ぬいぐるみで親友なTVアニメ動画ランキング 5

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のぬいぐるみで親友な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月26日の時点で一番のぬいぐるみで親友なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

92.7 1 ぬいぐるみで親友なアニメランキング1位
約束のネバーランド(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1130)
5471人が棚に入れました
母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。ここグレイス=フィールドハウスは親がいない子ども達が住むところ。至って平穏なこのハウスでささやかながらも幸せな毎日を送る三人の主人公エマ、ノーマン、レイ。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…

声優・キャラクター
諸星すみれ、内田真礼、伊瀬茉莉也、甲斐田裕子、藤田奈央、植木慎英、Lynn、河野ひより、石上静香、茅野愛衣、日野まり、森優子、小澤亜李
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

原作既読組にとって、この手の作品は・・・?

原作既読。最終話まで視聴。

週刊少年ジャンプは40年近い愛読書です(笑)。
連載開始当初から、緊張感満載のこの作品はお気に入りの作品でした。
お気に入りの作品のアニメ化なので、本作も、とても注目していました。

【原作既読組にとって、この手の作品は?】
原作既読組は、当然、先々の展開を把握しています。
そんな状況の中で、この作品の一番の魅力である『緊張感』を楽しめるかどうか?
そこが、この作品の評価の分かれ目だと思います。
{netabare}
言うまでもなく、私も先々の展開を把握しています。
それでもハラハラドキドキが止まりません。

力のこもった作画。
巧みな演出。
映画のようなカメラワーク。
声優さんの熱演。

全てが上手くかみ合った本作は、『名作』に分類されるべき作品だと思います。{/netabare}

【正直、原作と比べるとかなり話が省略されているんだけどね・・・】
{netabare}全ては、大感動の11話~12話へ繋げるため。
ここから逆算して、必要最低限の物語を紡いでいったという印象です。

エピソードはもっとたくさんあるんだけど、あえて必要最小限のエピソードに絞った。
第2期に回せるエピソードは第2期に回す。

そんな制作陣の苦渋の選択が伝わってきます。{/netabare}

【食用児・・・って、凄い単語ですよね】
{netabare}この単語だけで、この物語の世界観が凝縮されている気がする。
エマをはじめ、子供たちの必死さが伝わってくる。
何かが狂った世の中であることが、ひしひしと伝わってくる。{/netabare}

【ところで、各話のタイトルの意味って分かりました?】
{netabare}各話のタイトル、例えば第1話なら『121045』。
これの意味って分かりました?
{netabare}あれって、『日・月・年』なんですよね。
『121045』=『2045年10月12日』という意味。{/netabare}
要するに、1話から9話までは20日余りしか時間が経過していませんが、9話と10話の間だけでも2か月以上に時間が流れていることが分かります。

この間、エマたちはママだけではなくレイの目も欺き続けたことに・・・。
だから、11~12話にかけて、レイは驚きっぱなしだったんですね。{/netabare}


第2期も期待しています。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 78
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生きていくんだ それでいいんだ

それは田園 こちらは農園 ・・・ふっ

・・・あ、ちょっと待って、{netabare}いやっ、行かないで~、、、{/netabare}な全12話。


原作も未読であれば、ジャンプももう何年も読んでませんね。週刊少年ジャンプの人気連載作品ということで、子供とTV前で待機。
第1話を観終えて彼らは静かに去っていきました。お子様と一緒に視聴するにはご注意ください。我が家でR12指定となった “ほんとに少年向けなんかいな?” な世界観です。


いやぁ毎週面白かったですね。なにせ間髪入れずもう一周しましたから。
導入良し→つなぎも良し→締め最高、、、と1話1話退屈せず、連載継続中ながら12話の尺で綺麗にまとめたことも好感です。結末を知って価値に気づきがちな序盤~中盤を面白く仕上げてもらってほんとにありがとう。2018年冬期の作品群の中でもトップクラスの出来でありました。
続きのある物語に対し早々に2期が決まったことで、今後の楽しみが一つ増えた幸福感もあります。


幕明けの舞台はグレイスフィールド(GF)ハウスと呼ばれる孤児院から。ママ・イザベラのもとで上は11歳までの子供たち30余名が一緒に暮らしてました。
ロケーションは大草原の小さな家。孤児院と聞けばあしながおじさんや若草物語のようなものを事前には想像してました。違うんだけどね。
そこの子供たちのうちエマ(CV諸星すみれ)、ノーマン(CV内田真礼)、レイ(CV伊瀬茉莉也)の3人が物語の主役。・・・それと彼らのみならずハウスの子供たち全員が主役の物語だったのでは?と思えるお話。
6歳から12歳までの間に里子に出されるとママから聞かされている子供たち。うち一人コニーとのお別れの日。別れを済ませた後、ぬいぐるみを忘れてることに気づいたエマとノーマンがコニーに届けようと後を追って。。。

そこから物語は一転。第1話ラストから最終12話までノンストップな子供と大人の心理戦?サスペンス?スリラー?またはホラー?が展開されます。
詳しくは本編で。農園の意味は早々にわかりますので、そこからハラハラドキドキを楽しみましょう。私的今期(2019年冬)のベストでした。


以下、思ったことを五月雨に。※ネタバレ

■ホラーやスリラーではなく心理戦でした
猟奇的な世界観で色濃く印象的だったのは、エマら子供たちとママ・イザベラ(CV甲斐田裕子)、シスター・クローネ(CV藤田奈央)の大人らとの駆け引きです。この腹の探り合いに集中できたのは不要なホラー演出を削いだからなんじゃないかと思ってます。
{netabare}例えば、子供らが謀議している最中に物陰からニュッとママやシスターが登場するような演出は皆無でした。双方に企みを盗み聞きしたり直接知るような描写がありません。状況証拠や間接的な言動からの探り合いに絞ってました。{/netabare}
{netabare}ママもシスターも元はと言えばフルスコア。さらにトレーニングを積んで派遣され実地で鍛えられた猛者です。直接でなくてもなんでもお見通し、一筋縄ではいかないラスボス感を十二分に引き出す効果がありました。{/netabare}


