ご都合主義でカタルシスなおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのご都合主義でカタルシスな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年04月23日の時点で一番のご都合主義でカタルシスなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

55.3 1 ご都合主義でカタルシスなアニメランキング1位
没落予定の貴族だけど、暇だったから魔法を極めてみた(TVアニメ動画)

2025年冬アニメ
★★★☆☆ 2.4 (85)
220人が棚に入れました
晩酌を楽しんでいた男は、気づけば貴族の五男・リアムの肉体に乗り移っていた。 憧れの魔法を練習する気楽な日々をおくっていたが、属性魔法の習得はもとより精霊を召喚したり、強力な使い魔を得たり、どんなに難しい魔法もマスターしていく! 没落予定だった実家からの独立を目指して冒険者になった彼は、いつのまにか世界屈指の魔術師に成り上がっていくのだった! 最強貴族による自由気ままな魔法ファンタジー開幕!

大重 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.1

稀に見る酷さ。ご都合主義が極まり過ぎて気持ち悪い

1話感想 3.1 ザ・なろうって感じ
作者の三木なずなという人はなろうで何本もヒット作を出している売れっ子ですね。

何本もアニメ化しているのかと思いましたが、これで2本目ですね。まだ2本アニメ化が決まっているそうで。
大したものです。

で、そんなヒット作家様の作品ですが…。

まあ、なろうらしいなぁって感じですね。
ご都合主義な師匠の存在とか。

ただまあ、こうした都合の良さとかが心地よさにも繋がるのでしょうか。
すごくお手軽にインスタントに楽しめる感があって、そして決してクオリティが低過ぎはしないんですよね。

都合が良い、くらいは文句は言えますがそんなのは世の主人公は大なり小なり都合が良いものです。
理不尽に世界すべてが主人公のために出来上がっているというほどのクオリティの低さは無く、没落貴族という設定や主人公に降りかかる困難などにも、基本的にはちゃんと筋は通っている。

というわけで極めてなろうらしいなろう作品ですね。

うーん、それが面白いかと言われると私には響かないのですが、流行りを抑えておきたいとは思えました。

見れたら見ます。ノンストレスで軽く見れますし、そういう価値もありますね。

2話 2.7
うわ…。アスナも大概ですが、友人の紹介だからって初対面の男の奴隷に平然となる女がいますか?
いやいくらなんでもこれは酷い。もうちょっとマシなエピソード作れないんですかね?
人間を描こうとしていないですよね。

3話 2.2
今度はドラゴンが向こうから奴隷に…。
どんだけ都合の良いことが苦労もなく向こうから降ってくるんだか。
このドラゴンは子どもを殺されているんですけれど?
おかしいだろ…。

ここまで酷いなろうは久しぶりで、ちょっとツッコミを入れるのが楽しくなってきたのでもうちょっと見てみます。

4話 1.6
見れば見るほどひどくなっていく。
ピクシー達がエルフになって感謝する?
種族の誇りとか無いわけ?
名付けもすごい適当で、覚えてすらいないし。
名前って普通重要じゃないの?
こんないい加減で良いのか。

だというのに、主人公のやることなすこと全部が全肯定されるのが本当に気色悪いです。
一目瞭然で良いことをやっているならともかく、一見頭おかしいですからね。
精霊も妖精も全部ただの奴隷扱いだし、勝手にコピーを作るわ、ろくなことしてねぇ…
なのにみんな口を揃えて全肯定。
ここまで気持ち悪い話もそうは無い。

酷さが極まりすぎて逆に見たくなってきました。見ます。

6話 1.3
もうこの話の酷さがどこまで酷くなる楽しみに見ていますので粗探しで申し訳ないですが…。
粗探しって、既に粗しか存在しないのに何を探すのかって話ですが、新たな粗がさらに出てくるかってことですね。今更こんなの驚かない、という粗はもうスルーです。オークのデザインも酷いとか。

今回は物に名付けしたことでさらに酷いと思いました。

物品に同じ名前はつけられないことを知らなかったと。
そういうルールは別に良いんですが、じゃあやっぱり名付けってのは世界に一つのユニークな名をつける、ある程度神聖なものなんじゃないですかね?
でもそんなホイホイ作った物に名前をつけて良いんですかね?

他人に対して勝手に名付けするところがキモいと思っていたのですが、やっぱりモノ扱いしているってことですし…。
モノを大事にしているとも思えませんし。

新たな酷さがまだまだ出てくるなんて、本当に目が話せない作品ですね。
これからもキモ! と思わせてくれるか楽しみです。


どうでもいいですがこの話がなんでこんなキモいかと考えたのですが、説明不足も大きいですね。
私達人間は宇宙人から「お前を進化させてやろう」っていきなりタコ星人にされたら、喜ぶことは無いんですよ。タコの触手が超便利で人間の身体よりずっと良い、とわかれば、色々考えて望む人も居るかもしれませんが、常識的に考えればありえない。そんなことをされて喜ぶなら、そういう説明が欲しいわけです。
進化することは全種族の夢だとか。パクリ元の転スラは最低限説明がありましたよ。
奇異にしか見えない行動をいきなりやって、後付で称賛されるところが本当にキモいです。

全話感想 1.1
いやー酷かった。
まあ根性で見続けたのは、ここでいかに酷かったか、最後に感想を書くためでしたね。
とはいえ途中で大体語ってしまいましたが…。

なぜこのアニメが他の数あるなろうアニメの中で随一といえるほど酷いか。
これだけ数があるなかで最低を超えるのはなかなかです。
他に競い合えるのは異世界スマホなんですが、あれも本当に酷いのですがこちらの方が不快感は上です。

こちらの主人公は他人を奴隷にしたりモノ扱いしたり平然としているクズだからですね。
そしてそのクズっぷりが咎められることなく雑に全肯定されている様子が心底不快だから、というところです。

確かに異世界なんだから奴隷が普通だと思う価値観でも良いはず。
しかしこんな低品質な作品で異世界の価値観を描くもなにも無いでしょう。
地球人の感覚で普通に変だと思うことは変なんですよ。

その変さ、奇異さに作中で誰も指摘しない。じゃあ視聴者が否定するしか無いですよね。

他人を奴隷化して喜ぶようなクズ主人公でも、ちゃんと自分のクズさに自覚的であったり作中で問題視されていれば良いんですよ。
あるいは奴隷が肯定的に描かれる世界であることをちゃんと説明しているとか。
そのすべてが存在しないので単に気持ち悪いという感想にしかなりません。

一度嫌いになると、ふざけた呪文が出てくる度にムカついてしまいますし、主人公を全肯定するボットのようなキャラ達も全員不快で、まあ最後まで本当に不快でした。


この酷さに1話で見抜けなかったか。
まあ1話は良いんですよ。前提だから。
例えば勇者の子孫が魔王を倒しに行く話があったとして、勇者の子孫なんておかしい、というツッコミはする方が頭がおかしいわけです。そういう人が主人公に選ばれただけなので。

ご都合主義に賢者だかの弟子になれた、まあこの師匠も二度とでてこなくて、何だったんだって感じですが、1話限定ならそういう幸運に恵まれて魔法が使えるようになった主人公の話、ということで容認するべきです。
一話で都合の良いことが起こるのは全作品共通ですからね。
のびたの元にドラえもんが来るのがおかしいと文句を言うことは有りえません。

その後真っ当な話が続いていれば、ここまで不快になることは無かったでしょう。というわけで1話で見抜けなかったのは仕方ないかと思います。

これだけたくさんの作品があって、まだ最低ランクを塗り替える作品も出てくるのとは。
1話から問答無用のゴミなら流石に1話切りしちゃうので、なかなか出会えないんですよね。
まあ無駄な時間を使いましたが、ある意味価値はありました。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 5

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

今期なろう系最糞候補作品!真面目に制作する気が無いのかな?

 最終話(12話)まで観ました。2025.03.27

 酷いよリアムさん!周辺国に対し、質の高い銀貨を無限に流通させて、インフレ攻撃を仕掛けたり、舗装道路を作って軍事的圧力をかけたりと、リアムの圧倒的チート力でやりたい放題です。無意識に全方位に喧嘩を売ります。

 隣国が興廃をかけた全面戦争を仕掛けてくるかと思いきや、俺なんかやっちゃいましたか的贈り物で籠絡されます。

 都合良すぎるやろ〜!他国の連中も頭がお花畑の様です。しかも、国家運営は部下達がやってくれるそうです。大丈夫かいな?

 作者が政治描写に飽きたな…。転スラの真似すら出来ません。何なのこの糞アニメは?

