雷撃隊 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
日本一有名なロボットものも最初はアンチ・テーゼだった
ガンダムは日本で一番有名なロボットものだが最初はお子様向け勧善懲悪ものという世間一般のイメージに対するアンチ・テーゼだった。ヤクザ映画における「仁義なき戦い」みたいなものだ。「ヤマト」や「マジンガー」なんかは任侠路線だろう。映画版は一本道に繋がってるのでなにげに見やすい。語りだすと長くなので3つに分けて語らせてイタダキマス。
やたらと数が増えて形骸化してるシリーズだけど最初が良かったから続編が作られたのでなんだかんだ言いつつ単純に最初が面白い。初代には初代にしか無い底力がある。
30年以上経ってるので作画は現在とは比べようも無いし時代がかった描写も多いので今更お勧めおしないけどアニメや日本映画全体の基礎問題集みたいな作品なので見て損はしないだろう。
見たこと無くてもセリフだけはなんとなく知ってる人も多いのでは。
「これが、戦い」「認めたく無いものだな、自分の若さ故の過ちというものを」「三倍のスピード」「親父にもぶたれたことないのに」「謀ったな、シャア、ジオン公国に栄光あれ」「弾幕薄いぞ、なにやってんの」「立てよ国民」「坊やだからさ」「選民主義者が何を言うのか」「独裁・・・これが、敵」名台詞多いな。
アムロ、ブライト、シャア、ホワイトベース、ザク、ムサイとか知ってても実際見たこと人が増えたなー、ジェネレーション・ギャップ感じること増えたな。
愛すべきヘタレシャアに一票。この人運がの巡り合わせが悪いことこの上ない。モデルは完全にハムレットだけど徐々に富野由悠季本人になってゆくのが面白い。押井守によると「シャアの言動に注意してれば富野さんの考えがわかる」とのこと。たしかに雑誌のインタビューとシャアのセルフが被るとおもっていたらやっぱりだった。負け続ける男の物語として見てみるとかなり自虐的な物語だろう。
Zやνまで付き合うと富野氏の思想が解るぞ。
今年35周年だけど初代のファンはそろそろ五十路。対象年齢がいくつぐらいなのか。これからガンダムは何処へ向かうのか・・・