北山アキ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
日本社会ってテロって言葉に敏感なのか鈍感なのか分からん
最終話まで観て
原爆爆発後の電気の止まった世界の束の間の平穏の場面は悪くなかった。
なんとなく、中国映画「太陽の少年」が思い浮かんだ。
でも、青春モノとしては上手く捌けていないと思う。
全体的に物語としての嘘のつき方が中途半端なんだだと思う。
もっと爆ぜろよ。
第4話感想
バイクのシーンが良かった。
王家衛の「天使の涙」みたいで。
2話まで観て
暗い情念に突き動かされる話は好きなので、今のところいい感じ。
今後、僕の嗜好にとって重要で、期待することは、
リアリティを一定程度維持すること。
テロやデモが身近ではない日本を舞台にしながら同時代性を保つこと。
独り善がりであっても琴線を震わせる人物を造形すること。
テロリズムは持つものに対する持たざる者の対抗手段として否定出来ないものだと僕は思うので「不謹慎」という言葉が浮かぶ人は恵まれてる人なんだろうなと思ってしまう。否定してなくなるものでもない。
「テロ」なんて持つ側視点からの都合の悪いことに対するレッテルだから、「テロ=悪」という思考に陥っている人は自分に都合の悪いことを「テロ」と言う人かも。その逆もしかりだとしても。
国家は「暴力の独占体」と言われたりするけれど、その独占性に常に正当性が伴うとはとは限らないわけで、個人としても、それに挑戦するための最終手段としてのテロという選択肢は放棄できない。そういう緊張関係がないと実のある対話は成り立たず、強い側からの押し付けだけがはびこることになると思ってる。
法治が銃を後ろ盾としなければ成立し得ないのと同様に、テロルも言説無しでは成立しない。
物語が良ければ、単語と語義の閉塞関係も打破されるので、そういう物語になって欲しい。