きの面白さ、

までをも併せて楽しめるよう実に丁寧に造り込まれた、年に数本レベルの力作なのではないか?という感嘆の気持ちまで生じ始めて、その印象を確認するためにさらにもう1周する羽目に陥ってしまいました。

そしてその結果、当初は簡潔にまとめようと思っていた感想・レビューが以下のようにグダグダと長くまとまりの悪いものになってしまったことを先ずお詫び致します。

要は、賛否両極に分かれた意見・感想のある本作について、たまたま私個人は意外なくらいに惹き込まれてしまった、ということのレポートです。

※なお本作の個人評価の体感的推移:(1周目)★ 4.0→(2周目)★ 4.3→(3周目)★★ 4.6 と0.3刻みで上昇

(以下、本文)


◆異世界+ループを組合せた話題作だが、事前の期待値は低かった。

①異世界ファンタジーもの、と、②ループ(ないしタイムリープ)もの、といえば2010年代に入って幾つもの注目作・面白作が制作されてきた非日常系アニメの2大分野だと思うのですが、流石に去年くらい(2015年~)からは、この両分野もシナリオ面で飽和状態(ネタ切れ)気味になってしまい、目の肥えてきた視聴者の側にも飽きが生じているような感じを個人的には持っていました。

今年の作品でいうと、①では『この素晴らしい世界に祝福を!』『灰と幻想のグリムガル』、②では『僕だけがいない街』『君の名は。』がそれぞれ見所のある面白作と思っていますが、それでも、①の『ソードアート・オンライン(1期)』(2012年制作)、②の『魔法少女まどか☆マギカ』『STEINS;GATE』(ともに2011年制作)、といった、それぞれの分野の昨今の隆盛を切り開いた代表作と比べると、各々の制作者が工夫を凝らして独自の面白さを追求している点は評価したいものの、作品の出来そのものはイマイチ感・小粒感を否めず、これから数年経ったのちにも繰り返し視聴したくなる程の魅力は薄いように個人的に思っていました。

そして放送開始前後から、①異世界ものと、②ループ(ないしタイムリープ)ものを組み合わせたWEB小説原作の注目作と一部で評判が高かった本作についても、「ああ、またか」という感じで、視聴前は個人的には殆ど期待していなかったのですが・・・


◆予想外の面白さに驚いて、本作独自の魅力は何か?を少し考え始める。

第1話の序盤、主人公の少年とメイン・ヒロインの出遭いのあと、その最初の別れのシーンの直後のマスコットと主人公の会話から・・・

{netabare}(精霊パック)「ごめんね。素直じゃないんだよ、うちの子。変に思わないであげて」
(主人公スバル)「素直じゃないって、そんなレベルじゃねぇだろ。大切なモン盗まれて急いでんのに、俺のこと助けてくれて。おまけに見ず知らずの俺に負い目を感じさせないように、下手糞すぎるフォローまでして。そんな生き方、滅茶苦茶ソンするばっかじゃねーか。」{/netabare}

そのしばらく後にくる主人公スバルの自己紹介{netabare}「俺の名はナツキ・スバル。無知蒙昧にして天下不滅の無一文」「自宅の守り人ひきこもり」{/netabare}・・・というのは如何にもラノベ的なご愛敬設定としても、この第1話の主人公とメイン・ヒロインの遣り取りを見ていて、どうも本作は

(1) 矢継ぎ早に発生する諸イベントへの登場キャラたちの対処の仕方に面白さを見出すタイプの作品(イベント牽引型作品)、という単純な構成ではなく
(2) 登場キャラたちの心情推移の描写の細やかさ・的確さに面白さを見出すタイプの作品(感情描写型作品)、としても見所がありそうだ

・・・と早くも思い始めてしまいました。

そのことは、第1話のラストに流れ、最終第25話のラストでも流れる本作の前期ED「STYX HELIX」(*)の最初の節

♪ 狂った時計 刻む命/こぼれてく記憶の砂/芽生えた想いまで/ねえ こんなに呆気(あっけ)なく/消えてしまうの/I wish I was there

からも明らかで、本作の場合は、

(1) 主人公ナツキ・スバルの{netabare}「死に戻り」という特殊設定を主軸とする、主人公やその大切な人たちの死とその回避のための奔走{/netabare}、というイベント対応の面白さは当然として、
(2) それよりもむしろ、{netabare}それぞれに内面的な弱さを抱える主人公とヒロイン達の間に少しづつ関係性(=想い)が紡がれていき、しかしその関係性が一瞬で呆気(あっけ)なく消滅してしまう(正確には主人公の側だけに"想い"が蓄積されていってしまう)ことの哀しさ・切なさ{/netabare}が丁寧に描き出されている点

・・・に特に注目すべきなのではないか、と思い始めました。

※この点、前述した①の『ソードアート・オンライン(1期)』や②の『STEINS;GATE』では、主人公もヒロインも性格が強く、彼らの間に紡がれる関係性自体には余り喪失の辛さを感じなかったこと、また、②の『魔法少女まどか☆マギカ』では、鹿目まどかの性格が寛大で、暁美ほむらにはまどかとの関係性の再構築に不安を感じる必要は殆どなかったこと、と好対照となっています。

(*) 前半ED「STYX HELIX」→STYXは、ギリシア神話で現世と冥界の境界を為す地下の大河、及びそれを擬人化した女神。HELIXは、螺旋・渦の意味(cf. helicopter)。

・・・ここまで、主に本作の前半(~第11話)まで視聴時の感想です。後半(第12話~)以降の感想は後記します。


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に大きな疑問を感じた問題回

================ Re:ゼロから始める異世界生活 (2016年4-9月) ===============

 - - - - - - OP「Redo」、ED「STYX HELIX」 - - - - - ※OP/EDはしばしば省略される
{netabare}
  ------------ ※原作web小説の第一章「怒涛の一日目」 ---------

第1話 始まりの終わりと終わりの始まり ★ 異世界召喚、エミリアとの出遭い、RD1回目、RD2回目 ※ED「STXY HELIX」初出
第2話 再会の魔女 ★ RD3回目、RD(Return to the Death 死に戻り)に気付く ※OP「Redo」初出
第3話 ゼロから始まる異世界生活 ★★ エミリアとの親和発生

