OZ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
遊び心ある言葉遊び
原作のライトノベルは読んでいないが
キャッチしている方達の評価も高いので
観てみる事にした
物語シリーズの第1弾作品
■遊び心ある言葉遊び■
DVD/BDの売り上げからでも
人気の高さが窺える『化物語』
シャフト特有の演出による世界観
アクの強いキャラクター達
そのキャラ同士 独特な台詞回しから生まれる掛け合いが
今作品の持つ魅力だろう。
ショートストーリーが5つ組み込まれているものの
物語は一連して繋がっており
全体のバランスが上手く取れている。
また OPがエピソード毎によって変わり
中でもなでこスネイクで流れる
「恋愛サーキュレーション」は耳に残ってお気に入りだ。
会話の妙とキャラクターが濃い反面
ストーリーそのものは薄く感じるけれど
遊び心ある言葉遊びによる会話劇が
西尾維新先生の小気味好いセンスである。
■演出が評価の境目■
新房昭之監督独自の演出に
文字がワンカットで挿入される手法が用いられている。
この演出を受け入れるられるかで
評価が変わってくるのかもしれない。
黒齣や赤齣 他にも文章等で
阿良々木君の心理描写や状況内容を伝えていて
第一印象は目を引く事となったが
中盤辺りからはくどく感じ
足枷になったきたかな。
リズムを合わせる為の意味合いを含めているのだろうけれど
却って集中を遮る形になってしまい
観るのに気が散ってしまうのだ。
勿論 今作品独自の演出方法であり
魅力の一つなのだけれど
テンポが損なわれてしまう為
もう少し挿入する回数を抑えて欲しかったものである。
■神原 駿河でした■
登場人物が多くない中で
戦場ヶ原 ひたぎ→八九寺 真宵→千石 撫子と
エピソード共に心は移ろいでいったが
観終わって最も好印象なのは
沢城みゆきさん演じる神原 駿河であった。
爽やかな見てくれとは裏腹に
ひたぎラブ 露出狂 そしてブルマ所持と
一つずつ挙げていくとキリがない変態女子高校生であるが
するがモンキー以降
阿良々木君を惜しむ事なく手助けしていたりと
非常に心強い味方である。
なでこスネイクで
阿良々木君の自宅に行った際のやりとりが
何とも面白く
隠し持っていたエロ本について
「なかなかマニアックな好みをお持ちで!」
「私なら余裕でこなせるような造作も無いプレイだがな!」
「ほっ 誇らしげだー!」
このやりとりを経て撫子が笑うのだが
同じくつられて笑ってしまったものである。
■あとがき■
全15話を楽しめたけれど
評判程の面白さは感じなかったのが本音。
穿った見方をすれば
良い意味でも悪い意味でも
オシャレ感の主張が強いかなって。
主に評価されている点は
○独特な演出
○会話が面白い
○キャラが良い
当然 他にもあるが以上をよく耳にする。
会話とキャラは楽しめたけれど
演出面については上でも書いた通り
中盤以降 合わなかったな。
物語シリーズとして続けて観ていけば分かる事だろうが
今回の『化物語』だけで観ると
登場人物の謎が残り
忍野 忍とは何だったのか?等
今一つ答えが出ていないのは釈然としないかな。
続編がある前提なので
一つの作品としては評価し難いんだよね。
とはいえ やはり人気が高い作品なので
魅力を理解しきれていないのは勿体無いので
次『偽物語』を観てみようと思いました。
満足度 ★★★★★★☆☆☆☆ (6)