STONE さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
いよいよ交差してきたか
原作は未読。
一つの事件を数話単位で解決、上条 当麻が可哀想な娘を助けるために事件に関わり、最後は
拳でケリを付けるなど、ベーシックな部分は1期と同じ。
なんとなく細かい部分を飛ばされているような感覚になるところも同じだったけど(笑)。
ただ、学園都市とローマ正教の攻防など、全体を貫く大きな流れが明確になり、これまでは
事件に首を突っ込みこそすれ、立場的には部外者的存在だった当麻が渦中の人物になるなど、
話が核心に迫ってきた感じ。
1期において「上条勢力」なる言葉があったが、個人的にはこの言葉に違和感があった。
他作品だと、新たに登場したキャラが仲間になることで、主人公を中心としたグループが形成
されることが多いが、この作品においては各キャラはあくまで自分の都合で行動していることが
多く、当麻と共に事件に当たるキャラもその時に利害が一致した者だけという印象で、とても
「上条勢力」と呼ばれるような一枚岩の第三勢力には思えない。まあ、敵対者に取っては必要
以上に脅威に感じてしまうものかもしれないが、それも一種の幻想か。
この各自が勝手にやっているのが、他の同系統作品とは異なるこの作品の個性に思える。
この特色を象徴しているなと思われたのが、中盤の山場である大覇星祭での一件で、
オリアナ・トムソンを巡る事件の解決に当たるのは当麻、ステイル・マグヌス、土御門 元春
のみ(被害は他にもいたが)。それでも多くのレギュラーキャラが大覇星祭というキーワードで
描かれるところなど、一種の群像劇を思わせるものがあった。
1期のレビューで超能力と魔術が同居する設定が面白いと書いたが、その実、事件の質に
よって関わるキャラは分けられていたように思えた。
魔術絡みだとインデックス、ステイル、神裂 火織、土御門、能力者絡みだと御坂 美琴、
アクセラレータ、白井 黒子といった感じ。
これが終盤においてはようやく両サイドのキャラが関わってきたようで、文字通り「科学と
魔術が交差するとき物語は始まる」となってきたみたい。
そういう意味では本当の物語はこれからなのかな、といったところで終わってしまった。
3期あるのかな。
この作品における十字教は現実のキリスト教をモデルにしているようだが、史実では「魔女
裁判」などに代表されるように、魔術はキリスト教にとっては邪悪なもの。
それが、この作品においては聖職者がやたらと魔術を使う。この辺もこの作品の個性の一つ
かな。