  ------------ ※原作web小説の第二章「激動の一週間」 ---------

第4話 ロズワール邸の団欒 ★ ラム/レム姉妹との出遭い、RD4回目(SP(セーブポイント)更新1)
第5話 約束した朝は遠く ★ 
第6話 鎖の音 ☆ RD5回目 ※ラストの襲撃者の正体は唐突×
第7話 ナツキ・スバルのリスタート ★★★ RD6回目、初めて自分の意思で死を選択(※挿入歌「STRAIGHT BET」)
第8話 泣いて泣き喚いて泣き止んだから ★★ RD7回目、エミリアの膝枕回(※挿入歌「ぼうやの夢よ」)
第9話 勇気の意味 ☆ 
第10話 鬼がかったやり方 ☆ 
第11話 レム ★ レムとの親和発生{/netabare}

 - - - OP「Paradisus-Paradoxum」、ED「Stay Alive」 - - - ※OP/EDはしばしば省略される
{netabare}
  ------------- ※原作web小説の第三章「再来の王都」 ----------

第12話 再来の王都 ☆ ※OP/EDともなし 
第13話 自称騎士ナツキ・スバル ★★ エミリアとの行き違い(認識ギャップ)・エミリア退場 ※ED「Stay Alive」初出
第14話 絶望という病 ★  ※OP「Paradisus-Paradoxum」初出 ※ED「theater D」
第15話 狂気の外側 ★★ RD8回目(SP更新2)、レムの献身と告白、RD9回目
第16話 豚の欲望 ☆  ※ED「Stay Alive(ロズワール邸内のエミリアver.)」
第17話 醜態の果てに ★ 
第18話 ゼロから ★★★ RD10回目、レムへの申込み、レムの返事(※挿入歌「Wishing」)、スバル立ち直り
第19話 白鯨攻略戦 ×  ※第17話の忘却設定と矛盾は×
第20話 ヴィルヘルム・ヴァン・アストレア ★ ※ED「Stay Alive(ロズワール邸内のエミリアver.)」
第21話 絶望に抗う賭け ★ 負傷によりレム退場
第22話 怠惰一閃 ☆ ※ED「Stay Alive(ロズワール邸内のエミリアver.)」
第23話 悪辣なる怠惰 ★
第24話 自称騎士と最優の騎士 ★ RD11回目(SP更新3)
第25話 ただそれだけの物語 ★ エミリアへの告白、エミリアの返事(※挿入歌「Stay Alive」) ※ED「STXY HELIX」{/netabare}
----------------------------------------------------------------------
★★★(神回)2、★★(優秀回)4、★(良回)12、☆(並回)6、×(疑問回)1 ※個人評価 ★★ 4.6

※なお、第1話は49分スペシャル(約2話分)なので、本作は実質26話分の放送時間となります。
※以下、全話視聴を終えての感想となります。まずはシリーズ構成上の注目点から。


◆親和関係の発生から揺らぎへ。際立ったダブル・ヒロインものへの発展。

本作の前半は、以下の2つの「親和関係の発生の物語」と要約できると思います。

<1> 第1~3話(原作の第1章)は、{netabare}主人公と第1ヒロイン(エミリア)の親和の発生の物語

 →スバルの側には、異世界に来て間もなくの自分を救ってくれたエミリアへの幾分軽薄ながらも恋愛感情が、
 →エミリアの側には、自分をエルザの襲撃から守ってくれたスバルへの親愛の感情が、それぞれ発生。{/netabare}

<2> 第4~11話(原作の第2章)は、{netabare}同じく主人公と第2ヒロイン(レム)との親和の発生の物語

 →スバルの側には、最初は自分を誤解し危害を加える存在だったものの、最終的には自分と共に魔獣と戦い共に危機を乗り越えたレムへの親愛の感情が、
 →レムの側には、最初は自分の敵(かたき)と誤解していたにも関わらず、自分や姉のラムを救うために命懸けで戦ってくれたスバルへの深い感謝の気持ちに基づく心底からの恋愛感情が、それぞれ発生。{/netabare}

そして、それを受けての後半は、

<3> 第12~25話(原作の第3章)は、この2つの親和関係が下記の (a) ~ (d)の4段階を踏んで揺れ動き螺旋状に高まっていく様を描き出した、見応えのあるダブル・ヒロインものへと発展していると思います。
すなわち、

(a) {netabare}第1ヒロインとの親和関係の綻(ほころ)び 

第12~13話で、スバルとエミリアの認識ギャップ(*)に起因する感情の行き違いが発生し、スバルはますますエミリアへの執着を募らせるが、エミリアはスバルに一時的に失望して彼の前から退去してしまう。

*認識ギャップ(スバルの側にはこれまで乗り越えてきた困難の累積した記憶があるのに対して、エミリアの側にはその認識が薄いこと、及び、エミリアの側には王国の現状に対するそれなりの知識があるのに対して、スバルの側にはそうした知識がなく非常識な行動を起こしてエミリアに迷惑をかけてしまうこと){/netabare}

(b) {netabare}第2ヒロインとの親和関係の変容 

第14~18話で、スバルはエミリアを救おうと悪戦苦闘して失敗を繰り返し、やがて絶望に陥るが、その過程でレムの何等の限度もない無償の献身と恋情に気付いて心を揺さぶられ、エミリアの救出を諦め、レムに他国に一緒に逃亡して普通の家庭を築くことを申し出る(つまりプロポーズする)。{/netabare}

(c) {netabare}主人公の立ち直りと第2ヒロインの涙

しかしその申し出はスバルの本当の笑顔を知るレムによってきっぱり拒絶され、レムの「(スバル君が彼女の)止まっていた時間を動かしてくれた人」であり他の誰が認めなくとも「レムの英雄」なんだ、という言葉に再び心を動かされて、今度は絶望によって止まっていたスバルの時間がもう一度動き始める。

