みかみ(みみかき) さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:途中で断念した
高度に開き直った、「隠さない変態」。
原作四巻まで。アニメは1話みた。
原作以上に、豪快なパンチラでびびった。
で、さて、内容は、
俺の妹、が兄妹ともにツンデレな話だったのに対して、こちらは兄・妹ともに、お互いへの欲望をダイレクトに表現「お兄ちゃん…はぁはぁ…」「妹…はぁはぁ…」を軸に、いろいろな人が主人公に欲情する話。隠さない変態はある意味でネタとして強い、ということだけを基軸にすすむ。
欲望ダイレクトであるという点において大変どうしようもない感じを、どーん、と前面に押し出している隠さない変態アニメ。たぶん、このアニメを「どうしようもない」と言っても、誰も怒らないでしょう…。
どうしようもないアニメです。間違いありません。
*
で、ちょい、うがった見方をすると、こういう話を楽しめる資質、というのはちょっと複雑な回路を必要とするところはある。ある意味では、ベタな恋愛とか、ベタなラブコメを楽しむよりもよく訓練されたオタクである必要がある。
これがたとえば、『I.S』とか『電脳少女』とかみたいな、欲望をがんばって隠す微エロストーリーとかだったりすると、訓練されてないオタクでも問題ない。こういうのを褒めてるうちはオタクとしてはある意味でまだ、修行が足りないって感じがする。
一方で『兄好き』を、何のてらいもなく、楽しんでみられるというのは、オタク道の折り返し地点を確実に過ぎている。
何が折り返し地点で何がスタート地点かって?
わたしの脳内の訓練コースをおおざっぱに整理すると、だいたい、こんな感じ。
●Lv1:無意識ビギナー/ベタでもネタでもない
対象ジャンル:万人向けラブコメ。『うる星やつら』ぐらいの。
「いやー、なんか、あの、くっつくのか、くっつかないかあたりが、やきもきさせてたまんないよねー。ヒロインの○○ちゃんかわいいよねー」
↓
●Lv2:自己否定の道/ベタな欲望に近いところで肯定可能な回路を模索
対象ジャンル:ジャンプの微エロマンガ。『I.S』とか
「いや、おれは、そんな邪な欲望だけで、読んでるわけじゃなくて、人物描写もこれはいいんだよ…。だから、本当におれは…」
↓
●Lv3:混乱する欲望/ネタとベタの区別が混乱
対象ジャンル:萌コメディ 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』
「いや、俺は…萌えて…いるのか…?…わからない…?よくわからないけど、かわいいし、面白いよ!」
↓
●Lv4:そして、高度に開き直った変態へ…
対象ジャンル:ダイレクトな変態。『お兄ちゃんのことなんてぜんぜんすきじゃないんだからねっ!!』
「ふー、やはり、俺の欲望がどうしようもないものであることについて……、認めざるを得ない。ええ、変態ですよ!変態ですが何か?○○ちゃん、マジ、かわいいよ!俺の嫁!」
…
……
という発達の諸段階を人は形成していくわけです。間違いありません。絶対です。異論は認めません。
ヌルいアイドル好きの人が、ベタに
「●●ちゃんに、まじ、俺、恋してるんだよね…」
とか言うんじゃなくて、
オタクがある種の、ネタとして
「俺の嫁!( ゚∀゚ ) ヒャッァァァホォゥゥゥゥゥ!!!!!!」
とか書いてるほうが、まあ、よっぽどマシですよね、と。
このあくまでベタじゃなくて、ネタなんですよ、という振る舞いによってはじめて、オタクが欲望を表出できる、ということ。
まあ、このアニメ自体を好きかどうかはともかく、このようなタイプのアニメを好きであることを、TPOをわきまえた上で発言できる人は、信頼のおけるオタクだと思います。
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ただTPOの選び方は難しくて、結局、ネット上で不用意な文脈で、そういうのって流れていくからなぁ。ところかまわず、「俺の嫁!」とか発言しまくって、非オタのOLさんとかに眉をひそめられたりすることのないように、しましょうね♪ >みなさん
ていうか、この話自体の良し悪しの話をぜんぜんしてなかったけど、
…まあ、だから…ええっと……この話のいいところを、あえて探すとタイトルかな…!
もう、このタイトルから明らかに、「そういうものですから…っ!」ということをきちんと提示しているのはいいよね。まさか、このタイトルの話に対して、「人間の深さを書いていない」「感動が足りない」「まともじゃない」とか、disらないよね。みんな。
最近の2chまとめスレ(ハムスター速報とか)って、ほんとにうっかり開くと、びっくりするような広告ばっかだから、勘弁してほしいと思うけれど、この作品についてはそういうのは、ないよねw
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ただ、マンガだと、くっだらないなーww、とか思いつつ高速に読み飛ばせるからいいけど、
アニメでもって、じっくりこの内容見せられるのはちょっと疲れるかもしれないw