無心 さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
何これギャグなの…
死後の世界、生前若くして理不尽な最期を遂げた者たちが、学園で楽しい青春時代を送ることで過去の未練を消化し成仏するというお話。
前半イミフ過ぎて切ろうかと思ってたところに、直井君とか緒方さんとか、あと文人君とか出てきてなんとか踏みとどまった。舎弟である直井君を見届けたいがために最後まで見た。(緒方さんが好きなだけですが…)
中盤に差し掛かってきた辺りからキャラにも慣れ始め面白くなってくる。寒かったギャグも笑えるくらいになって、これはかなりの良作かと思ったんだけど…。
総評
大人向けではないですね。
死ぬ(今作で言うところの成仏する)ことの扱いが軽すぎる。恋愛描写も友情も浅すぎる。仲間が成仏して消えていくのに、もう2度と会えなくなるはずなのに、あたかもゲームのように「さぁて、次は誰を消そうかなー♪」は違うんじゃないか。物語がファンタジーなのはOKだけど、キャラの心理や性格までもがファンタジーなのはいかがなものか。
「結婚してやんよ」も「俺たちここに残ろう」も、それまで積み上げてきたものがほぼギャグだけでちゃんとした描写、悩みや葛藤もない中唐突にそんなセリフ吐かれても、全然感情移入出来ない。このまま天使と会えなくなるのは嫌だ、ここに残りたいと思いながらも天使のためにグッと堪えて送り出すとか、もしあの最後のセリフを吐かせたいなら、途中にこのまま天使を成仏させていいのだろうか、それで自分は後悔しないだろうかと葛藤するシーンなどあれば、ラストの音無の様変わりとも思える行動も違う印象になったと思う。好きな人とこの世界に残りたいという気持ち自体は純粋というか素直で当たり前の感情なんだけど、ただ自分勝手なやつという風に見えてしまったのは明らかに見せ方次第だと思うなー。
今作品はギャグやバトル、バンド、シリアス、感動、友情、恋愛と色々な要素を欲張ってどれも中途半端になっている。流行りもののオードブルって感じ。1クールの限界かもしれないが、もともと尺が決まっていたんだから、テーマやキャラをもっと絞って、恋愛なら恋愛を、友情なら友情を丁寧に描いた方がよっぽど感動出来る作品になったと、自分は思う。