*その際、スバルの立ち直りに気付いたレムの瞳から涙が溢れ出すシーンの作画/演出の的確さにも注目(第18話ラスト)。{/netabare}

(d) {netabare}第1ヒロインとの親和関係の修復と発展

第23-24話で、スバルはユリウスや傭兵集団の協力を得て、エミリアと村民の避難・魔女教徒の襲撃阻止作戦を敢行し、その過程でエミリアへの告白を果たす。エミリアの返事は保留されるが、彼女の長らく止まっていた時間もまた動き出し始める。{/netabare}


※以下、2人のヒロインそれぞれの注目回の考察です。

◆作品タイトルの回収:第2ヒロインの注目回から(第7話+第18話)
{netabare}
レムの運命に関わるスバルの決断と行動が描かれる (1) 第7話「ナツキ・スバルのリスタート」及び、(2) 第18話「ゼロから」(※併せると「ナツキ・スバル-ゼロから-のリスタート」になる)のそれぞれのラストシーン近くに、全話通じて1回しか流れない挿入歌「STRAIGHT BET」(第7話)、及び、「Wishing」(第18話)がそれぞれ使用されており、とくに第18話に至っては放送直前に制作側がわざわざその回だけのための駅中広告まで投入する力の入れようで、制作側もここが勝負どころと考えていた感がありました。

そして内容的にも、(1) 第7話ラストでのスバルの決断と行動が、ラム・レム姉妹の絶望を回避する唯一の手掛かりとなったことと、(2) 第18話ラスト近くでのレムの拒絶と発言が、スバルを絶望から立ち直らせる唯一の手掛かりとなったこと、が対になっていることに注目すべきでしょう。

さらにいえば、主人公ナツキ・スバルの2段階の成長もこの2話で果たされています。

*(1) 第7話で「(自分の大切な人を守るために)身を捨てる」ことを初めて覚悟して実行し、
*(2) 第18話で「(自分が守っていることをその相手に知らしめ見返りを求める、という)執着までも捨てる」ことをレムの献身から学んで、それ以降の回で実行しています。


※参考セリフ

*ベアトリス「お前、死ぬの怖いと思っていないみたいに見えるのよ」(第9話)
*剣鬼ヴィルヘルム「あれは、何度か死域に踏み込んだ者の眼です」(第12話)
*スバル「君のためって言いながら、君のために頑張る自分に酔ってただけだ。そうすれば君がそれを受け入れてくれると勝手に思ってた。ごめんな。俺は君を利用して悦に浸っていた。」(第25話)


※因みにレムは、誰かの助言を受けるまでもなく当然のようにこの2つを体得した行動を起こしていて、それが彼女が第1ヒロイン(エミリア)を差し置いて、本作の人気№1になった主要因と考えます。

*レム「スバル君。レムは頭が悪いのでこんな案しか思い浮かびません。だから・・・」「レムは今、このときのために生れてきたんですね。」(第17話){/netabare}


◆膝枕と行き違い:第1ヒロインの注目回から(第8話+第13話+最終話)
{netabare}
初見時は、本作後半での第2ヒロイン(レム)の想定外の活躍の前に、すっかり影が薄くなってしまった印象のあった第1ヒロイン(エミリア)ですが、2周目に色々と注意して見ていくと、なかなかどうして彼女の心理状態も、実際には第24-25話でのスバルとの再会や、今後来るかも知れない続編に向けて確り描き出されていることに気付かされました。

先ずは1回きりの挿入歌「ぼうやの夢よ」が流されるエミリアの膝枕回(第8話)。
→ここでスバルは、何も言わなくても自分のことを優しく受け容れてくれるエミリアを一度実体験してしまったがゆえに、問題の第13話で、彼女に一方的に執着する醜態を晒してしまい、彼女を失望させてそのまま遠くに離れさせてしまう羽目に陥ってしまいます。

そして表向きのストーリーでは、その後のスバルの、必死さはあっても余り格好の良くない足掻きが、レムの献身を巻き込みつつ延々と描かれていくのですが、それではその間、エミリアの側はどうしていたのか、というと・・・

この第13話のラストで初めて流される後期ED「Stay Alive」(※直訳すると「生き続けろ」ですが意訳すると「お元気で」くらいの意味か)の映像と歌詞に、実はエミリアの王都からロズワール邸へ戻ったあとの様子と心情がさりげなく描きこまれているんです。

(第13話) *本編ラストのスバルとエミリアの行き違い炸裂の瞬間に、以下の歌詞が流れる。

 ♪ 未完成のパズル/どうしてだろう? 何かが足りない/行き違いの運命/離れてゆくことも 知りながら/また歩く/I Stay Alive/今は一人 闇をさまようだけ/想定外の切なさが 胸の中 消えぬままで

(第16話) 及び (第20話) *ロズワール邸でのエミリアの様子を描いた映像に重ねて、以下の歌詞が流れる。

 ♪ 未完成のパズル/どうしてだろう? 何かが足りない/行き違いの運命/離れてゆくことも 知りながら/また歩く/I Stay Alive/今は一人 闇をさまようだけ/想定外の切なさが 胸の中 消えぬままで

(第22話) *ロズワール邸でのエミリアの様子を描いた映像に重ねて、以下の歌詞が流れる。

 ♪ 不安定なシーソー/離れすぎて 片方見えない/目印さえないから/ふっと目を閉じては/また祈る/Oh, Stay Alive/今はどんなことを思ってるのでしょう?/泣いていないけど/一人はやっぱり 寂しくってさ

→つまりエミリアは、ロズワール邸で一人たたずんで、第13話でスバルに言ってしまったことを後悔しつつ彼の身を案じ続けていたんですね。

→それが第25話の再度の膝枕中のスバルとの会話につながります。{/netabare}


◆なお回収されない第1ヒロインの謎と運命

まず初見時からずっと気になっているのが、後期OP「Paradisus-Paradoxum」ラストで、大樹の傍らでもの悲しげに微笑んでスバルに片手を差し伸べるエミリアの顔面を「嫉妬の魔女」の見えざる手が覆っていくシーンです。

それから前期EDで、最終話のラストでも流れた「STYX HELIX」の2番目の歌詞

♪Oh, please don't let me die/Waiting for your touch/二度となにも失くさぬように/私を忘れて 始めて “Restart”/
No, don't give up on life/This endless dead end/君を砕くこの悲しみが/いつか終わりますように/For now I'll see you off

