「ソードアートオンラインⅡ(TVアニメ動画)」

総合得点
88.2
感想・評価
3910
棚に入れた
22398
ランキング
124
★★★★☆ 4.0 (3910)
物語
3.9
作画
4.1
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.0

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ネタバレ

westkage。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ゲームオーバーしても死なないソードアートオンラインは、もはや私の求めるソードアートオンラインでは無い

本作は川原礫のライトノベルを原作とした作品です。テレビシリーズとしては2作目で2014年7月から12月まで、全24話+総集編1話が放映されました。原作のライトノベル5・6巻「ファントムバレット」7巻「マザーズロザリオ(外伝)」8巻「キャリバー」の内容が収録されています。

テレビシリーズとしては2作目になりますので、1作目を視聴していない方は前作からの視聴をオススメします。

前作は個人的にも高評価(総合4.9)を付けさせて頂いて、他に類を見ない衝撃的な作品でした。1期は全25話構成で「アインクラッド」「フェアリィ・ダンス」の内容が収録されましたが、私はアインクラッドの物語が評価のほとんどを占めています。正直アインクラッドのみ14話構成の作品ならオール5の評価、もしあにこれに6という評価が存在するならオール6でも惜しくありません。それくらいベタ誉め出来る作品でした。
やはりアインクラッド編の魅力として一番大きかった部分は「閉鎖された限定空間に予期もせず閉じ込められて強制的に死のかかったゲームに参加させられる」という所でしょう。私の知る限りですが、こういったストーリーの流行りは「バトルロワイヤル(2000年公開映画)」から始まっているんですかね。「ソウ(2004年公開映画)」という映画もありました。勿論内容としては全く本作とは異なりますが、予期もしない死の恐怖に直面した時の人間性を描写する点としては通ずるものを感じます。作りもの・まがいもの・嘘・偽りが横行する世の中で、人間の優しい面・醜い面があらわになる、あらわにならざるを得ない極限状態というのは、視聴者に衝撃的なまでの‘リアル’を体感させます。基本的に「作りもの」である事が前提の映画やアニメーションにそれを忘れさせるほどのリアルさ・生々しさを訴える作品は醜い描写が多くなりますが、逆にそんな状況下におかれても尚「他人に優しくする」描写があると、本物の感動をもらえるような気がします。
本作ソードアートオンライン・アインクラッド編も、そんな極限状態でのお話でした。強敵と対峙するたびに心から応援出来ましたし、弱きものに優しい手を差し伸べる主人公に心打たれたシーンも少なくありませんでした。厳しい環境の中で必死に生きるモブキャラにまで感情移入出来るような作品だったと思います。

前置きが長くなりましたが2作目としての総評です。
「ゲームオーバーしても死なないソードアートオンラインは、もはや私の求めるソードアートオンラインでは無い」という事です。1期前半が終わった時点で言えた事ではあったのですが、前半の感動も引きずりながら後半はなんとか視聴を終える事が出来ました。しかし2期は正直途中から苦痛を伴いました。もうラストのあたりは直視してません。ファントムバレットに関しては、話が長すぎます。10話くらいでおさまる話を無理に14話やってる感じがしました。ドラゴンボールで2話くらいまるっと悟空が界王拳を20倍にするのを眺めている感じです。アインクラッド編で毎話あんなに濃密だったにどうしてしまったのか。これは予測ですが、この後続くアリシゼーション・ビギニングというお話が長すぎるため、3期全て使うために2期はこうせざるを得なかったのかな、とも思います。だったら無理に24話構成じゃなくても、12話でファントムバレットとマザーズロザリオやれば良かったのではないか?とも思いました。まあその辺りはオトナの事情で無理な話なんでしょうけど。2つとも話自体はそれほど酷評する内容でも無かったですが、内容が薄いのに尺を取ると描写が煽り気味になるのでソレがくどく感じた原因かな?とも思います。

・・・と、酷評続きになってしまいましたが、人気のシリーズですし高評価を下しているレビューは多いかと思います。どちらかというと私の方は少数意見だと自覚しておりますので「こう感じる人もいるのか」と広い心で受け止めて頂ければ幸いです。

*ここからはネタバレを含みます。
更に酷評が多くなるため、気分を害されたくない方は注意して下さい。
{netabare}
凄くドライに評価します。2期は「可哀想なヒロインがいて、それをカッコ良く・心温まる助け方をする」そんな物語に見えました。ここで弁解させて頂きたいのは、勿論実際にそういう人が居れば助けになりたいですし、そう動くと思います。ただ自分の場合フィクションを見る上では、まず感情移入出来るがどうかが先になるので、そういった意味では今回の物語には私が全く感情移入出来ていないのだと思います。
では何故感情移入出来なかったのか、それはファントムバレットのシノンが大きな要因だと感じています。彼女は犯罪者を射殺してしまった事で、銃器類に対する強いトラウマを抱える事になるという設定でしたが、ここが自分の中で良く解ってないんです。犯罪者を?正当防衛で射殺して?PTSD?
・・・ピンとこない私は異常なのでしょうか?勿論彼女はもっと若い時に負った心の傷なのでしょうし、なにより女性です。自分を重ね合わせるのもどうかと思うんですけどね。それでもやはりこの部分がこの物語の鍵である以上、ここを理解してあげれない事には前に進まなかった・・・そういう事なのかもしれません。しかもかなりここの部分を繰り返すシーン多かったですしね。

マザーズロザリオ、これノンフィクションだったら涙が止まらないと思います。でもこれフィクションなんですね。これは個人的な好みだと思いますが、病気の人を題材にして視聴率を狙うのは好きじゃないんです。もうホントそれだけ。

総括すると「私の場合感情移入が出来なかった、だから楽しめなかった」という事だと思います。ここまで人気作である以上、決してストーリーが悪いという訳じゃないと言うのは良く解りますしね。ただアインクラッド編をぶっちぎりの高評価にしているので、私も今作によせる期待は大きかったのだと思います。

{/netabare}

投稿 : 2015/06/28
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