 全員奴隷なのも含めて、主人公のリアムが倫理的に破綻した異常者なだけのキモいアニメでした。こんなに都合良くなんでも出来たらおかしいとか思わないのかな?

 仕事とは言え、こんなアニメを作らされるクリエイターの皆さんが可哀想でなりませんでした。
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 11話まで観ました。2025.03.19

 全員奴隷!だから安心安全のキモい世界…てか!?リアムさん、ついに魔法都市を作ってしまいました。いや〜良いですよ!どこまで気持ち悪い妄想世界を展開出来るかの思考実験アニメと化してますね!

 魔法都市内はミスリル銀を混ぜたアスファルト的なもので道路を舗装したので、誰でも魔法が使えるそうです!なんで?

 後、ちゃんと栗石を入れたりして地盤を補強しないと、アスファルトと砂利で舗装しただけじゃあ、直ぐに剥がれるか陥没するでしょ…。おっと、ツッコミは野暮ですね。きっと、想像も出来ない様な凄い素材なのでしょう。

 基本的になろう世界の魔法は、他人を殺傷することに特化しているので、誰でも攻撃魔法が使える様にするなんて、一般住人に銃や刀等の凶器を配っている様なものですが、魔法都市の住人はみんなリアムさんと従魔契約した、脳内思考をしていない肉奴隷どもなので、悪いことはしないのです。

 最近は、なろうでも珍しい主人公に都合の良すぎる世界で、観ていて痛々しいです。現代が舞台だったら、地獄のディストピア小説、1984年並の狂った管理社会です。

 モブ共は老若男女みんな主人公凄い凄いしか言いません。見ようによっては、リアムに反発してくるカマセ兄貴が一番まともな登場人物なのかもしれません。

 後一話で終了ですが、どんな気持ちの悪いオチになるか、とても楽しみです。

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 9話まで観ました。2025.03.04

 リアムさん、陛下と呼ばれるくらい出世した様です。そして、銀貨を生産する様ですよ!品質も良く、競合銀貨の3倍の価値があるとのことです。

 馬鹿なろう爆発やで!金融業が発展するまで、中々信用取引とか出来ず、経済発展のためには金銀銅の生産増による貨幣の流通量の増大に依存していたのに、ほぼ無から銀貨を生産しないでよ…。

 金融経済学とかを少しでもかじっていれば、リアムのやっていることは小学生の妄想レベルなのが良く分かると思います。

 かの古代ローマ帝国でも、戦争時等の財政出動のためには、金貨や銀貨の悪改鋳による貨幣量の増大に依存しており、帝政末期には金貨の金含有量が0(それは金貨とちゃうなぁ)になって滅亡したし、日本も皇朝十二銭の改悪によって対新羅、唐戦の戦費を調達しようとして貨幣制度が破綻し、江戸時代まで独自通貨を発行不能になるなど、貨幣を巡って苦労してきた歴史が人類史なのに、全くアホですね。

 本家の転スラが、魔法による貨幣生産とかに手を出さないのは、結構わきまえているからなのかなぁと感じるほど、後続のなろうは酷いとは…。

 劣化コピーの量産で価値が落ちていくのは、まさに貨幣の悪改鋳により、悪性インフレに陥っている糞なろうアニメ市場を観ている様です。

 貨幣は戦略物資でもあるため、このままリアムが貨幣を増産すると、他国はリアム王国の貨幣に席巻されて経済崩壊するので、リアム王国を爆心地とした世界大戦が勃発します。

 全世界に向けて喧嘩を何となく売ってしまったり、糞なろう主人公はどうしようも無いですね。

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 6話まで観ました。2025.02.13

 他の方のレビューにもありますが、全く劣化版転スラですね。魔物に名前を与えて国民にしていきます。アイテムにも名前をつけて進化させられる様です。そして、回りの連中がゴイスーゴイスーと…。

 あまりの気持ち悪さに吐きそうです。ストレートな妄想には付き合いきれない感じです。もう少し、オブラートに包んだ方がよろしいかと思います。

 そしてまた、技術に対してのリスペクトが全くありません。鉄を鋳型に流し込んで強力な魔法のアイテムを大量に生産しますが、鋳物を作るのがどんだけ大変なのか分かってるのかな?

 なろう世界は鉱物に不純物とか全く含んで無いのがデフォなのかいな…。頭の悪さが炸裂します。苦労して先人達が工業化したのに、この程度の物語に収斂しているなんて、度し難いですね。

 また、キャラクターを増やさないと話を作れない系なので、いつの間にかケモミミがメインヒロインになっています。澱の様にヒロインが溜まっていくんでしょうね。糞なろうあるあるです。

 こんなアニメを作らなくてはならない制作会社の方も、声優さんも大変ですね。日本の恥部をさらけ出してどーすんねん!

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 3話まで観ました。2025.01.25

 いやはや…。皆様のレビューにある通り、作画も低カロリーで、無双バトルにも迫力が無く、主人公が凄い魔法を放っているはずなのですが、どう考えても絵面がショボいです。

 それでも主人公の奴隷ハーレム喜び組要員達を中心に周囲の人物達はゴイスーゴイスーと連呼いたします。全員洗脳でもされてるんかいな…。

 とにかく主人公に都合の良いことしか起こらず、全てが過去のなろう作品で観たことがある事ばかりです。こんなオリジナルティの欠片も無い呪物みたいのを制作、放映して恥ずかしいとか思わないのでしょうか?

 今期のなろう系作品の中でも随一の志の低さが光ります。他のなろう作品も、糞だと言われながらも独自性を出そうという努力は感じられますが、本作品にはそれすら皆無です。

 主人公アゲアゲ接待で、最近引退した、人類最恐強姦魔が設立した芸能事務所に所属していた9000万円不同意性交ヅラみたいな、勘違い性獣モンスターでも育成したいのでしょうか?実に気色の悪いアニメとしか言えません。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 9

ヨッシャア! さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.1

数ある低品質なろう系の中でも、酷さがひときわ光る作品

【物語】 1.0 / 5.0
 魔法が存在する世界に何の脈絡もなく転生し、そこから雑にトントン拍子で無双するだけの、他の作品で何度もこすられたような内容の雑ななろう系作品。
 中身があまりにも虚無でつまらなく、この作品についてあれこれ考えたりすることは脳のリソースの無駄だと断言できる。
 転生要素はあるものの、その設定が活かされることはほとんどなく、極めて雑で、幼稚で、「何番煎じだよこれ…」と頭痛さえ覚えるような見るに堪えないくだらない展開が続く。
 まだ小学生のほうが面白い話を書けるのではないか、と思えるほどに内容があまりにも低レベル。
 自分のように「毒を喰らわば皿まで」のポリシーのもと、様々なアニメを見るような趣味でもなければ、このような物語に触れる必要は一切ない。
 もしもあにこれに「0点」をつける機能があれば、即決で0点をつけていただろうと思えるほどだ。
 低品質な作品が多いなろう系作品の中でも群を抜いて【物語】に魅力はない。

【作画】 1.5 / 5.0
 アニメ史に残るような作画崩壊をいくつも見てきた自分としては、最低点をつけるほどの作画ではない、というのが正直な評価だ。
 とはいえ、作画のレベルは極めて低く、ほぼ全てのシーンにおいて構図作りがド下手くそで、アクションも稚拙。
 頭や心で楽しむ【物語】がひどい出来なら、目で楽しむ【作画】も似たようなものである。

【声優】 1.0 / 5.0
 声優に罪はないとわかった上で書かせてもらうが、彼らの演技に【物語】も【作画】も追いついていないため、彼らの演技もどこか場違いのように感じられる。
 また、主演の村瀬歩氏の演技が、なろう系主人公にありがちな「そうなのぉ~?」「たはは^^;」といったセリフ回しと悪い意味でマッチングしており、俗っぽく言うなら「クソガキ感」が途轍もない。
 村瀬歩氏に一切の非はないことは大前提だが、見ていてストレスや不快感を感じる人はそれなりにいるだろう。
 
【音楽】 1.0 / 5.0
 印象に残らない。

【キャラ】 1.0 / 5.0
 作者が書く幼稚で、虚無で、荒唐無稽で、見るに堪えない【物語】に引っ張られて、キャラクターの中身ももちろん崩壊している。
 行動ロジックに共感できる部分はほとんど無く、「異世界における価値観の齟齬」のような描写もないため、キャラクターが何を考えているのか、何をしたいのかが理解しづらく、不気味とすら言える。
 なろう系にありがちな「ヴィランのほうが人間味があって共感できる」という現象がしっかり起きている点も記しておきたい。
 また、作者の台詞回しもド下手くそで、口調が安定しなかったり、自分の考えた設定をぺちゃくちゃとキャラクターに喋らせるだけのナレーター化もひどい。
 これらの点から、キャラクターにも一切の魅力は感じられない。
【物語】を作るのがド下手くそなら【キャラ】を作るのもド下手くそなのは当然だということを我々に教えてくれる作品と言えるだろう。もちろん、これは皮肉だが。



