plm さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
乙女心の花つぼみ
まんがタイムきららフォワードの漫画原作、"よさこい"を踊る女の子たちの部活もの。
きらら系列といえば、女の子たちが登場してほのぼのとした内容が主体の「萌え4コマ」のイメージ。
だが、フォワード作品は「ストーリー重視」なのだそうで、本作はがっつり"青春もの"である。
4コマ作品だと、あまり深刻な葛藤を描写するようなものはあまりないが、
今作は部活動を通して「憧れ、向上心、挫折、成長」といった変化・物語性が盛り込まれている。
しかしこれまでのきらら枠に求められていたのは、そのお気楽さだったので、
この違いが功を奏すか、否か……は気になるところであった。
絵がけっこう特徴的で2~3話観てたら慣れたけど、最初はあの目のシャープさに慣れなかった。
■ほんわかスタイルはきららを継承
ストーリーモノとして、シリアスさや葛藤があるとは言ったものの、
きらら系列のご多分に漏れず、人間関係はそれほどドロドロしたものではない。
むしろぬるま湯のごとき生暖かい環境。(さばげぶっ!だったら真っ先にやられちゃうぞ!)
なので全般的に「逆境を自力で克服する」というよりは「周囲の力を得て自信をつける」
ような話であるため、パワフルさ・インパクトという面では刺激は薄めかもしれない。
けれど、メンタル弱めな主人公の少女"なる"が、憧れに向かって小さな一歩を踏み出す、
そうして開けていった「世界の広がり」という部分に救いを感じることができれば共感できる作品だ。
純真な前向きさはよく伝わってくる作品なので、元気をもらえるアニメではあると思う。
■パーッとパーッと晴れやかに、飾りましょう有終の美
やっぱりどんな作品も、終わりが良ければ作品全体としての印象も良くなる。
この作品は最終回の収め方がとても良くて、気持ち良い後味を与えてくれた。
何だかんだでキャラに入れ込ませられてたんだなぁと。
特に、気弱少女だった"なる"の変化は顕著だったように思える。
最初はどっちつかずな態度にモヤモヤしたものだけれど、意思を持てるようになるにつれ
良かったなぁ、なんて思えるようになる。父性本能をくすぐられるような感じのキャラだった。
ハナちゃんは最初は物の怪の類かと疑い続けていたが(未確認で進行形のせいだろうコレ)
ホント終始一直線で良い子だった。素直な元気っ子良いです。金髪ょぅι゛ょ良いですね。
■YOSAKOI
そういえば"よさこい"については結局、鳴子くらいしかわからなかったんだけれども、
あの制服と組み合わせた中途半端(に見える)着こなしでも良かったり、
現代風で自由度の高いお祭り踊りっぽいね。OPの横並びで踊ってるとこは好きで素敵だなーと思った。
☆総括
ひさびさに来た、ストレートな青春もの!
絵に癖はあるけれど、ほんわかした女の子たちの頑張りに胸を打たれて話が進むほど思い入れも深まる。
そしてラストが最高潮で後味良く終わる作品なので、ポジティブさを求める方にはお勧めできる作品。