退会済のユーザー さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
臭ってくる芸術性
[蟲師]
この作品は何か感性にうったえてくる作品ですね。
作画においては評判どおり素晴らしい出来栄えで、まるで自然の中にいるよう。
緑が多いのですが、その緑色でも多数の色が水墨画のような色合いでいて、
登場人物達も和服がなのでとてもノスタルジックに感じさせる。
また、霧とか雪とかの描写も素敵で音楽もかかり所が絶妙で曲数が多い。
物語は、蟲師なるギンコさんが治療をしていく話なのですが、その蟲が奇妙な虫で、
病気にかかっている人も独特の症状をきたしている。目が見えなくなってしまった人や、
聴覚に異常をきたしたり人などなど。そんな患者に治療を施すわけですが、
そこにエピソードを加えてくるとこが良い。目が見えない世界、見えるようになった世界、
治療とともにポツリとつぶやくギンコさんの言葉が奥深い。
エピソードの中にメッセージ性はあるものの、ゆったりした描写やセリフ数は少なくも
ギンコの匂わせるような振る舞いから隙間ができ、余韻と考えさせられる不思議な作風になっている。
なんにしてもギンコさんの蟲師ではあるが、研究者とも見えるし旅人にも見えるさすらいぶりが格好良い。
作品全体としても、凄くこだわりが伺えるんだけど、凄く自然。それでもって味わい深いので、
日本のメディア芸術100選も頷ける内容。また個人的には癒される作品だとも思いました。
_
命の水のエピソードや、ギンコさんいわく蟲はあらゆる生命の根源と言うセリフから感じたのですが、これ最高に癒し作品なんじゃないかと。まるでその命の水飲んでいるような、また臭ってくるクリエイティブさって言うのかな。決して目立たないんだけど、じんわりと底から感じる>ほのかに臭ってくる感じ。続けて見るスタンスよりもたまに嗅ぎにゆくそんな風に観ています。