【総括】 5.5 / 25.0 (平均 1.1)
「こんな内容の作品がアニメ化されるほどには売れる」という吐き気を催すようななろうドリームが存在している。そのような恐ろしい現実を我々に改めて教えてくれるおぞましいアニメである。
 見る価値は一切ない。
 本当に腹立たしい。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 4

65.1 2 ご都合主義でカタルシスなアニメランキング2位
BanG Dream! Ave Mujica(TVアニメ動画)

2025年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (180)
154人が棚に入れました
「言ったでしょう?残りの人生、わたくしに下さいと」 豊川祥子がメンバーを招き入れたバンド・Ave Mujicaは、 ライブやメディア露出など、商業的な成功を収めていた。 運命をともにすると誓った仲間も、生まれ育った家も失った少女。 彼女は何のために他人の一生を背負い、バンドを続けるのか。 過去も素顔も仮面で覆い隠し、今宵も完璧な箱庭に降り立つ。
ネタバレ

出オチ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

史上最狂というか令和最低

Ave Mujica最終話まで確認。
最終話で明かされた設定が1つしかないことを確認したため統括した感想を投稿。

{netabare}
【統括】
この作品はAve MujicaというタイトルでありMyGO!!!!!の続編でもあります。MyGO!!!!!で明かされなかった祥子の過去からAve Mujica解散〜再結成までのストーリーが油断なく進んでいきます。
Ave Mujicaというバンドとメンバーの掘り下げではなく睦とモーティスにより崩壊していくバンドと個々を基軸に話を練り上げたかったとインタビューで公言しており、後述するキャラの贔屓めなリソースも含めてバンドの存在意義や演出まで含めて制作陣営の自慰行為をまじまじと見せつけられるような映像となってしまったのは非情に残念。(おそらくは商業主義的都合もあるんだろうが)

■ここがダメだよ!Ave mujica!

【話が終わってる】

大雑把に書くと「バンド活動中に仮面を剥がされる」→「剥がしたことにより生み出されたモーティスが原因でバンド解散」→「迷子になった豊川祥子と精神世界で引っ込んでる睦を救うためにMyGO!!!!!メンバーが助けにくる」→「CRYCHICを締めて健やかに過ごそうとするも元メンバー達がAve Mujicaやりたいと言い出し再結成に向けた手練手管」→「嫌々再結成するも豊川家の恐ろしさによりスイスに飛ばされかける」→「初華の過去を知った祥子が生まれ故郷に赴き見事再結成へ」→「百合展開」である。
バンド解散は4話までだがCRYCHIC復活までの迷子期に3話かけているのと睦とモーティスの精神世界の邂逅にとんでもない時間を要しているので非情にテンポが悪く、他メンバーの掘り下げも殆ど無いので突発的にヤンデレ設定や信じ合いたいと嘆くキャラが続出する被害まで発生。少なくとも前作キャラのような小さな積み重ねが粉塵爆発を起こすようなことはなかった。何なら初華が初音と判明するのは11話であるが、これ5話から長崎そよみたいに叩いて伸ばしながら説明するんじゃダメだったんだろうか。モーティスや若麦より断然優先される描写じゃね?個人的にモーティスと若麦は総集編で、初華を爆弾として話を展開していく方向性で良かったと思うのだが、どうやらCRYCHIC復活を話に組み込むためには必要だったらしい?
後はどうでもいいシーンが多すぎる。モーティスのドッピオごっことか3話の回想とか海鈴の爆買いエピソードとかその後のにゃむとの会話とかにゃむ全般とか。すまん、メンバーの掘り下げそっちのけでそれ必要?最終的には「覚悟はある、僕は戦う」みたいな立ち回りで豊川家から逃げ出すのだが・・・


■ここが謎だよ!Ave mujica!

【で、豊川家ってなんなんすか】

豊川家は大企業でありAve Mujica福岡公演のキャンセルにより発生した被害額を容易に補填出来るほど。sumimiやAve mujicaの最短デビューにも噛んでいるという噂もある。青春街道まっしぐらの愛音ですら知っているんだからよほどの財閥グループなのだろう。祥子の祖父すらその恐ろしさを体感しているので初音との暮らしを諦めるし祥子にはバンド辞めろと促す訳だが、どうも11話から強調される豊川家の恐ろしさというのが分からない。バンドが非公式にライブを開催するとスイスに飛ばしたがるが真意が不明でトップが誰なのかも分からんので理解しようがない。理解出来ないものに恐れを抱くのはもはや宗教の域であり「ははーん、もしや水星の魔女をオマージュしたくて後付したな?」と思ってしまうのは如何なものなのか・・・。
判明している設定も「初華の父親は祥子の祖父」で「祥子は初華のいとこ」で「sumimiの最短デビューは豊川家の力添え」で「初華は祥子の父を凋落させた一因」であり「祥子の父は昨今流行りのアレに騙された人」ぐらいでぶっちゃけそれだけ理解しとけば良いのである。すいません、大本営は何がしたかったんですか?


■ここがダメだよ!Ave mujica!

【で、誰が主人公なんですか?】

「本作品における主人公は誰か?」

まぁ、こんな質問を投げられたら十中八九豊川祥子と答えるだろうが、残念ながら主人公と呼ばれるほどの活躍を彼女が奮っていたかというとNOと答えざるをえない。自らの行動で運命を変えるのは本当に1話と12話ぐらいでそれ以外は虐要素、曇らせ要員として機能しているだけである。わかりやすく言うとちいかわ。
で、実際の主人公であり周囲への働きかけが大きかったのは睦とモーティス。話の本質も、彼女が爆弾でありメンバー達は彼女の奇行に未来を歪められて徐々に壊れゆき、そんなこんなで改めて慰めてバンドを再結成する話である。インタビューでも彼女を中心に話を描きたかった(何なら実病をモチーフにするそれどうなん?みたいな倫理観)らしく、中盤はほぼほぼ彼女に話のリソースを取られまくっている。非情に話のテンポが悪いし急に設定が生えてくるメンバーもいる。モーティスは「仮面を剥がされたことにより発生する露出のストレスへの退避作であり本来なら7話で成仏する予定が消滅したくないと願った本人は必死にギターを練習しモノにし最終的には睦と融合」だけ覚えておけば良い。あれれー?初華の設定は1話で解消出来たからモーティスも出来るよねー?
さて、ここで柿本氏のインタビューを抜粋してみよう。

{netabare}
海鈴本人は、器用か不器用かでいうと器用なタイプですが、器用すぎて人の苦しみがわからないというか……。苦しむ前にすっと逃げてしまう傾向があり、そういう人が「後から何を言っても響かない」ということを彼女を通して表現しています。安全なところから見ていた人が「やりたくなった」と言って後から渦中に飛び込んでも、それまで泥の中でもがいていた人たちには全く響かない。海鈴に欠けているのは信頼なんです。でも完全な個人主義者である彼女には、どうすれば信頼を得られるのかが分からない。彼女について考えていた時に、「信頼されないこと」こそが彼女の恐怖なんだなという側面が浮かび上がってきました。人間関係において、頼ってもらえない、頼れない、という状況が最も怖いのであれば、そういう状況を作り出してしまうキャラクターにしようと考えて海鈴の造形が生まれていきました。アンバランスな他のメンバーと異なり、海鈴は最初から、優れた能力、技術、容姿、安定した家庭環境などすべてを持っていて、大体のことは一人で完結できます。言い換えれば、危なくなったら一人離脱すればいい場所にずっといたのに、CRYCHICの解散ライブを機にAve Mujicaの存在が気になり始め、にゃむに自分の過去を話してみたりもするけど、結構な事件ではあるのに、どこか軽く扱われてしまう。
{/netabare}

言いたい事は分かるし説得力もあるのだが、アニメの描写だけでは「全く愛着の無かったバンドに突然嫉妬し過去事例を持ち出してまで何が何でも再結成させたいよく分からない人」という印象なので、視聴者の読解力不足ではなく製作側の表現力不足であり話の構築に難があるのでは?という結論に至ってしまう。漫画垢インフルエンサーの言葉を借りるなら「我々は手のひらの上で踊らされてる」だが、残念ながら手のひらの上で踊らされて話に魅力を注ぎ出したり深みを出すほどのキャラに仕上がったかというとノーと言わざるを得ない。
後述する祐天寺にゃむもそうだが「聞き手の技術が試される」のではなく「与える側の技術が低い」という結論に至る。

Ave Mujicaの第一話が「悲劇のヒロイン」として豊川祥子を売っていたが、インタビューでは「彼女はあの時闇堕ちしていて祐天寺にゃむを採用したことによるしっぺ返しを1話最後で」と公言している。実際に闇堕ちしていたのは長崎そよが憤慨した6話ぐらいの印象なのでここでも制作陣とのギャップというか矛盾を感じる。どうやら脚本が書いたストーリーを柿本氏が「このキャラはこんなこと言わないんじゃないか?」とチェックしてるぐらいで、制作陣の間でも心の距離があるのだろう。


■ここがクソだよ!Ave mujica!

