disaruto さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「私、兵器だから…」
制作はGONZOで原作は漫画です。
ジャンルはSF・恋愛・戦争・セカイ系です。
全編シリアスなので苦手な方は注意です。
北海道のある街で暮らすシュウジとちせ。
ちせがシュウジに告白し恋人同士となり、交換日記等を通じて愛を深め合っていく。
しかしある日、謎の敵に町が空襲される。
空襲から逃げるシュウジが見たものは、「最終兵器」となって敵と戦うちせの姿だった…。
実写映画にもなっている、有名タイトルのアニメ化作品。
「イリヤの空、UFOの夏」「ほしのこえ」と合わせて2000年代三大セカイ系作品って言うらしいです。
私は本作を視聴して全作品触れたことになりましたが、これが一番好きかな?
セカイ系の定義。
個人的には「主人公の一挙手一投足が世界を変えるスケールの作品」というものだと認識しています。
最終的には他の事なんて関係ない、私たちだけの世界になるみたいなのがお決まりパターン。
本作も例に漏れずそんな感じです。
「兵器になっちゃった☆ てへぺろ(・ω<)」ということで始まる本作ですが、終始重い展開。
戦争ということで人が死にます。
たくさん死にます。
悲しいシーンも多め。
{netabare}特に9話でアケミが逝くところね。
彼女は報われたのかなって…。{/netabare}
でも結局のところ、本作にとって脇役の人たちって別にいらないんだよね。
本作が描きたいのは「シュウジとちせの恋愛」だから。
「人外である最終兵器になった彼女を愛せるか」ってことだから。
「何と戦争している?」「なぜちせは兵器になった?」「ラストはどういうこと?」とかどうでもいい。
そんなものは海苔弁に付いてくるマカロニサラダみたいなものです。
大体恋愛なんて二人だけの話なのですから。
首突っ込むのは野暮なものですよw
それを全力でやってのけた点は評価に値する点だと私は思います。
加えて段々心も人から遠くなって兵器になっていく描写も上手かったです。
ちせ役の折笠富美子さんの演技が大変良し。
11話の演技とか、狂気を感じました。
ちょっと花澤さんに声が似ているよねw(正確に言うと花澤さんが似ているかな?)
注文を付けるならば、もっと極めつけにしても良かったかなと。
つまり「いっそ主人公二人だけメインで、他全員モブでもよかったんじゃない?」ということ。
他の人たちの存在感が案外強かったように感じます。
総括して、結構優秀なセカイ系だと思います。
古典的作品なので、鬱展開の恋愛モノがお好きならどうぞ。