renton000 さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
不完全燃焼かな
あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。
初見でした。110分くらいです。
アンドロイド物の作品を見たことがない人には見やすいのかな。演出もかなり細かいところまで気を向けていたと思います。「イブレンド」というアイテムを使って、人間とアンドロイドの「ブレンド」を受け入れていく様子も、映画のテーマや舞台を的確に表現出来ていたのではないでしょうか。
考察したいところもあるんですけど、それよりも不完全燃焼感が強かったのでやめました。てか、この作品完結していないよね。正直これを一つの完結ものとして評価するのはちょっと…。ということで気になって調べてみれば、もともと6話のものをつなげている、あくまでも1stシーズンと銘打たれてる、ということで納得しました。
人間とアンドロイドを描くときに、主体と客体(見る側と見られる側)の関係を列挙すると、次の四通りしかないですよね。
人間が人間を見る、人間がロボを見る
ロボが人間を見る、ロボがロボを見る
この作品では、全ての関係の基礎となる人間―人間の描き方が弱いように感じたんですよ。人間関係がどんなものかを描かずに話を進めていっている気がしました。そこは視聴者側に判断を委ねていると採ってもいいのですが、アンドロイドが普及し始めたSFの世界において、人間と人間の関係が今と同じなのか違うのか、というのを丸投げしていいのかなと。世界観は現代とそんなに変わらないので、違いはないよというメッセージなのかもしれませんが、社会構造が違うわけですからね。友人関係や家族関係をもう少し丁寧に描いても良かったのではないでしょうか。特に家族関係は、含みのありそうな父親は別にして、リクオ・母・姉と三者三様のアンドロイド観を持っているわけですから、彼らの家族としての関係性を描くことはこの作品に必要だったと思います。アンドロイドも彼らの家族との関係がベースにあるわけですし。人間関係なくして、人間とアンドロイドの関係を語るのは少し拙速かなと。まぁ展開を急いでいるように見えたってわけです。
これに関しては、ショートストーリーをベースにしている弊害が出てしまったのではないかと思います。毎度毎度ストーリーの展開を期待されるわけですからね。最初から2時間作品を作るのと違って、物語の進め方に制限が課せられてしまっていたんだなって感じました。2時間作品にするなら構成から再編集した方が良かったのではないでしょうか。
一番気になったのは、{netabare}物語の中心であるリクオとサミーの関係が完結しなかったことですね。ピアノを教えるシーンか一緒に弾くシーンなくして、この物語は完結したとは言えないのではないでしょうか。
{/netabare}