【ヘイトキャラが救世主へ】

いつの時代もヘイトキャラというのはどこか憎みきれない描写だったり話にコクを生み出す描写がないと作品の評価を地の底まで落としてくれるのは東京喰種が良い例だと思う。後は黒子のバスケの花宮と灰崎が良い例で前者は人気投票で1桁を獲得しているが後者は主人公達の過去を語る上で欠かせないキャラだが見る影すらない。

この作品におけるヘイトキャラは間違いなく祐天寺にゃむである。彼女の行動を今一度振り返ってみよう。

・もっと大きなハコで仮面を外すとプランを提示されながら勝手に仮面を剥がす。バンド解散の最大の原因。
・祥子の台本がつまらないと言い張る割には代替案を出さない。
・客が観たいものを優先させると言い張りリハを遅らせる。結局やらなかったらブチギレる。
・堂々と踏み台宣言。
・客が大事と言い張りながらバンド脱退を一番最初に言い出す見上げたお客様ファースト精神。
・解散後は堂々とメディアで活動しブティックのタイアップも取るほど。
・モーティスを憎みすぎて同伴のオーディションを落とすしYoutuber活動を停滞させる。
・過去の言質を身代に自我の欲求(バンド再結成)を押し通すヤクザのやり口。
・というか全責任と根本原因はにゃむにあるのにモーティスはにゃむに一切ノータッチだし海鈴は祥子に責任転嫁するし誰もコイツが悪いとはコンドームの薄さほど思ってない違和感。

では、インタビューで記載されている彼女の魅力を抜粋してみよう。

{netabare}
Ave Mujicaというバンドの中で、他のキャラがそれぞれ何かしら「持っている」のに対し、彼女は「持たざる者」です。祥子に買われたのはドラムの腕前というよりはインフルエンサーとしての「話題性」や「バンドのビジュアル的要素」としてで。でもにゃむとはきちんと交渉、つまり「これを与えるから、私のところでやってくれ」という取引きをしている。当時、祥子は闇堕ちしていて“悪い”状態だったから、にゃむの欲しい言葉を的確に与えて加入させています。ある意味そのしっぺ返しをくらうのが第1話のラストですが。その交渉の際、祥子自身は自分が上の立場にいると思っていて、でも、にゃむは彼女の服装の安っぽさから、ハッタリである可能性も見抜いていたと思います。ただ彼女は手段を選びません。むしろ共に成り上がってやろうとあえてそれに乗った。付け焼き刃のように始めたドラムもデビューまでにはしっかり仕上げています。それを裏付けする日々の練習をかかさない真面目さ、地道で実直な努力ができる勤勉さを持っているんです。彼女はクレバーな野心家で、良く言えば「夢に向かって一直線」。その純度がとても高いがためにどんなチャンスでもつかみ取ろうと努力を重ねています。時に他人を利用するようなこともしますが、手段を選ばないだけで、実はメンバーの中で一番、その言葉ままの意味で『バンドリ!』しているとも言えます。自分の商品価値も計算できているので、今までのシリーズのキャラにはいなかった、スタイル重視の服を着ています。夢を叶えるための武装は計算の上で選んでいるし、体型維持のために普段はラテすら飲まない。にゃむのすべては努力の結晶でできています。だからこそAve Mujicaで、「持てる」天才たちの都合に振り回されたくない。自分が積み上げた努力を、才能だけで持っていかれたくない。その考えが彼女の行動原理になっています。
{/netabare}

聡明な視聴者なら「マジで良いところばかり取り上げて脚色ばっかしてんな」と思うだろう。ここまでの絶対悪を純度100%の善人として描いてるのだから制作陣には脱帽である。それでいて他のメンバーの描写は粗雑なのににゃむだけは丹念に描かれている。努力家であれメンバーの性格を見抜く慧眼であれ日々の仮面を被った行動への葛藤であれ他メンバーの100倍は丁寧に描かれている。別にモーティスがいなくても芸能界で食っていけるだけの案件はあるしキャリアを重ねれば機運にも恵まれるだろう・・・
優先度の低い悪辣なキャラがこれだけあたかも善人のようにディテールにこだわりながら描かれるのは不快極まりなかったので本作品は好意的に評価出来ない。おそらく制作側とこちらで倫理観の相違が発生しているのだろう。無論、他のメンバー達がにゃむぐらい丁寧に深堀出来ていたのなら評価は一変するが、結局そうはならなかったので令和最低の作品になりえるだろう。


■ここがおかしいよ!Ave mujica!

【前作と乖離したムード感】

初期は「令和最狂」と銘打たれていた作品だったが、蓋を開けたらドロドロの人間関係の網羅ではなく実病をモチーフにした精神世界での邂逅であったり愛に対する執着心だったり。
前作はリアリティだけを突き詰めた群像劇が気づいたらめっちゃ狂っていた神作だっただけに「ファンタジーな世界に翻弄されるMyGO!!!!!」というのは一種のケミストリーを起こすのではなくMyGO!!!!!の完成度の高さを再認識させられてしまった。モーティスの暴走に「撮らないでください!」と静止するとかドッピオごっこに付き合うそよりんとかもう哀れで・・・。
他にも"狂った"描写は各話ごとに散りばめられているが、どれもニコ動全盛期を経由したオタクなら知ってるであろうオマージュやインスピレーションが垣間見えて大分白ける。「靴を電話代わりにして別の人格に問いかける」とか「主人公以外人格の変貌に気づかず自分のせいにしてくる」とか「悪魔に自分が喰われたり魔法少女っぽい世界観でシアトリカルな回想が始まる」とか「沢山のテレビからAve Mujicaを懐古する」とか「どっかで見た豊川家の家族構成とか初華の哀しい過去」とか、挙げ句の果てには百合展開で締める「それ数年前のガンダムで見たよ・・・」なデジャヴ。で、12話最後のシーンにて豊川祥子がとんでも発言。

{netabare}
「わたくしが神になります」
{/netabare}

おそらくアラサー世代ならマイネームイズキーラーって叫ぶ傍らでヴォーカルがウネウネしているアニメを思い浮かべるのだろう。制作陣の目論見は願ったり叶ったりで今までろくすっぽ考察やら感想やらあげてこなかったイナゴ達がこぞって新世界の神オマージュのイラストが大量に流れトレンドを席巻したが、今まで感情の機微に拘ってきた作品がそういうことをする温度差を考えると残念極まりない結果となった。バズ狙い視聴者参加型のコンテンツへと成り下がった瞬間である。はい、ここで著名バンドディスラプションの元メンバーである海鈴さんより一言。