この部分、明らかにタイムリープを繰り返すスバル視点の歌詞ではありません。

{netabare}「For now I'll see you off」は「さあ、貴方を見送りましょう」という意味なので、「私を忘れて 始めて “Restart”」と併せて、これはスバルに「死に戻り」という特性を与えた者の視点の歌詞と考えるのが妥当であり、かつ最終話でスバルの意識下に潜り込んだペテルギウスに対して、見えざる手を伸ばしたサテラらしき存在が「違う。貴方じゃない」と呟いて追い払うことからも、これはやはり「嫉妬の魔女」サテラと一体化してしまったエミリアと考えざるを得ません。{/netabare}

実は、本アニメでは第2ヒロイン(レム)にすっかり喰われてしまった印象がある第1ヒロイン(エミリア)の本気が見られるのは、原作WEB小説の次の第四章ということなので、あとどのくらい期間が空くのか分かりませんが、本作の続編には大いに期待したいと思います。

趣味性の高い長文にお付き合いいただき有難うございました。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 84
ネタバレ

蟹チャーハン さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

薄ら寒いギャグを連発する男スバルに惚れろ!これが悲恋に満ち満ちたこの作品を100万倍楽しむ早道だぁ!

一話目から評判は上々!
気合いをいれた初回1時間枠での放送も見ごたえ十分で、
今春の異世界転生アニメ枠では断トツの評価ですね。

引きニートな主人公がコンビニ帰りにいきなり異世界転生と、
もうすでに理由もへったくれもないのは笑いました。

そして異世界でいきなりのカツアゲ。
さらに盗難事件に巻き込まれて殺される衝撃展開!

すぐに生き返るんで、それがタイムリープ設定なのか、
それともログホライズンみたいなゲームと似た設定なのか、
そこらはまだわかりませんが、続きが気になる作品なのは間違いないです。

無駄に強くなっているわけでもなく、転生時はお約束のジャージ姿。
持ち物は御菓子とラーメンと携帯のみ。
さぁ、ここからどう展開していくのか?

以下ネタバレ
1話~ 俺は召還された…のか?
{netabare}
コンビニ帰りに違和感をおぼえたところで、瞬時に異世界へご到着。
誰かに召還でもされたかと思った主人公ですが、そうはなかった模様。

裏路地でしょげる主人公にいきなりカツアゲの洗礼。
力試しの結果、筋トレの効果もあってか、普通に腕力はいけそうか。
それでも引きニート設定であの強さは、少しは増強されてるぽいのかな?

トラブルを抱えたヒロインのハーフエルフと出会って仲良くなるも、
厄介ごとの相手がマズスギマシタ。
刃物キラリな極悪美女相手で瞬く間に殺されて、一度目の再生に~。

事情を理解しはじめたところで二度目の殺害(殺されたの意味)
再びヒロインに出会うところで一話は終わりましたが、
たぶん来週にはもう少し事情がわかるのでしょう。
何度かタイムリープしながら、事件を解決…というより
無難にやりすごしていくのかな?

進展具合と会話のテンポがいいんで、サラリと見れますね。
わくわくして見終えたあたりは、ダン待ち、このすばと似た感じで、
好印象で期待大です。
{/netabare}

2話~ 志村!後ろ後ろ!を思い出す
{netabare}
4度目の生き返りでようやく死ねない設定に気がつく主人公。
遅いよ~。

トラブルはゴメンと早々に携帯を売って金持ちプランを考えるも、やはり縁ある相手の死を
黙って見過ごせないぜ! と思うシーンはよかったですね。
盗品屋のロム爺の家でノックする音が響きわたるシーンはゾクゾクする緊張感がありましたし、

“このアニメは、本物かもしれない”という予感が~。
やばい! 早く続きがみたくてたまらない自分がいますw

でもでも、あの後、すぐにでもナイフ女がきちゃうわけですよね?
それも音もたてずにシュシュッ!と切られたりしちゃうけですよね?
やばいわー どうなるんだろう。

ちなみに新たなキャラで騎士様が登場しました。
絶賛いい人ぽいんですが、本当に?本当の本当に信用していいの??
{/netabare}

3話~ 区切り回も、これで死んだらやっぱりスタートはあそこから?
{netabare}
徽章の盗難トラブルの回収回であります。
ロム爺のお店に全員集合してからの、はらわた姉さん登場で怖すぎw

腕のたつのはわかっていたけど、強すぎじゃね?
と思ったら、まさかの助っ人救世主登場で、
こちらの方がよほど強かったというw

剣聖>はらわた姉さん>魔法少女>じいさん>フェルト>主人公
こーなるとヒロインの魔法レベルはかなり低い扱いになるけど、
今後、整合性はとれるのだろうか

実質4話分使っての1エピソードでしたが、タイムリープ作品らしい
苦悩葛藤する主人公のおもしろさ、特徴は出てたと思います。
もうどうしたらいいんだよ! て気持ちがじんじん伝わってきたら
このアニメの虜になってるってことですもんね。

個人的にコノ手の作品で感動したのは映画バタフライエフェクト
を見たときでしたけど、よかれと思ってしたことが裏目裏目に出続けて、
愛した人が廃人同然みたいになってたシーンには言葉に詰まりました。

この作品もこれからタイムリープするほどに何かしらの影響
体への副作用なのか世界のゆがみとかなのかに悩まされるような
展開になっていくんですかね~。

最後に、ヒロインの本当の名前を教えてもらえてよかって。
んでも、てことは、前に教えてくれたあの名前は冗談だったてこと?!
意外に用心深いですねw
{/netabare}

4話~ もう落ち着いちゃうのかと思ったところで!で!
{netabare}
前回、はらわた姉さんにお腹ぱっくりされて倒れたところで終わったのですが、
今回はエミリアの住まいのお布団で目覚めるところからはじまります。

これが宮殿といってもいいくらいの大きさ&豪華さで、聞けばなんとエミリアは
王位継承権を持つ皇女のひとりだったとか!
ええええ! そんな姫さまがひとりで街をふらつくもんなんすですかねw

