ようす さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
逆さまに広がる2つの世界。逆さまに響く2つの鼓動。
吉浦康裕監督によるアニメ映画作品。
監督の作品を見るのがこれが初めてですが、壮大な世界観にはとても魅了されました。
100分ほどの作品です。
● ストーリー
地底世界に暮らす少女・パテマ。
地上の世界(アイガ)に暮らす少年・エイジ。
2人がこの作品の主人公です。
地底世界に住む人間とアイガに住む人間とは、重力の向きが反対。
地底世界からアイガに落ちたパテマと出会ったエイジは、サカサマのパテマをかくまいながら、元の世界へ返すことを約束する。
内容はみっちりでした。満足です。
重力の向きがあっち向いたりこっち向いたり、頭の中がぐるんぐるん(笑)
でもとても不思議で魅力的な世界観でした。
物語の中で語られた伏線はすべてきれいに回収されていて、すっきりです。
異世界で出会った少年少女の物語、といえばよくあるストーリーですが、
そこに”サカサマ”という要素が加わることで独特な世界観が出来上がっていたように感じました。
● サカサマ
というわけで、この作品の魅力はここ、”サカサマ”です。
というか、重力、かな。
エイジ目線ではパテマは常にひっくり返っていて、
パテマ目線ではエイジは常にひっくり返っている。
それはちょっとおかしな光景ではあります。笑
重力が正反対なので、体重が重いであろうエイジの重力のほうが勝つ。(だよね?)
2人が力を合わせれば、重力を弱めることができ、エイジは軽やかに跳ぶことができる。
私はこのシーンが1番気に入っています^^
なんだか自分の体もふわわ~っと軽くなった気分でした♪
また、地面に落下したり、空に落下したり、そのスピード感も迫力があってよかったです。
”空を見下ろす”って変な感じだけど、パテマ目線で空を見下ろしてみると、
自分が知っている空とは全然違う空がそこにはあって、美しかったです。
もちろん、美しいだけじゃなくて、パテマにとって空は「どこまでも落ちてしまう」恐ろしい場所。
その恐怖感が見ている私たちにもわかるように描かれていたところもよかったです。(中盤に。そのタイミングもgood。)
パテマが空を怖がるのも当然です。それと同時に、2人の信頼関係もよく伝わってきました^^
● まとめ
ちょっと頭の中はぐるぐるしますけど、
想像力が働き、なんだか脳が活性化された気分(笑)
スピード感のある美しい作画と、2人の爽やかな関係、まっすぐな心には元気ももらいました。
エイジはかっこいいし、パテマはかわいい。キャラについては申し分なし♪
わくわく、ドキドキするような冒険ものが好き、という方にはおすすめかな。