kwm さんの感想・評価

4.3
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

クールビューティ！　「攻殻」「ブラックラグーン」等が好きな方は是非

原作未読。
サムネイルのアルビノ？と思えるような真っ白な女性と、あらすじの「武器商人」という部分が非常に印象的で、いつか見ようと候補に入れていた作品。
一期につき12話程度で、二期を含めて一つの作品となってます。
タイトルにもあげたような作品が好きな方向けで、広く一般に勧められる大衆向けではないと思います。

物語は、世界に散らばるの紛争地帯の火種にガソリンをぶっかけるかの如く、金と引き換えに武器をばら撒いていく武器商人「ココ」と、その武器商人達に間接的に大切な人を奪われた紛争地帯の元少年兵「ヨナ」の旅路を描いたお話です。

ココは各方面から集めた選りすぐりの私兵達を従えて世界中を飛び回っており、物語の舞台となるのは世界の火薬庫であるヨーロッパや、紛争の耐えないアフリカや中東が中心。
私兵達も個性に富んでいて、優しそうに見えて実はとてつもなく怖いおじさんを始め、わがままボディを持て余した筋肉ムキムキマッチョマンの女性まで様々です。
物語が進むにつれ、こうした私兵達の過去の生い立ちにもスポットが当てられており、それと共に一緒にいるはずがないココとヨナが旅を共にするに至った経緯なども語られる事になります。
「優しそうで実はおっかない」「爆乳なのにムキムキ」「銃を自在に操る少年」「美少女なのに武器商人」「大人の女性（ココは少女）と小さな少年」「武装した女子高生（ノーパン）」
こうしたギャップやアンバランスさは、この作品の大きな魅力の一つです。
ちなみにココはやたらとヨナに抱きついたりべたべたします。
ヨナは見るからに大人の女性受けしそうな雰囲気を醸し出しているので「おねショタ」好きにはたまらないと思います。

登場する兵火器はどれも最新鋭の物ばかりで、航空機はラプターやサンダーボルト、武器としては対戦車ミサイルとしてジャベリン等が出てきます。
作中ではきちんとした名称で呼ばれていますが、重火器に関する特別な知識はなくても何の問題もないです。
当然のように銃撃戦の戦闘描写が多々出てくるのですが、リアリティに欠ける部分があり、戦闘描写にリアリティを求める方は萎えてしまうかもしれません。
これを良しとするかは、この作品をガンアクションとして見るかで変わると思います。
戦闘シーンがそこまで重要でない私でさえ、遮蔽物無しの丸裸の状態でお互いを打ち合うシーンに違和感を覚えましたが、そう感じたのは数回程度で、どうしようもなくひどいものではないです。
良い作品だけに、ここはもう少しなんとかならなかったかなと思う点でした。
逆に良い点の一つとしてあげられるのが、OPと次回予告や挿入歌として流れるBGMです。
最高にかっこよくてクール。
アニメを一気見する事が多く、普段は何回か見た後にOPやEDは飛ばしてしまうのですが、この作品では一度も飛ばしませんでした。

腹の中を探り合うような会話や、笑顔で会話をしながらテーブルの下で脚を蹴り合う様な描写が好きな方に是非お勧めしたい。
知性や教養を感じさせる台詞回しが好きな私にとって、ココの顔の作画や既に述べた点など細かい不満はいくつかあるものの、周回出来るお気に入り作品です。

一話目だけであればネットで無料視聴でき、ある程度見続けないと面白さが伝わらないという作品でもないため、あわなければ一話切りできる作品だと思います。
そいういう意味では敷居はそんなに高くないです。
ちなみに私は一話目の半分を見た段階で「ああ、これは私の好物だ」と判断できました。
作品のどの部分を中心として捉えるかで変わってくると思いますが、「貴方が見たアニメを整理して下さい」と幾つか袋を渡されたとしたら、私は攻殻なんかと同じ袋に入れてしまっておきます。