「媚びてますね」


【総評】
面白い/面白くないの基準で語るより快/不快で語った方が速いぐらいには話の構成が終わってる、特定キャラを優遇しすぎて重要キャラの掘り下げが粗雑、やりたい演出がどこかデジャヴ、制作陣営のモラルが終わってる、バズ狙いたかっただけと褒めるところがオープニングとエンディングぐらいしかないという結論に至った。おそらくこれを名作と称えるのはバズ作品に乗っかって本質には触れず脇道だけを擦ってインプレを稼ぎたがる絵師か最近発掘されたイヌー界隈という化石言語に該当する人種、長年のバンドリ生活に鍛えられた仙人達ぐらいだろう。
結局、本編の謎はこっそり明かされたものの豊川家の謎はほとんど明かされないまま最終回を迎え「神になる」発言も気まぐれ次第でスイスに飛ばしたがる豊川家との折り合いや対抗策すら何も考えていない思春期さながらの発言にとどまっているため、部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備をしながら毎日を迎えなければいけない問題は何一つ解消していない。円満解決に見えて初華以外は取ってつけたような愛国心に近い感情なので白ける。「CRYCHICを終わらせて新しい居場所として確立した女の子達のライブ」と「勝ち逃げ迷惑系Youtuberと睦でもモーティスでもない良く分かんない人と知らないうちに愛着持ってたことにされてる尻と実は主人公だった初音さんと過去の言質を責め立てられて勢いだけで活動する元コールセンター従事者」の差たるや・・・ドウシテコウナッタ。
12話終了後、綾奈ゆにこが本作品の設定を気持ち悪いと切り捨て御免したことによる炎上が発生した。ストーリー構成がそんなこと言っちゃ駄目だろーという気持ちはあるが、彼女の担当話は1話と12話。奇しくも祥子が枷もなく自らの意志で行動出来たのは1話と12話なので彼女の心も割と理解出来たりする。明らかに1話12話とそれ以外でクオリティが違うし全てのツケを精算させたって考えが妥当。お前神かよキャラとおんなじムーブリアルでも出来てんじゃんというにゃむの声優のツイートを見ながら「このバカどもがぁ!」と制作現場にトツゲキしたい自分なのでした。セオー!
お偉いさんや声優がこぞってリアタイで実況しながら「これ本当にバンドアニメなんですか?」と呟くの、もういいよ。逃げたら一つ、進めば二つみたいな擦り方、もういいよ。大量のトレンドありがとうございますってにゃむぶるの、もういいよ。MyGO!!!!!は鬱アニメじゃないですって言ってたあの人はいずこ・・・。
一番最低だったのはクソ親父が知らないうちにゴミ出しするほど元気になっってることで、母親の形見は申し訳程度に残ってるのに母親のために頑張ると奮起した本人は蚊帳の外でライブを見ながら「祥子・・・母さんのために頑張るよ・・・」なベタな展開もなし。元気になった理由も謎。何なら祥子がクソ親父を金銭面でサポートしたり気遣う様子もゼロ。豊川家の血はどこまで行っても豊川家だから祥子も同類ってことか?キン肉マンII世の駄目な所思い出させてくれるのやめてくんない?


どうやら続編が決まったらしいですが描くもんなくね?


【4/2追記】
柿本監督へのインタビューが某メディアに掲載されていたので追記。
無料掲載分なので有料メディアの内容は大炎上したモーティス&睦死亡問題以外は抜粋しないよ。俺は海鈴より信頼感があるからね。

●本来想定されていたストーリー
{netabare}
祥子の過去にまつわる話は、脚本の初期段階では2クール目の大きな柱で、何話かに分けて描くつもりでした。その流れで中盤直前あたりまでの脚本を作っていたのですが、睦(むつみ)のキャラクターの掘り下げを進めていく中でモーティスに大きなウェイトがかかるなど、語ることが増えまして。それまでのテンポでは全体の話が入りきらなくなり悩んでいたら、第1話で祥子の過去をまとめる案が脚本チームから出て、書き直していただく流れになりました。
{/netabare}

そりゃあ泣きたくなるだろっ・・・! 祥子もっ・・・!
えー、要約すると「本来なら1話で明かされた過去を中心に話を作るはずが睦ちゃん描きたすぎて今のストーリーにした」らしいです。初華の真実が後半に明かされるのも海鈴が突飛的に信頼botになるのも妙ににゃむの描写が多いのも睦とモーティスを中心に話を作るためだったんですね。本来だったら「薄暗く生臭いRoselia」を描くはずがダブルチーズバーガーの女体化みたいな寒さすら覚えるパロアニメになったのも致し方ないというか。ほー?(九頭龍閃の構えになりながら)

●睦の設定について
{netabare}
睦が有名人夫婦の娘であることは当初から決めていたのですが、人間関係の濁流の中に漂うような、世俗離れして無垢な子として考えていました。でも、幼いときからつねに衆目にさらされる状況にありながら、無垢なまま育った人の内面ってどんなことになっているんだろう、とあらためて考えて、同時に「才能」という軸で彼女のキャラクターを掘り下げていったんです。メタルバンドにふさわしく技巧は申し分ないけれど、MyGO!!!!!の楽奈(らーな)とはまるでタイプが違うギタリスト。人格の希薄さからくるコンプレックスで自分の演奏に自信が持てず、自分では才能がないと思っている。その反面、本人に自覚がない演技の才能にあふれていて、その才能が人格そのものを圧迫しているイメージです。自身では望まない、持って生まれた巨大な演技の才能が彼女の器の9割を占めていて、睦という人格はその残り1割で形成されている。その9割の才能をつかさどる人格としてあらわれたのがモーティスです。ただ、モーティスは人格として生まれたばかりで能力を生かしきれませんし、睦は睦で自分の発する言葉――周囲の和を乱し、全部ダメにしてしまう自分の言葉に、恐怖心を持つようになってしまっています。

話が回らないといえばもうひとつ、キャラクターの設定を作るときに、仮面バンドなので、ステージネームが必要になり、それぞれバンドのモチーフである月の地名からつけていったのですが、ひいてはそれが、キャラクターの「消したいもの」「怖いもの」、つまりはその人を縛っているものとしてドラマに反映しようと考えていました。たとえば、モーティスの場合は「死」ですが、多重人格という設定を考えついたときには、じつはこの要素とは切り離して考えていたんです。キャラクターの行動原理や関係性の変化によって、先の話が流転していく物語の作り方をしていた中で、キャラクターを要約できるような設定で縛ってしまうとその動きが阻害されて、どうしても心情と行動範囲が限定されてしまったんですね。なのでいったん切り離していたのですが、睦の掘り下げが進み、モーティスが登場したときに、同一人物内での「人格の死」という描き方もできるなと脳裏に浮かんで。他のキャラクターに関しても、それぞれのステージネームが冠する名前を一度外して、キャラクター自身の生き方を掘り下げるうちに、キャラクターたちがあらためてそれぞれのテーマにたどり着くという、ちょっと不思議な現象が見られました。
{/netabare}

ん?9割の演技の才能(数多の人格)をギターとの遭遇で睦ちゃん以外消し飛んで、仮面を剥がされたストレス退避の応急処置としてモーティスが生まれたんじゃない?そもそも睦とモーティスが死んだ後の人格って演技もギターも無理なのに誰も知らない人格が演じてるって無理あるんじゃない?それだと祥子やにゃむが気付かないのおかしいんじゃない?13話の鏡の描写が意味なくなるんじゃない?「じゃない」が多くない?

●にゃむは正しいことしか言わない
{netabare}
キャラクター開発を進めていく中でリデザインしていき、カリスマである祥子に面と向かって意見が言える人物になっていくとともに、祥子を見下ろせる身長のあるデザインになっていきました。身長差のある女子同士が見合っている構図のイラストが植田さんから参考に出てきて、脚本チームが「これがいい!」と絶賛して。そこからさらに今の「強い」にゃむになっていきました。祥子はある種の復讐のためのAve Mujicaだと言っているけれど、「それは私情だよね」と指摘できるキャラクター。手段を選ばないので自分勝手な面はありますが、野心があってクレバー、主張がブレることなく、ある側面ではつねに正しいことを言っている存在です。
{/netabare}

例の部屋で適当なこと言ってる逆張りとか危機感持ったほうが良いとかDJを自称する迷惑系Youtuberとか好きそうな倫理観でお涙ちょちょ切れそう。やってることと出身地に既視感感じるからモチーフ一番最後か?
歯に衣着せぬ発言と行動理念が基づいてないし自分を棚上げしたり他人を道具代わりに利用している事が問題なので、それを正しいことを言ってるってくくるのは無理あるんですよ。モチーフのあこちゃんみたいにバンドの問題に真摯に向き合うとか全くしてこなかったので・・・。

{/netabare}

投稿 : 2025/04/19
♥ : 4
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

東京ギスドリ狂詩曲(ラプソディー)

【物語 4.0点】
狂っているが刺激的。先が読めないオリジナルアニメならではの展開。


世の中バンド音楽なんかじゃ解決できない問題もある。
問題なんて解決しなくても継続するバンドもある。

一生と誓ったバンドが長続きしないことなど日常茶飯事。
案外ギスギスして解散寸前なんじゃないか?って位のバンドが腐れ縁で続いたりもする。

柿本 広大監督らスタッフインタビューなどを拝見していると、
こうしたリアルのバンドの取材等で得た諸々(※1)
物語に仕立てるには毒が強すぎて、夢が無さ過ぎて、
キャラと推し活を大切にする2.5次元コンテンツでは憚られる。
音楽の力で課題解決していくバンド作品のテンプレにも中々フィットしない。

