「しらんぷり(アニメ映画)」

総合得点
60.2
感想・評価
30
棚に入れた
140
ランキング
5977
★★★★☆ 3.5 (30)
物語
3.6
作画
3.6
声優
3.6
音楽
3.3
キャラ
3.4

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ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

「口を出したら、今度はこっちがやばいもんね。」

「だってさ、今度は僕がいじめられるかもしれないもん…。」

悲しいことに、いじめはなくなりません。

それは大人の世界でも子どもの世界でも。

この作品は、子どもの世界のいじめに焦点を当てたお話。

小学6年生のいじめを描いたお話。

30分ほどの作品です。


● ストーリー
きっかけは、ただのくしゃみだった。

たった1つのくしゃみを理由に、始まったいじめ。

そしてそれを見ても、知らんぷりする「ボク」。

ほんとは助けたいけど…でもそしたら今度はボクがいじめられてしまうかも…。


● 感想
いじめには3つの人間がいるといいます。

1.いじめられる人間
2.いじめる人間
3.周りの人間

主人公の「ボク」は3の人間です。

1を助けてあげたい。2は許せない。なんで1は抵抗しないんだ。なんで声をあげないんだ。1の意気地なし。ほんとは助けたい。でもボクは1になりたくない。………………

そんなリアルな葛藤を絵本風の作画で、観ている人の心にずきずきと訴えかけてくる。

いじめという社会問題がなかなか解決できない原因の1つに3の人間の葛藤があります。

そりゃ誰だって自分のことがかわいくて、いじめられたくなんてない。

自分を犠牲にしてまで誰かを助けたいなんて人は変わり者です。そんな人、2次元の中でしか知らないよ(笑)

だから自分を守ることを優先したって誰も責められない。

問題は、「じゃあどうするか。」なのです。

それを考えるきっかけとなるストーリーでした。


6年生の子どもたちが主な登場人物なので、6年生の子どもが見ると感情移入しやすいでしょう。

でも大人でも見ていてズキっとくるものがありました。

いじめられている人が誰よりも苦しんで、悪者扱いされて、逃げられなくて…そんな世の中は絶対に間違っています。

いじめられている人の苦しみを知る。
いじめている人は絶対に間違っていることを知る。

それがまずはスタートラインなのかもしれないですね。

この作品は、あくまでいじめを知ろうとするスタートラインに立つためのものです。

この先どうするかは、この作品を観て感じたままに。

投稿 : 2014/08/01
閲覧 : 280
サンキュー:

19

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