あの徽章もその資格を示すものだそうで、こうなるとはらわた姉さんの雇い人てのも
ある程度想像がついてきます。
ただまぁ、序列的には低いのかな? すぐに女王になれるってわけでもなさそうで、
いまは後ろ盾となっている辺境拍や、この国随一の知識の魔女であるとか、
双子の召使(仕掛け人形?)らと暮らしている模様。

とりあえず仕事もない主人公のすばるは、この館の使用人として雇われることになるんですが、
無事に一日の仕事を終えたと思い、眠りについて目が覚めてみると、これが蘇っていた=殺されてた!
果たして誰に?どうして?! というミステリー仕掛けぽいエピソードになりそうです。

ここから感想
テンション高めでここまできたわけですが、導入とあってか、かなりペースを落とした印象。
あれ?そんなにおもしろくない?? なんて思っちゃいましたw

すばるのギャグってひとりツッコミが多いからか、どちらかというと寒いんですよね。
展開に興味があるときはさほど気にならないんですが、普通の会話が極上におもしろかった
このすばのカズマとどうしても比較してしまう自分もいます。
作者のセンスの差が出てしまうのか~。

ただまぁ、展開力みたいなのがあるとしたら、こちらの方がうまいですね。
物語的に全然違うから比べても意味はないのだけど、タイムリープという設定を
上手に生かしているのは3話まで見てわかっています。

今回もラストにちゃんと驚かせてくれた(実際は、あへ?て感じでしたけどw)
のはすばらしい。
こーいう瞬間が一度でもあるだけで、見てよかったと思えます。

というわけで、今回はすばるを邪魔に思い、亡き者にしてくれんと企む暗殺者が誰か
をあてることになるのか? 嫌われていた魔女の仕業か、スパイの疑いをかけていた伯爵か?
もしかして、はらわた女がもどってきた???(自分で徽章を奪おうとしてとか)
さてはて~。
{/netabare}

5話~ スバルという男にはじめて共感を覚える。こいつは最高のナイスガイかもしれん!
{netabare}
エミリアの住まうお屋敷で殺されて目覚めて2日目。
その事実に驚きエミリアの笑顔もなにもすべて消し飛んだ虚しさに体の震えが止まらないスバル。

死んでも前日の朝に戻るだけ。
でも、過去の記憶は失わない。

自身、もう何度目かの生き返りで、前日の朝に戻るルールを学んできた様子で、
できるだけ前回と同じ時間を過ごしてみようと挑戦してみたりします。
このあたりは、実際うまくいくかは別として、検証あるのみ! なんでもトライしないとですね。

村を訪問して子供たちと戯れたり、ドン引き目線だった双子のメイドとも髪を切ってもらう
約束を取り付けて仲良くなり、そしてエミリアとのデートの約束(村にお出かけ程度)
もして、これはこれで幸せな一日を終えたスバルだったが…。

深夜の訪問者を待ち受けて、誰が殺そうとしているのか見極めてやろうとするものの、
これが突然の悪寒やら吐き気やらの毒の症状で悶絶して屋敷中をはいつくばることになり、
あげく最後の最後に登場した暗殺者の影しか見られずにバッサリと…。

ここから感想です

スバルという男に今回はじめて共感を覚えました。
どうしてか? それは謎だけど、きっとスバルの鬼軽口に自分も感化か感染したのかもしれませんw

くっだらないジョークもどんなに寒いギャグだって時と場所と相手の気持ちのタイミングがかみ合えば、
それは最高のギャグになり、それは最高の笑顔を引き出すことになり、最高の思い出という名の絆を生みます。

これがわかっていないとスバルという男がただの薄ら寒いトンチンカンになってしまう。
で、スバルつまんね、で終わっているなら、このアニメの10%も楽しめていないことになるわけで、
そんなつまらんものに割く時間の方が無駄じゃねーとも思えるんです。

ただまぁ、スバルの場合は常に軽口を叩いてるんで、どんなに良い言葉をいっても
どこか受けうけりぽくて名セリフになりにくいでしょうね。
自分もそれはすごく思っていたし。

ですが、村から帰る途中にメイドのレムに投げかけた“鬼がかる”のフレーズからはじまる一連のシーンでの
最後の“その笑顔100万ボルト!”にはアホすぎてこれが最高にアホかっこよすぎて
スバルって男の不屈の精神を感じとった瞬間でした。

こいつ、本気でいいやつだわ!
これは信用しないと大人として、自分もダメな大人以上にダメな男になってしまうw

アニメでも小説でも映画出も、過去の自分の知識を引き合いにだして比較をしますが、
それも行き過ぎるとわかったふりになります。
それは作品それぞれの個性を尊重しているフリだけして、まったく個性を認めていないことでもあります。

知った気になっていないか。
何かと比べてわかった気になっていないか。
似通った作品と思い込むことで楽しむことの可能性を制限していないか。

およそ過去の経験に基づいた先入観てのは危機回避には有効ですが、こと楽しむなら話しは別。
頭真っ白にしてどんどん受け入れた方が享受しやすい。
子供たちの遊んでるときの無邪気な笑顔! あれですよね。

アニメであっても作品世界てのがあるならば、そこは異国の地と同じ。
見知らぬ土地を旅して祭りに出会って一緒に踊るときに、東京音頭と比較なぞしません。
周囲みわたして同じフリして懸命に動いていれば、心と体がシンクロしてくる。

もっと近づけ。
もっと知れば楽しくなる。
もっと内側にはいれば自分もその作品のひとりにすらなれる気がする。

作品を楽しむ上での自分なりのモットーですね。
まぁ、それをかたくなに拒む作品もあるし、ウエルカムされても丁重にお断りしたい
作品てのもあるんですがw

このReゼロのスバルという男について視聴者が知りえる情報はずいぶんたくさん出されています。
軽口多すぎ、態度が不遜、行動早すぎ(考え足りなさ杉)