本作『~AveMujica』では、従来取り入れられなかったバンドあるあるを、
ここぞとばかりに自由に盛り込もうというスタッフの狂喜に満ちた信念を感じました。


象徴的だったのが第7話。
{netabare}RiNGの無観客ステージで行われたCRYCHIC(クライシック)の号泣“解散”ライブ。
私は率直に、あれほど皆が囚われ振り回されて来たバンドの呆気ない最期。
誰かに披露するパフォーマンスとしてはちょっと泣きすぎていたこともあって、
白けた気分にもなりました。が、白けたこの感情自体が新鮮でとても興味深いとも感じました。

運命共同体だとか言って誓って始めたバンドが、
多くの観客に看取られることもなく、凡庸なアマチュア学生バンドとして葬送される。
これもまた掃いて捨てる程あるバンドの現実であり、そこに踏み込んだシナリオは非凡でした。{/netabare}

対照的に第10話。
{netabare}復活したAveMujica。問題は何一つ解決していないし、
披露された歌詞世界の裏側には、初華の出生と過去にまつわる特大の地雷まで仕込まれている。
でもプロである彼女たちが奏でる音楽は一級品であり、その世界観は多くの観衆を魅了する。{/netabare}

バンドアニメにおいて、視聴者というのはメンバーの裏側を知り尽くした上で、楽曲を堪能できる特等席なのですが。
あのライブに限っては、裏を知れば知るほど、些細なメンバーの表情から色々察してしまい胃を抉(えぐ)られる、さながら断頭台。
記憶を消して、何も知らずにパフォーマンスを楽しんでいるモブの観客になりたい。
私が音楽アニメ観ていて、こんな感情を抱いたのは初めてです。



前作『~MyGO!!!!!』はキャラクターや展開の赴くままにシナリオをボトムアップしていくことで“迷子”を体現した脚本・構成。
対して『~AveMujica』は次々と課題要素をぶつけて、シナリオに負荷をかけて対応させていく方式。

その負荷は作中キャラクターだけでなく、スタッフにも及び。
立ちはだかった要素に対して、この脚本はどうだろうと、
毎話脚本(ほん)を書いては捨ててを繰り返したのだとか(※2)

『~MyGO!!!!!』と『~AveMujica』はプロット構築の面でも真逆でしたが、
やはり本シリーズは2作セットで対比しながら楽しむ作品。
想定以上にマイゴメンバーも絡んで来ましたし、
『~AveMujica』は想像以上に『~MyGO!!!!!』2期でした。
マイゴも新曲ありましたし。

ムジカメンバーにも脚本にもプレッシャーを与える制作方針により、
何かに負われる切迫感が視聴者まで伝わる高ストレスな内容が毎回継続。
SNSでは毎回トレンド入りし熱狂された本作ですが、地上波先行配信を行ったAbema含めて、
各サブスク・配信プラットフォームの再生ランキングは案外、低位。

賛否両論も含めて、リアルタイムで、つい色々と語り合いたくなっちゃう。
ここもオリジナルの醍醐味でした。


ラストもスッキリしたとは正直思いません。
ですが問題を内包したまま突き進むAveMujicaにはいっそう価値を感じました。
制作決定した『~MyGO!!!!!』&『~AveMujica』の続編。
私も首を洗って待望しています。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・サンジゲン

基本は3DCG。エモーショナルなカットには手描きも挿入する前作からの方針を継続。
問題だらけの現実を塗り替える虚構で客席の“共犯者”を夢に誘う。
ゴリゴリ世界観メタルバンドのAveMujicaのパフォーマンス映像は全体的に高圧力。

一方で時に変顔同然に、狂おしいくらい心情を発露させる表情描写も上々。
祥子/オブリビオニスの過去と事情が一気に開示される初回から、
あの時の彼女の表情の意味は、そういうことだったのかと、描写の濃密さに惹き込まれます。

私は特にパフォーマンス中に、睦/モーティスの表現力と交錯、対峙、自己嫌悪しながらも、
食い下がっていく、にゃむち/アモーリスの苦虫を噛み潰したような表情がお気に入りです。


東京・池袋界隈など、聖地巡礼欲求が高まる背景美術も相変わらず。
本作では終盤、{netabare}初華と祥子の幼少時{/netabare}の重要スポットとして、瀬戸内・小豆島も登場。
小豆島は『高木さん』の舞台でもあるので、いつかか行かねばという使命感がいっそう高まりました。
ただし、私も{netabare}赤羽警察署{/netabare}だけは行きたくありませんがw


【キャラ 4.0点】
ギター&ボーカル・三角初華 / ドロリス (CV.佐々木李子)
ギター・若葉睦 / モーティス (CV.渡瀬結月)
ベース・八幡海鈴 / ティモリス -(CV.岡田夢以)
ドラム・祐天寺にゃむ / アモーリス (CV. 米澤茜)
キーボード・豊川祥子 / オブリビオニス (CV. 高尾奏音)
(以上 敬称略)

祥子が始めたAveMujica。彼女が主役と思いきや、
エンドロール先頭にクレジットかつ、ナレーションを務めるのは初華。
メンバー全員、心にも仮面を付けた二面性を有していますが、
虚構で現実を塗り替えたいという一番願っていたのは初華だったのかな。
と最後は納得させられました。

この回は、このキャラ回。残り数話で、あのキャラ回まだだから、シナリオはこういう配分で着地する。
こんな2.5次元物の文法など端から無視。
特に{netabare}多重人格{/netabare}を抱えた睦が他を圧迫する勢いで肥大化する、
推しを平等に楽しみたい層にはストレスフルな構成。

ただ“カップリング”要素の燃料補給は豊富だった印象。
MyGO!!!!とAveMujica。バンド横断カップリングネタも美味でした。
中盤、{netabare}“そよ・ザ・デンジャラス”と“マスク・ド・オブリビオニス”が路上で取っ組み合い{/netabare}を始めた時はビックリしましたがw

私は特に、バンドマネジメントの辛苦を共有する海鈴と立希。
{netabare}立希が「海鈴、本当にムジカやってたの?」と急所口撃し、「何が言いたいんだよ……」と海鈴の敬語を崩す{/netabare}など、
“うみたき”には可能性を感じるので、続編でも掘り下げて欲しいです。


【声優 4.5点】
ライブ活動を兼務する。時にライブパフォーマンスがメインで声優は初心者のキャストもいる。
2.5次元物において、声優評価は渋くなりがちな私ですが、
本作については各々のキャラの二面性も見事に表現していたと高く評価したいです。

祥子役の高尾 奏音さんや、初華役の佐々木 李子さん辺りは声優キャリアも積んできて安定していましたし、
睦/モーティス狂気の{netabare}一人13役{/netabare}をこなした渡瀬 結月さんも複雑な演技に好対応していました。

特筆したいのはドラマーメインで本作が声優初挑戦となった米澤 茜さん。
初心者の自分は台本片手に演じていては表現しきれないと、
毎度セリフを丸暗記してアフレコに挑んだというエピソードが衝撃的。
理屈は分かりますが、それを本当にやってのけてしまう。
上手い下手以上に、チャンスの前髪を引き千切る勢いで掴んで来る。
夢を切り開く人はこういう方なのだなと、
{netabare}九州弁{/netabare}の熱演も含めて、ガッツに圧倒されました。

和み要素となったのが海鈴役の岡田 夢以さん。
抑揚をセーブした口調で{netabare}「私も綺麗な顔してますから」{/netabare}。ツボりましたw
海鈴は面白い娘なので、今後もネタの追加供給を望みます。


何より癒やしとなったのが、MyGO!!!!!・愛音役の立石 凛さん。
前作レビューにて私は、抑揚のない陽キャという難役という部分で、苦言も呈してきましたが。
今作の愛音は突破力があるキャストの演技も含めて太陽でした。
前作低評価して悪かったと反省すると共に、今作の陽キャ供給に感謝致します。


【音楽 4.5点】
AveMujica。ヘヴィメタル、シンフォニック・メタルを追求。

キーボード担当した祥子役の高尾 奏音さんはピアノジュニア国際コンクールで
グランプリ歴もある声優界最強クラスのピアノガチ勢。
キャスト判明した時は、ついに弾いてくれるかと興奮が収まりませんでした。
リアルライブでは、弾けるのは当然とばかりに、微笑みながら鍵盤見ずにキーボード2台演奏、
光を求めるように月に向かって手を差し伸べる、深々とお辞儀するなどパフォーマンス面でもムジカを体現。

ドラムの米澤 茜さん。にゃむちの豪快な両利きドラムは、キャラではなくキャストからの逆輸入設定。
キーボードやドラムが暴れまくるムジカのライブ映像は半端ないです。
初回TV放送後、配信されたOP主題歌「KiLLKiSS」の4thライブ映像。
凄すぎて何度も見ています。