■絶望からの分岐
絶望を知った後にどう分岐していったか?の対比が好きです。
{netabare}言うまでもなくエマ、シスター・クローネ、ママ・イザベラの3名です。
エマ:抗う人。もちろんそこは主人公。けっこう身も蓋もない世界なのにエライよこの子!
シスター:堪えられなかった人。躁鬱の躁。壊れてましたね。選ばざるをえなかった道もイバラの道。自分♂ですがシスターやママやってたら正気を保てる自信がありません。
ママ:受け入れた人。ってまんまですが、シスタークローネが壊れてた分余計に底の知れぬ深い絶望を受け入れたことがわかり、そのことが最終盤効いてきましたね。{/netabare}
{netabare}一周めはノーマン、レイ、エマの3人を中心に観てました。最終回を見届けて今度はエマ、クローネ、イザベラの3人に焦点をあてて。けっしてクローネはネタキャラではないのです。{/netabare}


■イザベラ
{netabare}マンドリンの少年(レスリー)の曲が印象的な本作。イザベラにとってどういった意味を持つのか?
第1話コニーを門まで送る時の鼻歌が初出。第10話ノーマンとの別離。第11話でレイが火をつけた時。せめてもの手向けなのかレスリーの記憶を留めておきたかったからなのか。
ハウスで過ごした記憶の欠片を手離してなかったことに意味があったんじゃなかろうかと思います。{/netabare}

{netabare}「絶望に苦しまずに済む一番の方法は諦めることよ。抗うから辛い。受け入れるの。楽になれるわ。簡単よ。」

{netabare}かつてのイザベラが現在のエマだっていうのが、これまた切ないのでした(語彙力)。頼れる仲間がいたかどうかの差なんです。{/netabare}{/netabare}


■声優さんの演技
あらためてやっぱり声優さん凄いな~と思いました。
ノーマン役の内田真礼さん。ギルダ役のLynnさん。演技の幅って無限に広がるんですね。
それと短いセリフに込められ感情の豊かさでしょうか。※特定シーンのため閉じます。

{netabare}・「うん」エマ
ノーマンと別れの際、絞り出した「うん」その数8回。その短い言葉一つ一つどれも違っていて、ないまぜの感情が伝わってきた名演です。{/netabare}

{netabare}・「いってらっしゃい 気をつけてね」イザベラ
絵と音の力ではないと思うんだよな~。憑き物が取れた嘘偽りない「私のかわいい子供たち」に聞こえました。ダメねこういうの(T_T){/netabare}



次が気になる展開、裏をかいてまたその裏をかいての緊張感の続く化かし合い。
その根底で「絶望」との向き合い方で道の別れた3人に強いメッセージ性も感じました。
OPEDも作品に合った良いチョイスですね。


{netabare}・識別番号は連番ってことはなさそう。意味はあるのか?
・2期は頭脳戦からサバイバルみたいになるんだろうね。趣きはだいぶ変わりそう。
・イザベラ処分されるんだろうな。
・てかノーマン{/netabare}

きちんと謎や伏線は残したまま2期へと繋がるわけですが、もやっとした感情は無く、終わり方含めなんともすっきりした全12話でした。


それにしても、、、
{netabare}ヒーロー願望というか、男は死にたがるというか諦めが早いというか自意識が強いというか。女性の胆力の強さをまざまざと見せつけられた気分になりました。{/netabare}



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴

-----
2019.09.17追記
《配点を修正》 +0.1

その後他のレビュアーさんとのやりとりでもやっとしたとこが解消しました。あざまーす!
2期前提ではあるものの、そこへの繋ぎ方と一作品としてのまとまり具合に嫌みがないこと。他の作品とのバランスを考慮し加点しておきます。



2019.04.13 初稿
2019.09.17 追記/配点修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/12/21
♥ : 83
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

幸せな一生

アニメーション製作:CloverWorks、監督:神戸守、
シリーズ構成・脚本:大野敏哉、
キャラクターデザイン、総作画監督:嶋田和晃
原作:白井カイウ、出水ぽすか

森の中に佇む、グレイス=フィールドハウスという孤児院。
そこでは12歳までの子供たちが楽しく暮らしていた。
周りとは隔絶された世界。
外部とつながっている場所には鉄製の大きな門。
そのほかは深い森に囲まれている。
優しいママのいるハウスは子供たちの楽園。
里親が見つかった子供たちは、
定期的にハウスから去っていくのだった。

タイトル名はよく考えられており、
ふたつの言葉を合わせたものだろう。
旧約聖書の創世記12章に記されている、
イスラエルの民に神が示した土地である「約束の地」。
そして『ピーターパン』で、
森林の奥地に住み、親のいない
年をとらなくなった子供のいる国「ネバーランド」。
物語のストーリーをイメージしやすくなっている。
「ネバーランド」というと、
マイケル・ジャクソンの邸宅も思い浮かび、
その内実を思うと、さらに印象深い。

主人公のエマ、ノーマン、レイの3人がいい。
ストーリーはもちろんだが、このキャラクターたちが
物語のなかにどんどん引き込んでくれる。
真っ直ぐな性格で頭が良く、運動神経に優れるエマ。
ずば抜けた頭脳を持ち、正しいことを知るノーマン。
冷静な判断力と鋭い観察眼、卓越した記憶力を持つレイ。
彼らの動きや考え方を見ているだけでも楽しい。
いわば、小学生のときのクラスにいた、
何かするたびに驚かされ、私たち凡人を
いつもワクワクさせてくれる同級生たちを想起させる。

3人が互いに想いをぶつけ合い、理解し、
不可能なことをやり遂げようとする。
そして、それぞれに対する複雑な感情を抱えたまま
自らが信じた道を選び取ろうとする。
この関係性の妙が、作品の最も優れている部分だ。

1話からの構成力も見事。
原作の良さはあるのだろうが、
アニメスタッフの力も大きいことが分かる。
大きな流れを1話目で理解させ、
そこから各話ごとに盛り上げていく展開力は出色だ。

良質なハリウッド映画を観ているような感覚。
時代を象徴するような物語も含め、完成度が高い。

幸せな一生とは、どのような人生なのか。
子供たちやママの一生を考えさせられる。

{netabare}最終回でのイザベラの描写が秀逸で、
この時点で物語は完結している。
後のことを描くことが蛇足にならないかのほうが不安だ。{/netabare}
ここまでで実写映画を作っても十分に成立するだろう。