でもね、いいやつなんですわ。これは確かなこと。
そして多くを願わない男でもある。
やたら恩を売りつけてくるのはどうかなと思うけど、それで願うのはモフモフさせろとか、
髪を切れとか、いたって当たり障りのない話で、これだと傲慢ともいえない。

この物語はいかにもなラノベ枠の型にはめていては楽しめないんでしょうね。
異世界とか転生とかエルフとか魔法とか、どれもこれも似たような設定に見えるかもしれないけど、
これは純粋にSF小説の類です。

タイムリープを繰り返しながらドン底の悲恋を味わう。そう何度でも。
古典の部類ですが名作「終わりなき戦い」などがそれで、死んでも生き返りながら愛する人との逢瀬
を遂げるけれど、それははじめのうちだけで、しだいに生まれ変わる時間のずれが大きくなって、
相手と子供と老人くらいの年齢差になり、そしていつしかお墓参りするしかなくなってしまう。
娘がいて孫がいて、ひ孫がいて、でも全部自分とは関係の血を受け継いでいる悲しさ。
残ったのはかすかに思い出せる遠い記憶だけ~。

もう、こんなの悲しすぎるでしょ。
ちっともイイハナシなんかじゃない!
でも、イイハナシなんだよなぁー!!
という同じ悲恋に満ちた匂いがするのは自分だけでしょうかね~。

良質なSFは文学をも超えるとかなんとかいう名言はアシモフだったかですが、
設定はSFでも中身がしっかり文学してれば文学なんですよね。
ただ、カテゴリー的にSFに入れたがる人が多いというだけ。

正直、4話のエンドで同じ流れを繰り返すだけになるのが怖かったんですが、
制作サイドのインタビューで4話から面白くなるんです!という言葉が嘘に思えてたんですが、
今回自分は気がつけてよかったなと。この作品の楽しみ方を学んだことをですね~。

ラノベとかネット小説とか、どこかそれでくくるのが惜しくなる作品。
未来を感じましたぜ~。

にしても毎回エンディングでの曲とのつなぎが最高ですね。
くぅーーーーってなる!
はじめて5点いれてしまったw

そして犯人探しですが。。。
基本、館の主でもある辺境伯が一番怪しいかなーどうだろうw
エミリアの王位継承にじゃまと判断したからって理由が一番わかりやすいかなー。
{/netabare}

6話~ まさかお前が! 真相解明も理由はまだ謎
{netabare}
辺境伯の館で迎えた三度目の同じ日の朝。つまり二度殺されたわけですね。
この逆境をなんとかしようと、スバルの犯人探しがはじまります。

その取った手法が、、、これがけっこう意外でしたw
え?て感じ。 最初は本気かと思いましたよ。
そして、姿を現す犯人! 
これはもうネタバレ一切禁止で見てもらうのがいいでしょう。

毎回、20分だらだら続けてからの最後の2分で驚かすなパターンが続いてますね。
最初はどうなんだろうって思ったもんですが、いまはその2分に賭けてるんなら
それを存分に楽しもうじゃないか! て気構えでみてますw

以下、感想で~
てっきり死んだ前日に戻るのかと思ってたけど、4日目の夜に殺されていることからも
完全に間違えてましたw
本当にゲーム感覚のセーブポイント、エピソードのはじまりにまで戻る感じなんですね。

犯人のスバルを排除したい考えがまだわからないけど、それも次週で判明するんでしょう。
赤鬼絡みの嫉妬? うーん、そんなもんでもないような~。

すでに無かったことになってるけど、あの交流シーンはじーんときたんだけどなぁ~。
それでもやり遂げるんだから、やはり王位継承に関係したスパイ疑惑てのがミソになるのか?
疑いが晴れれば関係改善にもなりそうですね。

てか、そろそろ携帯の充電が必要になるんじゃないかと思う…のは一番言ってはいけないことかw
{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 28

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

なかなか話が進まないけれど、面白いとは思う

異世界転生かつ死んだらセーブポイントみたいなところに戻ってくる作品。

異世界転生のわりには大した主人公がたいした特殊能力を持つわけではなく、死んだら巻き戻るので話がなかなか進まない。なんだか見ていてモヤモヤする。いろいろな人の助けを根回しして借りてっていうのを何度も繰り返す。
ただ、進むときは溜めてドカン。そのときは面白く感じる。モヤモヤがすっきりしていく感触。

イラッとくるロズワール、なんだかスバルと距離を感じるエミリア、最初は怖かったが、デレて可愛いレム、ずっと怖い姉のラム。書庫に引きこもっているが何故かスバルを助けるベアトリス。
などなど個性的なキャラクターが多いわけだが、
ベテルギウスのキャラクターに自分の意識をもっていかれた。独特すぎる。無駄にしぶとい。



OP
Redo 鈴木このみ
Paradisus-Paradoxum MYTH & ROID
ED
STYX HELIX MYTH & ROID。
Stay Alive エミリア(高橋李依)

主題歌最高でした。鈴木このみでテンション爆上げ。
MYTH & ROIDの楽曲も不思議と中毒性があった。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. 始まりの終わりと終わりの始まり
コンビニからの帰り道、突如として異世界へと召喚されてしまった少年、菜月昴。目の前に広がるファンタジーな異世界に目を輝かせるスバルだったが、自分を召喚したであろう美少女の姿はどこにも見当たらない。やがて右も左もわからない状況にスバルは頭をかかえてしまう。さらに強制イベントと言わんばかりにチンピラに絡まれ、異世界に招かれた人間が超常の力を発揮するといったお約束の展開もなく、容赦なく叩きのめされるスバル。そんなスバルの前に一人の少女が現れる。

2. 再会の魔女
一度目は何者かに襲われ、二度目はエルザに腹を切り裂かれ、三度目はチンピラにナイフで背中を刺され、スバルは確かに命を失ったはずだった。しかし気が付くとスバルは初めて異世界へとやってきた場所に立っていた。あり得ないと思いつつも自らが置かれた状況から、死ぬ度に初期状態へと戻る死に戻りが起きていることを認識するスバル。サテラやフェルト、そしてロム爺に襲いかかるであろう死の運命を変えるため、四度目となる世界を走りだす。