メインギター&ボーカルの初華役の佐々木 李子さん。
幼少から舞台で実績を積んで来た方。
あにこれ民にとっては『かげきしょうじょ』“エトワール”山田彩子役として印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
故に、ロックにしては、かなり歌劇調ですが、世界観をゴリ押す同バンドにはマッチ。
しばしば「命を懸けている」とムジカへの覚悟を語る彼女。
私も刺し違える覚悟で受け止めたいものです。


同バンドデビュー以来、ほぼ全ての楽曲で作詞を担当している元・SOUL'd OUTのMC・Diggy-MO'氏。
最近は作曲領域にまで踏み込んで来ており、ムジカへの関与を強めています。
本作提供曲も聖書を想起させるフレーズが散りばめられますが、
決して外連味を狙った粉飾などではなく、熟考して幾重にも練り上げられた重厚な世界観であることが、
例えば、同氏によるミニアルバム「ELEMENTS」全曲楽曲解説などからも窺い知ることができます(※3)



【参考文献】(※1)Febri/監督・柿本広大が振り返る『BanG Dream! Ave Mujica』制作舞台裏

(※2)アニメイトタイムズ/衝撃的な展開の続くTVアニメ「BanG Dream! Ave Mujica」。柿本広大監督が明かす、第9話までの制作の裏側。そして気になるAve Mujicaのこれから【ロングインタビュー】

(※3)音楽ナタリー/楽曲を手がけるDiggy-MO'が語る!「BanG Dream!」発のヘヴィメタルバンド・Ave Mujicaの世界



以下、初回興奮して今後の展開を予測するも見事に的を外した感想w

【#1~#3先行上映会感想】初回から呑み込まれる

長いので折りたたみ
{netabare}
何かスゲーもんを見せつけられたなという感想が残りました。
公開初日、3話まで劇場鑑賞で観終えた夜、私は興奮して中々寝付けませんでした。
TV放送前でもあるので、極力ネタバレを回避しつつ、この整理できない私の感情も含めて言語化していきたいと思います。


こういう作品を観ると、つくづくエンタメ消費というのは残酷な趣味で、
ミュージシャンや声優まで含めた、広く芸能人というのは己が才能や、技術、プライバシーまで消費者に切り売りする、心身を削る過酷な職業なんだなと思い知らされます。

消費者は、私も含めて、芸能人自身が見せたくない物ほど見たいし、
やっちゃいけないことほど、やられると狂喜する。
芸能人はまさに国民の玩具、“お人形”なのです。
そして、お人形は飽きたら捨てられ、また次、次と消費者の欲求は留まるところを知りません。

その無限の欲望の坩堝(るつぼ)に身を投じる芸能人は、
自分のどこまでなら差し出しても自身を壊さずに済むか、
日々ギリギリの駆け引きを行っているのだと思います。

熟練した芸能人ならば、消費者との駆け引きも手慣れたものでしょうが、
経験不足の若手となると技術のみならず、自分の出し入れも未熟で、
時に自分の支柱となる致命的な部分まで差し出してしまい自壊してしまう。
近年、声優さんも含めて、若手芸能人の
精神疾患による活動休止などが相次いでいるのは、
仕事量のコントロールも含めた、自身と消費者との折り合いの問題も一因なのでは?と私は邪推します。

では、この心身を切り売りする芸能活動は残酷だから、
もう一切止めたほうが良いのかと言うと、そうでもなく。
消費者に何をどこまで差し出すかというギリギリの勝負の中でこそ、
覚醒する才能もあるわけで、捨て難い物があります。


何を長々と自説を垂れ流しているのかというと、
本作はAveMujicaバンドメンバーの本性を暴き出す内輪の“ギスドリ”仮面舞踏会(マスカレード)に留まらず、
作品を視聴し消費する我々が秘める残虐性をも指弾して来る危険物だと言うことです。

鑑賞中、私は、昔の映画だと『ブラック・スワン』、近年だと映画『エルヴィス』、
あとは秋元系のアイドルグループで私が唯一推していた欅坂46が、
平手一強の笑顔を見せないアイドルとして、暗黒方面に覚醒し、ぶっ壊れていく過程などを思い出しながら、
コイツはとんでもないアニメだなと放心していました。


AveMujicaを立ち上げたオブリビオニスこと豊川祥子(さきこ)も、
未熟な少女たちがプロとしてやっていく過酷さは重々承知しており、
プロデビュー後も芸能マネージャーなどの他人に管理を委ねず、
祥子がAveMujicaを自分自身の居場所として守り抜くためのリスクマネジメントも周到だったはずでした。

が、これも初回(※核心的ネタバレ){netabare} 成り上がりのため売名を急ぐ、にゃむ(アモーリス)により、ゴシップによるプライバシーの買い叩きから自分たちを守る防具でもあったマスクが剥がされ、{/netabare} あっけなく箍(たが)が外れ、
AveMujicaもまた祥子の手を離れ、消費者の熱狂の坩堝に呑み込まれていくのです。

前作『~MyGO!!!!!』は不穏な伏線をヒタヒタ張って中盤以降、起爆する感じだったので、
リスクを察知しながら徐々にガードを固めていく感じでしのげましたが。
『~AveMujica』は初回から崩壊のカウントダウンが始まる感じなので、それでは間に合いません。

視聴の際は、初回からガードを固めて行くことをオススメします。


呑み込まれるぞ。{/netabare}

投稿 : 2025/04/19
♥ : 11

たナか さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

シンフォニー・オブ・デストラクション

バンドリ改めギスドリの真打、アヴェムジカ編。
ギスドリ1期のMYGO編見てないとイミフです。

ブシロもやっと商売が上手くなってきたなあ…とほっこり
爆死したD4DJのメンツがバンド組んだりとかで救済できませんかねえ

OP・ユーベルブラットOPに欲しかったのはこの厨二感、いいですねー
ED・同上。

リアルイベントビジネスのライバルはにじさんじやホロライブか。声優の卵を1年かけて育てたプロジェクトは全方位でクオリティが高く、ファン層を拡大していくのは間違いない。ほぼ素人に7弦ギターや5弦ベースを仕込む鬼畜のブシロード。しかしきちんとモノにしてるメンバーはさすが。

Gt.&Vo.ドロリス/三角初華
ギスドリの良心かと思えばただのヘタレ。相方は聖人。

Gt.モーティス/若葉睦
モーティスはただの邪魔者?彼女の救済はナシか

Ba.ティモリス/八幡海鈴
不動のメンタルってか大概なサイコパス、もしくは大人っていう表現なのか

Dr.アモーリス/祐天寺にゃむ
マジで社会性あるのこいつだけ、高1設定は完全に失敗

Key.オブリビオニス/豊川祥子
結局いつも誰かが拾ってくれる、やっと復活の兆し

07
え?モーティス終わり?まあ萌えアニメだしこれくらいでいいのか

1期の種まきがきちんとカタルシスになってていいのですが、やっぱMYGOが本気だすとエロゲみたいな痛々しさが厳しい。自分に酔いすぎ。初期の新海誠みたいなナルシズム。いやまあそれに酔えるのがアニメの良さですけどね、バンドリシリーズは本来ギャン泣きポルノではなかったので。長期シリーズだからこそのバリエーションでいいのですけど。

感情込み上げてるともりが全然まともに歌えてないの、実にいいですね。わざわざ別録までしてるのにそこをあえてキャラに言わせないし誰も触れない。楽器はともかくあそこで「おまえ歌えてないやん台無し」って流石ににゃむや海鈴でも言えないでしょう。こういうところがブシロアニメの良さ。いくらでもゲームで後付け補足できるからってのもあるだろうけど。

やっぱりどうみても上級国民サマのおままごとでしかないのだが、新海誠作品を観るようにピュアでイノセントなメルヘンマインドで観るべきでしょう。とくにMYGOはそうしないとあまりに痛々しすぎる。

海鈴にとってはムジカが参加バンドの最高位なので復活を望むのもまあそりゃそうでしょう。にゃむも同様に上昇志向ってだけでいい。

まだ7話でこれをやるなら、もう完全にさらなる絶望に突き落とす格好の前フリでしかない。しかし上げて落とす前フリにしては高度が高すぎてえらい角度になってしまった。祥子攻略完了、ラスボスは海鈴か、それとも…。

んでクライシックがなんと!!!!first take出演!!!!

