お台場で戦闘なおすすめアニメランキング 2

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78.6 1 お台場で戦闘なアニメランキング1位
機動警察パトレイバー the Movie(アニメ映画)

1989年7月15日
★★★★★ 4.1 (384)
1837人が棚に入れました
すべてが朱に染まる夕暮れ、篠原重工の天才プログラマー・帆場暎一が、バビロンプロジェクトの要となるレイバー用海上プラットホーム「方舟」から投身自殺する。その口元に嘲りの笑みを浮かべながら…これが、すべての始まりであった。時期を同じくして、レイバーが突如暴走する事件が多発、遂に自衛隊の試作レイバーまでが暴走事件を起こす。特車二課第1小隊は、近々正式配備される新型パトレイバー(通称「零式」)に関する研修中のため不在。単独で暴走事件の処理に追われる第2小隊の篠原遊馬巡査は、多発する暴走事件の異常性にいち早く気付いて独自に調査を始め、原因が暴走した機体すべてに搭載されていた篠原重工製の最新レイバー用OS「HOS」(Hyper Operating System)ではないかと推測する。

声優・キャラクター
冨永みーな、古川登志夫、池水通洋、二又一成、大林隆介、榊原良子、郷里大輔、井上瑤、千葉繁、阪脩、西村知道、辻谷耕史、辻村真人、小島敏彦
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

人にアニメ作品を勧めるときにまずこの作品をおすすめします。

羽海野チカさんの『スピカ』に収録されていた「イノセンスを待ちながら」を読んで興味が湧き、初めてこの映画を観てみました。それからも、ふと思い出してみては何度も観ている大好きな作品です。

 科学技術が進む中で二足歩行型ロボットである「レイバー」の製作に成功し、それに足並みを合わせるかのように町の開発も進んでいく、まさにその過渡期の東京を舞台にした話。近頃、安全だと信じられていたレイバーが暴走する事件の増加に疑問を持った篠原という若い男が事件解決に取り組みます。
 何が原因で、誰の策略でなんてことをいちいち細かく調べていく過程は観ていて面白いし、それがだんだんと明らかになってくるストーリーも流石です。さらに作中に出てくる人たちもその描かれ方は非常に繊細で、1人1人がその息遣いまでもが分かるくらいにリアルに描かれています。
 まるで本当にこんなことがあったかのような強い現実感を帯びた物語は風化することなく、今の僕らにも十二分に楽しめます。

 「現実的」この言葉がいろんなところでしっくりとくる映画です。レイバーが大量生産され、工業化は大きく進んだけれどそれはすべてではなく、同心円状に街は開発されていったのでその周りには、この映画の製作年代の1980年代の趣のある街並みがまるで見捨てられたように印象強く残っています。
 それはたとえば夏。凌ぐことのできない暑さに加え、容赦なく照りつける太陽の光を心の底から憎む季節。そこにはクーラーのひんやりとした涼しさはなく、ただただ暑さを耐えるだけで途方がなく、救いもない。目線を上げると20メートル先の景色が少し歪む。そんな夏をスーツ姿で背広を肩にかけ、敷き詰められた木造住宅街を歩くシーンはそれそのままのように感じます。
 「ちょっと前まではこうだったよ。」なんてどこかのサラリーマンが言いそうな映像です。しつように描き込まれた風景は既視感を生んだり、または人の想像力を限りなく現実に近づけてくれる装置となり、僕らはこの作品によりのめり込み共感していくことができます。
 他にも篠原の事件解決までの道のりでの上からの圧力などの障害や、後藤刑事のすること成すことが、そこにあるべき不自由さを持って描いているので非常に現実的です。

 一見の価値があるかどうかまでは分からないけど、「何か面白い作品ある?」と人から訊かれたときには必ず『GHOST IN THE SHELL』と一緒にこれを勧めます。面白いですよ。いやいや、ほんとに面白いんだって。

{netabare}

 箱舟に乗り込んでから、泉が帆場のところに向かってそこに大量の鳥しか発見できなかったときに篠原に報告した言葉「ここに人間なんていないわよ!」。僕はこの言葉がずっと頭に引っかかっていました。ここでこんなことを言うなんて何か変だと思いませんか?他にも言い方はたくさんあっただろうし、なんというか抽象的で暗喩的。んー、なんでだろうと思いながらひとつ思い当りました。それは一体なんだったのか。