※EDのCö shu Nie 「絶体絶命」がお気に入り。
ピアノの打ち込みとベースが抜群にカッコ良い。
(2019年4月19日初投稿)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 97

85.0 2 ぬいぐるみで親友なアニメランキング2位
Kanon カノン[京都アニメーション版](TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1844)
10379人が棚に入れました
静かに雪の降り積もる北の街。高校2年生の相沢祐一は、両親の都合で、7年前によく訪れていた北の街に住む叔母の家に居候する事になった。従姉妹の名雪とも7年ぶりの再会になる。名雪に街の案内をしてもらっていた祐一は、月宮あゆという少女と出会う。そして偶然知り合ったにも関わらず、追われているという彼女と一緒に逃げる羽目になってしまい…。

声優・キャラクター
杉田智和、堀江由衣、國府田マリ子、田村ゆかり、佐藤朱、飯塚雅弓
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「麻枝+いたる絵」三作品連続で観てみた

それは君のせいではなく自分のせいです。

一通りKeyの泣きゲー系列は踏破した感じ?
『CLANNAD』『AIR』ときて、締めはこちら『KANON』となります。

今回はあまり内容に触れません。


で、似てるんですよね。キャラデザ/音楽/シナリオ作る人一緒だし、こうして一通り観た後だと比較しながら総括したくなるところです。

一連の作品群は、

1.キャラデザインを不問にする
 ⇒俗称“いたる絵”。頭身低くして野球帽被せたらパワプロで使えそうな勢いです。
2.電波な女子を不問にする
 ⇒メインもサブもだいたいキツイです(当社比)。
3.リアリティには目を瞑る
 ⇒奇跡という名のご都合主義

こちらは少なくとも私の場合は、視聴する上で最低限のお作法でした。
そこまでして観る必要がないと判断すれば放置するか、どれか一つを手に取ってみて相性をはかってみる、が吉でしょう。
私はこれで3本目になりますので、そもそものところでは気に入ってはいるのです。


それで本作『KANON』です。
女の子につける名前ランキング2018年/30位。放送当時2006年/26位。となかなかの人気です。東映アニメーション版の2002年はデータがありません(明治安田生命版)。音の響きが素敵でリアル周囲での“かのん”ちゃん率けっこう高めです。え!?違う?
アニメの『KANON』は元ネタが“パッヘルベルのカノン”がモチーフということらしく、こちらは誰もが聴いたことある音の響きが素敵な楽曲だったり。
正式名称は「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジークニ長調」の第1曲。カノン自体は、輪唱のように複数の同じメロディーをずらして演奏する技法、またはその様式の曲のことです。身近なところでいえば“カエルの歌”。

{netabare}作中では佐祐理曰く
「同じ旋律を何度も繰り返しながら少しずつ豊かに美しく和音が響きあうようになっていくんです。」
「そんな風に、一見違いのない毎日を送りながら、でも少しずつ変わっていけたらいいですよね。」
だそうです。(第14話){/netabare}

複数のメロディーを構成する人達は以下の通り。けっこう多いんですよね。

相沢祐一(CV杉田智和) 主役
月宮あゆ(CV堀江由衣) うぐぅ たいやき 
水瀬名雪(CV国府田マリ子) 祐一のいとこ 
川澄舞(CV田村ゆかり) 魔物討伐
美坂栞(CV小西寛子) 病弱
沢渡真琴(CV飯塚雅弓) あうーっ 肉まん 
倉田佐祐理(CV川上とも子) 舞の親友。料理上手
水瀬秋子(CV皆口裕子) 名雪母
美坂香里(CV川澄綾子) 名雪親友
北川潤(CV関智一) ムードメイカー
天野美汐(CV坂本真綾) 不愛想

ギャルゲの宿命のようなもので、主人公祐一が女の子たちを単体撃破していくような体裁をとってます。標的はあゆ、舞、栞、真琴がコア。すでに3つのヴァイオリンの数を超えております。コアに準ずるサブとしては名雪が頭一つ出てますが、残りの女の子たちにも相応のエピソードを用意し全方向です。

欲張り過ぎちゃった気がしております。

尺は充分なので掘り下げが足りないことはなく、それこそ繰り返すメロディーが次第に美しい和音となって響いたかを注視してた私にとっては微妙でした。“名実ともにタイトル回収できたん?”についてイマイチだったということです。{netabare}例えば美汐は、真琴のエピソードが終ればお役御免でその後出てきません。{/netabare}
戦線拡げ過ぎちゃってにっちもさっちもいかなくなった大日本帝国のような印象を受けました。例えがアレですがね。


とはいえ泣きゲーの元祖とも言われた名作ゲームが元ネタです。やはり面白い部分は面白いのです。
季節は冬で舞台は北海道。『CLANNAD』が春、『AIR』が夏、と季節感を上手く取り入れたシナリオとそれを視覚に訴える作画で応えてくれた京アニの作画班。『KANON』においても同様です。
繰り返しですが、レビュー冒頭でのお作法をクリアすればヒット率は上がるでしょう。複数あるサブストーリー(個別エピソード)は良いお話がほとんどです。
ラストもハッピーエンドと言えるオチのつけ方をしてきましたし、サブストーリーのネタを集約しようと試みている節も確かにありました。このへんスタッフサイドの纏める苦労がしのばれるところです。


そうです。努力が垣間見えるのでした。
ゲームまで遡ればおよそ20年前の作品です。アニメとしては2002年の東映アニメーション版と先例のある歴史の古い作品です。
エヴァンゲリオンやハルヒなどその後の流れを作った名作同様、泣きゲーアニメ展開の始祖とされたのが本作。0から1を産み出そうとしたものです。その後、1から100を目指す作品が産まれその多くを目にしてきたな、というのが今なのです。
となると、それはクラシックカーを愛でる感覚に近い。スペックやユーザビリティは劣っていても当時の技術の粋を集めたものに憧憬を覚えるような感覚をこの作品からは受けました。後続の手垢のついた手法を考えなしになぞったようなものとは違うなにか。
よって自分はこの独自性を買い、評点に下駄を履かせときます。
戦線拡げたと文句を言うのは簡単ですが、同時にアメリカ、イギリス、ソ連、そして中華王朝に喧嘩を売るなんて芸当は到底できないことです(結局それかっ!?)。

