ユニバーサルスタイル さんの感想・評価
4.9
天使が想い募らせるラブストーリー
劇場版二作目ももうすぐなので、劇場版一作目である哀女神のレビューを。
今回のお話は今までのストーリーを補完するような形で、より深く根幹に迫っていく、ファンなら見逃せない一作です。
この映画は前半が新キャラ’風音日和(かざね ひより)’の視点で物語を振り返っていく総集編(公式では『エンジェル・ビジョン方式』と呼んでいる)となっており、
今までのアニメを見たことがない人でも話を理解できるように出来ています。
既視聴者も、日和が加わったことで新しい感覚でストーリーを見直すことができたのではないかと思います。
後半からはオリジナルストーリーに入り、日和が智樹達と深く交流していきます。
日和はイカロス以上に初々しく、そはら以上に世話焼きで、そして誰よりも優しい心を持っている。天使のようなヒロインを体現していました。
日和が皆と触れ合う中で友情や恋心に目覚めていく、その移り変わりが大変眩しくて美しくて、今まで以上に新鮮な気分でした。
しかし、その日和自身によって日常が一変しその平和が脅かされてしまう。
いつもエンジェロイド達はマスターによって悲しい争いを強いられ、苦しめられます。
そしてそれを絶対に救ってくれる智樹の存在は、彼女たちだけでなくこれを見ている視聴者にも希望を与えてくれると思います。
最後、智樹と日和のやり取りがこの物語を表しているメッセージとなっています。賛否両論ありそうな終わり方ですが、自分は希望のもてる『そらのおとしもの』が嬉しかったです。
作画は、前半の文化祭の一部CGに違和感があったくらいで他は綺麗だったと思います。特にアップでの表情や戦闘シーンの挙動は素晴らしかったです。
音楽は要所要所で流れる懐メロっぽいBGMが耳に残りました。日和というキャラと見事に合致していたと思います。
主題歌で一番好きなのは『SECOND』ですが、劇中歌として日和が歌う『クレヨン』やblue dropsのエンディングテーマ『そらとまぼろし』も素敵で、どれも聴き逃せません。
一番驚いたのは序盤で流れた『超☆愛合体!!エンジェロボ!!』を歌っていたのが、ベテラン歌手の宮内タカユキさんであったこと。
盛大な無駄遣いだと思います(笑) とてもかっこよかったです。
とても悲しくて切ない物語ですが、キチンと救いが示されている所がそらおとらしくて好きです。
これはある意味新機軸のラブストーリーであると思います。そういった側面からもっと評価されてもいいと思います。
以下個人的名シーン
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