 冒頭のシーンで帆場は笑みを浮かべて自殺しました。レイバーの暴走が起こることを確信し、自分を蔑んだ者たちに復讐ができるから。その悪意に満ちた計画こそがこの事件の核心でした。そう、彼が死んでも、肉体が水圧で潰され跡形もなくなろうと彼の計画は、その悪意だけはこの世で生きていました。
 そしてそれは実際に起ころうとしていました。特車二課の彼ら有志諸君は箱舟に到着し帆場の反応を発見し泉をそこに向かわせます。そこで泉が見た不気味に赤く目を光らせたたくさんの鳥たちは、まさしくそれを象徴していたのではないでしょうか。
 「人間なんていない。」じゃあ何がいたのか。それは鳥の形を模した”悪意”でした。
 人は死んでもこの世に何かを残せる。非情に前向きな文句だけれどもそれは憎悪や悪意も同じこと。死んでも死なない観念は計画としてじっとそのときを待ち、悪霊のように鳥の形をしてこの世に住み着いていました。
 鳥は空を飛び回ります。僕らはそれを日常生活でも頻繁に目にします。彼らは空を自由に行き来し、世界のあらゆるところを飛び、街の中にもごく普通に存在します。意味は異なりますが『グレート・ギャッツビー』もしくは『華麗なるギャッツビー』のT・J・エックルバーグ博士の眼や、『1984年』の冒頭でウィンストンが見るポスターの眼、さらに"ビッグ・ブラザーズがあなたを見ている"の文句、『空の境界 第5章』の巴がコルネリウスを街中で見かけたときに彼の後ろにあった両目の看板のように、この鳥たち(もしくは悪意)も僕らのすぐそばで、その両の眼で「あなたを見ている」のです。その隙を窺っているのです。押井監督がどういう意図で意図的に鳥を使っているのかは知りませんが僕はこう思う次第です。

 この映画で示した、今まで安全安心だと自分が信じていたものが突然裏切り攻撃してくるのも非常に怖いもの。
そこに付け込んできた帆場の計画は相当残虐な事件となり得たでしょう。その度合が悪意のそれだとするならば、この世に残った悪意もちょっとやそっとのものではなかったです。
 おぞましき悪意は果たしてここで消えたのでしょうか。いいえ、この社会に根付いた悪はとても深い。終わりのない人為的なカタストロフは主役を変えて繰り返され続けます。この社会ができたときからすでにそう運命づけられているのです。それは次の映画でも証明されます。

でもまあ、そんなこと考えずともこの作品は単純でいて面白いですよね。うんうん。ホント好き。
{/netabare}

余談

 本作にはオリジナルバージョンとリニューアルバージョンがDVDまたはブルーレイに収録されています。オリジナルバージョンは劇場公開されたとき(1989年)の映像そのままです。リニューアルバージョンは1998年に音楽・効果音を録音し直し、さらに再アフレコをしたものです。
 で、どちらが良いのかというと一言ではとても言いにくい。実際に比べてみると、オリジナルはリニューアルと比べて声のノリがいい。泉野明役の富永みーなさんはもう全然違う。オリジナルの方が元気でいてとても良いです。南雲しのぶ役の榊原良子さんもかなり違います。オリジナルでは声も高くおだやかにリラックスしているように感じ、リニューアルではおしとやかに、大人の雰囲気が一層強くなり諭すようにものを言います。後者はちょうど映画第二弾のときのトーンに近いです。これは押井監督かな。何の根拠もありませんが。後者の方が押井監督の作品の雰囲気にぴったりだし、一言一言が重くなることでその場の空気もシリアスになります。
 音は確かに変わっていると思う。でもね、最初は「変わってんのかなあ。」なんて気にしながら観てはいるけど、結局話に集中しちゃってまったく忘れてしまいます。だから僕にはあんまりわかりません(笑)。
 こう見るとオリジナルの方がいいけれど、全体的な会話のリアリティーはリーニューアルの方が幾分か高いです。それにこっちでは、箱舟突入前で後藤さんが海上保安庁に出頭する際に、南雲さんに一度呼びかけられて「はい?」と返事するところが僕は個人的にとても好きなんです。オリジナルでは「はい。」と普通に返事をするのですが、リニューアルでは「はい?」とわざと語尾を上げて返事をするんです。こういう言葉にしないところでの表現は見事ですし、後藤さんの魅力をこの一言でバン!と表現できちゃってるところはすごい。だから僕はリニューアルの方も捨てがたいです。
 初めて観るのであれば、初めにオリジナルの方を観てみるのがいいかもしれません。これが当時公開されたものですし。もしTVアニメを先に観ていて、後藤さん好きであればリニューアル版を先に観ることをお勧めします。それでこの映画をとても気に入ったら比べて観てみて下さい。何度観たって面白いんですから。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 19

