景禎 さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
天道式抜刀術皆伝
ライトノベルのアニメ化作品。近未来SFファンタジーバトル。ギャグ要素もすこしあり。
10年前のガストレア戦争に敗北した人類は、寄生生物ガストレアに怯えながら細々と生活していました。そして人類は、生まれながらにしてガストレアウィルスを持ち、高い戦闘能力を持つ幼女(イニシエーター)と、それを統率管理するプロモーターのペアで、今もなお人類を脅かし続けるガストレアと戦っている・・・という設定。
設定自体は有りがちですが、さすがライトノベル源作、かなりよく練られた設定ですね。ガストレアに関する科学的考証や、ガストレアとの戦いによって疲弊した政治経済、差別や貧困といった社会問題まで・・・。ちょっとファンタジー要素が混じっていますが、SFの設定としてもかなりよく出来ていると思います。(東京だけで必要な物資やエネルギーがそろうのか、とか、ツッコミどころも満載ですが。電車が1両編成だったので、それなりに疲弊しているという表現かもしれない)
イニシエータは、10年前の戦争以降に生まれたということになっているので10歳以下。ガアストレアウィルスがDNAを書き換える影響で性別は女だけ。つまり、出てくるのは10歳以下の幼女。まさにロリコン御用達の設定です。ツンデレ、無口無表情、どじっ子キャラまで、各種幼女をご用意させていただきました的な作品になってます。特に8話以降は幼女ハーレム設定。ということで、商業面から見ても、結構よくできた設定になっています。もちろん幼女萌えに興味がなくても十分にもおもしろく見ることができますよ。
構成は、数話単位で完結したストーリー(原作の1巻分)になっています。さすがライトノベル原作だけあって、ストーリーはしっかりしていて、そのおもしろさは一流です。かなり重めのお話しですが、ギャグ要素も適度に織り交ぜられており、あまり重くなり過ぎず、テレビアニメ的おもしろさも十分だと思います。
前半は比較的退屈なストーリー展開で、登場キャラも多めなので付いて行くのがちょっと大変ですが、後半は息を飲むおもしろさです。尺の関係で多少詰め込み感があるのが残念ですが、ラスト3話の伏線回収や、最終話の予測不可能なラストシーンはお見事です。ここ最近のテレビアニメの中では最高レベルだと思います。
作画の質には少しムラがあるように思います。全体的に見れば、キャラ、背景は平均的で、バトルシーンはよく動くほうです。しかし、ところどころ数十年前の作画レベルのような雑な部分があったり・・・。気にしなければいいのですが、気になるひとには気になるかもしれないです。
OPアニメは前半、後半で2本あり、ちょっと贅沢。音楽OP、EDともはグッドです。とくにOPはファンタジー系アニソンらしくて好き。BGMもなにげに贅沢です。
原作にはまだ続きの巻が出ているし、最終回ラストシーンのナゾとかあるので、2期もあるかもしれません。2期あれば見ます。