個別展開が集約されてくるであろうリアル“カノン”な物語は他の作品で触れることにいたします。


■ちょい反省
“マンガ日本昔ばなし”のように捉えとけば良かったかも。
ガッツリファンタジーだけども示唆や教訓に富む各ルートの集合体。各々ばらけてても気にならなかったことでしょう。

■オマケ
パーティでの楽曲“ワルツ”はいい感じ。
別の作品で登場した{netabare}(『四月は君の嘘』で公生と凪が連弾した){/netabare}曲。聞き惚れてしまいました。



-----
視聴時期:2019年5月 



2019.05.26 初稿
2019.11.27 追記

投稿 : 2024/12/21
♥ : 55

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

私は「奇跡」を信じたいです!!

■Kanonの魅力って
ご存知の方も多いのですが、Kanon・AIR・CLANNADは同じkey作品としてよく比較されますよね♪
「key作品らしさ」とよく耳にしますが、「らしさ」ってどんな所だろう・・・(*'ω'*)うぐぅ~?
作画!? キャラクター!? 演出!? そうですね!!
視覚・聴覚で「似ている」って感じる部分は少なからずともあると思います!!
では、観ている人に伝わるメッセージ的な点で考えた場合はどうでしょう・・・(^・ω・^)あぅ~?
友情や家族愛といった人と人との繋がり「絆」だと思うのです♪
そういう、「らしさ」にもうひとつのメッセージを練りこむことによって別々の「らしさ」が現れて
三者三様に魅力的な作品となっているのだと思います。たとえば・・・
AIR →「運命」、CLANNAD →「人生」
では、Kanonはといいますと、ずばり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「奇跡」・・・・・っだよ!!
奇跡って想いがあれば誰もが起こせる可能性はあるのですよ♪
信じる気持ちがなければ、それは奇跡ではなくただの偶然なのですね♪
まだ、観ていない人は是非「Kanon」の感動のストーリーを体験していただきたいです。
 
■物語のポイント
物語の前半は、(〟-_・)ン?って思うシーンが沢山でて来るのです♪
最初のうちはちょっと不完全燃焼って感じなのですが、これが後々なるほど!!となるので
記憶力の良い方は沢山覚えておいてください。
特に主人公の祐一を筆頭に7年前から失くしてしまっている、記憶とはどんな記憶なのか注目です♪
 
物語の中盤以降からは、ちょっと悲しいストーリーが多いかもしれません。
そして、主人公の祐一と真琴・舞・栞の3人の女の子とのストーリーが動きだしていきます。
思い出す記憶の欠片と共に涙を流さずにはいられないシーンが出てきまよq(T▽Tq)
しかし、まだ完全にすべての謎が解けぬまま、物語の後半へ・・・
 
いよいよ物語は盛り上がって行きます。
祐一・あゆ・名雪・秋子 それぞれの記憶欠片がすべて揃う時・・・・・・・・・
ぜひ感動して涙してください♪
最終話はちょっと急ぎ足になってしまいましたねw
終わり方はとっても好きな終わり方ですが、もうちょっと余韻を楽しめるように構成して
欲しかったかなってちょっとだけ思っちゃいました♪
 
●総評
「Kanon」に出てくるキャラクターって誰ですか?というよりも、どのストーリーが良かったですか?
と聞いたほうが良いかもしれませんね♪
大きな物語の流れの中に、うまくショートストーリーを組み込んだような感じがしたのです!!w(゚o゚*)w
しかも、真琴中心のストーリーのイメージを次のストーリーにどうしても引きずってしまって、ひょ
っとしたらこの子も・・・って思っちゃうと先のストーリー展開が読みにくくて逆にそれが良かった様な
気もしましたよ♪
Kanonでも案の定たくさん涙を流しちゃいましたwやっぱり名作ですね♪
 
▽お・ま・け
1話でメインキャラクターがすべて登場していたのですが、皆さんは気付きましたでしょうか(゚ロ゚;)エェッ!?
真琴に関してはキ○○ですがw2回目観てみようと思われた方はちょっと注目してみてくださいね♪
 
 

投稿 : 2024/12/21
♥ : 56

U-tantan-U さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

負けたよ、俺では使いこなせなかった。「うぐぅ」はお前だけの物だ。

作品の性質上、CLANNAD等のほかのKEY作品と比較してしまうところが多々ありますが、大目にみてくださいね^^


作品のボリュームはCLANNADのほうが上だし、AIRほどの内容の複雑さは感じない。この程良さがこの作品のいいところなのではないかなと感じました。
浅すぎず、深すぎずなので、見ていて不快感を感じたり退屈に感じたりすることがあまりありませんでした。


CLANNADと同様に....いやそれ以上に絵に"京アニらしさ"が出ているので、そこでの脱落者が結構出てしまうかもしれませんね^^;
私はCLANNADでこの絵に慣れたのでいけましたが、kanonから入ろうとしてダメだった方は、一度CASを見てから見ると多少緩和されているかもしれません^^


原作未プレイです。
京アニのKEY作品に共通して言えることですが、やはり原作への愛情、リスペクトは未プレイでもわかりました。さすが京アニといったところです^^
涙腺崩壊とまではいきませんでしたが、泣き所がしっかりしていて、最後の落ち着いた感じは非常に好印象でした。


総合力では当然にCASのほうが上だったのですが、余韻という部分と、サブヒロインの話の構成力という部分ではkanonのほうが勝っていたかなと思います。
メインの話がもっと強ければ、CLANNADくらいの評価を受けていてもおかしくなかったかも....
まあただ、サブヒロインが全員平等に扱われていたことで、後々の選択に自分は違和感というか、腑に落ちない部分を多少感じはしました。ほんとに多少ですが^^;