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

☆近代史を語れるエンタメお手本作品(仮)

■評価
テーマ性  :★★★★★ 5.0
エンタメ度   :★★★★★ 5.0
シリアス度   :★★★   3.0
脚本巧み度 :★★★★★ 5.0
おススメ度 :★★★★☆ 4.5

■ストーリー
レイバーメーカー篠原重工の天才プログラマーである
帆場暎一が不可解な投身自殺を図る。それと同じくして
東京界隈で原因不明のレイバー暴走事件が多発する。
事件対応に苦慮する特車2課であったが、後藤隊長の
暗黙の命により同課の遊馬が単独捜査に乗り出すが
帆場暎一の自殺には恐ろしい陰謀が隠されていた。
1989年劇場版パトレイバー第一弾作品

■感想
本作は劇場版のエンタメ作品としての出来の良さは随一と断言できます。
1989年作品ではありますが、古臭さや前時代を感じるというよりも
近代史を感じるといった方が分かりやすい作品です。

まず本作で一番に褒め称えたいのは、ストーリー構成・脚本と描写の
完成度の高さでしょう。帆場暎一をめぐる捜査の過程で描かれるキャラ達の
心理描写と展開される真相の動線が非常に分かりやすく、視聴している側も
一緒に真相をおっている様な錯覚を覚えます。また予想の半歩先を行く二段
三段落ちの素晴らしいおケツマツもお見事の一言につきます。
押井監督が作ったとは思えない程パトレイバーらしさを保ち、至極の
エンタメ作品に感じれるでしょう。また作中に登場する『サイバーテロ』
『リコール隠し』といった要素は当時よりも現代の方がその恐ろしさを
実感できる点が古臭さを感じさせない要因の一つでもあり、未だに本作を
視聴していない人に薦めてしまう作品です。

そして本作のテーマですが、個人的には『時代への不満と怒り』だと
思います。まず本作の真相の肝は『犯人の動機』になると思いますが
これを考える前に本作が作られた当時の時代背景を少し語っておいた方が
楽しめると思います。
当時1980年代後半は日本は経済大国といわれる程の経済的な発展を遂げ、
時代はバブル時代へと突入していました。そのため湧き水の様に吹き出る
ほどお金が稼げた上に、大枚ばら撒いて昼夜問わず遊び倒し、量産型T式
パンツを見せながら踊り狂うジュリアナ嬢、飲酒運転、高級車の衝動買い
なんてのも当たり前。また日々自覚できるほどの科学・工業・建築技術
が発展した事で古き物(古き良き物も含む)は壊され、物を大量消費し
大量廃棄する事が正義とされ、人も文化も洗練されていない時代でした。
(これはその時代に生きたお父ちゃまにヒアリングして裏をとっております)

この行け行けどんどんの時代で、果てしない欲の追求と無限の浪費生活を
送る日本人に少なからず倫理観への猜疑心、不満や怒りを漠然と感じて
いた人もいたのではないかと思います。おそらく押井監督もその一人だった
のでは??だからこそ漠然としてみえない不満や怒りを、そのまま形を
なさない動機として犯人に宿し、同時にバブル時代の価値観というものを
間接的に風刺したのではないかと考えています。またこの漠然とした時代
への不満と怒りが、明確な形として描かれているのが次作の劇場版パトレイ
バー2になります。

総じて、この100分程度の劇場版作品に色々な要素を盛り込んだ作品であり
作画も含めて褒める所の多い作品です。お時間のある時にでも気軽に
見てみてくださいまし。

でゎでゎ~ご拝読有り難うございました。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 18

やまだ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

★5/不朽のマスターピース

夏の日の1989。なんと31年前。
機動警察パトレイバー the Movie

4DX版が7/17から全国の劇場で公開。
3日間でなんと動員数1万人突破らしい。
やっぱり何回見ても面白いからね。




ヘッドギアという奇跡が産んだロボアニメの究極形

コレは本当にマジで物凄くとても抜群に面白い。
面白いロボットアニメ映画は?と問われれば
これはもう秒でコレ。一択。
ロボ好きを公言している者がもし
万が一にもコレを見ていないということがあれば
そいつの言動はもう以後一切信用しない。
いや見てないなんて絶対あり得ないんだけど。

