ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 2.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
原作開始時は良質のホラー漫画だったけど・・・?
ヤングジャンプ連載中の人気ホラー漫画
正確にはホラー漫画「でした」が相応しいかな
いつの間にかジャンプ的お約束ってやつで
主人公最強系バトル漫画になってしまいました
初期のころは大好きだったので
最近の展開を見ているとさびしい限りです
バトル漫画はほかにいくらでも良質のがあるのよね
アニメ版はホラー要素よりもアクション要素を前面に出したい
という意図が伝わってくる仕上がりでした
アニメにとってホラーは鬼門ですし
バトルアクションのほうが人気出るんでしょうね
しかしやっぱりホラーとして面白かった作品が
いつの間にかただのバトルアクションンに変質してしまうと
初期からのファンとしては物悲しいものがありますねぇ
でもそれはある意味で長寿ホラー作品の宿命なのかもしれません
20年くらい前に初代バイオハザードをやった時は凄い衝撃でした
スーパーファミコンからプレイステーションへと
コモンプラットフォームが移行し(当時はまだSSも息してたけど)
ゲーム内ムービーや3D処理といったイノベーションが
色々な種類のゲームを進化させました
そんな中でも劇的な進化を遂げたのがホラーゲームというジャンル
それまでテキストアドベンチャーかそれに類するRPGくらいしか
ホラーというジャンルを謳った作品はありませんでした
バイオハザードという作品をご存じない方のために簡単に説明しておくと
連続失踪事件を追う警察の特殊部隊が山中での捜査中に謎の生物の襲撃を受け
命からがら逃げ込んだ洋館の中で襲いくるゾンビの群れと戦う(あるいは逃げ惑う)ゲームです
このゲームの何が凄いかというと
襲ってくるゾンビが怖いというよりは
ランプが明滅するだけの何もない廊下だったり
軋みながらゆっくりと開いていくドアだったり
何か起こりそうで起きないという
ホラー映画では定番のシチュエーションが一番怖い点
ホラー映画との決定的な違いは
ポップコーンを片手に固唾を呑んでいれば
いつの間にかすべてが終わっている映画と違い
自分で前に一歩踏み出さない限り何も始まらないし何も終わらないこと
つまりはホラー映画の視聴者になるのではなく
ホラー映画の主人公になれるゲームだったんですね
何の変哲もない廊下をただ単に一歩前に歩くだけ
という行為にこれだけ勇気が必要なゲームってすごい
しかしそんな傑作もシリーズを重ねるにつれて
アクション要素や銃撃の爽快感のほうが重視されるようになっていき
初代から10年ほどたった頃のバイオハザード4で私は見切りをつけました
ゲームとしてつまらなかったわけではないんです
むしろアクションゲームとしてはよくできていました
ただ、ホラー作品特有の妖しい魅力は一切含まれていない
ごくありきたりなガンアクションに成り下がっていただけですね
東京喰種も見事に同じ轍を踏んでいます
この作品で一番面白かったのは
何だかわからないうちにいつの間にか自分が喰種になっていて
人間にばれたら殺される
かといって喰種にも仲間として認めてもらえない
そんな板挟みの状態で
食人の誘惑という生理的欲求に抗いながら
人間と喰種の狭間で苦悩していた頃だと思います
アニメで言うと最初の数話くらいでしょうか
そしてアニメ版は早めにバトル展開に持っていくために
その部分を積極的にカットしていきました
それでもって肝心のバトルシーンは黒塗り規制ばかりって
もうほんと何がしたいのさ?
もうこの時点で私の観たいものは何もなくなっていたのですが
思わぬところで収穫はありました
1話ではなんでもかんでもざーさんにやらせればいいってもんじゃねぇぞ!
とか思ってたわけなんですが
最終話の対話はすごい良かったです
ほんとゾクゾクしました
ここ数年のヤンジャン関連アニメは
色々とひどい状態
ハマトラは原作もアニメも残念な感じ
ブリュンヒルデは後半ヤバイ
キングダムは作画がオ㍗ル
ZETMANは迷走してて
パパききはひたすら寒い
さいぷーは見る気も起きない
ヤンジャン発アニメは地雷みたいな風潮を
この作品なら何とかしてくれるかも・・・
と思っていただけにちょっと残念
原作はこの後白カネキ無双が始まり
だんだんと喰種の描写よりもCCGの描写が増えていきます
そして中途半端な形での原作完結のあと
3年後の話である東京喰種:reとして生まれ変わりました
なんかハマトラにもついてましたねこの記号・・・
まだ続編開始から間もないですが
CCGをメインに描いた話に見えますね
今はまだ読み続けてはいますが正直魅力を感じません
アニメ2期以降が心配な作品です