てけ さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
スケール×スピード感
原作未読。
奇居子(ガウナ)という宇宙起源の生物に太陽系を破壊されてから1000年。
シドニアという移民船(作中では播種船)に乗る人々の話。
ロボットがでてきますが、バトルアニメというより、サバイバルアニメかな。
原作者、弐瓶勉の作品は結構好きです。
「BLAME!」「NOiSE」「BIOMEGA」、あと画集と短編をいくつか読みました。
知らない人はまったく知らないけど、知っている人の中では有名作家というよくわからない人です。
この人の特徴をざっと書くと、
・圧倒的なスケール!
何百万年とか何十億キロとか当たり前に出てきます。
・建築物がやばい!
建築家としての知識を生かして、ものすごく巨大で緻密な構造物を描きます。
・人がよく死ぬ!
世界崩壊は恒例行事。
・圧倒的説明不足!
1話まるごとセリフなしとか。
読めば読むほど深まる謎。
・人外が多い!
人工生物とか、不老不死とか、人間やめてる人ばかりです。
そんな中、今作は「見る人に優しいなぁ」という印象でした。
・セリフが多い
・ラブコメ要素あり
・キャラの性格がわかりやすい
・背景、謎を解説してくれている
これだけでものすごく見やすくなっています。
今まで想像で補っていた部分を説明して、ガチガチのハードSFに柔らかさを加えたら、あらアニメ向きに。
アニメーションは全編3Dを基本に描かれていて、動きがぬるぬるです。
ただ、表情がちょっとカタイ気がします。
驚いたときの顔の動きなんかはMMDを見ているみたい。
ただ、星白はかわいかった。
特に{netabare}エナ星白の「わー」{/netabare}は、(*´Д`)ハァハァ……。
{netabare}人外{/netabare}に萌えました。
その分、3Dをフルに生かした戦闘シーンは、迫力満点ですね。
スローモーションなどの演出もカッコイイ!
ロボットの見た目ではなく、動きで魅せるのに成功していると思います。
{netabare}
紅天蛾との一騎打ちは見応え抜群でした。
{/netabare}
で、肝心のストーリーは……。
高評価の人ごめんなさい。
ちょっと行き当たりばったり感が強かったです。
意味のあるようで意味のない伏線、予測不可能な裏事情。
そして、一貫したテーマ性も感じられませんでした。
ただ、やっぱり世界観がおもしろいです。
謎が明らかになったり、次なる脅威が現れたりするとすっごくワクワクしますね。
展開も速くていい感じです。
スケール×スピード感でグイグイ引っ張ってくれます。
世界観、雰囲気が光っている作品だと思います。
エンターテインメントとしての質はばっちり!
これからも強烈な印象を残してくれることに期待です。
……どうでもいいけど、光合成がこんなにエロかったら、日本人の理科の成績は上がると思う。