ロボットアニメだがアクションメインではないので
面白いアニメが見たい人にも手放しでオススメ。
マトモなロボットバトルはラストくらい。
無理矢理とってつけた感があるので、これも多分
押井からすれば無理矢理やらされたんだろうけど。

そして悲しいかな、
この作品に匹敵する押井作品の登場は
もう絶望的だということ。

パトレイバーという作品はヘッドギアの面々により
押井守をある程度コントロール出来る状況下でのみ
発生したケミストリーによるミラクルである。
スーパーウルトラグレートデリシャスワンダフル
ミラクル。
パトレイバー制作の為に発足したヘッドギア。
押井は途中参加の為、当時既に決まっていた
決定事項について我を通しきれなかった。
押井は主役メカ、イングラムのデザインについて
最初から最後まで納得していなかったらしい。
だが「パトカーは白黒だろ」と当時の常識だった
「主役ロボは派手なカラーリングが望ましい」
を覆した突破力は押井の本分のなせる技である。 
ナンバープレートと指揮車両も個人的にツボ。

ヘッドギアの拘束力でシリアス一辺倒にもできず
学園ドラマのようなコミカルさ、
ロボットバトルのカッコ良さ、
そして何より押井の本領、シリアスなテーマ。

完璧なバランス。

今見てもそこまで古臭さを感じないのは
劇中ほとんどが職務中のシーンであるため
携帯電話を使わないことに余り違和感がないことと
サイバーテロ等のテーマが当時よりも現代のほうが
わかりやすいこともあるかもしれない。



成り行きで乗る事になる他のロボットモノと違って
仕事であんな高価そうなロボットに乗るんだから
宇宙飛行士とか航空機パイロットレベルの
スーパーエリートじゃないとオカシイとか
そんな野暮は言わない。
搭乗者のキャラに合わせて押井がロボを考えたら
多分ヒト型ですらなくなる。
個人的にはそういうのも大好きなんですけどね。
RING of REDのAFWとか、
辰奈1905のトミコローツとか。
でもそれより好きなのは
外骨格、パワードスーツ系。
ALIEN2のパワーローダー、
うすね正俊のコンバットドール、
横山宏のマシーネンクリーガー。
子供の頃、周りがガンプラ買ってたのに
私はSF3D買ってましたからね。
すいません。
このくだりは性癖書きたかっただけです。
こんなのが主役メカじゃ絶対ここまで売れてない。


面白いロボットアニメ(映画)は?
一番好きなアニメ(映画)は?
もう何年も、答えは同じ。
「劇場版のパトレイバー」

投稿 : 2025/01/04
♥ : 19

57.6 2 お台場で戦闘なアニメランキング2位
デジモンアドベンチャー tri.第1章「再会」(アニメ映画)

2015年11月21日
★★★★☆ 3.3 (107)
834人が棚に入れました
君と 出逢った。この世界が選んだ現実と 選んではいけない、未来。 だから今、俺はここにいるー

声優・キャラクター
花江夏樹、三森すずこ、細谷佳正、田村睦心、吉田仁美、池田純矢、榎木淳弥、M・A・O、坂本千夏、重松花鳥、山口眞弓、櫻井孝宏、山田きのこ、竹内順子、松本美和、徳光由禾

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

【復権】ではなく【懐古】に浸る作品ですが、なぜ高校生?なのかが全くもって理解出来ず・・・;

1999年に『ポケモン』や『おジャ魔女』と並んで世の子供達(つまりはオイラ世代)を熱狂の渦に包んだ伝説的名作『デジモンアドベンチャー』の正当な続編


正直色んなところでのアニヲタへの人気アンケートを見るに、『デジモン』シリーズ全ての作品の数字を足したとしても長く多大な日本のアニメ史の中では埋もれてしまう作品なのでしょう
しかし所謂『無印』とか『初代』とか呼ばれる『デジモンアドベンチャー』だけはある特定の世代には神格化されているのだとオイラは分析しています
(決して『テイマーズ』がツマラナイとは言ってない!『テイマーズ』は知る人ぞ知る名作!)


