かおーん さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
養子のために、他すべてを捨てた男の生き様
6歳の少女を引き取ることになった30歳の独身男。
仕事もバリバリできるバイリンガル営業マン(そんな感じを全く受けさせないワルガキっぷりもまた良い)が、仕事、飲み会や娯楽などのプライベートを全て捨てて、娘を育てあげる決意をする。
独身でこの覚悟をした主人公ダイキチがすげぇ。子育ての大変さ、職場での風当たりや理不尽さをリアルに描いています。
男が子育てのために仕事を変え、休日は子供のために、ってところは、アカデミー作品賞映画「クレイマー、クレイマー」に似てます。なので実の母親が急に親権を取りにくるのか?と心配になりますが本作品ではそれはありません。
6歳児「りん」の母親は漫画家で、仕事を取って子供を捨てる。めちゃくちゃ身勝手だしトンデモ設定なんですが、この母親に妙なリアリティーがある気がしてならない。もしかしたらリアルにモデルがいるのでは?と勘ぐってしまう。
原作では、1~4巻まではダイキチが主人公ですが、5巻から10年後にぶっ飛び、中学生になったリン視点の物語に激変します。この主人公変更に正直戸惑います、まったく別の作品になりますので。
30歳独身男のニヒリズム、リンのために全てを捨てるダイキチの生き様がかっこいい、オトナのマチュアな作品から、一転、青臭い思春期全開の中学生、高校生視点の作品に激変ですよ、いきなり受験や進路の悩みとか、クラスメイトの恋ばなとか、元カノ問題とかだされてもね、おじさんは戸惑いましたがな。
同じく娘を持つ身としては、もう少しダイキチ視点で引っ張って良かったと思う。小1から中学3年までぶっ飛びましたが、ここですよ、この間こそ描くべきだった。アニメで補完して欲しいくらいだ。
年頃になっていく娘、リンの初潮とか、下着選びとか、携帯・スマホ欲しがり始めた時とか。独身男ダイキチがどう対処するのか、そういうのがこの作品の面白さだった。
自分理系卒ですが、「デニール」って単位、娘の学芸会用の白タイツ選びで始めて知りましたよ、皆さん知ってました?(笑)
アニメを気に入った人、続きが気になる人はぜひ原作を。
といっても、そんなに原作も褒められた内容じゃないんですけどね。
なんだ結局、光源氏と紫の上かよ、的な?
もう一度見るかと聞かれたら「見ない」
視聴前の自分にメッセージを出せるなら「アニメはどーでもいいが原作は4巻までにしとけ、まぁ最後まで見ちまうだろうけどな」