いやーブシロさんビジネス上手くなったやん。アニメバンドをリアルイベントでやるのは真似されまくって独自性がなくなったイノベーションのジレンマ。アニメやゲームでバンドのバックストーリーを語れる利点を最大限に活かしたグレイトなアイデア。今は無きあの伝説のバンドがついに復活!をゼロイチでやれるマッチポンプ。アメージング!!!!これにはマジでやられた。これは誰も真似出来ないし、パクって二番煎じもシラけるだけで成立しない。んでリアルでも2バンド分で3バンド編成が可能。上手い、上手いなー。いやマジでD4DJのメンツもどうにか拾ってください。睦は7弦あってこそなのでMYGOやクライシックにはもったいない

アップの泣き顔だけ手描きなのはマジでなんなの、顔が幼すぎて萎える
そんなに豚をブヒブヒさせたいのか。まあマーケティングとしては正しいのかも

投稿 : 2025/04/19
♥ : 4

75.4 3 ご都合主義でカタルシスなアニメランキング3位
タッチ(TVアニメ動画)

1985年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (367)
2121人が棚に入れました
上杉達也、上杉和也は一卵性双生児。スポーツも勉強も真剣に取り組む弟の和也に対して、何事にもいい加減な兄の達也。そして隣に住む同い年の浅倉南。3人は小さい時から一緒に行動している、いわば幼馴染だった。そしてお互いがお互いを異性として意識し始める。

声優・キャラクター
三ツ矢雄二、難波圭一、日髙のり子、林家正蔵、銀河万丈、千葉繁、小宮和枝、増岡弘、塩沢兼人、鶴ひろみ、中尾隆聖、井上和彦、冨永みーな、田中秀幸
ネタバレ

ダビデ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

最も,もっと評価されるべき作品

{netabare}和也が死んじゃう{/netabare}のは嫌な描写ですが、そこからの展開、ストーリー、画、キャラクターなどなど最高ですよね。
子どものころから学生の頃まで、再放送で何回も観ましたし、原作も読みました。


{netabare}柏葉監督と達也との信頼関係が構築されていくさまがとても好きです。
3年の地区予選の決勝,達也に対して,和也の妬みのような話をしながらも,達也のピッチングをさせるアドバイスをしたシーン。
それで,和也を追い求めていた達也が,達也のピッチングを始めたシーン。
ピンチになり,達也の鼻血を見て,柏葉監督が立ち上がり,バッターに指示を出し始めるシーン。
三塁打を打った後に達也に対して,見えないはずの眼でアイコンタクトで,ホームスチールをさせるシーン。
達也:「おれもたまにはホメられてみたいもんですね」,柏葉監督:「おれはおまえが嫌いだ」,達也:「どうせなら徹底的に嫌われてみたいもんですね」と言った後の,「だったら,甲子園に行くんだな」の柏葉監督のセリフ。
最後の最後で,新田に対する敬遠を決めたはずなのに,みんなで,達也に勝負をさせるシーン。
最後の一球。
達也が病院で柏葉監督に「リンゴ」を手渡すシーン。
その,余韻の,柏葉監督の「夏は好きなんですよ。」。

初めて観ていたときは,柏葉監督の正体がバレて,はやく監督が変わって欲しいと感情移入をしていました。
でも,最後の最後には柏葉監督が・・・,涙涙で,言葉にできない存在になっていました!{/netabare}

そして,{netabare}達也の浅倉南への告白は,(個人的には漫画の,開会式に達也がいないところからの,電気屋での抱きしめからの,つま先立ちの方が,南のピンチに必ず達也が現れるという意味でも,好きなのですが。)話の積み重ねの終着として,{/netabare}どんな恋愛アニメ・恋愛ドラマでも,超えることはできないシーンだと思います。


長いけど,名作であることは間違いないと思います。


☆の評価をするにも,物語は,あだち充先生の傑作なので,☆5.0は間違いありません。スポーツアニメとしての物語は最高なうえに,恋愛アニメとしての物語も最高です。
声優は,頭の中で,登場人物のイメージがそのまま構成されていますので,☆5.0は間違いありません。
キャラは,登場人物それぞれプラス要素しかなく,☆5.0で間違いありません。(浅倉南の性格があざとすぎて,万能すぎるとして,マイナス要素で評価する人もいるかもしれませんが,多くの男性には,浅倉南のキャラはプラス要素にしかならないはずです 笑。)
音楽は,「タッチ」のイントロだけでも☆5.0になっちゃいます。その他の挿入歌,ピンチの時の音楽などなど,含めても最高評価になるはずです。
作画だけは,時代的な理由で,☆4.0になってしまいますが,当時の他のアニメの中では素晴らしいと思いますし,試合の描写も素晴らしいと思います。

観た人の数も多いはずですし,評価をしたら高い評価となることは間違いありません。
なので,(平成27年11月14日時点でのランキングは334位の74.0点ですが,)個人的には最ももっと評価されるべき作品だと思います 笑

投稿 : 2025/04/19
♥ : 19

えーりか☆かなで さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

有名野球アニメ

~声優さん~

上杉達也:三ツ矢雄二
上杉和也:難波圭一
浅倉南:日高のり子
松平孝太郎:林家こぶ平(現・9代目林家正蔵)
新田明男:井上和彦
新田由佳:冨永み~な
原田正平:銀河万丈
坂田:稲葉実
黒木武:塩沢兼人
西村勇:中尾隆聖

~感想~

呼吸を止めて一秒
あなた真剣な目をしたから
そこから何も聞けなくなるの
星屑ロンリネス

きっと愛する人を大切にして
知らずに臆病なのね
落ちた涙も見ないふり

すれ違いや回り道を
あと何回過ぎたら
二人はふれあうの
お願い タッチ タッチ ここにタッチ
あなたから(タッチ)
手を伸ばして受け取ってよ
ためいきの花だけ束ねたブーケ
 
いい曲ですよねー^^

いまでも上杉の投げる球の音が印象的です^^

本格野球アニメ観たいならコレですねー

投稿 : 2025/04/19
♥ : 6

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「南ちゃんが理想の女性」派には賛同しかねるが名作中の名作。

原作『あだち充』

双子の兄弟「上杉達也」と「上杉和也」
お隣さんの「浅倉南」
子供の時から一緒の幼なじみ3人が
しだいに互いを男女として意識するようになる

優秀な和也に才色兼備な南
うだつの上がらないダメ兄貴、達也。

思いやるがゆえにすれ違う恋心や
野球を題材にしたドラマを描く

――高校3年間の青春ストーリー。



名作中の名作なので、誰かにオススメも無いもんでしょうが、この世代の人間でよく挙がるのが「浅倉南」はいい女なのか説。結構バカらしい気もしますけど、知人の女性に聞く限りは半々で、男性に聞く限りは条件付きで概ね賛成と言ったところでしょうか。とにかく女性票が少ない南さん。同時期だと高橋留美子先生の「うる星やつら」や「めぞん一刻」が君臨してるので、女性目線から生み出された“ラムちゃん”や“音無響子”がどうしても勝率が高い気がする。

「タッチの南ちゃんが女子受けしない理由まとめ」

なんてのもあるくらい!
そこに書いてある意見が面白いので列挙。

・『一人称が「ミナミ」だから。』

“こんな女にろくな奴居ない!”
“無理。”
“ホント嫌い。”

ラムちゃんも一人称ですけど、あれはセーフなのかな?

↓他にも・・・

「女友達少なすぎ。女の親友居ないとか性格悪い証拠。」
「一回も心揺れたこと無いくせにキープすんな!」
「そもそも運動部女子マネージャーという生き物が嫌い」

『女子マネージャーという生き物』っていう面白ワード良い。
続きも面白いので気になったらググって(笑)

これが男性作家と女性作家の違いでしょうね。
想像力が及ばない部分と格闘をするお仕事は大変でしょう。

ここで面白いところは、意見を言ってる女性が
「タッチ」自体を嫌いな方が少ないということ。
達也や和也などには魅力を感じてるのでしょうね。
男性作家の描く、男性から見ても嫌味のない男って、
女性側から見てもカッコイイと思うのでしょうか。

男性からは女性作家の描く女性は嫌味がないので好印象。
(“あけすけ”で少し怖い時はありますけどw)

・・やはり男女が相互を理解できる日は遠そうです。

だからこその駆け引きなど面白い、なんて誰かが言ってた。
不自由の自由というやつかしら。ちょっと違う?

最後に個人的な意見を言うと、浅倉南という女性は条件付きでいい女だと思います。上杉兄弟に対しては最高の女性でしょう。それ以外だと彼女のいい女っぷり(良くも悪くも)にこちらの性能が負けてしまいます。圧倒的な性能差で尻に敷かれるどころか埋まって出てこれないでしょう。ちなみに私は南ちゃんにフラれた男どもに共感をしてました。なので創作物上の女性には最高のカップリングがあり、初めて“いい女”だと認定できるのだと言い放ちレビューを終わりたいと思います。駄文失礼。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 19
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