そして『無印』終了から15年、その続編である『02』からは14年の時を経てまさかの続編登場
デジタルモンスター、通称デジモンと呼ばれるキャラクターとパートナーになり、かつてデジタルワールドと現実世界の危機を救った「選ばれし子供達」と呼ばれる8人の少年少女とそのパートナーデジモンの冒険を描きます


今作の監督は元永慶太郎、シリーズ構成は柿原優子、キャラデザ原案は宇木敦哉、音楽は坂部剛


舞台は『無印』から6年、『02』から3年後
八神太一は高校2年生になり、選ばれし子供達は部活やバンドや受験勉強にと、各々の青春を謳歌しつつも少し散り散りになった生活をしていた
しかし現実世界のお台場に突如としてクワガーモンが出現
破壊活動を続け街は大混乱に陥る
暴走するクワガーモンを前にして何も出来ず立ち竦むだけだった太一だったが、肌身離さず所持していたデジヴァイスが突如眩い光を放ち出し、懐かしい声と共にかつて世界の危機を救ったパートナー、アグモンの姿が飛び出してきた・・・


ターゲットは完全に当時の『デジモン』ブームを知る世代、つまり我々(今の20代)に絞っています
デジタルワールドやデジモンなどの世界観については特に説明は無く、OPは和田光司のButter-Fly、EDはAiMのI wish、そしてデジモンが進化する際のBGMは宮崎歩のbrave heart
凄い、本当に僕ら『デジモン』世代しか相手にしていないことがわかります
この潔さには拍手
それに当時はまだ珍しかった3DCGを用いた「デジモン進化」のバンクカットは当然最新の美しく滑らかなモノに差し替えられていつつも、当時の演出を極力再現せんとする“『無印』へのリスペクト”を熱く感じます


デジモン役のキャストは全く色褪せず当時のまま、一新された“フレッシュな”選ばれし子供達役もリアルにデジモンを体感している世代ですし、役どころをしっかり理解しているのが聴いて取れる
ただお話自体には正直ちょっと冷めてしまいました;


だってコチラとしては15年経って当時小学生だったオイラには想像付かない様な毎日を過ごしているし、ランドセル抱えてた頃とは背負っているモノがまるで違う
なのに太一達はデジタルワールドから帰ってきて経った6年間ですよ
その6年間をあたかも15年間アグモン達と会っていない、かのように話すのは違和感しか無かったです
オイラとしては“大人になってしまった選ばれし子供達”を描いて欲しいし、劇中で描かれる太一達高校生の抱える苦悩や葛藤なんてちっぽけとまでは言わないでも【青臭過ぎて】お話の内容が少し安っぽく感じてしまいました
登場人物が軒並みガラケーを使っているのも今の時代では違和感しか無い


デジモン同士のバトルシーンは重厚感あって迫力あるものでしたが、逆にそれ以外のカットの作画はとても低調で、99年のテレビアニメなら兎も角2015年今日のOVAとして考えると現代の水準を満たせているとはお世辞にも言い難い
デジタルワールドではなく現実世界をメインの舞台としていることから、どことなく『テイマーズ』臭を匂わせている点は評価したいです
ただ今後もこの安い感じの青春ドラマが続くと思うと少し評価を下げざるを得ない・・・;
ちなみに劇中キャラがセレクトショップのBEAMSとコラボすると聞いた時が一番腹抱えて笑いましたw
(もちろんカッコ良かったのですがw)
劇中で一番面白かったのは例のタケルの問題発言ですかねwww

投稿 : 2025/01/04
♥ : 7
ネタバレ

とろろ418 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

無限大な夢のあとの……

【良かった点】
・デジモン
  進化演出など違和感もありましたが、昔の声そのままだっただけで大満足です。
・コンセプト
  内容そのものはともかく、主人公たちの成長に伴う葛藤を描くというのはいい路線だと思います。

