ossan_2014 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
平凡なラブストーリー…になるのか?
映像も音楽も美しく、視覚的には楽しめる。
出だしを見る限りでは、地方都市の青春群像劇。なのだが主人公の見る「未来のかけら」がそこから浮いているようで、今後どう展開するかが興味を引く。
気になるのは、主人公の少年とニワトリの名前。
作家の笠井潔氏が描くところの現象学探偵と同名の「駆」くんと、現象学の創始者と同名のニワトリ「フッサール」くん。この名付けに意味はあるのか。
主人公たちの見る「未来のかけら」は、作中で幻覚のような形で描写されていて、常識人がこれを知らされてもまず妄想として相手にされないだろう。
現象学では、幻覚も妄想も「現実」と原理的に区別しない。それを見ている人の確信の強度が、見ているものが現実であるかどうかを根拠づける。
周囲にとって「未来のかけら」が妄想にすぎないと看做されても、主人公の確信によって、それは主人公の現実になる。
この確信が周囲に伝播していけば、まさしく彼等全員にとっての「現実」に変っていくことになる。
名前からこじつけた妄想だけど、こういう見方も楽しいよ。
(2014.7.27)
駆の名は、本当に笠井潔の小説からとったものだったのですね(驚)
4話で自分の名前を説明しているとき、「欠ける」と言っていたのは、小説からの引用(オマージュ?)かな
【観終えて】
現象学云々のたわごとはさておいて、同じ世界を、同じ時間を、共有していく絆を象徴するものとして、「未来のかけら」というある種のビジョンを導入して表現したのかな、という印象。
……あ、やっぱり現象学的かな