3. ゼロから始まる異世界生活
エルザが盗品蔵に来る前にフェルトから徽章を買い取り、サテラに返そうとするスバル。しかし交渉の途中でサテラが現れ、さらにはエルザが襲いかかってくる。応戦するパックはエルザをあと一歩のところまで追い詰めるが、途中でマナが切れてしまい消えてしまう。パックを欠いたスバルたちではエルザを倒すどころか攻撃を防ぐことすらままならない。絶体絶命の状況に追い込まれてしまったスバルは、自らの体を張ってどうにかフェルトを逃がすことに成功する。

4. ロズワール邸の団欒
エルザとの戦いで深い傷を負ったスバルは、どうにか一命をとりとめ、ルグニカ王国のメイザース辺境伯であるロズワールの屋敷へとやってきていた。そこでスバルはルグニカ王国には現在、王が不在であること、そしてエミリアが次の王になる資格を持った王候補の一人であることを知る。ロズワールは次の王を選ぶ王選に参加するための資格である徽章を取り返し、身を挺してエミリアを救ったスバルに対して望むままの褒美を出そうと申し出る。

5. 約束した朝は遠く
ロズワールの屋敷に住み込みで働くことになったスバルは、レムやラムと共に日々仕事をこなし、ついにはエミリアとのデートの約束を取り付ける。しかし約束の日が訪れることはなく、スバルは屋敷にやってきた初日に戻ってきてしまう。命を奪われるようなことなど何も起きていないのにも関わらず、いつの間にか死に戻ってしまったことに混乱するスバルだったが、エミリアとのデートの約束を果たすため、前回をなぞるように再び行動を始める。

6. 鎖の音
ロズワールの屋敷での三度目の初日が始まる。一度目は寝ている間に衰弱して命を落とすという原因不明の死、そして二度目は何者かに襲われ命を奪われてしまった。二度目の死の間際に聞こえた鎖の音が脳裏をよぎり、恐怖に冷や汗をにじませるスバル。敵の正体はもちろんのこと目的さえわからない状況を打破するために、スバルは死が待ち受けている4日目の夜を前に屋敷を離れ、外から何が起きるのかを確かめようとする。

7. ナツキ・スバルのリスタート
スバルの前に現れたのは全くもって予想外の人物だった。襲撃者の正体を知り、困惑を隠せないスバル。これまでの出来事が脆くも崩れ去っていく喪失感の中でスバルは命を落とす。そしてロズワールの屋敷で迎える四度目の初日。スバルはベアトリスに5日目の朝まで自分を守って欲しいと頼む。しかし死が待ち受けているはずの4日目の夜は何事もなく過ぎ、5日目の朝がやってくる。拍子抜けするスバルだったが、事態は思わぬ方向に動き始めていた。

8. 泣いて泣き喚いて泣き止んだから
ロズワールの屋敷で迎える五度目の初日が始まった。絶対に救ってみせると心に決めたスバルはレムやラム、そしてロズワールたち屋敷関係者たちから信頼を得るためにとびきりの笑顔で立ち回る。大好きな人たちに好かれたい一心でがむしゃらに頑張るスバルだったが、心と体が徐々にちぐはぐになっていく。剥がれ落ちそうになる笑顔を必死に繕うスバルを見るに見かねたエミリアはスバルを床に座らせ、自らもその隣に正座する。

9. 勇気の意味
ばらばらだったピースがようやく一つに繋がり、スバルは死の呪いをかけた呪術師がふもとの村にいることを確信する。レムとラムと共に村へ買い出しに向かったスバルは、村人全員と接触し、あえて呪いにかけられることで呪いをかけた呪術師を見つけ出そうとする。屋敷に戻り、呪いにかかったのかどうかを確かめるためにベアトリスの元を訪れたスバルだったが、大きな勘違いをしていたことに気づき、レムを連れてふもとの村へと引き返す。

10. 鬼がかったやり方
ウルガルムの群れから身を挺して子供を救ったスバルだったが、その身に数えきれないほどの呪いをかけられてしまう。複雑に絡み合ってしまった呪いは、最早ベアトリスにも解呪することはできない。あと半日もすればスバルは衰弱し死に至る。残された方法は呪いをかけたウルガルムを全て倒すことだが到底が時間が足りない。八方塞がりの状況に諦めかけたスバルだったが、レムがたった一人で森へ向かったことを知り、後を追いかける。

11. レム
スバルの一撃を受け、意識を失ってしまったレムは夢を見ていた。かつてレムとラムを襲った目を背けたくなるような出来事。そして犯してしまった決して許されることのない罪。やがて意識を取り戻し、目を覚ますレムは今度はスバルに対して、またあのときと同じ罪を重ねてしまったと言う。このままではウルガルムの群れに追いつかれてしまう絶体絶命の状況の中、スバルはレムとラムを逃がすため囮となってウルガルムの群れを引き付ける。

12. 再来の王都
亡き王にかわりルグニカ王国を運営する賢人会の命により、ロズワールの屋敷に使者としてヴィルヘルムとフェリスがやってくる。急遽王都に行くことになったエミリアに対し、自分も一緒に連れていって欲しいと頼むスバル。遊びではないと反対するエミリアだったが、レムやロズワールの後押しもあり、スバルと共に王都へと向かう。ルグニカ王国の新たな国王となる資格を持った候補者たちが一堂に会し、ついに王選が幕を開ける。

13. 自称騎士ナツキ・スバル
エミリアを始め、プリシラ、クルシュ、アナスタシアと一堂に会する王選候補者たちの元に、ラインハルトに連れられフェルトがやってくる。竜歴石に刻まれた預言によれば、新たな国の導き手になり得る巫女の候補は5人。ラインハルトはフェルトこそが5人目の王選候補者であると言い、フェルトの参加をもって本当の意味で王選が開始されると告げるが、当のフェルトはそんなものに参加するつもりはないと王選を辞退しようとする。

14. 絶望という病
ただ守りたかった。その気持ちに嘘はないはずだった。いったいどこで間違ってしまったのだろう。何よりも大切にしたいと願った相手からの拒絶。取り返しのつかないことをしてしまったことを認められずにスバルは煩悶する。そんなときエミリアたちのいるロズワールの領地内で不穏な動きがあることを知らされたスバルは、自分であればきっと助けられるはずだと、レムやクルシュたちの反対を押し切ってエミリアの元に戻るのだが……。