【良く思わなかった点】
・全体像
  序中盤は悪くなかったはずですが、終盤の超変化球により、作品として瓦解してます。
  あからさまな尺調整、序中盤との整合性のなさ、描写不足による感情移入のしづらさ、不自然な設定などなど。
・コンセプトと現実の差異
  前述の通り、大人になった子供たちをターゲットにしている点は問題なし。
  だがしかし、それとは真逆に薄くなった印象を受ける点が多いです。
  キャラデザイン然り、音楽(アレンジの仕方)然り、演出然り。
  主人公たちは学生だけど、主なターゲット層は学生じゃないはず。もっと厚み出せるでしょうに。
・作品愛への疑問
  なんでしょう。
  こうすると熱いよね、ここは拘りたいんだよね、というより、こうしとけば満足でしょ、ここまでする必要ないよね、という声が聞こえてくるんですよね。
  単純に落とし込めていないだけなのか、実際にそうなのかは分かりませんが、一ファンとしてはとても悲しいです。

以下は無駄な構想。
{netabare}
  今まで引っ張る側だった太一が立ち止まったり、闇落ち経験のあるヤマトが逆に引っ張ろうとする、というのは良いと思います。
  問題は設定、描写不足なんですよね。
  街を破壊してしまうから戦えない?
  普通は、目の前で人が傷つきそうになってるのに何を言ってるんだコイツは、ってなりますよね。
  これが街ではなく人になるだけで、大分違います。
  それに加えて、太一が自分の意思とは無関係に他人を傷つけてしまったことがある。(サッカーの試合で誰かに後遺症レベルの怪我を負わせてしまい、今はサッカーから離れているとか、不良に絡まれているソラを守ろうとした際の過剰防衛で、相手を大怪我させてしまったとか)
  などの設定があるだけで大分太一の行動に説得力を持たせられるはずです。

  終盤は……どうしようもないですね。
  とりあえず前中盤の流れを継ぐのなら、成熟期以上への進化は制限されていることにする。理由は後作品でも良し。
  一番の難敵はアルファモンですよね。
  正直、コイツが動いていることも、コイツから逃げ果せていることも不自然だし、戦闘云々で渋々撤退するなんてのはとてもじゃないが考えられない。
  もともと捕まえる気がなく、別の目的があった。など正当な理由が必須でしょう。

  あと、仲間たちが余りにも近くにいるのが気になりますね。
  これだけでリアリティも、バラバラになっていた仲間たちが徐々に集まってくるという熱い展開も奪われてしまっているのが残念。
  離脱組は絶対必要だったと思うんですけどね。
  その相棒デジモンは進化できないという枷、そこから生じるピンチに離脱組の復帰、これだけでもうドラマじゃないですか。
  群像劇、面白いのになぁ。ああホント、もったいないなぁ……。
{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 5
ネタバレ

latte さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

懐かしすぎて泣きそう

デジモンアドベンチャーの続編です。高校2年生になった太一たちのお話。第一章なので内容的にはそんなに濃くはなかったと思います。これから楽しみ!って感じですね。

デジモン世代の人にはぜひ見てほしいです!
出だしから感動しっぱなしでした。それぞれが進化するたびにテンションが上がりましたね(笑)OP、挿入歌も変わってなくて、懐かしすぎて泣きそうになりました。

{netabare} 再会っていうタイトルだから、もっと感動的なのかなって思っていたけれど、わりとあっさり。デジモンとの再会だけじゃなくて、成長してバラバラになってしまった仲間との再会っていう意味もあったんだなって思います。

成長しても、みんな中身はそんなに変わってなくて、太一はしっかりした高校生だし、ヒカリもお兄ちゃん思いなとこそのままだし。大和がハーモニカじゃなくてベース弾いてる!でもバンド組んでるんだ!って思ったり、タケルはお兄ちゃんより大人っぽいというか・・・(笑)空とミミも相変わらずだし。こうしろうは天才だし。もうちょっとみんな話聞いてあげてって思ったけれど。
一番笑ったのはジョー先輩に彼女がいるって発覚したところかな?みんなの反応もなかなかでした!

お母さんとアグモン、テイルモンのやりとりもほっこりしました。

太一と大和はライバルというか、本当に友達として絆が強いというか、大人になっていろいろ考えてぶつかったりもするけど、二人なら絶対大丈夫!っていう安心感がありました。頑張れ太一!{/netabare}


とにかく、懐かしすぎて語れないくらい感動しました。
1章で私もこの作品に再会できたんだって思います。
続き楽しみです♪ {netabare}そういえば、ヒカリとタケルのデジバイスがちゃんと02仕様になっていたけれど、02のメンバーは出てこないのかな?{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 0
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