ローズ さんの感想・評価

3.2
物語 : 2.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 2.5 キャラ : 3.5 状態：観終わった

美味しい料理でも好みが違うと……

カフェ「カゼミチ」に集まる仲間であり友人でもある深水透子（ふかみ　とうこ）、高山やなぎ（たかやま　やなぎ）、永宮幸（ながみや　さち）、井美雪哉（いみ　ゆきなり）、白崎祐（しろさき　ひろ）。
高校３年の夏休みに深水たちが通う高校に転校してきた沖倉駆（おきくら　かける）。
それぞれの想いを秘めた６人達の青春群像劇。

う～ん、正直なところ、ピンと来るストーリーではありません。
沖倉と深水が持っている将来を見る事ができる能力ですが、その事を本作品に活かしているとは思えません。
不思議な力という事は分かっていますが、この能力がある事によって視聴者側に何かあると期待させておきながら特別に変わった事はありません。
この能力がなければ普通の青春恋愛物として成立したでしょう。
個人的には能力が無い事にして普通の青春恋愛物としたほうが内容が面白くできたと思います。

男３人と女性３人で自然とカップルができます。
もっとドロドロとした展開になると思っていたのですが、特別な事は起きなく普通の日常の中で恋愛関係の話は進んでいきます。
自分は沖倉が転校してきた事で１人のヒロインを奪い合う修羅場を予想していました。
しかし、楽しみにしていた修羅場は無し。
青春物としては成立していますが、障害の無い恋愛物を見ても面白くありません。

沖倉と深水の能力は他人には理解できないのでしょう。
他人に理解されないから同じ能力を持つ２人は自然と近い距離に。
ここまでは分かるのですが、本当に未来を見る事ができる能力は必要だったのでしょうか。
深水の母親も若い頃に同じ能力を持っていた事が示唆されていますが、それだと普通の遺伝です。

１２話目の「花火（再び）」が異質です。
沖倉に言わせると深水の想像の世界なのでしょうが、あまりにも唐突すぎます。
深水の未来予知の能力によるパラレルワールドと考えればいいのでしょうか。
それにしても不思議な感覚になりました。

良作を残しているＰ．Ａ．ＷＯＲＫＳの制作だったので期待値が高かったのかもしれません。
自分が理解できなかっただけで本当は素晴らしい作品なのかもしれません。
個人的には、もっと６人が集まる機会を多くしてお互いの人間性を理解させて、その上で恋愛物にしたほうが理解しやすかったと思います。
賛否両論あると思いますが、残念ながら自分の期待を下回る作品となってしまいました。
単純に自分には合わない作品だったという事でした。