どらむろ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
P.A.WORKSの存在を知らしめた青春ラブコメの傑作
少年少女の揺れ動く恋愛模様を描いたラブコメなのだが、ドロドロの昼メロ…と見せて、本質は青春群像劇・成長物語か?
富山県に実在する町を舞台にした映像の美しさに当時驚いたが、今なお色褪せていない傑作。
{netabare}『物語』
既に語り尽くされているので今更詳細を述べるのは憚られるのだが…
本作は恋愛ドラマ(しかもかなりドロドロ)と思わせて、実は「恋愛を通して未熟な自分自身と向き合い、苦悩し成長していく」青春群像劇なのではなかろうか。
恋愛劇として見ても、終始ハラハラさせられる(ドロドロしてくるので)見所満点。
私が本作を名作だと思う理由は「繰り返しの視聴に耐えうる」から。
無数の良作は大半が一度視聴すれば満足するが、本作は繰り返し視聴したくなる。
恋愛ドラマとしても、主人公・仲上眞一郎の視点で見るか、ヒロイン三人それぞれの視点で見るかで全く違った感慨を抱かせてくれる。
真のテーマは青春群像劇・成長物語なんだな、と気付いた時は、ハッとさせられた。
(5週以上視聴してやっと気付いた辺り、理解力足りないのかも)w
結末は賛否ありそうだが、やはり最初からこの結末しか無かったのではないか?と思えた。
個人的には比呂美ルートで大正解だと思った。
『作画』
単純に綺麗、を通り越して、透明感のある美しさ。
富山の実在の街並みを再現した作画は(当時)剋目させられた。
アニメの作画は日進月歩とはいえ以降(同社作品も含めて)本作を超える綺麗な作画は滅多に無い。
『声優』
主要キャスト全員良い演技。
特に湯浅比呂美役の名塚佳織さんは、細やかな内面の揺れが滲み出る好演。
嫌な役回りかも知れないが、その複雑な内面を、ちゃんと伝えてくれた。
『音楽』
OP「リフレクティア」が透明感ある美しい名曲で大好き。
アニソン史上でも名曲の一角。
挿入歌「そのままの僕で」も涙腺崩壊する程に効果的に使われていた。
『キャラ』
青春群像劇で成長物語なので、未熟さが肝なのであろう。
初見では石動乃絵(いするぎ・のえ)ちゃんの電波な可愛さに萌えまくったが、愛ちゃんも可愛い(切ないが)。
湯浅比呂美は嫌われがちだが、ええ子やないか!一番真っ当に恋愛してた気がする。
女子の嫌な部分担当という事で、ホワイトアルバムの小木曽雪菜と似ている(比呂美ちゃんのが奥ゆかしいので好き)
眞一郎の母(と父)も、結構重要な役割担っている事が分かる。
主要キャラ以外の層も厚く、青春成長ストーリーにあって無視出来ない。
あと雷轟丸とジベタ(ニワトリ)も本作の重要キャラなのは間違い無し!
主人公が複数居るといっても良い層の厚さで、故に視点を変えての繰り返しの視聴に耐えうる名作になっていると思う。{/netabare}