15. 狂気の外側
ロズワールの屋敷にやってきたスバルの目の前に広がる信じられない光景。こんなことを望んでいたわけではないと嗚咽するスバル。絶望に打ちひしがれたスバルの視界は次第に白く染まり、やがて声が響く。もう遅すぎたんだよ……と。そこでスバルの意識は途切れ、気が付くとルグニカの果物屋の前に立っていた。レムの呼びかけに顔をあげたスバルは呆然とレムを見つめ、そのまま涙を流し、口を吊り上げ笑い始める。

16. 豚の欲望
再びルグニカの果物屋の前で目を覚ましたスバル。八方塞がりのような状況をどうにか打破しようとスバルはクルシュに助けを求めるが、にべもなく断られてしまう。プリシラやアナスタシアも同様の反応を示し、ただ助けて欲しいと求めるばかりのスバルの願いを聞き入れてくれる者は誰もおらず、ただ時間だけが過ぎていく。せめて事が起きる前にエミリアたちを連れ出すことができればと、スバルはレムと共に竜車でロズワールの屋敷へ向かう。

17. 醜態の果てに
オットーたちを雇い、竜車でリーファウス街道を走るスバルたちの前に白鯨が現れる。闇夜に紛れ、立ち込める霧の中を泳ぐ白鯨。爆風のような咆哮を轟かせながら襲い来る白鯨から逃げ切ることは難しいと判断したレムは、スバルの静止を振りほどき、白鯨を迎撃するために竜車を降りる。レムを助けなければとオット-に掴みかかり、今すぐ戻れと叫ぶスバルだったが、オット-が取り合うことはなく、背後の霧は遠ざかっていく。

18. ゼロから
レムを死なせ、エミリアの命を奪い、自らも犬死にのような最期を迎えたスバルは、ルグニカの果物屋の前で再び目を覚ます。何もできず、誰も救えず、思い知り、思い知らされ、もうできることは何もないと悟るスバル。全てに疲れてしまったスバルは、何かを決意したようにレムの手を強く握り、全速力で走り始める。されるがままに手を引かれ走るレムは、スバルを止めて何があったのか説明して欲しいと話すのだが……。

19. 白鯨攻略戦
レムによって絶望の淵から救い出されたスバルは、エミリアを救うためクルシュに同盟を持ちかける。同盟にあたってスバルがクルシュに対して提示した条件は白鯨が出現する時間と場所を教えること。白鯨を討伐するべく動いていたクルシュにとって、にわかには信じがたい情報だったが、スバルが嘘をついている様子はない。しかし同盟を結ぶという王選の未来を左右する決断をすべきかクルシュは頭を悩ませる。

20. ヴィルヘルム・ヴァン・アストレア
自らの持てる全てを注ぎ込み、自らができる限りを尽くしたスバル。その思いはクルシュの心を捉え、クルシュとの同盟を勝ち取ることに成功する。さらにアナスタシアの協力も得て、白鯨との戦いに臨むスバルたち。大気が震えるほどの咆哮を轟かせ、その巨躯を上空に現す白鯨。そんな白鯨を真っ直ぐ見据えるヴィルヘルムは、白鯨との間にある因縁を思い返し、白鯨と相対するこの日をただひたすらに夢に見ていたと剣を構える。

21. 絶望に抗う賭け
目の前で起きた出来事に言葉を失うスバルとレム。犠牲を払いながらも少しずつ追い詰めていたはずのように見えた白鯨の戦いは想像を超える事態へと発展する。もう打つ手なしと思わせるに十分なその光景に一人、また一人と手に持っていた武器を取り落とす討伐隊の面々。全てが絶望に包まれかけたそのとき、スバルの声が響く。このぐらいの絶望で俺が止まると思うなよと、スバルはパトラッシュを走らせ、白鯨に果敢に立ち向かう。

22. 怠惰一閃
白鯨との戦いが終わり、街道の封鎖を担当していた傭兵団の半分が討伐隊の元に戻ってくる。合流した傭兵団の先頭に立つユリウスに対して複雑な心境のスバル。しかし魔女教との戦いを前にこれほど頼りになる味方はいない。白鯨の討伐に感謝を述べるユリウスの真摯な姿を見て、スバルもまたこれまでの振る舞いを詫びる。そしてスバルたちはこちらの動きが割れる前に、魔女教が潜むメイザース領の森へと向かうのだが……。

23. 悪辣なる怠惰
エミリアたちやアーラム村の人々を避難させるべく、ロズワールの屋敷へと向かうスバルたち討伐隊。しかしふと気が付くとスバルを残して討伐隊の面々が消失してしまう。いったい何が起きたのか理解することのできないスバル。辺りを見回し、道端に不自然に咲く青い花を見つけたスバルは、その花に手を伸ばす。すると花の根本が抉れ、うねるように伸びた蔦がスバルの体に絡みつき、ギリギリと締め付け始める。

24. 自称騎士と最優の騎士
アーラム村の人々に危険が迫っていると伝え、安全な場所まで避難するように呼びかけるエミリアだったが、その訴えが聞き入れられることなく一夜が明けてしまう。村人たちに信じてもらえなかったことを思い悩むエミリアの元にクルシュの名代としてヴィルヘルムが訪ねてくる。ヴィルヘルムはエミリアに対して、辺境伯から王選における同盟を持ち掛けられていることを説明し、村人を避難の手筈が整っていることを伝える。

25. ただそれだけの物語
スバルが目となり、ユリウスが剣となり、お互いの持てる力を合わせることでペテルギウスの見えざる手に立ち向かうスバルとユリウス。しかし攻撃の手を緩めることなく、次々と見えざる手を繰り出すペテルギウス対し、二人は防戦一方となってしまう。しかし全身傷だらけになりながらも、徐々に攻撃への反応速度を上げていくユリウスは、スバルと連携し、あと一歩のところまでペテルギウスを追い詰めることに成功するのだが……。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 11
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