雪と奇跡がこの作品のテーマですね。この2つの絡め方は抜群に良かったと思います。冬の温かく切ない奇跡の物語とまとめておきましょう^^


自分的に、杉田さんは大好きな声優なのですが、祐一は少し合わなかったかな--と思ってしまいました。イメージどおりでは無かったです。


全体を通してみると、良作の部類ですね。ただやはり万人受けの作品とは言えないと思うので、ここの評価、点数にはある程度、納得している作品でもあります。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 39

69.3 3 ぬいぐるみで親友なアニメランキング3位
学園アリス(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (295)
1845人が棚に入れました
小さな田舎町で育った蜜柑と蛍は大の親友。なのに蛍は突然、アリス学園に転校することになってしまった。蛍が転校したのは、潰れそうだった田舎の学校に学園からもらったお金を寄付して救い、蜜柑を悲しませないため。さらに、生徒たちの噂では、アリス学園は一度入ったら卒業するまで出られないという。それを知った蜜柑は、転校していった蛍を追いかけ単身東京へ。向かった蜜柑が辿り着いたのは、天賦の才能=アリスを持つ者のみが通える究極の一芸入学の学校、アリス学園であった。

声優・キャラクター
植田佳奈、釘宮理恵、朴璐美、安田美和、緒乃冬華、斎藤千和、石田彰、成瀬誠、鈴村健一、櫻井孝宏、野中藍、神田理江、松元惠、井上麻里奈、三木眞一郎、松本大、宮野真守、山田美穂

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

アリス科学園の劣等生

泣けるとかじゃないですが感動しちゃいました
友達の存在のありがたみを感じれる作品でしたね
友情っていいなぁ


ジャンルは学園/異能/ファンタジー
『アリス』という特別な力を持つ者のみが通うアリス学園が主な舞台
この『アリス』、人それぞれ違う能力なのですが、
種類が豊富で楽しいです
例 『ダジャレで相手を必ず笑わせるアリス』
よくスベるから、ちと欲しいw


アリス学園には何か大人の事情がある様子
ここに入学したら最後、学園外には出られないのです
親との面会も禁止、手紙でのみの連絡
小さな生徒たちには辛いですね。。

このルールは物語の重要な部分を占めており、
設定としてもなかなか面白いなと思いました


見所はなんと言っても、
主人公(劣等生?)である蜜柑とその親友の蛍(優等生)の絶妙な駆け引き
蜜柑は蛍が大好きでいつも蛍~蛍~って感じですが、
蛍は蜜柑を鬱陶しく思っている?のか、見事な毒舌で対応
面白かったです。笑いました

ちなみに蛍は『発明のアリス』持ちで、
彼女の発明品には奇っ怪なものばかり
この発明品にも注目ですね

それと、この作品はただの日常系ではないです
まぁ異能が出てくる時点で日常からはかけ離れてますが。
ストーリー性がしっかりしているので、
話に起伏が生まれ、毎話退屈せずに楽しく観れました


OP「ピカピカの太陽」 歌ー佐倉蜜柑(植田佳奈)
ED「幸せの虹」 歌ー佐倉蜜柑(植田佳奈)/今井蛍(釘宮理恵)

蛍って釘宮さんだったのぉぉ
観てるとき、全く気付きませんでした

それとOPのダンス、何だあれは!
あんなのやられたら草不可避じゃないか


てなわけで、笑いアリ感動アリの素敵な作品です

アリス学園という鳥かごのなかで彼女たちはどう過ごしているのか。
はたまた、彼女たちは楽しく羽ばたいているのか。
彼女たちとの面会は禁止されてますが、
画面を通してその様子を確認するのなら問題ないはず!
友情ものの作品が観たいときにおすすめです

投稿 : 2024/12/21
♥ : 27
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

学園&魔法ものですが、可もなく不可もなく(どちらかというと退屈系?)

◆個人的にキャラの魅力がほぼゼロだった学園&魔法もの有名作

正直いって、コレを見るくらいなら、PEACH-PIT原作の長編アニメ『しゅごキャラ!』の最初の方をもう一周した方がだいぶマシだと思いました。

本アニメに関しては、全31巻に及ぶ長編となった人気原作マンガのうち、最初の5巻までの内容+オリジナル・シナリオで、初等部編を何とか完結させた体裁となっていて、もしかしたら原作マンガの方は中等部編→高等部編へと進むにつれて尻上がりに面白くなっていくのかも?知れませんが、アニメに描かれた分だけでは何とも。

本作は一応、学園&魔法ものジャンルの有名作品なので、ここは勉強と思って一度は我慢して見ておくべきか?

