三崎鳴 さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
安定した出来のアンドロイド物
吉浦康裕演出、原作、脚本、監督。インターネット上に公開されたオリジナルアニメ。1~5話まで各15分、6話が30分の計105分構成。後に再編集された劇場版が公開される。東京国際アニメフェア2010・第9回東京アニメアワード優秀賞OVA部門受賞作品、第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査員推薦作品。かなりの秀作。内容はアンドロイドと人間との共生世界を描くライトSFだが、尺が短い分構成に無駄がない。一話から引き込む要素が強くついつい一気に最後まで魅せられる。独特なカメラアングルや3DCGも見所の一つ。会話のテンポがよく、コメディシーンも多い為心温まる(個人的には4話がお気に入り)。アイザック・アシモフのロボット工学3原則を持ち出したりしてるのもポイント。アンドロイドを人と同列に扱うか、といつしか来たる時代への問題提起でもあるがそこまで強くテーマ性を押し出しているわけでもない。ロボットだって嘘を吐く。笑う。夢をみる。考える。芸術を表現する。恋をする…。人間だって産声をあげたその刹那から感情があるわけではない。それは、他人と触れ合って吸収することで育むものだ。なかなかに感慨深い作品。続編を切望。斬新といえるわけでもないがサクッと観れる為お勧めはしたい。