退会済のユーザー さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
薬売りさん 終わらせて
美術の表現力がすばらしいです。
日本の和が画面中に散りばめられて、惹きつけられました。
それだけでなく、前ふりが長くて退屈しそうなところも
主人公である薬売りが、とても魅力的なのであきさせません。
声、しぐさ、たたずまい、雰囲気、特に手の動きが良かった。
物語は全体的にダークです。
人間の執念、業の深さ、誰もが持っている黒い部分、そんなものを表現してきます。
お願い。ここでもう、終わらせて・・
みてると私も懇願してしまうのです。
薬売りさんが・・終わらせてくれるのです。
その中でも一番印象に残ったストーリー
のっぺらぼう(ep6~ep7)
主人公の名は、お蝶。
{netabare}
幼少期から今現在の私を見透かされいるのかと思いました。
心の中で、幾度も繰り返しみてきた風景。
お面をかぶった少女。
身体はそこにあるのに、心だけがそこから離れていく。
心だけは、この心だけは誰にも触れさせない。触れられない。
変えられない。
だから空想の世界にいくのです。
だって唯一そこだけは絶対に誰にも壊されないから。
お蝶が、薬売りによってやっと憑き物が落ちる瞬間、
「お前が殺したのは誰だ?」
「私が・・殺したのは・・・みんなわたし?」
「モノノ怪はわたし!」
ここで私は、この歳にしてようやく気づいたのです。
真っ白の中の誰からも気づかれないような場所、私だけが知っている場所に、
決して消えることのない黒く深くそして暗い、闇。
それは他の誰でもなく全部わたし。わたしが作った。
ずっと私が、私自身を殺し続けていたのだ と。
涙が出て、何かがたくさん流れ出ていきました。
薬売りさんが、お蝶だけでなく私のことも開放してくれたのです。{/netabare}
すごい作品です。本当にみて良かったです!
こんなにもたくさんの人たちがいるので、きっと同じように出られなくなってしまっている人がいると思います。
そんな方に観て欲しい。
きっと薬売りさんが退治してくれます^^
心に残ったセリフ
「耐えたのか。自分の心を失くしてまで。」
「ここは閉ざされていると思えば牢になり、出たくないと思えば城になる」