個人的には人には余りお薦めしません。


◆制作情報
{netabare}
原作マンガ      樋口橘(『花とゆめ』2002年19号-2013年14号連載)
監督         大森貴弘
シリーズ構成     横山雅志
脚本         横山雅志、島田満、花田十輝、大森貴弘
キャラクターデザイン 樋口橘(原案)、伊藤良明
音楽         吉森信
アニメーション制作  グループ・タック{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================== 学園アリス (2004年10月-2005年5月) =================
{netabare}
第1話 学校がなくなっちゃう☆ ☆ 親友・今井蛍の突然の転校、佐倉蜜柑単身東京へ、アリス学園校門前の出遭い(鳴海先生&日向棗)
第2話 ようこそ☆アリス学園へ ☆ 脱走常習犯・棗&親友・乃木ルカ、蛍との再会、初等部B組一時参入
第3話 アリスなんかに負けてたまるか☆ ☆ 続き、蜜柑の転入試験 ※男子の描写がダメ過ぎる×
第4話 これがウチのアリス☆ ☆ 続き(北の森の災難、委員長・飛田裕の幻覚アリス、ルカの動物フェロモン、棗の怒り、アリス無効化能力、蜜柑合格) ※同上×
第5話 星階級はシビアやなぁ☆ ☆ 学園の厳しい規則、蜜柑の星なし評価
第6話 うちはみそっかす系☆? ☆ アリス解説、中等部生との絡み(翼先輩との出遭い)、蜜柑歓迎パーティ
第7話 負けへん☆アリスドッジ ☆ ドッジボール対決、棗の不機嫌
第8話 じーちゃんに会いたい☆ じーちゃんに届かない手紙、学園脱出失敗、鳴海先生との約束
第9話 大好き☆蛍様 ☆ 蛍の発明ロボ・甘夏、ロボット対決 ※脚本安直×
第10話 うきうき☆セントラルタウン ☆ 初めての外出、マッチ売りの少女寸劇、蜜柑の旧友たちへの感謝の気持ち
第11話 ただいまアリス☆特訓中 ☆ 野田先生の時間遡行アリス、謎の母子
第12話 学園祭がやってくる☆ ☆ 学園祭参加への悩み、前夜祭当日、棗倒れる
第13話 トップ☆スターを追いかけろ ☆ 学園OB毛利レオの棗誘拐 ※挿入歌「LAZY LOVE GUILTY LOVE」
第14話 棗を取り戻せ☆ 正田スミレ&蜜柑の協力、闇の特殊部隊、棗の過去と現状(黒猫)
第15話 学園へ帰ろう☆ ☆ 囚われた3人、脱出作戦の顛末、蜜柑のシングル昇格 ※シナリオ粗雑×
第16話 迷路で勝負☆魔法のランプ ☆ アリス祭開幕
第17話 蛍のひみつ☆ ☆ 続き、蛍の発明アリスとトラブル発生、蛍の兄との対面(高等部幹部生・今井昴)、蛍の本心吐露
第18話 暗闇で☆ふたりきり ☆ ※蜜柑&棗閉じ込められ回
第19話 開演☆眠れる森の白雪姫 ☆ ※アリス祭のクラス寸劇回
第20話 ラストダンスは誰と☆ ☆ 学園祭最終日、蛍の新人賞&クラスの特別賞受賞、じーちゃんからの手紙、蜜柑のダンス相手(棗・ルカではなく蛍)
第21話 目指せ☆優等生賞 ☆ 期末テスト、ペルソナ来校
第22話 ベアと王子様☆ ☆ 人形作りアリス持ち(中等部生・園生要)との出遭い、命を削るアリス{/netabare}

 - - - ここまで原作マンガ1~5巻分、ラスト4話はアニメ・オリジナル回 - - -
{netabare}
第23話 サーカス☆がやって来た ☆ レオ再来校と目的
第24話 鳴海先生の嘘つき☆ ☆ 蜜柑のもたらした騒動(教室封鎖、授業ボイコット)、動物たちの暴走
第25話 学園を取り戻せ☆ 操られたルカ、ルカの暴走阻止(棗)、鳴海とレオの因縁、レオの暴走阻止 ※シナリオ粗雑× ※挿入歌「Venus」
第26話 友情は☆エンドレス ☆ 春の進級試験、蛍との別れ?{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)26、×(疑問回)0 ※個人評価 × 3.4

OP 「ピカピカの太陽」
ED 「幸せの虹」

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

ひR さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これは見なきゃ損です。

中学生の頃から大好きです。
アリスという超能力を持った子供達はアリス学園に入学をする。親友の蛍を追ってアリス学園まで来たヒロイン蜜柑だが、アリス学園の仮入学を認められて・・?
ってな話です。恋愛あり、ギャグあり、感動ありです。
当初はNHKの教育テレビで放送されてました。とにかく良い話なんです!
このアニメもここからってとこで終わっています。アニメでは漫画は5巻の内容で終わっているので5巻から読めば続きの内容が分かります。漫画の方が蜜柑と蜜柑の運命の相手との絡みが楽しめるので漫画もおすすめ!
でもアニメはアニメでしか放送されていないオリジナルストーリーもあるのでアニメも見た方が良いです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

74.2 4 ぬいぐるみで親友なアニメランキング4位
先輩がうざい後輩の話(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (363)
1135人が棚に入れました
糸巻商社入社2年目、早く一人前になりたい五十嵐双葉。ちょっとガサツだけど面倒見のいい先輩・武田晴海。双葉は武田先輩をうざいと思いながらも、本当はまんざらでもない様子だったり、でもやっぱり本当にうざいときもあったり…
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

からかい上手の武田さん

原作未読


職場恋愛。大人っすよ大人(笑)
まるで某高木さん♀のそれのように、武田晴海(CV武内駿輔)先輩♂が、後輩の五十嵐双葉(CV楠木ともり)をからかう感じだといえなくもない。恋心を隠してるかどうかは知りません。
武田はガタイがよく一見ガサツなわりには細かいところに気がつきけっこうな頻度でクリティカルを放つTHE体育会系。対照的に双葉は見た目幼いちびっ子なんだけどそこ指摘されるのは気に食わないタイプ。基本頑張り屋です。鈍感ガサツな武田にからかわれる度にイラっとくるみたいなやりとりを指して“先輩がうざい”となってます。実際のところ、武田の後輩指導は双葉の羞恥心喚起どまりで面倒見の良さが視聴者にもわかるコミュニケーションとなってます。悪意がなくそれでいて一線を越えず、言い過ぎたり本当にへこんでるのを察知すればきちんと双葉のストライクゾーンに響くボールを投げ込むため不快さとは無縁ですね。

そんな凸凹コンビが紡ぐほのぼのラブコメ全12話でした。定番(王道)と変化球の塩梅もほどよかったかもしれません。思いつくところで以下

■定番(王道)
ラブコメはキャラが大事で見た目も性格も対照的な二人の絡みは相性がよいです。
要領が悪かったりなにかしらコンプレックスを抱えながら一生懸命頑張るヒロインと、そんなヒロインに迎合しないけどぞんざいな扱いをするわけでもなく適宜ヒロインが欲しい言葉を投げてくれる男の構図は少女漫画での定番カップルの構図ですね。放送中に目についた版元の“一迅社”は沿革みたところ少女向け媒体に強みありそうな出版社なので関係してるのかもしれません。

「この人あたしのことどう思ってるのかな?」

ここに至るまで適当なジャブをかましながら一定のラインを越すアクションを仕掛ける。その反応を見ながら何度かライン越えすると相手の警戒も解けるのです。その過程をきちんと辿ったストーリーだと思います。


■変化球
ありがちな“実は有能で優しい陰キャ”♂主人公の対極にあるキャラに新鮮味があります。一方♀は“かわいい”を全面に出した安全牌キャラでした。
ナントカの王子様的なビジュアルに頼ったわかりやすいイケメンではないけど女子のニーズをきちんと捉えているタイプですね。

