じょー さんの感想・評価
3.8
物語 : 5.0
作画 : 2.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
アニメの真価とは
10年ぶりに見直したフルバです。
90年代後半を代表するピュアなラブストーリーです。本田透というキャラクターの紡ぎ出す、言葉の一つ一つの美しさに心を打たれます。
アニメの評価をする際にとても難しいと感じる事は、多面的な評価をすればするほど、その作品に対する思い入れやトータルでの価値を見失いそうになることです。あにこれの評価表は出来るだけ公平にしようとしていますが、フルバのようなアニメの評価ほど、点数を付けることに無意味さすら感じる事があります。
さすがに昔の「花とゆめ」だけあって、少々こっぱずかしい設定で、決して作画も綺麗とは言い難く。デフォルメに近い大きな目や、やたらイケメンな人たちなど、酷く見ていて恥ずかしさを禁じ得ないのですが、それを大きく上回るだけの感動を与えてくれます。堀江由衣さんの若々しくそして元気を与えてくれる声もキャラクターにあっていると思います。
この作品を見直してみて、改めて思うのですが僕は結局、多分失ってしまったピュアな心であるとか、人を思う気持ちであったりとかをアニメやドラマや映画というものに求めているのかなと。おそらく国が違えば、二次元ではなく舞台や映画だったのだろうと。そんな事をふと思ってしまうアニメです。
80年代後半の「星の瞳のシルエット」、90-00年代の「フルバ」00年なかばの「ハチクロ」そして最近の「君に届け」であったり、その時々でピュアなラブストーリーの代表は常にあり、これらの物語は結局に何年経っても本質的には変わらないものであることを、いまフルバを見返してみて思います。
OP,EDともに岡崎律子さん、メロディが優しく、アニメの雰囲気にこれ以上ないほどに合っています。そしてこの方が若くして亡くなられたのがとても残念でなりません。
原作の途中で終わっている作品です。無理とは思いますが、もう一度、現在の技術でリメイクしてみて欲しい作品の一つです。
ねこ姉さんありがとう。でもやっぱり僕は由希ちゃん派です。