蓬(Yomogi) さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
タイトルなし
第1に絵のクオリティが素晴らしい。
作画もメカの手描きの質感や、キャラクタの動きなど細かいデザインなのに丁寧に作画していた大変感心した。
やはりメカについては重量感の表現が90年代半ばのようなレベルを維持していて本当に驚いた。
メカで剣戟を作画するのは本当に大変だったろうに、よく描いたと言わざるを得ない。
また背景美術も特筆に価する出来栄え。
乾燥した世界観の土や岩、真っ青な空に奥行きある雲の表現。
特に夕景の美術は素晴らし過ぎる。
元々が劇場版として作成されたこの作品、劇場版のフィルムを元にテレビ用のシーンを追加して放送したとの事。
そのせいか、遠景のカットが多く画面に広がりを感じるシーンが多かった。
自分は活劇は広い世界観が好みなので、この作品のスタイルは見ていて気持ちいい。
また音楽がオーケストラと混声合唱を使っているので、通常の戦闘シーンでも重厚感のある演出に仕上がっている。
しかし残念ながらストーリーについては期待したほどではなかった。
原作連載中なので話が途中で終わってしまっているし、そもそも広げた風呂敷の割りにキャラの事情描写に時間を割きすぎて話が小さくなってしまっている。
また戦況は変化しているが、思わせぶりに悩む割にキャラクターの人間的成長がないので、物語が進んだ気がしない。
それに思わせぶりに登場する良い感じのキャラほどあっけなく死んでしまうのはなぜ?
主人公が完全に流され型なので、なにかやりそうで実質あまり何もしていないのも気になる。
とにかく三角関係がぜんぜん進んでない。
ヒロインに魅力がないのが見ていて辛い。
シギュンが周りの環境に甘えすぎでは?市井から輿入れしたなら早く子供生まないでいいの?
といった疑問がまったく解決されなかったのも、物語としてどうかと思うのだが…。
全体的にもったいない作品だと感じた。