完走して思ったのが{netabare}“三角関係の放棄”。双葉祖父が代替と勘違いしかけましたが基本ガヤです。{/netabare}
話の凹凸をつけづらいけどふっ散らかる心配もなく評価が別れそうなポイントでした。


ヒロインの楠木ともりさんは『ガンゲイルオンライン』レン役で認知した声優さんで今回もちびっ子役です。収まりがいい感じ。周囲を固める声優さんも適材適所だったと思います。
いわば手堅い作品。大きい波とは無縁ですが安心安全な佳作の印象です。



※ネタバレ所感

■だが断る
一言モノ申したいところはありますよ。評価爆上げとまではいきませんでした。

1.{netabare}社会人?{/netabare}
 {netabare}らしさをあまり感じません。双葉の見た目は当然として主要キャラの世代が狭い範囲で固定されたのが要因ですかね。おじいちゃんはイロモノ扱いだし、職場で唯一の大人枠部長は空気でした。高校生/大学生設定でもそのまま使えそうなパッケージだったと思います。{/netabare}
 {netabare}世代の固定ともう一つ。あけっぴろげなんですよね。“秘するが花”社内恋愛の醍醐味でしょうに。皆の見てる前でイチャコラはご法度です(笑) 和気あいあいとしすぎる職場環境は気になりませんでした。
フォローもしとくと、商事会社っぽいですが安パイなお得意取引先で食ってる小規模企業でしたら自ずと家族的な雰囲気を醸成したほうがうまく回ったりします。それに社内イチャコラといってもよくよく見れば好き好き光線の発信元は双葉のほうで武田にはありません。湿っぽくならない良きバランスではありました。{/netabare}

2.{netabare}見た目のハンデ{/netabare}
 {netabare}双葉が新卒三年目設定だと25歳になるわけですがどうみても十代半ばです。見た目もそうだし言動も幼い。清少納言ですら『瓜にかぎたるちごの顔』をうつくしきものとして、ちっちやいのを愛でる精神は日本人の血肉レベルに落とし込まれてることからそこをどうこう言う気はありません。むしろ日本文化を体現した世のロリコンどもは胸を張ってよい!
物語途中から登場の同僚桜井さんの弟君も高校生設定なのに見た感じはショタでした。このギャップを設けるメリットは好きだ惚れたの恋愛ドラマ未満にしてコメディ路線をキープできること。本気にしたらニッチな性癖を刺激することになります。一方デメリットはそのまんまラブ放棄。毒にも薬にもなりにくい仕上がりとなりますね。{/netabare}


■訂正しお詫びとさせていただきます

{netabare}冒頭。武田先輩をからかい上手としましたが、終わってみれば風間くんに対する桜井さんの振る舞いの足元にも及びませんでした。
桜井桃子(CV早見沙織) VS 風間蒼太(CV土田玲央) 両名にむしろラブコメの波動を感じたことで本作を良しとしたいと思います。{/netabare}

あいも変わらず{netabare}パピコは偉大なり! 最近セブンイレブンでお見かけしないのが寂しい限りです。{/netabare}



視聴時期:2021年10月~12月 リアタイ

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2022.02.06 初稿

投稿 : 2024/12/21
♥ : 41

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

社会人になろうとする人が見るべきアニメ…とても癒されます

可愛い絵のタッチとは裏腹に、社会人としての仕事の大切さを題材とした物語です。
これから社会人になろうとしている人は、ぜひ見るべきアニメのようです。
そして、いま社会人である人たちも見たほうが良いと思います。


どんなに一生懸命仕事をしても、失敗するときがあります。
どんなに気持ちよく仕事をしようと思っても、嫌な思いをするときがあります。
そんなときに、この物語に登場する先輩のような人がいてくれたら、凄く心が救われるでしょう。


主人公の五十嵐 双葉(いがらし ふたば)は入社二年目の女性。
背の低い彼女は頑張り屋さんの明るい性格です。
武田 晴海(たけだ はるみ)は、双葉の先輩ですが、いつも双葉のサポートをしてくれます。
双葉が困っていたら何気なく助けてくれるし、双葉が失敗したときは決して怒らず、全て自分の責任だと上司やお客様へ報告します。

双葉にとって鈴木先輩は頼りがいがある良い人です。
だけど、少しウザイ人。双葉の仕事が良くできたときには必ず双葉の頭をなでる癖があるため、双葉は気に入りません。
自分のことを子ども扱いしているような気がするためです。一人の女性として見てもらっていない気がするのです。

どうやら、この物語はタイトルと物語の内容が違うような気がします。
正しいタイトルは、「先輩に女性として見てもらいたい後輩の話」のようです。

オープニングは、双葉たちが歌う「アノーイング!さんさんウィーク!」 とても楽しい歌です。但し出だし部分で歌と描写がずれているのが気になりました。でも双葉が凄く可愛い表情をしているので聞いていて楽しいです。
エンディングは堀江由衣さんの「虹が架かるまでの話」
堀江さんの優しい歌声に心がすごく癒されます。
この歌を聴いていると、なぜか、とらドラ!の「バニラソルト」を思い出しました。バニラソルトを聴いたことが無い方は、ぜひ聴いてみてください。

第七話は結構感動しました。
上手だから続けるのではなく、好きだから続けることができる。
双葉は夏美に、夏美は双葉に、それぞれ助けられましたね。

私は、文章で自分の気持ちを表すことが好きです。
好きだから続けることができます。
難しい字句は使えないけど、詩文のような美しい文章も書けないけど
何度も何度も書き直して、自分が納得できる文章ができたら、とても嬉しいです。

最終話で武田先輩が「双葉に大切な人ができるまで、ずっと隣にいて守ってあげる」と宣言しました。
おそらく双葉は、武田先輩以外の人を隣にすることはないでしょうね。

アニメは終了しましたが、この二人の今後が見たいです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 45

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

そびえたつ大きな背中

【紹介】
パッと見、大きくて優しいおじちゃんが職場体験に来た幼女をお世話しているようにしか見えないけど違います。

入社2年目の低身長OLの双葉と、高身長で面倒見がいいけどガサツなところがある先輩の身長差ラブコメ
二人の体格差が俺物語を思い起こさせますが、二人の性格は全然違う感じ。

【身長】
最初先輩でかすぎ!って思って見てたけど違った。
確かにかなり大きいけど、それより双葉ちゃんの小ささのほうが際立ってますね。
二人と他のキャラの身長差から考えて、先輩が195cmくらい、双葉ちゃんが110cmくらいかな?
双葉ちゃん幼稚園児くらいの身長しかなさそう。

【キャラクター】
タイトルにうざいって入っている作品はだいたいキャラが強烈だけど、この作品は特にうざくはないかも。
普通に優しくて面倒見のいい先輩で羨ましいですね。こういう先輩欲しい。
でも頭なでるのはセクハラって言われて問題になりそう。
見た目小学生でも大人の女性ですからねーさすがにまずいね。

でも、頭なでたくなるのわかるー

双葉ちゃんは小さくていちいち仕草が可愛い。
こういう妹もいいな。

先輩もいいキャラだし、風間君も好きなキャラ。

【音楽】
ED「虹が架かるまでの話」堀江由衣さん
歌詞が好きですね、落ち着いた感じの曲でいい曲だと思います。

【シナリオ】
体格差をネタにすることが多い普通のラブコメ。
二人の関係性がとても和みますね。パパと娘にしか見えんけど。
終盤が特に良かったです。いい感じでまとめましたね。

主人公が小さすぎて幼稚園児に見えるからか、会社の同僚がみんな社会人として見てなくて、まるで職場体験の子どもとかマスコットに接しているような感じなのはさすがにどうかなー?
ここから成長して大人の女性になっていくところも見たいような、このままでいてほしいような。

【総評】
二人の関係性がとても微笑ましい癒し系ラブコメ。
身長差がありすぎて、恋人とか先輩後輩って言うよりも、父娘に見える。
こんな会社あり得ないって思うけど、双葉ちゃん可愛くて、心穏やかに視聴できてとても良かったです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 37

59.1 5 ぬいぐるみで親友なアニメランキング5位
骸なる星 珠たる子 なるたる(TVアニメ動画)

2003年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (208)
870人が棚に入れました
『なるたる』は、鬼頭莫宏による漫画、及びそれを原作としたテレビアニメ。タイトルは「骸なる星、珠たる子(むくろなるほし、たまたるこ)」の意味。
【ストーリー】小学6年生の玉依シイナは小学校最後の夏休みに祖父母の住む島に行き、海でおぼれかけて、星の形をした変わった生き物『ホシ丸』に助けられ出会う。
ホシ丸は少年少女の意識とリンクし、変幻自在の能力を発揮する「竜の子」の一体であった。他の「竜の子」の持ち主(リンク者)との出会いのエピソードを挟みながら、シイナは「竜の子」を用いて世界をリセットしようとするリンク者たちの一派との戦いに巻き込まれて行く。

QMA@MADLAX さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

鬱展開を見せたかっただけのアニメ

大体原作通りに作ってるんですが、ラストは中途半端、唐突、テキトーに終わりました。
ストーリーの根幹である世界のリセット云々は完全に丸投げ。

最後に鬱展開を見せられただけでアニメだけでは結局何を伝えたかったのか分かりません。

原作者作品のキモであるメカ類も動きが少なく作画も雑。

ただキャラデザだけは原作を踏襲した感じになってます。


ちなみに原作読むと分かるんですが、
OPにあるホシ丸がケーキを食べるシーンは設定上絶対にありえません。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

bujiharu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

OP詐欺な最高の鬱アニメ!!

 かの伝説的鬱作品「ぼくらの」で有名な鬼頭莫宏が原作のアニメです。
 ポップで子供向け番組を匂わせるOPで始まるこの作品は、鬱作者が描くだけあって展開はダーク。子供に見せたらトラウマもの間違いなしの作品でしょう。
 この作品のあらすじを書いておくと、主人公である「シイナ」は海で溺れた際、「竜の子」と呼ばれる生物と遭遇。シイナはその生物を「ホシマル」と名付け、後に出会う同じ竜の子を所持する人間との奮闘する、といった感じです。
 私が個人的に最も衝撃を受けたのは11〜13話です。ここを見るまでは絶対に視聴をやめないで欲しいです。最悪この部分を見るだけでも充分この作品の魅力ならぬ気持ち悪さが分かると思います。
 ネタバレになるのでキーワードだけを記しておきます。

試験管 ミミズ水 目には目を歯には歯を

 またあらかじめ鬱加減を知っておきたい場合は以下の動画をおすすめしておきます。
https://m.youtube.com/watch?v=76V4n1GNeXw
 
 

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

お寿司ちゃん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

作画があまりにもひどい、後半の失速も最悪

クオリティが低すぎて見る必要のないアニメ。

まずは、作画があまりにも酷くて見てられない。
あまりにも歪み過ぎているのと、
人物のかき分けが出来ていないのも相まって、
登場人物が誰が誰か分からなくなる。
(原作漫画で絵が下手なので、仕方ないのかもしれないが)
近年見た作品の中でも、稀に見る酷さ。

また、前半のストーリー自体はいい感じで進むものの、
後半の失速はハンパない。
王道SFファンタジーなり欝展開なり、
どの視点で展開しても楽しめたはずなのに、
ことごとく全てを外して、中途半端。
ここまで自分から支離滅裂にしている作品は、
なかなか見当たらないという意味では貴重。

欝展開にしようとしている割に、
テーマの的を絞らずに、登場人物の心理描写で誤魔化して、
惰性でストーリーを走らすため、
主題が明確でなくなるのがこの原作者の悪いクセ。
無理矢理、主題を抽象的にして、
青少年の過去パターンに戻るベタパターンなので、
結局、とっ散らかった印象しか受けない。
(「ぼくらの」にしても、このあたりがきちんと
整理されていれば、もっともっと名作になりえたと思う。)

う~ん、濃い欝展開やりたかったんだろうけど、
トータル的にもつまらないし、全然ダメなアニメ。

OP曲とDVDジャケは詐欺です。
こんなにいい感じの内容ではない。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8
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